説明

電力自給式送信機

【課題】各種電子機器を操作するための電力自給式送信機に関し、内蔵する発電手段から得られる電力の有効活用が図れる回路構成のものを提供する。
【解決手段】電力自給式送信機の回路構成を、発電手段1の後に、整流器回路30、コンデンサ50、マイコン60、信号生成出力部38が、その順で直列接続され、かつ上記整流器回路30の後に、上記コンデンサ50と並列接続となるように補助充電回路55を付加した構成にした。そして、補助充電回路55として、コンデンサ50の電圧を電圧検出IC70で検出した結果、第一の所定値より大きければ、上記発電手段1から得られる電力が蓄電用素子74に蓄積されるようにされ、また、第二の所定値以下であれば、上記蓄電用素子74の出力が上記コンデンサ50からの出力と共に上記マイコン60に入力されるように切り換わるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器を操作するための電力自給式送信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器は、機器本体から離れた位置で送信機によって遠隔操作できるものが増えている。その際に用いられる送信機としては、一般的に、収容された電池からの供給電圧で作動するものが多い中、近年では、電池を内蔵させる代わりに、例えば誘導コイルに誘起される起電力を用いて作動するものなど、所謂、発電手段を内蔵させた電力自給式送信機も提案されはじめている。
【0003】
そのような電力自給式送信機について、以下に、図3の従来の電力自給式送信機の回路構成を示すブロック図、図4の同要部となる発電手段を模式的に示す図を用いて説明する。
【0004】
まず、図4を用いて発電手段1の構成などについて説明すると、同図に示したように、この発電手段1は、可動側となる磁石部材10と固定側となるヨーク部材20とを備えている。
【0005】
磁石部材10は、上方側にN極、下方側にS極が位置するように配された永久磁石11の上下面のそれぞれに、磁性体製の上板材12、下板材13が固着されて構成されている。この磁石部材10は、永久磁石11の中心位置を通る回転軸線11Aを中心に左右方向に回転動作が可能となっている。
【0006】
ヨーク部材20は、上面視コの字状に形成された磁性体製で、図示しないケースなどに固定状態で配され、左脚部21は上板材12の左側部と下板材13の左側部との間に挿入され、右脚部22は上板材12の右側部と下板材13の右側部との間に挿入されている。また、左脚部21と右脚部22を繋いでいる中央部23には誘導コイル25が巻かれている。
【0007】
下板材13の左側部の下面にはコイルバネ27が配されており、これらの磁石部材10、誘導コイル25付きのヨーク部材20、コイルバネ27によって、発電手段1は構成されている。
【0008】
この発電手段1は、磁束変化により誘導コイル25に誘起される起電力を取り出せるものとなっており、次にその動作説明をする。
【0009】
発電手段1は、通常状態では、磁石部材10に対して図4中の矢印で示すように、上板材12の左側部上から押圧部材(図示せず)などによる力が加えられており、それによって、磁石部材10は、左側が下がった状態となって停止している。つまり、上板材12の左側部の下面がヨーク部材20の左脚部21に当接し、下板材13の右側部の上面が右脚部22に当接した状態になっている。また、コイルバネ27は、下板材13の左側部の下面で押されて圧縮状態になっている。この通常状態では、永久磁石11からの磁束は、上方のN極から上板材12の左側部、ヨーク部材20の左脚部21、中央部23、右脚部22、下板材13の右側部、永久磁石11の下方のS極の順で伝わっている。
【0010】
その通常状態から、図4中の矢印で加わっている力を除くなどすると、コイルバネ27の圧縮状態が開放されて、磁石部材10は回転軸線11Aを中心に右回りに回転動作し、下板材13の左側部の上面がヨーク部材20の左脚部21に当接し、上板材12の右側部の下面が右脚部22に当接した状態で停止する。これによって、永久磁石11からの磁束は、上方のN極から上板材12の右側部、ヨーク部材20の右脚部22、中央部23、左脚部21、下板材13の左側部、永久磁石11の下方のS極の順で伝わるようになる。
【0011】
つまり、この動作後の状態では、ヨーク部材20内における磁束の流れが通常状態とは逆方向に流れるようになって、その磁束方向の変化に応じて誘導コイル25には相応する所定の起電力が発生する。この起電力を誘導コイル25両端のコイル線から取り出すことにより所定の電力が得られるようになっている。
【0012】
また、上記動作後の状態から、押圧部材で押すなどして元の通常状態に磁石部材10を左回りに回転動作させて戻すと、このときもヨーク部材20内における磁束の流れが上記動作後の状態とは逆方向に流れるようになるため、それによっても誘導コイル25に相応する所定の起電力が発生し、この起電力もコイル線から取り出すことにより所定の電力が得られるものであった。
【0013】
次に、上記発電手段1を備えた電力自給式送信機の回路構成について、図3を用いて説明する。図3に示すように、上述した発電手段1は整流器回路30に接続されており、発電手段1から得られる電圧は、整流器回路30で、都度、整流されて、整流器回路30に繋がるコンデンサ32に充電されていく。コンデンサ32に蓄積された比較的高い電圧は、コンデンサ32に接続された変圧器回路34で所定の定電圧に降圧され、その出力電圧がマイクロコンピュータ36(以下、マイコン36と記載)に駆動電圧として給電される。これにより、マイコン36が作動され、そのマイコン36による制御によって、後続接続されている信号生成出力部38にて所定の高周波信号が生成されると共に、信号生成出力部38内の送信アンテナなどを介して送信可能な構成となっていた。なお、マイコン36にはセンサ40も接続されており、そのセンサ40情報に応じてもマイコン36は所定制御を行うように構成されているものであった。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特表2003−534704号公報
【特許文献2】米国特許第7710227号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来の電力自給式送信機は、発電手段1から得られる電力をコンデンサ32で蓄積し、そのコンデンサ32からの出力電圧を変圧器回路34で定電圧に降圧してマイコン36に入力させ、それによってマイコン36が作動する構成のものであった。この構成では、コンデンサ32としては、変圧器回路34での電圧の降圧分を見込んだ所定の比較的高い電圧に、迅速に電荷が蓄積される容量の小さいものを用いる必要があった。
【0017】
一方、容量の小さいコンデンサ32を用いると、コンデンサ32から変圧器回路34には小さい電流が入力されることとなり、変圧器回路34に、クロック制御で動作する一般的なDC−DCコンバータを用いると、DC−DCコンバータは電圧の変換効率が入力される電流の大きさで左右されることから、従来の電力自給式送信機の場合には80%以下程度しか変換できず、もともと少ない発電手段1から得られる電力のロスが大きく生じることがあった。
【0018】
本発明はこのような課題を解決するものであり、発電手段から得られる電力のロスが抑えられ、その電力の有効活用も図ることができる回路構成になされた電力自給式送信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有する。
【0020】
本発明は、発電手段を内蔵し、その発電手段から得られる電力によってマイクロコンピュータが駆動され、上記マイクロコンピュータの制御によって信号生成出力部から所定信号が送信される構成の電力自給式送信機であって、上記発電手段の後に、整流器回路、コンデンサ、マイクロコンピュータ、信号生成出力部が、その順で直列接続され、かつ上記整流器回路の後に、上記コンデンサと並列接続となるように補助充電回路を付加したものとして、その補助充電回路は、上記コンデンサの電圧を電圧検出ICで検出した結果、第一の所定値より大きければ、上記発電手段から得られる電力が蓄電用素子に蓄積されるようにされ、また、第二の所定値以下であれば、上記蓄電用素子の出力が上記コンデンサからの出力と共に上記マイクロコンピュータに入力されるように切り換わる回路構成であることを特徴とする電力自給式送信機としたものである。
【0021】
当該構成によれば、変圧器回路を有しない回路構成としたため、変圧器回路による電圧の変換ロスをなくせると共に、発電手段からの電力が補助充電回路にも蓄えられて、コンデンサの出力が低下した際に、その補助充電回路からの出力も加わってマイクロコンピュータに入力され、上記マイクロコンピュータの駆動状態が維持される構成のものに実現でき、発電手段から得られる電力の有効活用が図れるという作用を有する。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、発電手段から得られる電力のロスが抑えられ、その電力の有効活用も図ることができる回路構成になされた電力自給式送信機を提供できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態による電力自給式送信機の回路構成を示すブロック図
【図2】同要部である補助充電回路の回路構成を示すブロック図
【図3】従来の電力自給式送信機の回路構成を示すブロック図
【図4】同要部となる発電手段を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0025】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による電力自給式送信機の回路構成を示すブロック図、図2は同要部である補助充電回路の回路構成を示すブロック図である。
【0026】
当該構成の電力自給式送信機は、従来と同一構成の発電手段1を備え、その発電手段1は整流器回路30に接続されており、発電手段1からの出力つまり発電手段1の動作に応じて得られる電圧が、都度、整流器回路30に入力されて整流されることは従来と同じである。
【0027】
しかしながら、本発明によるものでは、整流器回路30にコンデンサ50および補助充電回路55を並列接続させ、しかも両者の出力を、直接、マイクロコンピュータ60(以下、マイコン60と記載)に入力させた構成とした点が従来構成とは異なっている。そして、マイコン60は、後続の信号生成出力部38を制御可能に接続され、その制御によって、信号生成出力部38にて所定の高周波信号が生成されると共に、信号生成出力部38内の送信アンテナなどを介して送信可能な構成となっていることは従来同様である。また、このマイコン60は、従来同様に、接続されたセンサ40の情報に応じても所定制御を行うようになっている。
【0028】
以上のように、当該構成では、従来構成で用いていた変圧器回路34を無くした回路構成にして、蓄えられたコンデンサ50の電圧のままで、直接マイコン60を駆動させる構成としている。これであれば、変圧器回路34による電圧の変換ロス分を生じない構成にできる上、コンデンサ50の選択時に電圧の降圧分を見込んだ小さい容量のものとする必要もなく、容量の大きいコンデンサ50を用いた構成とすることができる。
【0029】
このように、容量が大きいコンデンサ50であれば、例えば発電手段1が繰り返して動作されるなどして得られる電力を多く溜め込むことも可能となる。
【0030】
そして、コンデンサ50として容量が大きいものを用いるとその放電時間も長くなり有利であるが、一般的に、コンデンサ50の出力電圧特性は、放電時において時間の経過と共に指数的に下がっていくカーブであって、所定の放電時間に至ると、コンデンサ50の出力電圧がマイコン60の駆動電圧よりも低くなる。しかしながら、当該構成では、コンデンサ50と並列に補助充電回路55を設けて、その出力も、直接、マイコン60を駆動させるために用いる回路構成としているため、マイコン60の駆動状態が長く維持できるものとなる。
【0031】
その補助充電回路55としては、整流器回路30に繋がれて整流器回路30からの電圧を蓄えられると共に、コンデンサ50の出力電圧がマイコン60の駆動電圧よりも低下した場合などに、その不足したマイコン60への入力電圧を補填できるものであればよく、例えば、単体のコンデンサのみ等でもよいが、様々な形態のものを用いることが可能であり、本実施形態による補助充電回路55としては、図2に示す回路構成のものを付加している。
【0032】
すなわち、図2に示すように、当該補助充電回路55としては、電圧検出IC70とトランジスタ72と蓄電用素子74とピーク電圧カット素子76とを有した構成のものとしている。以下に、同図を用いて、詳細な回路構成等について説明する。
【0033】
電圧検出IC70の電源端子は、整流器回路30とコンデンサ50との間の位置に接続されており、この電圧検出IC70でコンデンサ50の電圧を監視させている。そして、電圧検出IC70の出力端子は、三端子タイプのトランジスタ72のゲートに接続されており、この電圧検出IC70によるコンデンサ50電圧の検出結果に応じた上記出力端子の所定出力で、トランジスタ72のオンオフ状態が切り換わる構成にしている。
【0034】
そして、整流器回路30とコンデンサ50との間の位置には蓄電用素子74の一端側も接続されており、その他端側はトランジスタ72のドレインに接続されている。蓄電用素子74としては、単体のコンデンサや二次電池などがあげられる。そして、詳細は後述するが、トランジスタ72がオフ状態になって蓄電用素子74が放電可能となった折に、その電圧がマイコン60へ入力可能なように、蓄電用素子74の一端側はコンデンサ50とマイコン60との間の位置にも接続されている。
【0035】
さらに、整流器回路30とコンデンサ50との間の位置には蓄電用素子74と並列になるようにピーク電圧カット素子76の一端側も接続されている。このピーク電圧カット素子76は、例えばツェナーダイオードなどがあげられ、その他端側はトランジスタ72のドレインに接続されている。
【0036】
そして、トランジスタ72のソースは、電圧検出IC70のグランド端子と同電位のシグナルグランドに接続されている。なお、必要に応じて、それらがフレームグランドに落とされる構成にされていれば、さらによい。
【0037】
以上のように本発明の電力自給式送信機は構成されている。続いて、その動作について説明すると、発電手段1の動作に応じて得られる電圧は整流器回路30に入力され、都度、整流器回路30で整流されてコンデンサ50に充電されていく。
【0038】
コンデンサ50への充電状態は補助充電回路55の電圧検出IC70で監視されており、コンデンサ50に蓄えられた電圧が所定値より大きくなると、電圧検出IC70の出力端子がハイレベル出力電圧に切り換わり、その電圧がトランジスタ72のゲートに加わる。これにより、トランジスタ72はオン状態になって、整流器回路30からの電圧が、蓄電用素子74に蓄えられていくようになる。つまり、上記のコンデンサ50電圧の所定値が請求項の第一の所定値に相当する。
【0039】
なお、当該構成では、蓄電用素子74に対してピーク電圧カット素子76を上述した位置関係で並列接続させている。これであれば、ピーク電圧カット素子76で規制する電圧以上が、蓄電用素子74やマイコン60に加わることが防止できる。すなわち、例えば静電気などを含め、高い電圧が蓄電用素子74やピーク電圧カット素子76に加わった場合、トランジスタ72はオン状態のため、その高い電圧はピーク電圧カット素子76およびトランジスタ72を介してグランドに落とせるようにでき、マイコン60への不用意な印加状態となることを防ぐことができる。このように、当該構成のものでは、回路保護がなされる構成となっており、ピーク電圧カット素子76としては、マイコン60に定められた入力定格電圧に対し、それよりも若干低い電圧値以上をカットする仕様のものを用いると好ましい。
【0040】
マイコン60は、コンデンサ50からの出力電圧によって駆動電圧を供給されて作動し、前述したように、そのマイコン60の制御によって、後続接続されている信号生成出力部38にて所定の高周波信号が生成され、それが信号生成出力部38の送信アンテナなどを介して送信される。なお、その信号の送信手段は、LEDからの光や電波などでなされるか、またはリード線などを介してその信号が伝達されるようになされていてもよく、その形態は特に限定されない。上記信号を受信した所定機器は、信号に応じた動作がなされる。例えば、照明機器であれば点灯のオンオフなど、AV機器であれば電源オンオフやチャンネル切り換えなどである。機器での制御内容は、上記事例のみに限定はされない。
【0041】
そして、上記マイコン60の動作に応じて、その駆動電圧を供給しているコンデンサ50の放電状態は進んでいくが、当該構成では上記構成の補助充電回路55を付加したものとして、コンデンサ50電圧が、マイコン60の駆動電圧最大値よりも少し低い所定の電圧値になった時点で、補助充電回路55の電圧検出IC70の出力端子がローレベル出力電圧に切り換わってトランジスタ72がオフ状態になる設定のものとしている。ここに、トランジスタ72が、内部にダイオードを有するMOSFETであれば、上記オフ状態になった時点で、コンデンサ50の電圧に加えて、蓄電用素子74に蓄えられた電圧がマイコン60に入力されるようになる。つまり、上記のコンデンサ50の所定の電圧値が請求項の第二の所定値に相当する。なお、トランジスタ72をNPNタイプのバイポーラ形のものとする場合には、エミッタとコレクタとの間にダイオードを付設しておき、上記状態でエミッタ側からコレクタ側へ向けて電流が流れるように構成しておけばよい。
【0042】
以上のように、当該構成の電力自給式送信機は、従来の変圧器回路34を用いない回路構成のものとしたため、変圧器回路34に起因する電圧変換ロスをなくすことができる。また、発電手段1から得られる電力を、容量の大きいコンデンサ50で溜め込むと共に、例えば繰り返し操作などされて得られる電力を、コンデンサ50に加えて補助充電回路55に蓄電させるようにもでき、発電手段1から得られる電力のロスが抑えられる構成にでき有用である。
【0043】
さらに、上記コンデンサ50による電圧でマイコン60が駆動され、その放電状態が進んだ後には、補助充電回路55からの出力が補填されてマイコン60の駆動電圧として入力されるようになるため、発電手段1から得られる電力の有効活用が図れ、マイコン60での処理量を増やすことも可能となる。例えば図1にも示しているように、センサ40に加えてマイコン60によって複数のセンサ40Aなどの制御を行ったり、または、それらからの情報に応じてマイコン60による所定制御が行われる構成などとすることも可能である。
【0044】
なお、以上には従来の発電手段1を用いた構成事例を説明したが、発電手段1は上述構成のものに限定されることはない。例えば誘導コイルタイプであれば、ヨーク部材20に誘導コイル25を配する代わりに、磁石部材10の周囲に誘導コイルを巻き回した構成などとされていてもよい。また、ヨーク部材20と磁石部材10の配置関係や磁石部材10の構成なども上述説明した構成のみに限定はされない。そして、発電手段1としては誘導コイルタイプ以外であってもよく、圧電素子などを用いたものであってもよい。言い換えれば、機械的エネルギー・運動エネルギーを所定電位として取り出せる形態のものであればよく、ボタン押しなどの所定操作や所定部材の動作、振動、圧力変化などによって、そのエネルギーが得られて、それを所定電位として取り出せる形態のものであればよい。
【0045】
また、補助充電回路55においては、ピーク電圧カット素子76を有していない構成であってもよく、そして、トランジスタ72のオンオフ状態が切り換わるコンデンサ50電圧の所定値の設定は上記以外であってもよい。また、補助充電回路55としては、上述した充放電の動作がなされるようにトランジスタ72以外のものが用いられて構成されてあってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明による電力自給式送信機は、発電手段から得られる電力のロスが抑えられ、その電力の有効活用も図ることができる回路構成になされたものを提供できるという有利な効果を有し、各種電子機器の操作用などに有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 発電手段
10 磁石部材
20 ヨーク部材
25 誘導コイル
30 整流器回路
38 信号生成出力部
40、40A センサ
50 コンデンサ
55 補助充電回路
60 マイクロコンピュータ
70 電圧検出IC
72 トランジスタ
74 蓄電用素子
76 ピーク電圧カット素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電手段を内蔵し、その発電手段から得られる電力によってマイクロコンピュータが駆動され、上記マイクロコンピュータの制御によって信号生成出力部から所定信号が送信される構成の電力自給式送信機であって、上記発電手段の後に、整流器回路、コンデンサ、マイクロコンピュータ、信号生成出力部が、その順で直列接続され、かつ上記整流器回路の後に、上記コンデンサと並列接続となるように補助充電回路を付加したものとして、その補助充電回路は、上記コンデンサの電圧を電圧検出ICで検出した結果、第一の所定値より大きければ、上記発電手段から得られる電力が蓄電用素子に蓄積されるようにされ、また、第二の所定値以下であれば、上記蓄電用素子の出力が上記コンデンサからの出力と共に上記マイクロコンピュータに入力されるように切り換わる回路構成であることを特徴とする電力自給式送信機。
【請求項2】
補助充電回路内の蓄電用素子に対し、並列にピーク電圧カット素子をさらに設けた請求項1記載の電力自給式送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−90558(P2013−90558A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232431(P2011−232431)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】