説明

電力補償システム

【課題】3相交流電力系統の各相間に接続された充放電制御装置を利用して無効電力を補償する。
【解決手段】中央制御装置10は、3相交流電力系統上の無効電力を補償するための補償電流指令値および高調波電流を補償するための補償電流指令値の少なくとも一方の補償電流指令値を演算して、相間電流指令値に変換する。3相交流電力系統のU相−V相間に接続される第1の充放電制御手段2、V相−W相間に接続される第2の充放電制御手段3、および、W相−V相間に接続される第3の充放電制御手段1は、相間電流指令値に基づいて、それぞれ接続されている蓄電装置に蓄えられている電力を3相交流電力系統へ放電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3相交流電力系統の電力補償を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無効電力を補償する無効電力補償装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−81285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の無効電力補償装置は、3相交流電力系統に接続された3相電力機器によって、無効電力を補償するものであり、3相交流電力系統の各相間に接続された充放電制御装置を利用して無効電力を補償することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電力補償システムは、3相交流電力系統上の無効電力を補償するための補償電流指令値および高調波電流を補償するための補償電流指令値の少なくとも一方の補償電流指令値を演算して、相間電流指令値に変換し、変換した相間電流指令値に基づいて、3相交流電力系統のU相−V相間に接続される第1の充放電制御手段、V相−W相間に接続される第2の充放電制御手段、および、W相−V相間に接続される第3の充放電制御手段は、それぞれ接続されている蓄電装置に蓄えられている電力を3相交流電力系統へ放電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による電力補償システムによれば、3相交流電力系統の各相間に接続された充放電制御装置を利用して、無効電力および高調波電流の少なくとも一方を補償することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
3相交流電力系統において、3相電力機器により、無効電力補償および高調波電流補償を行うシステムが知られている。一実施の形態における電力補償システムでは、3相電力機器ではなく、単相電力変換機器を利用して、無効電力補償および高調波電力補償を行う。以下では、単相電力変換機器として、電気自動車を充電するための充電器を例に挙げて説明する。
【0008】
図1は、一実施の形態における電力補償システムの全体構成を示す図である。一般的に、各家庭には、3相送電線のうちの2相の電気が単相交流電流として給電されている。図1では、3.3kVの電圧を柱上変圧器で200Vに変換(Y−Δ変換)して、各家庭に供給する例を示している。図1では、V−W相に充電器1が接続され、U−V相に充電器2が接続され、V−W相に充電器3が接続されている。なお、図1では、3つの充電器1〜3しか示していないが、実際には、多数の充電器が接続されている。電気自動車4〜6はそれぞれ、充電器1〜3と接続されることにより、バッテリの充電を行うことができる。
【0009】
中央制御装置10は、各充電器1〜3と通信線11〜13を介して通信を行い、各種情報のやり取りを行う。各種情報には、各充電器1〜3で検出される相電流および相間電圧が少なくとも含まれる。また、中央制御装置10は、既知の方法により、3相交流電力系統上の無効電力を補償するための指令値Iudc*,Ivdc*,Iwdc*とともに、高調波電流を補償するための指令値Iuac*,Ivac*,Iwac*を算出し、算出した指令値を各充電器1〜3に送信する。
【0010】
中央制御装置10が無効電力を補償するための指令値Iudc*,Ivdc*,Iwdc*、および、高調波電流を補償するための指令値Iuac*,Ivac*,Iwac*を算出する方法を以下で説明する。
【0011】
3相交流座標系におけるU相,V相,W相の電圧Eu,Ev,Ewをαβ軸上の電圧Eα,Eβに3相/2相変換すると、次式(1)で表される。また、U相,V相,W相に流れる電流Iu,Iv,Iwをαβ軸上の電流ILα,ILβに3相/2相変換すると、次式(2)で表される。3相の相電圧Eu,Ev,Ew、および、相電流Iu,Iv,Iwは、充電器1〜3によって検出されて、中央制御装置10に送信されてくる。
【数1】

ただし、
【数2】

【0012】
式(1)により求められる電圧Eα,Eβと、式(2)により求められる電流ILα,ILβとに基づいて、3相負荷回路の瞬時実電力PLと、瞬時虚電力QLとを、次式(4)にて定義する。
【数3】

【0013】
瞬時実電力PLおよび瞬時虚電力QLを、例えば、ハイパスフィルタに通すことにより、次式(5),(6)に示すように、直流分PLd・C,QLd・Cと、交流分PLa・C,QLa・Cとに分解することができる。ただし、Cは、式(3)に示す3相/2相変換行列である。
PL=PLd・C+PLa・C (5)
QL=QLd・C+QLa・C (6)
【0014】
式(5)において、右辺第1項は、瞬時有効電力の基本波成分を表し、右辺第2項は、瞬時有効電力の高調波成分を表している。また、式(6)において、右辺第1項は、瞬時無効電力の基本波成分を表し、右辺第2項は、瞬時無効電力の高調波成分を表している。従って、瞬時有効電力の高調波成分を打ち消すための指令信号P*、および、瞬時無効電力を打ち消すための指令信号Q*は、それぞれ、次式(7),(8)にて表される。
*=−PLaC (7)
*=−QLdC−QLaC (8)
【0015】
さらに、次式(9),(10),(11)に基づいて、電流指令信号Iu*,Iv*,Iw*を求める。なお、式(10),(11)における[C]-1は、[C]の逆変換行列を表す。
【数4】

ただし、
【数5】

【0016】
式(9),(10)において、acと添え字のある電流指令値は高調波電流を補償するための成分であり、dcと添え字のある電流指令値は、無効電力を補償するための成分である。従って、式(10)は、次式(12)に書き換えることができる。
【数6】

式(12)においても、acと添え字のある電流指令値は高調波電流を補償するための成分であり、dcと添え字のある電流指令値は、無効電力を補償するための成分である。
【0017】
一実施の形態における電力補償システムでは、電力系統のユーザエンド側に位置している電気自動車の充電器を利用して、無効電力の補償、および、高調波電流の補償を行う。式(12)で表される電流指令値は、3相の電流指令値であるため、Y−Δ変換によって、充電器1〜3に指令を出すための相間電流指令値に変換する。以下では、式(12)で表される高調波電流を補償するための指令値をY−Δ変換した後の指令値をIac*、式(12)で表される無効電力を補償するための指令値をY−Δ変換した後の指令値をIdc*と表す。
【0018】
続いて、中央制御装置10で演算された指令値Iac*,Idc*に基づいて、充電器1〜3側で行われる処理について説明する。以下では、充電器1で行われる処理を取り上げて説明するが、充電器2,3で行われる処理についても同様である。
【0019】
図2は、充電器1の内部で行われる処理機能を説明するためのブロック図である。充電器1は、充放電電力指令演算回路21と、電流指令値演算回路22と、電流制御回路23と、スイッチ制御回路24とを備える。充放電電力指令演算回路21は、既知の方法に基づいて、充放電電力指令値Pdc*を求める。例えば、図示しない電圧センサによって検出される直流側電圧Vdc、および、充放電スケジュールに基づいて、充放電電力指令値Pdc*を求める。なお、充放電電力指令値Pdc*は、充電時にプラスの値、放電時にマイナスの値となる。
【0020】
なお、各充電器1〜3は、単相交流電力を直流電力に変換して、接続されている電気自動車4〜6に電力を供給する。すなわち、直流側電圧Vdcとは、直流電力に変換後の電圧である。また、後述する交流側単相電圧Vacとは、直流電力に変換する前の電圧であり、交流側電流Iacも、直流に変換する前の電流である。
【0021】
電流指令値演算回路22は、充放電電力指令演算回路21によって演算された充放電電力指令値Pdc*を充放電電流指令値に変換する。図示しない電圧センサによって検出される交流側単相電圧Vacの基本波のRMS(実効値)をVrmsとすると、電流実効値Irmsは、Irms=Pdc/Vrmsと表されるので、充放電電力指令値Pdc*に応じた充放電電流指令値Ipdc*は、次式(13)で表される。
Ipdc*=Irms・Vac/Vrms (13)
【0022】
電流指令値演算回路22は、式(13)により求めた充放電電流指令値Ipdc*と、中央制御装置10で演算された高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*とを加算することにより、単相電流指令値Iacref*を求める。単相電流指令値Iacref*は、バッテリ充電時にプラスの値、バッテリ放電時にマイナスの値となる。
【0023】
電流制御回路23は、図示しない電流センサによって検出される交流側電流Iac、交流側単相電圧Vac、直流側単相電圧Vdc、および、電流指令値演算回路22で求められた単相電流指令値Iacref*に基づいて、既知の方法により、単相電圧指令値Vref*を求める。既知の方法には、例えば、比例積分制御を利用する方法(次式(14)参照)や、直流側単相電圧Vdcをフィードフォワード補償する方法(次式(15)参照)などがある。
Vref*=K1{Iacref*−Iac} (14)
Vref*=K2{Iacref*−Iac}+Vdc (15)
ただし、式(14)におけるK1、および、式(15)におけるK2は、所定の係数である。
【0024】
図3は、充電器1の詳細な構造を示す図である。図3において、バッテリ50は、充電器1に接続されている電気自動車4に搭載されており、電気自動車4の車両駆動用モータ(不図示)に電力を供給するためのバッテリである。充電器1は、既知のフルブリッジ変換器構成となっており、リアクトル31と、スイッチング素子32〜35と、ダイオード36〜39と、コンデンサ40とを備える。
【0025】
図2のスイッチ制御回路24は、電流制御回路23で演算された単相電圧指令値Vref*と、直流側単相電圧Vdcとに基づいて、各スイッチング素子32〜35のデューティ指令値を求めて、各スイッチング素子32〜35をオン/オフするための指令信号を出力する。各スイッチング素子32〜35は、指令信号に基づいて、オン/オフする。これにより、交流電力を直流電力に変換して、バッテリ50を充電することができ、また、バッテリ50の直流電力を交流電力に変換して、交流送電線に放出することができる。
【0026】
上述したように、電流指令値演算回路22は、充放電電力指令演算回路21によって演算された充放電電力指令値Pdc*を変換して得られる充放電電流指令値Ipdc*に対して、中央制御装置10で演算された高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を加算することにより、単相電流指令値Iacref*を求めている。すなわち、各充電器1〜3は、指令値に基づいて、接続されている電気自動車4〜6のバッテリの電力を3相交流送電線に放出することによって、3相交流電力系統における無効電力の補償(低減)、および、高調波電流の補償(低減)を行う。
【0027】
図4は、一実施の形態における電力補償システムによって行われる処理の手順を示すフローチャートである。ステップS10からステップS30の処理は、中央制御装置10で行われ、ステップS40の処理は、充電器1〜3によって行われる。
【0028】
ステップS10では、3相交流電力系統上の高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を求めて、ステップS20に進む。ステップS20では、3相交流送電線に接続されている。電気自動車のバッテリのうち、指令値に応じた電力の放電を行うことができる充電器を検出する。この判定は、例えば、充電器が3相交流送電線に接続されているか否か、充電器に電気自動車が接続されているか否か、電気自動車のバッテリが所定電圧以上であるか否かに基づいて行う。これらの情報は、通信線を介して、各充電器から取得する。ここでは、説明を容易にするために、充電器1〜3の3つの充電器のみが検出されたものとして説明を続ける。
【0029】
ステップS20に続くステップS30では、ステップS20で検出した充電器1〜3に対して、通信線11〜13を介して、ステップS10で算出した高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を送信する。
【0030】
ステップS40において、各充電器1〜3は、中央制御装置10から受信した高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*に基づいて、単相電圧指令値Vref*を求め、求めた単相電圧指令値Vref*と、直流側単相電圧Vdcとに基づいて、充電器内部のスイッチング素子のオン/オフを制御することにより、接続されている電気自動車のバッテリから、3相交流送電線への放電を行う。これにより、3相交流電力系統における無効電力の補償(低減)、および、高調波電流の補償(低減)を行うことができる。
【0031】
一実施の形態における電力補償システムによれば、3相交流電力系統上の無効電力を補償するための補償電流指令値および高調波電流を補償するための補償電流指令値を演算して、相間電流指令値に変換し、変換した相間電流指令値に基づいて、3相交流電力系統のU相−V相間に接続される第1の充電器2、V相−W相間に接続される第2の充電器3、および、W相−V相間に接続される第3の充電器1は、それぞれ接続されている蓄電装置(バッテリ)に蓄えられている電力を3相交流電力系統へ放電する。これにより、3相交流電力系統の各相間に接続された充電器1〜3を利用して、無効電力および高調波電流を補償することができる。また、無効電力を補償すると、電気料金の返金があるシステムの下では、無効電力を補償することによって、電気料金の返金が期待できる。
【0032】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、式(8)では、力率を1とするための指令信号Q*、すなわち、瞬時無効電力を完全に打ち消すための指令信号Q*を示したが、力率は任意の値に設定することができる。図5は、皮相電力P1および有効電力Wと、補償すべき無効電力Q’との関係を示すベクトル図である。電力補償前の力率をcosφ1、電力補償後の力率をcosφ2とすると、補償すべき無効電力Q’は、次式(16)にて表される。なお、電力補償後の力率cosφ2は、例えば、0.95〜1.0の間の数値を設定する。
【数7】

【0033】
上式(16)より、補償すべき無効電力Q’を求めると、Q’を補償するための指令信号Q*は、次式(17)にて表される。
*=−QLdC−Q’LaC (17)
【0034】
図4に示すフローチャートでは、ステップS10において、充電器1〜3の3つの充電器のみが検出されたものとして説明したが、実際には、複数の充電器が検出されることが予想される。この場合、中央制御装置10は、U−V相、V−W相、W−U相間にそれぞれ接続されている充電器を1つずつ選択し、選択した充電器に対して、高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を送信することができる。充電器の選択方法としては、様々な方法が考えられるが、例えば、充電器に接続されている電気自動車のバッテリ電圧が最も高いものを選択する。
【0035】
また、図4に示すフローチャートのステップS10において、複数の充電器が検出された場合に、U−V相、V−W相、W−U相間にそれぞれ接続されている充電器を任意の数だけ選択し、選択した数に応じて、演算した高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を分配して、選択した充電器に送信することもできる。例えば、U−V相、V−W相、W−U相間に接続されている充電器をそれぞれ2つ選択した場合、演算により求めた高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を2で割った電流指令値を、選択した充電器(計6つ)に送信する。この場合、中央制御装置10から電流指令値を受信した6つの充電器は、受信した電流指令値に基づいた電流を、3相交流電力系統へ放電する。なお、選択する充電器の数は、U−V相、V−W相、W−U相によって異なっていてもよい。すなわち、高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*に基づいた補償電力を、バッテリから3相交流電力系統に戻すことができればよいので、補償電力を供給するバッテリは1つに限られることはなく、複数であってもよい。
【0036】
上述した一実施の形態における電力補償システムでは、中央制御装置10が高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を求めて、充電器に送信した。しかし、3相交流電力系統のU−V相、V−W相、W−U相間に接続されている各充電器がそれぞれ高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を求めるようにしてもよい。すなわち、各充電器間で通信を行うことにより、相電流および相間電圧を取得して、高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*を演算する。演算方法は、中央制御装置10が行う演算方法と同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0037】
上述した一実施の形態における電力補償システムでは、充電器1〜3が3相交流電力系統の相間電圧および相電流を検出して、中央制御装置10に送信したが、中央制御装置10自身が相間電圧および相電流を検出してもよい。
【0038】
上述した一実施の形態では、中央制御装置10が高調波電流指令値Iac*および無効電力補償指令値Idc*をそれぞれ求めて、充電器1〜3に送信したが、高調波電流指令値Iac*のみを求めて送信してもよいし、無効電力補償指令値Idc*のみを求めて送信してもよい。
【0039】
充放電制御装置である充電器1〜3は、電気自動車のバッテリの充電を行うものとして説明したが、他の蓄電装置の充放電を制御するものであってもよい。
【0040】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、中央制御装置10が補償電流指令値演算手段、電流指令値変換手段、電流指令値送信手段、および、検出手段を、充電器2が第1の充放電制御手段を、充電器3が第2の充放電制御手段を、充電器1が第3の充放電制御手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】一実施の形態における電力補償システムの全体構成を示す図
【図2】充電器の内部で行われる処理機能を説明するためのブロック図
【図3】充電器の詳細な構造を示す図
【図4】一実施の形態における電力補償システムによって行われる処理の手順を示すフローチャート
【図5】皮相電力P1および有効電力Wと、補償すべき無効電力Q’との関係を示すベクトル図
【符号の説明】
【0042】
1〜3…充電器、4〜6…電気自動車、10…中央制御装置、11〜13…通信線、21…充電電力指令演算回路、22…電流指令値演算回路、23…電流制御回路、24…スイッチ制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相交流電力系統のU相およびV相の間に接続される第1の充放電制御手段と、
前記3相交流電力系統のV相およびW相の間に接続される第2の充放電制御手段と、
前記3相交流電力系統のW相およびV相の間に接続される第3の充放電制御手段と、
前記3相交流電力系統上の無効電力を補償するための補償電流指令値および前記3相交流電力系統上の高調波電流を補償するための補償電流指令値の少なくとも一方の補償電流指令値を演算する補償電流指令値演算手段と、
前記補償電流指令値演算手段によって演算された3相交流電力系統上の補償電流指令値を相間電流指令値に変換する電流指令値変換手段と、
前記電流指令値変換手段によって変換された相間電流指令値を前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段に送信する電流指令値送信手段とを備え、
前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段は、前記電流指令値送信手段によって送信された相間電流指令値に基づいて、それぞれ接続されている蓄電装置に蓄えられている電力を前記3相交流電力系統へ放電することを特徴とする電力補償システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力補償システムにおいて、
電力補償を行うことのできる複数の充放電制御手段を検出する検出手段をさらに備え、
前記電流指令値送信手段は、前記検出手段によって検出された複数の充放電制御手段のうち、前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段をそれぞれ1つ選択して、前記相間電流指令値を送信することを特徴とする電力補償システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電力補償システムにおいて、
電力補償を行うことのできる複数の充放電制御手段を検出する検出手段をさらに備え、
前記電流指令値送信手段は、前記検出手段によって検出された複数の充放電制御手段のうち、前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段を任意の数だけ選択し、前記電流指令値変換手段によって変換された相間電流指令値を、選択した充放電制御手段の数に応じて分けて、選択した前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段にそれぞれ送信することを特徴とする電力補償システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力補償システムにおいて、
前記補償電流指令値演算手段、前記電流指令値変換手段、および、前記電流指令値送信手段は、前記3相交流電力系統の制御を行う中央制御装置に備えられていることを特徴とする電力補償システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力補償システムにおいて、
前記補償電流指令値演算手段、前記電流指令値変換手段、および、前記電流指令値送信手段は、前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段にそれぞれ備えられていることを特徴とする電力保障システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電力補償システムにおいて、
前記第1の充放電制御手段、前記第2の充放電制御手段、および、前記第3の充放電制御手段は、電気自動車のバッテリの充放電を制御するものであることを特徴とする電力補償システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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