説明

電力遠隔計測装置、電力遠隔計測システム、電力遠隔計測方法およびプログラム

【課題】新規の電力メータを導入することなく、従来の設備を使いながら、目視で行っている計測と同等の作業を自動的に行うことを、量産が容易でコストが安価な装置で実現する。
【解決手段】端末装置6のカメラ61が電力メータ7を撮影し、送信部62は、撮影写真および撮影日時を電力遠隔計測装置1に送信する。電力遠隔計測装置1の受信部11は、端末装置6から電力メータ7の撮影写真および撮影日時を受信し、パターン認識部12は、電力メータ7の撮影写真をイメージ分析して電力使用量および電力メータIDの部分を抽出する。そして、パターン認識部12は抽出した部分をパターン認識し、電力使用量および電力メータIDの値を読み取る。記憶部14は、パターン認識部12が読み取った電力使用量および電力メータIDの値と、受信部11が受信した撮影日時とを対応付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の電力メータの値を計測する電力遠隔計測装置、電力遠隔計測システム、電力遠隔計測方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2010年4月施行の改正省エネ法により、電力、ガス、油などのエネルギー使用量報告の義務の指定対象がこれまでの工場・事業場単位のエネルギー管理から、事業者単位(企業単位)へと変わった。具体的には、事業者全体(本社、工場、支店、営業所、店舗等)の1年間のエネルギー使用量 (原油換算値)が合計して1,500キロリットル以上であれば、そのエネルギー使用量を事業者単位で国へ届け出て、特定事業者の指定を受けなければならない。従来では、個々の拠点のエネルギー使用量が、1,500キロリットル以下であれば、合計すると1,500キロリットルを超える場合でも届出義務がなかったので、今回の改正により対象事業者が増えることになる。
【0003】
このような報告義務の強化により、今後、より詳細な報告化の方向へ進むことが予想される。また、事業者(企業)内での省エネを進めるために、事業者が、事業所内で(例:部門単位)、より詳細なエネルギー使用状況の計測を行うようになる可能性もある。例えば、部門ごとに使用エネルギーを測定し、その結果を公開することで、部門同士の省エネ活動を競わせるようなことも一般的に行われるようになるかもしれない。このような状況では、1部門が1フロアを占めている場合は、そのフロアの電気を管理する分電盤に電力メータを設置することになり、1部門がフロアの一部を占めている場合は、フロア内に存在する複数の分電盤に電力メータを設置し、部門とその部門に配電している分電盤を対応づけて部門単位の使用電力量を集計することになる。
【0004】
しかし、企業では、組織変更や事業部のフロアや部員のフロア内のレイアウトを変更することは頻繁に起こりえるため、そのたびに電力メータの付け替えが発生するなど、運用が大変である。また、電力使用量計測については、分電盤に設置する電力メータを人間が目視するのが一般的である。この場合、目視する人(たとえば、建物の管理者)が、実際に目視した情報を報告し、それを総務部門等で集計する。そして、その結果を各部門に配信することで、各部門の消費電力量が各部門の人に伝達されることになる。しかし、建物内の多くの電力メータの計測を頻繁に行うのは大変な負担であるので、通常は1〜2ヶ月ごとの点検時に報告する程度である。また、部門単位の集計なども行っていないのが通例である。
【0005】
最近では、有線や無線ネットワーク機能を内蔵している電力メータも商用化されており、そのような電力メータを使えば、分電盤単位での計測結果を自動的にネットワークで送信することが可能になる。ただし、このようなネットワークを含んだ設備は、電力メータ単体の価格が高価になり、既設の電力メータを取替え、廃棄する必要もある。
【0006】
特許文献1には、複数に分割して撮影した被イメージ読取紙のイメージを1枚の被イメージ読取紙のイメージに合成し、合成したイメージにより文字認識を行う技術が記載されている。
【0007】
特許文献2には、計測メータを撮影した画像をデジタル化し、画像データとして出力するカメラ部と、カメラ部の画像データからメータ値を文字認識し、その文字認識されたメータ値のデータをコード化して出力する画像認識部と、コード化されたメータ値を無線信号として送信する無線送信部とを備える検針ハンディターミナルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−216467号公報
【特許文献2】特開平11−175656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、事業者においては今後、電力メータの読取作業で計測の単位がより細分化される可能性が高いにもかかわらず、新規の設備に置換するコストが高いことや、せいぜい月に1回程度の作業であることから、従来の電力メータを使い、建物の管理者の目視作業で管理をするという形態が最も一般的である。しかしながら、今後、事業所における省エネ活動が促進されると、部門単位での電力使用量の「見える化」も促進する必要が出てくる。従来の方法を踏襲すると、極端な例では建物の管理者が、毎日建物内のすべての電力メータを点検して数値を目視で計測し、それを報告しなくてはならないという状況になることも考えられる。しかし、そうなった場合には、人間の目視による作業は大きな人件費がかかる。また、目視作業の頻度が増大することで、目視ミスの頻度も増大する。さらに、組織改変等での部門のレイアウト変更のたびに電力メータの設置しなおす場合にも大きなコストになるという問題がある。
【0010】
特許文献1に記載の発明は、文字認識技術の例であって、電力メータを読み取って計測するものではない。
【0011】
特許文献2に記載の発明は、検針員が手で持って、そのカメラ部で計測メータを撮影する検針ハンディターミナルであって、建物内の多数の電力メータを定期的に自動で計測できるものではない。また、管理者(たとえば建物の管理者)以外の関係者(たとえば事業所の従業員)にも電力使用量が見えるようにするものではない。
【0012】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、新規の電力メータを導入することなく、従来の設備を使いながら、目視で行っている計測と同等の作業を自動的に行うことを、量産が容易でコストが安価な装置で実現することを目的とする。また、電力メータの計測値を、管理者以外の関係者にも見えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係る電力遠隔計測装置は、
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の観点に係る電力遠隔計測システムは、
既設の電力メータを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信手段と、
を備える端末装置と、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備える前記電力遠隔計測装置と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係る電力遠隔計測方法は、
端末装置が実行する、
既設の電力メータを撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信ステップと、
前記電力遠隔計測装置が実行する、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信ステップと、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得ステップと、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得ステップと、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識ステップと、
前記パターン認識ステップで読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得ステップで取得した前記撮影日時と、前記第2取得ステップで取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電力遠隔計測装置によれば、新規の電力メータを導入することなく、従来の設備を使いながら、目視で行っている計測と同等の作業を自動的に行うことを、量産が容易でコストが安価な装置で実現できる。また、電力メータの計測値を、管理者以外の関係者にも見えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。
【図2】実施の形態1に係る電力メータの例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。
【図4】実施の形態1に係る電力遠隔計測装置の処理の具体例を説明する図である。
【図5】撮影日時リストの例を示す図である。
【図6】電気使用状況表の例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る電力遠隔計測の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。
【図9】実施の形態2に係る電力メータの例を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。
【図11】実施の形態2に係る電力遠隔計測装置の処理の具体例を説明する図である。
【図12】有効期限予定表の例を示す図である。
【図13】実施の形態2に係る電力遠隔計測の動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。
【図15】実施の形態3に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。
【図16】実施の形態3に係る電力遠隔計測システムのレイアウトのイメージ図である。
【図17】部門対メータ表の例を示す図である。
【図18】実施の形態3に係る部門別集計の動作の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態に係る電力遠隔計測装置の物理的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。電力遠隔計測システム101は、1つ以上の電力メータ7と、電力メータ7と対となる同数の端末装置6と、電力遠隔計測装置1とから構成される。端末装置6は、カメラ61および送信部62を備える。電力遠隔計測装置1は、受信部11、パターン認識部12、データ追記部13および記憶部14を備える。また、端末装置6と電力遠隔計測装置1とはネットワーク(図示せず)を介して通信可能である。
【0021】
端末装置6は、電力メータ7の近くに設置されており、カメラ61は、定期的に電力メータ7の表面を撮影する。送信部62は、カメラ61が撮影した撮影写真および撮影日時をネットワーク(図示せず)を介して電力遠隔計測装置1に送信する。
【0022】
電力遠隔計測装置1の受信部11は、送信部62から撮影写真および撮影日時を受信する。パターン認識部12は、受信部11が受信した撮影写真をイメージ分析し、文字認識技術を利用して、撮影写真中から電力使用量および電力メータIDを読み取る。データ追記部13は、パターン認識部12が読み取った電力使用量および電力メータIDと、撮影日時とを記憶部14に記憶させる。
【0023】
図2は、電力メータの例を示す図である。電力メータ7の表面には、電力メータ7を一意に識別する電力メータID71と累積の電力使用量72とが表示されている。電力メータ7は、専用のものではなく一般的な電力メータでよい。
【0024】
カメラ61は、電池で動作する商用化された数10万画素程度の一般的な小型のデジタルカメラでよい。また、特定の方向のみを撮影する通常のカメラであっても、360度をパノラマ的に撮影できるカメラであっても構わない。カメラ61は、電力メータ7の表面を撮影し、その中の電力メータID71や電力使用量72の文字が読み取れる程度の明るさや解像度は最低限必要である。さらに、電力メータ7が設置されている場所が分電盤の中などであることを考慮すると、カメラ61は、可視光カメラだけでなく、赤外線カメラでもよい。あるいは、フラッシュの代わりにLED灯を有するものでもよい。その場合、撮影時のみLEDを点灯する。
【0025】
図3は、実施の形態1に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。なお、図3の例では、便宜上、電力メータ7および端末装置6を1つずつ図示している。本発明では、電力メータ7は、既設の電力メータを想定している。端末装置6は、カメラ61、送信部62、タイマ63、記憶部64、制御回路65および一時記憶部66を備える。電力遠隔計測装置1は、受信部11、パターン認識部12、データ追記部13、記憶部14、一時記憶部15、制御回路16および一時記憶部17を備える。
【0026】
端末装置6のカメラ61は、制御回路65から撮影指示命令を受けとると、電力メータ7を撮影して撮影写真を一時記憶部66に出力する。また、カメラ61は、撮影写真を一時記憶部66に出力すると、それを報知する信号を制御回路65に出力する。
【0027】
送信部62は、制御回路65から送信指示命令を受けとると、記憶部64に記憶している現在日時643と一時記憶部66に記憶している撮影写真661とを、記憶部64に記憶している通信アドレス641に送信する。送信部62は、たとえば、事業所内にPHSによる宅内通話や無線LANによるIP電話等の内線電話が敷設されている場合、このインフラを使えばより低コストで実現可能である。あるいは、Zigbee(登録商標)のような無線を使うことも可能である。本発明では、特定の通信インフラを指定しない。
【0028】
タイマ63は、定期的に現在日時を記憶部64に出力するもので、通常の時計でよい。また、タイマ63は、記憶部64に現在日時を出力すると、それを報知する信号を制御回路65に出力する。
【0029】
記憶部64は、通信アドレス641と、撮影日時リスト642と、現在日時643とを記憶する。
【0030】
通信アドレス641は、送信部62が現在日時643および撮影写真661を電力遠隔計測装置1に送信する際の送信先アドレスである。通信プロトコルとして電子メールを使う場合は、通信アドレス641は電子メールアドレスである。ファイル転送プロトコルを採用する場合は、通信アドレス641はIPアドレスである。また、それ以外のプロトコル(例:独自プロトコル)を利用することを本発明は妨げない。本実施の形態では、通信アドレス641は電子メールアドレスであることとする。
【0031】
撮影日時リスト642は、カメラ61が撮影する日時を予め設定したものである。
【0032】
現在日時643は、タイマ63から受けとった現在日時であって、タイマ63から現在日時を受けとるたびに上書きされる。
【0033】
制御回路65は、タイマ63から記憶部64に現在日時を出力したことを報知する信号を受けとるたびに起動し、撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれているかを確認する。撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれている場合は、カメラ61に撮影指示命令を送る。また、制御回路65は、カメラ61から一時記憶部66に撮影写真を出力したことを報知する信号を受けとると、送信部62に送信指示命令を送る。
【0034】
一時記憶部66は、カメラ61から撮影写真を受けとり、撮影写真661として一時記憶する。
【0035】
電力遠隔計測装置1の受信部11は、通信アドレス641を持っており、端末装置6の送信部62から撮影写真661と、現在日時643(撮影日時)を受信し、一時記憶部15に出力する。受信部11も送信部62と同様に、たとえば、事業所内にPHSによる宅内通話や無線LANによるIP電話等の内線電話が敷設されている場合、このインフラを使えばより低コストで実現可能である。あるいは、Zigbee(登録商標)のような無線を使うことも可能である。本実施の形態では、特定の通信インフラを指定しない。また、受信部11は、一時記憶部15に撮影写真661および現在日時643を出力すると、それを報知する信号を制御回路16に出力する。
【0036】
パターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15が記憶する画像データ151を読み出してイメージ分析し、電力メータID71および電力使用量72の部分の画像を抽出する。パターン認識部12は、電力メータID71および電力使用量72の部分の画像に対して文字認識を行い、電力メータ7の表面に記載された電力メータID71および電力使用量72の値を読み取る。パターン認識部12は、一時記憶部15が記憶する撮影日時152と、読み取った電力メータID71および電力使用量72の値を一時記憶部17に出力する。また、パターン認識部12は、一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを出力すると、それを報知する信号を制御回路16に出力する。
【0037】
文字認識については、パターン認識技術の一分野であり、すでに多くの商用ソフトウェアが存在している(参考文献:「わかりやすいパターン認識 」石井健一郎、前田英作、上田修功、村瀬 洋 (著) 、オーム社)。本発明は、文字認識技術そのものを特定しない。本発明は、文字認識を利用するものであるので、市場で入手できる最適な文字認識技術を採用すればよい。
【0038】
データ追記部13は、制御回路16からの電力使用状況表141へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する電力メータID171と電力使用量172と撮影日時152とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する電力使用状況表141に新規のレコードとして追加する。
【0039】
記憶部14は、電力使用状況表141を記憶する。電力使用状況表141は、電力使用量172、電力メータID171および撮影日時152の3組を単位レコードとするデータ配列である。記憶部14は、メモリでも実現できるし、多数の電力メータ7を管理したり、長期間データを保存したりするような理由で、データ配列の規模が大きくなる場合は、データベース管理システムを使うことも可能である。データベース管理システムを使うと、レコードの検索が容易になる。
【0040】
一時記憶部15は、受信部11から受けとった撮影写真661および現在日時643(撮影日時)を画像データ151および撮影日時152として一時記憶する。なお、電力遠隔計測装置1はタイマを備え、一時記憶部15は、受信部11が端末装置6の送信部62から撮影写真661を受信した日時を撮影日時152として一時記憶することとしてもよい。
【0041】
制御回路16は、受信部11から一時記憶部15に撮影写真661および現在日時643を出力したことを報知する信号を受けとると、パターン認識部12にパターン認識命令を送る。また、制御回路16は、パターン認識部12から一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを出力したことを報知する信号を受けとると、データ追記部13に電気使用状況表141へのデータ追記命令を送る。
【0042】
一時記憶部17は、パターン認識部12から受けとった撮影日時152と読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを、それぞれ撮影日時152と電力メータID171と電力使用量172として一時記憶する。
【0043】
なお、本実施の形態では、電力遠隔計測装置1のパターン認識部12が画像データ151から電力メータID71の値を読み取ることとしていたが、あらかじめ端末装置6の記憶部64に電力メータIDを記憶しておいてもよい。この場合、送信部62は、現在日時643と撮影写真661と電力メータIDとを通信アドレス641に送信する。すなわち、電力遠隔計測装置1は、端末装置6から電子メータIDを取得する。あるいは、電力遠隔計測装置1のパターン認識部12が画像データ151から電力メータID71の値を読み取り、かつ、端末装置6から電子メータIDを取得することとしてもよい。この場合、画像データ151から読み取った電力メータID71の値と、端末装置6から取得した電子メータIDとが一致するか否かを判定することで、画像データ151から読み取った電力メータIDの値の信頼性を向上させることができる。
【0044】
図4は、実施の形態1に係る電力遠隔計測装置の処理の具体例を説明する図である。まず、電力遠隔計測装置1の受信部11は、端末装置6の送信部62から、電力メータ7の表面を撮影した撮影写真661と、電力メータ7を撮影した時の現在日時643とを受信する。受信部11は、撮影写真661および現在日時643をそれぞれ画像データ151および撮影日時152として一時記憶部15に一時記憶させる。
【0045】
パターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15から画像データ151および撮影日時152を読み出す。図4の例では、撮影日時152は「2010年6月1日 12:00」である。パターン認識部12は、画像データ151に対してイメージ分析を行い、電力メータID71および電力使用量72の部分の画像を抽出する。パターン認識部12は、電力メータID71および電力使用量72の部分の画像に対して文字認識を行い、電力メータID71および電力使用量72の値を読み取る。図4の例では、電力メータID71の値は「6435***」であって、電力使用量72の値は「7314」である。
【0046】
パターン認識部12は、一時記憶部15から読み出した撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と、画像データ151から読み取った電力メータID71の値「6435***」と電力使用量72の値「7314」とを、一時記憶部17に一時記憶させる。データ追記部13は、制御回路16からの電気使用状況表141へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と電力メータID171(6435***)と電力使用量172(7314)とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する電力使用状況表141に新規のレコードとして追加する。
【0047】
図5は、撮影日時リストの例を示す図である。図5の例では、撮影日時リスト642は、毎日12:00に撮影するように、2010年6月1日12:00、2010年6月2日12:00、2010年6月3日12:00、・・・と設定されている。たとえば、タイマ63が記憶部64に出力した現在日時が2010年6月1日12:00であった場合、制御回路65はカメラ61に撮影指示命令を送る。
【0048】
図6は、電気使用状況表の例を示す図である。図6の例では、2つの電力メータ7を1日1回12:00に撮影して、5日間分を記録した電気使用状況表141を示している。電気使用状況表141は、電力メータ7を一意に識別する「電力メータID」と、電力メータ7の累積した電力使用量の値を示す「電力使用量」と、電力メータ7を撮影した日時を示す「撮影日時」との項目から構成される。たとえば、2010年6月1日12:00に撮影された電力メータID171が6435***の電力メータ7の電力使用量172の値は、7314である。一方、2010年6月1日12:00に撮影された電力メータID171が6426***の電力メータ7の電力使用量の値は、5628である。なお、電力メータ7の電力使用量72は累積された電力使用量を示す値なので、電気使用状況表141の「電力使用量」の項目には、当日の電力使用量172の値と前日との電力使用量172の値の差を記録することとしてもよい。
【0049】
図7は、実施の形態1に係る電力遠隔計測の動作の一例を示すフローチャートである。まず、端末装置6のタイマ63が、現在日時を記憶部64に出力する(ステップS11)。このとき、タイマ63は、現在日時を出力したことを報知する信号を制御回路65に出力する。制御回路65は、タイマ63から現在日時を出力したことを報知する信号を受けとると、記憶部64を参照して撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれているか否かを判定する(ステップS12)。撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれていなかった場合(ステップS12;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11およびステップS12を繰り返す。
【0050】
撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれていた場合(ステップS12;YES)、制御回路65は、カメラ61に撮影指示命令を送る。カメラ61は、制御回路65から撮影指示命令を受けとると、電力メータ7を撮影する(ステップS13)。カメラ61は、一時記憶部66に電力メータ7を撮影した撮影写真661を一時記憶させる。このとき、カメラ61は、撮影写真661を一時記憶部66に一時記憶させたことを報知する信号を制御回路65に出力する。
【0051】
制御回路65は、カメラ61から一時記憶部66に撮影写真661を一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、送信部62に送信指示命令を送る。送信部62は、制御回路65から送信指示命令を受けとると、記憶部64が記憶している現在日時643と一時記憶部66が記憶している撮影写真661とを電力遠隔計測装置1に送信する(ステップS14)。
【0052】
電力遠隔計測装置1の受信部11は、端末装置6の送信部6から撮影写真661および現在日時643を受信する(ステップS21)。受信部11は、撮影写真661および現在日時643を、それぞれ画像データ151および撮影日時152として一時記憶部66に一時記憶させる。このとき、受信部11は、画像データ151および撮影日時152を一時記憶部15に一時記憶させたことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、受信部11から画像データ151および撮影日時152を一時記憶部15に一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、パターン認識部12にパターン認識命令を送る。
【0053】
パターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15が記憶する画像データ151を読み出して、イメージ分析する(ステップS22)。そして、パターン認識部12は、イメージ分析して抽出した電力メータID71および電力使用量72の部分の画像に対して文字認識を行い、電力メータID71および電力使用量72の値を読み取る(ステップS23)。パターン認識部12は、一時記憶部15が記憶する撮影日時152と、読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを、撮影日時152、電力メータID171、電力使用量172として一時記憶部17に一時記憶させる。このとき、パターン認識部12は、一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを記憶させたことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、パターン認識部12から一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71および電力使用量72の値とを記憶させたことを報知する信号を受けとると、データ追記部13に電気使用状況表141へのデータ追記命令を送る。
【0054】
データ追記部13は、制御回路16からの電気使用状況表141へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152と電力メータID171と電力使用量172とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する電力使用状況表141に新規のレコードとして追加して(ステップS24)、処理を終了する。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態1の電力遠隔計測装置1によれば、新規の電力メータを導入することなく、従来の設備を使いながら、目視で行っている計測と同等の作業を自動的に行うことを、量産が容易でコストが安価な装置で実現できる。これは、頻繁に多くの電力メータを計測しなくてはならないような状況において効果的である。
【0056】
また、本実施の形態1の電力遠隔計測装置1を事業所の分電盤等に既設の電力メータに近接して設置したり、関係者に電気使用状況表141へのアクセスを可能にしたりすることで、事業所内の電力使用量を容易に関係者に提示可能となる。これによれば、従来、分電盤内に閉じていた、あるいは建物の管理者のみが参照していた電力使用量のアナログ情報をデジタル化し、かつ、それを見える化する効果がある。その結果として、事業者の勤務者の省エネに対する関心を向上させる効果が発生し、ひいては事業所全体の省エネ効果の向上につながる効果が期待できる。
【0057】
さらに、本発明の電力遠隔計測装置1は、既設の電力メータや電力メータの配線などは一切変更する必要がなく、稼動を実現することが可能なため、従来の設備を利用できる。これは、停電などの作業を停止することが不可能な事業所や、新設の設備への設備投資に消極的な事業所においては、とりわけ効果的である。
【0058】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。実施の形態2では、電力メータ7の有効期限が所定の期間内に近づいているか否かを判定する。電力メータ7の有効期限が所定の期間内に近づいている場合は警告する。電力遠隔計測システム102は、電力遠隔計測システム101と同様に、1つ以上の電力メータ7と、電力メータ7と対となる同数の端末装置6と、電力遠隔計測装置1とから構成される。また、端末装置6と電力遠隔計測装置1とはネットワーク(図示せず)を介して通信可能である。電力遠隔計測システム102の電力遠隔計測装置1は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1の構成に加え、日時比較部18および警告部19を備える。
【0059】
電力遠隔計測システム102のパターン認識部12は、受信部11が受信した撮影写真をイメージ分析し、文字認識技術を利用して、撮影写真中から電力メータID、電力使用量および有効期限の値を読み取る。
【0060】
日時比較部18は、有効期限と撮影日時とを比較する。撮影日時が有効期限以前の所定の期間内(たとえば1ヶ月以内)である場合は、日時比較部18は、その電力メータ7は有効期限が所定の期間内に近づいているとして、警告部19に警告させる。また、日時比較部18は、有効期限が近づいている電力メータ7の存在をデータ追記部13に報知する。データ追記部13は、日時比較部18から有効期限が近づいている電力メータ7の存在を報知されると、当該電力メータ7の電力メータID、撮影日時および有効期限とを記憶部14に記憶させる。各部のその他の機能は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1と同じである。なお、日時比較部18は、撮影日時が有効期限よりも過去の日時である場合は、有効期限を超過した電子メータ7として、警告部19に警告させ、データ追記部13に記憶部14に記憶させてもよい。
【0061】
図9は、実施の形態2に係る電力メータの例を示す図である。たとえば、電力会社が各家庭に設置している電力メータは、その累積使用量の数値を根拠に消費分を課金するので、電気計器の精度を保障する必要がある。そのような電力メータは、特別に「証明用電気計器」と呼ばれる。「証明用電気計器」は、その精度を保障する有効期限が規定されている。図9の例は、その有効期限のマークが貼付されている電力メータ7である。電力メータ7の表面には、電力メータを一意に識別する電力メータID71と累積の電力使用量72と有効期限73が表示されている。
【0062】
図10は、実施の形態2に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。なお、図10の例では、便宜上、電力メータ7および端末装置6を1つずつ図示している。端末装置6の構成は、実施の形態1と同一である。電力遠隔計測装置1は、実施の形態1の電力遠隔計測装置1の構成に加え、日時比較部18および警告部19を備える。
【0063】
電力遠隔計測システム102のパターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15が記憶する画像データ151を読み出して文字認識を行い、電力メータ7の表面に記載された電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値を読み取る。パターン認識部12は、一時記憶部15が記憶する撮影日時152と、読み取った電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値を一時記憶部17に出力する。また、パターン認識部12は、一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値とを出力すると、それを報知する信号を制御回路16に出力する。
【0064】
データ追記部13は、制御回路16からの有効期限予定表142へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152と電力メータID171と有効期限173とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する有効期限予定表142に新規のレコードとして追加する。
【0065】
記憶部14は、電力使用状況表141および有効期限予定表142を記憶する。電力使用状況表141は、電力使用量172、撮影日時152および電力メータID171の3組を単位レコードとするデータ配列である。有効期限予定表142は、電力メータID171、撮影日時152および有効期限173の3組を単位レコードとするデータ配列である。なお、有効期限予定表142の単位レコードは、電力メータID171および撮影日時152の組でもよいし、電力メータID171および有効期限173の組でもよい。
【0066】
制御回路16は、パターン認識部12から一時記憶部17に撮影日時152と読み取った電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値とを出力したことを報知する信号を受けとると、データ追記部13に電気使用状況表141へのデータ追記命令を送り、日時比較部18に日時比較命令を送る。また、制御回路16は、日時比較部18から有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を受けとると、データ追記部13に有効期限予定表142へのデータ追記命令を送り、警告部19に警告命令を送る。
【0067】
一時記憶部17は、パターン認識部12から受けとった撮影日時152と読み取った電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値とをそれぞれ撮影日時152と電力メータID171と電力使用量172と有効期限173して一時記憶する。
【0068】
日時比較部18は、制御回路16からの日時比較命令を受けとると、一時記憶部17から撮影日時152と有効期限173とを読み出し、比較する。撮影日時が有効期限以前の所定の期間内(たとえば1ヶ月以内)である場合は、日時比較部18は、その電力メータ7は有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を制御回路16に出力する。
【0069】
警告部19は、制御回路16からの警告命令を受けとると、有効期限が所定の期間内に近づいている電子メータが存在することを警告する情報を出力する。一時記憶部17から電力メータID171を読み出して、電子メータ7を特定して警告する情報を出力してもよい。また、警告する情報の出力は、音声出力でもよいし、メッセージを表示させてもよい。あるいは、管理者に電子メールで送信することとしてもよい。各部のその他の動作は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1と同じである。
【0070】
なお、本実施の形態の電力遠隔計測装置1は、警告部19を備えず、管理者または関係者が記憶部14に記憶された有効期限予定表142を参照して、有効期限が所定の期間内に近づいている電力メータが存在するか否かを把握することとしてもよい。
【0071】
図11は、実施の形態1に係る電力遠隔計測装置の処理の具体例を説明する図である。図11の例では、警告を行う有効期限以前の所定の期間を1ヶ月とする。まず、電力遠隔計測装置1の受信部11は、端末装置6の送信部62から、電力メータ7の表面を撮影した撮影写真661と、電力メータ7を撮影した時の現在日時643とを受信する。受信部11は、撮影写真661および現在日時643をそれぞれ画像データ151および撮影日時152として一時記憶部15に一時記憶させる。
【0072】
パターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15から画像データ151および撮影日時152を読み出す。図11の例では、撮影日時152は「2010年6月1日 12:00」である。パターン認識部12は、画像データ151に対してイメージ分析を行い、電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の部分の画像を抽出する。パターン認識部12は、電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の部分の画像に対して文字認識を行い、電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値を読み取る。図4の例では、電力メータID71の値は「6435***」、電力使用量72の値は「7314」、有効期限73の値は「平成22年6月」である。
【0073】
パターン認識部12は、一時記憶部15から読み出した撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と、画像データ151から読み取った電力メータIDの値「6435***」と電力使用量の値「7314」と有効期限の値「平成22年6月」とを、一時記憶部17に一時記憶させる。
【0074】
データ追記部13は、制御回路16から電力使用状況表141へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と電力メータID171(6435***)と電力使用量172(7314)とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する電力使用状況表141に新規のレコードとして追加する。
【0075】
日時比較部18は、制御回路16からの日時比較命令を受けとると、一時記憶部17から撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と有効期限173(平成22年6月)とを読み出し、比較する。撮影日時152が有効期限173以前の1ヶ月以内であるので、日時比較部18は、その電力メータ7は有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を受け取ると、データ追記部13に有効期限予定表142へのデータ追記命令を送り、警告部19に警告命令を送る。
【0076】
データ追記部13は、制御回路16から有効期限予定表142へのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152(2010年6月1日 12:00)と電力メータID171(6435***)と有効期限173(平成22年6月)とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する有効期限予定表142に新規のレコードとして追加する。
【0077】
警告部19は、制御回路16から警告命令を受けとると、有効期限が所定の期間内に近づいている電子メータ7が存在することを警告する情報を出力する。図11の例では、「有効期限が近づいている電力メータがあります」というメッセージを出力している。
【0078】
図12は、有効期限予定表の例を示す図である。有効期限予定表142は、有効期限が近づいている電力メータ7をリストアップしたものである。有効期限予定表142は、電力メータ7を一意に識別する「電力メータID」と、有効期限が所定の期間内に近づいている電力メータ7を撮影した日を示す「有効期限確認日」と、電力メータ7の有効期限を示す「有効期限」の項目から構成される。「有効期限確認日」は、有効期限が所定の期間内に近づいている電力メータ7を撮影した撮影日時152である。図12の例では、たとえば、2010年6月1日に撮影された電力メータID171が6435***の電力メータ7の有効期限は平成22年6月である。
【0079】
図13は、実施の形態2に係る電力遠隔計測の動作の一例を示すフローチャートである。まず、端末装置6のタイマ63が、現在日時を記憶部64に出力する(ステップS31)。このとき、タイマ63は、現在日時を出力したことを報知する信号を制御回路65に出力する。制御回路65は、タイマ63から現在日時を出力したことを報知する信号を受けとると、記憶部64を参照し、撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれているか否かを判定する(ステップS32)。撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれていなかった場合(ステップS32;NO)、ステップS31に戻り、ステップS31およびステップS32を繰り返す。
【0080】
撮影日時リスト642に現在日時643と一致する日時が含まれていた場合(ステップS32;YES)、制御回路65は、カメラ61に撮影指示命令を送る。カメラ61は、制御回路65から撮影指示命令を受けとると、電力メータ7を撮影する(ステップS33)。カメラ61は、一時記憶部66に電力メータ7を撮影した撮影写真661を一時記憶させる。このとき、カメラ61は、撮影写真661を一時記憶部66に一時記憶させたことを報知する信号を制御回路65に出力する。
【0081】
制御回路65は、カメラ61から一時記憶部66に撮影写真661を一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、送信部62に送信指示命令を送る。送信部62は、制御回路65から送信指示命令を受けとると、記憶部64が記憶している現在日時643と一時記憶部66が記憶している撮影写真661とを電力遠隔計測装置1に送信する(ステップS34)。
【0082】
電力遠隔計測装置1の受信部11は、端末装置6の送信部62から撮影写真661および現在日時643を受信する(ステップS41)。受信部11は、撮影写真661および現在日時643を、それぞれ画像データ151および撮影日時152として一時記憶部66に一時記憶させる。このとき、受信部11は、画像データ151および撮影日時152を一時記憶部15に一時記憶させたことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、受信部11から画像データ151および撮影日時152を一時記憶部15に一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、パターン認識部12にパターン認識命令を送る。
【0083】
パターン認識部12は、制御回路16からのパターン認識命令を受けとると、一時記憶部15が記憶する画像データ151を読み出して、イメージ分析する(ステップS42)。そして、パターン認識部12は、イメージ分析して抽出した電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の部分の画像に対して文字認識を行い、電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値を読み取る(ステップS43)。パターン認識部12は、一時記憶部15が記憶する撮影日時152と、読み取った電力メータID71、電力使用量72および有効期限73の値とを、撮影日時152と、電力メータID171と、電力使用量172と、有効期限173として一時記憶部17に一時記憶させる。
【0084】
このとき、パターン認識部12は、一時記憶部17に撮影日時152と、電力メータID171と、電力使用量172と、有効期限173とを一時記憶させたことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、パターン認識部12から一時記憶部17に撮影日時152と、電力メータID171と、電力使用量172と、有効期限173とを一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、データ追記部13に電力使用状況表141へのデータ追記命令を送り、日時比較部18に日時比較命令を送る。
【0085】
データ追記部13は、制御回路16からのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152と電力メータID171と電力使用量172とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する電力使用状況表141に新規のレコードとして追加する(ステップS44)。
【0086】
一方、日時比較部18は、制御回路16からの日時比較命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152と有効期限173と比較し、有効期限が所定の期間内に近づいているか否かを判定する(ステップS45)。有効期限が所定の期間内に近づいていない場合(ステップS45;NO)、処理を終了する。有効期限が所定の期間内に近づいている場合(ステップS45;YES)、日時比較部18は、電力メータ7の有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、日時比較部18から有効期限が所定の期間内に近づいていることを報知する信号を受けとると、データ追記部13に有効期限予定表142へのデータ追記命令を送り、警告部19に警告命令を送る。
【0087】
データ追記部13は、制御回路16からのデータ追記命令を受けとると、一時記憶部17が記憶する撮影日時152と電力メータID171と有効期限173とを読み出して1つのレコードにし、記憶部14が記憶する有効期限予定表142に新規のレコードとして追加する(ステップS46)。
【0088】
警告部19は、制御回路16からの警告命令を受けとると、有効期限が所定の期間内に近づいている電子メータが存在することを警告する情報を出力して(ステップS47)処理を終了する。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態2の電力遠隔計測装置1によれば、有効期限が所定の期間内に近づいている電力メータを自動的に発見して記録し、警告することができる。これにより、有効期限が超過することを防ぎ、電気メータ7の交換やメンテナンスを行うスケジュールを計画的に立てることができる。
【0090】
(実施の形態3)
改正省エネ法による報告義務や、事業者(企業)内での省エネ活動のため、事業者が事業所内で、たとえば部門単位でより詳細なエネルギー使用状況の計測を行うような場合、電力メータの計測値を部門単位に集計する必要がある。また、事業者内の省エネ活動が促進されると、電力メータの計測値を部門に公開する(見える化する)必要が出てくる。しかし、事業者内の部門は、頻繁に組織改正が行われ、また、部門のメンバーの配置も、フロアやフロア内のレイアウトが頻繁に変更されることを前提としている。そこで、組織改変などが発生しても極力電力メータの設置変更をせず、電力メータと事業者の部門、そのフロアとの対応づけを情報の書き換えだけで実現でき、組織変更が発生した場合の対応を容易にするような柔軟な構成が求められる。
【0091】
図14は、本発明の実施の形態3に係る電力遠隔計測システムの機能を説明する図である。実施の形態3では、電力メータ7の計測結果を部門ごとに集計する。電力遠隔計測システム103は、電力遠隔計測システム101および電力遠隔計測システム102と同様に、1つ以上の電力メータ7と、電力メータ7と対となる同数の端末装置6と、電力遠隔計測装置1とから構成される。また、端末装置6と電力遠隔計測装置1とはネットワーク(図示せず)を介して通信可能である。電力遠隔計測システム103の電力遠隔計測装置1は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1の構成に加え、部門別集計部20、一時記憶部22および集計結果出力部21を備える。
【0092】
部門別集計部20は、管理者や関係者からの部門単位での電力メータ7の計測結果の集計命令を受け付ける。部門別集計部20は、集計命令を受け付けた部門の電力メータ7の計測結果を記憶部14から読み出して集計する。部門別集計部20は、集計命令を受け付けた部門の電力メータの計測結果の集計結果を集計結果出力部21に出力させる。各部のその他の機能は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1と同じである。
【0093】
図15は、実施の形態3に係る電力遠隔計測システムの具体的な構成を示した図である。なお、図15の例では、便宜上、電力メータ7および端末装置6を1つずつ図示している。端末装置6の構成は、実施の形態1と同一である。電力遠隔計測装置1は、実施の形態1の電力遠隔計測装置1の構成に加え、部門別集計部20、集計結果出力部21および一時記憶部22を備える。図15の例では、電力遠隔計測装置1を事業所に1つ設置しているが、本発明はこの形態に限られない。たとえば、電力遠隔計測サービスのサービス業者が複数の事業者に対してサービスを提供する場合などは、複数の事業者を対象にして1つの電力遠隔計測装置1が存在する形態も可能である。
【0094】
電力遠隔計測システム103の記憶部14は、電力使用状況表141および部門対メータ表143を記憶する。部門対メータ表143は、事業者の各部門を一意に識別する部門IDと、その部門の管理するフロアに設置されている電力メータ7を一意に識別する電力メータIDとの対応関係を示す表である。
【0095】
部門別集計部20は、管理者や関係者からの部門単位での電力メータ7の計測結果の集計命令を受け付ける。部門別集計部20は、特定の部門の電力メータ7の計測結果の集計命令を引数である部門IDとともに受けとると、部門対メータ表143を参照して、指定された部門IDに対応する電力メータIDを取得する。部門別集計部20は、指定された部門IDに対応する電力メータIDのレコードを、記憶部14が記憶する電気使用状況表141から読み出して集計する。部門別集計部20は、指定された部門IDに対応する電力メータIDのレコードの集計結果を一時記憶部22に出力する。部門別集計部20は、一時記憶部22に集計結果を出力したことを報知する信号を制御回路16に出力する。
【0096】
一方、記憶部14が記憶する電気使用状況表141に指定された部門IDに対応する電力メータIDの電力メータ7のレコードがなかった場合、部門別集計部20は、当該電力メータIDのレコードがないことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、部門別集計部20から当該電力メータIDのレコードがないことを報知する信号を受けとると、集計結果出力部21にエラー出力命令を送る。集計結果出力部21は、制御回路16からエラー出力命令を受けとると、当該電力メータIDのレコードがないことを知らせるエラーを出力する。
【0097】
一時記憶部22は、部門別集計部20から受けとった集計結果を集計結果221として一時記憶する。制御回路16は、部門別集計部20から一時記憶部22に集計結果を出力したことを報知する信号を受けとると、集計結果出力部21に集計結果出力命令を送る。
【0098】
集計結果出力部21は、制御回路16から集計結果出力命令を受けとると、一時記憶部22が記憶する集計結果221を出力する。集計結果221の出力は、音声出力でもよいし、表示させてもよい。あるいは、集計命令を入力した管理者や関係者に電子メールで送信することとしてもよい。各部のその他の動作は、電力遠隔計測システム101の電力遠隔計測装置1と同じである。
【0099】
図16は、実施の形態3に係る電力遠隔計測システムのレイアウトのイメージ図である。ある事業所に3つの部門(A、B、C)が存在し、それぞれ、部門Aにはメータ1および2、部門Bにはメータ3、部門Cにはメータ4、部門Dにはメータ5および6が設置されている。建物1には、部門Aと部門Bが、建物2には、部門Cと部門Dが存在する。電力は、外部から電力線を引き込み親電力メータで受け、それを6つの子メータに分電している。
【0100】
図17は、部門対メータ表の例を示す図である。図17(a)の例は、図16のレイアウトにおける部門対メータ表143を示したものである。前述のように、部門Aは電力メータ7(電力メータID:1)および電力メータ7(電力メータID:2)、部門Bは電力メータ7(電力メータID:3)、部門Cは電力メータ7(電力メータID:4)、部門Dは電力メータ7(電力メータID:5)および電力メータ7(電力メータID:6)に対応している。たとえば、この事業所内で、組織改変によって部門Bが部門Aに統合されたとする。この場合、部門Bに対応していた電力メータ7(電力メータID:3)について、対応する部門を部門Bから部門Aに書き換えるだけでよい。図17(b)に書き換えた部門対メータ表143を示す。
【0101】
図18は、実施の形態3に係る部門別集計の動作の一例を示すフローチャートである。まず、電力遠隔計測装置1の部門別集計部20が、管理者や関係者からの集計命令および部門IDを受け付ける(ステップS51)。部門別集計部20は、記憶部14が記憶する部門対メータ表143を参照し、受け付けた部門IDに対応する電力メータIDを取得する(ステップS52)。次に、部門別集計部20は、記憶部14が記憶する電気使用状況表141に、受け付けた部門IDに対応する電力メータIDのレコードがあるか否かを判定する(ステップS53)。
【0102】
受け付けた部門IDに対応する電力メータIDのレコードがあった場合(ステップS53;YES)、部門別集計部20は、当該電力メータIDのレコードを集計して、集計結果221を一時記憶部22に一時記憶させる。このとき、部門別集計部20は、集計結果221を一時記憶部22に一時記憶させたことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、部門別集計部20から集計結果221を一時記憶部22に一時記憶させたことを報知する信号を受けとると、集計結果出力部21に集計結果出力命令を送る。集計結果出力部21は、制御回路16から集計結果出力命令を受けとると、一時記憶部22が記憶する集計結果221を出力して(ステップS54)処理を終了する。
【0103】
一方、受け付けた部門IDに対応する電力メータIDのレコードがなかった場合(ステップS53;NO)、部門別集計部20は、当該電力メータIDのレコードがないことを報知する信号を制御回路16に出力する。制御回路16は、部門別集計部20から当該電力メータIDのレコードがないことを報知する信号を受けとると、集計結果出力部21にエラー出力命令を送る。集計結果出力部21は、制御回路16からエラー出力命令を受けとると、当該電力メータIDのレコードがないことを知らせるエラーを出力して(ステップS54)、処理を終了する。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態3の電力遠隔計測装置1によれば、部門ごとの電力使用量を調べるときには、部門と電力メータの対照表(部門対メータ表143)を参照して、その部門の電力メータの電力メータIDを調べてからレコードを集計するので、組織改変などによって部門のレイアウト変更があっても、部門と電力メータの対照表の書き換えをするだけでよく、電力メータの設置変更をする必要はない。
【0105】
なお、上記各実施の形態の2以上の手法を組み合わせて電力遠隔計測システムを実現してもよい。
【0106】
図19は、本発明の実施の形態に係る電力遠隔計測装置1の物理的な構成例を示すブロック図である。電力遠隔計測装置1は、図19に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。
【0107】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、前述の通信処理を実行する。制御部は、パターン認識部12、データ追記部13、制御回路16、日時比較部18および部門集計部20として機能する。
【0108】
主記憶部32はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。一時記憶部15、一時記憶部17および一時記憶部22は、主記憶部32に構成される。
【0109】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部31に行わせるための制御プログラム39を予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、この制御プログラム39が記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。記憶部14は、主外部記憶部33に構成される。
【0110】
操作部34はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部34を介して、部門対メータ表143などが入力され、制御部31に供給される。
【0111】
表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、有効期限が所定の期間内に近づいている電子メータが存在することを警告する情報や集計結果221、指定された電力メータIDのレコードがないことを知らせるエラーなどを表示する。
【0112】
送受信部36は、網終端装置または無線送受信機およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部36は、受信部11、警告部19および集計結果出力部21として機能する。
【0113】
図1、図10または図15に示す電力遠隔計測装置1の受信部11、パターン認識部12、データ追記部13、記憶部14、一時記憶部15、制御回路16、一時記憶部17、日時比較部18、警告部19、部門別集計部20、一時記憶部22および集計結果出力部21の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0114】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0115】
電力遠隔計測装置1の制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36などから構成される電力遠隔計測装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する電力遠隔計測装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで電力遠隔計測装置1を構成してもよい。
【0116】
また、電力遠隔計測装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0117】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0118】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0119】
(付記1)
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測装置。
【0120】
(付記2)
前記第2取得手段は、前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータを一意に識別する電力メータIDの部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力メータIDの値を読み取ることを特徴とする付記1に記載の電力遠隔計測装置。
【0121】
(付記3)
前記受信手段は、所定の時間間隔で前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信することを特徴とする付記1または2に記載の電力遠隔計測装置。
【0122】
(付記4)
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、さらに前記電力メータの有効期限の部分を抽出し、前記有効期限の部分をパターン認識して前記有効期限の値を読み取る第3取得手段と、
前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と前記第3取得手段が読み取った前記有効期限とを比較し、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っているか否かを判定する日時比較手段と、
をさらに備え、
前記記憶手段は、前記日時比較手段が、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記電力メータIDと前記有効期限とを対応付けてさらに記憶することを特徴とする付記1ないし3のいずれか1項に記載の電力遠隔計測装置。
【0123】
(付記5)
前記日時比較手段が、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記電力メータが前記有効期限から所定の期間内に入っていることを示す警告を出力する警告手段、をさらに備えることを特徴とする付記4に記載の電力遠隔計測装置。
【0124】
(付記6)
前記記憶手段は、前記電力メータが設置されている部門と前記電力メータとの対応関係を示す部門対メータ表を記憶し、
利用者からの特定の前記部門の前記電力使用量の集計命令をうけつけ、前記部門対メータ表を参照し、前記記憶手段から当該部門に対応する前記電力メータの前記電力使用量を含む計測結果を読み出して集計する部門別集計手段と、
前記部門別集計手段が集計した前記部門に対応する前記電力メータの前記計測結果を出力する集計結果出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記1ないし5のいずれか1項に記載の電力遠隔計測装置。
【0125】
(付記7)
既設の電力メータを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信手段と、
を備える端末装置と、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備える前記電力遠隔計測装置と、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測システム。
【0126】
(付記8)
端末装置が実行する、
既設の電力メータを撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信ステップと、
前記電力遠隔計測装置が実行する、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信ステップと、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得ステップと、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得ステップと、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識ステップと、
前記パターン認識ステップで読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得ステップで取得した前記撮影日時と、前記第2取得ステップで取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測方法。
【0127】
(付記9)
前記第2取得ステップは、前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータを一意に識別する電力メータIDの部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力メータIDの値を読み取ることを特徴とする付記8に記載の電力遠隔計測方法。
【0128】
(付記10)
前記受信ステップでは、所定の時間間隔で前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信することを特徴とする付記8または9に記載の電力遠隔計測方法。
【0129】
(付記11)
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、さらに前記電力メータの有効期限の部分を抽出し、前記有効期限の部分をパターン認識して前記有効期限の値を読み取る第3取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記撮影日時と前記第3取得ステップで読み取った前記有効期限とを比較し、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っているか否かを判定する日時比較ステップと、
をさらに備え、
前記記憶ステップでは、前記日時比較ステップで、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記撮影日時と前記有効期限とを対応付けてさらに前記記憶手段に記憶することを特徴とする付記8ないし10のいずれか1項に記載の電力遠隔計測方法。
【0130】
(付記12)
前記日時比較ステップで、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記電力メータが前記有効期限から所定の期間内に入っていることを示す警告を出力する警告ステップ、をさらに備えることを特徴とする付記11に記載の電力遠隔計測方法。
【0131】
(付記13)
利用者からの特定の前記部門の前記電力使用量の集計命令をうけつけ、前記記憶手段が記憶する前記電力メータが設置されている部門と前記電力メータとの対応関係を示す部門対メータ表を参照し、前記記憶手段から当該部門に対応する前記電力メータの前記電力使用量を含む計測結果を読み出して集計する部門別集計ステップと、
前記部門別集計ステップで集計した前記部門に対応する前記電力メータの前記計測結果を出力する集計結果出力ステップと、
をさらに備えることを特徴とする付記8ないし12のいずれか1項に記載の電力遠隔計測方法。
【0132】
(付記14)
コンピュータを、
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0133】
1 電力遠隔計測装置
6 端末装置
7 電力メータ
11 受信部
12 パターン認識部
13 データ追記部
14 記憶部
15 一時記憶部
16 制御回路
17 一時記憶部
18 日時比較部
19 警告部
20 部門別集計部
21 集計結果出力部
21 一時記憶部
31 制御部
32 主記憶部
33 外部記憶部
34 入力部
36 送受信部
39 制御プログラム
61 カメラ
62 送信部
63 タイマ
64 記憶部
65 制御回路
66 一時記憶部
71 電力メータID
72 電力使用量
73 有効期限
101、102、103 電力遠隔計測システム
141 電力使用状況表
151 画像データ
152 撮影日時
171 電力メータID
172 電力使用量
641 通信アドレス
642 撮影日時リスト
643 現在日時
661 撮影写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測装置。
【請求項2】
前記第2取得手段は、前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータを一意に識別する電力メータIDの部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力メータIDの値を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の電力遠隔計測装置。
【請求項3】
前記受信手段は、所定の時間間隔で前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信することを特徴とする請求項1または2に記載の電力遠隔計測装置。
【請求項4】
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、さらに前記電力メータの有効期限の部分を抽出し、前記有効期限の部分をパターン認識して前記有効期限の値を読み取る第3取得手段と、
前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と前記第3取得手段が読み取った前記有効期限とを比較し、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っているか否かを判定する日時比較手段と、
をさらに備え、
前記記憶手段は、前記日時比較手段が、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記電力メータIDと前記有効期限とを対応付けてさらに記憶することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電力遠隔計測装置。
【請求項5】
前記日時比較手段が、前記撮影日時が前記有効期限から所定の期間内に入っていると判定した場合に、前記電力メータが前記有効期限から所定の期間内に入っていることを示す警告を出力する警告手段、をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電力遠隔計測装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記電力メータが設置されている部門と前記電力メータとの対応関係を示す部門対メータ表を記憶し、
利用者からの特定の前記部門の前記電力使用量の集計命令をうけつけ、前記部門対メータ表を参照し、前記記憶手段から当該部門に対応する前記電力メータの前記電力使用量を含む計測結果を読み出して集計する部門別集計手段と、
前記部門別集計手段が集計した前記部門に対応する前記電力メータの前記計測結果を出力する集計結果出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電力遠隔計測装置。
【請求項7】
既設の電力メータを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信手段と、
を備える端末装置と、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段と、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段と、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段と、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段と、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備える前記電力遠隔計測装置と、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測システム。
【請求項8】
端末装置が実行する、
既設の電力メータを撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した前記電力メータの撮影写真を電力遠隔計測装置に送信する送信ステップと、
前記電力遠隔計測装置が実行する、
前記端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信ステップと、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得ステップと、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得ステップと、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識ステップと、
前記パターン認識ステップで読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得ステップで取得した前記撮影日時と、前記第2取得ステップで取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とする電力遠隔計測方法。
【請求項9】
前記第2取得ステップは、前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータを一意に識別する電力メータIDの部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力メータIDの値を読み取ることを特徴とする請求項8に記載の電力遠隔計測方法。
【請求項10】
コンピュータを、
既設の電力メータを撮影する端末装置から前記電力メータの撮影写真を受信する受信手段、
前記端末装置が前記電力メータを撮影した撮影日時を取得する第1取得手段、
前記電力メータを一意に識別する電力メータIDを取得する第2取得手段、
前記電力メータの撮影写真をイメージ分析して、前記電力メータの電力使用量の部分を抽出し、抽出した部分をパターン認識して前記電力使用量の値を読み取るパターン認識手段、
前記パターン認識手段が読み取った前記電力使用量の値と、前記第1取得手段が取得した前記撮影日時と、前記第2取得手段が取得した前記電気メータIDとを対応付けて記憶する記憶手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−38195(P2012−38195A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179477(P2010−179477)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】