説明

電力量計、使用電力量表示端末および電力量計量制御プログラム

【課題】契約変更時の作業を容易にする電力計を提供する。
【解決手段】電力の使用時間帯に応じた計量パターンを記憶する計量パターン記憶手段1c、時間帯別電力量の算出の要否を判定する計量機能制御手段1fにより時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンに従って、全日電力量が所定の計量単位になる毎に全日電力量を時間帯別に振り分けて時間帯別電力量を算出する時間帯別電力量算出手段1iで算出された時間帯別の電力量を記憶する時間帯別電力量記憶手段1d、時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量および時間帯別電力量記憶手段に記憶されている時間帯別電力量を表示する表示部120と、外部からの指令に基づいて計量機能記憶手段に記憶されている時間帯別電力量の算出の要否を変更させる設定手段1jとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計、使用電力量表示端末および電力量計量制御プログラムに関し、より詳しくは、電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて使用電力量を算出する電力量計、通信手段経由で電力量計から計量値を取得して使用電力量を算出する使用電力量表示端末、および電力量計と使用電力量表示端末を制御する電力量計量制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、季節別・時間帯別に電力量を計量する電力計量システムが知られている。このような電力計量システムの一例を図20に示す。この電力計量システムは、電源部10、電圧電流検出部20、電力演算回路30、CPU40、LCD表示器50、通信回路60および周辺回路70から構成されている。
【0003】
電源部10は、図示しない電源供給設備から供給される交流電力を、電力計量システムの内部で使用される電子回路の電圧レベルを有する直流電力に変換する。この電源部10から出力される直流電力は、電力計量システムを構成する電子回路(電力演算回路30、CPU40、LCD表示器50、通信回路60および周辺回路70)に供給される。
【0004】
電圧電流検出回路20は、変流器21と降圧回路22とから構成されている。変流器21は、電源供給設備から供給される交流電力の電流を電子回路の電流レベルに減流し、電力演算回路30に供給する。降圧回路22は、電源供給設備から供給される交流電力の電圧を電子回路の電圧レベルに減圧し、電力演算回路30に供給する。
【0005】
電力演算回路30は、変流器21から供給される電流と降圧回路22から供給される電圧とを乗算することにより電力を算出し、算出された電力に比例する数のパルス信号を生成する。この場合、通常は、1kWsの電力に対して1000パルス(1Wsの電力量に対して1パルス=1Whの電力量に対して3600パルス)の割合でパルス信号が発生される。この電力演算回路30で生成されたパルス信号は、計量パルスとしてCPU40に送られる。
【0006】
CPU40は、時計機構41、需給カレンダ42、分別部43および時間帯メモリ44を備えている。
【0007】
時計機構41は、現在時刻を計時する。時計機構41で計時された現在時刻は、分別部43によって参照される。需給カレンダ42は、計量パターン(区分数)を規定する情報を記憶している。計量パターンは、例えば4季節の各々に対して平日、土曜日および日曜・祝日を組み合わせた12個のパターンから構成される。
【0008】
分別部43は、電力演算回路30からのパルス信号を、時計機構41からの現在時刻および需給カレンダ42からの計量パターンに基づいて、第1時間帯メモリ41〜第6時間帯メモリ446の何れかに振り分ける。例えば、時計機構41および需給カレンダ42を参照することによって、夏の平日で18時であることが判断されると、第2時間帯メモリ442に振り分けるといった具合である。
【0009】
時間帯メモリ44は、1日(24時間)が6つに区分された時間帯の各々に対応する第1時間帯メモリ441〜第6時間帯メモリ446から構成されている。第1時間帯メモリ441〜第6時間帯メモリ446の各々は、分別部43によって振り分けられた計量パルスを累積加算(積算)し、これを例えば1Whの計量単位に数値化して記憶する。従って、電力取引に使用される計量単位であるkWhから見れば、小数点以下第3位までの精度で積算電力量が算出される。
【0010】
検針用時間帯メモリ46は、時間帯メモリ44の第1時間帯メモリ441〜第6時間帯メモリ446にそれぞれ対応する第1検針用時間帯メモリ461〜第6検針用時間帯メモリ466から構成されている。検針用時間帯メモリ46には、計量確定がなされた時に、時間帯メモリ44の内容が複写され、電力料金の算出に使用される。
【0011】
なお、第1時間帯メモリ441〜第6時間帯メモリ446の各々に、消費電力量は、10Whの計量単位に数値化されて記憶される場合もある。この場合は、電力取引に使用される計量単位であるkWhから見れば、小数点以下第2位までの精度で積算電力量が算出される。1Whの計量単位で計量(小数点以下第3位まで算出)するか10Whの計量単位で計量(小数点以下第2位まで算出)するかは電力取引の種類によって決められる。
【0012】
表示部50は、第1時間帯メモリ441〜第6時間帯メモリ446および第1検針用時間帯メモリ461〜第6検針用時間帯メモリ466に記憶されている内容を時間帯電力量として選択的に表示する。なお、この表示部50には、時間帯毎の電力量の他に、現在の日時や時間帯等も表示される。
【0013】
通信回路60は、電力計量システムで計量された計量値を、図示しない通信回線を介してセンタに送信したり、センタから図示しない通信回線を介して電力計量システムに各種設定や設定の変更を行うために使用される。周辺回路70には、電力計量システムに各種の設定を行うための設定釦、上述した計量パルスを外部に出力するためのパルス出力回路等が含まれる。
【0014】
なお、関連する技術として、計量時間帯、負荷スイッチ制御時間、サマータイムシフト量などの時間設定内容を確認しやすい形態で示すようにした電子式電力量計が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子式電力量計は、異なる計量時間帯の電力量を計量する複数の電力量計と、複数の電力量計の計量結果を表示する電力量表示手段と、電力量表示手段に表示されている計量結果がどの計量時間帯に属するかを表示する表示時間帯表示手段と、現在時刻表示手段と、現在の計量時間帯を表示する計量時間帯番号表示手段とを有し、電力量表示手段に複数の計量時間帯のいずれか一の電力量計量結果を順次または選択して表示するようにした電子式電力量計において、表示時間帯表示手段に、電力量表示手段に表示されている計量時間帯の番号を表示する表示時間帯番号表示部と、時刻が表示された時計文字盤部と、時計文字盤部に表示された時刻に対応して計量時間帯を図示する時間帯表示部とを備えている。
【0015】
ところで、従来の電力量計や電力の検針方法には、電力を使用する電力需要家側と、電力を供給する電力供給家(電力会社)側との間の契約に応じて種々の形態が存在する。
【0016】
まず、電力取引には、大別すると、月間の使用電力量を季節別・時間帯別に計量する契約(以下、「季時別契約」という)と、月間の使用電力量のみを計量する契約(以下、「実量制契約」という)の2種類がある。
【0017】
実量制契約の需要家に設置する電子式電力量計には、図22(a)に示すような外部との通信機能を有しない(通信回路を備えていない)タイプと、図22(b)に示すような外部との通信機能を有する(通信回路を備えている)タイプの2種類がある。
【0018】
一方、季時別契約の需要家に設置する電力量計は、図23に示すような、料金制度に応じた計量パターンを需給カレンダに設定し、それに従って月間の使用電力量や最大需要電力を時間帯毎に計量する季時別計器が用いられている。あるいは、図24に示すように、図22(b)に示すような通信機能付きの実量制計器に使用電力量表示端末を組み合わせて、月間の使用量は実量制計器で、時間帯別の使用量は設定された需給カレンダに従い使用電力量表示端末で計量してそれぞれ表示を行っている。
【0019】
このように、実量制契約用の計器では月間の使用量のみを計量し、季時別契約用の計器では月間の使用量を時間帯別に計量しており、1つの計器で月間の使用量と月間の時間帯別の使用量を同時に計量して表示する計器は存在していない。
【0020】
また、電力供給家側がPPS(Power Producer and Supplier:特定規模電気事業者)である場合においても、時間帯別に計量を行わない場合と、時間帯別に行う場合があるが、何れの場合も現状では、図23に示したような通信機能付の実量制計器と使用電力量表示端末を使用している。
【0021】
また、電力会社は、通常、電力使用量を把握するために毎月1回、検針業務を行っている。この検針の手段を大別すると、各種通信網を利用した自動検針と、検針員が現地で電力量計の表示で使用量を把握する現地検針の2種類があり、現地検針では記録用紙に記入するか、ハンディターミナルという専用の装置に入力するなど、様々な方法が用いられている。検針を自動で行うか、現地検針で行うか、また、現地検針をどのような形で行うかは、現状では、様々な状況により使い分けられている。
【0022】
また、電力量計は、電力量、無効電力量、最大需要電力など複数の項目を計量して表示しており、表示方法は複数の項目を同時に1つの画面で表示できるタイプから、最近では1〜2項目を所定周期で自動的に切換えて順次表示するサイクリック表示のタイプに移行しつつある。
【0023】
このため、電力需要家側に計器を設置したときの契約を、その後に変更する場合は、計器の取り替えや、使用電力量表示端末の設置、設定変更等が必要になるケースがある。このような変更時、電力量計の適用時点と、各種設定が行われた後の新たな料金制度の適用時点とがずれるため、使用電力量を適正に把握することが難しく、電力料金を算出するための処理が煩雑になるなどの問題点があった。そこで、新たな料金制度の適用開始指示時点の指示値の確定時点を需給カレンダに基づく使用電力量の演算の起点とすることによって、料金制度の運用開始時点からの使用電力量を適正に把握し、円滑な料金取引を可能にする電力量計量システムが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2001−183400号公報
【特許文献2】特開2003−167005号公報(段落番号0052〜0065、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
ところで、近年は、負荷平準化やエネルギー有効利用のために料金制度の多様化が進んでおり、これに伴って、30分毎の計量値(以下、「30分値」という)で電力取引を行いたいとか、時間帯毎とは無関係に1ヶ月間だけの計量値で電力取引を行いたい等といった様々なニーズが発生している。
【0026】
しかしながら、上述した従来の電力計量システムでは、電力演算回路で生成されたパルス信号を季節別・時間帯別に分別して計量しているので、30分値を計量できない。その結果、30分値での電力取引ができないという問題がある。
【0027】
また、電力演算回路30からのパルス信号を該当する時間帯メモリに直接送り、その時間帯メモリで時間帯別に数値化していたので、各時間帯に各々3600パルスに満たない分のパルスが存在していたという状況であった。このため、各時間帯の3600パルスに満たないパルスを合計すると、3600パルスを超えている場合があった。
【0028】
また、従来の電力計量システムでは、上述したようなニーズに応えることができないため、季節別・時間帯別の計量契約を締結している需要家がPPSからの供給に計量契約を変更した場合には、計器の取り替えが必要になる。計器の取り替えに関しては、検定取得が必要になるなど、最低でも1ヶ月のリードタイムを見込む必要がある。
【0029】
また、電力量計に使用電力量表示端末を組み合わせた電力計量システムが使用される場合は、契約約款(季節別・時間帯別の計量契約)の加入率が高くなると、使用電力量表示端末の設置コストが無視できなくなり、計量コストが高くなるという問題がある。
【0030】
また、季節別・時間帯別の計量契約を締結している需要家の時間帯区分数が変更(例えば6時間帯から4時間帯、またはその逆に変更)された場合に、増減した時間帯数の計量値の表示に関して次のような問題がある。即ち、図21に示すように、契約変更により時間帯区分数が4から6に増加した場合は、増加した時間帯区分の初期値は、現在画面では表示されるが検針画面では表示されない(図中破線で示してある)ため、月間の使用電力量を確定するのに、顧客と電力供給者との間で疑義が生じかねない。また、初期値を表示した場合であっても、増加した時間帯区分の時間帯メモリに前回までの積算値(例えば検定時の誤差試験のために動作させた時の値)が残っている(図中「?」記号で示してある)ため、同様の疑義が生じかねない。
【0031】
さらに、計量単位が変更(Whから10Whに変更、またはその逆に変更)された場合に、該変更によって使用または不使用になった桁の取り扱いに関して、上述した時間帯区分数の変更と同様の問題が生じる。
【0032】
また、従来の電力量計は、実量制契約用、季時別契約用にそれぞれ作られていることから、実量制契約の需要家が季時別契約に変更した場合など、契約内容が変更された場合には、計量項目の追加などにより、計器の取り替えが必要になるという問題点がある。
【0033】
例えば、設置時の契約が実量制契約で、図22(a)に示すような実量制計器が取り付けられている場合に、季時別契約に変更する必要が生じた場合は、実量制計器を、図23に示すような季時別計器、または、図24に示すように、通信機能付の実量制計器に取り替えたうえ、各時間帯への計量値の振り分け機能を持つ使用電力量表示端末を取り付けて時間帯別に計量する必要がある。
【0034】
また、図23に示すような季時別計器が取り付けられている場合であっても、契約変更により時間帯区分数が増える場合に、時間帯別電力量メモリが足りない場合には計器を交換する必要がある。計器の交換には、計器の調達に最短でも1ヶ月のリードタイムを見込む必要があるとともに、工事のために停電を必要とする。さらに、計器の種類が多くなるため、計器管理などの業務が増えるという問題がある。
【0035】
さらに、電力需要家側は、電力供給を選ぶことができるため、電力会社やPPSなど電力供給者を毎年入札により決定することがある。電力供給者がPPSになった場合には、契約内容に基づき、例えば30分毎の電力使用量や電力が必要となる。このため、電力会社と季時別に計量するような契約を締結している場合には、電力供給者を電力会社からPPSに変更した場合に、30分毎の電力使用量や電力を計量することになるが、30分毎の計量ができない計器であれば、前述のように計器の取り替えが必要となる。また、30分毎の計量ができる計器であっても、計器の計量項目の変更や需給カレンダの変更などを行う必要が生じるため、この業務を省力化したいという要求がある。
【0036】
サイクリック表示を行うタイプの計器の場合は、計器に時間帯別に計量する機能を付与することは、メモリの容量拡大とソフトウェアを開発することで実現できるため、計器は様々なニーズを想定し、多様性を持たせて開発することができる。しかしながら、計器では計量しているものの表示しない端数があり、常に月間の増分使用量が時間帯別の月間増分の合計値に一致するとは限らないため、月間の使用量と時間帯別の使用量を同一の計器で同時に計量、表示して取引に使用する際には注意が必要である。
【0037】
また、使用電力量の計量にあたって、計量法で定められている検定試験に合格した計器で計量する必要があるため、所要の検定手数料を支払い、検定に合格した計器を使用しなければならない。このため、使用者は契約変更に伴う計器の取り替えの回避や、計器種類を少なくして在庫などの管理を省力化すべく、検定手数料が過度に負担とならない範囲で予め一律に検定を受け、計器を取り付けた時点で、契約に不必要な時間帯別の計量項目まで計量、表示した場合には、検針時間が長くなり、使用量の記録間違い等の可能性が高まるという問題がある。
【0038】
以上のように、契約の変更時には、計器の取り替え、新たな使用電力量表示端末の設置、各種設定変更などの煩雑な作業が必要となり、計量コストを増大させる要因となっている。
【0039】
さらに、検針方法についても、現地で検針をするときには、計器や使用電力量表示端末の表示を見て電力使用量を記録するため、計器や使用電力量表示端末での表示順は計量値を記録する順と合致していることが望ましい。しかし、計量値の記録順は、計器の使用者が自由に決めていることから、様々な記録順が存在し、例えば図25(a)に示すように、「時間帯別電力量→全日電力量、最大需要電力および累積最大需要電力→力測(力率測定用)有効電力、力測無効電力および力率→(現在地の表示画面)」という順序で表示する計器や使用電力量表示端末に、「時間帯別電力量→力率測定用有効電力→力率測定用無効電力→最大需要電力→累積最大需要電力→力率」という順序で使用量を記録するハンディターミナルを用いる場合がある。
【0040】
この場合、ハンディターミナルの入力順に表示が切り替わらないため、計器や使用電力量表示端末の表示画面が更新されるまでハンディターミナルの入力を待つ必要がある。例えば、「力測無効電力」を表示に従って入力したのち、次に「最大需要電力」を入力するためには、「最大需要電力」が表示されるまで待つ必要があり、検針業務が非効率である。また、記録順と表示順とが異なるため、異なる項目を入力してしまう可能性もある。
【0041】
本発明は、上述した諸問題を解消するためになされたものであり、本発明の第1の課題は、契約変更時の作業を容易にすることが可能な電力量計、使用電力量表示端末および電力量計量制御プログラムを提供することにある。さらに、本発明の第2の課題は、わかりやすい表示を行うことが可能な電力量計、使用電力量表示端末および電力量計量制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0042】
第1の発明に係る電力量計は、電力量を計量して累積することにより全日電力量を算出する電力量演算手段と、前記電力量演算手段で算出された全日電力量を記憶する全日電力量記憶手段と、電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定される電力の使用時間帯に応じた計量パターンを記憶する計量パターン記憶手段と、時間帯別電力量の算出の要否を記憶する計量機能記憶手段と、前記計量機能記憶手段に記憶されている内容に基づき時間帯別電力量の算出の要否を判定する計量機能制御手段と、前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンに従って、前記全日電力量が所定の計量単位になる毎に全日電力量を時間帯別に振り分けて時間帯別電力量を算出する時間帯別電力量算出手段と、前記時間帯別電力量算出手段で算出された時間帯別の電力量を記憶する時間帯別電力量記憶手段と、前記全日電力量および時間帯別電力量を表示する表示手段と、前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記全日電力量記憶手段に格納された全日電力量および前記時間帯別電力量記憶手段に記憶されている時間帯別電力量を表示する表示部と、外部からの指令に基づいて、前記計量機能記憶手段に記憶されている時間帯別電力量の算出の要否を変更させる設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0043】
第2の発明に係る電力量計は、第1の発明に係る電力量計において、前記設定手段は、さらに前記計量パターン記憶手段に記憶される計量パターンを外部からの指令により変更することを特徴とする。
【0044】
第3の発明に係る電力量計は、第1または第2の発明に係る電力量計において、前記表示部は、表示項目の表示の順番を規定する表示パターンを記憶する表示パターン記憶手段を備え、該表示パターン記憶手段に記憶されている表示パターンに従った順番で表示項目の表示を行い、前記設定手段は、さらに前記表示パターン記憶手段に記憶される表示パターンを外部からの指令に基づいて変更させることを特徴とする。
【0045】
第4の発明に係る電力量計は、第1ないし第3の発明の何れかに係る電力量計において、前記設定手段は、外部から入力された仕向け先に応じて前記電力量演算手段における計量単位を変更し、且つ、外部から計量パターンが入力されると、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンを変更し、前記計量パターンに記憶されている計量パターンによって規定される前記時間帯別電力量記憶手段の記憶領域の必要数と、予め前記時間帯別電力量記憶手段が備えている前記時間帯別電力量の記憶領域の数とに基づいて前記時間帯別電力量の算出の要否を決定することを特徴とする。
【0046】
第5の発明に係る使用電力量表示端末は、電力量を計量して累積することにより得られた全日電力量を受信する通信手段と、前記通信手段で受信された全日電力量を記憶する全日電力量記憶手段と、電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定される電力の使用時間帯に応じた計量パターンを記憶する計量パターン記憶手段と、時間帯別電力量の算出の要否を記憶する計量機能記憶手段と、前記計量機能記憶手段に記憶されている内容に基づき時間帯別電力量の算出の要否を判定する計量機能制御手段と、前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンに従って、前記全日電力量を時間帯別に振り分けて時間帯別電力量を算出する時間帯別電力量算出手段と、前記時間帯別電力量算出手段で算出された時間帯別の電力量を記憶する時間帯別電力量記憶手段と、前記全日電力量および時間帯別電力量を表示する表示手段と、前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記全日電力量記憶手段に格納された全日電力量および前記時間帯別電力量記憶手段に記憶されている時間帯別電力量を表示する表示部と、外部からの指令に基づいて、前記計量機能記憶手段に記憶されている時間帯別電力量の算出の要否を変更させる設定手段とを備え、前記表示部は、表示項目の表示の順番を規定する表示パターンを記憶する表示パターン記憶手段を備え、該表示パターン記憶手段に記憶されている表示パターンに従った順番で表示項目の表示を行うことを特徴とする。
【0047】
第6の発明に係る電力量計量制御プログラムは、電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて使用電力量を算出するための電力量計量制御プログラムにおいて、電力量を計量して累積した全日電力量を算出する手順と、外部から送られてくる時間帯別電力量の算出の要否の指令により該算出が不要であると判定された場合は前記算出された全日電力量を表示する手順と、前記時間帯別電力量の算出が必要と判定された場合は計量された電力量を格納されている計量パターンに従って時間帯別に振り分けて時間帯別の累積値を算出して格納する手順と、該格納された時間帯別電力量を表示する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0048】
第7の発明に係る発明は、第6の発明に係る電力量計量制御プログラムにおいて、外部から表示項目の表示の順番を規定する表示パターンが指定されると、該表示パターンに従った順番で前記表示項目を表示する手順を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0049】
第8の発明に係る電力量計は、第6または第7の発明に係る電力量計量制御プログラムにおいて、電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定され電力の使用時間帯に応じた計量パターンが選択されると、予め定められている時間帯区分数を取得する手順と、該取得された時間帯区分数がゼロであれば、前記選択された計量パターンを格納する手順と、前記取得された時間帯区分数がゼロ以外であって、且つ使用電力量表示端末が使用される場合は、時間帯別電力量の算出が不要である旨を設定するとともに前記計量パターンを格納する手順と、前記取得された時間帯区分数がゼロ以外であって、且つ使用電力量表示端末が使用されない場合は、前記計量パターンが前記時間帯区分数の範囲内であれば前記時間帯別電力量の算出が必要である旨を設定するとともに前記計量パターンを格納する手順とを前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0050】
第1〜第5の発明に係る電力量計および使用電力量表示端末によれば、計算機能制御部が外部からの指示に応じて実量制契約、季時別契約およびPPSによる供給契約のそれぞれに対応する設定を行うとともに、それぞれに対応する処理機能を実現する。この結果、実量制契約用や季時別契約用にも1つの計器で対応可能になるため、将来の多時間帯計量のニーズを想定して検定を取得し、契約内容に応じて多機能型電力量計の計量機能を制御することで、計器の種類を減らして計器の在庫管理の業務を省力化できるとともに、契約変更に伴う計器取替等を不要にすることができる。
【0051】
また、設定を変更する場合も、外部からの指示に応じて予め用意された計量単位などの情報を自動的に選択するので、その作業を容易にすることができる。このように、契約変更に伴う計器の交換回数を減らすとともに、変更作業を容易にすることによって、計量コストを削減することが可能になる。
【0052】
また、外部からの指令によって表示パターンを変更することができる。これにより、必要な順に検針値を表示することが可能となり、現地検針の誤入力を防止することができる。
【0053】
さらに、第6〜第8の発明に係る電力量計量制御プログラムによれば、上述した第1〜第5の発明に係る電力量計および使用電力量表示端末と同様の作用および効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1に係る電力計量システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電力計量システムの動作の全体を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係る電力計量システムで行われる分別処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1に係る電力計量システムの動作を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例1に係る電力計量システムの他の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例2に係る電力計量システムで行われる区分数変更処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2に係る電力計量システムで行われる他の区分数変更処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2に係る電力計量システムにおける区分数変更の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の実施例3に係る電力計量システムで行われる計量単位変更処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る電力計量システムで行われる他の計量単位更処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例4に係る電力量計を概念的に示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例4に係る電力量計のハードウェア構成の例を示す図である。
【図13】本発明の実施例4に係る電力量計の内部構成を示すブロック図である。
【図14】ハンディターミナルで使用されている第1表示パターンの表示順を示す図である。
【図15】一般的に使用されている第2表示パターンの表示順を示す図である。
【図16】本発明の実施例4に係る電力量計の制御用プログラム(電力量計量制御プログラム)の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す仕向け先設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図18】図16に示す需給カレンダ設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図19】図16に示す表示パターン設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図20】従来の電力計量システムの構成を示すブロック図である。
【図21】従来の電力計量システムの動作を説明するための図である。
【図22】従来の通信機能を有しない実量制計器及び通信機能を有する実量制計器の構成を示す図である。
【図23】従来の季時別計器の構成を示すブロック図である。
【図24】従来の通信機能付きの実量制計器に使用電力量表示端末を組み合わせた構成を示すブロック図である。
【図25】従来の表示端末の検針値の表示順序及びハンディターミナルの検針値入力順序を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、背景技術の欄で説明した電力計量システムの構成要素と同一または相当部分には背景技術の欄で使用した符号と同じ符号を付して説明を簡略化する。
【実施例1】
【0056】
図1は本発明の実施例1に係る電力計量システムの構成を示すブロック図である。この電力計量システムは、電源部10、電圧電流検出部20、電力演算回路30、CPU80、LCD表示器50、通信回路60および周辺回路70から構成されている。
【0057】
電源部10は、図示しない電源供給設備から供給される交流電力を、電力計量システムの内部で使用される電子回路の電圧レベルを有する直流電力に変換して各電子回路に供給する。
【0058】
電圧電流検出回路20は、変流器21と降圧回路22とから構成されている。変流器21は、電源供給設備から供給される交流電力の電流を電子回路の電流レベルに減流し、電力演算回路30に供給する。降圧回路22は、電源供給設備から供給される交流電力の電圧を電子回路の電圧レベルに減圧し、電力演算回路30に供給する。
【0059】
電力演算回路30は、変流器21から供給される電流と降圧回路22から供給される電圧とを乗算することにより電力を算出し、算出された電力に比例する数のパルス信号を生成する。電力演算回路30で生成されたパルス信号は、計量パルスとしてCPU80に送られる。電力演算回路30で発生されるパルス信号と電力量との関係は、背景技術の欄で説明した関係と同じである。
【0060】
CPU80は、全日電力量メモリ81、時計機構82、需給カレンダ83、分別部84、時間帯メモリ85、検針用時間帯メモリ86、ロードサーベイメモリ87および検針用全日電力量メモリ88から構成されている。
【0061】
全日電力量メモリ81は、電力演算回路30から送られてくる計量パルスを累積加算(積算)し、これを最小計量単位(例えば0.001kWhの計量単位)に数値化して記憶する。従って、全日電力量メモリ81には、電力演算回路30から最小計量単位に相当する3600個の計量パルスが送られてくる毎に最小計量単位値「1」が積算される。
【0062】
また、最小計量単位値「1」の積算によって、全日電力量メモリ81の内容が表示単位(計量単位)値分だけ増加する毎に、その計量単位値が分別部84に送られる。具体的には、1Whの計量単位が使用される場合には、全日電力量メモリ81に最小計量単位値「1」が積算される毎に最小計量単位値「1」をkWhに換算した「0.001」が計量単位値として分別部84に送られる。また、10Whの計量単位が使用される場合は、全日電力量メモリ81に最小計量単位値「1」が10回積算される毎に最小計量単位値「1」の10倍に相当する値をkWhに換算した「0.01」が計量単位値として分別部84に送られる。この実施例1では、10Whの計量単位が使用される、つまり計量単位値として「0.01」が用いられるものとする。従って、LCD表示器50に表示される電力量は、整数部の4桁と小数部の2桁とを連結した6桁から構成されることになる。
【0063】
さらに、全日電力量メモリ81の内容は、時計機構82が**時00分および30分(**は0〜23、以下同じ)を計時した時に、30分値としてロードサーベイメモリ87に記憶される。また、全日電力量メモリ81の内容は、時刻変更がなされた場合および計量確定がなされた場合にもロードサーベイメモリ87に記憶される。
【0064】
時計機構82は、現在の日付および時刻を計時する。この時計機構82で計時された日付および時刻は、分別部84によって参照される。需給カレンダ83は、背景技術の欄で説明した計量パターン(区分数)を規定する情報を記憶している。この需給カレンダ83の内容は、分別部84によって参照される。
【0065】
分別部84は、全日電力量メモリ81から送られてくる計量単位値「0.01」を、時計機構82からの日付および時刻ならびに需給カレンダ83からの計量パターンに基づいて、時間帯メモリ85を構成する第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の何れかに振り分ける。例えば、時計機構82および需給カレンダ83を参照することによって、夏の平日で18時であることが判断されると、第2時間帯メモリ852に振り分けるといった具合である。
【0066】
時間帯メモリ85は、1日(24時間)が6つに区分された時間帯の各々に対応する第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856から構成されている。第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の各々は、分別部84によって振り分けられた計量単位値「0.01」を累積加算(積算)して記憶する。
【0067】
検針用時間帯メモリ86は、時間帯メモリ85の第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856にそれぞれ対応する第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866から構成されている。検針用時間帯メモリ86には、計量確定ならびに後述する時間帯区分数の変更および計量単位の変更がなされた時に、時間帯メモリ85の内容が複写され、電力料金の算出に使用される。
【0068】
ロードサーベイメモリ87は、30分値を記憶する。即ち、時計機構82が**時00分および30分(**は0〜23)を計時した時に、全日電力量メモリ81の内容がロードサーベイメモリ87に送られて記憶される。また、時刻変更および計量確定がなされた場合にも全日電力量メモリ81の内容がロードサーベイメモリ87に送られて記憶される。なお、ロードサーベイメモリ87に全日電力量メモリ81の内容を記憶する間隔は30分に限らず、任意に定めることができる。
【0069】
検針用全日電力量メモリ88は、計量が確定された際に、全日電力量メモリ81に記憶されている内容が複写される。
【0070】
表示部50は、全日電力量メモリ81に記憶されている内容を全日電力量として表示すると共に、検針用全日電力量メモリ88に記憶されている内容を表示し、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856および第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866に記憶されている内容を時間帯電力量として選択的に表示し、さらに、ロードサーベイメモリ87に記憶されている30分値を選択的に表示する。なお、表示部50は、上記の他に現在の日時や時間帯等を表示するためにも使用される。
【0071】
通信回路60は、電力計量システムで得られた種々の情報を、図示しない通信回線を介してセンタに送信したり、センタから図示しない通信回線を介して電力計量システムに各種設定や設定の変更を行うために使用される。
【0072】
周辺回路70は、電力計量システムに各種の設定を行うための設定釦、上述した計量パルスを外部に出力するためのパルス出力回路(何れも図示しない)等を含む。設定釦には、時刻を変更するための時刻変更釦、計量確定を指示するための計量確定釦(何れも図示しない)等が含まれる。
【0073】
また、変更は、通信回路60から変更指示を事前に出しておき、変更指示より後に、計量確定釦が押された時または通信回路60から計量確定指示が出された時または予め定められた時刻(例えば月締め)に自動的に計量確定された時に、時間帯区分数変更や計量単位変更が実施される。つまり、「保持された変更指示」と「その後の計量確定動作」とのAND条件で時間帯区分数変更や計量単位変更が実施される。厳密には、時間帯区分数変更や計量単位変更は、計量確定の直後に行う。なぜなら、変更前の値を計量確定によって検針用時間帯メモリおよび検針用全日電力量メモリに保存しておかないと、前回の計量確定から変更時までの間の使用電力量が求められなくなるからである。
【0074】
なお、「計量確定」とは、「時間帯メモリの現在の内容を検針用時間帯メモリに保存する行為である」。「検針」とは、「計量確定によって検針用時間帯メモリに保存された内容を読み取る行為である」。「使用電力量」とは、「今回検針値と前回検針値との差である」。
【0075】
次に、このように構成された本発明の実施例1に係る電力計量システムの動作を、図2および図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
CPU80は、図2のメインルーチンを表すフローチャートに示すように、まず、電力演算回路30から計量パルスを受信したかどうかを調べる(ステップS10)。そして、計量パルスを受信したことを判断すると、図示しないメモリに設けられたパルスカウンタをインクリメント(+1)し(ステップS11)、そうでなければシーケンスはステップS16に分岐する。
【0077】
ステップS11でパルスカウンタがインクリメントされると、次に、パルスカウンタの内容が最小計量単位に相当する「3600」に等しくなったかどうかが調べられる(ステップS12)。ここで、「3600」に等しくなったことが判断されると、パルスカウンタの内容がクリアされ(ステップS13)、そうでなければシーケンスはステップS16に分岐する。これにより、パルスカウンタは「3600」を周期として巡回しながら計数するカウンタとして機能する。ステップS13でパルスカウンタの内容がクリアされると、次に、全日電力量カウンタ(全日電力量メモリ81)の内容がインクリメント(+1)される(ステップS14)。
【0078】
次に、分別部84によって分別処理が実行される(ステップS15)。この分別処理の詳細を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0079】
分別処理では、まず、需給カレンダ83の内容が読み出される(ステップS30)。次に、変数iに初期値として「1」が設定される(ステップS31)。次に、時計機構82から読み出された日付および時刻と、ステップS30で読み出された需給カレンダ83の内容とに基づいて、現在、第i時間帯であるかどうかが調べられる(ステップS32)。ここで、第i時間帯であることが判断されると、第i時間帯メモリ85iの内容に計量単位値「0.01」が積算される(ステップS33)。ステップS32で第i時間帯でないことが判断された場合は、ステップS33の処理はスキップされる。
【0080】
次に、変数iがインクリメント(+1)される(ステップS34)。そして、変数iが「7」になったかどうかが調べられる(ステップS35)。ここで、変数iが「7」になっていないことが判断されると、シーケンスはステップS32に戻り、上述した動作が繰り返し実行される。そして、繰り返し実行の過程で、ステップS35において、変数iが「7」になったことが判断されると、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の何れかに計量単位値「0.01」の積算がなされた旨を判断し、分別処理ルーチンからメインルーチンにリターンする。
【0081】
メインルーチンでは、図2に示すように、次に、時計機構82が**時00分または30分を示しているかどうかが調べられる(ステップS16)。ステップS16で、**時00分または30分を示していることが判断されると、シーケンスはステップS20に分岐し、全日電力量メモリ81の内容が、その時の日付および時刻と共に、ロードサーベイメモリ87に格納される。その後、シーケンスはステップS21に進む。
【0082】
ステップS16で、**時00分または30分を示していないことが判断されると、次に、時刻変更がなされたかどうかが調べられる(ステップS17)。これは、周辺回路70に含まれる時刻変更釦が操作されたかどうか、或いは通信回路60から時刻変更指示がされたかどうかを調べることにより行われる。時刻変更がなされたかどうかを調べる機能は、本発明の時刻変更手段に対応する。ステップS17で、時刻変更がなされたことが判断されると、ステップS20に分岐し、その時点の全日電力量メモリ81の内容ならびにその時の日付および時刻がロードサーベイメモリ87に格納される。その後、シーケンスはステップS21に進む。
【0083】
ステップS17で、時刻変更がなされていないことが判断されると、次に、月締めや集計等による計量確定がなされたかどうかが調べられる(ステップS18)。計量確定がなされたかどうかは、周辺回路70に含まれる計量確定釦が操作されたかどうか、或いは通信回路60から計量確定指示がされたかどうかまたは時計機構82により計時されている日付および時刻が、予め検針日として設定された日付および時刻になったかどうかを調べることにより行われる。計量確定がなされたかどうかを調べる機能は、本発明の計量確定手段に対応する。
【0084】
ステップS18で、計量確定がなされたことが判断されると、時間帯メモリ85および全日電力量メモリ81の内容が検針用時間帯メモリ86および検針用全日電力量メモリ88に複写される(ステップS19)。電力料金は、検針用時間帯メモリ86の内容を参照して算出される。その後、シーケンスはステップS20に進み、その時点の全日電力量メモリ81の内容およびその時の時刻がロードサーベイメモリ87に格納される。その後、シーケンスはステップS21に進む。ステップS18で、計量確定がなされていないことが判断された場合は、シーケンスはステップS21に分岐する。
【0085】
ステップS21では、表示処理が行われる。表示処理では、全日電力量メモリ81に記憶されている内容(全日電力量)、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856および第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866に記憶されている時間帯電力量、ロードサーベイメモリ87に記憶されている30分値、検針用全日電力量メモリ88に記憶されている計量確定時の内容をLCD表示器50に選択的に表示させる処理が行われる。
【0086】
次に、その他の処理が行われる(ステップS22)。「その他の処理」では、通信回路60を介して情報をセンタとの間で送受する処理、周辺回路70のパルス出力回路を介して計量パルスを外部に出力する処理等が行われる。その後、シーケンスはステップS10に戻り、以下、上述した処理が繰り返される。
【0087】
本発明の実施例1に係る電力計量システムの動作の理解をさらに深めるために、図2および図3に示すフローチャートに従った処理によって実現される機能を、図4および図5を参照しながら説明する。
【0088】
需給カレンダ83には、図4に示すように、第1時間帯は0時00分00秒から1時00分00秒まで、第2時間帯は1時00分00秒から2時00分00秒まで、第3時間帯は2時00分00秒から3時00分00秒までであることが規定されているものとする。
【0089】
この例では、第1時間帯である0時00分00秒から1時00分00秒までの間は、全日電力量メモリ81の内容に、最小計量単位値「0.001」が積算されることにより下位から2桁目が増加される都度、換言すれば、計量単位値「0.01」が積算される都度、第1時間帯メモリ851の内容に計量単位値「0.01」が積算される。また、時計機構82が0時00分00秒、0時30分00秒になった時に、その時点の全日電力量メモリ81に記憶されている計量値がそれぞれロードサーベイメモリ87に記憶される。
【0090】
同様に、第2時間帯である1時00分00秒から2時00分00秒までの間は、全日電力量メモリ81の内容に計量単位値「0.01」が積算される都度、第2時間帯メモリ852の内容に計量単位値「0.01」が積算される。また、時計機構82が1時00分00秒、1時30分00秒になった時に、その時点の全日電力量メモリ81に記憶されている計量値がそれぞれロードサーベイメモリ87に記憶される。第3時間帯についても上記と同様である。
【0091】
図5は時刻変更がなされた場合および計量確定がなされた場合の動作を示している。即ち、0時10分15秒に時刻変更がなされると、その時点で全日電力量メモリ81に記憶されている計量値がロードサーベイメモリ87に記憶される。また、2時49分54秒に計量確定がなされると、全日電力量メモリ81に記憶されている計量値がロードサーベイメモリ87に記憶される。
【0092】
なお、ロードサーベイメモリ87は、一定期間分(例えば1〜2ヶ月)の情報を記憶できればよく、一定期間分の情報を記憶した後には、情報が上書きされる。
【0093】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る電力計量システムによれば、全日電力量メモリ81を設け、全日電力量メモリ81で当該電力計量システムで定められている計量単位値が増加する毎に、その計量単位値を第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の何れかに振り分けるように構成したので、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の内容を参照することにより時間帯毎の消費電力量を知ることができると共に、連続して計量される全日電力量メモリ81の内容を参照することにより、例えば1ヶ月間の消費電力量を容易に知ることができる。また、全日電力量メモリ81で、例えば3600パルス毎に数値化したので、全日電力量メモリ81から数値として得られた電力量を各時間帯で保持するという状況であるため、各時間帯に端数のパルスは存在しない。よって、各時間帯の増分の合計と全日電力量の増分とが等しいので、検算を行なえる。
【0094】
また、30分毎に、その時点の全日電力量メモリ81の内容を30分値としてロードサーベイメモリ87に連続的に格納するように構成したので、ロードサーベイメモリ87の内容を参照することにより30分値での電力取引が可能になる。
【0095】
また、電力計量システムによれば、全日電力量、時間帯電力量、30分毎の消費電力量を得ることができるので、季節別・時間帯別の計量契約を締結している需要家がPPSからの供給に計量契約を変更した場合であっても計器を取り替える必要がないので、計量契約を迅速に変更できる。
【0096】
さらに、電力量計に使用電力量表示端末を組み合わせた電力計量システムが使用される場合に契約約款の加入率が高くなっても使用電力量表示端末を設置する必要がないので、計量コストを抑えることができる。
【実施例2】
【0097】
本発明の実施例2に係る電力計量システムは、時間帯区分数が変更された場合であっても正確な計量を継続できるようにしたことを特徴とする。
【0098】
実施例2に係る電力計量システムの構成は、図1に示した実施例1に係る電力計量システムの構成と略同じであり、時間帯区分数を変更するための図示しない区分数変更指示を行う点が相違する。区分数変更指示は、本発明の区分数変更手段に対応する。通信回路60から区分数変更指示を事前に出しておき、区分数変更指示より後に、計量確定釦が押された時または予め定められた時刻(例えば月締め)に自動的に計量確定された時に、時間帯区分数変更が実施される。つまり、「保持された区分数変更指示」と「その後の計量確定動作」とのAND条件で時間帯区分数変更が実施される。
【0099】
次に、本発明の実施例2に係る電力計量システムで実行される区分数変更の動作を、図6の区分数変更処理を示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、実施例2では、時間帯区分数が「4」であって第1時間帯メモリ851〜第4時間帯メモリ854が使用されている状態から、時間帯区分数「6」であって第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856が使用される状態に変更される場合を例に挙げて説明する。
【0100】
区分数変更処理は、図2のステップS22で実行される「その他の処理」の一部として実行される。即ち、区分数変更処理では、まず、区分数の変更指示が有るかどうかが調べられる(ステップS40)。
【0101】
ステップS40で区分数の変更指示が有る、つまり時間帯区分数が「4」から「6」に変更されたことが判断されると、増加した第5時間帯メモリ855および第6時間帯メモリ856の内容がゼロにクリアされる(ステップS41)。その後、時間帯メモリ85の内容(現在の電力量情報と表示及び非表示に関する属性情報を含む。)が検針用時間帯メモリ86に複写される(ステップS42)。その後、シーケンスはメインルーチン(図2参照)にリターンする。ステップS40で区分数の変更が無いことが判断された場合も、シーケンスはメインルーチンにリターンする。
【0102】
本発明の実施例2に係る電力計量システムの動作の理解をさらに深めるために、図6に示すフローチャートに従った処理によって実現される機能を、図8を参照しながら説明する。
【0103】
電力計量システムを取り付けた時点では、LCD表示器50上に形成される現在画面には、第1時間帯メモリ851〜第4時間帯メモリ854の内容が表示される。なお、時間帯区分数が「4」であるので、第5時間帯メモリ85および第6時間帯メモリ856の内容は表示されない。その後、計量単位値「0.01」が全日電力量メモリ81から送られてくる毎に、第1時間帯メモリ851〜第4時間帯メモリ854の何れかに、その計量単位値「0.01」が積算される。
【0104】
一方、LCD表示器50上に形成される検針画面には、電力計量システムを取り付けた時点では、第1検針用時間帯メモリ861〜第4検針用時間帯メモリ864に残されている内容が表示されるが、これらの値は無意味である。この場合も、時間帯区分数が「4」であるので、第5検針用時間帯メモリ865および第6検針用時間帯メモリ866の内容は表示されない。
【0105】
上記の状態で、区分数変更指示とその後の計量確定動作とのAND条件で区分数変更が実施されると、現在画面には、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の内容が表示される。区分数変更が実施された直後においては、第5時間帯メモリ855および第6時間帯メモリ856の内容としてゼロが表示される。
【0106】
一方、検針画面には、区分数変更が実施された時点で、第1時間帯メモリ851〜第4時間帯メモリ854の内容を第1検針用時間帯メモリ861〜第4検針用時間帯メモリ864に複写したものが表示される。なお、区分数変更が実施された後であっても第5検針用時間帯メモリ865および第6検針用時間帯メモリ866の内容は表示されないが、それらの内容はゼロにクリアされている。この検針画面に表示される内容は、次回に計量確定がなされるまで変化しない。
【0107】
上記の状態で、周辺回路70に含まれる計量確定釦が操作されたりまたは時計機構82により計時されている日付および時刻が予め検針日として設定された日付および時刻になることや通信操作によって計量確定などがなされると、現在画面には、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の内容が表示される。
【0108】
一方、検針画面には、計量確定がなされた時点で、第1時間帯メモリ851〜第6時間帯メモリ856の内容を第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866に複写したものが表示される。この時点で初めて、第5検針用時間帯メモリ865および第6検針用時間帯メモリ866の内容が表示される。
【0109】
以上説明したように、本発明の実施例2に係る電力計量システムによれば、季節別・時間帯別の計量契約を締結している需要家の時間帯区分数が増加した場合に、増加した時間帯区分に対応する時間帯メモリはゼロにクリアされた後に積算が開始されるので、検針画面では初期値が表示されなくても正確に使用電力量を計量できる。また、全日電力量メモリ81を備えているので、全ての時間帯メモリ851〜856の増分値の合計と全日電力量メモリ81の増分値などの内容とを比較することができる。従って、顧客と電力供給者との間で疑義が生じた場合は、これらは一致することを確認して計量値の正当性を検証することができる。
【0110】
また、初期値が表示される電力計量システムの場合は、増加した時間帯区分の時間帯メモリはゼロにクリアされているので検針画面にはゼロが表示されることになる。従って、顧客と電力供給者との間で疑義が生じることはない。
【0111】
なお、実施例2に係る電力計量システムにおける区分数変更処理は、図7のフローチャートに示すように変形することができる。この変形に係る区分数変更処理では、まず、区分数の変更指示が有るかどうかが調べられる(ステップS50)。これは、上記区分数の変更前と変更後における各需給カレンダに含まれている区分数を比較することにより行われる。
【0112】
ステップS50で区分数の変更指示が有る、つまり時間帯区分数が「4」から「6」に変更されたことが判断されると、時間帯メモリ85の内容が検針用時間帯メモリ86に複写される(ステップS51)。その後、増加した第5時間帯メモリ855および第6時間帯メモリ856の内容がゼロにクリアされる(ステップS52)。その後、シーケンスはメインルーチン(図1参照)にリターンする。ステップS50で区分数の変更が無いことが判断された場合も、シーケンスはメインルーチンにリターンする。
【0113】
以上の区分数変更処理によれば、第5検針用時間帯メモリ865および第6検針用時間帯メモリ866の内容はゼロにクリアされないが、検針画面では表示されないので、問題はない。また、第5検針用時間帯メモリ865および第6検針用時間帯メモリ866には、計量確定がなされる時に、第5時間帯メモリ85および第6時間帯メモリ856の内容が複写されるので、検針画面に正しい計量値が表示される。
【実施例3】
【0114】
本発明の実施例3に係る電力計量システムは、計量単位が変更された場合であっても正確な計量を継続できるようにしたことを特徴とする。
【0115】
実施例3に係る電力計量システムの構成は、図1に示した実施例1に係る電力計量システムの構成と略同じであり、計量単位を変更するための図示しない計量単位変更指示を行う点が相違する。計量単位変更指示は、本発明の計量単位変更手段に対応する。通信回路60から計量単位変更指示を事前に出しておき、計量単位変更指示より後に、計量確定釦が押された時または予め定められた時刻(例えば月締め)に自動的に計量確定された時に、計量単位変更が実施される。つまり、「保持された計量単位変更指示」と「その後の計量確定動作」とのAND条件で計量単位変更が実施される。
【0116】
次に、本発明の実施例3に係る電力計量システムで実行される計量単位変更の動作を、図9の計量単位変更処理を示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、実施例3では、10Whの計量単位が使用される状態(「0.01」が計量単位値として使用される状態)から、1Whの計量単位が使用される状態(「0.001」が計量単位値として使用される状態)、換言すれば、電力量が6桁で表示される状態から7桁で表示される状態に変更される場合を例に挙げて説明する。
【0117】
この計量単位変更処理は、図2のステップS22で実行される「その他の処理」の一部として実行される。即ち、計量単位変更処理では、先ず、計量単位の変更指示が有るかどうかが調べられる(ステップS60)。
【0118】
ステップS60で計量単位の変更指示が有る、つまり電力量の表示が6桁表示から7桁表示に変更されたことが判断されると、6桁の計量値(小数点以下第2位までの値)で計量確定がなされる(ステップS61)。即ち、時間帯メモリ85の内容が検針用時間帯メモリ86に複写される。
【0119】
次に、第1時間帯用メモリ851〜第6時間帯メモリ856および第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866の7桁目(小数点以下第3位)の値がゼロにクリアされる(ステップS62)。以後、電力量は7桁で表示される(ステップS63)。その後、シーケンスはメインルーチン(図2参照)にリターンする。ステップS60で計量単位の変更が無いことが判断された場合も、シーケンスはメインルーチンにリターンする。
【0120】
以上の処理により、電力量が6桁で表示される状態から7桁で表示される状態に変更された場合に、第1時間帯用メモリ851〜第6時間帯メモリ856の7桁目(小数点以下第3位)がゼロにクリアされた後に、計量単位値「0.001」で積算が開始されるので、変更後の使用電力量を正確に計量できる。
【0121】
また、計量単位の変更時に、第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866の7桁目(小数点以下第3位)もゼロにクリアされるので、検針画面に正確な情報を表示できる。
【0122】
なお、実施例3に係る電力計量システムにおける計量単位変更処理は、図10のフローチャートに示すように変形できる。変形に係る計量単位変更処理では、まず、計量単位の変更指示が有るかどうかが調べられる(ステップS70)。これは、上記計量単位の変更前と変更後における各計量単位指定の内容を比較することにより行われる。なお、計量単位変更に関して、計量単位変更前の内容と計量単位変更後の内容を記憶する図示しない2つの記憶場所(記憶領域)がある。
【0123】
ステップS60で計量単位の変更指示が有る、つまり電力量の表示が6桁表示から7桁表示に変更されたことが判断されると、第1時間帯用メモリ851〜第6時間帯メモリ856および第1検針用時間帯メモリ861〜第6検針用時間帯メモリ866の7桁目(小数点以下第3位)の値がゼロにクリアされる(ステップS71)。
【0124】
次に、6桁の計量値(小数点以下第2位までの値)で計量確定がなされる(ステップS72)。即ち、時間帯メモリ85の内容が検針用時間帯メモリ86に複写される。以後、電力量は7桁で表示される(ステップS63)。その後、シーケンスはメインルーチン(図2参照)にリターンする。ステップS60で計量単位の変更が無いことが判断された場合も、シーケンスはメインルーチンにリターンする。
【0125】
以上の処理により、電力量が6桁で表示される状態から7桁で表示される状態に変更された場合に、時間帯メモリ85の内容が検針用時間帯メモリ86に複写された後に、第1時間帯用メモリ851〜第6時間帯メモリ856の7桁目(小数点以下第3位)がゼロにクリアされ、その後に計量単位値「0.001」で積算が開始されるので、上述した実施例3と同様の効果を奏する。
【実施例4】
【0126】
まず、実施例4に適用される発明の概念について説明し、その後、実施例4の具体的な内容を説明する。
【0127】
図11は本発明の実施例4に係る電力量計を概念的に示すブロック図である。この電力量計は、制御部100、表示部120および通信部130を備えている。制御部100は、全日電力量記憶手段1a、計量機能記憶手段1b、計量パターン記憶手段1c、時間帯別電力量記憶手段1d、電力量演算手段1e、計量機能制御手段1f、選択器1g、出力選択器1h、時間帯別電力量算出手段1iおよび設定手段1jを有する。
【0128】
全日電力量記憶手段1aは、電力量演算手段1eの出力に基づき、使用された電力量が累積された全日電力量を格納する。全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量は、表示部120に送られる。
【0129】
計量機能記憶手段1bは、設定手段1jの出力に基づき、時間帯別電力量の算出が必要かどうかの設定を格納する。設定手段1jに設定された時間帯別電力量算出の要否(以下、「時間帯別計量有無」という)は、計量機能制御手段1fに送られる。
【0130】
計量パターン記憶手段1cは、電力需要家と電力供給家との間の料金契約に応じて規定される料金算出のための時間帯に応じた計量パターンを格納する。時間帯別電力量記憶手段1dは、時間帯別電力量算出手段1iが算出した時間帯別の電力量が格納される。
【0131】
電力量演算手段1eは、電力量を計量し、累積した全日電力量を算出する。電力量演算手段1eで算出された全日電力量は、全日電力量記憶手段1aに送られる。
【0132】
計量機能制御手段1fは、計量機能記憶手段1bに格納された時間帯別計量有無を読み出し、必要であることが判定された場合は、選択器1gと出力選択器1hをオンにし、時間帯別電力算出手段1iをオンにする。これにより、時間帯別電力量算出手段1iに全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量が入力され、時間帯別電力量算出手段1iによる計量が可能になる。また、算出された時間帯別電力量記憶手段1dと表示制御手段2bとが接続され、時間帯別電力量記憶手段1dに格納された時間帯別の電力量値が表示制御手段2bにおいて表示できるようになる。
【0133】
時間帯別電力量算出手段1iは、計量パターン記憶手段1cに格納された計量パターンに基づき、全日電力量記憶手段1aに格納された電力量から得られる計量値を時間帯に応じて振り分け、時間帯毎の電力量を算出し、対応する時間帯別電力量記憶手段1dの記憶領域(時間帯区分)に格納する。
【0134】
設定手段1jは、通信部130を経由して外部から仕向け先、計量パターンなどの設定情報が入力されると、それに応じて対応する情報を、その内部に設定する。即ち、仕向け先が入力されると、仕向け先に応じて規定される計量単位を設定し、電力量演算手段1eに通知する。また、計量パターンが入力されると、計量パターンに応じて必要な時間帯区分数と、予め時間帯別電力量記憶手段1dに用意されている時間帯区分数とに応じて、時間帯別計量有無を設定する。時間帯別電力量記憶手段1dに用意されている時間帯区分数がゼロ、または、用意されている時間帯区分数が計量パターンに応じて必要な時間帯区分数より少ない場合、「時間帯別計量なし」の設定をする。また、用意されている時間帯区分数が計量パターンに応じて必要な時間帯区分数以上で、時間帯別計量が必要な場合、「時間帯別計量あり」の設定をする。
【0135】
表示部120は、表示パターン記憶手段2aおよび表示制御手段2bを備えている。表示パターン記憶手段2aは、全日電力量や時間帯別電力量などの表示データを表示する順番を規定する表示パターンを格納する。表示データの表示順番には、例えば、従来と同様の表示順のほか、ハンディターミナルの入力手順に合わせた表示順などがある。
【0136】
表示制御手段2bは、表示パターン記憶手段2aに格納された表示パターンに従って、全日電力量データを含む表示データを順に表示する。また、制御部100の計量機能制御手段1fによって時間帯別電力量記憶手段1dから切り離されている場合には、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量を読み出して表示する。計量機能制御手段1fによって時間帯別電力量記憶手段1dが接続されている場合は、全日電力量とともに、時間帯別電力量記憶手段1dに格納された時間帯別電力量を表示する。
【0137】
通信部130は、外部から入力する仕向け先や計量パターン、表示パターンなどの各種設定データを入力し、制御部100または表示部120に伝達する。また、外部からの要求に応じて、制御部100または表示部120が保有するデータを読み出し、外部へ送信する。
【0138】
次に、以上のように構成される電力量計の動作を説明する。実量制契約の場合、用意された時間帯区分はゼロが設定され、設定手段1jによって計量機能記憶手段1bに「時間帯別計量なし」が設定される。なお、予め、計量機能記憶手段1bに「時間帯別計量なし」が設定されてもよい。計量機能制御手段1fは、「時間帯別計量なし」が設定されているので、選択器1g、出力選択器1hおよび時間帯別電力算出手段1iをオフする。これにより、電力量演算手段1eによる全日電力量の算出のみが実行され、表示制御手段2bは、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量を表示するが、時間帯別電力量は表示しない。また、他の情報を含めた表示データは、表示パターン記憶手段2aに格納された表示パターンに従って順に表示される。
【0139】
季時別契約の場合、用意された時間帯区分はゼロ以外が設定され、契約に応じた計量パターンが設定される。即ち、設定手段1jは、予め用意された時間帯区分数が計量パターンに応じて必要な時間帯区分数以上である場合、「時間帯別計量あり」の設定を計量機能記憶手段1bに設定する。計量機能制御手段1fは、時間帯別電力量の算出が必要であることが設定されているので、選択器1g、出力選択器1hおよび時間帯別電力算出手段1iをオンする。これにより、電力量演算手段1eの計量値を用いて、時間帯別電力量算出手段1iによる時間帯別電力量の算出が計量パターンに従って実行され、算出された時間帯別電力量が、時間帯別電力量記憶手段1dに格納される。また、電力量演算手段1eによって、全日電力量記憶手段1aには、全日電力量が格納される。表示制御手段2bは、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量および時間帯別電力量記憶手段1dに格納され時間帯別電力量を表示する。また、他の情報を含めた表示データは、表示パターン記憶手段2aに格納された表示パターンに従って順に表示される。なお、予め用意された時間帯区分数が必要な時間帯区分数より少ない場合は、エラー表示を行うか、時間帯別電力量の算出が可能な装置(例えば、使用電力量表示端末)の接続を要求する。
【0140】
PPS契約の場合、用意された時間帯区分は、時間帯別計量を行うかどうかによって、ゼロまたはゼロ以外が設定される。また、時間帯別計量を行う場合には、使用する計量パターンも設定される。また、仕向け先にはPPSが設定される。設定手段1jは、仕向け先に応じて計量単位を設定し、電力量演算手段1eに通知する。また、用意された時間帯区分や時間帯別計量を行うかどうかに応じて、計量機能記憶手段1bが設定される。時間帯別計量を行わないときは、上述した実量制契約の場合と同様の設定がなされ、電力量演算手段1eによる全日電力量の算出のみが実行される。表示制御手段2bは、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量を表示するが、時間帯別電力量は表示しない。なお、全日電力量の算出は、PPSに応じた計量単位で行われる。一方、時間帯別計量を行うときは、上述した季時別契約の場合と同様の設定がなされ、電力量演算手段1eの計量値を用いて、時間帯別電力量算出手段1iによる時間帯別電力量の算出が計量パターンに従って実行され、算出された時間帯別電力量が時間帯別電力量記憶手段1dに格納される。全日電力量記憶手段1aには、電力量演算手段1eによって、全日電力量が格納される。なお、全日電力量の算出は、PPSに応じた計量単位で行われる。表示制御手段2bは、全日電力量記憶手段1aに格納された全日電力量および時間帯別電力量記憶手段1dに格納され時間帯別電力量を表示する。
【0141】
なお、上述した構成では、制御部100と表示部120および通信部130が同一の装置に格納されているが、制御部100の一部と通信部130を備えた電力量計と、制御部100の他の一部と表示部120および通信部130を備えた使用電力量表示端末とを別の装置に格納するように構成できる。このような構成では、例えば、「時間帯別計量あり」の場合、電力量計側は、「時間帯別計量なし」の設定の場合と同様の処理を行い通信部経由で全日電力量を使用電力量表示端末に送信する。使用電力量表示端末は、電力量計と同じ計量パターンを記憶しており、この計量パターンに従って、通信部経由で入力した全日電力量から時間帯別電力量を算出する。
【0142】
上記のように構成される電力量計によれば、設定に応じて、実量制契約、季時別契約およびPPS契約のいずれにも対応することができ、契約の変更の際にも計器を取り替える必要がなくなる。また、設定を変更する場合も、外部からの指示に応じて予め用意された計量単位などの情報を自動的に選択するので、契約変更の作業を容易にすることができる。このように、契約変更に伴う計器の交換回数を減らすとともに、変更作業を容易にすることによって、計量コストを削減することが可能になる。
【0143】
また、全日電力量や時間帯別電力量を含む表示部に表示される表示データは、表示パターンに従って順に表示される。表示データを見る際には、当人のわかりやすい表示パターンを選択し、データ確認を行うことが可能となる。これは、特に現地検針を行う際に有効となる。
【0144】
次に、本発明の実施例4の具体的な内容を詳細に説明する。図12は本発明の実施例4に係る電力量計1のハードウェア構成の例を示す図である。電力量計1は、CPU(Central Processing Unit)11によって装置全体が制御される。CPU11には、RAM12、ROM13、表示制御部14、計量部15、通信インタフェース16が接続されている。なお、RAM12およびROM13などはCPU11に内蔵されている場合もある。
【0145】
RAM12には、CPU11に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM12には、CPU11による処理に必要な各種データが格納される。ROM13には、OSやアプリケーションのプログラムが格納される。表示制御部14には、表示部18が接続されており、CPU11からの指令に従って計量値などを表示部18の画面に表示させる。計量部15は、計測された使用電力量をCPU11に送信する。通信インタフェース16は、ネットワーク19に接続されており、ネットワーク19を介してデータの送受信を行う。
【0146】
このようなハードウェア構成によって、実施例4に係る電力量計の処理機能を実現することができる。なお、図12には、電力量計のハードウェア構成を示したが、使用電力量表示端末のハードウェア構成は、計量部15を除き、図12に示した電力量計のハードウェア構成と同じである。
【0147】
図13は本発明の実施例4に係る電力量計の内部構成を示すブロック図である。この電力量計1は、制御部100、表示部120および通信回路(通信部)130を備えている。
【0148】
制御部100は、電力量演算部101、全日電力量メモリ102、計算機能制御部103、需給カレンダ記憶部104、時間帯区分数記憶部105、選択器106、分別器107、時間帯別電力量メモリ108および出力選択器109から構成されている。
【0149】
電力量演算部101は、計量部15(図12参照)が計量した指示値に基づいて使用電力量を算出する。電力量演算部101で算出された使用電力量は、全日電力量メモリ102に送られる。
【0150】
全日電力量メモリ102は、電力量演算部101から送られてくる使用電力量を累積して記憶する。この全日電力量メモリ102に記憶されている使用電力量は、選択器106および表示部120に送られる。
【0151】
計算機能制御部103は、時間帯別計量機能の切り替えを制御する。即ち、計算機能制御部103は、時間帯区分数記憶部105に格納された時間帯区分数、および外部から通信回路(通信部)130を介して送られてくる指令(以下、「外部指令」という)に従って、時間帯別計量を行うかどうかを制御する。具体的には、時間帯区分数記憶部105に格納された時間帯区分数がゼロの場合は、外部指令とは無関係に、選択器106および出力選択器109をオフする。この場合、外部に取り付けられた使用電力量表示端末で季時別の計量が行われる。
【0152】
一方、計算機能制御部103は、時間帯区分数記憶部105に格納された時間帯区分数がゼロ以外の場合は、外部指令に従って、選択器106および出力選択器109の各々のオン/オフを制御する。すなわち、外部指令によって「時間帯別計量あり」が設定された場合、選択器106および出力選択器109をオンする。これにより、需給カレンダ記憶部104に記憶された需給カレンダに従った季時別の計量が行われる。一方、外部指令によって「時間帯別計量なし」が設定された場合、選択器106および出力選択器109をオフする。これにより、外部に取り付けられた使用電力量表示端末で季時別の計量が行われる。
【0153】
需給カレンダ記憶部104は、計量パターン記憶手段1cに対応し、電力需要家と電力供給家との間の契約に応じた計量パターンに基づいて設定される需給カレンダを記憶する。需給カレンダ記憶部104に記憶された需給カレンダは、分別器107に送られる。
【0154】
時間帯区分数記憶部105は、時間帯別電力量メモリ108に時間帯別に電力量を計量できる時間帯の数である時間帯区分数を記憶している。時間帯区分数は、電力量計の設計・製造段階や検定取得前に決定されるものであり、この時間帯区分数を外部からの通信などによって変更することはできない。
【0155】
選択器106は、計算機能制御部103からの制御に従ってオン/オフし、全日電力量メモリ102と分別器107との間を接続し、または切り離す。
【0156】
分別器107は、計算機能制御部103からの制御によって選択器106がオンされた状態で、需給カレンダ記憶部104に記憶された需給カレンダに従って、全日電力量メモリ102から送られてくる電力使用量を、時間帯毎に設けられている時間帯メモリ111〜116に振り分ける。
【0157】
時間帯別電力量メモリ108は、時間帯毎の電力量を記憶する複数のメモリ、即ち、第1時間帯メモリ111、第2時間帯メモリ112、第3時間帯メモリ113、第4時間帯メモリ114、第5時間帯メモリ115および第6時間帯メモリ116から構成されている。なお、時間帯区分数は、装置に応じて適宜設定される。時間帯メモリ111〜116の内容は、出力選択器109を介して表示部120に送られる。
【0158】
出力選択器109は、計算機能制御部103からの制御に従ってオン/オフし、時間帯別電力量メモリ108と表示部120との間を接続し、または切り離す。計算機能制御部103は、出力選択器109のオン/オフによる表示部120への表示パターンとして、図14および図15に示す2つの表示パターン(詳細は後述する)を記憶している。この表示パターンは、外部から通信回路(通信部)130を介して送られてくる外部指令によって切り換えられる。
【0159】
通信回路(通信部)130は、外部から送られてくる外部指令および需給カレンダを計算機能制御部103および需給カレンダ記憶部104にそれぞれ送るとともに、外部からの要求に応答して、時間帯区分数記憶部105に格納されている時間帯区分数を外部へ送信する。
【0160】
表示部120は、全日電力量表示器121、第1時間帯電力量表示器122、第2時間帯電力量表示器123、第3時間帯電力量表示器124、第4時間帯電力量表示器125、第5時間帯電力量表示器126および第6時間帯電力量表示器127を有する。
【0161】
全日電力量表示器121は、制御部100の全日電力量メモリ102から送られてくる使用電力量の累積値を、電力量として常に表示する。
【0162】
第1時間帯電力量表示器122、第2時間帯電力量表示器123、第3時間帯電力量表示器124、第4時間帯電力量表示器125、第5時間帯電力量表示器126および第6時間帯電力量表示器127は、計算機能制御部103によって「時間帯別計量あり」である旨が判定がされ、出力選択器109がオンになった場合に、第1時間帯メモリ111、第2時間帯メモリ112、第3時間帯メモリ113、第4時間帯メモリ114、第5時間帯メモリ115および第6時間帯メモリ116に格納された時間帯別の電力量の累積値をそれぞれ表示する。
【0163】
次に、上記のように構成される本発明の実施例4に係る電力量計1の動作を、契約の種類毎に説明する。
【0164】
実量制契約の場合は、「時間帯別計量なし」が設定される。即ち、計算機能制御部103は、選択器106、分別器107および出力選択器109をオフし、時間帯別計量は行われず、電力量演算部101による全日電力量の算出のみが実行される。また、表示部120では、全日電力量メモリ102に格納された全日電力量のみが全日電力量表示器121に表示される。
【0165】
季時別契約の場合は、「時間帯別計量あり」が設定されるか、または、「時間帯別計量なし」が設定されて時間帯別計量を行うための使用電力量表示端末が接続される。使用電力量表示端末が接続される場合は、選択器106、分別器107、時間帯別電力量メモリ108および出力選択器109の部分が使用電力量表示端末に設けられるが、これらの機能は上述した電力量計1のそれと同様であるので、説明は省略する。
【0166】
「時間帯別計量あり」が設定された場合、計算機能制御部103は、選択器106、分別器107および出力選択器109をオンする。これにより、全日電力量メモリ102に記憶されている全日電力量が分別器107へ送られる。分別器107は、時間帯に応じてこれを振り分けて時間帯毎の電力量を算出し、対応する第1時間帯メモリ111、第2時間帯メモリ112、第3時間帯メモリ113、第4時間帯メモリ114、第5時間帯メモリ115または第6時間帯メモリ116にそれぞれ格納する。表示部120は、全日電力量を全日電力量表示器121に表示するとともに、第1時間帯メモリ111、第2時間帯メモリ112、第3時間帯メモリ113、第4時間帯メモリ114、第5時間帯メモリ115および第6時間帯メモリ116に格納された時間帯別の電力量を、第1時間帯電力量表示器122、第2時間帯電力量表示器123、第3時間帯電力量表示器124、第4時間帯電力量表示器125、第5時間帯電力量表示器126および第6時間帯電力量表示器127に表示させる。
【0167】
PPS契約の場合は、電力量計1の設置時に、仕向け先としてPPSが設定される。これにより、電力量演算部101の計量単位がPPSに応じた値に設定され、PPSに応じた計量単位で電力量を算出する演算が行われる。なお、全日電力量と時間帯別電力量の算出は、時間帯別計量の有無に応じて、上述した説明と同様に処理が行われる。すなわち、「時間帯別計量なし」の場合は、実量制契約と同様の処理が行われる。また、「時間帯別計量あり」の場合は、季時別契約の場合と同様の処理が行われる。
【0168】
次に、表示部120で行われる表示制御について説明する。表示部120では、表示制御手段2bが、表示パターン記憶手段2aに格納された表示パターンに従って、表示データを順次表示する。ここで、第1表示パターンは、ハンディターミナルの入力手順に沿った順で表示し、第2表示パターンは、従来から一般的に行われている順で表示するパターンとする。なお、表示パターンの切り替えは、外部からの外部指令により行われる。
【0169】
図14はハンディターミナルで使用されている第1表示パターンの表示順を示す図である。ハンディターミナルでは、時間帯別電力量→力測定有効電力量→力測定無効電力量→最大需要電力→累積最大需要電力→力率の順に入力が行われるものとする。第1表示パターンには、この入力手順に沿った表示順が設定されており、表示部120では、時間帯別電力量(ステップS101)→全日電力量(ステップS102)→力率測定用有効電力量と力率測定用無効電力量(ステップS103)→最大需要電力と累積最大需要電力(ステップS104)→力率(ステップS105)→現在値の表示画面(ステップS106)の順で繰り返し表示が行われる。
【0170】
図15は一般的に使用されている第2表示パターンの表示順を示す図である。第2表示パターンには、この入力手順に沿った表示順が設定されており、表示部120では、時間帯別電力量(ステップS201)→全日電力量と最大需要電力と累積最大需要電力(ステップS202)→力率測定用有効電力量と力率測定用無効電力量と力率(ステップS203)→現在の表示画面(ステップS204)の順で繰り返し表示が行われる。
【0171】
このように、本発明の実施例4に係る電力量計によれば、任意の表示パターンを選択することにより、データの表示順を最適に設定することができる。例えば、現地検針でハンディターミナルを用いた入力を行う場合、第1表示パターンを選択すれば、ハンディターミナルの入力順と表示順が一致するため、入力作業を容易にすることができる。また、入力順と表示順が同じであるため、誤入力を防止することもできる。
【0172】
次に、本発明の実施例4に係る電力量計において、契約を変更する場合の処理について説明する。契約の変更の際には、制御用プログラムが動作し、各種設定を行う。なお、制御用プログラムは、本発明の電力量計量制御プログラムの一部である。
【0173】
図16は本発明の実施例4に係る電力量計の制御用プログラム(電力量計量制御プログラム)の処理手順を示すフローチャートである。
【0174】
仕向け先、需給カレンダ、表示パターンといった設定情報が通信回路(通信部)130を介して入力された後に処理が開始される。
【0175】
まず、仕向け先設定情報に基づく設定が行われる(ステップS301)。次に、需給カレンダ設定に基づいて、時間帯計量有無の設定が行われる(ステップS302)。次に、表示パターン設定に基づいて、選択する表示パターンの設定が行われる(ステップS303)。
【0176】
次に、図16に示した各ステップの処理の内容を詳細に説明する。図17は制御用プログラムのステップS301で行われる仕向け先設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【0177】
この仕向け先設定処理では、まず、設定する仕向け先が選択されて入力される(ステップS401)。仕向け先としては、「電力用」と「PPS用」がある。電力用とは、電力供給家側が電力会社の場合であり、PPS用とは電力供給家側がPPSの場合である。
【0178】
次に、選択された仕向け先がPPSであるかどうかが調べられる(ステップS402)。ここで、仕向け先がPPSでない、つまり電力用であることが判断されると、シーケンスはステップS405へ進む。一方、仕向け先がPPSであることが判断されると、次に、時間帯計量を行うか否かが調べられる(ステップS403)。これは、設定者に問い合わせることにより行われる。ここで、時間帯計量を行うことが判断されると、シーケンスはステップS405へ進む。
【0179】
一方、上記ステップS403で、時間帯計量を行わないことが判断されると、時間帯別電力量の振り分けがなされないように、時間帯計量機能として「時間帯計量なし」が設定される(ステップS404)。その後、シーケンスはステップS405に進む。
【0180】
ステップS405では、仕向け先に応じた計量単位が設定される。即ち、仕向け先が電力用であれば、電力用の計量単位が設定され、仕向け先がPPSであれば、PPS用の計量単位が設定される。以上の処理により、仕向け先設定処理が終了し、仕向け先に応じた計量単位が設定される。
【0181】
図18は制御用プログラムのステップS302で行われる需給カレンダ設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【0182】
この需給カレンダ設定処理では、まず、設定者が予め登録された需給カレンダの選択が指定される(ステップS501)。需給カレンダのファイルは、市販のアプリケーションソフトを使用して予め作成されて登録されている。なお、需給カレンダのファイルを入力するように構成することもできる。
【0183】
次に、時間帯区分数記憶部105に格納されている時間帯区分数が読み出され、時間帯区分数がゼロであるかどうかが調べられる(ステップS502)。時間帯区分数は、出荷時などに予め設定されている。ここで、時間帯区分数がゼロであることが判断されると、シーケンスはステップS507へ進む。
【0184】
上記ステップS502で、時間帯区分数がゼロでないことが判断されると、使用電力量表示端末を使用するかどうかが設定者に問い合わせられる(ステップS503)。ここで、使用電力量表示端末が使用されることが判断されると、シーケンスはステップS507へ進む。
【0185】
一方、使用電力量表示端末が使用されないことが判断されると、次に、予め用意された時間帯区分数が需給カレンダで必要とする時間帯区分数以上であるかどうかが調べられる(ステップS504)。これは、時間帯区分数と、ステップS501で選択された需給カレンダに応じて規定される必要な時間帯区分数とを照合することにより行われる。ここで、用意された時間帯区分数が必要な時間帯区分数以上であることが判断されると、シーケンスはステップS508へ進む。
【0186】
一方、用意された時間帯区分数が必要な時間帯区分数以上でないことが判断されると、用意された時間帯区分数が必要な時間帯区分数に足りないので、使用電力量表示端末を使用するかどうかが再び設定者に問い合わせられる(ステップS505)。ここで、使用電力量表示端末を使用することが判断されると、シーケンスはステップS507へ進む。一方、使用電力量表示端末を使用しないことが判断されると、用意された時間帯区分数が必要な時間帯区分数に足りないのに、使用電力量表示端末を使用しない旨が指定されたと判断され、エラーメッセージを表示し、処理を終了する(ステップS506)。
【0187】
ステップS507では、使用電力量表示端末を使用することが指定されたので、使用電力量表示端末側で時間帯別の電力量算出を行うことが認識され、時間帯計量機能として、「時間帯計量なし」が設定される。その後、シーケンスはステップS509へ進む。
【0188】
ステップS508では、必要な時間帯区分数に対し、用意された時間帯区分数が十分であるので、時間帯計量機能として、「時間帯計量あり」が設定される。その後、シーケンスは、ステップS509に進む。
【0189】
ステップS509では、選択された需給カレンダが設定される。以上の処理により、時間帯計量有無の指定と、需給カレンダの設定が終了する。
【0190】
図19は制御用プログラムのステップS303で行われる表示パターン設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【0191】
この表示パターン設定処理では、まず、設定者により選択された表示パターンが入力される(ステップS601)。次に、選択された表示パターンが設定される(ステップS602)。具体的には、選択された表示パターンが表示パターン記憶手段に格納される。以上の処理により、設定者が所望する表示パターンが設定され、表示パターン設定処理は終了する。ここで、設定された表示パターンは、以降の表示部120への表示に反映される。
【0192】
以上のように、本発明に係る電力量計および使用電力量表示端末によれば、1台で、実量制契約、季時別契約、PPSによる供給契約に対応することができる。また、契約変更に対しても計器を交換することなく、対応することができる。
【0193】
次に、実量制契約、季時別契約およびPPS契約の各契約に応じた設定方法について説明する。
【0194】
(1)実量制契約における設定方法
実量制契約で電力量計を設置する場合、時間帯区分数がゼロの計器を設置する。または、時間帯区分数がゼロ以外の計器を「時間帯別計量なし」に設定した上で設置する。なお、これらの設定は、計器を設置する前の出荷段階で行われる。
【0195】
このように、時間帯区分数がゼロまたは「時間帯別計量なし」に設定されて設置されると、計算機能制御部103は、時間帯別計量機能をオフする。これにより、時間帯別電力量メモリ108への計量値の振り分け行われなくなる。
【0196】
このような状態において、実量制契約から季時別契約に契約変更する場合について説明する。
【0197】
実量制契約時に時間帯区分数がゼロに設定されていた場合、使用電力量表示端末を設置し、季時別契約に変更する。この場合、制御用プログラムにより、計器に需給カレンダが設定される。即ち、図18に示した需給カレンダ設定処理におけるシーケンスは、ステップS501(需給カレンダ選択)→ステップS502(時間帯区分数がゼロ以外?:No)→ステップS509(需給カレンダ設定)と進み、需給カレンダが需給カレンダ記憶部104に格納される。この需給カレンダの設定後に、使用電力量表示端末を設置すると、使用電力量表示端末は電力量計から需給カレンダを読み込み、電力量計から読み出した全日電力量のデータを元に、時間帯別電力量の振り分けを行う。
【0198】
また、実量制契約時に時間帯区分数がゼロ以外に設定されていた場合、電力量計の時間帯区分数と必要な時間帯区分数に応じて設定が変更される。即ち、時間帯区分数以内の需給カレンダを設定する場合は、使用電力量表示端末は接続されず、図18に示した需給カレンダ設定処理におけるシーケンスは、ステップS501(需給カレンダ選択)→ステップS502(時間帯区分数がゼロ以外?:Yes)→ステップS503(使用電力量表示端末使用:No)→ステップS504(時間帯区分数≧カレンダ設定?:Yes)→ステップS508(時間帯計量機能=「あり」)→ステップS509(需給カレンダ設定)と進み、需給カレンダが需給カレンダ記憶部104に格納される。そして、計量機能制御部103は、「時間帯別計量あり」により時間帯別計量機能をオンする。これにより、計器を取り替えることなく、該計器で需給カレンダに基づく時間帯計量が行われる。
【0199】
時間帯区分数以上の需給カレンダを設定する場合は、使用電力量表示端末が接続される。この場合、図18に示した需給カレンダ設定処理におけるシーケンスは、ステップS501(需給カレンダ選択)→ステップS502(時間帯区分数がゼロ以外?:Yes)→ステップS503(使用電力量表示端末使用:Yes)→ステップS507(時間帯計量機能=「なし」)→ステップS509(需給カレンダ設定)と進み、需給カレンダが需給カレンダ記憶部104に格納される。そして、計量機能制御部103は、「時間帯別計量なし」により時間帯別計量機能をオフする。その後、使用電力量表示端末を設置すると、使用電力量表示端末は電力量計から需給カレンダを読み込み、電力量計から読み出した全日電力量のデータを元に、時間帯別電力量の振り分けを行う。
【0200】
次に、実量制契約からPPS契約に契約変更する場合について説明する。
【0201】
この場合、制御用プログラムにより、電力量計に仕向け先が設定される。時間帯別計量を行う場合は、図17に示した仕向け先設定処理におけるシーケンスは、ステップS401(仕向け先選択)→ステップS402(仕向け先=PPS:Yes)→ステップS403(時間別計量:Yes)→ステップS405(計量単位設定[PPS])と進む。実量制契約(時間帯別計量なし)からの設定変更はないので、計量機能制御部103による時間帯別計量機能はオフのままである。そして、仕向け先設定後、制御用プログラムによって需給カレンダが設定されることにより、電力量計または使用電力量表示端末で時間帯別計量が行われる。なお、需給カレンダの設定処理は、上述した実量制契約から季時別契約への変更の場合と同様である。
【0202】
一方、時間帯別計量を行わない場合は、図17に示した仕向け先設定処理におけるシーケンスは、ステップS401(仕向け先選択)→ステップS402(仕向け先=PPS:Yes)→ステップS403(時間別計量:No)→ステップS404(時間帯計量機能=「なし」)→ステップS405(計量単位設定[PPS])と進む。「時間帯別計量なし」に設定され、計量機能制御部103は、オフに切り替わる。そして、仕向け先設定後、制御用プログラムにより需給カレンダが設定されることにより、使用電力量表示端末で時間帯別計量が行われる。
【0203】
(2)季時別契約における設定方法
季時別契約で電力量計を設置する場合、出荷段階で時間帯区分数がゼロ以外の計器を「時間帯別計量あり」に設定した上で設置する。
【0204】
季時別契約の契約内容の変更により、時間帯区分数の増減がある場合、制御用プログラムにより、電力量計に需給カレンダが設定される。
【0205】
時間帯区分数以内の需給カレンダを設定する場合、実量制契約からの変更と同様の処理が行われる。すなわち、時間帯区分数以内の需給カレンダを設定する場合、「時間帯別計量あり」が設定されることにより計量機能制御部103による時間帯別計量機能はオンされ、需給カレンダに基づく時間帯計量が行われる。また、時間帯区分数を超える需給カレンダを設定する場合、「時間帯別計量なし」に設定されることにより計量機能制御部103による時間帯別計量機能はオフされる。その後、使用電力量表示端末を設置すると、使用電力量表示端末は電力量計から需給カレンダを読み込み、電力量計から読み出した全日電力量のデータを元に、時間帯別電力量の振り分けを行う。
【0206】
季時別契約からPPS契約に変更する場合には、制御用プログラムにより、電力量計に仕向け先が設定される。
【0207】
時間帯別計量を行う場合、図17に示した仕向け先設定処理におけるシーケンスは、ステップS401(仕向け先選択)→ステップS402(仕向け先=PPS:Yes)→ステップS403(時間別計量:Yes)→ステップS405(計量単位設定[PPS])と進む。季時別契約(時間帯別計量あり)からの設定変更はないので、計量機能制御部103による時間帯別計量機能はオンのままである。そして、仕向け先設定後、制御用プログラムによって需給カレンダが設定されることにより、電力量計または使用電力量表示端末で時間帯別計量が行われる。なお、需給カレンダの設定処理は、上述した実量制契約から季時別契約への変更の場合と同様である。
【0208】
時間帯別計量を行わない場合は、実量制契約からPPS契約への変更の場合と同様の処理が行われる。すなわち、「時間帯別計量なし」に設定されることにより計量機能制御部103による時間帯別計量機能は、オフに切り替えられる。そして、仕向け先設定後、制御用プログラムによって需給カレンダが設定されることにより、使用電力量表示端末で時間帯別計量が行われる。
【0209】
(3)PPS契約における設定方法
PPS契約で時間帯別計量を行わない場合、出荷段階で時間帯区分数がゼロの計器、または、時間帯区分数がゼロ以外の計器を「時間帯別計量なし」に設定した上で設置する。
【0210】
PPS契約で時間帯別計量を行う場合、出荷段階で時間帯区分数がゼロ以外の計器を「時間帯別計量あり」に設定した上で設置する。
【0211】
このようなPPS契約から実量制契約に変更する場合、制御用プログラムにより、仕向け先が電力会社に設定される。この場合、図17に示した仕向け先設定処理のシーケンスは、ステップS401(仕向け先選択)→ステップS402(仕向け先=PPS:No)→ステップS405(計量単位設定[電力会社用])と進み、電力会社用の計量単位が設定される。
【0212】
また、時間帯別計量有無の設定は行われないため、PPS契約での設定がそのまま継続される。
【0213】
次に、PPS契約から季時別契約に変更する場合について説明する。この場合も、実量制契約と同様に、制御用プログラムにより、仕向け先が電力会社に設定され、仕向け処理によって電力会社用の計量単位が設定される。こうして、計量単位が設定された後、実量制契約から季時別契約への変更の場合と同様に、制御用プログラムによって需給カレンダが設定される。
【0214】
以上説明した本発明を実施するための最良の形態に基づけば、本発明は以下のように把握することができる。即ち、本発明では、上記課題を解決するために、電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて使用電力量を算出する電力量計において、全日電力量記憶手段と、計量パターン記憶手段と、計量機能記憶手段と、時間帯別電力量記憶手段と、電力量演算手段と、計量機能制御手段と、時間帯別電力量算出手段と、表示手段と、表示制御手段と、設定手段とを有する電力量計が提供される。全日電力量記憶手段は使用された電力量が累積された全日電力量を格納し、計量パターン記憶手段は契約によって規定される電力を使用する時間帯に応じた計量パターンを格納し、計量機能記憶手段は時間帯別電力量を算出の要否設定を格納し、時間帯別電力量記憶手段は時間帯別の電力量を格納する。
【0215】
電力量演算手段は、所定の計量単位毎に電力量を計量し、計量した電力量を累積して全日電力量を算出して全日電力量記憶手段に格納する。計量機能制御手段は、計量機能記憶手段の計量機能の要否設定を読み出して時間帯別電力量の算出の要否を判定し、判定結果に応じて計量演算を制御する。時間帯別電力量算出手段は、計量機能制御手段に従って、電力量演算手段によって計量された電力量を計量パターンに従って時間帯別に振り分け、時間帯別の累積値を算出して時間帯別電力量記憶手段に格納する。表示制御手段は、全日電力量記憶手段に格納された全日電力量とともに、計量機能制御手段が必要と判定する場合は、時間帯別電力量記憶手段に格納された時間帯別電力量を表示手段に表示させる。
【0216】
設定手段は、外部指令に基づいて計量機能記憶手段の計量機能の要否設定を変更する。このような構成の電力量計では、電力量演算手段は、所定の計量単位毎に電力量を計量し、計量値を累積した全日電力量を算出して全日電力量記憶手段に格納する。計算機能制御手段は、時間帯別電力量算出の要否を判定し、必要と判定した場合には時間帯別電力量算出手段による処理の実行を許可する。この時間帯別電力量算出の要否は設定手段により変更される。時間帯別電力量算出手段は、計量パターンに従って、計量値を振り分け、時間帯別の電力量を時間帯別電力量記憶手段に格納する。処理の実行が許可されない場合、時間帯別電力量は算出されない。そして、表示制御手段は、時間帯別電力量算出が行われた場合は、全日電力量とともに時間帯別電力量を表示する。時間帯別電力量算出が行われなかった場合は、全日電力量のみを表示する。
【0217】
また、上記課題を解決するために、電力量計の計量した計量値を通信手段経由で取得し、電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて、前記計量値から使用電力量を算出する使用電力量表示端末において、表示データの表示順を規定する表示パターンの指定を格納する表示パターン記憶手段と、外部から前記表示パターンが指定されると、指定された前記表示パターンを前記表示パターン記憶手段に格納する表示パターン設定手段と、前記表示パターン記憶手段に格納された前記表示パターンの指定を読み出し、読み出された前記表示パターンに従って、前記表示データを順に表示する表示手段と、を備えることを特徴とする使用電力量表示端末が提供される。
【0218】
このような使用電力量表示端末によれば、表示データの表示順を規定する表示パターンが設定されると、設定された表示パターンに従った順番で表示データが順に表示される。
【0219】
また、上記課題を解決するために、電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて使用電力量を算出するための電力量計量制御プログラムにおいて、コンピュータに、使用された電力量を所定の計量単位毎に計量して全日電力量記憶手段に累積した全日電力量として格納し、外部からの時間帯別電力量を算出の要否の指令を判定し、算出が不要と判定した場合には前記全日電力量記憶手段に累積した全日電力量を表示手段に表示し、算出が必要と判定した場合には計量された電力量を計量パターンに従って時間帯別に振り分けて時間帯別の累積値を算出して時間帯別電力量記憶手段に格納し、この格納された時間帯別電力量を表示手段に表示する、手順を実行させるための電力量計量制御プログラム、が提供される。
【0220】
このような電力計量制御プログラムがコンピュータによって実行されると、設定された計量単位で電力量が計量され、外部からの指令により時間帯別電力量の算出要の場合、時間帯別電力量が算出され、全日電力量と時間帯別電力量が表示手段に表示される。外部からの指令が時間帯別電力量の算出が必要ないという場合、全日電力量のみが算出され、表示手段に表示される。
【符号の説明】
【0221】
1 電力量計
1a 全日電力量記憶手段
1b 計量機能記憶手段
1c 計量パターン記憶手段
1d 時間帯別電力量記憶手段
1e 電力量演算手段
1f 計量機能制御手段
1g 選択器
1h 出力選択器
1i 時間帯別電力量算出手段
1j 設定手段
2 表示部
2a 表示パターン記憶手段
2b 表示制御手段
3 通信部
10 電源部
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 表示制御部
15 計量部
16 通信インタフェース
18 表示部
19 ネットワーク
20 電圧電流検出部
21 変流器
22 降圧回路
30 電力演算回路
50 LCD表示器
60 通信回路
70 周辺回路
80 CPU
81 全日電力量メモリ
82 時計機構
83 需給カレンダ
84 分別部
85 時間帯メモリ
851〜856 第1時間帯メモリ〜第6時間帯メモリ
86 検針用時間帯メモリ
861〜866 第1検針用時間帯メモリ〜第6検針用時間帯メモリ
87 ロードサーベイメモリ
88 検針用全日電力量メモリ
100 制御部
101 電力量演算部
102 全日電力量メモリ
103 計算機能制御部
104 需給カレンダ記憶部
105 時間帯区分数記憶部
106 選択器
107 分別器
108 時間帯別電力量メモリ
109 出力選択器
111〜116 第1〜第6時間帯メモリ
120 表示部
121 全日電力量表示器
122〜127 第1〜第6時間帯電力量表示器
130 通信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力量を計量して累積することにより全日電力量を算出する電力量演算手段と、
前記電力量演算手段で算出された全日電力量を記憶する全日電力量記憶手段と、
電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定される電力の使用時間帯に応じた計量パターンを記憶する計量パターン記憶手段と、
時間帯別電力量の算出の要否を記憶する計量機能記憶手段と、
前記計量機能記憶手段に記憶されている内容に基づき時間帯別電力量の算出の要否を判定する計量機能制御手段と、
前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンに従って、全日電力量が所定の計量単位になる毎に前記全日電力量を時間帯別に振り分けて時間帯別電力量を算出する時間帯別電力量算出手段と、
前記時間帯別電力量算出手段で算出された時間帯別の電力量を記憶する時間帯別電力量記憶手段と、
前記全日電力量および時間帯別電力量を表示する表示手段と、
前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記全日電力量記憶手段に格納された全日電力量および前記時間帯別電力量記憶手段に記憶されている時間帯別電力量を表示する表示部と、
外部からの指令に基づいて、前記計量機能記憶手段に記憶されている時間帯別電力量の算出の要否を変更させる設定手段と、
を備えたことを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記設定手段は、さらに前記計量パターン記憶手段に記憶される計量パターンを外部からの指令により変更することを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項3】
前記表示部は、表示項目の表示の順番を規定する表示パターンを記憶する表示パターン記憶手段を備え、該表示パターン記憶手段に記憶されている表示パターンに従った順番で表示項目の表示を行い、
前記設定手段は、さらに前記表示パターン記憶手段に記憶される表示パターンを外部からの指令に基づいて変更させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力量計。
【請求項4】
前記設定手段は、外部から入力された仕向け先に応じて前記電力量演算手段における計量単位を変更し、且つ、外部から計量パターンが入力されると、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンを変更し、
前記計量パターンに記憶されている計量パターンによって規定される前記時間帯別電力量記憶手段の記憶領域の必要数と、予め前記時間帯別電力量記憶手段が備えている前記時間帯別電力量の記憶領域の数とに基づいて前記時間帯別電力量の算出の要否を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項記載の電力量計。
【請求項5】
電力量を計量して累積することにより得られた全日電力量を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された全日電力量を記憶する全日電力量記憶手段と、
電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定される電力の使用時間帯に応じた計量パターンを記憶する計量パターン記憶手段と、
時間帯別電力量の算出の要否を記憶する計量機能記憶手段と、
前記計量機能記憶手段に記憶されている内容に基づき時間帯別電力量の算出の要否を判定する計量機能制御手段と、
前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記計量パターン記憶手段に記憶されている計量パターンに従って、前記全日電力量を時間帯別に振り分けて時間帯別電力量を算出する時間帯別電力量算出手段と、
前記時間帯別電力量算出手段で算出された時間帯別の電力量を記憶する時間帯別電力量記憶手段と、
前記全日電力量および時間帯別電力量を表示する表示手段と、
前記計量機能制御手段により時間帯別電力量の算出が必要であることが判定された場合に、前記全日電力量記憶手段に格納された全日電力量および前記時間帯別電力量記憶手段に記憶されている時間帯別電力量を表示する表示部と、
外部からの指令に基づいて、前記計量機能記憶手段に記憶されている時間帯別電力量の算出の要否を変更させる設定手段とを備え、
前記表示部は、表示項目の表示の順番を規定する表示パターンを記憶する表示パターン記憶手段を備え、該表示パターン記憶手段に記憶されている表示パターンに従った順番で表示項目の表示を行うことを特徴とする使用電力量表示端末。
【請求項6】
電力需要家と電力供給家の間の契約に応じて使用電力量を算出するための電力量計量制御プログラムにおいて、
電力量を計量して累積した全日電力量を算出する手順と、
外部から送られてくる時間帯別電力量の算出の要否の指令により該算出が不要であると判定された場合は前記算出された全日電力量を表示する手順と、前記時間帯別電力量の算出が必要と判定された場合は計量された電力量を格納されている計量パターンに従って時間帯別に振り分けて時間帯別の累積値を算出して格納する手順と、該格納された時間帯別電力量を表示する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする電力量計量制御プログラム。
【請求項7】
外部から表示項目の表示の順番を規定する表示パターンが指定されると、該表示パターンに従った順番で前記表示項目を表示する手順を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項6記載の電力量計量制御プログラム。
【請求項8】
電力需要家と電力供給家との間の契約によって決定され電力の使用時間帯に応じた計量パターンが選択されると、予め定められている時間帯区分数を取得する手順と、
該取得された時間帯区分数がゼロであれば、前記選択された計量パターンを格納する手順と、
前記取得された時間帯区分数がゼロ以外であって、且つ使用電力量表示端末が使用される場合は、時間帯別電力量の算出が不要である旨を設定するとともに前記計量パターンを格納する手順と、
前記取得された時間帯区分数がゼロ以外であって、且つ使用電力量表示端末が使用されない場合は、前記計量パターンが前記時間帯区分数の範囲内であれば前記時間帯別電力量の算出が必要である旨を設定するとともに前記計量パターンを格納する手順とを前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項6または請求項7記載の電力量計量制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−243511(P2010−243511A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170959(P2010−170959)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【分割の表示】特願2004−217535(P2004−217535)の分割
【原出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】