説明

電動ガンのボルトの可動構造

【課題】電動ガンがBB弾を発射する場合、本当のガンのようにボルトを前後に移動する電動ガンのボルトの可動構造を提供する。
【解決手段】内部にギアルーム(11)と、該ギアルームの上部に位置しながら、該ギアルームと連通するエジェクションルームが形成されるガン本体(10)と、該ギアルームの内部に設置されると共に、モーター(60)と連結されるギア組み(20)と、該ボルトルーム(12)に設けられると共に、筒部と、該筒部の内部に設置されるピストンロッド(32)を有し、該筒部の外部に位置するピストンロッドの一端に強力スプリング(33)が設けられるボルト組み(30)と、を備える電動ガンのボルトの可動構造であって、該ボルト組みの筒部(31)は、該ギア組みと連結され、該筒部の外側に補助スプリング(34)が設けられ、該ギア組みが該筒部とピストンロッドを同時にエジェクションルームの前後へ移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電動ガンがBB弾を発射する場合、本当のガンのようにボルトを前後に移動する電動ガンのボルトの可動構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ガンは軍事用のため、多数の国で法令により規制されるものである。これらの国家にいる軍品の愛好者がガンの収蔵や保有するためには、トイガンを買うしかないので、様々なトイガンが開発されている。
【0003】
現有のトイガンの作動方式には二つの方式がある。一方の方式は高圧の気体を有する気体缶より気体を提供して弾丸を発射するものであり、他方の方式は強力なスプリングにより弾丸を発射するものである。
【0004】
強力なスプリングにより弾丸を発射するトイガンは、例えば2007年12月1日発行した「月刊アームズ・マガジン」の33ページに開示されるように、そのトイガンの中空な本体内部に電動モーターと連結するギア組みと、該ギア組みと噛合するピストン組みが設けられ、該ピストン組みは、該本体内部に設置される筒部とピストンロッドを含み、該ピストンロッドの一側にギア組みと噛合可能な噛合溝が形成されると共に、一端に強力スプリングが設けられる。該ギア組みをモーターにより回転する場合、該ピストンロッドが本体の前後方向へ移動することにより筒部内部の空気を圧縮しながら、弾丸を発射する。
【非特許文献1】2007年12月1日発行した「月刊アームズ・マガジン」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のピストンロッドが筒部内部の空気を圧縮する場合、該筒部が外観的に本体内部に固定する状態であるため、本当のガンのようにボルトを前後に移動することができず、物まね効果があまり良くない。
【0006】
そこで、出願されたのが本発明であって、電動ガンがBB弾を発射する場合、本当のガンのようにボルトを前後に移動する電動ガンのボルトの可動構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1の発明は、内部にギアルームと、該ギアルームの上部に位置しながら、該ギアルームと連通するボルトルームが形成されるガン本体と、
該ギアルームの内部に設置されると共に、モーターと連結されるギア組みと、該ボルトルームに設けられると共に、筒部と、該筒部の内部に設置されるピストンロッドを有し、該筒部の外部に位置するピストンロッドの一端に強力スプリングが設けられるボルト組みと、を備える電動ガンのボルトの可動構造であって、該ボルト組みの筒部は、該ギア組みと連結され、該筒部の外側に補助スプリングが設けられ、該ギア組みが該筒部とピストンロッドを同時にエジェクションルームの前後へ移動させることができることを特徴とする電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【0008】
本願の請求項2の発明は、前記ギア組みは、その中にある一つの歯車の一部外側だけに歯先が設けられ、前記筒部の外側に該ギア組みの歯車における歯先と噛合可能な噛合溝が形成され、該噛合溝と反対する筒部の一側に突出状のスプリング設置ブロックが設けられ、該スプリング設置ブロックと該ガン本体内部との間に補助スプリングが設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【0009】
本願の請求項3の発明は、更に、前記ギアルームに設けられると共に、該ガン本体に設けられるトリガーと、該トリガーと連結される連動部材を有するトリガー組みと、該ギアルームとボルトルームとの間に枢設される制御部材と、を備え、該トリガー組みの連動部材は、該ガン本体に設けられる制御部材の下方に位置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【0010】
本願の請求項4の発明は、前記筒部の外部に位置するピストンロッドの一端に更にフック部が設けられ、該制御部材は少なくとも該フック部と係脱可能なストッパーを含むことを特徴とする請求項3に記載の電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【0011】
本願の請求項5の発明は、前記ギア組みは、モーターにより駆動されることを特徴とする請求項4に記載の電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【0012】
本願の請求項6の発明は、前記ギア組みは、遊星歯車組みであることを特徴とする請求項5に記載の電動ガンのボルトの可動構造、を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記の課題を解決するものであり、ギア組みを作動する際、筒部とピストンロッドが同時にガン本体の内部に前後移動可能になるので、本当のガンのように優れた物まね効果が達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造をトイ自動装填銃に使用する状態を示す斜視図であり、図2は図1の分解斜視図であり、図3は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるボルト組みをボルトルームの前端に位置する状態を示す一部断面図であり、図4は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるボルト組みをギア組みよりボルトルームの後端に位置する状態を示す一部断面図であり、図5は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における筒部をボルト組みをボルトルームの前端に位置する状態を示す一部断面図であり、図6は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における制御部材よりピストンロッドの係合を解除する状態を示す一部断面図であり、図7は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるピストンロッドがボルトルームの前端に移動しながら、筒部内部の空気を圧縮する状態を示す一部断面図であり、図8は本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における制御部材が元位置に戻る状態を示す一部断面図である。
【0016】
図1乃至図3に示すように、本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造は、中空なガン本体(10)と、ギア組み(20)と、ボルト組み(30)と、トリガー組み(40)と、制御部材(50)とを有し、該ガン本体(10)の内部にギアルーム(11)と、該ギアルーム(11)の上部に位置しながら、該ギアルーム(11)と連通するボルトルーム(12)が形成される。
【0017】
該ギア組み(20)は、該ガン本体(10)のギアルーム(11)に設けられると共に、モーター(60)と連結する遊星歯車組みであり、その中にある一つの歯車(21)の一部外側だけに歯先(22)が設けられる。該ボルト組み(30)は、該ボルトルーム(12)に設けられると共に、筒部(31)と、該筒部(31)の内部に設置されるピストンロッド(32)を有し、該筒部(31)の一端に該ピストンロッド(32)を挿入するための開口(310)が形成され、他端に噴射孔(311)が形成され、該筒部(31)の外部に位置するピストンロッド(32)の一端に強力スプリング(33)が設けられる。
【0018】
該トリガー組み(40)は、該ガン本体(10)に設けられるトリガー(41)と、該トリガー(41)と連結される連動部材(42)を有する。該制御部材(50)は、該ギアルーム(11)とボルトルーム(12)との間に枢設される。
【0019】
前記筒部(31)の外側に該ギア組み(20)の歯車(21)における歯先(22)と噛合可能な噛合溝(312)が形成されることにより、該筒部(31)がギア組み(20)で連動されることができ、該噛合溝(312)と反対する筒部(31)の一側に突出状のスプリング設置ブロック(313)が設けられ、該スプリング設置ブロック(313)と該ガン本体(10)内部との間に補助スプリング(34)が設けられる。又、該筒部(31)の外部に位置するピストンロッド(32)の一端に更にフック部(320)が設けられ、該制御部材(50)は少なくとも該フック部(320)と係脱可能なストッパー(51)を含む。
【0020】
前記トリガー組み(40)の連動部材(42)は、該ガン本体(10)に設けられる制御部材(50)の下方に位置されることにより、該制御部材(50)をガン本体(10)の内部に回転可能か否か状態を制御する。
【0021】
図3に示すように、本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造は、最初の状態で、該ボルト組み(30)がボルトルーム(12)の前端(図面の右方向)に位置され、この際、該制御部材(50)がボルトルーム(12)と平行する位置に位置される。
【0022】
図4に示すように、該ギア組み(20)は、モーター(60)により動き始める際、該歯車(21)の歯先(22)が筒部(31)の噛合溝(312)と噛合しながら、該筒部(31)とピストンロッド(32)を該ボルトルーム(12)の後端(図面の左方向)へ移動させ、該該筒部(31)とピストンロッド(32)を該ボルトルーム(12)の後端に移動した時、該筒部(31)のスプリング設置ブロック(313)が補助スプリング(34)を圧縮し、同時に、該ピストンロッド(32)が強力スプリング(33)を圧縮する。又、該ピストンロッド(32)は、該制御部材(50)のストッパー(51)を経由して後方へ移動する際、該ストッパー(51)が収縮してピストンロッド(32)のフック部(320)を通過させ、該ピストンロッド(32)のフック部(320)が該ストッパー(51)を通過した後、該ストッパー(51)が直ちに該フック部(320)と係合することにより、該ピストンロッド(32)を該ボルトルーム(12)の後端に位置する。
【0023】
図5に示すように、歯先(22)の有しない部分を筒部(31)へ向かいまでに歯車(21)を回転する際、即ち歯車(21)の歯先(22)が筒部(31)の噛合溝(312)から脱出した後、該筒部(31)は、該歯車(21)の歯先(22)による係合を解除したので、該筒部(31)が補助スプリング(34)の付勢力により該ボルトルーム(12)の前端へ移動され、この際、該ピストンロッド(32)のフック部(320)と制御部材(50)のストッパー(51)との係合、及び該制御部材(50)がトリガー組み(40)の連動部材(42)より下方へ回転できないことにより、該ピストンロッド(32)が筒部(31)と共に該ボルトルーム(12)の前端へ移動することができない。
【0024】
図6及び図7に示すように、使用者はトリガー(41)を押圧すると、該トリガー組み(40)の連動部材(42)が該制御部材(50)の下方から該ガン本体(10)の前方へ回転され、この際、該制御部材(50)が下方へ移動することができ、同時に、該ストッパー(51)とフック部(320)との係合を解除することができる。該ストッパー(51)とフック部(320)との係合を解除した後、該ピストンロッド(32)は、強力スプリング(33)の付勢力より該ボルトルーム(12)の前端へ移動しながら、該筒部(31)内部の空気を圧縮し、該空気が筒部(31)の噴射孔(311)から外側へ排出すると共に、BB弾を発射する。一方、該ピストンロッド(32)が該ボルトルーム(12)の前端に移動した後、該制御部材(50)は直ちに元の位置に戻れる。
【0025】
図8に示すように、使用者はトリガー(41)を釈放した後、該連動部材(42)が直ちに該制御部材(50)の下方に戻れることにより、該制御部材(50)を下方へ回転できなくなる。これにより、該ボルト組み(30)の筒部(31)は、本当のガンのように前後移動可能になるので、本当のガンのように優れた物まね効果が達成できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は上記の構成を有するので、BB弾を発射する時、該ボルト組みの筒部は、本当のガンのように前後移動可能になるので、本当のガンのように優れた物まね効果が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造をトイ自動装填銃に使用する状態を示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるボルト組みをボルトルームの前端に位置する状態を示す一部断面図である。
【図4】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるボルト組みをギア組みよりボルトルームの後端に位置する状態を示す一部断面図である。
【図5】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における筒部をボルト組みをボルトルームの前端に位置する状態を示す一部断面図である。
【図6】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における制御部材よりピストンロッドの係合を解除する状態を示す一部断面図である。
【図7】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造におけるピストンロッドがボルトルームの前端に移動しながら、筒部内部の空気を圧縮する状態を示す一部断面図である。
【図8】本発明に係わる電動ガンのボルトの可動構造における制御部材が元位置に戻る状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 ガン本体
11 ギアルーム
12 ボルトルーム
20 ギア組み
21 歯車
22 歯先
30 ボルト組み
31 筒部
310 開口
311 噴射孔
312 噛合溝
313 スプリング設置ブロック
32 ピストンロッド
320 フック部
33 強力スプリング
34 補助スプリング
40 トリガー組み
41 トリガー
42 連動部材
50 制御部材
51 ストッパー
60 モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にギアルームと、該ギアルームの上部に位置しながら、該ギアルームと連通するボルトルームが形成されるガン本体と、該ギアルームの内部に設置されると共に、モーターと連結されるギア組みと、該ボルトルームに設けられると共に、筒部と、該筒部の内部に設置されるピストンロッドを有し、該筒部の外部に位置するピストンロッドの一端に強力スプリングが設けられるボルト組みと、を備える電動ガンのボルトの可動構造であって、
該ボルト組みの筒部は、該ギア組みと連結され、該筒部の外側に補助スプリングが設けられ、該ギア組みが該筒部とピストンロッドを同時にエジェクションルームの前後へ移動させることができることを特徴とする、電動ガンのボルトの可動構造。
【請求項2】
前記ギア組みは、その中にある一つの歯車の一部外側だけに歯先が設けられ、前記筒部の外側に該ギア組みの歯車における歯先と噛合することが可能な噛合溝が形成され、該噛合溝と反対する筒部の一側に突出状のスプリング設置ブロックが設けられ、該スプリング設置ブロックと該ガン本体内部との間に補助スプリングが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電動ガンのボルトの可動構造。
【請求項3】
更に、前記ギアルームに設けられると共に、該ガン本体に設けられるトリガーと、該トリガーと連結される連動部材を有するトリガー組みと、該ギアルームとボルトルームとの間に枢設される制御部材と、を備え、
該トリガー組みの連動部材は、該ガン本体に設けられる制御部材の下方に位置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電動ガンのボルトの可動構造。
【請求項4】
前記筒部の外部に位置するピストンロッドの一端に更にフック部が設けられ、該制御部材は少なくとも該フック部と係脱可能なストッパーを含むことを特徴とする、請求項3に記載の電動ガンのボルトの可動構造。
【請求項5】
前記ギア組みは、モーターにより駆動されることを特徴とする、請求項4に記載の電動ガンのボルトの可動構造。
【請求項6】
前記ギア組みは、遊星歯車組みであることを特徴とする、請求項5に記載の電動ガンのボルトの可動構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−300048(P2009−300048A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157455(P2008−157455)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(503378268)
【出願人】(508181490)
【Fターム(参考)】