説明

電動テープカッタ

【課題】構造が簡単で低コストであって、且つ正確に非接着接合面を形成することができ、摘み部つきのテープを自動切断し供給する長期間の使用にも耐え得る剛性・耐久性を有する電動式テープカッタを提供する。
【解決手段】駆動機構と、粘着テープを保持するテープ保持機構と、テープを切断機構に送るテープ送り機構と、テープを切断する切断機構とからなり、接着テープの先端部を送出口から送出し、適宜の長さで送出口に設けた切断機構により切断する電動テープカッタであって、粘着テープを固定するテープ固定手段と、固定されたテープの先端部分を一定の幅で接着面方向に折り込む折畳み手段により、テープの先端に非接着接合面を形成したテープを自動切断して供給する電動テープカッタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動でカットした状態の粘着テープを供給する電動テープカッタに関し、特に、粘着テープの先端に接着面同士を一定の長さで貼着した摘み部となる非接着な接合面を形成した状態で摘み部付きの粘着テープを自動で供給する電動テープカッタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動式の駆動装置の回転により粘着テープを送出し、送出口から所要の寸法だけ導出して所定の長さにおいて送出口に設置された切断刃で切断供給する一連の処理を自動的に行う電動テープカッタが開発されている。例えば、本件の出願人は、特開2006−103808号等に開示されている電動テープカッタの出願人であり、且つ、他にもこの種のテープカッタの研究開発に従事している。
【0003】
電動テープカッタの基本構造は、複数のギアからなる駆動機構を作動し、駆動源からの回転が粘着テープ送り機構のローラに伝達され、テープ保持機構で保持されたテープは前記ローラの回転によりその先端部が送出口より送出されて、適宜の長さで送出口に設けられた切断機構により切断されて排送されるという構成の装置である。この種の装置は、粘着テープを送出口から取り出すと、自動的に次のテープが送出され適宜の長さで次々と繰り返し送出供給される構造になっている。この装置は、自動処理装置の一種として必要不可欠な装置であり、様々な分野で利用されている。
【0004】
電動テープカッタで供給されるカットされた粘着テープの使用態様としては、包装等を貼着し、剥がれないようにすることを目的とすることが圧倒的に多いが、一方で、テープは貼り付けるが当初から剥がすことを目的とすることも多々ある。例えば、電気製品などの流通時に、部品が梱包内で遊動するのを防ぐため、各部品を一時的に粘着テープで留めることが行われている。しかし、粘着テープの接着力や仮留めの程度によっては、粘着テープが剥がし難くなり、簡単に剥がれないために剥がすのに苦労することがある。そこで、様々な分野で日常的に行われているのが、粘着テープの端部を折畳み、接着面同士を張り合わせて摘み部となる非接着な接合面を先端に形成するような工夫がなされている。これにより仮留めした粘着テープを剥がしやすくしている。
【0005】
仮留め用の粘着テープの端部に設ける摘み部となる非接着な接合面の形成を自動化した技術として、特開平11−49419号に開示された技術がある。この発明では、非接着な接合面の形成にあたり、粘着テープカッタは、粘着テープの切断処理を行うカッター機構、切断部分の折込み処理を行う折込み機構および折込み部分の折曲げ処理を行う折曲げ機構を具備し、それぞれが各機構に設けられたカムにより周期的な運動が与えられることで、非接着な接合面を形成している。その中で、テープ送り機構およびテープ端処理機構を駆動するための駆動モータを単一とすることで、カム機構の第1乃至第3のカムによって粘着テープの切断処理、切断部分の折込み処理、折込み部分の折曲げ処理のタイミングが与えられ、これら各種処理の連係動作にズレを生じることがなく、一連の動作が確実に行なわれるように工夫がされている。
【0006】
開示された技術では、一連の動作により正確にテープの非接着接合面は形成されているが、テープ折畳みのタイミングが微妙であり、長期間の使用による部品の磨耗、変形等によりそのタイミングが少しずれるとテープの非接着接合面の形成が不能となってしまうという問題があった。また、このような微妙なタイミングが要求される処理を行うことから機器の構成が複雑になり、テープカッタの製作コストが高く付くという問題もあった。さらに、一連のテープの折畳みの動作は、絶妙なタイミングで瞬間的に行われることが必要であり、テープの接着面同士の接着が瞬時に行われることから、接着が甘い場合には接着接合面が剥離してしまうという、構造上の問題もあった。
【0007】
電動テープカッタは、工場の生産ラインや商品の梱包等で長時間に渡って連続的に使用されているのが常態であり、上記の問題が生ずると全体の作業の一事停止を意味することになるため、ユーザにとっては、当然回避したい事態であった。
そこで、構造が複雑になり過ぎず低コストであって、且つ正確に摘み部となる非接着接合面を形成することができ、長期間の使用にも耐え得る剛性・耐久性を有する電動式テープカッタの開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2006−103808号公報
【特許文献2】特開平11−49419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題を解決するために、電動式のテープカッタであって、特に、テープの接着面同士を一定の長さで貼着し摘み部となる非接着な接合面を形成した状態で粘着テープを適宜の長さに切断して供給する電動テープカッタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明に係る電動テープカッタは、駆動源からの回転をテープ送り機構のローラに伝達する複数のギアからなる駆動機構と、粘着テープを保持するテープ保持機構と、前記テープ保持機構で保持されたテープを切断機構に送るローラからなるテープ送り機構と、前記テープ送り機構から送出口に送り出されたテープを切断する切断機構と、から構成され、ローラに捲装された接着テープの先端部を送出口から送出し、適宜の長さで送出口に設けた切断機構により切断する電動テープカッタであって、送出された片面に粘着剤の塗布された粘着テープを固定するテープ固定手段と、固定された該テープの先端部分を一定の幅で接着面方向に折り込むテープ折畳み手段と、からなり、粘着テープの先端に接着面同士を一定の長さで接合した摘み部となる非接着な接合面を形成した状態でテープを一定の長さにカットして供給する構造である。
【0010】
また、テープ固定手段は、裏面に接着材が塗布されたテープの表面を吸引装置により吸い上げ吸引するテープ吸引機構によって吸い上げ吸着固定する構造である。
また、テープ固定手段は、接着テープの先端部分を送出するテープ送出口の内側であって送出される粘着テープの表面側の上部に装備されている構造である。
また、テープ折畳み手段は、回動自在のフラップからなり、接着面同士を貼着して摘み部分となる非接着な接合面を形成するために、テープを吸着固定した状態でテープ裏面の接着面側に回転することによりテープを切断部分より一定の長さで折り畳む構造である。
【0011】
また、テープ折畳み手段は、テープ送り機構により送出されたテープが切断機構により切断された後に前記テープの折畳み処理を行い、接着面同士を圧着して剥離困難な摘み部となる非接着な接合面を形成するために、テープが折り畳まれた後もテープが再度送出されるまで回転動作後のフラップがテープの押え込み状態を保持する構造でもある。
更に、テープ折畳み手段は、フラップの先端にテープの浮動防止部材を装備している構造でもある。
また、浮動防止部材は、ゴム素材からなる構成である。
更に、電動テープカッタは、切断機構とテープ送り機構の間に、テープ送り機構からテープ切断機構に送り出されたテープの垂れ下がりを防止するための、駆動源の回転により回転するテープ支持ローラを装備した構成でもある。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1.送出された裏面だけに接着材の塗布された粘着テープの先端を一定の長さで裏面である接着面方向に折り込んで、容易に摘み部となる非接着な接合面を形成した状態でカットされたテープを提供することができる。
2.テープを固定する手段が、吸引装置によりテープの表面を吸い上げて吸着固定する構造であるため、テープの粘着面に接することなくテープを固定することができ、テープの粘着力の低下を抑えることができる。また、比較的簡易な構造となるため、製造コストを抑えることができる。
【0013】
3.接着テープの先端部分を送出するテープ送出口の内側にテープを吸着固定する手段があり、テープの表面より上部に設置されているため、折畳み動作時にブレが生じない位置でテープ吸着を行うことができる。また、上方向へ吸引するため、粘着材の塗布された裏面方向に対する折畳み機構の動作を容易にすることができる。
4.テープ折畳み手段が、簡単な回動自在なフラップからなるため、簡素で破損しにくい構造である。また、テープ吸着固定状態でテープ接着面側に回転することによりテープを折畳み、接着面同士を貼着して非接着接合面を形成するため、動作が簡易かつスピーディであり、長期間における高頻度の使用に耐え得る構造とすることができる。
5.テープ折畳み機構が、テープが折畳まれた後もテープが再度送出されるまで回転動作後のフラップがテープの押え込み状態を保持するため、接着面同士が少なくとも次の使用時まで圧着されて、より剥離困難な非接着接合面を形成することができる。
【0014】
6.テープ折畳み機構のフラップの先端にテープの浮動防止部材を装着しているため、折畳んで非接着接合面を形成する時にテープがずれにくく、綺麗で均質な非接着接合面が形成できる。
7.浮動防止部材がゴムを素材にしているので、よりテープのずれが発生し難い。
8.テープ切断機構とテープ送り機構の間に駆動源により回転するテープ支持ローラを設けることで、テープ送り機構からテープ切断機構に送り出されたテープが垂れ下がることが防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る電動テープカッタを、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の電動テープカッタの斜視図であり、図2は、本発明の電動テープカッタのカバーを外した状態の斜視図である。図3は、本発明の電動テープカッタの平面図であり、図4は、本発明の電動テープカッタの正面図である。また、図5は、テープ送り機構の斜視図であり、図6は、粘着テープを固定する機構の斜視図である。図7は、テープ折畳み機構の斜視図であり、図8は、テープ折畳み機構動作時の斜視図である。図9は、テープ切断機構の斜視図であり、図10は、テープ支持ローラ使用時の斜視図である。
本発明の電動テープカッタ10は、本体20と、駆動機構30と、テープ保持機構40と、テープ送り機構50と、切断機構60と、テープ送出口70と、テープ固定手段80と、テープ折畳み手段90とからなる。
【0016】
本体20は、駆動機構30とテープ保持機構40とテープ送り機構50と切断機構60とテープ送出口70とテープ吸引機構81とテープ折畳み手段90とその他の部品を内包するフレーム部材である。この実施例では、本体20は樹脂素材を使用しており、上部切断機構側には操作パネルが設置されている。操作パネルは制御基板(図示せず)と電気的に接続しており、基板から駆動機構30とテープ送り機構50と切断機構60を制御できるように電気的に接続されている。
【0017】
駆動機構30は、電動テープカッタの本体20に設置され、電力供給源に接続された駆動源(図示せず)と、動力を伝達するためのギア54とからなる。駆動源(図示せず)は、この実施例ではモータを使用している。モータは電力供給源から電力を供給され、動力をギアによりテープ送り機構50のギアに伝達する。この実施例では外部から電力を電力供給源(図示せず)としている。
【0018】
テープ保持機構40は、裏面に粘着剤の塗布されたロール状の粘着テープ42を保持する機構であり、この実施例では、環状のリールに巻装されたロール状の粘着テープ42が保持部に嵌合されており、リールごと回転可能に嵌装された構成である。
粘着テープ42は、裏面となる片面だけに接着材が塗布されたテープであり、この実施例では、テープの幅が20mm前後のものが使用されている。ただし、テープの幅に限定はなく、テープの幅は自由に選択できる。
粘着テープ42に形成される非接着接合面44は、粘着テープ42の先端に接着面同士を一定の長さで接合して形成したタブ状のテープ摘み部位であり、裏面の接着面は折り返された状態で裏面同士(接着面同士)が接合しているので、他に触れるものがあっても接着することはない。非接着部は耳または摘み部としてテープの持ち上げに利用することができ、これにより、極めて容易に接着している状態のテープを摘み部から持ち上げてテープ全体を剥離することができる。
【0019】
テープ送り機構50は、送りローラ52とギア54とからなる。送りローラ52は、単一のものであってもよいが、撓みがない状態で粘着テープ42をテープ吸引機構81、テープ折畳み手段90および切断機構60に送出することを可能とするため、および、粘着テープ42の滑りを防止して確実に粘着テープ42を送出させるため、複数設置されている構成が望ましい。例えば、大型ローラを設けてその上部からテープを押さえる小型ローラを設置し、さらに大型ローラと連動する中型ローラを設け、大型ローラから中型ローラにテープを確実に受け渡すために中型ローラ上部に受け渡しローラを設置する構成が考えられる。
【0020】
また、送りローラ52は、円筒形の回転体からなるが、ローラの表面に軸と垂直方向に複数の溝を形成することにより、粘着テープ42が必要以上にローラ52に接着しないような構成とする実施例が考えられる。
なお、手動で、または、例えばゴムのような弾性体を用いることで、粘着テープ42の幅に合わせてテープに対して並行に設けられた側壁の幅を狭めることにより、粘着テープ42が蛇行することを防ぐテープ調整機構をテープ送り機構の任意の場所に設置してもよい。
【0021】
テープ支持ローラ56は、テープ送り機構50から送出されたテープに、非接着接合面44を形成した後、確実に切断機構60に送出するように粘着テープ42を支持する案内ローラである。非接着接合面44が形成された粘着テープ42は切断機構60に送られる前に自重によって垂れ下がる可能性がある。そこで、テープ支持ローラ56が、非接着接合面44が形成された粘着テープ42が他に接着することなく確実に切断機構60に送出されるように、切断機構60とテープ送り機構50の間に装着される。
テープ支持ローラ56を駆動する構造としたことにより、非接着接合面44が形成された粘着テープ42を安定して切断機構60に送り出すことができる。駆動力としては、駆動機構30から伝達された動力を用いて回転する構造が考えられるが、駆動機構30とは独立して、任意の箇所に設置されたモータ等によって動力を得る構造であってもよい。
【0022】
切断機構60は、粘着テープ42を切断する切断刃を装備した構成である。この切断機構60に、テープ折畳み手段90により非接着接合面44が形成された粘着テープ42が送出される。
この実施例の切断機構60は、従来の電動テープカッタの切断機構と同様に、上側と下側に切断刃が装備され、上側の切断刃は固定され、下側の切断刃が制御基板(図示せず)により制御されながら移動して粘着テープ42を切断する。
【0023】
テープ送出口70は、非接着接合面44が形成されて切断された粘着テープ42が送出される開口である。このテープ送出口70の幅は、テープ保持機構40に保持され、かつテープ送り機構50で送ることが可能な粘着テープ42の幅を超える幅の開口であることが望ましい。手の指等がテープ送出口70を通じて切断機構60に入り、怪我をする虞があるため、切断機構60まで指等が入らない程度のカバー、または安全装置を装備する実施例が望ましい。
【0024】
テープ固定手段80は、テープ送り機構50から送出された粘着テープ42をテープ吸引機構81で吸引固定する構成である。裏面である粘着面を下向きにして粘着テープ42を送出する場合、粘着テープ42は自重によって下に垂れ下がるため、テープカッタの切断刃に接合して貼着する(貼り付く)可能性があり、他の部分に一部でも貼り付くと、折り返して粘着テープ42の先端に非接着接合面44を形成することが不可能となるという問題点があった。これを回避するために、テープ送り機構50から送出された粘着テープ42を上方向に持ち上げて固定するテープ固定手段80を装備している。この実施例では、テープ固定手段80としてテープを上方に吸着するテープ吸引機構81を装備しており、これにより、テープは自重で垂れ下がることがない構造となっている。
【0025】
テープ吸引機構81は、吸引口82から空気を吸引し、その吸引力により、吸引口82の下に位置している粘着テープ42の表面を吸引して浮かび上がらせ、裏面となる粘着面が他に接触しない様に固定する。これにより、テープ送り機構50より送られてきた粘着テープ42の下部に空間ができるため、テープ折畳み手段90の動作による非接着接合面44の形成が容易になる。
吸着固定する手段であるテープ吸引機構81の吸引口82は、接着テープ42の先端部分を送出するテープ送出口70の内側であって、かつ粘着テープ42より上部に設置される。吸引口82は、テープ折畳み手段90の近隣に設置されることが望ましい。
吸引ポンプ84は、吸引口82からの空気を吸引する構造であり、この実施例では、電動の吸引ポンプが使用されている。
【0026】
テープ折畳み手段90は、粘着テープ42を固定するテープ固定手段80によって固定された粘着テープ42の先端部分を一定の幅で接着面方向に折畳む折畳み手段である。これにより、粘着テープ42の先端に接着面同士を一定の長さで接合した非接着接合面44を形成することが可能となる。
フラップ92は、テープ吸引機構81によって吸着固定された粘着テープ42をその切断部分より一定の位置において折畳む部材である。
フラップ回転用モータ94は、フラップ92に回転動力を与える電動モータである。フラップ92は、回動自在に設置されており、フラップ回転用モータ94から駆動ギヤ(図示せず)を介して回転力が伝達される。粘着テープ42がテープ吸引機構81によって吸着固定した状態で、フラップ92が粘着テープ42の接着面側に約180度回転することによって粘着テープ42を折畳み、接着面同士を貼着して非接着接合面44を形成する。
【0027】
テープ折畳み手段90は、テープ送り機構50により送出された粘着テープ42が、切断機構60により切断された後に粘着テープ42の折畳み処理を行って非接着接合面44を形成する。その際、粘着テープ42の裏面である接着面同士を圧着して剥離困難な非接着接合面44を形成するため、テープが折畳まれた後、次に粘着テープ42が送出されるまでの間、約180度回転したフラップ92が粘着テープ42を押え込んだ状態を保持する。粘着テープ42の送出指示があった場合、フラップ92は、約180度反転して元の位置に戻り、粘着テープ42の送出をスムーズに行うことができる。
【0028】
テープの浮動防止部材96は、フラップ92の先端に装着され、粘着テープ42の浮動を防止する。フラップ92による折畳み動作は、高速度で行われるため、非接着接合面44の形成に支障を来たすことなく、回転動作中に粘着テープ42のずれを生じさせない。
このテープの浮動防止部材96には様々な素材を使用することができ、実施例ではゴムを素材としているが、粘着テープ42の滑りを防止できる摩擦力を有する物質であれば、実施例の物質に限定されない。
【0029】
以下、本発明の電動テープカッタの一連の動作を説明する。
(1)粘着テープ42は、テープ吸引機構81により吸着固定された後、テープ折畳み手段90によって、非接着接合面44が形成される。このとき、フラップ92が約180度回転して折畳まれた粘着テープ42を押さえ、次の送出指示があるまで押さえ続けるので、接着面同士が充分圧着されて剥離困難な非接着接合面44が形成されて待機状態になる。
(2)送出指示があった場合、非接着接合面44が形成された粘着テープ42は、テープ支持ローラ56を介して切断機構60に運ばれる。同時に、テープ保持機構40に保持される粘着テープ42は、テープ送り機構50を介してテープ吸引機構81に運ばれる。
(3)非接着接合面44が形成された粘着テープ42は切断機構60によって切断された後、テープ送出口70から取り出されて、供給可能な状態になる。
(4)その後、上記(1)に戻り、以後処理が繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の電動テープカッタの斜視図
【図2】本発明の電動テープカッタのカバーを外した状態の斜視図
【図3】本発明の電動テープカッタの平面図
【図4】本発明の電動テープカッタの正面図
【図5】テープ送り機構の斜視図
【図6】粘着テープを固定する機構の斜視図
【図7】テープ折畳み機構の斜視図
【図8】テープ折畳み機構動作時の斜視図
【図9】テープ切断機構の斜視図
【図10】テープ支持ローラ使用時の斜視図
【符号の説明】
【0031】
10 電動テープカッタ
20 本体
30 駆動機構
40 テープ保持機構
42 粘着テープ
44 非接着接合面
50 テープ送り機構
52 送りローラ
54 ギア
56 テープ支持ローラ
60 切断機構
70 テープ送出口
80 テープ固定手段
81 テープ吸引機構
82 吸引口
84 吸引ポンプ
90 テープ折畳み手段
92 フラップ
94 フラップ回転用モータ
96 テープの浮動防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの回転をテープ送り機構のローラに伝達する複数のギアからなる駆動機構と、粘着テープを保持するテープ保持機構と、前記テープ保持機構で保持されたテープを切断機構に送るローラからなるテープ送り機構と、前記テープ送り機構から送出口に送り出されたテープを切断する切断機構と、から構成され、ローラに捲装された接着テープの先端部を送出口から送出し、適宜の長さで送出口に設けた切断機構により切断する電動テープカッタにおいて、
送出された片面に粘着剤の塗布された粘着テープを固定するテープ固定手段と、
固定された該テープの先端部分を一定の幅で接着面方向に折り込むテープ折畳み手段と、からなり、
粘着テープの先端に接着面同士を一定の長さで接合した摘み部となる非接着な接合面を形成した状態でテープを一定の長さにカットして供給することを特徴とする電動テープカッタ。
【請求項2】
前記テープ固定手段は、裏面に接着材が塗布されたテープの表面を吸引装置により吸い上げ吸引するテープ吸引機構によって吸い上げ吸着固定することを特徴とする請求項1記載の電動テープカッタ。
【請求項3】
前記テープ固定手段は、接着テープの先端部分を送出するテープ送出口の内側であって送出される粘着テープの表面側の上部に装備されていることを特徴とする請求項2記載の電動テープカッタ。
【請求項4】
前記テープ折畳み手段は、回動自在のフラップからなり、接着面同士を貼着して摘み部分となる非接着な接合面を形成するために、テープを吸着固定した状態でテープ裏面の接着面側に回転することによりテープを切断部分より一定の長さ折り畳むことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の電動テープカッタ。
【請求項5】
前記テープ折畳み手段は、テープ送り機構により送出されたテープが切断機構により切断された後に前記テープの折畳み処理を行い、接着面同士を圧着して剥離困難な摘み部となる非接着な接合面を形成するために、テープが折り畳まれた後もテープが再度送出されるまで回転動作後のフラップがテープの押え込み状態を保持することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の電動テープカッタ。
【請求項6】
前記テープ折畳み手段は、フラップの先端にテープの浮動防止部材を装備していることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電動テープカッタ。
【請求項7】
前記浮動防止部材は、ゴム素材からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電動テープカッタ。
【請求項8】
前記電動テープカッタは、切断機構とテープ送り機構の間に、テープ送り機構からテープ切断機構に送り出されたテープの垂れ下がりを防止するための、駆動源の回転により回転するテープ支持ローラを装備したことを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の電動テープカッタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−101932(P2012−101932A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254284(P2010−254284)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(500131815)株式会社エルム・インターナショナル (15)
【Fターム(参考)】