説明

電動昇降窓装置

【課題】 複数の窓ユニットを連装施工する際に当該窓ユニット相互の取り合いや位置決めを簡単に手際よく行うことができて現場での連装施工時間を大幅に短縮することができる電動昇降窓装置を得ることにある。
【解決手段】 一対のガイドレール1と、これらのガイドレール1間を昇降する昇降窓3と、前記両ガイドレール1の上方に配置されて前記昇降窓3を昇降駆動する巻上機ユニット7とを備え、その巻上機ユニット7を前記両ガイドレール1間の外寸間隔幅内に納めて当該ガイドレール1と前記巻上機ユニット7とを一体化した窓ユニットU1を構成し、その窓ユニットU1を複数連装可能とすべく各窓ユニットU1のガイドレール1の外側面には、当該ガイドレール1同士を所定方向の隣接状態に位置決めするための位置決め部1b,1c,1dを設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば外来者受付口などの窓開閉用開口に設置される電動昇降窓装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動昇降窓装置として、通常のサッシ枠を利用した昇降窓を巻上機の吊りワイヤで吊持し、その吊りワイヤを前記巻上機で巻き上げ・巻き戻しすることにより、前記昇降窓を昇降開閉動作させるように構成したものは既に知られている。
【0003】
なお、上記先行技術は当業者一般に知られた技術であって、文献公知発明に係るものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電動昇降窓装置は以上のように構成されているので、昇降窓と巻上機系統とを予め工場等で一体的にユニット化しておき、その窓ユニットを現場に搬入して据え付けることは可能であるが、複数の窓ユニットを据え付け現場で隣り合わせ状態に連装施工する際の位置決め手段を何ら有していないので、その連装施工時における窓ユニット相互の取り合いや位置決め作業に手間がかかり、このため、数多くの窓ユニットを現場で連装施工する際の施工時間が長くなるという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の窓ユニットを連装施工する際に当該窓ユニット相互の取り合いや位置決めを簡単に手際よく行うことができて現場での連装施工時間を大幅に短縮することができる電動昇降窓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電動昇降窓装置は、一対のガイドレールと、これらのガイドレール間を昇降する昇降窓と、前記両ガイドレールの上方に配置されて前記昇降窓を昇降駆動する巻上機ユニットとを備え、その巻上機ユニットを前記両ガイドレール間の外寸間隔幅内に納めて当該ガイドレールと前記巻上機ユニットとを一体化した窓ユニットを構成し、その窓ユニットを複数連装可能とすべく各窓ユニットのガイドレールの外側面には、当該ガイドレール同士を所定方向の隣接状態に位置決めするための位置決め部を設けたものである。
【0007】
また、この発明に係る電動昇降窓装置の位置決め部は、各ガイドレールの外側面縦方向に一体形成され、隣接連装すべき窓ユニットとのガイドレール間で互い違い状に面接合されて止着具で連結される突条片部からなっているものである。
【0008】
さらに、この発明に係る電動昇降窓装置の位置決め部は、隣接連装する窓ユニット同士の間隔を調整できるようになっているものである。
【0009】
さらに、この発明に係る電動昇降窓装置は、隣接連装された窓ユニットのガイドレール間には、その表面側で位置決め部および止着具を覆うカバー部材が前記ガイドレールの表面と略同一面状に嵌着されているものである。
【0010】
さらに、この発明に係る電動昇降窓装置の各ガイドレールは、各対毎の対向面に昇降窓の両側部を昇降自在に嵌め込むための縦溝を有する型材からなっているものである。
【0011】
さらに、この発明に係る電動昇降窓装置の巻上機ユニットは、一対のガイドレールの上方に配置された一対のスプロケットと、これらのスプロケットに噛合して前記ガイドレール内に垂下し昇降窓の両側部を吊持している窓吊持チェーンと、前記両スプロケットを同期回転駆動する開閉機とを備えてなり、前記各ガイドレールの内部には、前記窓吊持チェーンを昇降移動自在に挟み込んで当該窓吊持チェーンの屈曲を規制するチェーン屈曲規制部が設けられているものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、巻上機ユニットが一対のガイドレールの上方で当該ガイドレール間の外寸間隔幅内に納められた配置となっているので、複数の窓ユニットの連装施工時に前記巻上機ユニットが邪魔になるようなことがなく、このため、前記窓ユニットの相互を所定の方向に隣接連装することができる。しかも、前記各窓ユニットのガイドレールの外側面に設けられた位置決め部によって、前記各窓ユニットのガイドレール相互を容易に位置決めすることができ、その位置決め作業時間を短縮できるという効果がある。
【0013】
また、この発明によれば、各ガイドレールの外側面縦方向に一体形成され、隣接連装すべき窓ユニットとのガイドレール間で互い違い状に面接合される突条片部によって位置決め部が構成されているので、各窓ユニットのガイドレール相互を窓ユニット連装方向に突き合わせて当該ガイドレールの突条片部相互を面接合させるだけで、前記ガイドレール相互の位置決めを簡単に手際よく行うことができ、窓ユニットの連装施工時間を大幅に短縮できるという効果がある。
【0014】
さらに、この発明によれば、隣接連装する窓ユニット間の間隔を位置決め部によって調整できるので、数多くの窓ユニットを据え付け現場の間口の大きさに対応して連装施工することができるという効果がある。
【0015】
さらに、この発明によれば、隣接連装された窓ユニットのガイドレール間に当該ガイドレールの位置決め部および止着具を覆うカバー部材を嵌着したので、前記ガイドレールの位置決め部および止着具が外部に露出するようなことがなく、しかも、前記カバー部材をガイドレールの表面と略同一面状に嵌着されるので、ガイドレール間に隙間や凹凸が生じるのを極力抑えることができ、かつ、前記止着具が濫りに取り外されるのを防止することもできるという効果がある。
【0016】
さらに、この発明によれば、各ガイドレールとして型材を適用しているので、その長さ方向のサイズを自由に変更でき、窓ユニットの据え付け現場の間口の大きさが変わっていてもその間口に対応できるという効果がある。また、隣接連装すべき窓ユニット毎にガイドレールの長さを変更するだけで巻上機ユニット相互を高さ方向に位置ずれさせることができ、これによって、前記巻上機ユニットの相互が干渉しないように前記窓ユニットを例えば直角に連装することもできるという効果がある。
【0017】
さらに、この発明によれば、型材からなるガイドレールの内部に設けられたチェーン屈曲規制部により、前記ガイドレール内部に垂下した窓吊持チェーンが挟み込まれて当該窓吊持チェーンの屈曲が規制されるように構成したので、前記ガイドレール内に垂下した窓吊持チェーンを常に真直状態に維持することができ、これによって、全閉位置の昇降窓を持ち上げようとしても持ち上がりが防止され、格別のロック手段を必要とせずに昇降窓のロック機能が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電動昇降窓装置を示す正面図、図2は図1のA−A線に沿った断面矢視図、図3は図1のB−B線に沿った断面図、図4は昇降窓の吊り下げチェーン取付部を示す部分的な正面図、図5は図4の分解斜視図である。
図1および図2に示す電動昇降窓装置は、窓開閉用開口に所定の平行間隔で起立配置された左右一対の第1(室内側)のガイドレール1と、これらのガイドレール1の側面にそれぞれ並列状態に組み付け結合されて室外側に位置する第2のガイドレール2(図3参照)と、前記第1のガイドレール1間を昇降開閉する昇降窓3と、前記第2のガイドレール2間に跨って当該ガイドレール2の上部に取り付け固定された第1,第2の固定窓4,5とを備えている。前記第1のガイドレール1と第2のガイドレール2は、図3に示すように、各対毎に両者を隣り合わせて締結したユニット構造となっており、それらのガイドレール1,2は、図2および図3に示すように、それぞれの対向面全長に縦溝1a,2aを有する中空柱状の押し出し又は引き抜き成形された型材からなっている。
【0019】
したがって、前述のように第1のガイドレール1間を昇降する昇降窓3と、第1のガイドレール1に並列状態にユニット化された第2のガイドレール2に跨って当該ガイドレール2の上部側に固定された固定窓4,5とは、前記昇降窓3の昇降動作時にすれ違い平行状態となるように配置された位置関係となっている。そして、前記各ガイドレール1,2の外側背面には窓連装時の位置決め手段(位置決め部)となる突起部1b,2bが一体形成され、これらの突起部1b,2bは図示例において縦長突条片からなっている。
【0020】
第1のガイドレール1の上方には前記昇降窓3を昇降駆動するための窓駆動装置7が配置され、この窓駆動装置7は、前記第1のガイドレールの上端に一体的にユニット化された左右一対のブラケット6に保持されている。前記窓駆動装置7は、インターロック機能を有する開閉機(モータ)8と、この開閉機8で正逆回転駆動される回転軸9と、この回転軸9の両端部に嵌着され前記第1のガイドレール1の各上方に位置して同期回転する昇降窓駆動系統のスプロケット10と、これらのスプロケット10にそれぞれ噛合して前記第1のガイドレール1内に垂下し前記昇降窓3の上部両側を吊持している左右の窓吊持チェーン11とからなる巻上機ユニットを構成しているものである。なお、前記窓吊持チェーン11と昇降窓3との関連構成については後述する。前記回転軸9は、その両端部が前記左右のブラケット6に回転自在に支持されている。それらのブラケット6の外側において、前記回転軸9の両端部には前記スプロケット10が嵌着されている。また、前記開閉機8および当該開閉機8と前記回転軸9との間の動力伝達機構8aは前記ブラケット6の内側に配置されている。
【0021】
そして、前記回転軸9両端のスプロケット10相互の間隔は、第1のガイドレール1,2の左右間隔外寸幅よりも短く設定され、それらのガイドレール1の上方において、当該ガイドレール1の左右外方に前記回転軸9および両スプロケット10が突出しない配置構成となっている。すなわち、前記窓駆動装置(巻上機ユニット)7において、開閉機8および動力伝達機構8aは左右のブラケット6間に配置され、回転軸9両端のスプロケット10は左右のブラケット6の外側に配置されているが、前記スプロケット10を含む窓駆動装置7の全体は第1のガイドレール1の左右間隔外寸幅内に納めた配置構成となっている。なお、図1,図2において、符号16は、前記スプロケット10に対する窓吊持チェーン11の噛合領域近傍に配置されたチェーン押え部材であり、このチェーン押え部材16は、前記窓吊持チェーン11がスプロケット10の噛合領域から外れるのを防止するためのものである。
【0022】
以上において、前記昇降窓3はガラス面板(透明面板)30と面板保持枠31とからなっている。面板保持枠31は、図4〜図6に示すように、前記ガラス面板30の左右両側に嵌め込まれた縦框32と、前記ガラス面板30の上下に嵌め込まれて前記縦框32に着脱可能に締結された上下の横框33,34とからなっており、その下部横框34には、図1および図2に示すように座板35が上下動自在に取り付けられている。このように構成された昇降窓3は、図4および図5に示すように、面板保持枠31の上部両側、すなわち前記縦框32の上部外側に締結されたチェーン連結板17を介して窓吊持チェーン11により傾き調整可能に吊持されている。
【0023】
一方、前記第1,第2の固定窓4,5は、前記昇降窓3と同様に、面板40,50と面板保持枠41,51とからなり、それぞれの面板保持枠41,51が左右の縦框42,52と上下の横框43,53とからなっており、前記昇降窓3と異なる点は、それぞれの面板40,50が不透明面板となっている点、それぞれの縦框42,52が第2のガイドレール2の縦溝2aの上部側に嵌め殺し状態に嵌着固定されている点にある。そして、前記第2の固定窓4の下部横框44には、図2に示すように、前記昇降窓3の下限位置で当該昇降窓3の上部横框33に当接させる隙間防止用のゴム等弾性部材からなる封止材20が装着してある。なお、前記第1,第2の固定窓4,5は1つの固定窓であってもよい。
【0024】
前記窓吊持チェーン11は、図4に示すように、左右一対の内側リンクプレート(ローラリンクプレート)12と、これらの両端部相互間に圧入固定されているブッシュ(図示せず)の外側に回転自在に嵌装されたチェーンローラ13と、前記ブッシュに回転自在に挿通されたリンクピン14と、前記内側リンクプレート12の外側に配置されて前記リンクピン8の両端部にカシメられた外側リンクプレート(ピンリンクプレート)15とを備え、前記チェーンローラ13を有する内側リンクプレート12を1つの内側チェーン駒12とし、かつ前記リンクピン14を有する外側リンクプレート15を1つの外側チェーン駒15としてそれぞれ複数の内側チェーン駒12と外側チェーン駒15とを交互に前記リンクピン14で屈曲自在に連結し、そのリンクピン14の相互間隔を同一ピッチに設定した通常のチェーン構成となっている。
【0025】
次に、前記昇降窓3と窓吊持チェーン11との関連構成について説明する。
まず、窓吊持チェーン11は、前記スプロケット10に噛合して第1のガイドレール1内に垂下しており、その垂下端部が前記チェーン連結板17に傾き調整可能に連結されている。また、前記窓吊持チェーン11の反対側端部(スプロケット10から開閉機7側に向かう端部)は、図2に示すようにブラケット6側に係留されている。ここで、前記窓吊持チェーン11において、前記チェーン連結板17との連結部となるチェーン垂下端部の1つのチェーン駒(以下、最下部チェーン駒という)15Aは着脱可能となっている。この最下部チェーン駒15Aは、図4および図5に示すように、前記通常のチェーン構成における左右一対の外側リンクプレート15a,15bのうち、その片方の外側リンクプレート15aにリンクピン14a,14bをカシメ等で一体突設し、それらのリンクピン14a,14bに跨って係脱可能に嵌め込み係合させる略U字形状のスナップ止め具18を備えた構成となっている。ここで、前記リンクピン14a,14bは、通常のチェーン構成における前記リンクピン14相互のピッチと同一ピッチに設定されている。
【0026】
一方、前記チェーン連結板17には、前記リンクピン14a,14bが挿脱可能に挿入される複数のピン穴17a,17b,17cが上下方向に設けられている。それらのピン穴17a,17b,17cの相互間のピッチは、前記リンクピン14a,14b間のピッチよりも短いピッチに設定してある。したがって、前記リンクピン14a,14bは前記ピン穴17a,17b,17cのいずれかに選択的に挿入されるようになっている。すなわち、図4および図5においては、最下部チェーン駒15Aの上部リンクピン14aを窓吊持チェーン11下端側の内側チェーン駒(内側リンクプレート)12のブッシュ(図示せず)内からチェーン連結板17の上部ピン穴17aに挿入すると共に、前記最下部チェーン駒15Aの下部リンクピン14bを前記チェーン連結板17の下部ピン穴17cに挿入し、これにより、前記チェーン連結板17から突出した前記両リンクピン14a,14bに跨ってスナップ止め具18を嵌め込み係合させることで、前記チェーン連結板17を介して昇降窓3の両側上部を左右の窓吊持チェーン11により吊持している。
【0027】
以上において、前記最下部チェーン駒15Aの片側リンクプレート15aに一体突設された上下のリンクピン14a,14bと、昇降窓3の上部両側に連結されたチェーン連結板17に設けられ、当該チェーン連結板17の高さ方向に前記上下のリンクピン14a,14b間のピッチよりも短い間隔で列する複数のピン穴17a,17b,17cと、前記両リンクピン14a,14bの先端側に跨って係脱可能に嵌め込み係合されるスナップ止め具18は、前記チェーン連結板17と最下部チェーン駒15Aとを、窓吊持チェーン11の各リンクピン14のピッチおよび最下部チェーン駒15Aのリンクピン14a,14bのピッチよりも短いピッチ毎に高さ方向へ選択的に連結するためのチェーン連結手段を構成するものである。
【0028】
前述のように左右の窓吊持チェーン11で吊持されて現場で据え付け施工された昇降窓3に肩下がり(傾き)が生じた場合、当該昇降窓3の片側において、前記スナップ止め具18を取り外し、前記最下部チェーン駒15Aのリンクピン14a,14bをチェーン連結板17のピン穴17a,17cから抜き取り、その抜き取り後における前記最下部チェーン駒15Aの下部リンクピン14bを、図6に示すように、前記チェーン連結板17の上部ピン穴17aもしくは中間ピン穴17bに差し替え挿入することにより、前記昇降窓3の肩下がりを防止して当該昇降窓3を水平に吊持させることができる。したがって、前述のように上下のリンクピン14a,14bを一体に有する最下部チェーン駒15Aとスナップ止め具18およびチェーン連結板17は、昇降窓3の傾きを是正して当該昇降窓3の肩下がりを防止する肩下がり防止手段を構成するものである。そして、前述のように、左右の第1のガイドレール1内に垂下する窓吊持チェーン11で水平状態に吊持された昇降窓3は、その左右両側の縦框32が前記両ガイドレール1の縦溝1aにそれぞれ昇降自在に嵌め込まれており、前記縦框32は前記両ガイドレール1間に露出しないようになっている。また、前記縦溝1aの対向壁部には前記縦框32との間を封止するモヘア等のシール材22(図3参照)が設けてある。
【0029】
また、前記両ガイドレール1の内部には、昇降窓駆動系のスプロケット10から垂下する窓吊持チェーン11の屈曲を規制するチェーン屈曲規制部21(図3参照)が設けられている。このチェーン屈曲規制部21は、前記スプロケット10から垂下する窓吊持チェーン11を垂下長全長に亘り摺動自在に挟み込んで当該窓吊持チェーン11の屈曲を阻止するもので、その具体例を以下に説明する。すなわち、前記チェーン屈曲規制部21は、前記両ガイドレール1の背壁内面中央部に突出形成されて平行離間し、かつ当該ガイドレール1の縦方向に延びる一対のチェーンガイド21aからなっている。それらのチェーンガイド21aは、それぞれの先端部に相対方向へL字状に折曲形成されて窓吊持チェーン11の両側リンクプレート12間に介入する屈曲規制片部21bを有している。それらの屈曲規制片部21bの先端面は、窓吊持チェーン11のチェーンローラ13の外径よりも大きな対向間隔に設定されている。
【0030】
したがって、前記チェーン屈曲規制部21は、前記屈曲規制片部21b間で窓吊持チェーン11の昇降移動を許容する構成となっている。このようなチェーン屈曲規制部21において、前述のように屈曲規制片部21bを先端に有するチェーンガイド21aは、前記両ガイドレール1の下端から前記スプロケット10の近傍位置まで延びており、前記スプロケット10からガイドレール1内に垂下する窓吊持チェーン11の垂下部全長に亘って当該窓吊持チェーン11の屈曲を前記屈曲規制片部21bで規制するようになっている。
【0031】
以上において、第1のガイドレール1と第2のガイドレール2はボルト・ナット等の止着具により着脱可能に連結されて一体的にユニット化され、かつ、それらの左右のガイドレール1,2は固定窓4,5によって正面門形状に一体的にユニット化され、前記第1のガイドレール1の上端に一体化されたブラケット6には窓駆動装置7が取り付けセットされ、そのスプロケット10に噛合した窓吊持チェーン11で昇降窓3が吊持されていることにより、1つの窓ユニットU1が構成されている。この窓ユニットU1は工場で製作されて据付現場に搬入されて据え付けられる。その据付後において、昇降窓3に傾き(肩下がり)が生じている場合には、当該昇降窓3の片側における窓吊持チェーン11の最下部チェーン駒15Aのスナップ止め具18を取り外して最下部チェーン駒15A共々リンクピン14a,14bをチェーン連結板17から抜き取る。その抜き取り後に昇降窓3を水平位置に保持できる位置に対応位置する、チェーン連結板17のピン穴17a,17b,17cのいずれか選択し、選択したピン穴17a,17b,17cのいずれかに前記チェーン連結板17の少なくとも下部リンクピン14bを差し替え挿入する。次いで、前記両リンクピン14a,14bに跨ってスナップ止め具18を嵌め込み係合させることにより、前記昇降窓3を傾きのない水平状態に保持させることができる。
【0032】
次に動作について説明する。
昇降窓3が左右のガイドレール1間の下限位置にある閉鎖状態において、開閉機8の起動により回転軸9両端のスプロケット10が図2中で時計回り方向に回転駆動されると、そのスプロケット10に噛合して第1のガイドレール1内に垂下している窓吊持チェーン11が引き上げられることにより、昇降窓3が第1のガイドレール1に沿って上昇開放される。このとき、前記昇降窓3は固定窓4,5の裏側(室内側)に引き上げられ、前記昇降窓3の軒下と少なくとも下部固定窓4の軒下とが同じとなる位置もしくはそれ以上に上昇して停止する。その昇降窓3の開放状態において、前記スプロケット10が反時計回り方向に回転駆動されると、前記昇降窓3が前記ガイドレール1に沿って下降し下限位置で止まる。
【0033】
このようにして閉鎖された昇降窓3は、外側から不埒に持ち上げ開放しようとしても持ち上げられる危惧のないロック状態に保持される。すなわち、開閉機8がインターロック機能を有し、かつ、スプロケット10に噛合した窓吊持チェーン11の噛合領域上部にチェーン押え部材16が配置されていること、および、前記ガイドレール1内に垂下状態の窓吊持チェーン11がチェーン屈曲規制部21の屈曲規制片部21bで挟み込まれて真直状態に保持されていることにより、前記昇降窓3の外部からの持ち上げ力で窓吊持チェーン11が屈曲したり、当該窓吊持チェーン11がスプロケット10から上方に外れるようなことがなくなる。このため、前記昇降窓3は格別のロック手段を必要とせずにロックされる。
【0034】
以上説明した実施の形態1によれば、窓昇降駆動系のスプロケット10に噛合して第1のガイドレール1内に垂下した窓吊持チェーン11を垂下部全長に亘り挟み込んで当該窓吊持チェーン11の屈曲を阻止するチェーン屈曲規制部21を前記ガイドレール1内に設けると共に、前記スプロケット10を回転駆動する開閉機8がインターロック機能を有するように構成したので、全閉位置の昇降窓3を外側から不埒に持ち上げ開放しようとしても、その持ち上げ力で前記窓吊持チェーン11が屈曲したり前記スプロケット10が回転するようなことがなく、このため、前記昇降窓3を全閉位置で施錠する格別のロック手段を必要とせずに前記昇降窓3のロック機能が得られ、防盗性を確保できるという効果がある。また、前記スプロケット10における窓吊持チェーン11の噛合領域近傍にチェーン押え部材16を配置するように構成したので、全閉位置の昇降窓3を持ち上げることによって、窓吊持チェーン11が前記スプロケット10から外れるようなこともなく、防盗性をいっそう向上させることができるという効果がある。
【0035】
さらに、前記チェーン屈曲規制部21は、左右一対のチェーンガイド21aの先端に相対方向へ折曲形成した屈曲規制片部21bを窓吊持チェーン11の両側リンクプレート12間に介入させるように構成したので、前記昇降窓3の昇降動作時に当該昇降窓3と前記チェーン屈曲規制部21とが干渉するようなこともなく、前記昇降窓3を常時スムーズに昇降動作させることができるという効果がある。しかも、前記チェーン屈曲規制部21は第1のガイドレール1内で長手方向に延びているので、前記チェーン屈曲規制部21を一体に有する第1のガイドレール1として中空柱状の型材を適用することができ、かつ第2のガイドレール2にあっても中空柱状の型材を適用することができ、窓ユニットU1を工場で製作して据付現場に搬入することができ、据付現場での施工時間を大幅に短縮できるという効果がある。さらには、前記窓ユニットU1の搬入時に第1のガイドレール1内で窓吊持チェーン11が踊ったり昇降窓3が揺動するようなこともなく、前記窓ユニットU1の搬入作業を容易に行うことができるという効果がある。
【0036】
さらに、前記実施の形態1では、昇降窓3と固定窓4,5との組み合わせ構造としたが、前記昇降窓3は、前記固定窓4,5が取り付け固定された第2のガイドレール2とは別の第1のガイドレール1に沿って昇降するように構成したので、前記昇降窓3を固定窓4,5とは関係なく昇降動作させることができる。すなわち、第1のガイドレール1に沿って固定窓4,5とはすれ違い状に昇降する昇降窓3を吊持している窓吊持チェーン11が噛合したスプロケット10を前記第1のガイドレール1の上方に配置し、そのスプロケット10の近傍位置まで前記固定窓4,5に関係なく昇降窓3を上昇させることができるので、前記スプロケット10を含む窓駆動装置7系統のいわゆる巻上機ユニットを天井内に納め、その天井下から垂下する固定窓4,5の高さ寸法(天井からの垂下寸法)を前記昇降窓3の高さ寸法より短くしても、その昇降窓3と固定窓4との軒下が同じとなる位置まで前記昇降窓3を上昇させることができる。したがって、前記昇降窓3の昇降ストロークが前記固定窓4,5で規制されるようなことがなく、前記昇降窓3の昇降ストローク、特に昇降窓3の開放面積(窓開口面積)を自由に設定できるという効果がある。また、昇降窓3と固定窓4,5との大きさが異なっても両者が重なり合うように納めることができるという効果がある。
【0037】
なお、前記昇降窓3と固定窓4は、その昇降窓3が固定窓4とすれ違い状に昇降動作するように上下方向へ所定の開口間隔で交互に配置した構成としてもよく、この場合、上下方向へ所定の間隔で隣り合う複数の固定窓3の相互間に形成される複数の窓開口部を、窓吊持チェーン11を介して上下方向へ一連に連なる複数の昇降窓3によって一斉に開閉することができるという効果がある。したがって、窓開口面積を自由に設定することができるという効果がある。
【0038】
さらに、前記実施の形態1によれば、第1のガイドレール1内に垂下する窓吊持チェーン11の最下部チェーン駒15aを着脱可能とし、かつ、昇降窓3の上部両側にはチェーン連結板17を取り付け、このチェーン連結板17の縦方向に複数のピン穴17a,17b,17cを設け、それらのピン穴17a,17b,17cの相互間隔を前記窓吊持チェーン11のリンクピン14相互および14a,14b間のピッチよりも短く設定し、前記ピン穴17a,17b,17cのいずれかを選択して前記最下部チェーン駒15Aのリンクピン14a,14bを挿入し、それらのリンクピン14a,14bに跨ってスナップ止め具18を係脱可能に嵌め込み係合させるように構成したので、前記窓ユニットU1の現場据付後に昇降窓3の傾き(肩下がり)が生じた際に、前記ピン穴17a,17b,17cのいずれかに前記リンクピン14a,14の少なくとも下部リンクピン14bを差し替え挿入することにより、前記昇降窓3の傾きを是正する調整を容易に行うことができるという効果がある。また、前述のように第1のガイドレール1内に垂下している窓吊持チェーン11がチェーン屈曲規制部21で挟み込み保持されて状態となっているため、第1のガイドレール1の内部空間に電気配線を何らの支障もなく行うことができるという効果がある。
【0039】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2による電動昇降窓装置の要部を示す断面図である。この実施の形態2では、前記実施の形態1による窓ユニットU1と、これと同一構成の他の窓ユニットU2とを同列に配置し、その配置時における窓ユニットU1とU2との位置決めを容易に行える構成としたものである。すなわち、窓ユニットU1,U2は前述のように同一構成をなしてそれぞれのガイドレール1,2(図7では第2のガイドレール2を省略している)の外壁背面側には位置決め用の突起部1b,2b(突起部2bについては図3参照)が縦方向に一体形成されているため、窓ユニットU1のガイドレール1,2の突起部1b,2bと窓ユニットU2のガイドレール1,2の突起部1b,2bとを互い違い状に当接(面接合)させ、その状態で窓ユニットU1側の突起部1b,2bと、これに隣り合う窓ユニットU2側の突起部1b,2bとを止めネジ(止着具)23で連結固定することにより、窓ユニットU1のガイドレール1,2と窓ユニットU2のガイドレール1,2とを同列状に組み付け合体させたものである。
【0040】
また、互いに隣り合う窓ユニットU1,U2の組み付け合体状態では、互いに隣り合う第1のガイドレール1間に前記突起部1bの突出長さに相当した隙間が生じるので、前記昇降窓3の外側において、前記隙間にカバー部材24を嵌着したものである。そのカバー部材24は弾性を有する樹脂によって断面ほぼU字形状に形成され、その両側片部24aの外側面には係合爪24bが一体形成されている。このようなカバー部材24の両側片部24aを、互いに隣り合うガイドレール1間の隙間に圧入することで、当該ガイドレール1相互の対向背壁面に前記係合爪24bを弾性係合させており、この状態では、前記カバー部材24の背壁面と前記各ガイドレール1の外側壁面とが面一になるようにしてある。
【0041】
以上説明した実施の形態2によれば、複数の窓ユニットU1,U2の連装施工時において、一方の窓ユニットU1のガイドレール1,2と他方の窓ユニットU2のガイドレール1,2とを隣接方向に突き合わせて各ガイドレールの突起部(位置決め部)1b相互を互い違い状に面接合させるだけで、前記一方のガイドレール1,2と他方のガイドレール1,2との正確な位置決めを簡単に手際よく行うことができ、窓ユニットU1,U2相互の連装施工時間を大幅に短縮できるという効果がある。また、窓駆動装置(巻上機ユニット)7が各窓ユニットU1,U2毎の左右ガイドレール1間の外寸間隔幅内に納められているので、前記窓ユニットU1,U2の連装施工時に各窓ユニットU1,U2の巻上機ユニット7相互が干渉するようなことがなく、数多くの窓ユニットU1,U2を容易に連装施工することができるという効果がある。さらに、前記窓ユニットU1,U2の多連装時に互いに隣り合うガイドレール1間の隙間をカバー部材24で塞いだので、止めネジ23の頭部が多連装窓ユニットの外側に露出するようなことがなく、しかも、カバー部材24とガイドレール1の外壁面とが面一になるので、多連装窓ユニットの外観が損なわれるようなことがないという効果がある。また、前記カバー部材24は両側片部24aの弾発力だけで係合爪24bをガイドレール1の壁面に係合保持させることができるという効果がある。
【0042】
実施の形態3.
この実施の形態3では、前記実施の形態1における第2のガイドレール2において、固定窓4,5が嵌着されていない部分の露出縦溝2aを、前記実施の形態2のカバー部材24と同一断面形状のカバー部材(図示せず)で塞ぐように構成したものである。このように、前記露出縦溝2aをカバー部材で塞ぐことにより、前記露出縦溝2a内に塵埃等の異物が侵入堆積するのを防止できると共に、その露出縦溝2aに嵌着されたカバー部材によって固定窓4,5を下側から支える支持機能を得ることもできるという効果がある。
【0043】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による電動昇降窓装置の片側正面図、図9は図8の斜視図、図10は図9の要部断面図である。
この実施の形態4では、前記実施の形態1による窓ユニットU1と、これと同一構成の他の窓ユニットU2とを直角方向に連装配置したものであり、図1から図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態4では、一方の窓ユニットU1のガイドレール1,2と他方の窓ユニット2のガイドレール1,2とでは高さを異ならせており、それぞれの第1のガイドレール1の上端部に窓駆動装置7の収納ボックスB1,B2を一体的に搭載し、前記両窓ユニットU1,U2の直角連装施工時に前記両方の収納ボックスB1,B2が上下方向に位置して直角方向に交差する配置となるように構成したものである。
【0044】
また、この実施の形態4では、図10に示すように、直角方向に隣り合うガイドレール1において、一方のガイドレール1の一側面に位置決め用の平行する縦長の突起部1cを、かつ他方の突起部1dの背壁面一側に位置決め突起用の平行する縦長の突起部1dをそれぞれ一体形成し、それらの突起部1c,1dを凹凸嵌合させて直角方向に隣り合うガイドレール1の相互を締結することにより、前記両方の窓ユニットU1,U2を直角方向に連装する構成としたものである。なお、前記突起部1c,1dは、前記実施の形態1および実施の形態2の突起部1bと同様の形状構成としてもよい。また、この実施の形態4において、前記突起部1c,1dおよび前記収納ボックスB1,B2以外、ならびに一方の窓ユニットU1のガイドレール1と他方の窓ユニットU2のガイドレール1とでは高さが異なっている点以外は前記実施の形態1と同一の構成となっているものである。
【0045】
以上説明した実施の形態4によれば、前記実施の形態1の場合と同様に、直角方向へ連装すべき窓ユニットU1,U2のそれぞれのガイドレール1として押し出し型材を使用し、それらのガイドレール1の高さを異ならせてそれぞれの上端部に収納ボックスB1,B2を一体的にユニット化すると共に、前記両ガイドレール1のそれぞれの突起部1c,1dの相互を凹凸嵌合させて連結するように構成したので、前記実施の形態1および実施の形態2の場合と同様に、簡単な施工で複数の窓ユニットU1,U2を直角方向へ容易に連装することができるという効果がある。
【0046】
実施の形態5.
図11はこの実施の形態5による電動昇降窓装置の要部を示す構成説明図であり、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態5では、前記各実施の形態で適用した窓吊持チェーン11における昇降窓3の吊持側とは反対側のチェーン端部11aを、スプロケット10の軸方向から見て当該スプロケット10と窓駆動装置7(各実施の形態の開閉機8を含む)との間における前記スプロケット10の外周上端よりも上方位置でブラケット6側に固定したものである。そして、前記窓吊持チェーン11のチェーン端部11aの固定点と前記スプロケット10との間には、昇降窓3の昇降開放動作時に前記スプロケット10から窓吊持チェーン11がスムーズに垂れ下がるような遊び間隔を設定している。
【0047】
このような実施の形態5の構成によれば、前記窓吊持チェーン11のチェーン端部11aを、前記開閉機8とスプロケット10との間で当該スプロケット10の外周下端より下方位置に固定した場合と比較して、昇降窓3の上昇動作時に前記スプロケット10からほぼU字状に垂れ下がる窓吊持チェーン11の垂れ下がり余剰長が短くなり、このため、その垂れ下がり余剰チェーン同士の絡みや干渉を防止することができて前記昇降窓3の昇降動作を常時スムーズに実現させることができると共に、窓駆動装置7の特に駆動部等の高さ寸法をコンパクトにできるという効果がある。また、前記窓吊持チェーン11のチェーン端部11aの固定点とスプロケット10との間に前記窓吊持チェーン11が垂れ下がる遊び間隔を設定したことにより、昇降窓3の上昇動作時に前記スプロケット10から垂れ下がる窓吊持チェーン11の余剰長を短くすることができることに加え、その窓吊持チェーン11の自由度が得られるという効果がある。
【0048】
なお、前記窓吊持チェーン11のチェーン端部11aは、前記スプロケット10の外周上端と同じ水平方向の位置に固定することが最も好ましいが、その固定点は前記スプロケット10の外周下端よりも上方位置であればよく、そのいずれの場合も同様の効果が得られる。
【0049】
実施の形態6.
この実施の形態6では、図11に示すように、前記実施の形態5における窓吊持チェーン11のチェーン端部11aの固定点とスプロケット10との間の下方にチェーン受け皿25を配置したものである。このチェーン受け皿25は、昇降窓3の引き上げ時にスプロケット10から垂れ下がる窓吊持チェーン11の垂れ下がり余剰部分を受け入れ収納するもので、その収納時に前記窓吊持チェーン11の屈曲を規制するように構成されている。その屈曲規制手段として、前記チェーン受け皿25は、これに収納される窓吊持チェーン11が二重に絡まないように左右の長さが最小限に抑えられており、好ましくは、前記窓吊持チェーン11のチェーン幅の1倍以上2倍以下の幅寸法に設定され、これにより、前記窓吊持チェーン11の屈曲を規制しながら収納することができるものである。なお、前記チェーン受け皿25は、これに収納される窓吊持チェーン11を緩衝することが可能な弾性を有する構成とすることもできる。
【0050】
以上説明した実施の形態6によれば、昇降窓3の引き上げ時にスプロケット10から垂れ下がる窓吊持チェーン11の垂れ下がり余剰部分を受け入れ収納するためのチェーン受け皿25を配置し、そのチェーン受け皿25内への前記窓吊持チェーン11の収納時に当該窓吊持チェーン11の屈曲が規制されるように前記チェーン受け皿25を構成したので、前記昇降窓3の引き上げ時に前記スプロケット10から窓吊持チェーン11が長く垂れ下がって巻上機ユニット(窓駆動装置7全体のユニット化部分)からはみ出すようなことがないという効果がある。しかも、前記チェーン受け皿25は窓吊持チェーン11のチェーン幅の1倍以上2倍以下の幅寸法に設定するなどして左右の長さが最小限に抑えられているので、前記チェーン受け皿25内に収納された窓吊持チェーン11が絡み合うようなこともなく、かつ窓駆動装置7の全体幅(左右幅)をコンパクトにできるという効果がある。さらに、前記チェーン受け皿25を弾性材で形成したり内面に弾性層を有する構成とすることにより、そのチェーン受け皿25内に垂れ下がり収納される窓吊持チェーン11が緩衝されて当該窓吊持チェーン11の衝突音を吸収できる消音効果も得られる。
【0051】
実施の形態7.
この実施の形態7では、前記各実施の形態の窓吊持チェーン11において、前記スプロケット10との噛合部およびチェーン屈曲規制部21との接触部分を樹脂やゴム等の吸音部材(図示せず)で被覆するように構成したものである。このような構成とすることにより、スプロケット10と窓吊持チェーン11との噛合による金属音、および窓吊持チェーン11とチェーン屈曲規制部21との接触による金属音の発生を防止することができるという効果がある。なお、この実施の形態7においては、窓吊持チェーン11のチェーンローラ13を樹脂やゴム等の吸音材で形成してもよく、この場合も同様の消音効果が得られる。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、各ガイドレール1,2として押し出し型材を適用しているので、各ガイドレール1,2の長さ方向のサイズを自由に変更でき、このため、窓ユニットの据え付け現場の間口の大きさが変わっていてもその間口に対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1による電動昇降窓装置を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面矢視図である。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】昇降窓の吊り下げチェーン取付部を示す部分的な正面図である。
【図5】図4の分解斜視図である。
【図6】昇降窓の肩下がり防止手段の操作説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2による電動昇降窓装置の要部を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による電動昇降窓装置の片側正面図である。
【図9】図8の斜視図である。
【図10】図9の要部断面図である。
【図11】この発明の実施の形態5による電動昇降窓装置の要部を示す構成説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1,2 ガイドレール
1a,2a 縦溝
1b,2b 突起部
3 昇降窓
4,5 固定窓
6 ブラケット
7 窓駆動装置
8 開閉機(モータ)
8a 動力伝達機構
9 回転軸
10 スプロケット
11 窓吊持チェーン
11a チェーン端部
12 内側リンクプレート(内側チェーン駒)
13 チェーンローラ
14,14a,14b リンクピン
15 外側リンクプレート(外側チェーン駒)
15A 最下部チェーン駒
16 チェーン押え部材
17 チェーン連結板
18 スナップ止め具
20 封止材
21 チェーン屈曲規制部
21a チェーンガイド
21b 屈曲規制片部
22 封止材
23 止めネジ
24 カバー部材
24a 両側片部
24b 係合爪
25 チェーン受け皿
30 ガラス面板(透明面板)
31 面板保持枠
32 縦框
33,34 横框
35 座板
40 面板(不透明面板)
41 面板保持枠
42 縦框
43 ,44横框
51 面板保持枠
52 縦框
53,54 横框
B1,B2 収納ボックス
U1,U2 窓ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のガイドレールと、これらのガイドレール間を昇降する昇降窓と、前記両ガイドレールの上方に配置されて前記昇降窓を昇降駆動する巻上機ユニットとを備え、その巻上機ユニットを前記両ガイドレール間の外寸間隔幅内に納めて当該ガイドレールと前記巻上機ユニットとを一体化した窓ユニットを構成し、その窓ユニットを複数連装可能とすべく各窓ユニットのガイドレールの外側面には、当該ガイドレール同士を所定方向の隣接状態に位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする電動昇降窓装置。
【請求項2】
位置決め部は、各ガイドレールの外側面縦方向に一体形成され、隣接連装すべき窓ユニットとのガイドレール間で互い違い状に面接合されて止着具で連結される突条片部からなっていることを特徴とする請求項1記載の電動昇降窓装置。
【請求項3】
位置決め部は、隣接連装する窓ユニット同士の間隔を調整できるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動昇降窓装置。
【請求項4】
隣接連装された窓ユニットのガイドレール間には、その表面側で位置決め部および止着具を覆うカバー部材が前記ガイドレールの表面と略同一面状に嵌着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動昇降窓装置。
【請求項5】
各ガイドレールは、各対毎の対向面に昇降窓の両側部を昇降自在に嵌め込むための縦溝を有する型材からなっていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電動昇降窓装置。
【請求項6】
巻上機ユニットは、一対のガイドレールの上方に配置された一対のスプロケットと、これらのスプロケットに噛合して前記ガイドレール内に垂下し昇降窓の両側部を吊持している窓吊持チェーンと、前記両スプロケットを同期回転駆動する開閉機とを備えてなり、前記各ガイドレールの内部には、前記窓吊持チェーンを昇降移動自在に挟み込んで当該窓吊持チェーンの屈曲を規制するチェーン屈曲規制部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動昇降窓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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