説明

電動機

【課題】本発明は、ロータの回転の応答性が低下することを抑制しつつ、弱め界磁を行うことができる電動機を提供する。
【解決手段】電動機10は、ステータ12と、ステータ12との間に隙間Sを有して配置されて回転するロータ13と、可動リング15と、可動リング15をロータ13の回転軸方向に沿って移動可能な可動装置21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱め界磁を行う電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動機では、回転数の高速域をより高く設定するために、弱め界磁を行うことが提案されている。この種の電動機では、電動機の回転数が所定値を超えると、可動性磁性体がロータに密着して一体に回転する。このことによって、ステータとロータとの間で生じる漏れ磁束量が増えるので、電動機の回転数の高回転域を、より高くすることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−308200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ロータに可動性磁性体を密着させる。ロータは、可動性磁性体が密着することによって、重さが増加するので、その慣性が大きくなる。言い換えると、ロータの回転の制御の応答性が低下する。
【0005】
本発明は、ロータの回転の応答性が低下することを抑制しつつ、弱め界磁を行うことができる電動機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の電動機は、ステータと、前記ステータとの間に隙間を有して配置されて回転するロータと、磁性体部材と、前記磁性体部材を前記ロータの回転軸方向に移動可能な磁性体部材移動手段とを備える。
【0007】
請求項2に記載の電動機は、請求項1の記載において、前記ロータの回転に応じて前記磁性体部材移動手段を制御する制御部を備える。
【0008】
請求項3に記載の電動機では、請求項1または2の記載において、前記磁性体部材は、前記ロータの前記回転軸方向に沿って前記隙間と対向する。
【0009】
請求項4に記載の電動機では、請求項3の記載において、前記磁性体部材は、前記隙間を覆うように設けられるとともに前記隙間から離れる方向に凹む湾曲面を有する。
【0010】
請求項5に記載の電動機では、請求項3または4の記載において、前記隙間は、環状につながる形状である。前記磁性体部材は、前記回転軸方向に前記隙間と対向する環状に形成される。
【0011】
請求項6に記載の電動機では、請求項1〜5のうちのいずれか1項の記載において、前記磁性体部材は、珪素鋼板で形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロータの回転の応答性が低下することを抑制しつつ、弱め界磁を行うことができる電動機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電動機の内側を示す断面図。
【図2】図1に示された可動リングとロータとステータとを示す斜視図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る電動機において、第2の位置にある可動リングの一部と、ステータとロータとの間の隙間とを拡大して示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る電動機の内側を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係る電動機を、図1,2を用いて説明する。図1は、本実施形態の電動機10の内側を示す断面図である。図1は、電動機10を、後述するロータ13の軸線Xに沿って切断した状態を示している。なお、図1中、ロータ13は切断されていない。
【0015】
図1に示すように、電動機10は、ハウジング11と、ステータ12と、ロータ13と、出力軸部材14と、可動リング15と、可動システム20とを備えている。
【0016】
ステータ12は、内側に収容空間を備える環状に形成されており、ハウジング11内に固定されている。ロータ13は、ステータ12の内側に収容されている。ロータ13の外面13aとステータ12との間には、所定の隙間Sが設けられている。隙間Sは、ロータ13の周方向に一周つながる環状である。隙間Sは、ロータ13の外面13aとステータ12の内面12aとの間の幅がロータ13の周方向に一定になるように設けられている。
【0017】
出力軸部材14は、一方向に延びる円柱である。出力軸部材14は、その軸線がロータ13の軸線Xと重なるように、ロータ13に一体に設けられている。ロータ13が回転すると、出力軸部材14は、ロータ13と一体に回転する。ロータ13の軸線Xは、ロータ13が回転する際の回転軸となる。回転軸は、ロータ13の回転中心である。
【0018】
出力軸部材14の一端部14aは、ハウジング11に軸受部16を介して回転可能に支持されている。出力軸部材14の他端部14bは、ハウジング11の外に出ている。出力軸部材14の他端部14b側は、軸受部16によってハウジング11に回転可能に支持されている。
【0019】
可動リング15は、一例として、複数のリング形成部材15aが互いに重なることによって、形成されている。各リング形成部材15aは、珪素鋼板を材料としており、板状に形成されている。各リング形成部材15aの形状は、各々同じである。各リング形成部材15aは、例えば溶接されることによって互いに固定されて1つの部材に形成されている。可動リング15は、本発明で言う磁性体部材の一例である。
【0020】
可動リング15は、内側に貫通孔17が形成されるとともに環状に一周つながる形状である。可動リング15は、内側の貫通孔17内に出力軸部材14が通るように、ハウジング11内に配置されており、後述される可動装置21によってハウジング11内に支持されている。可動装置21については、後で説明する。
【0021】
図2は、可動リング15とロータ13とステータ12とを示す斜視図である。図2に示すように、可動リング15の外縁15cによって形成される形状は、円である。可動リング15に内縁15bによって形成される形状は、円である。外縁15cによって形成される円と内縁15bによって形成される円との中心、つまり軸線は、出力軸部材14の軸線と重なる。
【0022】
図1に示すように、可動リング15は、ロータ13の軸線Xが延びる方向Yに、隙間Sに対向する面18を有している。方向Yは、ロータ13の回転軸方向でもある。図1に示すように、面18においてロータ13の径方向に沿う幅W1は、この方向に沿う隙間Sの幅W2よりも大きい。そして、隙間Sの全域は、ロータ13の方向Yに面18と対向する。つまり、隙間Sは、方向Yに沿って見たときに、可動リング15の外縁15cと内縁15bとの間に位置する。
【0023】
可動システム20は、可動装置21と、ガイド部22と、制御部23と、回転数検出センサ24とを備えている。可動装置21は、可動リング15を方向Yに移動可能に支持する。可動装置21は、本発明で言う、磁性体部材をロータの回転軸方向に沿って移動可能な磁性体部材移動手段の一例である。可動リング15には、方向Yに垂直な方向に沿って外側に突出する支持用突出部25が設けられている。
【0024】
可動装置21は、支持用突出部25を支持しており、可動リング15を方向Yに沿って移動可能である。なお、移動中の可動リング15の姿勢は、変化しない。言い換えると、可動装置21は、図1に示すように、可動リング15の面18が方向に沿って隙間Sと対向する姿勢を維持したまま、可動装置21によって、方向Yに沿ってロータ13に近づく方向に移動されるとともに、方向Yに沿ってロータ13から離れる方向に移動される。
【0025】
可動装置21は、ソレノイドを用いて構成されてもよいし、または、ボールねじを用いて構成されてもよい。
【0026】
ガイド部22は、可動リング15の移動をガイドする。可動リング15において方向Yに垂直な方向に沿って支持用突出部25に対向する位置には、ガイド用突出部26が形成されている。ガイド用突出部26は、外側に突出している。
【0027】
ガイド部22は、軸受部16を内側に収容するとともに、方向Yに延びる一対の壁形状である。ガイド部22は、溝27を有している。溝27は、方向Yに沿って延びている。支持用突出部25とガイド用突出部26とは、溝27内に収容されている。支持用突出部25ガイド用突出部26とは、可動リング15が移動するときに、溝27の縁面によって移動がガイドされる。このことによって、可動リング15の移動は、ガイド部22によってガイドされる。
【0028】
回転数検出センサ24は、出力軸部材14の回転数に応じた信号を、後述する制御部23に出力する。言い換えると、回転数検出センサ24は、ロータ13の回転数に応じた信号を制御部23に出力する。なお、ロータ13の回転数とは、いわゆる、電動機10の回転数である。
【0029】
制御部23は、回転数検出センサ24から受信した信号に基づいて出力軸部材14の回転数を検出する。そして、制御部23は、検出した回転数に基づいて、可動装置21を駆動して、可動リング15を移動する。
【0030】
ここで、可動リング15の位置について説明する。本実施形態では、可動リング15は、第1の位置P1と、第2の位置P2との間で移動可能である。第1の位置P1は、図1中実線で示している。第1の位置P1は、ロータ13から離れた位置であって、可動リング15が、ロータ13とステータ12との間で生じる漏れ磁束の量に影響しない位置である。言い換えると、第1の位置P1にあるときは、可動リング15が弱め界磁を行わない位置である。本実施形態では、第1の位置P1は、ロータ13に対して予め決定された1つの位置である。
【0031】
第2の位置P2は、図1中2点鎖線で示す位置である。第2の位置P2は、第1の位置P1に対してロータ13に近づく位置である。可動リング15が第2の位置P2にあることによって、ロータ13とステータ12との間で生じる漏れ磁束の量が多くなる。漏れ磁束の量が多くなることによって、電動機10に対して弱め界磁が施されるので、ロータ13の回転数、つまり、電動機10の回転数の高回転域を、より高回転にすることができる。第2の位置P2は、電動機10に求められる高回転域に合わせて設定されている。
【0032】
なお、第2の位置P2は、可動リング15が、ロータ13とステータ12とに接触しない位置である。
【0033】
制御部23は、ロータ13の回転数が所定回数未満であるときは、可動リング15が第1の位置P1に位置するように可動装置21を制御する。制御部23は、ロータ13の回転数が所定回転数以上になると、可動リング15を第2の位置P2に移動するために、可動装置21を制御する。
【0034】
ここで言う所定回転数とは、電動機10に予め設定されている値である。一例として、所定回転数は、電動機10の高回転域において電動機10のトルクが急激に低下し始める値である。この電動機10の高回転域における電動機10のトルクの急激な低下は、電動機10の誘起電圧の大きさが電動機10の電源電圧の大きさを超したときに起こる。つまり、電動機10の誘起電圧の大きさが電動機10の電源電圧の大きさを超し、電動機10の回転数が、電動機10のトルクが急激に低下しはじめる回転数以上になったときに可動リング15が第2の位置P2に移動して弱め界磁が行われることによって、電動機10の高回転域をさらに高回転にすることができる。
【0035】
ロータ13の回転数が所定回転数以上になると可動リング15を第2の位置P2に移動するべく可動装置21を制御することは、本発明で言う、ロータの回転数に応じて磁性体部材移動手段を制御することの一例である。
【0036】
つぎに、電動機10の動作を説明する。電動機10は、電池31から電力が供給されることによって、ロータ13が回転し、それゆえ、出力軸部材14が回転する。電池31から電動機10に供給される電力は、外部に設置されるインバータ30によって制御される。
【0037】
制御部23は、本実施形態では、インバータ30も制御する。制御部23は、ロータ13の回転数が所定値以上になったと判定すると、インバータ30を制御して、電動機10に供給される電流を制御して弱め界磁制御を行う。
【0038】
また、制御部23は、上記のように、電動機10に供給される電流を制御して弱め界磁制御を行うとともに、可動装置21を制御して、可動リング15を第1の位置P1から第2の位置P2に移動する。
【0039】
可動リング15が第2の位置P2に移動することによって、ロータ13とステータ12との間に生じる漏れ磁束の量が増加する。このことによって、ロータ13とステータ12との間に弱め界磁が施される。
【0040】
電動機10に弱め界磁が施されることによって、ロータ13の高回転域を、より高回転にすることができる。
【0041】
このように、本実施形態では、電動機10に供給される電流を制御することによる弱め界磁制御と、可動リング15を用いる弱め界磁とを行っている。可動リング15を用いる弱め界磁では、可動リング15をロータ13側に動かす。このため、弱め界磁を行うために、ロータ13に磁性体部材を取り付けたりすることがない。言い換えると、ロータ13の慣性を変更することがないので、ロータ13の回転を止める際、または、さらに高速回転させる場合などにおいて、ロータ13の回転の応答性が低下することがない。
【0042】
また、制御部23は、電動機10の回転数、つまり、ステータ12に対するロータ13の回転数に基づいて可動装置21を制御して可動リング15をロータ13に近づける。具体的には、電動機10の回転数が所定回転数以上になると可動リング15をロータ13に近づける。電動機10の高回転域をさらに高回転とするために必要なときに可動リング15をロータ13に近づけるので、電動機10のトルクの低下を抑制しつつ、電動機10の高回転域をさらに高回転にすることができる。
【0043】
また、可動リング15が、ロータ13とステータ12との間に設けられる隙間Sにロータ13の軸線Xが延びる方向Yに沿って対向するので、ロータ13とステータ12との間に生じる磁束を効率よく吸収できる。言い換えると、ロータ13とステータ12との間に生じる漏れ磁束を効率よく増やすことができる。
【0044】
また、可動リング15は、隙間Sと対向する環状に形成されることによって、面積を大きくすることができるので、ステータ12とロータ13との間に生じる磁束を多く吸収することができる。
【0045】
また、可動リング15が珪素鋼板で形成されている。珪素鋼板は鉄損が小さく透磁率が高いので、磁束を効率よく吸収することが可能である。よって、可動リング15が珪素鋼板で形成されることによって磁気抵抗を効率よく低減させることができる。
【0046】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る電動機を説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、制御部23と、可動装置21とが第1の実施形態と異なる。上記異なる点を説明する。
【0047】
なお、第2の実施形態の電動機10の構成は、第1の実施形態と同じであって、制御部23の動作と可動装置21の動作とが異なるので、第1の実施形態で用いた図1,2を用いて説明する。
【0048】
本実施形態では、制御部23は、可動リング15の位置を、第1,2の位置P1,P2との間の位置にも位置決めする。この点について具体的に説明する。可動リング15は、ロータ13とステータ12との間に生じる磁束を吸収する。可動リング15の位置に応じて、可動リング15が吸収する磁束の量が変化する。可動リング15がロータ13に近づくにつれて、可動リング15が吸収する磁束の量は増加する。言い換えると、可動リング15がロータ13に近づくにつれて、漏れ磁束の量が増加する。
【0049】
制御部23は、ロータ13の高回転域を、ロータ13の回転数に応じて段階的に高回転側に移行できるように、可動リング15の位置を制御する。具体的には、制御部23は、記憶部を有しており、この記憶部にロータ13の回転数と可動リング15の位置との関係を示すマップなどの情報を有している。制御部23は、回転数検出センサ24から受信した信号に基づいてロータ13の回転数を検出すると、上記情報に基づいて、可動リング15の位置をロータ13の回転数に応じた位置に位置決めるように、可動装置21を制御する。
【0050】
本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、電動機10の高回転域を、ロータ13の回転数に応じて、細かく制御することができる。
【0051】
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る電動機を、図3を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、可動リング15の形状が第1の実施形態に対して異なる。他の点は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点について、説明する。
【0052】
図3は、本実施形態の電動機10において、第2の位置P2にある可動リング15の一部と、ステータ12とロータ13との間の隙間Sとを拡大して示す断面図である。図3は、電動機10をロータ13の軸線Xに沿って切断した断面において、第2の位置P2にある可動リング15の近傍を示している。
【0053】
図3に示すように、本実施形態の可動リング15の面18は、隙間Sを覆うように設けられるとともに隙間Sから離れる方向に湾曲する湾曲部18aを有している。面18は、湾曲部18aを有することによって、面積が増加する。面18の面積が増加することによって、可動リング15が吸収できる磁束の量が増加する。また、方向Yに沿って見ると、隙間Sの全域は、湾曲部18aに対向している。
【0054】
本実施形態では、可動リング15は、複数のリング形成部材15aから構成されている。このため、本実施形態では、隙間Sに対向するリング形成部材15aのみが湾曲部18aを有する形状である。
【0055】
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、さらに、可動リング15が吸収できる磁束の量を増やすことができる。なお、本実施形態の可動リング15は、第2の実施形態に用いられてもよい。
【0056】
本実施形態では、面18の一部が湾曲部18aとなっている。しかしながら、他の例としては、面18の全体が隙間Sから離れる方向に湾曲していてもよい。この場合、面18が湾曲部18aとなる。このことは、面が湾曲部を有することの一例である。
【0057】
つぎに、本発明の第4の実施形態に係る電動機を、図4を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、可動システム20が2つの可動装置21を備える点が、第1の実施形態と異なる。他の点は、第1の実施形態と同一である。
【0058】
図4は、本実施形態の電動機10の内側を示す断面図である。図4は、電動機10を図1と同様に示す断面図である。図4に示すように、本実施形態の可動システムは、一対のガイド部22と、一対の可動リング15と、一対の可動装置21とを備えている。一方のガイド部22と一方の可動リング15と一方の可動装置21とは、第1の実施形態で説明されたようにハウジング11に設けられている。
【0059】
他方のガイド部22と、他方の可動装置21と、他方の可動リング15とは、出力軸部材14において、ロータ13を挟んで一端部側に設けられている。出力軸部材14の一端部側に設けられるガイド部22と可動リング15と可動装置21とは、第1の実施形態で説明された、出力軸部材14の他端部側に設けられるガイド部22と可動リング15と可動装置21と同じである。
【0060】
本実施形態では、制御部23は、回転数検出センサ24の出力信号に基づいて、両可動装置21の動作を制御する。第1の実施形態と同じである。本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果に加えて、2つの可動リング15を用いるので、吸収する磁束の量を増加することができる。
【0061】
なお、本実施形態の可動システムは、第2,3の実施形態の電動機10に用いられてもよい。
【0062】
なお、第1〜4の実施形態では、可動リング15は、複数のリング形成部材15aで形成されているが、可動リング15は、種々形態に応じて、単一のリング形成部材で形成されてもよいし、複数のリング形成部材で構成されてもよい。
【0063】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…電動機、12…ステータ、13…ロータ、15…可動リング(磁性体部材)、18a…湾曲部(湾曲面)、21…可動装置(磁性体部材移動手段)、23…制御部、S…隙間、Y…方向(回転軸方向)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータとの間に隙間を有して配置されて回転するロータと、
磁性体部材と、
前記磁性体部材を前記ロータの回転軸方向に沿って移動可能な磁性体部材移動手段と
を具備する
ことを特徴とする電動機。
【請求項2】
前記ロータの回転に応じて前記磁性体部材移動手段を制御する制御部を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記磁性体部材は、前記ロータの前記回転軸方向に沿って前記隙間と対向する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機。
【請求項4】
前記磁性体部材は、前記隙間を覆うように設けられるとともに前記隙間から離れる方向に凹む湾曲面を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項5】
前記隙間は、環状につながる形状であり、
前記磁性体部材は、前記回転軸方向に前記隙間と対向する環状に形成される
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動機。
【請求項6】
前記磁性体部材は、珪素鋼板で形成される
ことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の電動機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−90538(P2013−90538A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231723(P2011−231723)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】