説明

電動耕耘機

【課題】少しの間、手押しハンドルのグリップから手を離しても耕耘機を停止させない電動耕耘機を提供すること。
【解決手段】圃場を耕耘するロータリ部Rの駆動用電動モータ8を備えた小型電動耕耘機において、ハンドル12a又は12bにモータ入切用の運転スイッチ33を設け、該運転スイッチ33の入りを検出してからモータ8が入りになるまでの時間より、運転スイッチ33の切りの後にモータ8が切りになるまでの時間を長く設定したモータ駆動制御部を備えている。そのため耕耘機の旋回時等における振動により、オペレータが一瞬運転スイッチ33を切りとしても直ぐに入りとすることで、モータ8が切りにならないで、入りのままにすることができ、電動耕耘機が停止することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手軽に耕耘作業ができる電動耕耘機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動耕耘機には耕耘爪を回転駆動させる動力源である駆動モータを備え、該駆動モータの入切スイッチを手押しハンドルに設けた、手押しタイプのミニ電動耕耘機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−34000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の電動耕耘機は、耕耘爪を回転駆動させる駆動モータの入切スイッチを手押しハンドルのグリップを把持することで作動する構成になっているので、手押しハンドルのグリップから手を離すと駆動モータが停止する。
【0005】
そのため、電動耕耘機を運転しながら耕耘作業をしているときに一瞬、手押しハンドルのグリップから手を離すと、駆動モータが切れて耕耘機が直ぐ停止する。そして再び駆動モータを起動させると、その分余計な電力を使用し、バッテリの容量を消耗しやすくなる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、少しの間、手押しハンドルのグリップから手を離しても耕耘機を停止させない電動耕耘機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
すなわち請求項1記載の発明は、圃場を耕耘するロータリ部(R)と、ロータリ部(R)を駆動するモータ(8)と、モータ(8)の動力をロータリ部(R)に伝動する伝動軸(41)とを備えた電動耕耘機において、オペレータが把持するハンドルグリップ(13a,13b)を設け、該ハンドルグリップ(13a,13b)の近傍にはオペレータがハンドルグリップ(13a,13b)を把持しながら操作するモータ(8)の入切用の運転スイッチ(33)を設け、 該運転スイッチ(33)の入りを検出してからモータ(8)が入りになるまでの時間より、運転スイッチ(33)の切りの後にモータ(8)が切りになるまでの時間を長く設定したモータ駆動制御装置(100)を備えたことを特徴とする電動耕耘機とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、圃場を耕耘するロータリ部(R)と、ロータリ部(R)を駆動するモータ(8)と、モータ(8)の動力をロータリ部(R)に伝動する伝動軸(41)とを備えた電動耕耘機において、オペレータが把持するハンドルグリップ(13a,13b)を設け、該ハンドルグリップ(13a,13b)の近傍にオペレータによるハンドルグリップ(13a,13b)の把持状態を検出する運転センサ(51)を設け、該運転センサ(51)が前記把持状態を検出してからモータ(8)が入りになるまでの時間より、運転センサ(51)が前記把持状態を検出しなくなってからモータ(8)が切りになるまでの時間を長く設定したモータ駆動制御装置(100)を備えたことを特徴とする電動耕耘機とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、耕耘機の旋回時等における振動により、オペレータが一瞬ハンドルグリップ(13a,13b)から手が離れて運転センサ(51)を切りとしても直ぐに把持して直して運転センサ(51)を入り操作することで、モータ(8)が切りにならないで、入りのままにすることができ、耕耘作業を停止しないで継続して行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、耕耘機の旋回時等における振動により、オペレータが一瞬ハンドルグリップ(13a,13b)部分から手を離しても直ぐにハンドルグリップ(13a,13b)を把持し直すことで、モータ(8)が切りにならないで、入りのままにすることができ、耕耘作業を停止しないで継続して行うことができる。また、耕耘作業時におけるハンドル(12a,12b)を握りやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の電動耕耘機の左側面図である。
【図2】図1の電動耕耘機の背面図である。
【図3】図1の電動耕耘機の平面図である。
【図4】図1の電動耕耘機の左側面図である。
【図5】図1の電動耕耘機のハンドルを折りたたんだ状態の左側面図である。
【図6】図1の電動耕耘機のハンドルグリップ部の操作を説明する側面図である。
【図7】図6のハンドルグリップ部の操作を説明する底面図である。
【図8】図1の電動耕耘機のバッテリケースの正面図(図8(a))と側面図(図8(b))である。
【図9】図8のバッテリケースの底面図(図9(a))と側面図(図9(b))である。
【図10】図1の電動耕耘機のバッテリケースを取り外した時の平面図である。
【図11】図1の電動耕耘機の制御ブロック図である。
【図12】図1の電動耕耘機のバッテリとモータ及び運転状況などの表示部のモニタユニット等と充電器のシステムブロック図である。
【図13】図1の電動耕耘機のモータ駆動制御のフローチャートである。
【図14】図1の電動耕耘機のハンドルグリップ部に設けた運転センサを示す斜視図である。
【図15】図1の電動耕耘機の運転センサ信号とモータの運転信号のタイミングを説明する図である。
【図16】図1の電動耕耘機のモータ駆動用のバッテリを直流電源から充電可能にした構成の回路ブロック図(図16(a))とバッテリの接続コネクタとバッテリ)の充電用コネクタの形状の違いを説明する図(図16(b))である。
【図17】図1の電動耕耘機のモータ駆動用のバッテリを商用電源から電源コードを付けた状態で使用する回路のブロック図である
【図18】図1の電動耕耘機のモータ駆動用のバッテリを商用電源から充電する回路のブロック図である。
【図19】図1の電動耕耘機のモータ駆動用のバッテリを商用電源から充電する回路のブロック図である。
【図20】図1の電動耕耘機のモータ駆動用のバッテリを商用電源から充電する回路の制御ブロック図(図20(a))と直流電源充電器の接続コネクタと耕耘機の二次電池(バッテリ)の充電用コネクタの形状の違いを説明する図(図20(b))である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の歩行型の電動耕耘機の実施の形態について以下、図面と共に説明する。
本明細書では、耕耘機の手動ハンドルを持ったオペレータが耕耘機を前進させる方向を前といい、その反対側を後ろといい、耕耘機の前進方向を向いて左右方向をそれぞれ左右ということにする。
【0013】
前後方向に長手方向が設けられた機体フレーム1の前部には伝動軸41(図4)を内装する伝動フレーム2を取り付けている。そして伝動軸41の伝動により横軸芯周りに回転駆動する左右方向に伸びたロータリ軸3と、該ロータリ軸3に適宜取り付ける複数のロータリ爪4と、ロータリ軸3の左右両端に取り付けるサイドディスク5とからなるロータリ部Rを設けている。
【0014】
機体フレーム1の上部には、ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のロータリカバー6を取り付けている。ロータリカバー6の左右中央部には平面視U字型の壁部6aを形成し、該壁部6aの内側に沿って開口部6b(図10)を形成している。そして該開口部6bの前側半分にはモータカバー7を取り付け、モータカバー7の内部には前記伝動軸41に動力を伝動する駆動モータ8(図3)を装着し、開口部6bの後側半分にはバッテリ48(図12)を収容したバッテリケース9を着脱自在に装着する。駆動モータ8とバッテリケース9は機体フレーム1に取り付けている載置台10(図4)上に載置し、開口部6bを貫通して配置する構成としている。
【0015】
機体フレーム1の後部には前後方向に伸びたハンドルフレーム11の前端側を接続している。ハンドルフレーム11は後側ほど上向きになるように傾斜配置されており、ハンドルフレーム11の後端部には左右の操作ハンドル12a,12bが分岐して設けられ、左右の操作ハンドル12a,12bの後端部にはオペレータの把持用のハンドルグリップ13a,13bが取り付けられている。
【0016】
また、ハンドルフレーム11より下側の機体フレーム1の後端部には電動耕耘機を移動するときに機体フレーム1を支持する支持車輪14と、耕耘作業時に機体のダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。
【0017】
次に、機体の駆動構成について説明する。
図2の機体背面図と図3の機体平面図に示すように、ハンドルフレーム11から操作ハンドル12a,12bが分岐する位置にモータ駆動用電源の入り切りをする電源スイッチ16を設け、左右一方のグリップ13bの近傍にモータ8の駆動を入り切りする操作レバー17(図1、図6)を設けている。バッテリケース9の後面にはバッテリケース9内のバッテリ48(図12)と駆動モータ8とを接続する配線20の出力端子18とバッテリ48に充電するための充電端子19とを設ける。出力端子18と充電端子19は機体背面視でハンドルフレーム11の左右両側にそれぞれ設ける構成で、オペレータが操作側の機体後ろ側からハンドルフレーム11が邪魔になり難く配線の着脱を行いやすくしている。また、出力端子18と充電端子19を機体の背面視でハンドルフレーム11を挟んで左右両側に分けてそれぞれ配置したため、視覚的にも分かりやすく誤差込を防止することができる。
【0018】
バッテリ48とモータ8を接続する配線20(図1、図3)はバッテリケース9の下部からロータリカバー6の壁部6aの外周に形成する傾斜部6cの下方と後述する載置台10の間の空間を通過する構成としている。
バッテリケース9は上面に取っ手9aを形成し、下面に位置固定用の足9bを複数形成し、位置固定用の足9bを載置台10に形成する位置固定用の穴10a(図10)に挿入することで、バッテリケース9の載置位置を固定する構成としている。また、図10に示すようにバッテリケース9はその左右側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されると共に、その前面に位置固定用の細長い凸部9c(図4)を形成し、該凸部9cをモータカバー7に形成する位置固定用の細長い凹部7aと係合可能な構成としている。また、載置台10の左右中央には開口部10b(図10)を設け、載置台10に雨水等で流入した水が、該開口部10bに一旦貯めることができるようにしている。
【0019】
また、図8〜図10に示すようにバッテリケース9を機体にセットするときには位置固定用の凸部9cを位置固定用の凹部7aに挿入して、そのまま下に下ろすと位置固定用の足9bが載置台10の位置固定用の穴10aに挿入されてバッテリケース9の位置固定がなされる。バッテリケース9を取り出すときは取っ手9aを引き上げるだけで取り出すことができる。
【0020】
本実施の形態のバッテリケース9は前側をモータカバー7で、側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されるが、壁部6aはロータリカバー6とは別体に形成しても良い。例えば載置台10側に取り付けた壁部6aを形成する構成としても良い。また、壁部6aは後ろ上がり傾斜状に形成することで、バッテリケース9の支持を強固にすると共に機体全体の美観を向上させることができる。また、バッテリケース9の背面側には後支持壁部6d(図2)を形成してバッテリケース9を背面から支持している。後支持壁部6dはバッテリケース9の側面を支持する壁部6aよりも低く形成し、出力端子18と充電端子19を機体背面側に露出する構成とすることで出力端子18と充電端子19への接続をし易くしている。
【0021】
次に、操作レバー17の操作安全装置Tについて主に図6と図7により説明する。
操作レバー17(17a,17b)はハンドル12bの基部側の一部を覆う断面が逆U字状のカバー部材29に設けられた横軸30の周りに回動する構成とし、該操作レバー17は横軸30の前側に形成されるスイッチ操作部17aと横軸30の後側に形成される把持部17bからなる。操作レバー17の把持部17bを把持操作でスイッチ操作部17aが下向きに回動した後に操作レバー17を初期位置に戻すためのスプリング25(図7)が横軸30と一体の突起30aとカバー部材29の適宜箇所に連結する。
【0022】
また、横軸30より後方位置のカバー部材29の壁面を貫通させた位置には移動軸31(31a,31b,31c)を設ける。該移動軸31は把持部17bと交差する方向(左右方向)に支持され、この左右方向に摺動するようにカバー部材29の壁面に配置される。また、移動軸31は機体内側から順に小径部31aと大径部31bとを隣接して形成している。これら部材29〜31等により操作安全装置Tが構成される。そして、操作安全装置Tの初期位置では大径部31bが把持部17bの回動軌跡上に位置する構成としている(図7(a)参照)。また、移動軸31の機体内側端には移動軸31を機体外側に向かって押し操作するための押し部31cを形成し、押し部31cとカバー部材29の壁面との間の移動軸31にスプリング35を巻回している。
【0023】
さらに、モータ8の駆動を入切するリミットスイッチ(運転スイッチ)33がカバー部材29に設けられている。操作レバー17の把持部17bを把持操作でスイッチ操作部17aが下向きに回動したときに、該スイッチ操作部17aが押圧する位置にリミットスイッチ33が設けられている。
このように操作レバー17の操作安全装置Tは、スイッチ操作部17a、把持部17b、スプリング25、カバー部材29、横軸30、小径部31aと大径部31bと押し部31cを有する移動軸31、リミットスイッチ33、スプリング35を備えた構成である。
【0024】
上記構成における操作レバー17と安全装置Tの耕耘作業時の操作について以下説明する。
電源スイッチ16(図1)を入りにして、押し部31cを親指で押すと、移動軸31が機体外側に向かって横移動し、大径部31bが機体外側に移動し、小径部31aが操作レバー17の回動軌跡上に位置する(図7(b)参照)。そして、オペレータが把持部17bを把持するとスイッチ操作部17aと把持部17bが、リミットスイッチ33が入りとなる位置まで回動し、モータ8が駆動しロータリ部Rが回転して耕耘作業が行われる(図6(b)参照)。耕耘作業が始まると、把持部17bと小径部31aとが当接状態となっており、把持部17bが大径部31bが初期位置に戻るのを止めるため、オペレータは押し部31cを離し、把持部17bを把持した状態で耕耘作業を継続できる。
【0025】
耕耘作業を停止するときには、オペレータが把持部17bを離すとスプリング25の作用でスイッチ操作部17aが初期位置まで回動し、リミットスイッチ33が切られてロータリ部Rは停止する(図6(c)参照)。また、スプリング35の作用で移動軸31が機体内側に移動し、初期位置に戻る。
【0026】
オペレータが電源スイッチ16を入りにした状態で電動耕耘機を持ち運んでいるときに、不意に操作レバー17の把持部17bに当接して把持部17bが回動しても、把持部17bが移動軸31の大径部31bに当接して、スイッチ操作部17aがリミットスイッチ33の入り位置まで回動せず、リミットスイッチ33は入りとはならない(図6(a)参照)。押し部31cを押した状態で把持部17bを操作しなければロータリ部Rは回転しないため、電源スイッチ16が入り状態であることをオペレータが気がつかずに持ち運んでいるときに不意にロータリ部Rが回転することがないので安全である。
【0027】
本実施例の電動耕耘機の制御装置100を中心とする制御ブロック図を図11に示し、充電回路と放電回路を備えた二次電池(バッテリ)48とモータ8及び運転状況などの表示部のモニタユニット等の関連を示す制御装置100のシステムブロック図を図12に示す。充電回路45と放電回路46及び複数のバッテリセル47で構成される二次電池48にモータ8を接続し、リミットスイッチ(運転スイッチ)33のオンにより運転信号を発生させて放電回路46に供給し、バッテリ48から電流を供給してモータ8を回転させる。なお、二次電池48のモータ駆動用バッテリセル47には別途設けた充電器50で充電できる構成である。
【0028】
本実施例では、図13のフローチャートに示すように、リミットスイッチ(運転スイッチ)33のオンを検出してからモータ8が駆動開始するまでの時間を瞬時とし、リミットスイッチ33がオフしてからモータ8が停止するまでの時間を2〜3秒とする。すなわち、リミットスイッチ33のオンの判定時間(T1)は短く(T1:すぐに起動するようにする)、オフの判定時間(T2)は長く(T2>T1)する。
【0029】
こうして、電動耕耘機の耕耘作業中に耕耘時の振動や旋回操作でオペレータが一時的にハンドルグリップ13b及び把持部17bから手を離して、リミットスイッチ33がオフとなっても、直ぐにハンドルグリップ13b及び把持部17bを把持し直し、リミットスイッチ33をオン操作することで、モータ8を停止させることなく作業を継続できる。従って、再起動を行う必要がないので、バッテリ48の容量低下の抑制やバッテリセル47の劣化(高電流の放電)防止も可能になる。この制御は例えば図11のマイクロコンピュータ100によって行うことができる。
【0030】
また、前記リミットスイッチ33に代えて図14に示すようにハンドルグリップ13a及び/又は13bに人体を検出する運転センサ51を設け、ハンドルグリップ13a及び/又は13bを握ったら耕耘機の運転が可能となるようにしても良い。運転センサ51は、例えば静電容量型の検出器を用いる。この場合の運転センサ51の信号とモータ8の運転信号のオンオフのタイミングチャートは図15に示すように運転センサ51の信号の入りからモータ8の運転開始までの判定時間(T1)が比較的短く、運転センサ51の信号の切りからモータ8の運転停止までの判定時間(T2)が比較的長く(T2>T1)なるように設定している。そのため、作業開始時にハンドルグリップ13a及び/又は13bを握れば、運転センサ51がオペレータの手を検出し、直ちにモータ8が作動する。また耕耘作業中に振動や旋回時に一時的にハンドルグリップ13a及び/又は13bから手を少しの時間離しても運転センサ51が手を検出しなくなっても、オペレータが直ぐにハンドルグリップ13a及び/又は13bを把持し直すと、運転センサ51がオンすることでモータ8が停止することなく耕耘作業を継続することができる。
この実施例の場合は、リミットスイッチ33を操作することなく、オペレータがハンドルグリップ13a及び/又は13bを把持するか、離すだけで耕耘機の運転操作を行うことができるため、把持しやすく操作が運転操作が容易になる。
【0031】
本発明の制御構成は、図12の回路を基本とする。すなわち、図12の回路構成では、充電回路45と放電回路46及び複数のバッテリセル47で構成される二次電池48にモータ8を接続し、運転スイッチ33のオンにより運転信号を発生させて放電回路46に供給し、バッテリ48から電流を供給してモータ8を回転させる。そして、充電器50でバッテリ48を充電する。
図12の別実施例として、図16(a)の回路ブロック図に示すように商用の交流電源で作動する直流電源回路52を充電器50の代わりに利用してバッテリ48を充電することができる。
【0032】
図16(b)には二次電池からなるバッテリ48に商用交流電源から接続コネクタ52aを経由して直流電源用充電器52を充電して、該充電器52から耕耘機の二次電池(バッテリ)48の充電用コネクタ48aに充電できる構成を備えている。直流電源用充電器52には電圧切替スイッチ52dを設け、電源として使用するときは例えばDC24Vを出力し、充電器52として使用するときは例えばDC30Vを出力する。
あるいは図17に示すように、商用交流電源から電源コード53を接続コネクタ52aに取り付け、電源コード53をつけた状態で耕耘作業を行う構成もある。なお、図示はしないが直流電源充電器52に充電回路を設けて電源コード53をつけて充電し、電源コード53を外して耕耘作業を行うことができるようにしても良い。
【0033】
なお、充電器52として、図12に示す二次電池を用いる代わりに、図16で示すような電気商用の交流電源で作動する直流電源を使用する場合には、図18のブロック図に示すように交流100Vの商用電源から変圧回路、平滑回路、安定化回路、放電回路及び短絡防止回路を順次接続し、出力短絡保護回路を設けることで、直流電源の出力回路を保護することができる。
また、図19のブロック図に示すように前記出力短絡保護回路と共に負荷電流が規定値を超えたら出力をカットするモータ8を流れる電流の検出回路と出力制限回路を設けた構成とすることで、負荷電流が規定値を超えた場合には直流電源の出力回路を保護することができる。
【0034】
さらに、図20(a)の制御ブロック図と図20(b)に示すように二次電池(バッテリ)48に商用交流電源から接続コネクタ52aを経由して直流電源充電器52を充電して、該充電器52から耕耘機の二次電池(バッテリ)48の充電用コネクタ48aに充電できる構成を備えている場合に、直流電源充電器52の外郭ケースにはスリット52cを設けて放熱効果を設けて放熱効果を向上させる構成とすることで、直流電源回路の温度上昇を抑えて、安定した動作を期待できる。また、二次電池(バッテリ)48の充電用コネクタ48a,直流電源充電器52の接続コネクタ52aの隣には、それぞれ放電用コネクタ48b,52bが設けられている。
【0035】
また、図20(b)に示すように二次電池(バッテリ)48の充電用コネクタ48aと直流電源充電器52の商用交流電源接続用コネクタ52aの形状を変えておくことで両方の充電用コネクタ48a,52aを間違えて使用して電池回路を破損させることが防げる。
この図16〜図20に示す実施例の場合は、充電専用の機器が必要なくなる。
【0036】
次に電動耕耘機をオペレータが持ち運ぶときの構成を以下説明する。
図5に示すように左右の操作ハンドル12a,12bの前後位置を固定・調節するための調節ネジ36(図1)を緩めて操作ハンドル12a,12bを横軸心の回動支点36aの周りに機体前側に倒し、調節ネジ36(図3)を締めて位置固定する。すると、左右の操作ハンドル12a,12bを連結する連結棒38が機体の前後長の略中央で機体の略重心位置で、かつバッテリケース9の上方に位置する構成としている。オペレータは連結棒38又は連結棒38と機体前端のバンパー39を持って電動耕耘機を持ち運ぶことで、持ち運び時にバッテリケース9が外れるのを防止することができる。また、連結棒38は左右の操作ハンドル12a,12bを前側に倒したときに正面視で略門構えになる構成としており、バッテリケース9に当接しないで左右の操作ハンドル12a,12bをより下まで倒せる構成としている。電動耕耘機の持ち運び時にロータリ部Rの下を覆う位置に取り付けるバケット40をバンド(図示せず)等で機体に装着しておき、ロータリ部Rに付着する土が落下するのを受け、持ち運び時に土が周辺に散乱するのを防止することができる。
【0037】
次に本実施の形態の電動耕耘機の前後バランスの構成について以下説明する。
垂直方向に配置したモータ8のモータ軸8aの軸心をロータリ軸3の軸心位置よりも前に構成し、ロータリ軸3の軸心位置よりも後方にバッテリケース9を設け、バッテリケース9の後方にハンドルフレーム11を設ける構成にする。この構成により、バッテリケース9付近に重心が取れ、バッテリケース9内に収容するバッテリ48の容量を変更してバッテリケース9の重量が変化しても機体重心の変化が少ない。
【0038】
次にLED表示部の構成について以下説明する。
電源スイッチ16の近傍に各種運転状態を示す複数のLED表示部26(図3)を設けている。本実施の形態では、電源の入り切りのLED表示部26a、運転の入り切りのLED表示部26bとバッテリ残量のLED表示部26cを設けている。電源の入り切りのLED表示部26aでは電源スイッチ入りで第一の色である緑色が発光し、過負荷を検出して配線20に設ける保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。運転の入り切りのLED表示部26bではリミットスイッチ33を入りとすることでロータリ部Rが駆動すると第一の色である緑色が発光し、モータ8内蔵の温度センサによる保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。バッテリ残量のLED表示部26cではバッテリ48の残量が通常の状態では第一の色である緑色が発光し、残量が設定量以下になると第二の色である赤色が発光する。
【0039】
このように、各種運転状態をLED表示部26で表示し、また、第一の色から第二の色に適宜変色することで少ないLEDの数で多くの動作表示を行うことができ、また、一箇所に集中して、かつ、操作側から見やすい位置にLED表示部26を配置することで各種運転状況を確認しやすい。また、電源スイッチ16に隣接してLED表示部26を設けたことで、電源入りから電源切りの際にLED表示部26を常に確認しやすい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本実施の形態では電動耕耘機で説明したが、駆動音が無い他のエネルギーを利用した歩行型の作業機にも利用可能性がある。
【符号の説明】
【0041】
1 機体フレーム 2 伝動フレーム
3 ロータリ軸 4 ロータリ爪
5 サイドディスク 6 ロータリカバー
6a 壁部 6b 開口部
6c 傾斜部 6d 後支持壁部
7 モータカバー 7a 凹部
8 駆動モータ 8a モータ軸
9 バッテリケース 9a 取っ手
9b 足 9c 凸部
10 載置台 10a 穴
10b 開口部 11 ハンドルフレーム
12a,12b 操作ハンドル
13a,13b ハンドルグリップ
14 支持車輪 15 抵抗棒
16 電源スイッチ 17 操作レバー
17a スイッチ操作部 17b 把持部
18 出力端子 19 充電端子
20 配線 25 スプリング
26 LED表示部
26a 電源の入り切りのLED表示部
26b 運転の入り切りのLED表示部
26c バッテリ残量のLED表示部
29 逆U字状カバー(部材)
30 横軸 30a 突起
31 移動軸 31a 小径部
31b 大径部 31c 押し部
33 リミットスイッチ(運転スイッチ)
35 スプリング 36 調節ネジ
36a 回動支点 38 連結棒
39 バンパー 40 バケット
41 伝動軸 45 充電回路
46 放電回路 47 バッテリセル
48 二次電池(バッテリ) 48a 充電用コネクタ
48b 放電用コネクタ 50 充電器
51 運転センサ 52 直流電源充電器
52a 接続コネクタ 52b 放電コネクタ
52c スリット 52d 電圧切替スイッチ
53 電源コード 100 制御装置
T 操作安全装置 R ロータリ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を耕耘するロータリ部(R)と、ロータリ部(R)を駆動するモータ(8)と、モータ(8)の動力をロータリ部(R)に伝動する伝動軸(41)とを備えた電動耕耘機において、
オペレータが把持するハンドルグリップ(13a,13b)を設け、
該ハンドルグリップ(13a,13b)の近傍にはオペレータがハンドルグリップ(13a,13b)を把持しながら操作するモータ(8)の入切用の運転スイッチ(33)を設け、
該運転スイッチ(33)の入りを検出してからモータ(8)が入りになるまでの時間より、運転スイッチ(33)の切りの後にモータ(8)が切りになるまでの時間を長く設定したモータ駆動制御装置(100)を備えたことを特徴とする電動耕耘機。
【請求項2】
圃場を耕耘するロータリ部(R)と、ロータリ部(R)を駆動するモータ(8)と、モータ(8)の動力をロータリ部(R)に伝動する伝動軸(41)とを備えた電動耕耘機において、
オペレータが把持するハンドルグリップ(13a,13b)を設け、
該ハンドルグリップ(13a,13b)の近傍にオペレータによるハンドルグリップ(13a,13b)の把持状態を検出する運転センサ(51)を設け、
該運転センサ(51)が前記把持状態を検出してからモータ(8)が入りになるまでの時間より、運転センサ(51)が前記把持状態を検出しなくなってからモータ(8)が切りになるまでの時間を長く設定したモータ駆動制御装置(100)を備えたことを特徴とする電動耕耘機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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