電動車両
【課題】簡易な構成で充電を行うことが可能な電動車両を提供する。
【解決手段】蓄電装置13と、車輪20のホイール21内に設けられたモータ12と、蓄電装置とモータとを接続する導線34と、電流制御装置23と、を備えた電動車両10であって、モータは、ステータコア31と、ステータコアの内周側と外周側の間を架け渡すコイル32と、を有するステータ33と、ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ35と、を有するとともに、ステータコアの軸方向を車両の幅方向に揃えて、ホイールにおける車両外側端面にコイルの架け渡し部分45が面するようにホイール内に配されており、電流制御装置は、車両の停止中において、外部機器50を車両外側端面に対向配置して発生させたステータの軸方向と揃った回転磁界により、コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴ってコイルに流れる電流を、蓄電装置に送電する充電制御を行う。
【解決手段】蓄電装置13と、車輪20のホイール21内に設けられたモータ12と、蓄電装置とモータとを接続する導線34と、電流制御装置23と、を備えた電動車両10であって、モータは、ステータコア31と、ステータコアの内周側と外周側の間を架け渡すコイル32と、を有するステータ33と、ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ35と、を有するとともに、ステータコアの軸方向を車両の幅方向に揃えて、ホイールにおける車両外側端面にコイルの架け渡し部分45が面するようにホイール内に配されており、電流制御装置は、車両の停止中において、外部機器50を車両外側端面に対向配置して発生させたステータの軸方向と揃った回転磁界により、コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴ってコイルに流れる電流を、蓄電装置に送電する充電制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、モータを駆動源とする電気自動車が知られている。この種のモータを駆動源とする自動車においては、一般的に、バッテリに蓄電された電力によってモータを駆動させるため、バッテリの電力が無くなったときにはモータを駆動することができなくなり、自動車が自走できなくなってしまう。なお、バッテリを充電する方法としては、外部充電器を利用して充電する方法やモータの回生電力を充電する方法などがある。
ここで、車両の車輪ごとに別々の駆動用モータを設け、このモータをホイール内に配置するインホイールモータが開発されており、このインホイールモータを利用して充電する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の車両の電源装置は、車両の外部から与えられる電力を受けて蓄電装置に充電を行うコネクタが車輪のホイール部分に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−68340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、インホイールモータを利用して充電するために充電用のコネクタが設けられている。したがって、部品点数が多くなるとともに、コネクタを設けるためにモータの構成を変更する必要があり、構成が複雑化するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で充電を行うことが可能な電動車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両に設けられた蓄電装置(例えば、実施形態におけるバッテリ13)と、車輪(例えば、実施形態における車輪20)のホイール(例えば、実施形態におけるホイール21)内に設けられたモータ(例えば、実施形態における駆動モータ12)と、前記蓄電装置と前記モータとを電気的に接続する導線(例えば、実施形態における導線34)と、前記車輪を駆動させるために前記導線に通流する電流を制御する駆動制御、および、前記車両の減速時または降坂時に発生する回生電流を前記蓄電装置に送電する回生制御を実行可能に構成された電流制御装置(例えば、実施形態におけるPCU23)と、を備えた電動車両(例えば、実施形態における電気自動車10)であって、前記モータは、円環状のステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア31)と、該ステータコアの内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイル(例えば、実施形態におけるコイル32)と、を有するステータ(例えば、実施形態におけるステータ33)と、該ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ(例えば、実施形態におけるロータ35)と、を有するとともに、前記ステータコアの軸方向を前記車両の幅方向に揃えて、前記ホイールにおける車両外側端面に前記コイルの架け渡し部分(例えば、実施形態における渡り部45)が面するように前記ホイール内に配されており、前記電流制御装置は、前記車両の停止中において、外部機器(例えば、実施形態における外部機器50)を前記車両外側端面に対向配置して発生させた前記ステータの軸方向と揃った回転磁界により、前記コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴って前記コイルに流れる電流を、前記蓄電装置に送電する充電制御を行うことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記車輪の非駆動手段(例えば、実施形態におけるブレーキ46)を備え、前記電流制御装置は、前記非駆動手段が動作しているときに前記充電制御を行うことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記ホイールは、非導電性物質で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、モータのロータを回転させることなくステータへ回転磁界を印加することができるため、車両が静止した状態であってもコイルの架け渡し部分に誘起電圧が発生する。したがって、誘起電圧に伴ってコイルには電流が流れ、その電流を蓄電装置に送電することで充電することが可能となる。つまり、外部機器を用いて非接触給電を行うことができ、かつ、この給電行為は走行時の回生電力の充電動作と略同一の行為であるため、車両側に2次コイルやコネクタなどの充電用の付帯部品の設置が不要となる。結果として、簡易な構成で充電を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、非駆動手段を動作させることにより、充電時に発生する回生トルクによって停止中の車両が動いてしまうのを確実に防止することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、充電中にホイールに電流が流れず、かつ、磁束は通過させることができるため、充電中にホイールが発熱してしまうのを防止することができる。また、ホイールに渦電流が流れて損失が生じるのを防止することができるため、充電効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における電気自動車の概略構成側面図である。
【図2】本発明の実施形態における電気自動車の概略構成正面図である。
【図3】本発明の実施形態における駆動モータの正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態における外部機器の概略構成側面図(一部断面図)である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるバッテリへの充電方法を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における充電中の状態を示す概略構成正面図である。
【図10】本発明の実施形態における外部機器の別の態様を示す概略構成側面図(一部断面図)である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】図10の外部機器を用いたときの充電中の状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。なお、本実施形態では電動車両として電気自動車を用いて説明する。
【0015】
(電気自動車)
図1は電気自動車の概略構成図である。図1に示すように、電気自動車10は、駆動モータ12と、該駆動モータ12に電力を供給するために車両の床下一面に配されたバッテリ13と、電気自動車10の走行を制御する制御ユニット14と、を備えている。
【0016】
上記のように構成された電気自動車10は、通常はバッテリ13に電力が充電された状態で駆動モータ12に対して電力を供給することにより自走することができる。しかしながら、バッテリ13の残量が無くなった場合は、電気自動車10は自走することができなくなる。したがって、バッテリ13には常に電力を充電しておく必要がある。
【0017】
ここで、図2に示すように、電気自動車10に搭載された駆動モータ12は、車輪20のホイール21内に収容されたインホイールモータで構成されている。なお、車輪20は、例えばSUSや樹脂材料などの非導電性物質で形成されたホイール21と、ホイール21の周縁を覆うように配されたタイヤ22と、を備えている。駆動モータ12は、例えば、電気自動車10の前側の両輪にそれぞれ設けられている。また、駆動モータ12は、PCU(電流制御装置)23を介してバッテリ13に接続されている。そして、PCU23からの指示により、バッテリ13から駆動モータ12に電力を供給することで駆動モータ12を駆動したり、駆動モータ12から発生する回生電力をバッテリ13に充電したりすることができるように構成されている。また、ホイール21内側には、駆動軸25の回転を規制するブレーキ46が設けられている。
【0018】
次に、駆動モータ12の構成について説明する。
図3に示すように、駆動モータ12は、正面視円環状の磁性板材が積層されたステータコア31と、該ステータコア31の内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイル32と、を有するステータ33と、該ステータ33から発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ35と、を備えている。
【0019】
図3、図5に示すように、ステータコア31には、正面視において周方向略等間隔にティース36が径方向内周側および外周側に突出するように複数(本実施形態では12個)形成されている。また、隣り合うティース36,36間に形成されたスロット37には2つのコイル32が配されている。一つのスロット37に配された2つのコイル32は、互いに巻き回し方向が異なるコイル32が距離を開けて配されている。つまり、本実施形態の駆動モータ12は、所謂トロイダル巻線を有した駆動モータ12である。なお、コイル32には導線34が接続されている。この導線34はPCU23を介してバッテリ13に接続されている。
【0020】
また、図4に示すように、ロータ35は、車輪20の駆動軸25に連結されたハウジング38と、ステータ33に対向するように配された永久磁石39と、を備えている。本実施形態のロータ35は、正面視でステータ33の内周面に対向するように配された内周側ハウジング41と、ステータ33の外周面に対向するように配された外周側ハウジング42とを有し、内周側ハウジング41には内周側永久磁石39Aがステータ33の内周面に対向するように設けられ、外周側ハウジング42には外周側永久磁石39Bがステータ33の外周面に対向するように設けられている。また、内周側ハウジング41と外周側ハウジング42とは連結部43により連結され、ハウジングとして一体化されている。なお、この連結部43は車幅方向内側部分に形成されており、ハウジング38における車幅方向外側は開放されている。
【0021】
内周側永久磁石39Aおよび外周側永久磁石39Bは、それぞれ異なる磁極(N極、S極)が着磁された永久磁石が周方向に沿って交互に複数(本実施形態では8個)配されている。つまり、本実施形態のロータ35は、所謂二重ロータ構造のロータである。
【0022】
そして、駆動モータ12は、ステータ33(ステータコア31)の軸方向を電気自動車10の車幅方向(駆動軸25の軸方向)に揃えるとともに、車輪20のホイール21内における車両外側端面にコイル32の渡り部45が面するように配されている(図2参照)。
【0023】
このように構成された駆動モータ12は、ステータ33から発生する磁界によってロータ35が回転することにより、ロータ35に連結された駆動軸25が回転し、それに伴って車輪20を回転させて電気自動車10を前進・後退させることができるように構成されている。
【0024】
次に、バッテリ13に電力を充電する方法について説明する。
バッテリ13に電力を充電する際には、図6に示すように、外部機器50を用いる。外部機器50は、モータ51と、モータ51に連結された回転軸52と、回転軸52の先端に配された円板部材53と、円板部材53の表面に周方向に沿って配された複数の永久磁石54と、を備えている。つまり、外部機器50は、所謂アキシャルギャップ型ロータを有している。なお、回転軸52は軸方向に伸縮可能に構成されている。
【0025】
図7に示すように、永久磁石54は、それぞれ異なる磁極(N極、S極)が着磁された永久磁石が周方向に沿って交互に複数(本実施形態では8個)配されている。また、複数の永久磁石54が円板部材53に取り付けられた状態で、永久磁石54は円環状になっており、この永久磁石54とステータコア31とは正面視で略同一形状の円環になっている。このように構成することで、磁束漏れを少なくすることができ、かつ、最小の大きさで効率よく磁束が鎖交し、充電効率を向上させることができる。さらに、本実施形態のように、駆動モータ12の永久磁石39の極数と、外部機器50の永久磁石54の極数と、を同一とすることにより、効率よく誘起電圧を発生させることができる。
【0026】
続いて、バッテリ13への充電方法を、フローチャートを用いて説明する。
図8に示すように、電気自動車10側の流れとして、ステップS11で車両が停止状態か否かを判定する。車両が停止状態の場合にはステップS12へ進み、車両が停止状態で無い場合にはそのまま処理を終了する。
【0027】
ステップS12では、外部機器50が所定の位置にセットされたか否かを判定する。外部機器50がセットされていればステップS13へ進み、セットされていなければステップS12を繰り返す。外部機器50を用いてバッテリ13に充電をするには、図9に示すように、外部機器50を駆動モータ12の直近に配置する。具体的には、ホイール21の表面21aに外部機器50の永久磁石54が対向するように配置する。このとき永久磁石54とステータコア31とが対向する位置になるように外部機器50の設置位置を調整する。
【0028】
ステップS13では、車両のブレーキ46がかけられているか否かを判定する。ブレーキ46がかけられていればステップS14へ進み、ブレーキ46がかけられていなければステップS13を繰り返す。このとき、ブレーキ46を動作させておくことにより、充電中に駆動軸25が回転して電気自動車10が動いてしまうのをより確実に防止することができる。
【0029】
ステップS14では、PCU23がバッテリ13への充電を開始してもよいと判定し、ステップS15へ進む。
【0030】
ステップS15では、外部機器50を駆動させてバッテリへの充電が開始されたか否かを判定する。充電が開始されたらステップS16へ進み、充電が開始されていない場合はステップS15を繰り返す。具体的には、外部機器50の位置が固定された状態で、モータ51を駆動させて永久磁石54を回転軸52を中心に回転させる。すると、永久磁石54からコイル32に向かって鎖交磁束が発生する。このように軸方向に沿って磁束が発生することで、コイル32の渡り部45に誘起電圧が発生する。この誘起電圧がPCU23の制御に基づいてバッテリ13に充電されるように構成されている。つまり、車輪20を回転駆動させずに、バッテリ13に電力を充電することができる。
【0031】
また、駆動モータ12のコイル32に発生する誘起電圧Vは、以下の式で表される。
【0032】
【数1】
【0033】
なお、Pは極数、Nはコイルの巻数、φは1極コイル鎖交磁束、tは時間を示す。上記(1)式より、鎖交磁束数が小さくても、変化時間が短ければ(周波数が高ければ)、高い誘起電圧Vが得られることが分かる。
【0034】
ステップS16では、PCU23によりバッテリ13へ供給する電力(電流)を調整する充電制御を行い、バッテリ13の充電が完了したら処理を終了する。
【0035】
一方、外部機器50側の流れとしては、ステップS21で外部機器50が電気自動車10を検知したか否かを判定する。電気自動車10を検知した場合にはステップS22へ進み、車両を検知していない場合はそのまま処理を終了する。
【0036】
ステップS22では、外部機器50を所定の位置にセットしたか否かを判定する。所定の位置にセットしたらステップS23へ進み、セットしていない場合にはステップS22を繰り返す。
【0037】
ステップS23では、電気自動車10側からの充電許可信号が入力されたか否かを判定する。充電許可信号が入力されたらステップS24へ進み、入力されていない場合はステップS23を繰り返す。
【0038】
ステップS24では、外部機器50を駆動させて、バッテリ13へ充電を行う。充電が完了したら処理を終了する。
【0039】
本実施形態によれば、駆動モータ12のロータ35を回転させることなくステータ33へ回転磁界を印加することができるため、車両(電気自動車10)が静止した状態であってもコイル32の渡り部45に誘起電圧が発生する。したがって、誘起電圧に伴ってコイル32には電流が流れ、その電流をバッテリ13に送電することで充電することが可能となる。つまり、外部機器50を用いて非接触給電を行うことができ、かつ、この給電行為は走行時の回生電力の充電動作と略同一の行為であるため、車両側に2次コイルやコネクタなどの充電用の付帯部品の設置が不要となる。結果として、簡易な構成で充電を行うことができる。
【0040】
また、充電時にブレーキ46を動作させることにより、充電時に発生する回生トルクによって停止中の車両が動いてしまうのを確実に防止することができる。
【0041】
さらに、ホイール21を非導電性物質で形成したため、充電中にホイール21に電流が流れず、かつ、磁束は通過させることができる。したがって、充電中にホイール21が発熱してしまうのを防止することができる。また、ホイール21に渦電流が流れて損失が生じるのを防止することができるため、充電効率を向上することができる。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0043】
例えば、本実施形態では、外部機器50として永久磁石54をモータ51で回転させることにより磁束を発生するものを採用した場合の説明をしたが、図10、図11に示すように、外部機器150として、交流電源装置151と、交流電源装置151に連結された軸部152と、軸部152の先端に配された円板部材153と、円板部材153の表面に周方向に沿って略等間隔に形成されたコア154と、コア154の周縁を覆うように巻き回されたコイル155と、を備えている。交流電源装置151は、コイル155に電流を流すことができるように接続されている。なお、軸部152は軸方向に伸縮可能に構成されている。図12に示すように、このように構成された外部機器150を用い、コア154がステータ33(ステータコア31)に対向するように配置して、交流電源装置151より交流電流をコイル155に印加することにより、回転磁界を発生させることができ、上記実施形態と略同一の作用効果を得ることができる。また、交流電流の大きさで、鎖交磁束の大きさをコントロールすることができ、駆動モータ12の誘起電圧を回転磁界の周波数以外でコントロールできる。
【0044】
また、本実施形態では、ブレーキ46がかかっているかどうかを確認するように構成したが、ブレーキ46の動作確認を行わないように構成してもよい。また、ブレーキ46の動作確認の代わりに、サイドブレーキがかかっているか否かを確認するように構成したり、シフトレバーがパーキングになっているか否かを確認するように構成したりしてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、電動車両として電気自動車(四輪車)を用いて説明したが、電動二輪車や電動カートなどにも採用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…電気自動車(電動車両) 12…駆動モータ(モータ) 13…バッテリ 20…車輪 21…ホイール 23…PCU(電流制御装置) 31…ステータコア 32…コイル 33…ステータ 34…導線 35…ロータ 45…渡り部(架け渡し部分) 46…ブレーキ(非駆動手段) 50…外部機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、モータを駆動源とする電気自動車が知られている。この種のモータを駆動源とする自動車においては、一般的に、バッテリに蓄電された電力によってモータを駆動させるため、バッテリの電力が無くなったときにはモータを駆動することができなくなり、自動車が自走できなくなってしまう。なお、バッテリを充電する方法としては、外部充電器を利用して充電する方法やモータの回生電力を充電する方法などがある。
ここで、車両の車輪ごとに別々の駆動用モータを設け、このモータをホイール内に配置するインホイールモータが開発されており、このインホイールモータを利用して充電する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の車両の電源装置は、車両の外部から与えられる電力を受けて蓄電装置に充電を行うコネクタが車輪のホイール部分に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−68340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、インホイールモータを利用して充電するために充電用のコネクタが設けられている。したがって、部品点数が多くなるとともに、コネクタを設けるためにモータの構成を変更する必要があり、構成が複雑化するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で充電を行うことが可能な電動車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両に設けられた蓄電装置(例えば、実施形態におけるバッテリ13)と、車輪(例えば、実施形態における車輪20)のホイール(例えば、実施形態におけるホイール21)内に設けられたモータ(例えば、実施形態における駆動モータ12)と、前記蓄電装置と前記モータとを電気的に接続する導線(例えば、実施形態における導線34)と、前記車輪を駆動させるために前記導線に通流する電流を制御する駆動制御、および、前記車両の減速時または降坂時に発生する回生電流を前記蓄電装置に送電する回生制御を実行可能に構成された電流制御装置(例えば、実施形態におけるPCU23)と、を備えた電動車両(例えば、実施形態における電気自動車10)であって、前記モータは、円環状のステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア31)と、該ステータコアの内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイル(例えば、実施形態におけるコイル32)と、を有するステータ(例えば、実施形態におけるステータ33)と、該ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ(例えば、実施形態におけるロータ35)と、を有するとともに、前記ステータコアの軸方向を前記車両の幅方向に揃えて、前記ホイールにおける車両外側端面に前記コイルの架け渡し部分(例えば、実施形態における渡り部45)が面するように前記ホイール内に配されており、前記電流制御装置は、前記車両の停止中において、外部機器(例えば、実施形態における外部機器50)を前記車両外側端面に対向配置して発生させた前記ステータの軸方向と揃った回転磁界により、前記コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴って前記コイルに流れる電流を、前記蓄電装置に送電する充電制御を行うことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記車輪の非駆動手段(例えば、実施形態におけるブレーキ46)を備え、前記電流制御装置は、前記非駆動手段が動作しているときに前記充電制御を行うことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記ホイールは、非導電性物質で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、モータのロータを回転させることなくステータへ回転磁界を印加することができるため、車両が静止した状態であってもコイルの架け渡し部分に誘起電圧が発生する。したがって、誘起電圧に伴ってコイルには電流が流れ、その電流を蓄電装置に送電することで充電することが可能となる。つまり、外部機器を用いて非接触給電を行うことができ、かつ、この給電行為は走行時の回生電力の充電動作と略同一の行為であるため、車両側に2次コイルやコネクタなどの充電用の付帯部品の設置が不要となる。結果として、簡易な構成で充電を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、非駆動手段を動作させることにより、充電時に発生する回生トルクによって停止中の車両が動いてしまうのを確実に防止することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、充電中にホイールに電流が流れず、かつ、磁束は通過させることができるため、充電中にホイールが発熱してしまうのを防止することができる。また、ホイールに渦電流が流れて損失が生じるのを防止することができるため、充電効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における電気自動車の概略構成側面図である。
【図2】本発明の実施形態における電気自動車の概略構成正面図である。
【図3】本発明の実施形態における駆動モータの正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態における外部機器の概略構成側面図(一部断面図)である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるバッテリへの充電方法を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における充電中の状態を示す概略構成正面図である。
【図10】本発明の実施形態における外部機器の別の態様を示す概略構成側面図(一部断面図)である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】図10の外部機器を用いたときの充電中の状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。なお、本実施形態では電動車両として電気自動車を用いて説明する。
【0015】
(電気自動車)
図1は電気自動車の概略構成図である。図1に示すように、電気自動車10は、駆動モータ12と、該駆動モータ12に電力を供給するために車両の床下一面に配されたバッテリ13と、電気自動車10の走行を制御する制御ユニット14と、を備えている。
【0016】
上記のように構成された電気自動車10は、通常はバッテリ13に電力が充電された状態で駆動モータ12に対して電力を供給することにより自走することができる。しかしながら、バッテリ13の残量が無くなった場合は、電気自動車10は自走することができなくなる。したがって、バッテリ13には常に電力を充電しておく必要がある。
【0017】
ここで、図2に示すように、電気自動車10に搭載された駆動モータ12は、車輪20のホイール21内に収容されたインホイールモータで構成されている。なお、車輪20は、例えばSUSや樹脂材料などの非導電性物質で形成されたホイール21と、ホイール21の周縁を覆うように配されたタイヤ22と、を備えている。駆動モータ12は、例えば、電気自動車10の前側の両輪にそれぞれ設けられている。また、駆動モータ12は、PCU(電流制御装置)23を介してバッテリ13に接続されている。そして、PCU23からの指示により、バッテリ13から駆動モータ12に電力を供給することで駆動モータ12を駆動したり、駆動モータ12から発生する回生電力をバッテリ13に充電したりすることができるように構成されている。また、ホイール21内側には、駆動軸25の回転を規制するブレーキ46が設けられている。
【0018】
次に、駆動モータ12の構成について説明する。
図3に示すように、駆動モータ12は、正面視円環状の磁性板材が積層されたステータコア31と、該ステータコア31の内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイル32と、を有するステータ33と、該ステータ33から発生する磁界によって回転可能に構成されたロータ35と、を備えている。
【0019】
図3、図5に示すように、ステータコア31には、正面視において周方向略等間隔にティース36が径方向内周側および外周側に突出するように複数(本実施形態では12個)形成されている。また、隣り合うティース36,36間に形成されたスロット37には2つのコイル32が配されている。一つのスロット37に配された2つのコイル32は、互いに巻き回し方向が異なるコイル32が距離を開けて配されている。つまり、本実施形態の駆動モータ12は、所謂トロイダル巻線を有した駆動モータ12である。なお、コイル32には導線34が接続されている。この導線34はPCU23を介してバッテリ13に接続されている。
【0020】
また、図4に示すように、ロータ35は、車輪20の駆動軸25に連結されたハウジング38と、ステータ33に対向するように配された永久磁石39と、を備えている。本実施形態のロータ35は、正面視でステータ33の内周面に対向するように配された内周側ハウジング41と、ステータ33の外周面に対向するように配された外周側ハウジング42とを有し、内周側ハウジング41には内周側永久磁石39Aがステータ33の内周面に対向するように設けられ、外周側ハウジング42には外周側永久磁石39Bがステータ33の外周面に対向するように設けられている。また、内周側ハウジング41と外周側ハウジング42とは連結部43により連結され、ハウジングとして一体化されている。なお、この連結部43は車幅方向内側部分に形成されており、ハウジング38における車幅方向外側は開放されている。
【0021】
内周側永久磁石39Aおよび外周側永久磁石39Bは、それぞれ異なる磁極(N極、S極)が着磁された永久磁石が周方向に沿って交互に複数(本実施形態では8個)配されている。つまり、本実施形態のロータ35は、所謂二重ロータ構造のロータである。
【0022】
そして、駆動モータ12は、ステータ33(ステータコア31)の軸方向を電気自動車10の車幅方向(駆動軸25の軸方向)に揃えるとともに、車輪20のホイール21内における車両外側端面にコイル32の渡り部45が面するように配されている(図2参照)。
【0023】
このように構成された駆動モータ12は、ステータ33から発生する磁界によってロータ35が回転することにより、ロータ35に連結された駆動軸25が回転し、それに伴って車輪20を回転させて電気自動車10を前進・後退させることができるように構成されている。
【0024】
次に、バッテリ13に電力を充電する方法について説明する。
バッテリ13に電力を充電する際には、図6に示すように、外部機器50を用いる。外部機器50は、モータ51と、モータ51に連結された回転軸52と、回転軸52の先端に配された円板部材53と、円板部材53の表面に周方向に沿って配された複数の永久磁石54と、を備えている。つまり、外部機器50は、所謂アキシャルギャップ型ロータを有している。なお、回転軸52は軸方向に伸縮可能に構成されている。
【0025】
図7に示すように、永久磁石54は、それぞれ異なる磁極(N極、S極)が着磁された永久磁石が周方向に沿って交互に複数(本実施形態では8個)配されている。また、複数の永久磁石54が円板部材53に取り付けられた状態で、永久磁石54は円環状になっており、この永久磁石54とステータコア31とは正面視で略同一形状の円環になっている。このように構成することで、磁束漏れを少なくすることができ、かつ、最小の大きさで効率よく磁束が鎖交し、充電効率を向上させることができる。さらに、本実施形態のように、駆動モータ12の永久磁石39の極数と、外部機器50の永久磁石54の極数と、を同一とすることにより、効率よく誘起電圧を発生させることができる。
【0026】
続いて、バッテリ13への充電方法を、フローチャートを用いて説明する。
図8に示すように、電気自動車10側の流れとして、ステップS11で車両が停止状態か否かを判定する。車両が停止状態の場合にはステップS12へ進み、車両が停止状態で無い場合にはそのまま処理を終了する。
【0027】
ステップS12では、外部機器50が所定の位置にセットされたか否かを判定する。外部機器50がセットされていればステップS13へ進み、セットされていなければステップS12を繰り返す。外部機器50を用いてバッテリ13に充電をするには、図9に示すように、外部機器50を駆動モータ12の直近に配置する。具体的には、ホイール21の表面21aに外部機器50の永久磁石54が対向するように配置する。このとき永久磁石54とステータコア31とが対向する位置になるように外部機器50の設置位置を調整する。
【0028】
ステップS13では、車両のブレーキ46がかけられているか否かを判定する。ブレーキ46がかけられていればステップS14へ進み、ブレーキ46がかけられていなければステップS13を繰り返す。このとき、ブレーキ46を動作させておくことにより、充電中に駆動軸25が回転して電気自動車10が動いてしまうのをより確実に防止することができる。
【0029】
ステップS14では、PCU23がバッテリ13への充電を開始してもよいと判定し、ステップS15へ進む。
【0030】
ステップS15では、外部機器50を駆動させてバッテリへの充電が開始されたか否かを判定する。充電が開始されたらステップS16へ進み、充電が開始されていない場合はステップS15を繰り返す。具体的には、外部機器50の位置が固定された状態で、モータ51を駆動させて永久磁石54を回転軸52を中心に回転させる。すると、永久磁石54からコイル32に向かって鎖交磁束が発生する。このように軸方向に沿って磁束が発生することで、コイル32の渡り部45に誘起電圧が発生する。この誘起電圧がPCU23の制御に基づいてバッテリ13に充電されるように構成されている。つまり、車輪20を回転駆動させずに、バッテリ13に電力を充電することができる。
【0031】
また、駆動モータ12のコイル32に発生する誘起電圧Vは、以下の式で表される。
【0032】
【数1】
【0033】
なお、Pは極数、Nはコイルの巻数、φは1極コイル鎖交磁束、tは時間を示す。上記(1)式より、鎖交磁束数が小さくても、変化時間が短ければ(周波数が高ければ)、高い誘起電圧Vが得られることが分かる。
【0034】
ステップS16では、PCU23によりバッテリ13へ供給する電力(電流)を調整する充電制御を行い、バッテリ13の充電が完了したら処理を終了する。
【0035】
一方、外部機器50側の流れとしては、ステップS21で外部機器50が電気自動車10を検知したか否かを判定する。電気自動車10を検知した場合にはステップS22へ進み、車両を検知していない場合はそのまま処理を終了する。
【0036】
ステップS22では、外部機器50を所定の位置にセットしたか否かを判定する。所定の位置にセットしたらステップS23へ進み、セットしていない場合にはステップS22を繰り返す。
【0037】
ステップS23では、電気自動車10側からの充電許可信号が入力されたか否かを判定する。充電許可信号が入力されたらステップS24へ進み、入力されていない場合はステップS23を繰り返す。
【0038】
ステップS24では、外部機器50を駆動させて、バッテリ13へ充電を行う。充電が完了したら処理を終了する。
【0039】
本実施形態によれば、駆動モータ12のロータ35を回転させることなくステータ33へ回転磁界を印加することができるため、車両(電気自動車10)が静止した状態であってもコイル32の渡り部45に誘起電圧が発生する。したがって、誘起電圧に伴ってコイル32には電流が流れ、その電流をバッテリ13に送電することで充電することが可能となる。つまり、外部機器50を用いて非接触給電を行うことができ、かつ、この給電行為は走行時の回生電力の充電動作と略同一の行為であるため、車両側に2次コイルやコネクタなどの充電用の付帯部品の設置が不要となる。結果として、簡易な構成で充電を行うことができる。
【0040】
また、充電時にブレーキ46を動作させることにより、充電時に発生する回生トルクによって停止中の車両が動いてしまうのを確実に防止することができる。
【0041】
さらに、ホイール21を非導電性物質で形成したため、充電中にホイール21に電流が流れず、かつ、磁束は通過させることができる。したがって、充電中にホイール21が発熱してしまうのを防止することができる。また、ホイール21に渦電流が流れて損失が生じるのを防止することができるため、充電効率を向上することができる。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0043】
例えば、本実施形態では、外部機器50として永久磁石54をモータ51で回転させることにより磁束を発生するものを採用した場合の説明をしたが、図10、図11に示すように、外部機器150として、交流電源装置151と、交流電源装置151に連結された軸部152と、軸部152の先端に配された円板部材153と、円板部材153の表面に周方向に沿って略等間隔に形成されたコア154と、コア154の周縁を覆うように巻き回されたコイル155と、を備えている。交流電源装置151は、コイル155に電流を流すことができるように接続されている。なお、軸部152は軸方向に伸縮可能に構成されている。図12に示すように、このように構成された外部機器150を用い、コア154がステータ33(ステータコア31)に対向するように配置して、交流電源装置151より交流電流をコイル155に印加することにより、回転磁界を発生させることができ、上記実施形態と略同一の作用効果を得ることができる。また、交流電流の大きさで、鎖交磁束の大きさをコントロールすることができ、駆動モータ12の誘起電圧を回転磁界の周波数以外でコントロールできる。
【0044】
また、本実施形態では、ブレーキ46がかかっているかどうかを確認するように構成したが、ブレーキ46の動作確認を行わないように構成してもよい。また、ブレーキ46の動作確認の代わりに、サイドブレーキがかかっているか否かを確認するように構成したり、シフトレバーがパーキングになっているか否かを確認するように構成したりしてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、電動車両として電気自動車(四輪車)を用いて説明したが、電動二輪車や電動カートなどにも採用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…電気自動車(電動車両) 12…駆動モータ(モータ) 13…バッテリ 20…車輪 21…ホイール 23…PCU(電流制御装置) 31…ステータコア 32…コイル 33…ステータ 34…導線 35…ロータ 45…渡り部(架け渡し部分) 46…ブレーキ(非駆動手段) 50…外部機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた蓄電装置と、
車輪のホイール内に設けられたモータと、
前記蓄電装置と前記モータとを電気的に接続する導線と、
前記車輪を駆動させるために前記導線に通流する電流を制御する駆動制御、および、前記車両の減速時または降坂時に発生する回生電流を前記蓄電装置に送電する回生制御を実行可能に構成された電流制御装置と、を備えた電動車両であって、
前記モータは、
円環状のステータコアと、該ステータコアの内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイルと、を有するステータと、
該ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータと、を有するとともに、
前記ステータコアの軸方向を前記車両の幅方向に揃えて、前記ホイールにおける車両外側端面に前記コイルの架け渡し部分が面するように前記ホイール内に配されており、
前記電流制御装置は、
前記車両の停止中において、外部機器を前記車両外側端面に対向配置して発生させた前記ステータの軸方向と揃った回転磁界により、前記コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴って前記コイルに流れる電流を、前記蓄電装置に送電する充電制御を行うことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記車輪の非駆動手段を備え、
前記電流制御装置は、前記非駆動手段が動作しているときに前記充電制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記ホイールは、非導電性物質で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【請求項1】
車両に設けられた蓄電装置と、
車輪のホイール内に設けられたモータと、
前記蓄電装置と前記モータとを電気的に接続する導線と、
前記車輪を駆動させるために前記導線に通流する電流を制御する駆動制御、および、前記車両の減速時または降坂時に発生する回生電流を前記蓄電装置に送電する回生制御を実行可能に構成された電流制御装置と、を備えた電動車両であって、
前記モータは、
円環状のステータコアと、該ステータコアの内周側と外周側との間を架け渡すように径方向に巻き回されたコイルと、を有するステータと、
該ステータから発生する磁界によって回転可能に構成されたロータと、を有するとともに、
前記ステータコアの軸方向を前記車両の幅方向に揃えて、前記ホイールにおける車両外側端面に前記コイルの架け渡し部分が面するように前記ホイール内に配されており、
前記電流制御装置は、
前記車両の停止中において、外部機器を前記車両外側端面に対向配置して発生させた前記ステータの軸方向と揃った回転磁界により、前記コイルの架け渡し部分に発生した誘起電圧に伴って前記コイルに流れる電流を、前記蓄電装置に送電する充電制御を行うことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記車輪の非駆動手段を備え、
前記電流制御装置は、前記非駆動手段が動作しているときに前記充電制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記ホイールは、非導電性物質で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−167044(P2011−167044A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30493(P2010−30493)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]