説明

電圧感応状態遷移誘電体材料を用いる発光デバイス

【課題】LED及びOLEDを含む発光コンポーネントの一部としての電圧感応状態遷移誘電体(VSD)材料の使用を提供する。
【解決手段】VSD材料を,前記発光デバイスのパッケージの一部として設けるかあるいは電気コンポーネント及び素子に一体化するかまたは複合させる。一例として、基板122に設けられているかまたは搭載されている別のデバイスに相互接続する導電線路または素子をもつ発光コンポーネント110を、基板122上に設ける。VSD材料をデバイスに一体化できると考え得る場所は、位置132〜140で代表される。VSD材料の一体化により、静電放電(ESD)及び電気的過負荷(EOS)のような過渡電圧から、また水分、衝撃及びその他の電気的または機械的な脅威からも、発光デバイスが保護される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2005年11月29日に出願された、名称を「ESD特性を有する発光デバイス(Light Emitting Devices With ESD Characteristics)」とする、米国仮特許出願第60/740961号の優先権を主張する。上記出願の明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本出願は、2005年11月22日に出願された、名称を「電圧感応状態遷移誘電体材料を用いるRFIDタグ(RFID Tag Using Voltage Switchable Dielectric Material)」とする、米国仮特許出願第60/739725号の優先権を主張する。上記出願の明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【技術分野】
【0003】
開示される実施形態は全般的には発光デバイスの分野に関する。さらに詳しくは、本明細書に開示される実施形態は電圧感応状態遷移誘電体材料が一体化されているかまたは組み込まれている発光デバイスを含む。
【背景技術】
【0004】
白熱電球のような従来の発光機構は、LED及びOLEDのような、より効率が高く、強力な発光機構で置き換えられつつある。より新しい発光機構は多くの利点を提供するが、一層高価でもあり、作成が困難でもあり、また新種の材料の使用を導入することも多い。さらに、そのような新しいデバイスは従来の発光機構よりもかなり長い寿命を有することができるが、LED及びOLEDは過渡電気条件にさらされると故障することがある。特に、半導体チップ及びポリマーがデバイスに用いられる有機及び無機発光デバイスはいずれも、静電放電(ESD)及び、電気的過負荷(EOS)及び電磁パルス(EMP)のような、その他の過渡電圧の影響を極めて受け易い。これらのデバイスは従来、ツェナーダイオードあるいは固体またはポリマーの個別サージサプレッサ素子で保護されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に説明される実施形態は、LED及びOLEDを含む発光コンポーネントの一部としての電圧感応状態遷移誘電体(VSD)材料の使用を提供する。VSD材料は,そのような発光デバイスのパッケージの一部として設けるかあるいは電気コンポーネント及び素子に一体化するかまたは複合させることができる。1つまたはそれより多くの実施形態で提供されるように、VSD材料の一体化により、静電放電(ESD)及び電気的過負荷(EOS)のような過渡電圧から、また水分、衝撃及びその他の電気的または機械的な脅威からも、発光デバイスが保護される。
【0006】
実施形態にはESD事象に対して(LED及びOLEDを含む)発光機構を保護するための装置設計及び手法も含まれる。特に、1つまたはそれより多くの実施形態では、ESD事象に対するLEDまたはOLEDを遮蔽するためのVSD材料の使用が提供される。
【0007】
本明細書に説明される実施形態に適用できる発光デバイスの例には、LED,OLEDがあり、あるいはフィラメントを燃やす発光機構さえも含まれる。
【0008】
本明細書で用いられるように、「電圧感応状態遷移材料」または「VSD材料」は、材料の特性電圧レベルをこえる電圧がその材料に印加されない限り誘電性すなわち非導電性であり、材料の特性電圧レベルをこえる電圧がその材料に印加された場合には材料が導電性になる特性を有する、いずれかの組成物または組成物の組合せである。すなわち、VSD材料は(例えばESD事象によって与えられるような)特性レベルをこえる電圧が材料に印加されない限り誘電性であり、特性レベルをこえる電圧が材料に印加された場合にはVSD材料は導電性である。VSD材料は非線形抵抗材料としての特徴を有することができるいずれかの材料として分類することもできる。
【0009】
様々な種類のVSD材料が存在する。電圧感応状態遷移誘電体材料の例は、米国特許第4977357号明細書、米国特許第5068634号明細書、米国特許第5099380号明細書、米国特許第5142263号明細書、米国特許第5189387号明細書、米国特許第5248517号明細書、米国特許第5807509号明細書、国際公開第96/02924号パンフレット及び国際公開第97/26665号パンフレットのような文献に与えられている。一実施態様において、VSD材料は「SURGX」の商標の下で製造されている材料に相当し得る。
【0010】
1つまたはそれより多くの実施形態において、30〜80%の絶縁体、0.1〜70%の導電体及び0〜70%の半導体を含有するVSD材料の使用が提供される。絶縁材料の例には、シリコーンポリマー、エポキシ、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酸化フェニレン、ポリスルホン、ゾルゲル材料、クリーマー、二酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及びその他の金属酸化物絶縁体があるが、これらには限定されない。導電材料の例には、銅、アルミニウム、ニッケル及びステンレス鋼のような金属がある。半導体材料の例には有機半導体及び無機半導体のいずれもが含まれる。無機半導体のいくつかには、シリコン、炭化シリコン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛及び硫化亜鉛がある。有機半導体の例には、ポリ-3-ヘキシルチオフェン、ペンタセン、ペリレン、カーボンナノチューブ及びC60フラーレンがある。VSD材料の特定の用途の最も適する機械的及び電気的特性のための特定の配合及び組成を選ぶことができる。
【0011】
さらに、1つまたはそれより多くの実施形態では、発光デバイスがその上に設けられている下層基板またはボードの上にVSD材料が組み込まれる。VSD材料は、残りのデバイスのいくらかまたは全てを形成するために引き続いて用いられる基板上に設けることもできる。VSD材料が導電状態にある間に基板上に導電素子を形成するために、電気メッキのようなイオン被着プロセスを用いることができる。導電素子の配置及び形状は、電気リード、端子(すなわち入力または出力)及び、発光デバイスに設けられるか、発光デバイスによって用いられるかまたは発光デバイスに組み込まれる、その他の導電素子に適合するように選ぶことができる。
【0012】
さらにまた、VSD材料が、ハウジングまたは中間層に一体化されるかまたは組み込まれるか、あるいは発光デバイスに一体化されるかまたは接続される何か別の成形体に設けられる、1つまたはそれより多くの実施形態が提供される。
【0013】
さらに、基板またはその他の構造体上に発光デバイスの導電素子及びコンポーネントを形成するための電気メッキまたはその他のイオン被着プロセス中にVSD材料が用いられる、1つまたはそれより多くの実施形態が提供される。一実施形態において、基板はVSD材料の層を有するように形成される。VSD材料層を覆う抵抗材料の層が設けられる。抵抗材料は選択的に除去されて、発光デバイスの導電素子が形成されることになる場所の下になるべき場所を定める領域を抵抗材料層から露出させるパターンが形成される。一実施形態において、露出領域は、(i)発光コンポーネントへの及び発光コンポーネントからのリード及び/または端子、発光コンポーネントと基板上のその他の素子の間あるいは発光コンポートの素子間の相互接続、(ii)デバイスの半導体またはその他の発光コンポーネントの内のいずれか1つまたはそれより多くに対応することができる。パターンが形成されると、VSD材料の特性電圧をこえる電圧が基板に印加される。電圧の印加と同時に、導電材料がVSD材料に接合するように、基板にイオン被着が行われる。この結果、少なくともパターンの一部が設けられている場所で基板上に導電線路が形成される。
【0014】
本明細書に説明される様々な実施形態では、頑健でスケーラブルな手法によるESD保護機能内蔵LED/OLEDデバイスの作成及び/または構成を可能にするためにVSD材料がLED及びOLEDデバイスに適用される。高輝度LEDに関しては、例えば、従来の手法は、少なくとも、高価であり、及び/またはスケーラビリティに影響する解決策を実施せずにはESD事象に対処することができないという問題を長い間抱えていた。対照的に、本明細書に説明される実施形態により、ESD事象に対する保護機能を内蔵するように、LED及びOLEDデバイスにVSD材料をスケーラブルに実装することが可能になる。さらに、図7及び図8A〜図8Eの実施形態で説明されるように、VSD材料をLEDデバイス及び基板に組み込んで、そのようなデバイスの作成を改善し、容易にすると同時にESD保護機能を内蔵させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態にしたがう、VSD材料が組み込まれるかまたは一体化されるように構成された発光デバイスのブロック図である
【図2】本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料を有するように構成された発光ダイオードの簡単な略図である
【図3】本発明の1つまたはそれより多くの実施形態にしたがう、VSD材料を有するように構成されたLEDデバイスを示す
【図4】本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が組み込まれている下層基板またはプラットフォームに搭載されたLEDデバイスを示す
【図5】本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が設けられている基板またはその他の多素子プラットフォームに1つまたはそれより多くのLEDデバイスが搭載されている別の実施形態を示す
【図6】本発明の一実施形態にしたがって構成されたOLEDデバイス610を示す
【図7】本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が組み込まれている発光デバイスを形成するための手法を示す
【図8A】本発明の1つまたはそれより多くの実施形態にしたがう、LEDデバイスを形成するためのプロセスの一工程を示す
【図8B】LEDデバイスを形成するためのプロセスの、図8Aの工程に続く、一工程を示す
【図8C】LEDデバイスを形成するためのプロセスの、図8Bの工程に続く、一工程を示す
【図8D】LEDデバイスを形成するためのプロセスの、図8Cの工程に続く、一工程を示す
【図8E】LEDデバイスを形成するためのプロセスの、図8Dの工程に続く、一工程を示す
【発明を実施するための形態】
【0016】
概要
図1は、本発明の実施形態にしたがう、VSD材料を組み込むかまたは一体化するように構成された、発光デバイスのブロック図である。デバイス100は、入力端子112から出力端子114に電流が流れる発光コンポーネント110を有する。電流がコンポーネント110を通って流れる結果、光が発生する。コンポーネント110は様々な材料及び/または構造を有することができる。例えばLEDの場合、コンポーネント110は多くの可能な半導体材料の内のいずれか1つで形成することができる。一方、OLEDはポリマーを含む有機材料で形成することができる。発光コンポーネント110は他の種類のコンポーネントも有することができる。例えば、本明細書に説明される1つまたはそれより多くの実施形態は、電流がそれを通って流れると「燃えて」特定のスペクトルの光を発する、新種材料で形成されたフィラメントに実施することができる。
【0017】
例えば、コンポーネント110に用いられる材料のタイプ及び/または構造に依存して、発光スペクトルは変わり得る。発光コンポーネントがLEDに相当する場合、発光光は、可視スペクトルからの光(例えば、白、青、緑、赤、黄)、または不可視スペクトルからの光(例えば、赤外、近紫外)を含むことができる。
【0018】
発光コンポーネント110に用いられる材料のタイプ及び構造にかかわらず、本明細書に説明される実施形態により、VSD材料を内蔵する結果、デバイスを全体として過渡電圧及び事象に一層強く耐えるようにすることが可能になる。
【0019】
デバイス100を形成するため、別の動作状況の1つにおける発光コンポーネント110を提供することができる。一実施形態において、基板に設けられているかまたは搭載されている別のデバイスにデバイス100を相互接続する導電線路または素子をもつ発光コンポーネント110を、任意の基板122または他のプラットフォーム上に設けることができる。別のまたはさらなる特徴として、発光コンポーネント110がケース124内に収められる、1つまたはそれより多くの実施形態が提供される。(部材または基板122を有する)構造体で発光コンポーネント110をケース124に固定することができ、ケース124は半透明とするかまたは半透明区画を有することができる。また別の変形として、発光コンポーネント110は独立構造として設けることができる。例えば、図3の実施形態で説明されるように、発光デバイス100は、LEDの形態とすることができ、基板へのLEDの表面実装を可能にするためのLEDの入力/出力端子112,114から延びるリードを有することができる。あるいは、発光コンポーネント110は、基板の一部として設けることができ、その他のコンポーネントを有することができる。
【0020】
図1の実施形態に関し、位置132〜140はVSD材料をデバイス100に一体化できると考え得る場所を代表している。位置132〜140はデバイス上の他の同様の位置または領域を代表しているから、個々の位置132〜140の与えられたいずれかにおけるVSD材料の議論はその1つの位置で代表される同種の場所に適用できる。一実施形態にしたがえば、位置132で代表される場所でデバイス100にVSD材料を設けることができる。そのような場所において、VSD材料は端子112,114に向けて延びる導電チャネル116,118(例えば、線路、リードフレーム)に複合させるかまたは一体化させることができる。別の実施形態において、位置134で代表されるように、端子112,114の一方または両方にVSD材料を複合させるかまたは一体化させることができる。別の、またはさらなる変形として、位置136で代表される場所でデバイス100にVSD材料を設けることができる。そのような場所において、VSD材料は発光コンポーネント110に(またはその中に)複合させるかまたは一体化させることができる。
【0021】
VSD材料が電気素子及びコンポーネントに一体化または複合される実施形態の代りに、またはそのような実施形態に加えて、VSD材料がデバイス100の機械コンポーネントまたは側面に一体化されるかまたは複合される、1つまたはそれより多くの実施形態が提供される。位置138はVSD材料がデバイス100のケース124上に、またはケース124の一部として、設けられる場所を代表している。一実施形態において、VSD材料の組成はケース124での使用に好ましい機械特性(例えば、剛性、曲げ)を有することができる。すなわち、例えば、VSD材料は発光コンポーネント120を封入する外殻の一部を形成することができる。あるいは、デバイス100をケース124に固定する構造体にVSD材料を含めることができる。
【0022】
ケース124の使用の代りに、またはケース124の使用に加えて、デバイス100は基板122上に搭載することができる。一実施態様において、プリント回路基板またはマザーボードのようなかなり大きなシステムの一部としてデバイスを基板122に組み込むことができる。あるいは、単一のデバイス100または同様のデバイス100からなるアレイを隔離するための大きさのように、基板122は比較的小さくすることができる。位置140は基板122の上に重なる場所におけるVSD材料の使用を代表する。例えば、基板を覆う層としてVSD材料を設けることができる。1つまたはそれより多くの別の実施形態で説明されるように、基板へのVSD材料の被着は電気素子が基板上に形成される作成プロセスの一部とすることができる。
【0023】
図1の実施形態で説明されるように、デバイス100上でVSD材料が設けられる場所は様々であり得る。VSD材料が設けられるべき場所は、(i)用いられるべきVSD材料の所望量、(ii)用いられる組成の機械的特性及び品質、(iii)VSD材料の組込みにおける集成の容易さ、及び(iv)発光デバイスの媒質または用途を含む要因に基づいて考慮される。例えば、図8A〜8Eの実施形態で説明されるように、回路基板の電気リード、コンタクト、バイア及びその他の導電素子を形成するためのメッキプロセスの一部としてVSD材料を用いることが有益であり得る。そのような場合、端子112,114またはリード116,118のための場所は、前もって定めておき、VSD材料に依存するプロセスを用いて回路基板上に形成することができる。そのようなプロセスの結果、VSD材料を端子112,114またはリード116,118と一体化させることができる。例えば、VSD材料は、端子112,114またはリード116,118に相当する導電線路の下になることができる。
【0024】
発光ダイオード
発光ダイオードは、本明細書に説明される実施形態にしたがい、VSD材料を複合するかまたは一体化することができる発光デバイスの一種である。本節では、本発明の実施形態にしたがい、VSD材料を複合するかまたは一体化する発光ダイオードの様々な実施態様が示される。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態にしたがって、VSD材料を有するように構成された、発光ダイオードの簡単な略図である。図2の実施形態においては、多くの状況または構成の内の1つにおけるLED210を備えることができる。一実施形態において、LEDコンポーネント210は(例えば半透明ハウジングをもつ)独立デバイスとするか、または発光するデバイスの一部(例えばチップ)とすることができる。LEDコンポーネント210は、化合物半導体のドープト基板及び複数の層を有する、半導体材料で形成された、集積回路チップに相当することができる。LEDに用いるための特定の材料には、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、炭化シリコン、サファイア、ダイアモンド、セレン化亜鉛、窒化アルミニウム及び窒化インジウムガリウムがある。
【0026】
一実施形態において、LEDコンポーネント210は、正常な動作条件の下で、電流215(正常電流215)及び供給電圧216を受けるように構成される。電流で活性化されると、LEDコンポーネント210は、LEDコンポーネントの組成で決定される波長特性を有する光を発する。
【0027】
一実施形態において、VSD材料は、基板220またはLEDコンポーネント210を支持するその他の構造体の下に、あるいは基板220またはそのような構造体の一部として設けられる。例えば、LEDコンポーネント210は、LEDコンポーネント210を含む、複数の素子を相互接続する基板上に搭載することができる。正常な条件の下で、基板220は誘電特性を有し、よって正常電流215及び供給電圧216は干渉されない。しかし、VSD材料の特性電圧レベルをこえるサージ(または過渡)電圧が発生すると、基板のVSD材料は導電性に遷移する。導電状態において、VSD材料は生じた電流を接地させる。基板220におけるVSD材料の接地効果を示す、サージ電流230が生じる。電流230を生じさせるサージ電圧は、基板220に与えられたかまたは一体化されたVSD材料の特性電圧レベルより高いいずれかの電圧とすることができる。
【0028】
その他のいずれかの実施形態によるように、VSD材料は、目的とする用途に適する特性電圧を有するような、量、濃度、場所、厚さまたは組成の内のいずれか1つまたはそれより多くによって構成することができる。すなわち、例えば、VSD材料の特性電圧は、いかなるESD事象においてもLEDコンポーネントが故障しないであろうように、LEDコンポーネント210の破壊電圧より低くなるように選ぶことができる。
【0029】
図3は、本発明の1つまたはそれより多くの実施形態にしたがう、VSD材料を有するように構成されたLEDデバイスを示す。一実施形態において、LEDデバイス310は、発光のために基板または別のデバイス上に搭載できるように、独立型である。LEDデバイス310は、半導体コンポーネント320,ハウジング330及び導電リード312,314を有する。導電リード312,314により、電流媒体をコンポーネント320に通すことを可能にするための負及び正の端子が与えられる。一実施形態において、VSD材料はリード312と314の間にまたがり、リード312と314を接続する成形体350として設けられる。
【0030】
一実施形態において、成形体350におけるVSD材料の量は比較的少なく、よって成形体350が与える構造的支持は比較的弱い。別の実施形態において、成形体350におけるVSD材料の量は、リード312,314を固定された位置に支持するための基体を与えるに十分に多い。
【0031】
正常動作の下で、VSD材料の成形体350はリードに対して絶縁構造体としてはたらくことができる。用いられているVSD組成の特性電圧レベルをこえる過渡電圧が存在すると、成形体350は誘電性から状態遷移して導電性になる。この構成において、成形体350はリード312と314の間の導電路を提供する。この効果は過渡電圧が生じたときにLED310を接地することである。
【0032】
VSD材料の成形体350は、用いられているVSD材料の組成及び/または量に基づいて、全体としてLEDデバイス310の破壊電圧より低い特性電圧レベルを有することができる。そのようにすれば、過渡電圧の存在によってLEDデバイス310が損傷を受けることはほとんどないであろう。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が組み込まれている下層の基板またはプラットフォームに搭載されているLEDデバイスを示す。一実施形態において、デバイス400は、下層基板420に搭載されているか、さもなくは接続されているLEDデバイス410を有する。LEDデバイス410は集積回路チップで与えられるような、半導体コンポーネントを有する。VSD材料の層(VSDM層415)がLEDデバイス410の下(例えばチップの下)に設けられる。
【0034】
正常条件の下で、VSDM層415は誘電性であり、LEDデバイス410の動作に干渉しない。ESDまたはその他の電気的事象が生じると、VSDM層415はその事象で生じる電流を接地に流す。
【0035】
一実施形態において、下層VSDM層415は基板420とLEDデバイス410の間の接合材または固着機構としてはたらくという別の役割も果たす。例えば、接合材の特性を本質的に有するVSD材料がある。そのような場合、VSDM層415はLEDデバイス410に対して下層接合層を提供する。
【0036】
図5は、本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が設けられている基板またはその他の多素子プラットフォームに1つまたはそれより多くのLEDデバイスが搭載されている、別の実施形態を示す。図5の実施形態において、基板510には、1つまたはそれより多くのLEDデバイス514を含む、数多くのコンポーネント512が設けられる。1つまたはそれより多くの別の実施形態で説明されるように、基板510はVSD材料の層(VSDM層520)を有することができる。図8A〜8Eの実施形態で説明されるように、VSDM層520は、VSDM層520と一体の態様で複合される、回路素子及び線路を含むその他の電気素子を形成するための一環として設けることができる。
【0037】
あるいは、その他の電気コンポーネントの形成とは独立に、VSD材料を基板510上に設けることができる。例えば、VSD材料は、線路素子の形成とは独立に基板上に設けることができるが、VSD材料によるLEDデバイスの接地を可能にする態様でLEDデバイスに結合される。
【0038】
VSD材料を有するOLEDデバイス
1つまたはそれより多くの実施形態では、VSD材料がOLEDデバイスに組み込まれるかまたは一体化される。一実施形態にしたがえば、OLEDデバイスの動作仕様をこえる過渡電圧及びその他の異常な電気事象の発生時に電流伝導路をOLEDデバイスから逸らすことができるように、OLEDデバイスがVSD材料に結合される。
【0039】
図6は本発明の一実施形態にしたがって構成されたOLEDデバイス610を示す。OLEDデバイス610は、電流をデバイスに通すと発光するように組み合された様々な層を有することができる。一実施形態において、デバイス610は厚さをもつ層の積層構造体からなる。そのような積層構造体において、透明な第1の伝導体614が積層構造体の一端のアノード端子を提供し、第2の導電体615が積層構造体の他端のカソード端子を提供する。積層構造体は、第1の導電層614(アノード)に隣接して配置された導電ポリマー層及び第2の導電層615(カソノード)に隣接して配置された第2の導電ポリマー層を含む、1つまたはそれより多くの導電ポリマー層616を有する。有機ポリマー層616の間に有機発光体620を配置することができる。電位差602を印加するとともに、ドライバ608を積層構造体に接続して発光体620の電気的制御及び使用を可能にすることができる。通常の手法の下では、印加電位差602で生じる電流が有機発光体620を発光させる。
【0040】
一実施形態において、VSD材料620の層がドライバ608に接続される。VSD材料は、不測の起因(例えばESD事象)からの電流に遭遇したときに接地を提供することができる。電流がドライバ608に受けられるかまたはOLED610の積層構造体に向けられるのではなく、VSDが導電性になり、サージに対してOLEDデバイス610を接地する。VSD材料は、OLEDデバイス610の破壊電圧より低い(伝導性に状態遷移させる)特性電圧レベルを有し、よって,OLEDデバイス610が破壊するかまたは動作不能になり得る前に、VSD材料が導電性になってデバイスを接地するように構成するか、設計するかまたは選ぶことができる。
【0041】
VSD材料を有するデバイスの形成
図7は、本発明の一実施形態にしたがう、VSD材料が一体化されている発光デバイスを形成するための手法を示す。図7で説明されるような方法は、ボードまたは基板上に搭載されて他のコンポーネントとの電気的相互接続を有することができるコンポーネントを含む、LEDまたはその他の発光コンポーネントのようなデバイスを形成するために用いることができる。
【0042】
VSD材料を用いて電気回路及びコンポーネントを電気メッキするかまたは形成するための一般的手法は、1999年8月27日に出願され、今は期限が切れている、米国仮特許出願第60/151188号の優先権を主張する、1999年11月10日に出願され、今は放棄されている、米国特許出願第09/437882号の継続出願である、レックス・コソウスキー(Lex Kosowsky)を単独の発明者として2002年12月9日に出願された、名称を「電圧感応状態遷移誘電体材料を用いる電流伝導構造(Current Carrying Structure Using Voltage Switchable Dielectric Material)」とする(米国特許出願第10/315496号であった)米国特許第6797145号の継続出願である、レックス・コソウスキーを単独の発明者として2004年9月14日に出願された、名称を「電圧感応状態遷移誘電体材料を用いる電流伝導構造」とする、米国特許出願第10/941226号の明細書に説明されている。上記出願の明細書の全ては、全ての目的に対してそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
【0043】
工程710により、VSD材料が基板または導電コンポーネント及び素子がその上に設けられるべき表面に被着される。基板上に被着することができるVSD材料の量は、説明されるプロセスの用途に応じて、1μm厚から1000μm厚の範囲にある。
【0044】
工程720において、VSD材料を覆って非導電材料層が設けられる。例えば、VSD材料を覆ってフォトレジスト材料を被着することができる。
【0045】
工程730により、基板上の非導電材料層のパターン形成が行われる。パターン形成により、発光コンポーネントが含まれることになる電気コンポーネントの各領域を構成することになるその後の導電素子の形成と位置が一致する領域が露出される。例えば、発光コンポーネントのための電気リードまたは端子の形成と一致すべき露出領域を選択して指定するようにパターンを形成することができる。一実施形態において、非導電層のパターン形成のためにマスクを適用することができる。
【0046】
1つまたはそれより多くの別の実施形態で説明されるような発光デバイスに対し、露出領域は、発光デバイスへのまたは発光デバイスからのリード、端子または相互接続素子のための線路が設けられるべき場所に一致させることができる。しかし、図3の実施形態で説明したように、例えば、VSD材料を発光コンポーネントのリード間にまたがらせることができる。したがって、パターン形成プロセスにより、導電材料または線路を付加することなく、VSD材料を以降の使用のために露出させることもできる。すなわち、パターン形成により、VSD材料が露出されるべき領域を露出させることができる。
【0047】
工程740において、VSD材料の誘電状態から導電状態への状態遷移が起発される。VSD材料に材料の特性電圧レベルをこえる電圧を印加することができる。この電圧は、VSD材料を含む層に、あるいはVSD材料の下にある基板の一部に印加することができる。後者の場合、VSD材料の下にある基板部分は電荷がVSD材料に運ばれるように導電性とする(例えば銅またはその他の金属で形成する)ことができる。基板の方向におけるVSD材料による線形伝導を回避するため、導電性基板への電圧の印加が望ましい場合があり得る。印加電圧は定常(例えばDC)電圧またはパルス電圧とすることができる。
【0048】
VSD材料が導電性である間にパターンの露出領域内に導電素子(例えば線路)を形成するためのイオン被着プロセスが実施される、工程750が提供される。非導電層のパターンで定められた露出領域の少なくともいくつかの中に内にイオン性媒質を被着するための多くのプロセスのいずれをも実施することができる。一実施態様において、VSD材料及びパターン形成されたフォトレジスト材料を有する基板が電解質溶液に浸漬される、電気メッキプロセスが実施される。
【0049】
別の実施態様として、粉末コーティングプロセスを用いるイオン性被着が実施される。このプロセスでは、粉末粒子を帯電させて、パターンによって定められた露出領域に与える。粉末の被着は、露出領域上の粉末の堆積あるいは粉末浴内への基板の浸漬によって達成できる。
【0050】
さらにまた別の実施態様では、エレクトロスプレイプロセスを用いることができる。イオン性媒質は荷電粒子の形態で溶液内に含めることができる。VSD材料が導電性である間に、溶液を基板に与えることができる。スプレイの適用にはインクまたは塗料の使用を含めることができる。
【0051】
他の被着手法、例えば物理的気相成長(PVD)プロセスまたは化学的気相成長(CVD)プロセスのような気相成長プロセスも、VSD材料が導電状態にあるときにVSD材料上のイオン被着を実施するために用いることができる。PVDでは金属イオンがチャンバ内に導入されて気体イオンと結合する。基板上のVSD材料は、チャンバ内のイオンを引きつけてイオンと結合するように、導電性にして逆極性の電荷をもたせることができる。CVDでは基板表面上のVSD材料にイオン性材料の膜を被着させることができる。
【0052】
工程760において、必要に応じて非導電性材料を基板から除去して、形成された導電素子を残すことができる。一実施態様において、フォトレジスト材料を除去するために、塩基性溶液(例えばKOH溶液)または水が基板に与えられる。導電素子は、基板の様々なコンポーネント及び/または領域を、相互に及び/または発光デバイスに、相互接続するように配置されたリード、線路及びその他の素子に相当することができる。
【0053】
フォトレジスト層の除去に続いて、電気素子が形成されている基板に研磨工程が実施される、1つまたはそれより多くの実施形態が提供される。一実施形態において、基板を研磨するために化学的/機械的研磨が用いられる。
【0054】
得られた基板は、過渡電圧及びEOSに対処できる能力が内在する電気素子を有する。発光デバイス並びに発光デバイスを有する基板及びその他のデバイスに関しては、発光デバイスの端子及びリードを含む線路素子を、基板上のその他の素子及びその他の素子との相互接続素子とともに、形成するために、図7に説明されるようなプロセスを用いることができる。一実施態様において、例えば、基板が形成されると、マイクロチップのようなデバイス、メモリコンポーネント及びその他のデバイスを、導電コンポーネント及び素子のパターンと一致するあらかじめ定められた位置で、基板上に搭載することができる。
【0055】
図8A〜図8Eは、本発明の1つまたはそれより多くの実施形態にしたがう、LEDデバイスを形成するためのプロセスを示す。図8A〜図8Eで説明されるようなプロセスは、VSD材料をLEDデバイスまたはLEDを載せている基板(LED基板)の電気コンポーネント及び素子と一体形成するために実施することができる。LED基板は、単LEDデバイス、LEDデバイスアレイまたはその他の電気コンポーネント及び素子と複合されたLEDに供することができる。後者の場合、例えば、回路基板上のコンポーネントの状態を示す光インジケータをLEDで設けることができる。図8A〜8Eは、本発明の一実施形態にしたがう、発光コンポーネント855が様々な他のコンポーネントまたは相互接続素子と複合されている実施態様を示す。
【0056】
VSD材料の使用により、とりわけ、LEDデバイスを形成するためのプロセスが簡単になり、同時にLEDデバイスの電気コンポーネントまたは素子あるいはLED基板にEOSまたはESD事象に対処できる能力を内在させることが可能になる点が有利である。特に、LED基板の電気コンポーネントへのVSD材料の一体化により、(ESD事象がおこったときのような)過渡電圧が存在するときに、VSD材料によるデバイスの接地が可能になる。
【0057】
図8Aに示される工程において、VSD材料812を有する基板810が形成される。一実施態様にしたがえば、VSD材料812は下層基板808を覆う層として被着される。
【0058】
続いて、図8Bは基板810上に非導電層820が被着される工程を示す。非導電層820は、例えば、フォトレジスト材料に相当することができる。
【0059】
図8Cに示される工程において、非導電層にパターンが形成されて、露出領域830が形成される。得られるパターンは、説明されている形成プロセスの結果としてLED基板上に設けられることになる導電素子及びコンポーネントのパターンに相当する。
【0060】
図8Dで説明される工程において、図8Cの工程で形成されたパターンによって定められる露出領域830上に導電素子840が形成される。一実施形態にしたがえば、VSD材料812の特性電圧をこえる電圧が基板810に印加される。電圧印加の結果、VSD材料812は誘電性から導電性に状態遷移する。電圧の印加によってVSD材料812が導電性になると、パターンで定められる露出領域にイオン性媒質が被着されて、電気素子及びコンポーネントが形成される。
【0061】
一実施態様において、イオン性媒質被着は電気メッキプロセスを用いて実施される。電気メッキプロセスにおいては、基板810が電解質溶液に浸漬され、パターンで定められた露出領域において(導電状態にある)VSD材料に溶液からイオン性媒質が結合する。この工程の結果、基板810上に導電材料840が形成され、VSD材料812は、導電材料840の形成の結果得られるであろう導電素子またはコンポーネントの下になる。
【0062】
図7の実施形態で説明したように、下層基板808は金属のような導電材料で形成することができる。電圧の印加は、VSD材料812に直接ではなく、基板808と一致する接触点で行うことができる。例えば、電圧は基板808の下側に与えることができる。そのような電圧の印加は、例えばVSD材料の線形(すなわち横方向)伝導を回避するために実施することができる。
【0063】
同じく説明したように、電圧の印加は定常電圧またはパルス電圧で行うことができる。
【0064】
別のイオン性媒質被着プロセスを実施することができる。例えば、図7の実施形態で説明したように、パターンで定められる露出領域に粉末コーティングプロセスを用いて帯電粉末粒子を被着させることができる。あるいは、溶液内のイオン性媒質にエレクトロスプレイで力を加えて、パターンで定められる露出領域に電気材料を結合及び形成することができる。さらにまた、図7の実施形態で説明した気相成長法のいずれかを含む、その他の手法を用いることができる。
【0065】
図8Eの工程において、非導電層820が除去され、基板上の導電層840が研磨されるかまたは別の方法で厚さが減じられて、LED基板の線路、リード及びコンポーネントのいくつかまたは全てが形成される。非導電層820の除去はそのような材料の層を保持することが望ましいいくつかの用途では省略することができる。
【0066】
図8Eは、説明されるプロセスの結果、どのようにLED基板のコンポーネント及び素子が形成され得るかを示す。一実施形態において、VSD材料812は、例えば、(i)発光コンポーネント855の正及び負の端子、(ii)端子への及び端子からのリード、(iii)LED基板のその他のコンポーネント及び素子への相互接続を形成する線路素子と一体化され、そのような線路素子の下にある。基板電力機構865(例えば、電池、あるいは電池または電力受取器へのリード)、または電力を与えるためにLEDをその他のコンポーネントに相互接続する線路素子の下にある線路素子の下にVSD材料812がある、1つまたはそれより多くの実施形態も提供することができる。
【0067】
図8A〜8Eで説明されるような実施形態により、VSD材料の上に重なる、LED基板内の電気コンポーネント及び素子の形成が可能になる。この態様において、LED基板は、例えばESDまたはEOSで生じ得る過渡電圧を接地することができる能力を内蔵する。さらに、従来の手法に比較して、数の少ない製造工程を用いてLED基板を作成することができる。
【0068】
LED基板が、基板から分離されて個別に、または他のLEDと組み合せて、用いられるように設計された、LEDコンポーネントのアレイを有する、1つまたはそれより多くの実施形態で提供される。
【0069】
図8A〜8E及び本明細書の他の所で説明されるような実施形態はVSD材料の使用を説明するが、単一のLED基板に使用するためのVSD材料の別の組成及び配合が、1つまたはそれより多くの実施形態で提供される。例えば、基板上へのVSD材料812の被着(図8A)は、それぞれの組成が異なる複数のVSD材料の被着を含むことができる。これにより、LEDまたはLED基板の設計において特定の電気コンポーネントまたは素子に最も適する機械的特性または電気的特性をもつVSD材料の利用が可能になる。
【0070】
図8A〜図8EはLEDまたはLED基板の作成に特定されているが、本明細書の別の実施形態で説明されるような別の発光コンポーネントを、本明細書で説明されるようなプロセスによってある程度作成または形成することができる。
【0071】
さらに、説明される実施形態のいずれに関しても、LED基板は多次元とすることができる。例えば、LED基板用コンポーネントを基板の両面上に組み込み、次いで1つまたはそれより多くのバイアを用いて電気的に相互接続することができる。導電バイアの形成は多くの従来手法のいずれかで実施することができる。あるいは、1つまたはそれより多くの実施形態では、図8A〜8Eの実施形態に示されるような基板に、(i)基板808を貫通する孔809(図8A)をドリルで開けるかまたは形成し、(ii)VSD材料被着時にVSD材料をバイア809に貫入させ、(iii)フォトレジストパターン形成時に、導電線路素子が孔809の境界に届く経路が形成されるようにパターンを形成し、(iv)バイア表面が導電材料で覆われて導電性のすなわち有効なバイア809が形成されるように、イオン性被着を実施し、(v)説明したプロセスを基板の反対側にも電気素子及びコンポーネントが設けられるように繰り返す、バイアの形成が提供される。VSD材料を用いるメッキバイア819形成のためのプロセスは、米国特許第6797145号明細書にさらに詳細に説明されている。この特許明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【0072】
両面基板だけでなく、適切に設計された基板に対してバイアは複数の導電層を電気的に接続することができる。例えば、電気コンポーネント及び素子を有する中間層を有する基板がある。バイアは基板の総厚内に埋め込まれたそのような層に届いて接続することができる。このようにすれば、LED基板は、異なる平面または表面上で電気的に接続されたLEDを、またLEDに相互接続するコンポーネントまたは素子も、有することができる。
【0073】
結言
添付図面を参照して説明した実施形態は例示的と見なされ、出願人
による特許請求の範囲はそのような例示的実施形態の詳細に限定されるべきではない。説明した実施形態には、相異なる例示的実施形態で個別に説明した特徴の組合せを含む、様々な改変及び変形を含めることができるであろう。したがって、本発明の範囲は添付される特許請求の範囲によって定められるとされる。さらに、個別に、またはある実施形態の一部として、説明される特定の特徴は別の個別に説明される特徴または他の実施形態の一部と、別の特徴及び実施形態ではその特定の特徴についての言及がなされていないとしても、組み合せることができると考えられる。
【符号の説明】
【0074】
100 デバイス
110 発光コンポーネント
112 入力端子
114 出力端子
116,118 リード
122,220,420,510 基板
124 ケース
210,310,410,514 LEDデバイス
415,520,620,812 VSD材料
610 OLEDデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスにおいて、当該発光デバイスが、
少なくとも第1の端子と第2の端子の間に電流を流すことによって発光するコンポーネント、及び
非線形抵抗特性を有するポリマー材料を含む保護のための構造であって、前記ポリマー材料が、(i)前記ポリマー材料の特性電圧レベルをこえる電圧がない状態では絶縁性であり、(ii)前記特性電圧レベルをこえる前記電圧の印加によって導電性になる特性を有するもの、
を有してなり、
前記構造が、発光する前記コンポーネントに対して、前記ポリマー材料が、前記ポリマー材料の破壊電圧を超える過渡電圧を受けたときに、導電性となり、それにより、前記過渡電圧に対して、前記コンポーネントの接地保護を提供するように、配置されることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記コンポーネントがダイオードであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記コンポーネントが半導体材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記コンポーネントが前記第1の端子から延びる第1のリード及び前記第2の端子から延びる第2のリードを有し、前記構造が前記第1のリードと前記第2のリードの間に前記第1のリード及び前記第2のリードと接して配置されることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コンポーネントが基板上に設けられ、前記構造が前記基板によって与えられることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記コンポーネントが有機ポリマーで形成されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記構造が、(i)前記半導体材料、(ii)前記コンポーネントの前記第1の端子、(iii)前記コンポーネントの前記第2の端子、(iv)前記第1の端子の第1のリードまたは(v)前記第2の端子の第2のリードの内のいずれか1つまたはそれより多くの下になるように、前記基板上に設けられることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記構造が、(i)前記半導体材料で形成された前記コンポーネント、(ii)前記コンポーネントの前記第1の端子、(iii)前記コンポーネントの前記第2の端子、(iv)前記第1の端子の第1のリードまたは(v)前記第2の端子の第2のリードの内のいずれか1つまたはそれより多くの下になるように、基板上に設けられることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記破壊電圧は、前記コンポーネントに印加されると前記デバイスを故障させる最小電圧値に対応するものであり、前記構造が導電性になる電圧レベルが前記破壊電圧より低いことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コンポーネントが半導体コンポーネントであって、
前記ポリマー材料が導電性である間は電流を前記半導体コンポーネントから逸らして流すように、前記構造が配置されることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項11】
前記半導体コンポーネントがダイオードであることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記破壊電圧は、前記コンポーネントに印加されると前記デバイスを故障させる最小電圧値に対応するものであり、前記構造が導電性になる電圧レベルが前記破壊電圧より低いことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記半導体コンポーネントが搭載されている基板上に前記構造が設けられることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記構造が前記半導体コンポーネントを前記基板に接合するために用いられることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記半導体コンポーネントが第1の端子及び第2の端子を有し、前記構造が前記第1の端子及び前記第2の端子のいずれかに、またはいずれとも、電気的に接していることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項16】
前記構造が前記第1の端子から延びる第1のリードと前記第2の端子から延びるリードの間にまたがり、前記第1のリード及び前記第2のリードに接することを特徴とする請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスがケースをさらに有し、前記構造が前記ケースによって、または前記ケースの一部として、与えられることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項18】
有機発光層を含む複数の層を有する積層構造体を更に有してなり、
前記構造が導電性である間は、電流を前記積層構造体から逸らして流すように前記ポリマー材料が配置されることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項19】
前記積層構造体が、それらの間に電位差が与えられるアノード端子及びカソード端子を有し、前記構造が前記端子の内の1つと、またはいずれとも、接して設けられることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記カソード端子がドライバ上に設けられ、前記構造が前記ドライバの下にあって、前記ポリマー材料が導電性になったときに、電流を前記積層構造体から逸らして流すことを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記ポリマー材料が、30−80%の絶縁体材料、0.1%−70%の導電体材料、及び、0−70%の半導体材料を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【公開番号】特開2012−238860(P2012−238860A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−145401(P2012−145401)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【分割の表示】特願2008−542454(P2008−542454)の分割
【原出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(508153431)ショッキング テクノロジーズ インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】SHOCKING TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】