説明

電子カメラおよび電子カメラシステム

【課題】電子カメラに適合しない機能体が電子カメラに接続されることを防止することができる電子カメラおよび電子カメラシステムを提供する。
【解決手段】バーコード読み取り部14は、電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、機能体に固有の属性情報を読み取る。無線制御部15は、電子カメラと機能体の適合性を判定する外部装置に対して、バーコード読み取り部14によって読み取られた属性情報と電子カメラの識別情報を送信し、外部装置から電子カメラと機能体の適合性の判定結果を取得する。燃料判定部16は、無線制御部15によって取得された判定結果に基づき、機能体が電子カメラに適合するか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の機能を提供する機能体が着脱可能な電子カメラに関する。また、本発明は、本電子カメラを備えた電子カメラシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子スチルカメラ等の携帯機器の電源としては、一般にマンガン電池やリチウム電池などの一次電池やニッケル・カドミウム電池などの二次電池が用いられている。一方、燃料電池は、従来のリチウム電池などに比べて重量当たりのエネルギーが高いので、電子スチルカメラ等の携帯機器への搭載に向けて、その開発が進んでいる。
【0003】
燃料電池では発電を起こす度にメタノール等の燃料が消費されるので、逐次、燃料を燃料電池に補給する必要がある。携帯機器用の燃料電池に燃料を補給するための構造として、携帯機器用に燃料タンクを内蔵し、外部から燃料タンクに燃料を供給する構造が考案されている。
【0004】
燃料電池は、特定の種類の燃料かつ特定の濃度の燃料でなければ発電を起こすことができず、誤って燃料電池に適合しない燃料を燃料電池に補給してしまうと燃料電池は故障する。しかし、燃料の種類や濃度は見分けがつかないので、誤って種類や濃度が異なる燃料を燃料電池へ補給してしまう恐れがある。したがって、補給する燃料の種類や濃度を識別する必要があった。
【0005】
特許文献1には、燃料電池に適合しない種類や濃度の燃料を誤って燃料電池に供給することを防止する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2005−50631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、電子スチルカメラ等の携帯機器に適合する燃料の種類や濃度を識別する必要があるため、携帯機器に適合する燃料カートリッジを携帯機器に誤りなく接続して使用する必要がある。また、燃料に限らず、無線通信用の通信カードや情報記憶用のメモリカードなどの機能体を携帯機器に接続して使用する場合に、携帯機器に適合する機能体を誤りなく接続することも必要である。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電子カメラに適合しない機能体が電子カメラに接続されることを防止することができる電子カメラおよび電子カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、前記電子カメラと前記機能体の適合性を判定する外部装置に対して、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報と前記電子カメラの識別情報を送信し、前記外部装置から前記電子カメラと前記機能体の適合性の判定結果を取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された判定結果に基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする電子カメラである。
【0009】
また、本発明は、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、前記電子カメラの識別情報と、前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報とが格納された外部装置に対して、前記電子カメラの識別情報を送信し、前記外部装置から前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報を取得する情報取得部と、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報と、前記情報取得部によって取得された前記属性情報とに基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする電子カメラである。
【0010】
また、本発明は、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、前記電子カメラの識別情報と、前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報とが格納された外部装置に対して、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報を送信し、前記外部装置から前記機能体に適合する前記電子カメラの識別情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された前記識別情報と、自身の前記電子カメラの前記識別情報とに基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする電子カメラである。
【0011】
また、本発明の電子カメラは、電源として、燃料液を内蔵し該燃料液を補給するための燃料注入口を有する燃料電池をさらに備え、前記機能体は、前記燃料液を収納した燃料カートリッジであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電子カメラにおいて、前記読み取り部は、前記撮像部によって撮像された前記機能体の画像情報から前記属性情報を読み取ることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子カメラにおいて、前記機能体は、前記属性情報が格納された無線タグを有しており、前記読み取り部は前記無線タグから前記属性情報を読み取ることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子カメラは、前記電子カメラと前記機能体の適合性に関する過去の判定結果と前記機能体の属性情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記判定部はさらに、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報に対応した前記過去の判定結果に基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電子カメラは、前記燃料注入口を保護するために開閉する蓋と、該蓋の開閉を制御する開閉制御部とをさらに備え、前記開閉制御部は、少なくとも前記燃料カートリッジが前記電子カメラに適合すると判定された場合にのみ、前記蓋を開くことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の電子カメラと前記外部装置とを備えたことを特徴とする電子カメラシステムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、機能体が電子カメラに適合するか否かを判定することが可能なので、電子カメラに適合しない機能体が電子カメラに接続されることを防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示している。電子スチルカメラ17は、電池部1、撮像部5、入力部6、制御部7、無線通信部8、アンテナ9、メモリ10、および表示部11を備えている。撮像部5、入力部6、無線通信部8、メモリ10、および表示部11は制御部7に電気的に接続される。
【0020】
電池部1は、燃料を貯留する燃料タンク2と、燃料タンク2から補給された燃料を電力に変換する発電回路3と、燃料タンク2に燃料を注入するための燃料注入口4とを備えている。電池部1で発電された電気は、撮像部5、入力部6、制御部7、無線通信部8、メモリ10、および表示部11といった電気部品で構成される電装系23に供給される。燃料注入口4は、電子スチルカメラ17の筐体を貫通するように設けられており、内部の燃料が少なくなったときには外部から燃料を補充することが可能である。図1では、電池部1は電子スチルカメラ17に内蔵されているが、電子スチルカメラ17と着脱可能な形状にし、交換可能な構成となっていても構わない。
【0021】
撮像部5は、CCD等の撮像素子によって被写体を撮像し、画像情報を生成する。入力部6は、ユーザから各種情報の入力を受け付ける。この入力部6は、撮像部5に対する撮像開始の指示を受け付けるレリーズボタン12と、電子スチルカメラ17の各種動作モードの切り換え指示を受け付ける動作モード切換スイッチ13とを備えている。
【0022】
制御部7は各部の動作を制御する。この制御部7は、撮像部5が撮影した画像からバーコードを認識し各種コードを読み取るバーコード読み取り部14と、無線通信部8を制御する無線制御部15と、燃料タンク2の燃料の残量計測および燃料の適合性判定を行う燃料判定部16とを備えている。燃料判定部16は、燃料の残量警告を表示部11に表示することが可能である。
【0023】
無線通信部8は、IEEE802.11b等の無線LANプロトコルに基づいて、アンテナ9を介して、図示しない外部機器と画像データなどを無線信号として送受信する。メモリ10は各種情報を記憶する。表示部11は各種情報を表示する。
【0024】
図2は電子スチルカメラ17の外観を示している。図2に示すように、電子スチルカメラ17は、燃料注入口4、アンテナ9、表示部11、レリーズボタン12、および動作モード切換スイッチ13を備えている。また、図示しないが、表示部11が設けられた筐体面とは反対側の筐体面には撮像部5が備えられており、被写体を撮影することができるようになっている。
【0025】
燃料カートリッジ18は、電子スチルカメラ17に適合している燃料が充填されており、その先端部分18aを電子スチルカメラ17の燃料注入口4に接続することで燃料を補充することができる構造になっている。また、燃料カートリッジ18にはバーコード19が貼られており、バーコード19により燃料供給会社や商品名などの属性を識別することが可能である。
【0026】
図3は、図1および図2に示した電子スチルカメラ17を用いた燃料電池照合システム(本発明の電子カメラシステムに対応)の構成例を示している。電子スチルカメラ17は、IEEE802.11b等の無線LANプロトコルに基づいて、ネットワーク21に接続された外部通信装置20と、アンテナ9を介して画像データなどの情報を送受信する。外部通信装置20は、例えば、パーソナルコンピュータあるいはルータ等の装置である。燃料電池照合データベースサーバ22もネットワーク21に接続されている。
【0027】
この燃料電池照合データベースサーバ22は、燃料電池の種類等の情報と、その燃料電池に適合する機器の情報とを管理する。また、燃料電池照合データベースサーバ22は、データベース内の情報を更新することにより、常に最新の情報を保持することが可能である。
【0028】
次に、図4を参照しながら、本実施形態による電子スチルカメラ17の動作を説明する。電子スチルカメラ17の燃料判定部16は、燃料タンク2内の燃料の残量が少なくなったことを検知すると、表示部11に燃料補充の警告を表示し、燃料の補充の必要があることをユーザに報知する(ステップS1)。続いて、燃料を補充するため、ユーザによって動作モード切換スイッチ13が操作され、動作モードがバーコード読み取りモードに切り換えられる(ステップS2)。
【0029】
続いて、ユーザによってレリーズボタン12が操作され、燃料カートリッジ18のバーコード19が撮像部5によって撮影される(ステップS3)。この撮影によって生成された画像情報に基づいて、バーコード読み取り部14は、バーコード19の内容として、燃料カートリッジ18に固有の商品コード(本発明の属性情報に対応)等を認識する(ステップS4)。
【0030】
続いて、バーコード読み取り部14はバーコードを認識できたか否かを判定する(ステップS5)。バーコードを認識できなかった場合には、バーコード読み取り部14は、バーコードの認識に失敗したという内容を表示部11に表示し、再度の撮影を促す。この結果、再度ステップS3の処理が実行されることになる。
【0031】
また、バーコード読み取り部14がバーコードを認識できた場合には、無線制御部15は、無線通信部8を制御することで、外部通信装置20を介してネットワーク21に接続し、燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスする(ステップS6)。無線制御部15は燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスできたか否かを判定し(ステップS7)、燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスできなかった場合には、アクセスできるまでステップS6の処理を繰り返す。
【0032】
また、燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスできた場合には、無線制御部15は、バーコード読み取り部14によって読み取られた燃料カートリッジ18の商品コードと電子スチルカメラ17の機種コード(本発明の識別情報に対応)を燃料電池照合データベースサーバ22に送信する(ステップS8)。
【0033】
燃料電池照合データベースサーバ22は、適合する組合せとしてデータベース内に格納されている商品コードと機種コードの組合せと、受信した商品コードと機種コードの組合せとを比較し、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性を判定する。受信した商品コードと機種コードの組合せと一致する組合せがデータベース内にあった場合には、燃料電池照合データベースサーバ22は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していると判定する。また、受信した商品コードと機種コードの組合せと一致する組合せがデータベース内になかった場合には、燃料電池照合データベースサーバ22は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していないと判定する。燃料電池照合データベースサーバ22は上記の判定結果を電子スチルカメラ17へ送信する。
【0034】
無線制御部15は、無線通信部8を制御し、アンテナ9を介して上記の判定結果を受信する(ステップS9)。燃料判定部16は、この判定結果に基づいて、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合しているか否かを判定する(ステップS10)。燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合している場合には、燃料判定部16は、燃料が使用可能であることを表示部11に表示する(ステップS11)。また、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していない場合には、燃料判定部16は、燃料が使用不可であることを表示部11に表示する(ステップS12)。
【0035】
上記の処理の結果、電子スチルカメラ17のユーザは、補充しようとした燃料カートリッジ18の燃料が使用可能であるか否かを確認することができる。燃料が使用可能であった場合、ユーザは燃料カートリッジ18から電子スチルカメラ17に燃料を移し、電子スチルカメラ17の燃料を補充する。
【0036】
上記の処理では、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性の判定を燃料電池照合データベースサーバ22が行い、判定結果を電子スチルカメラ17に返しているが、適合性の判定に必要な情報を電子スチルカメラ17が燃料電池照合データベースサーバ22から取得し、その情報に基づいて電子スチルカメラ17が適合性の判定を行ってもよい。以下、電子スチルカメラ17が適合性の判定を行う動作の一例を説明する。
【0037】
まず、第1の動作例を説明する。無線制御部15は、無線通信部8を制御し、アンテナ9を介して電子スチルカメラ17の機種コードを燃料電池照合データベースサーバ22へ送信する。燃料電池照合データベースサーバ22は、データベース内に格納されている機種コードの中から、受信した機種コードと一致するものを検索し、一致した機種コードとデータベース内で関連付けられている商品コードのリストを電子スチルカメラ17へ送信する。無線制御部15は、無線通信部8を制御し、アンテナ9を介して商品コードのリストを受信する。
【0038】
燃料判定部16は、バーコード読み取り部14によって読み取られた商品コードと、燃料電池照合データベースサーバ22から受信した商品コードのリストとを比較し、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性を判定する。受信した商品コードのリストの中に、バーコード読み取り部14によって読み取られた商品コードと一致する商品コードがあった場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していると判定する。また、受信した商品コードのリストの中に、バーコード読み取り部14によって読み取られた商品コードと一致する商品コードがなかった場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していないと判定する。
【0039】
次に、第2の動作例を説明する。無線制御部15は、無線通信部8を制御し、アンテナ9を介して、バーコード読み取り部14によって読み取られた商品コードを燃料電池照合データベースサーバ22へ送信する。燃料電池照合データベースサーバ22は、データベース内に格納されている商品コードの中から、受信した商品コードと一致するものを検索し、受信した商品コードと一致した商品コードとデータベース内で関連付けられている機種コードのリストを電子スチルカメラ17へ送信する。無線制御部15は、無線通信部8の制御により、アンテナ9を介して機種コードのリストを受信する。
【0040】
燃料判定部16は、燃料電池照合データベースサーバ22から受信した機種コードのリストと、自身の電子スチルカメラ17の機種コードとを比較し、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性を判定する。受信した機種コードのリストの中に、自身の電子スチルカメラ17の機種コードと一致する機種コードがあった場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していると判定する。また、受信した機種コードのリストの中には、自身の電子スチルカメラ17の機種コードと一致する機種コードがなかった場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していないと判定する。
【0041】
上述したように、本実施形態によれば、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合するか否かを判定することが可能なので、電子スチルカメラ17に適合しない燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に接続され、種類や濃度が電池部1に適合しない燃料が誤って補給されることを防止することができる。また、燃料カートリッジ18を撮影した画像から燃料カートリッジ18の属性コードを読み取ることによって、従来と同様の構成を有する電子スチルカメラに新たにハードウェアを追加することなく、燃料カートリッジ18の属性コードを読み取ることができる。
【0042】
また、燃料電池照合データベースサーバ22では、データベース内の情報を随時更新することが可能なので、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性の判定に必要な情報を電子スチルカメラ17が燃料電池照合データベースサーバ22から取得し、その情報に基づいて適合性の判定を行うことによって、最新の情報を使用した適切な判定を行うことができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図5は、本実施形態による電子スチルカメラ17の構成を示している。図1と同じ構成については説明を省略する。本実施形態による電子スチルカメラ17では、図1で説明した電子スチルカメラ17と比較して、制御部7内にバーコード読み取り部14の代わりにRF−ID読み取り部25が設けられている。また、電子スチルカメラ17内には、電子スチルカメラ17の外部にあるRF−IDタグ(無線タグ)と無線で通信することによりデータの送受信を実行するRF−ID部24が設けられている。
【0044】
本実施形態においては、燃料カートリッジ18に図示しないRF−IDタグが貼られており、RF−ID部24が外部のRF−IDタグから受信した情報からRF−ID読み取り部25がRF−IDタグのデータを読み取ることで、燃料供給会社や商品名などの属性が判明する。電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性の判定動作は第1の実施形態と同様である。
【0045】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、RF−IDタグは、複製することが困難であり偽造品対策として用いることができるため、RF−IDタグを読み取ることで、適合する燃料を判別できるだけでなく、偽造品を誤って使用してしまうことを防止することが可能となる。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図6は、本実施形態による電子スチルカメラ17の構成を示している。図1と同じ構成については説明を省略する。本実施形態による電子スチルカメラ17では、図1で説明した電子スチルカメラ17の構成に対して、燃料注入蓋26および燃料注入蓋開閉制御部27が追加されている。
【0047】
燃料注入蓋26は、自動開閉機能を持つ燃料注入口4の蓋であり、電子スチルカメラ17の外部に設けられている。通常は、燃料注入蓋26が閉まった状態となっている。燃料注入蓋開閉制御部27は、燃料注入蓋26の開閉を制御することができる。燃料注入蓋26は、例えばロック機構などを持ち、ユーザが蓋の開閉を実施できない構造となっている。
【0048】
以下、図7を参照しながら、本実施形態による電子スチルカメラ17の動作を説明する。ステップS1〜S10の処理は図4と同じであるため、説明を省略する。ステップS10での判定の結果、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していることが判明した場合、燃料注入蓋開閉制御部27は燃料注入蓋26を開ける(ステップS13)。これによって、ユーザが燃料カートリッジ18を燃料注入口4に接続して燃料を補充することができるようになる。また、ステップS10での判定の結果、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していないことが判明した場合、燃料注入蓋開閉制御部27は燃料注入蓋26を閉めたままにし、燃料が使用不可であることをユーザに報知する警告を表示部11に表示する(ステップS14)。
【0049】
本実施形態によれば、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していなければ、燃料注入蓋26が開くことがなく、燃料を補充することができないため、ユーザが、適合していない燃料を誤って電子スチルカメラ17に補充してしまうことを防止することができる。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図8は、本実施形態による電子スチルカメラ17の構成を示している。図1と同じ構成については説明を省略する。本実施形態による電子スチルカメラ17では、図1で説明した電子スチルカメラ17と比較して、制御部7内にバーコード記憶部28が追加されている。
【0051】
バーコード記憶部28は、バーコード読み取り部14で読み取った燃料カートリッジのバーコードの内容(商品コード)と、過去に行われた適合性の判定結果とを対応付けて記憶する。燃料判定部16は、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性の判定を行う際に、まずバーコード記憶部28を参照し、バーコード読み取り部14によって読み取られた商品コードに対応した過去の判定結果をバーコード記憶部28から読み出す。燃料判定部16は、この判定結果に基づいて、電子スチルカメラ17と燃料カートリッジ18の適合性の判定を行う。
【0052】
過去に同じ商品コードを読み取ったことがあり、かつ適合であることが判明した場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していると判定し、燃料が使用可能あることを表示部11に表示する。また、過去に同じ商品コードを読み取ったことがあり、かつ不適合であることが判明した場合には、燃料判定部16は、燃料カートリッジ18が電子スチルカメラ17に適合していないと判定し、燃料が使用不可であることを表示部11に表示する。
【0053】
一方、過去に同じ商品コードを読み取ったことがなかった場合には、第1の実施形態と同様の動作により電子スチルカメラ17が燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスして情報を取得し、その情報に基づいて適合性の判定が行われることになる。その判定の後には、商品コードと共に判定結果がバーコード記憶部28に格納される。
【0054】
本実施形態では、電子スチルカメラ17に使用することを推奨する燃料カートリッジ、例えば純正品の商品コードをあらかじめ出荷時などにバーコード記憶部28に記憶しておくことも可能である。これにより、推奨する燃料カートリッジの商品コードと、読み取った商品コードとが一致した時点で、燃料が使用可能であることが判明する。
【0055】
本実施形態によれば、過去に適合性の判定を行った燃料カートリッジ18の判定結果を記憶し、同じ燃料カートリッジ18については、過去の判定結果を利用して適合性の判定を行うことによって、燃料を補充する毎に燃料電池照合データベースサーバ22にアクセスすることがなくなるので、処理時間の短縮および消費電力の低減を図ることができる。
【0056】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図9は、本実施形態による電子スチルカメラ17の構成を示している。図1と同じ構成については説明を省略する。本実施形態による電子スチルカメラ17では、図1で説明した電子スチルカメラ17と比較して、制御部7内に燃料判定部16の代わりにカード判定部30が追加されている。また、電子スチルカメラ17内には、無線通信用の通信カードや情報記憶用のメモリカード等を電子スチルカメラ17に着脱するためのカードスロット31が設けられている。
【0057】
図示しないが、電子スチルカメラ17に接続されるカードにはバーコードが貼られているものとする。また、本実施形態では、図3に示した燃料電池照合データベースサーバ22に代えて、カードの種類等の情報と、そのカードに適合する機器の情報とを管理する、図示しないデータベースサーバが設けられているものとする。電子スチルカメラ17とカードの適合性の判定動作は第1の実施形態と同様である。ただし、第1の実施形態では適合性の判定を図1の燃料判定部16が行っていたが、本実施形態ではカード判定部30が行う。
【0058】
本実施形態によれば、カードが電子スチルカメラ17に適合するか否かを判定することが可能なので、電子スチルカメラ17に適合しないカードが誤って電子スチルカメラ17に接続されることを防止することができる。その他の効果は第1の実施形態と同様である。また、第2〜第4の実施形態で説明した技術要素を本実施形態に適用することで本実施形態を変形することも可能である。
【0059】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による電子スチルカメラの外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による電子スチルカメラを備えた燃料電池照合システムの構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による電子スチルカメラの動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による電子スチルカメラの動作の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による電子スチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・電池部(燃料電池)、2・・・燃料タンク、3・・・発電回路、4・・・燃料注入口、5・・・撮像部、6・・・入力部、7・・・制御部、8・・・無線通信部、9・・・アンテナ、10・・・メモリ、11・・・表示部、12・・・レリーズボタン、13・・・動作モード切換スイッチ、14・・・バーコード読み取り部(読み取り部)、15・・・無線制御部(情報取得部)、16・・・燃料判定部(判定部)、17・・・電子スチルカメラ、18・・・燃料カートリッジ、19・・・バーコード、20・・・外部通信装置、21・・・ネットワーク、22・・・燃料電池照合データベースサーバ、23・・・電装系、24・・・RF−ID部、25・・・RF−ID読み取り部(読み取り部)、26・・・燃料注入蓋(蓋)、27・・・燃料注入蓋開閉制御部(開閉制御部)、28・・・バーコード記憶部(記憶部)、30・・・カード判定部(判定部)、31・・・カードスロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、
前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、
前記電子カメラと前記機能体の適合性を判定する外部装置に対して、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報と前記電子カメラの識別情報を送信し、前記外部装置から前記電子カメラと前記機能体の適合性の判定結果を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された判定結果に基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、
前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、
前記電子カメラの識別情報と、前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報とが格納された外部装置に対して、前記電子カメラの識別情報を送信し、前記外部装置から前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報を取得する情報取得部と、
前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報と、前記情報取得部によって取得された前記属性情報とに基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部を有する電子カメラにおいて、
前記電子カメラに着脱可能であり、前記電子カメラに対して特定の機能を提供する機能体に付与された、前記機能体に固有の属性情報を読み取る読み取り部と、
前記電子カメラの識別情報と、前記電子カメラに適合する前記機能体の属性情報とが格納された外部装置に対して、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報を送信し、前記外部装置から前記機能体に適合する前記電子カメラの識別情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記識別情報と、自身の前記電子カメラの前記識別情報とに基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
電源として、燃料液を内蔵し該燃料液を補給するための燃料注入口を有する燃料電池をさらに備え、前記機能体は、前記燃料液を収納した燃料カートリッジであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記読み取り部は、前記撮像部によって撮像された前記機能体の画像情報から前記属性情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記機能体は、前記属性情報が格納された無線タグを有しており、前記読み取り部は前記無線タグから前記属性情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記電子カメラと前記機能体の適合性に関する過去の判定結果と前記機能体の属性情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定部はさらに、前記読み取り部によって読み取られた前記属性情報に対応した前記過去の判定結果に基づき、前記機能体が前記電子カメラに適合するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記燃料注入口を保護するために開閉する蓋と、該蓋の開閉を制御する開閉制御部とをさらに備え、
前記開閉制御部は、少なくとも前記燃料カートリッジが前記電子カメラに適合すると判定された場合にのみ、前記蓋を開く
ことを特徴とする請求項4に記載の電子カメラ。
【請求項9】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子カメラと前記外部装置とを備えたことを特徴とする電子カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−236196(P2008−236196A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−70981(P2007−70981)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】