説明

電子コンポーネント保持用フレームパッケージ化アレーデバイス

【課題】電子コンポーネント保持用フレームパッケージ化アレーデバイスを提供する。
【解決手段】キャパシター、レジスターやインダクターなどの二つかそれ以上のディスクリートな2端子電子コンポーネント12を装着できるスパイン部22から突出する一つかそれ以上の軸方向リブ部24を有するフレーム20を使用する。このフレームはアセンブリ10を回路に構成するさいに、各コンポーネントの2端子14をPC基盤に個別に接触係合または半田付けできる単独のデバイスまたはアレーに、電子コンポーネントを配列離間する。またコンポーネントを摩擦または接着剤によって所定位置に保持できるように構成することができる。さらにフレームのベースは、回路基盤アセンブリに使用される装着機の単一の装着面になる。フレームおよび使用する任意の接着剤は、高温半田操作に耐えることができ、回路組み立て操作時に電気接点を形成できるものを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条に従って、2005年11月3日に出願された仮特許出願第60/733,275号の優先権を主張する出願で、この仮特許出願を全体的に援用する出願である。
本発明は、部品のアレーパッケージ化に関する。より具体的には、本発明は、フレームパッケージ化アレー電子コンポーネントまたは光学コンポーネント、および製造方法に関する。
【0002】
以下、本発明を電子素子について説明するが、本発明は、光学素子にも関する。
【背景技術】
【0003】
例えば心臓治療装置などの電子装置の場合、小型化の上に機能改善が続いており、回路基盤の実質的サイズの小型化が望まれている。現在、医療用途や他のフィルター処理電子的用途に、低電圧積層セラミックキャパシターが広く利用されている。一部のフィルター構成を対象とするコンポーネントを小型化する場合、ごく近く設定されたキャパシタンスをもつ2つかそれ以上のキャパシターが必要である。このため、印刷回路やPC基盤に一回の操作で実装できるキャパシタンスが一致した2つの以上のキャパシターからなるアレーが利用されている。
【0004】
単一のモノリシックな積層セラミックコンポーネント内に2つかそれ以上のキャパシターを実装したキャパシターアレーが利用できる。このようなコンポーネント内に実装したキャパシターの場合、デバイス内の個別の各セットの相互接続内部電極に端子を接続する。これらコンポーネントを回路基盤に実装した場合、単一のアレーは、並列接続した2つかそれ以上の個々の積層セラミックキャパシターと同様に振舞う。他の電子デバイスも同タイプのアレーをもつ。
【0005】
アレーには、2つかそれ以上の標準積層キャパシターの代わりに、パーツ毎の操作ではなく、単一の操作でPC基盤に実装できる一つのコンポーネントを使用できる利点がある。さらに、アレーのPC基盤に必要な面積が、個々の複数の積層セラミックキャパシターに必要な面積よりも少なくてすむ。これは、スペースが重要になる用途において有利である。
【0006】
技術が進歩し、アレーの小型化が必要条件になってくると、この方法には大きな問題が出てくる。小型化が進み、アレー内の2つかそれ以上のキャパシターの電極の接近度が大きくなると、2つのキャパシターの電場が相互セラミック界面を介して相互作用するため、回路性能に悪影響を与えるクロストークが発生する。さらに、特別な試験装置を開発しなければ、アレー内の個々のキャパシターを試験することは簡単ではない。このタイプのアレーの別な問題は、単一のモノリシックな構成であるため、アレーが一つのセラミック誘電タイプに制限されることである。さらに、アレー内の一つのキャパシターに欠陥が発生すると、アレー全体が欠陥を呈することになる。
【0007】
USP6,058,004には、レジスターまたはインダクターとともに2つかそれ以上の積層セラミックキャパシターをエポキシで接着して単一のコンポーネントにする方法が開示されている。この方法では、キャパシターまたは他のコンポーネントの電極間に直接リンクを形成する単一の材料がないため、クロストークを最小限に抑制できる。この方法には、アレーを組み立てる前に、標準タイプのコンポーネントを個別に試験でき、またモノリシックな構成とは違って、広範な材料およびサイズのコンポーネントでアレーを形成できる利点がある。0603ケースサイズ(長さ=0.063±0.005インチ、幅=0.031±0.005インチ)程度の小さい積層セラミックキャパシターのアレーを使用して、エポキシ接着アレーを形成するが、この方法には、さらに小型化を行って回路設計面積を小さくすることに関して、大きな制限があり、具体的には、実装時に、キャパシターのスペーシング許容度およびアラインメントを維持することが難しい。従って、より小さな電子コンポーネントを実装できる改良フレームパッケージ化アレー電子部品が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】USP6,058,004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上から、本発明の第1の目的(作用効果)は、改良フレームパッケージ化アレー電子コンポーネントを提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的(作用効果)は、表面積がより小さく、および/またはヘッドルームのより低い、小型電子コンポーネントアレーを提供することである。
【0011】
本発明の第3の目的(作用効果)は、従来の電子コンポーネント試験方法を利用して試験できる電子コンポーネントアレーシステムを提供することである。
【0012】
本発明の第4の目的(作用効果)は、一回の操作で回路基盤に実装できる複数の電子コンポーネントを有する電子アレーを提供することである。
【0013】
本発明の第5の目的(作用効果)は、電子コンポーネントを回路基盤に表面実装するさいの高温に耐えることができる電子コンポーネントアレーデバイスを提供することである。
【0014】
本発明の第6の目的(作用効果)は、同じアレーに異なるタイプの電子コンポーネントを使用して電子アレーを形成できる電子フレームパッケージ化アレーデバイスを提供することである。
【0015】
本発明の第7の目的(作用効果)は、アレー内の電子コンポーネント間のスペースを均一化または制御できる電子アレーデバイスを提供することである。
【0016】
本発明の第8の目的(作用効果)は、アレー内の複数の電子コンポーネントに剛性を与える電子アレーデバイスを提供することである。
【0017】
本発明の第9の目的(作用効果)は、製造が経済的で、耐久性があり、操作効率のよいフレームパッケージ化アレー電子コンポーネントを提供することである。
【0018】
本発明の第10の目的(作用効果)は、電子コンポーネントアレーを製造/組み立てるフレームパッケージ化アレー電子コンポーネント方法を提供することである。
【0019】
本発明の以上の、およびそれ以外の目的、特徴または作用効果のひとつかそれ以上は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
以上の特徴または作用効果の一つかそれ以上は、スパイン部とこのスパイン部から軸方向に延設した一つかそれ以上のリブ部からなり、複数の電子コンポーネントを一つかそれ以上のリブ部に隣接するスパイン部に配設するアレーとして複数の電子コンポーネントを保持するアレーフレームであって、上記コンポーネントが、これらを比較的平面の回路基盤に実装する平面を形成するアレーフレームによって実現することができる。
【0021】
本発明の第2態様は、プラスチックで構成するアレーとして、複数の電子コンポーネントを保持するアレーフレームに関する。
【0022】
上記特徴(作用効果)の一つかそれ以上は、スパイン部およびこのスパイン部から軸方向に延設した一つかそれ以上のリブ部からなり、複数の電子コンポーネントを一つかそれ以上のリブ部に隣接するスパイン部に取り付けたアレーフレームであって、上記コンポーネントが、これらを比較的平面の回路基盤に実装する平面を形成するアレーフレームを有する電子デバイスアレーによって実現することができる。なお、電子コンポーネントは、キャパシター、レジスター、コンダクター、その他の電子デバイスである。
【0023】
また、上記特徴(作用効果)の一つかそれ以上は、印刷回路基盤、スパイン部およびこのスパイン部から軸方向に延設した一つかそれ以上のリブ部を有するアレーフレームを備えた電子デバイスアレー、および一つかそれ以上のリブ部に隣接するスパイン部に配設した複数の電子コンポーネントを有する電子回路であって、上記コンポーネントが、これらを比較的平面の回路基盤に実装する平面を形成し、そして電子コンポーネントの一つかそれ以上を回路基盤に電気的に接続した電子回路によって実現することができる。コンポーネントは、好ましくは、表面実装デバイスである。
【0024】
また、上記特徴(作用効果)の一つかそれ以上は、アレーアセンブリに装入する電子コンポーネントを選択し、これら電子コンポーネントをアレーフレームに取り付けて、印刷回路基盤に電気的に接続することによって、電子パッケージアレーアセンブリデバイスを製造する方法によって実現することができる。本発明の他の態様は、電子コンポーネントを試験し、接着剤を利用して電子コンポーネントをアレーフレーム上の所定位置に保持し、アレーアセンブリを配列パッケージ化して回路基盤に自動装着することに関する。
【0025】
なお、ここで使用する“アレー”とは、2つのキャパシターなどの複数の電子デバイスであって、ひとつの装置で結合して回路基盤に装着できる電子デバイスを意味する。電子コンポーネントを回路基盤に実装するさいに、複数の電子コンポーネントからなるアレーを一回の操作で回路基盤に装着できる。これは、時間に節約になるだけでなく、電子コンポーネントを配列することが望ましい場合や、特異的な許容度をもつ電子コンポーネントに適する構成である。この場合、電子コンポーネントは、アレーに組み立てる前に配列できる。本発明のアレーは、任意の数の電子デバイスを保持でき、また任意のタイプまたはスタイルの電子デバイスを電子コンポーネントとして使用できる。具体例を挙げれば、レジスター、キャパシター、インダクター、その他の電子デバイスの表面実装またはスルーホール実装であるが、これらに制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】フレームパッケージ化アレー電子コンポーネントの一実施態様を示す斜視図である。
【図2】図1の端面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1の側面図である。
【図5】本発明の電子コンポーネントアレーシステムを利用した電子回路の一実施態様を示す図である。
【図6】電子コンポーネントを印刷回路基盤に装着するために本発明の電子コンポーネントアレーシステムを利用するさいの例示的な半田プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜4に、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10を示す。このフレームパッケージ化アレーアセンブリ10は、任意の数の電子コンポーネント12を保持するために構成できる。電子コンポーネント12は、好ましくは、表面実装レジスター、インダクター、キャパシターなどであるが、本発明の場合、どのようなタイプの電子コンポーネント12にも対応可能である。
【0028】
図示のように、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10をまとめて保持するアレーフレーム20はスパイン部22とリブ部24をもつ。リブ部24は、スパイン部22から軸方向に突出し、電子コンポーネント12間に間隔を確保し、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10上で電子コンポーネント12を相互に分離保持するものである。電子コンポーネント12をアレーフレーム20上に配置すると、ギャップ26がリブ部24と電子コンポーネント12との間に場合によっては発生することがある。電子コンポーネント12は摩擦嵌めとしてアレーフレーム20に保持することができる。あるいは接着剤によっても保持することができる。このため、図5に示すように、アレーアセンブリ10を印刷回路基盤40に実装するまで、電子コンポーネント12をアレーフレーム20に取り付けておくことができる。
【0029】
フレームパッケージ化アレーアセンブリ10については、電子コンポーネント12の端子14を印刷回路基盤40上のトレース42に半田付けできるように構成する。リブ部24をスパイン部22から大きく突出させないのが好ましく、従って、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10を印刷回路基盤40に配設したときに、印刷回路基盤40上のトレース42に接触する電子コンポーネント12の端子14に干渉することがなくなる。即ち、リブ部24は、電子コンポーネント12の幅と、端子14が電子コンポーネント12の幅を超えて延長する距離があればこの距離をあわせた長さよりも短くする必要がある。
【0030】
なお、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10は、サイズ、個数、タイプが任意の電子コンポーネント12に対応できる。さらに、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10は、複数の電子コンポーネント12を必要とする印刷回路基盤40の上の任意のタイプの回路に対応できる。電子コンポーネント12は、アレーフレーム20に装着する前に試験でき、アレーアセンブリ10上でコンポーネントが一致しているかを確認できる。
【0031】
電子コンポーネント12を印刷回路基盤40のトレース42に半田付けするために使用できるサンプル半田IRリフロープロファイルを図6に示す。本発明では、他のIRリフロープロファイルも使用可能である。
【0032】
アレーフレーム20については、加熱半田工程で収縮やそりその他の欠陥を発生しないプラスチック材料で構成するのが好ましい。アレーフレーム20を構成するために好ましいプラスチック材料は、液晶ポリマーであるが、アレーフレーム20を構成するためには、他のタイプの材料も使用できる。
【0033】
つまり、本発明は、本質的に、キャパシター、レジスターまたはインダクターなどの2つかそれ以上のディスクリートな2端子14電子コンポーネント12をパッケージ化できる成型プラスチックフレーム20に関するものである。プラスチックフレーム20の機能は、最終的にアセンブリを回路に構成するさいに、各コンポーネントの2端子14をPC基盤に個別に接触係合または半田付けできる単独のデバイスまたはアレー10に、電子コンポーネント12を配列離間することである。フレーム20については、コンポーネント12を摩擦または接着剤によって所定位置に保持できるように構成することができる。さらに、フレーム20のスパイン部22は、回路基盤アセンブリに使用される装着機の単一の装着面になる。
【0034】
フレーム20に使用する材料については、タイトな許容誤差で成型でき、かつ装着後の回路組み立て操作時に電気接点を形成する高温半田操作に耐えることができる材料でなければならない。フレーム20内においてコンポーネント12を接着するために接着剤を使用する場合、この接着剤は、半田操作に耐えるものでなければならない。
【0035】
以下に、フレームパッケージ化アレーアセンブリ10を例示する。
【0036】
フレームパッケージ化アレーアセンブリ10の最良の実施態様を図1〜5に示す。液晶ポリマープラスチックを使用して、アレーフレーム20を構成した。このアレーフレーム20は、4個の0402キャパシター(長さ=0.04±0.004インチ、幅=0.020±0.004インチ)を装着するものである。本実施例では、接着剤としてエポキシ実装化合物を利用し、各コンポーネントをフレーム20内に装着する前にこの接着剤を塗布し、エポキシを125℃で15分間硬化処理することによってキャパシターをフレーム20に保持した。図6に示した半田プロファイルを使用して回路基盤に半田付けを行ったため、半田操作がうまくいき、フレーム20に歪みや亀裂がなく、またキャパシターの損傷もなかった。
【0037】
本実施例では、0.0052正方インチ(0.118インチ×0.044インチ)の最大面積内で4個のキャパシターを単一のコンポーネントに組み込んだ。これは、0.0072正方インチ以上の面積内で単一のコンポーネント内に又は4個の0603キャパシターを接着することによって製造した代表的な0612アレーに匹敵するものである。このフレームパッケージ化アレーアセンブリ10の場合、必要な面積を25%以上狭くした上に、個々の積層セラミックキャパシターを一括接着した場合に発生するクロストークもないという作用効果もある。さらに、フレーム20のスパイン部22が、各組み立てコンポーネントを印刷回路基盤に装着する単独の装着平面になる。この場合、図6に示すプロセスプロファイルを使用して図5に40で示すような印刷回路基盤にアレーアセンブリ10を半田付けできる。
【0038】
以上、好適な実施態様について本発明を説明してきたが、本発明の意図する精神および範囲から逸脱せずに、多数の変更、置換や追加を実施することができる。以上の説明から、本発明によれば、少なくとも以上説明した目的すべてを達成できることが理解できるはずである。
【符号の説明】
【0039】
10:フレームパッケージ化アレーアセンブリ、
12:電子コンポーネント、
14:端子、
20:アレーフレーム、
22:スパイン部、
24:リブ部、
26:ギャップ、
40:印刷回路基盤、
42:トレース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装用の複数の電子コンポーネントを回路基盤上に実装するために用いるアレーデバイスであり、前記電子コンポーネント各々の本体の両端部に第1及び第2端子を有した前記電子コンポーネントをアレーフレームで保持し、前記電子コンポーネントをパッケージ化する前記アレーデバイスにおいて、
前記アレーフレームが、複数のリブを有し且つ前記リブの夫々を互いに接続する要素としてスパイン部を有し、
前記スパイン部の一面側から同じ方向に向けて夫々の前記リブが前記スパイン部から突出しており、さらに、
前記回路基盤に実装するための前記電子コンポーネントの前記本体を、前記スパイン部に隣接して配置し且つ前記夫々のリブを間にして配置して、前記電子コンポーネントを前記アレーフレームに備え、
前記スパイン部及び前記リブが前記本体のみを介して前記電子コンポーネントを保持しており、その上、
前記電子コンポーネントが前記回路基盤に電気的に接続していることを特徴とする電子コンポーネントをパッケージ化するアレーデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−9874(P2012−9874A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156937(P2011−156937)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【分割の表示】特願2008−538874(P2008−538874)の分割
【原出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(599087626)ヴィシャイ ヴィトラモン インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】VISHAY VITRAMON INC.
【住所又は居所原語表記】10 MAIN STREET MONROE,CONNECTICUT 06468 USA
【Fターム(参考)】