説明

電子デバイスの構成方法

【課題】移動デバイスおよびホストデバイスとの間の通信を提供する。
【解決手段】移動デバイスとホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立する。移動デバイスは、複数のユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクションであって、ホストデバイスが移動デバイスとアドレスされた通信構成にあるときホストデバイスによって使用可能なファンクションを実行可能なように構成される。ファンクションの各々は、特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた対応する適切なデバイスドライバに関連付けられている。ホストデバイスには、移動デバイスのファンクションに関連付けられた特定のデバイス記述子を提供する。そして、移動デバイスが以前にホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、提供された特定のデバイス記述子に基づいて、ホストデバイスが移動デバイスの特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの構成方法に関し、特に汎用シリアル・バス・デバイスおよびホストの構成に適用されるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
4本のワイヤ・バスにより、通常はパーソナルコンピュータ(PC)であるホストにプリンタ、スキャナ、キーボード、モデム、カメラおよび記憶デバイスなどの周辺デバイスを最大127個まで取り付けることができる汎用シリアル・バス(USB)規格が開発されている。これらのデバイスは、直接、または追加接続を行うハブを介してPCに接続することができる。USBは、異なるタイプのデバイスの接続を標準化できるという利点を持つ。さらに、PCの電源がオンの場合でも、他のデバイスを使用しながらでも、デバイスを接続することができる。
【0003】
USBは、低データ速度から中データ速度の用途に適した各デバイスに対して最大8Mbit/sのユーザ・データ転送速度をサポートする。USBの概略を知りたい場合は、J.ガーニー他による「USB Hardware & Software(USBハードウェアおよびソフトウェア)」(1998年、アンナ・ブックス社発行)[ISBN 0−929392−3−X]を参照されたい。USB規格の最新版は、www.usb.org、または米国、97221オレゴン州ポートランド、スイート217、SWウェストゲート・ドライブ5440、USB−IF管理局から入手することができる。
【0004】
デバイスは、PCまたはハブのUSBポートに接続される。いったんデバイスに物理的に接続されたPCは、そのデバイスの取付けおよび構成を制御する。そのため、PCには、通常、PCのオペレーティング・システムが提供するUSBドライバが組込まれている。PCには、また、そのデバイスを制御するデバイス・ドライバが組込まれ、いったん取付けられ構成されると、PC上のアプリケーション・ソフトウェアが、そのデバイスを使用できる。デバイス・ドライバは、多くの場合、オペレーティング・システムより供給されるが、一般的でないデバイスの場合には、ユーザは、インストール・ディスクを使用して特定のデバイス・ドライバをインストールしなければならない場合がある。
【0005】
デバイスは大きく2種類、すなわち、ハブおよびファンクションに分類される。ハブは、USBとの追加の接続点を供給する。ファンクションは、コンピュータの能力を増強する。マウスのような、ハブでない大部分のデバイスは、1つのファンクションを実行する。内蔵スピーカを含むモニタのように、デバイスの中には複数のファンクションを実行し、また埋設ハブを持つものもある。このようなデバイスは、複合デバイスと呼ばれ、PCから見た場合、個々に分離不可能なファンクションの集まりを含むハブのように見える。
【0006】
USB規格は、もともと、1つのファンクションを実行する単純な周辺デバイスに対応するために設計されたものである。マウスのような単一機能デバイスを初めてPCに接続すると、USBドライバは、そのデバイスを検出し、識別し、構成し、オペレーティング・システムが、デバイス・ドライバ、マウスの場合には、マウス・ドライバを自動的に割り当てる。別な方法としては、ユーザは、特定のデバイス・ドライバを組込むおよび/または割り当てることができる。複合デバイスを初めて接続した場合には、各ファンクションに対して、同じ検出、識別および構成プロセスが実行され、その結果、PCは、複合デバイスのすべてのファンクションを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、デバイスが複数の分離可能なファンクションを実行する場合に、1つの問題が起こる。そのようなデバイスは、PCにとっては、単一機能デバイスのように見える。そのデバイスが、初めてPCに接続された場合には、オペレーティング・システムは、このファンクションに応じたデバイス・ドライバを割り当てる。デバイス・ドライバが割り当てられると、デバイスは、デバイス・ドライバに接続され、その結果、デバイスがPCから切り離され、次に、再度接続されると、同じデバイス・ドライバが、そのデバイスに割り当てられる。そのため、そのデバイスの多機能性が破棄される。
本発明の目的は、この問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、第1および第2の電子デバイスの構成方法を提供する。前記第2のデバイスは、複数の予め定義されたファンクションを実行することができる。前記方法は、前記第2のデバイスにおいて、前記第2のデバイスの前記複数のファンクションの1つに関する選択情報を受信するステップと、前記第1のデバイスに前記1つのファンクションに関連する情報を提供するステップと、前記第1のデバイスが前記1つのファンクションを使用できるように、前記1つのファンクションとインタフェースをとる手段を前記第1のデバイスに提供するステップとを含む。
【0009】
第1のデバイスとしては、パーソナルコンピュータのような汎用シリアル・バス・ホストを使用することができ、第2のデバイスとしては、移動電話機ハンドセットのような汎用シリアル・バス・デバイスを使用することができる。
【0010】
前記方法は、さらに、信号を伝送するために前記第1および第2のデバイスをバスによって接続するステップと、前記第1および第2のデバイス間にアドレス可能な通信を確立するために、前記バスを介して前記第1および第2のデバイス間で構成信号を交換するステップとを含むことができる。前記構成信号の交換は、前記1つのファンクションに関連する情報の提供を含むことができる。前記情報の提供は、前記第2のデバイスから前記第1のデバイスへのメッセージの送信を含むことができる。前記情報の提供は、前記1つのファンクションを識別するデータの提供を含むことができる。
【0011】
前記方法は、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへ情報を要求するステップを含むことができる。
前記インタフェースをとる手段の提供は、デバイス・ドライバを割り当てるステップを含むことができ、また、コンピュータ・プログラムを実行するステップを含むこともできる。
【0012】
第2の態様によれば、本発明は、電子デバイスと通信するためのデータ処理手段を使用する方法を提供する。前記方法は、前記デバイスの第1のファンクションに関連する第1の情報を受信するステップと、前記データ処理手段が前記第1のファンクションを使用できるように、前記第1のファンクションとインタフェースをとる第1の手段を提供するステップと、前記デバイスの第2のファンクションに関連する第2の情報を受信するステップと、前記データ処理手段が前記第1のファンクションに優先して前記第2のファンクションを使用できるように、前記第2のファンクションとインタフェースをとる第2の手段を提供するステップとを含む。
【0013】
第3の態様によれば、本発明は、データ処理手段と通信する電子デバイスの構成方法を提供する。前記方法は、前記デバイスの複数の予め定義されたファンクションの1つに関連する選択情報を受信するステップと、前記データ処理手段に第1のファンクションに関連する情報を提供するステップとを含む。前記方法は、さらに、前記データ処理手段が前記1つのファンクションを使用できるようにするステップを含むことができる。
【0014】
第4の態様によれば、本発明は、電子デバイスと通信するように構成されたデータ処理手段に対するコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラムを提供する。前記コンピュータ・プログラムにより、前記データ処理手段が、前記デバイスの第1のファンクションに関連する選択情報を受信し、前記データ処理手段が前記ファンクションを使用できるように、前記第1のファンクションとインタフェースをとる第1の手段を提供し、前記デバイスの第2のファンクションに関連する第2の情報を受信し、前記データ処理手段が、前記第1のファンクションに優先して前記第2のファンクションを使用できるように、前記第2のファンクションとインタフェースをとる第2の手段を提供する。
【0015】
第5の態様によれば、本発明は、複数の予め定義されたファンクションを実行でき、データ処理手段と通信するように構成された電子デバイスに対するコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラムを提供する。前記コンピュータ・プログラムにより、前記デバイスは、前記複数のファンクションの1つに関連する情報を受信し、前記データ処理手段に前記ファンクションに関連する情報を提供する。前記プログラムによれば、さらに、前記デバイスが、前記データ処理手段による前記1つのファンクションの使用を可能にする。
【0016】
第6の態様によれば、本発明は、第1および第2の電子デバイスを備える装置を提供する。前記第2のデバイスは、複数のファンクションを実行することができる。前記装置は、前記第2のデバイスの前記複数のファンクションの1つに関連する選択情報を受信する手段と、前記第1のデバイスに前記1つのファンクションに関連する情報を提供する手段と、前記第1のデバイスが前記1つのファンクションを使用できるように、前記1つのファンクションとインタフェースをとる手段を提供する手段とを含む。
第1のデバイスとしては、パーソナルコンピュータのような汎用シリアル・バス・ホストを使用することができ、第2のデバイスとしては、移動電話機ハンドセットのような汎用シリアル・バス・デバイスを使用することができる。
【0017】
第7の態様によれば、本発明は、複数のファンクションを実行することができる電子デバイスを提供する。前記デバイスは、前記複数のファンクションの1つに関連する選択情報を受信する手段と、もう1つのデバイスに前記1つのファンクションに関連する情報を提供する手段とを備える。前記デバイスは、さらに、前記もう1つのデバイスが前記1つのファンクションを使用できるようにする手段を備えることができる。前記デバイスとしては、移動電話機ハンドセットを使用することができる。
【0018】
第8の態様によれば、本発明は、複数の予め定義されたファンクションを実行することができる汎用シリアル・バス・デバイスを提供する。前記デバイスは、前記複数のファンクションの1つに関連する選択情報を受信する手段と、前記1つのファンクションに関連する情報をホストに提供する手段とを備える。前記デバイスは、さらに、前記ホストが前記1つのファンクションを使用できるようにする手段を備えることができる。前記デバイスは、移動電話機ハンドセットであっても良い。
添付の図面を参照しながら、本発明のある実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】通常の汎用シリアル・バス(USB)構成の略図である。
【図2】パーソナルコンピュータ(PC)、およびUSBによりコンピュータに取り付けられる周辺デバイスである。
【図3】図2の装置のバス・トポロジーである。
【図4】移動電話機ハンドセットの斜視図である。
【図5】図4のハンドセットの移動電話機回路の略図である。
【図6】図4の移動電話機ハンドセットのユーザによるファンクション選択を可能にするプロセスを示すフローチャートである。
【図7】USBハブに接続している、図4の移動電話機ハンドセットである。
【図8】図7の移動電話機ハンドセットが、図2のPCに取り付けられ、構成されるプロセスを示すフローチャートである。
【図9】図8の移動電話機ハンドセットおよびPCがデバイス情報を交換するプロセスを示すフローチャートである。
【図10】デバイス記述子要求の略図である。
【図11】デバイス記述子の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1について説明すると、通常のUSB構成1は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などのホスト2と、汎用シリアル・バス(USB)によりこれと接続された、例えばマウスなどの周辺デバイス3とを備える。USBは、例えばカーソル制御などのデバイス3のファンクションをホスト2に供給することができるハードウェアおよびソフトウェアを備える。図1では、USB装置1は3層の通信システムとして示されている。
【0021】
底層4は、ホスト2とデバイス3との間の電気接続を処理する。ホスト2およびデバイス3は、それぞれ、USBケーブル7により接続されるポート(図示せず)を供給するUSBインタフェース5、6を有する。
中間層8は、ホスト2とデバイス3との間のデータ転送の制御に関する。ホスト側のUSBシステム9は、デバイス側のUSBデバイス10と協働してUSBを管理する役割を果たす。接続を確立し、デバイス3を構成するために、デフォルト・パイプ11と呼ばれる論理制御リンクが設定される。
【0022】
上層12は、デバイス3の利用に関する。ホスト2上のアプリケーション・ソフトウェア13は、パイプ15と呼ばれる論理接続を介してデバイス3のファンクション14とインタフェースをとる。
USB構成に関する他の情報については、USB規格の改訂版2.0の第10章を参照されたい。
【0023】
図2について説明すると、PCシステム16は、モニタ19、キーボード20、マウス21、プリンタ22、第1および第2のスピーカ23、23、マイクロホン24、およびUSBを使用するUSBハブ25を含む複数の周辺デバイス18に接続されたPC17を備える。複数のUSBケーブル26は、PC17を周辺デバイス18に接続する。USBハブ25は、移動電話機ハンドセット27をPC17に接続するための手段を提供する。
【0024】
図3について説明すると、PC17は、USBホストとしての働きをし、USBを拡張するために、PCに直接接続されたルート・ハブ28と呼ばれるハブを持つ。この例の場合には、ルート・ハブ28は、4つのポート(図示せず)を供給する。モニタ19は、埋設ハブ29を持つ複合デバイスであり、モニタ・ファンクション30を実行する。キーボード20も、埋設ハブ31を持つ複合デバイスであり、キーボード・ファンクション32を実行する。
【0025】
移動電話機ハンドセット27は多機能である。この例の場合には、移動電話機ハンドセット27は、オーディオ信号を供給するためのマイクロホン・ファンクション33、ダイヤルアップ・ネットワーキング用のモデム34、個人情報管理(PIM)の同期を行うことができる赤外線データ通信協議会(IrDA)のオブジェクト交換プロトコル(OBEX)を実行するためのコントローラ35を持つ。この例の場合には、モデム34およびコントローラ35などのファンクションは、ハンドセット・コントローラ(図5)によりソフトウェアで実行される。他のファンクションもハンドセット27で実行できることが理解できるだろう。モニタ19、キーボード20、マウス21、プリンタ22、スピーカ23、23およびマイクロホン24は、それ自体周知の方法でPC17に取り付けられ、構成される。
【0026】
図4および図5について説明すると、移動電話機ハンドセット27は、ケーシング36、バッテリ・パック37、液晶ディスプレイ(LCD)パネル38、マイクロホン39、イヤホン40、キーパッド41,USBポート42、アンテナ43、加入者識別モジュール(SIM)カード44、およびSIMカード・リーダ45を備える。移動電話機回路は、無線インタフェース回路46、コーデック回路47、コントローラ48、メモリ49、およびUSBトランシーバ回路50を含む。USBトランシーバ回路50は、USBポート42と一緒にデバイスUSBインタフェース(図1)を実行するためのハードウェアを提供する。
ユーザが移動電話機ハンドセット27の1つのファンクションを選択し、PC17にハンドセット27を取り付け、その結果、ハンドセットを適切なデバイス・ドライバで構成する方法について説明する。
【0027】
図6について説明すると、ハンドセット27は、複数のファンクション33、34、35の1つに関連する選択情報を受信し、ユーザは、ハンドセット27上で、ファンクション・メニューを入力し(ステップS1)、ハンドセットが実行することができる複数のファンクションの1つを選択する(ステップS2)。この例の場合には、ユーザは、ダイヤルアップ・インターネット・サービス・プロバイダにアクセスしたいので、ユーザはモデム・ファンクション34を選択する。ハンドセット・オペレーティングシステムは、ハンドセットを構成する(ステップS3)。さらに、コントローラ48は、モデム・ファンクション34に対応するメモリ49に保持されている複数のデバイス記述子DEVICEの1つにポインタをセットする(ステップS4)。デバイス記述子DEVICEの性質および目的については、以下でより詳細に説明する。ファンクション33、34、35の1つを選択するのに電気機械式スイッチを使用できることが理解できるだろう。
【0028】
図7および図8について説明すると、ユーザは、USBケーブル52により4つのハブ・ポート51の1つにハンドセット27を取り付けると、バス調査が行われる。USBハブ25は、ハンドセット27が4つのポート51の1つに接続されたことを感知し、ポートの状態を「切断」から「接続」に変更する(ステップS5)。ハンドセット27は、それ自身の電力を供給するので、電力供給状態にあると見なされる(ステップS6)。PC17は、周期的にUSBハブ25に対してポーリングし、USBハブ25は4つのハブ・ポート51の1つに状態変化があったことを示す(ステップS6.1)。PC17は、ハブ25に変化の内容を示すようコマンドを送り(ステップS6.2)、ハブは、ポートの同定により応答する(ステップS6.3)。PC17は、ポート・イネーブル信号を発し、リセット・コマンドを送信する(ステップS7)。
【0029】
この時点で、ハンドセット27が接続されているポート51は動作可能になり、ハンドセット27はデフォルト状態になり、デフォルト・アドレスでデフォルト・パイプによってのみアドレス可能である。PC17およびハンドセット27は、以下にさらに詳細に説明するように、記述子情報を交換する(ステップS7.1)。この時点で、PC17に対して、ハンドセット27が実行するファンクション33、34、35が通知され、PC17は、適当なデバイス・ドライバを選択する。PC17は、ハンドセット27に一意のアドレスを割り当てる(ステップS8)。この段階で、ハンドセット27は、アドレスされた状態になる。PC17は、ハンドセットから構成情報を読み取る(ステップS9)。ここでハンドセット27が構成され、PC17はそこからデータを受信することができる。
【0030】
上記ステップS7.1における記述子情報の交換について説明する。
図9および図10について説明すると、PC17は、デフォルト・パイプによりハンドセット27に要求「GET_DESCRIPTOR」を送信する(ステップS7.1.1)。要求「GET_DESCRIPTOR」は、要求タイプ・フィールド53、要求フィールド54、この例の場合には、「DEVICE」にセットされる記述子タイプ55、ゼロにセットされる記述子索引フィールド56、ハンドセットが返送しなければならないバイト数を指定する長さフィールド57、およびデータ・フィールド58からなる。
【0031】
図9および図11について説明すると、ハンドセット27はメモリ49からデバイス記述子DEVICEを検索し(ステップS7.1.2)、それをPC17に返送する(ステップS7.1.3)。デバイス記述子は、長さフィールド59、記述子タイプ・フィールド60、USB規格発表番号フィールド61、デバイス・クラス・コード・フィールド62、デバイス・サブクラス・コード・フィールド63、プロトコル・コード・フィールド64、最大パケット・サイズ・フィールド65、ベンダIDフィールド66、製品IDフィールド67、デバイス発表番号フィールド68、製造メーカについてのストリング記述子の索引69、製品に関するストリング記述子の索引70、デバイスのシリアル番号に関するストリング記述子の索引71、可能な構成の数を示すフィールド72からなる。この例の場合には、デバイス・クラス・コード・フィールド62は、モデムを示す02にセットされる。
【0032】
PC17のUSBシステム(図1参照)が、デフォルト・パイプによりデバイス記述子DEVICEを受信すると、USBシステムは、デバイス・クラス62に関する情報をPCのオペレーティング・システムに送る。PCのオペレーティング・システムは、それ自体周知の方法で、モデム・ドライバを選択し、割り当てる。別な方法としては、オペレーティング・システムは、ユーザにモデム・ドライバをインストールするように指示することもできる。モデム・ドライバがインストールされ、適当なブラウザ・ソフトウェアが動作すると、PC17はモデム34を制御し、データを受信することができる。
【0033】
ユーザがハンドセット27を切り離し、マイクロホン・ファンクション33などの異なるファンクションを使用したい場合には、ユーザはハンドセット27上でファンクション・メニューを再入力し、マイクロホン・ファンクションを選択する(ステップS1−S5)。ハンドセット27をPC17に再接続した場合には、バス調査中に、異なるデバイス記述子DEVICEがPC17に返送され、その結果、異なるドライバ、この場合にはマイクロホン・ドライバが割り当てられる。
このことは、ハンドセット27のすべてのファンクションをPC17が使用可能であり、ユーザが簡単にこれらを構成できるという利点を持つ。
【0034】
上記実施形態を種々に修正することができることを理解することができるだろう。PCの代わりに、ホストとして、他の移動電話機ハンドセット、ゲームコンソールまたはネットワーク・コンピュータを使用することができる。デバイスは、移動電話機ハンドセットである必要はなく、データ通信装置または他のPCであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 USB構成
2 ホスト
3 デバイス
4 底層
5 USBインタフェース
6 USBインタフェース
7 USBケーブル
8 中間層
9 USBシステム
10 USBデバイス
11 デフォルト・パイプ
12 上層
13 アプリケーション・ソフトウェア
14 ファンクション
15 パイプ
16 PCシステム
17 PC
18 周辺デバイス
19 モニタ
20 キーボード
21 マウス
22 プリンタ
23 スピーカ
24 マイクロホン
25 USBハブ
26 USBケーブル
27 移動電話機ハンドセット
28 ルート・ハブ
29 埋設ハブ
30 モニタ・ファンクション
31 埋設ハブ
32 キーボード・ファンクション
33 マイクロホン・ファンクション
34 モデム・ファンクション
35 コントローラ・ファンクション
36 ケーシング
37 バッテリ・パック
38 LCDパネル
39 マイクロホン
40 イヤホン
41 キーパッド
42 USBポート
43 アンテナ
44 SIMカード
45 SIMカード・リーダ
46 無線インタフェース回路
47 コーデック回路
48 コントローラ
49 メモリ
50 USBトランシーバ回路
51 ハブ・ポート
52 USBケーブル
53 要求タイプ・フィールド
54 要求フィールド
55 記述子タイプ
56 記述子索引フィールド
57 長さフィールド
58 データ・フィールド
59 長さフィールド
60 記述子タイプ・フィールド
61 USB規格発表番号フィールド
62 デバイス・クラス・コード・フィールド
63 デバイス・サブクラス・コード・フィールド
64 プロトコル・コード・フィールド
65 最大パケット・サイズ・フィールド
66 ベンダIDフィールド
67 製品IDフィールド
68 デバイス発表番号フィールド
69 製造メーカについてのストリング記述子の索引
70 製品に関するストリング記述子の索引
71 デバイスのシリアル番号に関するストリング記述子の索引
72 可能な構成の数を示すフィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動デバイスおよびホストデバイスとの間の通信を提供する方法であって、
前記移動デバイスと前記ホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立するために、前記移動デバイスを前記ホストデバイスに接続することであって、前記移動デバイスは、複数のユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクション、ただし前記ホストデバイスが前記移動デバイスとアドレスされた通信構成にあるとき前記ホストデバイスによって使用可能である、前記ファンクションを実行可能なように構成されており、前記ユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクションの各々は、特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた対応する適切なデバイスドライバに関連付けられている、前記接続することと、
前記ホストデバイスに、前記デフォルト非アドレス通信構成を使用する前記移動デバイスの特定の選択されたファンクションに関連付けられた特定のデバイス記述子を提供することであって、前記特定の選択されたファンクションは前記移動デバイスのユーザによって前記複数の異なるファンクションから選択されている、前記提供することと、
前記ホストデバイスに、前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記対応する適切なデバイスドライバを前記移動デバイスに割り当てさせることによって、前記移動デバイスと前記ホストデバイスとをインタフェースすることであって、前記移動デバイスが以前に前記ホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、前記提供された特定のデバイス記述子に基づいて、結果として、前記ホストデバイスが前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する、前記インタフェースすること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記デフォルト非アドレス通信構成の確立に、汎用シリアル・バス調査により提供されるデフォルト・パイプを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動デバイスおよびホストデバイスの汎用シリアル・バス調査の完了後、前記アドレスされた通信構成を提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動デバイスのアドレスされた通信構成を提供するために前記移動デバイスに一意のアドレスのみを割当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ホストデバイスが特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記特定のデバイス記述子を前記移動デバイスに要求することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホストデバイスが適切なデバイスドライバを選択して割り当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
特定の選択されたファンクションをユーザが選択することは、前記ホストデバイスに前記特定の選択されたファンクションに関連する特定のデバイス記述子を提供するため、前記デフォルト非アドレス通信構成を用いて通信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ホストデバイスと前記移動デバイスとを接続する前に前記複数の特定の選択可能なファンクションの1つを予め選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ホストデバイスと前記移動デバイスのうち少なくとも1つは汎用シリアル・バス・ホストである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記移動デバイスは、移動電話機ハンドセットおよび移動無線電話機能を備えたデバイスのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記移動デバイスは、移動電話機ハンドセット、データ通信機、パーソナルコンピュータを含むグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ・コードを備えるコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・コードがプロセッサによって実行されると、以下のこと:
移動デバイスとホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立するために、前記移動デバイスを前記ホストデバイスに接続することであって、前記移動デバイスは、複数のユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクション、ただし前記ホストデバイスが前記移動デバイスとアドレスされた通信構成にあるとき前記ホストデバイスによって使用可能である、前記ファンクションを実行可能なように構成されており、前記ユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクションの各々は、特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた適切なデバイスドライバに関連付けられている、前記接続することと、
前記ホストデバイスに、前記デフォルト非アドレス通信構成を使用する前記移動デバイスの特定の選択されたファンクションに関連付けられた特定のデバイス記述子を提供することであって、前記特定の選択されたファンクションは前記移動デバイスのユーザによって前記複数の異なるファンクションから選択されている、前記提供することと、
前記移動デバイスが前記ホストデバイスに、前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記対応する適切なデバイスドライバを前記移動デバイスに割り当てさせることによって、前記移動デバイスと前記ホストデバイスとをインタフェースすることであって、前記移動デバイスが以前に前記ホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、前記提供された特定のデバイス記述子に基づいて、結果として、前記ホストデバイスが前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する、前記インタフェースすること、
を実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項13】
移動デバイスであって、複数のユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクション、ただしホストデバイスが前記移動デバイスとアドレスされた通信構成にあるとき前記ホストデバイスによって使用可能である、前記ファンクションを実行可能なように構成され、前記移動デバイスがコントローラを含み、前記コントローラは以下のこと:
前記移動デバイスと前記ホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立するために、前記ホストデバイスに接続することと、
前記ホストデバイスに、前記デフォルト非アドレス通信構成を使用する前記移動デバイスの特定の選択されたファンクションに関連付けられた特定のデバイス記述子を提供することであって、前記特定の選択されたファンクションは前記移動デバイスのユーザによって前記複数の異なるファンクションから選択されていて、前記ユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクションの各々は、特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた対応する適切なデバイスドライバに関連付けられている、前記提供することと、
前記ホストデバイスに、前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記対応する適切なデバイスドライバを前記移動デバイスに割り当てさせることによって、前記移動デバイスと前記ホストデバイスとをインタフェースすることであって、前記移動デバイスが以前に前記ホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、前記提供された特定のデバイス記述子に基づいて、結果として、前記ホストデバイスが前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する、前記インタフェースすること、
を実行するよう構成される前記コントローラを備える、移動デバイス。
【請求項14】
ホスト電子デバイスおよび移動電子デバイスであって、
前記移動デバイスと前記ホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立するために、前記ホストデバイスと前記移動デバイスとを互いに接続することであって、前記移動デバイスは、複数のユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクション、ただし前記ホストデバイスが前記移動デバイスとアドレスされた通信構成にあるとき前記ホストデバイスによって使用可能である、前記ファンクションを実行可能なように構成されており、前記ユーザ選択可能な予め定義された異なるファンクションの各々は、特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた対応する適切なデバイスドライバに関連付けられている、前記接続することと、
前記ホストデバイスに、前記デフォルト非アドレス通信構成を使用する前記移動デバイスの特定の選択されたファンクションに関連付けられたデバイス記述子を提供することであって、前記特定の選択されたファンクションは前記移動デバイスのユーザによって前記複数の異なるファンクションから選択されている、前記提供することと、
前記ホストデバイスに前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記対応する適切なデバイスドライバを前記移動デバイスに割り当てさせる、前記移動デバイスによって、前記移動デバイスと前記ホストデバイスとをインタフェースすることであって、前記移動デバイスが以前に前記ホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、前記提供された特定のデバイス記述子に基づいて、結果として、前記ホストデバイスが前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する、前記インタフェースすること、
を実行するよう構成される、前記ホスト電子デバイスおよび移動電子デバイス。
【請求項15】
移動デバイスであって、複数の特定の選択可能な予め定義された異なるファンクション、ただし前記移動デバイスがホストデバイスとアドレスされた通信構成にあるとき前記ホストデバイスによって使用可能である、前記ファンクションを実行可能なように構成され、前記移動デバイスは、
前記移動デバイスと前記ホストデバイスとの間の通信にデフォルト非アドレス通信構成を確立するために、前記ホストデバイスに接続する手段と、
前記ホストデバイスに、前記移動デバイスの特定の選択されたファンクションに関連付けられた特定のデバイス記述子を提供する手段であって、前記特定の選択されたファンクションは前記移動デバイスのユーザによって前記複数の異なるファンクションからユーザが所望するファンクションとして選択されていて、前記異なるユーザ選択可能な予め定義されたファンクションは、各々特定のデバイスクラスと特定のデバイス記述子に関連付けられた対応する適切なデバイスドライバに関連付けられている、前記提供する手段と、
前記ホストデバイスに、前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションに関連付けられた前記対応する適切なデバイスドライバを前記移動デバイスに割り当てさせることによって、前記移動デバイスと前記ホストデバイスとをインタフェースする手段であって、前記移動デバイスが以前に前記ホストデバイスによってインタフェースされていた否かに関わらず、前記移動デバイスに対して前記提供された特定のデバイス記述子に基づいて、結果として、前記ホストデバイスが前記移動デバイスの前記特定の選択されたファンクションを使用可能となるアドレス通信構成を確立する、前記インタフェースする手段と、
を備える、移動デバイス。
【請求項16】
前記ホストデバイスは多機能の非複合デバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記移動デバイスはスレーブデバイスであり、前記ホストデバイスはマスタデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記選択することは、ユーザが前記移動デバイスのメニューを操作することにより実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記選択は前記特定の選択されたファンクションに関連付けられる特定のデバイス記述子をポイントするよう構成されるポインタを記憶させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記インタフェースすることは、前記ホストデバイスに前記対応する適切なデバイスドライバを割り当てさせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記移動デバイスおよびホストデバイスを互いに接続することはシングルUSB通信チャネルで前記移動デバイスおよびホストデバイスを互いに接続することを含み、前記ホストデバイスに前記デバイス記述子を提供することは前記シングルUSB通信チャネルで前記デバイス記述子を提供することを含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−3786(P2012−3786A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219815(P2011−219815)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2009−186736(P2009−186736)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】