説明

電子デバイス

【課題】素子搭載部材に搭載されている電子部品素子を気密封止することができ、電子部品素子への外部からの電磁波の影響を抑えることができる電子デバイスを提供する。
【解決手段】電子部品素子140が素子搭載部材110に搭載され、電子部品素子が搭載されている素子搭載部材が蓋部材120と接合され素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内に電子部品素子が気密封止されている電子デバイスであって、素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内を向く蓋部材の面と素子搭載部材に接合される蓋部材の面に蓋部材用金属膜121が形成され、蓋部材に接合される素子搭載部材の面と素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内を向く素子搭載部材の面であって搭載パッドに接触しない位置に素子搭載部材用金属膜111が形成され、蓋部材用金属膜と素子搭載部材用金属膜とで素子搭載部材と前記蓋部材とが接合されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子搭載部材に搭載されている電子部品素子が素子搭載部材と蓋部材とで封止されている電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、例えば、電子部品素子と素子搭載部材と蓋部材とを備えている。
また、電子デバイスは、素子搭載部材と蓋部材とが接合され素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間(収納空間)内に素子搭載部材に搭載されている電子部品素子が封止されている。
【0003】
このような電子デバイスでは、素子搭載部材がセラミックスと比較して製造するのに手間及び時間のかからない生産性のよい樹脂が用いられる場合がある。
また、このような電子デバイスでは、蓋部材がセラミックスと比較して製造するのに手間及び時間のかからず、かつ、金属と比較して原材料が安価な生産性のよい樹脂が用いられている場合がある。
【0004】
素子搭載部材及び蓋部材が樹脂からなる場合、電子デバイスは、セラミックス又は金属からなる場合と比較して封止される電子部品素子の気密性を向上させるために、収納空間側を向く素子搭載部材の面及び収納空間側を向く蓋部材の面に樹脂と比較して気密性が高い絶縁膜が形成されている。
従って、このような電子デバイスは、素子搭載部材に搭載されている電子部品素子が素子搭載部材及び蓋部材に形成されている絶縁膜で包囲されている状態で、素子搭載部材と蓋部材とが接合されて形成される空間内に気密封止されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007−324847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電子デバイスは、樹脂からなる素子搭載部材に電子部品素子が搭載されており、素子搭載部材と樹脂からなる蓋部材とが接合され形成される空間内に電子部品素子が収納された状態で封止されているので、素子搭載部材に搭載されている電子部品素子が外部からの電磁波に対して露出した状態となっているとみなすことができる。
このため、従来の電子デバイスは、素子搭載部材と蓋部材とで形成されている空間内に封止されている電子部品素子が外部から電磁波の影響を受けやすくなっており、外部からの電磁波の影響を受けて誤作動する恐れがある。
【0007】
そこで、本発明では、素子搭載部材に搭載されている電子部品素子を気密封止することができ、電子部品素子への外部からの電磁波の影響を抑えることができる電子デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、電子部品素子の搭載用端子と素子搭載部材の搭載パッドとが電気的に接続されて前記電子部品素子が前記素子搭載部材に搭載され、前記電子部品素子が搭載されている前記素子搭載部材が蓋部材と接合され前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内に前記電子部品素子が気密封止されている電子デバイスであって、前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内を向く前記蓋部材の面と前記素子搭載部材に接合される前記蓋部材の面に蓋部材用金属膜が形成され、
前記蓋部材に接合される前記素子搭載部材の面と前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内を向く前記素子搭載部材の面であって前記搭載パッドに接触しない位置に素子搭載部材用金属膜が形成され、前記蓋部材用金属膜と前記素子搭載部材用金属膜とで前記素子搭載部材と前記蓋部材とが接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このような電子デバイスによれば、素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内を向く蓋部材の面及び素子搭載部材に接合される蓋部材の面に蓋部材用金属膜が形成され、素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内を向く素子搭載部材の面及び蓋部材に接合される素子搭載部材の面に素子搭載部材用金属膜が形成され、蓋部材用金属膜と素子搭載部材用金属膜とを接合しているので、素子搭載部材と蓋部材とで形成される空間内に収納されている電子部品素子を蓋部材用金属膜と素子搭載部材用金属膜とで包囲することができる。
このため、このような電子デバイスは、蓋部材用金属膜と素子搭載部材用金属膜が樹脂と比較して気密性の高い金属から構成されているので素子搭載部材に搭載されている電子部品素子を気密封止することができ、かつ、素子搭載部材と蓋部材とで形成されている空間内に封止されている電子部品素子に対する外部からの電磁波による影響を従来の電子デバイスと比較して抑えることができ、外部からの電磁波の影響による誤作動を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る電子デバイスの状態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る電子デバイスで用いる素子搭載部材の状態の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る電子デバイスで用いる蓋部材の状態の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る電子デバイスの状態の一例を示す断面図である。
【図5】(a)は、本発明の第二の実施形態に係る電子デバイスで用いる素子搭載部材の状態の一例を示す平面図であり、(b)は、本発明の第二の実施形態に係る電子デバイスで用いる素子搭載部材の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において各構成要素の状態を分かりやすくするために誇張して図示している。
【0012】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、図1に示すように、素子搭載部材110と蓋部材120と電子部品素子140とを備えている。
また、本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、素子搭載部材110に搭載されている電子部品素子140が素子搭載部材110と蓋部材120とが接合され形成される空間130内に封止されている。
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、例えば、電子部品素子140が圧電振動素子となっている圧電振動子の場合について説明する。
【0013】
電子部品素子の一例である圧電振動素子140は、例えば、図1に示すように、圧電片141と励振電極142と搭載用端子143とから構成されている。
【0014】
圧電片141は、例えば、圧電材料が用いられ、両主面が四角形状の平板状に形成されている。
【0015】
励振電極142は、例えば、図1に示すように、二つ設けられている。
一方の励振電極142は、圧電片141の一方の主面に設けられている。
他方の励振電極142は、圧電片141の他方の主面であって、一方の励振電極142に対向する位置に設けられている。
【0016】
搭載用端子143は、後述する素子搭載部材110に電子部品素子の一例である圧電振動素子140を搭載する際に後述する素子搭載部材110の搭載パッドPと電気的に接続される役割を果たす。
また、搭載用端子143は、例えば、二つ設けられている。
一方の搭載用端子143は、図1に示すように、一方の端部が一方の励振電極143に接続しており他方の端部が圧電片141の他方の主面の所定の一辺の縁部に位置している。
他方の搭載用端子は、一方の端部が他方の励振電極143に接続しており他方の端部が圧電片141の一方の主面の所定の一辺の縁部に位置している。
【0017】
従って、電子部品素子の一例である圧電振動素子140は、圧電片141に励振電極142及び搭載用端子143が設けられ、それぞれの励振電極142がそれぞれの引き出し電極143と電気的に接続となっている。
【0018】
素子搭載部材110は、例えば、樹脂が用いられ、図2に示すように、両主面が四角形状の平板状となっている。
また、素子搭載部材110は、図1及び図2に示すように、一方の主面に搭載パッドPが設けられ、他方の主面に外部接続端子Gが設けられている。
また、素子搭載部材110は、図1及び図2に示すように、一方の主面に後述する素子搭載部材用金属膜111が形成されている。
【0019】
搭載パッドPは、例えば、図1及び図2に示すように、二つ設けられ、素子搭載部材110の一方の主面の所定の一辺の縁部に沿って二つ並んで設けられている。
また、搭載パッドPは、例えば、図1に示すように、電子部品素子の一例である圧電振動素子140の搭載用端子143と対向する位置に設けられ、導電性接着剤Dによって搭載用端子143と電気的に接続されている。
【0020】
外部接続端子Gは、例えば、四つ設けられ、素子搭載部材110の他方の主面の四隅に一つずつ設けられている。
また、外部接続端子Gは、所定の外部接続端子Gが所定の搭載パッドPと素子搭載部材110の内部配線(図示せず)を介し電気的に接続されている。
また、外部接続端子Gは、所定の他の一つが、後述する素子搭載部材用金属膜111と素子搭載部材110の内部配線を介し電気的に接続されている。
【0021】
従って、素子搭載部材110は、一方の主面に設けられている搭載パッドPが電子部品素子の一例である圧電振動素子140の搭載用端子143に電気的に接続されて、電子部品素子の一例である圧電振動素子140が搭載される。
【0022】
素子搭載部材用金属膜111は、図1及び図2に示すように、素子搭載部材110の一方の主面の全面に設けられている。このとき、素子搭載部材用金属膜111は、素子搭載部材110の一方の主面に設けられている搭載パッドPと接触しないように設けられている。従って、素子搭載部材用金属幕111は、素子搭載部材110の搭載パッドPに接触しないように設けられているので、搭載パッドPと電気的に接続されていない。
【0023】
また、素子搭載部材用金属膜111は、素子搭載部材110の外部接続端子Gの所定の他の一つと素子搭載部材110の内部配線を介し電気的に接続されている。従って、素子搭載部材用金属膜111は、所定の他の一つの外部接続端子Gがグラウンドに接続されると、グラウンドと同電位となる。
【0024】
つまり、素子搭載部材110は、図1及び図2に示すように、電子部品素子の一例である圧電振動素子140側を向く素子搭載部材110の面に素子搭載部材用金属膜111が設けられている。
【0025】
蓋部材120は、例えば、樹脂が用いられている。
また、蓋部材120は、蓋基板部120aと蓋枠部120bとから構成されており、蓋基板部120aに蓋枠部120bが設けられ収納空間130が形成されている。
また、蓋部材120は、後述する蓋部材用金属膜121が設けられている。
【0026】
蓋基板部120aは、例えば、図1及び図3に示すように、両主面が四角形状の平板状となっている。
【0027】
蓋枠部120bは、例えば、図1及び図3に示すように、蓋基板部120aの一方の主面の縁部に沿って環状に設けられている。
【0028】
ここで、蓋基板120aと蓋枠部120bとが接する面に対向する蓋枠部120bの面を蓋部材120の一方の主面とする。
また、蓋部材120aと蓋枠部120bとが接する面に対向する蓋基板部120aの面を蓋部材120の他方の主面とする。
【0029】
従って、蓋部材120は、一方の主面に収納空間130が形成されている。
また、蓋部材120は、収納空間130の開口部を素子搭載部材110に搭載されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140側に向けた状態で、素子搭載部材110と接合されて、収納空間130内に電子部品素子の一例である圧電振動素子140を封止している。
【0030】
蓋部材用金属膜121は、図1及び図3に示すように、蓋基板120aと蓋枠部120bとが接する面に対向する蓋枠部120bの面と、収納空間130内側を向く蓋枠部120bの面と、収納空間130内側を向く蓋基板部120aの面と、に設けられている。
つまり、蓋部材用金属膜121は、蓋部材120の一方の主面と収納空間130内側を向く蓋部材120の面に設けられている。
【0031】
ここで、蓋部材120の一方の主面に設けられている蓋部材用金属膜121は、前述した素子搭載部材110一方の主面に設けられている素子搭載部材用金属幕111と対向する位置に設けられている。
また、蓋部材120の一方の主面に設けられている蓋部材用金属膜121は、例えば、前述した素子搭載部材110の一方の主面と陽極接合により接合される。
【0032】
本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、素子搭載部材用金属膜111と蓋部材用金属膜121とが陽極接合により接合され、素子搭載部材110に搭載されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140が封止されている。
また、本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、収納空間130側を向く蓋部材120の面に蓋部材用金属膜121が設けられ、蓋部材120側を向く素子搭載部材110の面に素子搭載部材用金属膜111が設けられているので、素子搭載部材110に搭載されつつ収納空間130に収納されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140が素子搭載部材用金属膜111及び蓋部材用金属膜121で包囲されている状態とみなすことができる。
【0033】
このような本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100によれば、素子搭載部材110と蓋部材120とで形成される空間内を向く蓋部材120の面及び素子搭載部材110に接合される蓋部材120の面に蓋部材用金属膜121が形成され、素子搭載部材110と蓋部材120とで形成される空間内を向く素子搭載部材110の面及び蓋部材120に接合される素子搭載部材110の面に素子搭載部材用金属膜111が形成され、
蓋部材用金属膜121と素子搭載部材用金属膜111とを接合しているので、素子搭載部材110と蓋部材120とで形成される空間内に収納されている電子部品素子を蓋部材用金属膜121と素子搭載部材用金属膜111とで包囲することができる。
このため、このような本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100は、蓋部材用金属膜121と素子搭載部材用金属膜111が樹脂と比較して気密性の高い金属から構成されているので素子搭載部材に搭載されている電子部品素子を気密封止することができ、かつ、素子搭載部材110と蓋部材120とで形成されている空間内に封止されている電子部品素子に対する外部からの電磁波による影響を従来の電子デバイスと比較して抑えることができ、
外部からの電磁波の影響による誤作動を防ぐことができる。
【0034】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100によれば、素子搭載部材110に設けられている素子搭載部材用金属膜111が所定の他の一つの外部接続端子Gと電気的に接続されており、素子搭載部材用金属膜111が蓋部材用金属膜121と陽極接合により接合されているので、所定の他の一つの外部接続端子Gをグラウンドに接続すると、素子搭載部材110に搭載されている電子部品素子をグランドと同電位で包囲することができ、
素子搭載部材用金属膜111及び蓋部材用金属膜121に電荷が蓄積されることを防ぐことができる。
【0035】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係る電子デバイスは、素子搭載部材に収納空間が形成され、蓋部材が平板状となっている点で第一の実施形態と異なる。
【0036】
ここで、本発明の第二の実施形態に係る電子デバイス200は、例えば、図4に示すように、電子部品素子が圧電振動素子140となっている圧電振動子の場合について説明する。
【0037】
蓋部材220は、例えば、樹脂が用いられている。
また、蓋部材220は、例えば、両主面が四角形状の平板状に形成されている。
また、蓋部材220は、素子搭載部材210側を向く面の全面に蓋部材用金属膜121が形成されている。
【0038】
蓋部材用金属膜121は、蓋部材220の素子搭載部材210側を向く面に設けられている。
また、蓋部材用金属膜121は、後述する素子搭載部材用金属膜211に対向する位置に設けられ、後述する素子搭載部材用金属膜211と陽極接合により接合される。
【0039】
素子搭載部材210は、例えば、樹脂が用いられている。
また、素子搭載部材210は、図4と図5(a)と図5(b)に示すように、素子搭載基板部210aと素子搭載枠部210bとから構成されており、素子搭載基板部210aの一方の主面の縁部に沿って素子搭載枠部210bが設けられ収納空間230が形成されている。
【0040】
ここで、素子搭載基板部210aと素子搭載枠部210bとが接する面に対向する素子搭載枠部210bの面を素子搭載部材210の一方の主面とする。
また、素子搭載基板部210aと素子搭載枠部210bとが接する面に対向する素子搭載基板部210aの面を素子搭載部材210の他方の主面とする。
【0041】
従って、素子搭載部材210は、図4及び図5(b)に示すように、一方の主面に収納空間230が形成されている。
【0042】
素子搭載基板部210aは、例えば、図4と図5(a)と図5(b)に示すように、両主面が四角形状の平板状に形成されている。
また、素子搭載基板部210aは、素子搭載基板部210aの一方の主面であって収納空間230の底面に搭載用パッドPが設けられている。
また、素子搭載基板部210aは、素子搭載基板部210aの他方の主面に外部接続端子Gが設けられている。
また、素子搭載基板部210aには、後述する素子搭載部材用金属膜211の一部が設けられている。このとき、素子搭載部材用金属膜211の一部は、搭載用パッドPに接触しない位置に設けられている。
【0043】
搭載用パッドPは、例えば、図4に示すように、電子部品素子の一例である圧電振動素子140の搭載用端子143と対向する位置に設けられ、導電性接着剤Dによって電気的に接続される。
また、搭載用パッドPは、例えば、図5(a)に示すように、二つ設けられ、収納空間230の底面の所定の一辺に沿って二つ並んで設けられている。
【0044】
外部接続端子Gは、所定の外部接続端子Gが搭載パッドPと素子搭載部材210の内部配線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
また、外部接続端子Gは、所定の他の一つが後述する素子搭載部材用金属膜211と素子搭載部材210の内部配線を介して電気的に接続されている。
また、外部接続端子Gは、例えば、四つ設けられ、素子搭載基板部210aの他方の主面の四隅に一つずつ設けられている。従って、外部接続端子Gは、素子搭載部材210の他方の主面の四隅に一つずつ設けられている。
【0045】
従って、素子搭載部材210は、一方の主面に収納空間210が形成されており、収納空間230の底面に搭載パッドPが設けられているので、収納空間230内に電子部品素子の一例である圧電振動素子140を収納しつつ搭載することができる構成となっている。
【0046】
素子搭載部材用金属膜211は、図4と図5(a)と図5(b)に示すように、素子搭載部材210の一方の主面と収納空間230内側を向く素子搭載枠部210bの面と収納空間230の底面とに設けられている。
素子搭載部材210の一方の主面に設けられている素子搭載部材用金属膜211は、前述した蓋部材用金属膜221と対向する位置に設けられ、陽極接合により接合される。
収納空間230の底面に設けられている素子搭載部材用金属膜211は、素子搭載部材210の搭載パッドPに接触しない位置に設けられている。
【0047】
本発明の第二の実施形態に係る電子デバイス200は、素子搭載部材用金属膜211と蓋部材用金属膜221とが陽極接合により接合され、素子搭載部材210に搭載されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140が封止されている。
また、本発明の第二の実施形態に係る電子デバイス200は、収納空間230側を向く素子搭載部材210の面に素子搭載部材金属膜211が設けられ、素子搭載部材210側を向く蓋部材220の面に蓋部材用金属膜121が設けられているので、収納空間230に収納されている状態で素子搭載部材210に搭載されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140が素子搭載部材用金属膜211及び蓋部材用金属膜221で包囲されている状態とみなすことができる。
【0048】
本発明の第二の実施形態に係る電子デバイス200は、素子搭載部材210に搭載されている電子部品素子の一例である圧電振動素子140が素子搭載部材用金属膜211及び蓋部材用金属膜221で包囲されている状態とみなすことができるので、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
なお、本発明は、適宜変更が可能である。例えば、圧電振動素子が音叉形状となっている構造や振動部が凹形状となっている構造、振動部が凸形状となっている構造、弾性表面波素子などを用いても構わない。
【符号の説明】
【0050】
100,200 電子デバイス
110,210 素子搭載部材
210a 素子搭載基板部
210b 素子搭載枠部
111,211 素子搭載部材用金属膜
120,220 蓋部材
120a 蓋基板部
120b 蓋枠部
121,221 蓋部材用金属膜
130,230 収納空間
140 電子部品素子
141 圧電片
142 励振電極
143 搭載用端子
P 搭載パッド
G 外部接続端子
D 導電性接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品素子の搭載用端子と素子搭載部材の搭載パッドとが電気的に接続されて前記電子部品素子が前記素子搭載部材に搭載され、前記電子部品素子が搭載されている前記素子搭載部材が蓋部材と接合され前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内に前記電子部品素子が気密封止されている電子デバイスであって、
前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内を向く前記蓋部材の面と前記素子搭載部材に接合される前記蓋部材の面に蓋部材用金属膜が形成され、
前記蓋部材に接合される前記素子搭載部材の面と前記素子搭載部材と前記蓋部材とで形成される空間内を向く前記素子搭載部材の面であって前記搭載パッドに接触しない位置に素子搭載部材用金属膜が形成され、
前記蓋部材用金属膜と前記素子搭載部材用金属膜とで前記素子搭載部材と前記蓋部材とが接合されている
ことを特徴とする電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−234888(P2012−234888A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100861(P2011−100861)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)