電子ペン及びこれを用いたプロジェクタシステム
【課題】簡単な構造で超音波のスクリーンからの反射波を低減する電子ペンを提供し、電子ペンの位置検出精度を向上するプロジェクタシステムを実現すること。
【解決手段】電子ペン2は、先端部にペン先23を有する長軸状の筐体20と、筐体のペン先23より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部22と、超音波送信部22に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部21と、超音波送信部22から発生された超音波のうちペン先23側に向う成分を反射する超音波ガイド24を備える。
【解決手段】電子ペン2は、先端部にペン先23を有する長軸状の筐体20と、筐体のペン先23より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部22と、超音波送信部22に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部21と、超音波送信部22から発生された超音波のうちペン先23側に向う成分を反射する超音波ガイド24を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンに映像を投射するとともに電子ペンを用いたインタラクティブ操作が可能なプロジェクタシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンの映像をプロジェクタでスクリーン(ホワイトボード)に投射するとともに、付属の電子ペンなどを用いてスクリーン上に直接文字や図形の手書き入力が可能なインタラクティブ機能を搭載したプロジェクタシステムが発表されている。その際、スクリーン上の電子ペンの位置を検出するために各種の方式が用いられている。特許文献1には、電子ペンから赤外光と超音波を発生させ、プロジェクタには、電子ペンから発せられた赤外光と超音波を検出して電子ペンの位置を取得する信号処理器を搭載した構成が記載されている。この構成によれば、電子ペンの位置を検出するための特別の機能を持たないスクリーンでも使用できることになる。
【0003】
また特許文献2には、電子ペンから発せられる超音波が反射物にあたって生じる反射波の発生を抑制するために、送信した超音波を受信する超音波受信部の方位を検出し、該超音波受信部の方位から離れた方位への超音波の送信を抑制する手段を電子ペン内に設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−115870号公報
【特許文献2】特開2007−058425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波を用いた位置検出方式では、電子ペンから発せられた赤外線と超音波を、赤外線センサと所定距離離れた2個の超音波受信器で検出して、赤外線を検知してから2個の超音波受信器が検出するまでの音波の到達時間から、三角測量の原理により電子ペンの位置を算出する。特許文献1の構成ではこの超音波受信器はプロジェクタに取付けられ、プロジェクタはスクリーンから所定距離離れた例えば天井に設置される。よって、超音波受信器には電子ペンから直線ルートで到達する超音波だけでなく、スクリーン等で反射された超音波が重畳して受信される。両者は到達距離が異なるので電子ペンの位置検出に誤差が生じ、インタラクティブ機能における描画性能が劣化する。
【0006】
特許文献2の技術によれば、電子ペンが超音波受信器の方位を検出し、超音波受信器の方位から離れた方位への超音波の送信を抑制することで反射波の発生を抑制している。この構成では、電子ペンには、超音波受信器の方位を検出するための方位検出部や複数の超音波送信部のうち一部の超音波送信部からの超音波の送信を抑制する超音波抑制部を備える必要があり、電子ペンの構造が複雑になる。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造で超音波のスクリーンからの反射波を低減する電子ペンを提供し、電子ペンの位置検出精度を向上するプロジェクタシステムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子ペンは、先端部にペン先を有する長軸状の筐体と、前記筐体の前記ペン先より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部と、前記超音波送信部に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部と、前記超音波送信部から発生された超音波のうち前記ペン先側に向う成分を反射する超音波ガイドを備える。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、電子ペンから送信された超音波のスクリーンからの反射波を簡単な構造で低減することができる。これにより、インタラクティブ機能における描画性能に優れた低コストのプロジェクタシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるプロジェクタシステムの一実施例を示すシステム構成図。
【図2A】本発明の電子ペンの第1の実施例を示す側面図。
【図2B】超音波ガイドを示す図。
【図3】赤外線と超音波を用いたペン座標検出の原理を示す図。
【図4A】超音波の反射波発生を説明する図(従来の電子ペン)。
【図4B】超音波の反射波発生を説明する図(実施例1の電子ペン)。
【図5】本発明の電子ペンの第2の実施例を示す側面図。
【図6】本発明の電子ペンの第3の実施例を示す側面図。
【図7】電子ペンにポインティングデバイスを追加した例。
【図8A】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(従来の電子ペン)。
【図8B】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(実施例1の電子ペン)。
【図8C】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(実施例2の電子ペン)。
【図9A】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(従来の電子ペン)。
【図9B】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(実施例1の電子ペン)。
【図9C】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(実施例2の電子ペン)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、電子ペンのペン先に超音波送信部を設け、前記超音波送信部から放射される超音波の音波強度が超音波マイクへの直視方向に指向性を持つようにするとともに、不要な反射波を防止するために、超音波の放射角を狭くする。以下の実施例においては、超音波ガイドにより、スクリーンに法線方向の垂直面の超音波の放射角を狭めるとともに、音波強度を高めるようにしている。以下に図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明によるプロジェクタシステムの一実施例を示すシステム構成図である。
プロジェクタシステムは、プロジェクタ1と電子ペン2とパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略す)3とスクリーン4を備えて構成される。プロジェクタ1はパソコン3に接続され、パソコン3から供給される映像信号31をもとにスクリーン4に映像を投射表示する。電子ペン2は、スクリーン4上で文字や図形などを手書き入力したりパソコン3に対するマウス操作を行うための入力デバイスである。電子ペン2は座標入力や操作信号のため赤外線50と超音波51,52の信号を発生する。電子ペン2から発せられた赤外線と超音波の信号は、プロジェクタ1に取付けたペン座標検出部5が検出して、電子ペン2の位置(スクリーン4上の2次元座標、以下「ペン座標」と呼ぶ)を算出する。ペン座標検出部5には、赤外線信号50を検出するための赤外線センサ10と超音波信号51,52を検出する2個の超音波マイク(受信器)11,12を有する。2個の超音波マイク(受信器)11,12は、プロジェクタ1内に所定距離Sだけ離れた位置に設ける。算出したペン座標の情報はパソコン3へマウス信号32として通知される。パソコン3は、受信したペン座標の情報(マウス信号32)に基づき描画信号を生成し、プロジェクタ1を介してスクリーン4へ文字や図形を描画させる。
【0013】
図2Aと図2Bは、本発明の電子ペンの第1の実施例を示す図で、図2Aは側面図、図2Bは電子ペンに取り付ける超音波ガイド24(ペン先側から見た図)を示す。
【0014】
電子ペン2は、先端部にペン先23を有する長軸状の筐体20と、ペン先23の内側に隣接して赤外線送信部21と超音波送信部22とを有する。ペン先23をスクリーン4等へ押し当てると、赤外線送信部21から例えば波長950nmの赤外線を、超音波送信部22から例えば周波数40kHzの超音波を発生し、これらは電子ペン2の周囲に同心状に放射される。
【0015】
本実施例では、超音波送信部22のペン先23側に、超音波を反射する超音波ガイド24を取り付けている(図2Aでは超音波ガイド24の断面を示す)。超音波ガイド24は傘形状の透明な円板で、中心にはペン先23を通すための取付穴24aが設けられている。超音波ガイド24の材料としては例えばポリカーボネートが好適である。超音波ガイド24により、超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側すなわちスクリーン4へ向う成分を反射し、超音波マイクへ11,12の直視方向に指向性を持つようにする。超音波ガイド24として透明材料を用いるのは、赤外線送信部21から発せられた赤外線が超音波ガイド24により遮断されることなくプロジェクタ1の赤外線センサ10に到達させるためであり、またユーザが文字や図形を手書き入力する際にペン先23の位置を視認するのを妨げないためである。超音波ガイド24の断面形状は中心から周辺に向い湾曲させた形状としたが、これは電子ペン2の姿勢すなわち軸方向がスクリーン4に直交する方向から多少傾いても、スクリーン4へ向う超音波成分を確実に反射させるためである。また超音波ガイド24の周辺の一部に平坦部分24bを設け、電子ペン2が転がることを防止している。
【0016】
このように本実施例の電子ペン2では、先端部に超音波ガイド24を取り付けるという簡単な構造で超音波の放射方向を規制できるので、低コストで実用性の高い電子ペンを提供する。
【0017】
次に本実施例の電子ペン2及びプロジェクタシステムの動作を説明する。
図3は、赤外線と超音波を用いたペン座標検出の原理を示す図である。
電子ペン2のペン先23をスクリーン4へ押し当てると、赤外線送信部21から赤外線の基準パルスが、超音波送信部22から超音波のバーストパルスが同時に発生して伝播する。プロジェクタ1に設けたペン座標検出部5の赤外線センサ10と超音波マイク11,12は、伝播してきたこれらの赤外線と超音波を検出する。赤外線センサ10は赤外線50を検出して、符号100で示す信号を出力する。超音波マイク11,12は超音波51,52を検出して、符号110,120で示す信号を出力する。赤外線50は赤外線センサ10に瞬時に到達するが、超音波51,52は赤外線50より伝播速度が遅いため赤外線よりも遅れて超音波マイク11,12に到達する。そのとき超音波マイク11,12は距離Sだけ離れた異なる位置に配置しているので、遅延時間はそれぞれt1,t2となる。
【0018】
ペン座標検出部5はこの遅延時間t1,t2をもとに超音波マイク11,12から電子ペン2までの距離d1,d2を算出し、かつマイク間の距離Sとマイク11,12からスクリーン4までの距離(既知)を用いて、スクリーン4上の電子ペン2の座標(ペン座標)を算出する。電子ペン2からは赤外線パルス100と超音波バーストパルス110,120とが一定の時間間隔(例えば16msec間隔)で間欠的に送出されるので、算出したペン座標をつなぐことで文字や図形の手書き入力が可能となる。このような三角測量においては、マイク間の距離Sが大きいほどペン座標の算出精度が高くなる。よって、超音波マイク11,12はプロジェクタ1の投射面の両端位置に設けるのが好ましい。
【0019】
図4Aと図4Bは、超音波の反射波発生を説明する図である。図4Aは比較のために従来の電子ペンを用いた場合、図4Bは本実施例の電子ペンを用いた場合を示す。
【0020】
プロジェクタ1を天吊り状態に設置しスクリーン4に対し映像光40を投射する。電子ペン2をスクリーン4へ押し当てると超音波送信部22から超音波が発生し、プロジェクタ1に設けた超音波マイク11(12)に伝播する。図4Aの従来構造の電子ペン2’の場合には、電子ペンから超音波マイク11(12)に直線ルートで到達する直接波51(52)だけでなく、一旦スクリーン4で反射して到達する不要な反射波51’(52’)が存在する。そのため超音波マイク11(12)は2つの波を受信し、出力信号110(120)の波形が乱れるとともに、検出する遅延時間t1(t2)に誤差が生じることになる。
【0021】
これに対し図4Bの本実施例の電子ペン2の場合には、電子ペン2には超音波ガイド24を設けている。超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側すなわちスクリーン4へ向う成分は超音波ガイド24により反射される。その結果、電子ペン2から超音波マイク11(12)に到達する波は、直線ルートで到達する直接波51(52)のみとなる。あるいは不要な反射波51’(52’)が存在しても大幅に低減される。これにより出力信号110(120)の波形は本来の直接波51(52)のみに基づくものとなり、遅延時間t1(t2)の検出精度が向上する。
【実施例2】
【0022】
図5は、本発明の電子ペンの第2の実施例を示す側面図である。
本実施例の電子ペン2は、超音波送信部22を挟んで軸方向に対向する2枚の超音波ガイド24,25を取り付けた構成としている(図5では超音波ガイド24,25の断面を示す)。ペン先23側の超音波ガイド24(第1のガイド)は実施例1(図2)の形状と同様である。これに対向する赤外線送信部21側の超音波ガイド25(第2のガイド)も傘形状の透明な円板で、中心には超音波送信部22を通すための取付穴を有する。第2のガイド25の断面形状は第1のガイド24とは逆方向に湾曲させ、両者に挟まれた空間をホーン形状としている。
【0023】
本実施例の電子ペン2によれば、第1のガイド24は超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側へ向う成分を反射する。一方第2のガイド25は、超音波送信部22から発せられた超音波のうち、筐体20側へ向う成分を反射する。これにより、スクリーン4で反射される反射波をなくす(低減する)だけでなく、超音波送信部22から発する超音波の放射角を狭くする。すなわち、超音波マイク11(12)への指向性を改善し、超音波マイクに直線ルートで到達する直接波51(52)の強度を高める効果がある
【実施例3】
【0024】
図6は、本発明の電子ペンの第3の実施例を示す側面図である。
本実施例の電子ペン2は、超音波送信部22を挟んで軸方向に対向する2枚の超音波ガイド24,25を電子ペン2に内蔵した構成としている。すなわち、実施例2(図5)における2枚の超音波ガイド24,25を、それらの周辺部が筐体20の外周からはみ出さないように埋め込んだ構造としている。2枚の超音波ガイド24,25の断面形状は互いに逆方向に湾曲させ、両者に挟まれた空間をホーン形状としている。超音波送信部22から発せられた超音波は、2枚の超音波ガイド24,25に挟まれた空洞から外部へ伝播する。なお、本実施例における超音波ガイド24,25は、不透明な材質でも構わない。
【0025】
本実施例の電子ペン2によれば、実施例2と同様に、スクリーン4で反射される反射波をなくす(低減する)とともに、超音波送信部22から発する超音波の指向性を改善する効果がある。さらに、超音波ガイド24,25が筐体の外周からはみ出していないので、ユーザが文字や図形を手書き入力する際にペン先23の位置を視認するのを何ら妨げることがなく、電子ペン2の使い勝手が向上する。
【0026】
以上の各実施例1〜3において、以下の変形が可能である。
実施例1〜3では、超音波ガイドにより超音波を反射して指向性を持たせるとともに、音波強度を高める構成とした。他の方法として、超音波ガイドの表面に超音波を吸収する吸音材を設け、不要な方向に放射された超音波を吸収する構成としても良い。
【0027】
図7は、電子ペンにポインティングデバイスを追加した例を示す図である。ここでは実施例1(図2)の電子ペン2の後端部に、ポインティングデバイス26を組み込んだ構造としている。他の実施例でも同様である。ポインティングデバイス26は、パソコン3に対する多様な入力操作を行うもので、従来のマウスやトラックボールに相当する。具体的には、電子ペンでの手書き入力の際、消しゴムや、ペンの太さやペンの色の選択などの機能を持たせることで、インタラクティブ操作がより充実するものとなる。ポインティングデバイス26からの入力操作は、赤外線送信部21や超音波送信部22から赤外線や超音波の信号となってプロジェクタ1に送信される。その場合にも、超音波ガイド24を取り付けた電子ペン2を用いることで、操作時の誤動作をなくすことができる。
【0028】
次に、上記実施例の電子ペンの効果を具体的に示す。
図8A〜図8Cは、本実施例の効果を超音波マイクで得られる出力波形で確認したもので、図8Aは従来構造の電子ペンの場合、図8Bは実施例1の電子ペンの場合、図8Cは実施例2の電子ペンの場合を比較している。試験方法は、スクリーン4内の上部位置に電子ペン2を押し当てて超音波(バーストパルス)を送信し、プロジェクタ1内の超音波マイク11,12でこれを受信した時の各超音波マイク11,12から得られる出力波形を示す。
【0029】
従来構造の電子ペン(超音波ガイドなし)の場合には、直接波とみられる主信号の後に、反射波とみられる副信号が続いている(図8A)。これに対して実施例1の電子ペン(超音波ガイド1枚)の場合には、反射波による副信号が低減している(図8B)。さらに実施例2(超音波ガイド2枚)の場合には、反射波による副信号が低減するとともに、直接波による主信号のレベルが増大している。
【0030】
図9A〜図9Cは、本実施例の効果をプロジェクタシステムの描画性能で確認したもので、図9Aは従来構造の電子ペンの場合、図9Bは実施例1の電子ペンの場合、図9Cは実施例2の電子ペンの場合を比較している。試験方法は、スクリーン4内を電子ペン2にて縦線及び横線からなるテスト図形を書いたときの、スクリーン4に描画された図形を示す。
【0031】
従来構造の電子ペン(超音波ガイドなし)の場合には、図形の途中部分(線の一部)が欠落し、他の位置に誤って描画される現象(誤描写)が多数みられる(移動先を矢印で示す)(図9A)。これに対して実施例1の電子ペン(超音波ガイド1枚)の場合には、誤描写が少なくなり(図9B)、実施例2(超音波ガイド2枚)の場合には、誤描写はほとんど見られない(図9C)。
【0032】
以上のように、本実施例の電子ペンを用いることで、電子ペンの位置検出精度が向上し、インタラクティブ機能における描画性能に優れたプロジェクタシステムを実現できる。また、本実施例の電子ペンは、簡単な構造で超音波の伝播方向を規制できるので、低コストのプロジェクタシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0033】
1…プロジェクタ、
2…電子ペン、
3…パーソナルコンピュータ(パソコン)、
4…スクリーン、
5…ペン座標検出部、
10…赤外線センサ、
11,12…超音波マイク、
20…電子ペンの筐体、
21…赤外線送信部、
22…超音波送信部、
23…ペン先、
24,25…超音波ガイド、
26…ポインティングデバイス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンに映像を投射するとともに電子ペンを用いたインタラクティブ操作が可能なプロジェクタシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンの映像をプロジェクタでスクリーン(ホワイトボード)に投射するとともに、付属の電子ペンなどを用いてスクリーン上に直接文字や図形の手書き入力が可能なインタラクティブ機能を搭載したプロジェクタシステムが発表されている。その際、スクリーン上の電子ペンの位置を検出するために各種の方式が用いられている。特許文献1には、電子ペンから赤外光と超音波を発生させ、プロジェクタには、電子ペンから発せられた赤外光と超音波を検出して電子ペンの位置を取得する信号処理器を搭載した構成が記載されている。この構成によれば、電子ペンの位置を検出するための特別の機能を持たないスクリーンでも使用できることになる。
【0003】
また特許文献2には、電子ペンから発せられる超音波が反射物にあたって生じる反射波の発生を抑制するために、送信した超音波を受信する超音波受信部の方位を検出し、該超音波受信部の方位から離れた方位への超音波の送信を抑制する手段を電子ペン内に設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−115870号公報
【特許文献2】特開2007−058425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波を用いた位置検出方式では、電子ペンから発せられた赤外線と超音波を、赤外線センサと所定距離離れた2個の超音波受信器で検出して、赤外線を検知してから2個の超音波受信器が検出するまでの音波の到達時間から、三角測量の原理により電子ペンの位置を算出する。特許文献1の構成ではこの超音波受信器はプロジェクタに取付けられ、プロジェクタはスクリーンから所定距離離れた例えば天井に設置される。よって、超音波受信器には電子ペンから直線ルートで到達する超音波だけでなく、スクリーン等で反射された超音波が重畳して受信される。両者は到達距離が異なるので電子ペンの位置検出に誤差が生じ、インタラクティブ機能における描画性能が劣化する。
【0006】
特許文献2の技術によれば、電子ペンが超音波受信器の方位を検出し、超音波受信器の方位から離れた方位への超音波の送信を抑制することで反射波の発生を抑制している。この構成では、電子ペンには、超音波受信器の方位を検出するための方位検出部や複数の超音波送信部のうち一部の超音波送信部からの超音波の送信を抑制する超音波抑制部を備える必要があり、電子ペンの構造が複雑になる。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造で超音波のスクリーンからの反射波を低減する電子ペンを提供し、電子ペンの位置検出精度を向上するプロジェクタシステムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子ペンは、先端部にペン先を有する長軸状の筐体と、前記筐体の前記ペン先より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部と、前記超音波送信部に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部と、前記超音波送信部から発生された超音波のうち前記ペン先側に向う成分を反射する超音波ガイドを備える。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、電子ペンから送信された超音波のスクリーンからの反射波を簡単な構造で低減することができる。これにより、インタラクティブ機能における描画性能に優れた低コストのプロジェクタシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるプロジェクタシステムの一実施例を示すシステム構成図。
【図2A】本発明の電子ペンの第1の実施例を示す側面図。
【図2B】超音波ガイドを示す図。
【図3】赤外線と超音波を用いたペン座標検出の原理を示す図。
【図4A】超音波の反射波発生を説明する図(従来の電子ペン)。
【図4B】超音波の反射波発生を説明する図(実施例1の電子ペン)。
【図5】本発明の電子ペンの第2の実施例を示す側面図。
【図6】本発明の電子ペンの第3の実施例を示す側面図。
【図7】電子ペンにポインティングデバイスを追加した例。
【図8A】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(従来の電子ペン)。
【図8B】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(実施例1の電子ペン)。
【図8C】超音波マイクで得られる出力波形を示す図(実施例2の電子ペン)。
【図9A】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(従来の電子ペン)。
【図9B】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(実施例1の電子ペン)。
【図9C】プロジェクタシステムの描画性能を示す図(実施例2の電子ペン)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、電子ペンのペン先に超音波送信部を設け、前記超音波送信部から放射される超音波の音波強度が超音波マイクへの直視方向に指向性を持つようにするとともに、不要な反射波を防止するために、超音波の放射角を狭くする。以下の実施例においては、超音波ガイドにより、スクリーンに法線方向の垂直面の超音波の放射角を狭めるとともに、音波強度を高めるようにしている。以下に図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明によるプロジェクタシステムの一実施例を示すシステム構成図である。
プロジェクタシステムは、プロジェクタ1と電子ペン2とパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略す)3とスクリーン4を備えて構成される。プロジェクタ1はパソコン3に接続され、パソコン3から供給される映像信号31をもとにスクリーン4に映像を投射表示する。電子ペン2は、スクリーン4上で文字や図形などを手書き入力したりパソコン3に対するマウス操作を行うための入力デバイスである。電子ペン2は座標入力や操作信号のため赤外線50と超音波51,52の信号を発生する。電子ペン2から発せられた赤外線と超音波の信号は、プロジェクタ1に取付けたペン座標検出部5が検出して、電子ペン2の位置(スクリーン4上の2次元座標、以下「ペン座標」と呼ぶ)を算出する。ペン座標検出部5には、赤外線信号50を検出するための赤外線センサ10と超音波信号51,52を検出する2個の超音波マイク(受信器)11,12を有する。2個の超音波マイク(受信器)11,12は、プロジェクタ1内に所定距離Sだけ離れた位置に設ける。算出したペン座標の情報はパソコン3へマウス信号32として通知される。パソコン3は、受信したペン座標の情報(マウス信号32)に基づき描画信号を生成し、プロジェクタ1を介してスクリーン4へ文字や図形を描画させる。
【0013】
図2Aと図2Bは、本発明の電子ペンの第1の実施例を示す図で、図2Aは側面図、図2Bは電子ペンに取り付ける超音波ガイド24(ペン先側から見た図)を示す。
【0014】
電子ペン2は、先端部にペン先23を有する長軸状の筐体20と、ペン先23の内側に隣接して赤外線送信部21と超音波送信部22とを有する。ペン先23をスクリーン4等へ押し当てると、赤外線送信部21から例えば波長950nmの赤外線を、超音波送信部22から例えば周波数40kHzの超音波を発生し、これらは電子ペン2の周囲に同心状に放射される。
【0015】
本実施例では、超音波送信部22のペン先23側に、超音波を反射する超音波ガイド24を取り付けている(図2Aでは超音波ガイド24の断面を示す)。超音波ガイド24は傘形状の透明な円板で、中心にはペン先23を通すための取付穴24aが設けられている。超音波ガイド24の材料としては例えばポリカーボネートが好適である。超音波ガイド24により、超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側すなわちスクリーン4へ向う成分を反射し、超音波マイクへ11,12の直視方向に指向性を持つようにする。超音波ガイド24として透明材料を用いるのは、赤外線送信部21から発せられた赤外線が超音波ガイド24により遮断されることなくプロジェクタ1の赤外線センサ10に到達させるためであり、またユーザが文字や図形を手書き入力する際にペン先23の位置を視認するのを妨げないためである。超音波ガイド24の断面形状は中心から周辺に向い湾曲させた形状としたが、これは電子ペン2の姿勢すなわち軸方向がスクリーン4に直交する方向から多少傾いても、スクリーン4へ向う超音波成分を確実に反射させるためである。また超音波ガイド24の周辺の一部に平坦部分24bを設け、電子ペン2が転がることを防止している。
【0016】
このように本実施例の電子ペン2では、先端部に超音波ガイド24を取り付けるという簡単な構造で超音波の放射方向を規制できるので、低コストで実用性の高い電子ペンを提供する。
【0017】
次に本実施例の電子ペン2及びプロジェクタシステムの動作を説明する。
図3は、赤外線と超音波を用いたペン座標検出の原理を示す図である。
電子ペン2のペン先23をスクリーン4へ押し当てると、赤外線送信部21から赤外線の基準パルスが、超音波送信部22から超音波のバーストパルスが同時に発生して伝播する。プロジェクタ1に設けたペン座標検出部5の赤外線センサ10と超音波マイク11,12は、伝播してきたこれらの赤外線と超音波を検出する。赤外線センサ10は赤外線50を検出して、符号100で示す信号を出力する。超音波マイク11,12は超音波51,52を検出して、符号110,120で示す信号を出力する。赤外線50は赤外線センサ10に瞬時に到達するが、超音波51,52は赤外線50より伝播速度が遅いため赤外線よりも遅れて超音波マイク11,12に到達する。そのとき超音波マイク11,12は距離Sだけ離れた異なる位置に配置しているので、遅延時間はそれぞれt1,t2となる。
【0018】
ペン座標検出部5はこの遅延時間t1,t2をもとに超音波マイク11,12から電子ペン2までの距離d1,d2を算出し、かつマイク間の距離Sとマイク11,12からスクリーン4までの距離(既知)を用いて、スクリーン4上の電子ペン2の座標(ペン座標)を算出する。電子ペン2からは赤外線パルス100と超音波バーストパルス110,120とが一定の時間間隔(例えば16msec間隔)で間欠的に送出されるので、算出したペン座標をつなぐことで文字や図形の手書き入力が可能となる。このような三角測量においては、マイク間の距離Sが大きいほどペン座標の算出精度が高くなる。よって、超音波マイク11,12はプロジェクタ1の投射面の両端位置に設けるのが好ましい。
【0019】
図4Aと図4Bは、超音波の反射波発生を説明する図である。図4Aは比較のために従来の電子ペンを用いた場合、図4Bは本実施例の電子ペンを用いた場合を示す。
【0020】
プロジェクタ1を天吊り状態に設置しスクリーン4に対し映像光40を投射する。電子ペン2をスクリーン4へ押し当てると超音波送信部22から超音波が発生し、プロジェクタ1に設けた超音波マイク11(12)に伝播する。図4Aの従来構造の電子ペン2’の場合には、電子ペンから超音波マイク11(12)に直線ルートで到達する直接波51(52)だけでなく、一旦スクリーン4で反射して到達する不要な反射波51’(52’)が存在する。そのため超音波マイク11(12)は2つの波を受信し、出力信号110(120)の波形が乱れるとともに、検出する遅延時間t1(t2)に誤差が生じることになる。
【0021】
これに対し図4Bの本実施例の電子ペン2の場合には、電子ペン2には超音波ガイド24を設けている。超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側すなわちスクリーン4へ向う成分は超音波ガイド24により反射される。その結果、電子ペン2から超音波マイク11(12)に到達する波は、直線ルートで到達する直接波51(52)のみとなる。あるいは不要な反射波51’(52’)が存在しても大幅に低減される。これにより出力信号110(120)の波形は本来の直接波51(52)のみに基づくものとなり、遅延時間t1(t2)の検出精度が向上する。
【実施例2】
【0022】
図5は、本発明の電子ペンの第2の実施例を示す側面図である。
本実施例の電子ペン2は、超音波送信部22を挟んで軸方向に対向する2枚の超音波ガイド24,25を取り付けた構成としている(図5では超音波ガイド24,25の断面を示す)。ペン先23側の超音波ガイド24(第1のガイド)は実施例1(図2)の形状と同様である。これに対向する赤外線送信部21側の超音波ガイド25(第2のガイド)も傘形状の透明な円板で、中心には超音波送信部22を通すための取付穴を有する。第2のガイド25の断面形状は第1のガイド24とは逆方向に湾曲させ、両者に挟まれた空間をホーン形状としている。
【0023】
本実施例の電子ペン2によれば、第1のガイド24は超音波送信部22から発せられた超音波のうち、ペン先側へ向う成分を反射する。一方第2のガイド25は、超音波送信部22から発せられた超音波のうち、筐体20側へ向う成分を反射する。これにより、スクリーン4で反射される反射波をなくす(低減する)だけでなく、超音波送信部22から発する超音波の放射角を狭くする。すなわち、超音波マイク11(12)への指向性を改善し、超音波マイクに直線ルートで到達する直接波51(52)の強度を高める効果がある
【実施例3】
【0024】
図6は、本発明の電子ペンの第3の実施例を示す側面図である。
本実施例の電子ペン2は、超音波送信部22を挟んで軸方向に対向する2枚の超音波ガイド24,25を電子ペン2に内蔵した構成としている。すなわち、実施例2(図5)における2枚の超音波ガイド24,25を、それらの周辺部が筐体20の外周からはみ出さないように埋め込んだ構造としている。2枚の超音波ガイド24,25の断面形状は互いに逆方向に湾曲させ、両者に挟まれた空間をホーン形状としている。超音波送信部22から発せられた超音波は、2枚の超音波ガイド24,25に挟まれた空洞から外部へ伝播する。なお、本実施例における超音波ガイド24,25は、不透明な材質でも構わない。
【0025】
本実施例の電子ペン2によれば、実施例2と同様に、スクリーン4で反射される反射波をなくす(低減する)とともに、超音波送信部22から発する超音波の指向性を改善する効果がある。さらに、超音波ガイド24,25が筐体の外周からはみ出していないので、ユーザが文字や図形を手書き入力する際にペン先23の位置を視認するのを何ら妨げることがなく、電子ペン2の使い勝手が向上する。
【0026】
以上の各実施例1〜3において、以下の変形が可能である。
実施例1〜3では、超音波ガイドにより超音波を反射して指向性を持たせるとともに、音波強度を高める構成とした。他の方法として、超音波ガイドの表面に超音波を吸収する吸音材を設け、不要な方向に放射された超音波を吸収する構成としても良い。
【0027】
図7は、電子ペンにポインティングデバイスを追加した例を示す図である。ここでは実施例1(図2)の電子ペン2の後端部に、ポインティングデバイス26を組み込んだ構造としている。他の実施例でも同様である。ポインティングデバイス26は、パソコン3に対する多様な入力操作を行うもので、従来のマウスやトラックボールに相当する。具体的には、電子ペンでの手書き入力の際、消しゴムや、ペンの太さやペンの色の選択などの機能を持たせることで、インタラクティブ操作がより充実するものとなる。ポインティングデバイス26からの入力操作は、赤外線送信部21や超音波送信部22から赤外線や超音波の信号となってプロジェクタ1に送信される。その場合にも、超音波ガイド24を取り付けた電子ペン2を用いることで、操作時の誤動作をなくすことができる。
【0028】
次に、上記実施例の電子ペンの効果を具体的に示す。
図8A〜図8Cは、本実施例の効果を超音波マイクで得られる出力波形で確認したもので、図8Aは従来構造の電子ペンの場合、図8Bは実施例1の電子ペンの場合、図8Cは実施例2の電子ペンの場合を比較している。試験方法は、スクリーン4内の上部位置に電子ペン2を押し当てて超音波(バーストパルス)を送信し、プロジェクタ1内の超音波マイク11,12でこれを受信した時の各超音波マイク11,12から得られる出力波形を示す。
【0029】
従来構造の電子ペン(超音波ガイドなし)の場合には、直接波とみられる主信号の後に、反射波とみられる副信号が続いている(図8A)。これに対して実施例1の電子ペン(超音波ガイド1枚)の場合には、反射波による副信号が低減している(図8B)。さらに実施例2(超音波ガイド2枚)の場合には、反射波による副信号が低減するとともに、直接波による主信号のレベルが増大している。
【0030】
図9A〜図9Cは、本実施例の効果をプロジェクタシステムの描画性能で確認したもので、図9Aは従来構造の電子ペンの場合、図9Bは実施例1の電子ペンの場合、図9Cは実施例2の電子ペンの場合を比較している。試験方法は、スクリーン4内を電子ペン2にて縦線及び横線からなるテスト図形を書いたときの、スクリーン4に描画された図形を示す。
【0031】
従来構造の電子ペン(超音波ガイドなし)の場合には、図形の途中部分(線の一部)が欠落し、他の位置に誤って描画される現象(誤描写)が多数みられる(移動先を矢印で示す)(図9A)。これに対して実施例1の電子ペン(超音波ガイド1枚)の場合には、誤描写が少なくなり(図9B)、実施例2(超音波ガイド2枚)の場合には、誤描写はほとんど見られない(図9C)。
【0032】
以上のように、本実施例の電子ペンを用いることで、電子ペンの位置検出精度が向上し、インタラクティブ機能における描画性能に優れたプロジェクタシステムを実現できる。また、本実施例の電子ペンは、簡単な構造で超音波の伝播方向を規制できるので、低コストのプロジェクタシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0033】
1…プロジェクタ、
2…電子ペン、
3…パーソナルコンピュータ(パソコン)、
4…スクリーン、
5…ペン座標検出部、
10…赤外線センサ、
11,12…超音波マイク、
20…電子ペンの筐体、
21…赤外線送信部、
22…超音波送信部、
23…ペン先、
24,25…超音波ガイド、
26…ポインティングデバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部にペン先を有する長軸状の筐体と、
前記筐体の前記ペン先より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部と、
前記超音波送信部に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部と、
前記超音波送信部から発生された超音波のうち前記ペン先側に向う成分を反射する超音波ガイドを備えたことを特徴とする電子ペン。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記超音波送信部の前記ペン先側に傘形状の円板を取付けたものであることを特徴とする電子ペン。
【請求項3】
請求項1に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記超音波送信部を挟んで軸方向に対向する2枚の傘形状の円板を取付けたものであることを特徴とする電子ペン。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記筐体の外周面内に内蔵されていることを特徴とする電子ペン。
【請求項5】
請求項2または3に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、透明材料で形成されていることを特徴とする電子ペン。
【請求項6】
パーソナルコンピュータに接続して該パーソナルコンピュータの映像をプロジェクタからスクリーンに投射するプロジェクタシステムであって、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子ペンと、
前記プロジェクタに取り付けられ、前記電子ペンから送信された赤外線と超音波を赤外線センサと2個の超音波マイクで検出し、該検出信号から前記電子ペンの前記スクリーン上の座標を算出するペン座標検出部と、を含み、
前記電子ペンの前記スクリーン上の座標を前記パーソナルコンピュータに通知することを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクタシステムにおいて、
前記ペン座標検出部に設ける前記2個の超音波マイクは、前記プロジェクタの投射面の両端に配置することを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項1】
先端部にペン先を有する長軸状の筐体と、
前記筐体の前記ペン先より内側に設けられた超音波を発生する超音波送信部と、
前記超音波送信部に隣接して設けられた赤外線を発生する赤外線送信部と、
前記超音波送信部から発生された超音波のうち前記ペン先側に向う成分を反射する超音波ガイドを備えたことを特徴とする電子ペン。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記超音波送信部の前記ペン先側に傘形状の円板を取付けたものであることを特徴とする電子ペン。
【請求項3】
請求項1に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記超音波送信部を挟んで軸方向に対向する2枚の傘形状の円板を取付けたものであることを特徴とする電子ペン。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、前記筐体の外周面内に内蔵されていることを特徴とする電子ペン。
【請求項5】
請求項2または3に記載の電子ペンにおいて、
前記超音波ガイドは、透明材料で形成されていることを特徴とする電子ペン。
【請求項6】
パーソナルコンピュータに接続して該パーソナルコンピュータの映像をプロジェクタからスクリーンに投射するプロジェクタシステムであって、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子ペンと、
前記プロジェクタに取り付けられ、前記電子ペンから送信された赤外線と超音波を赤外線センサと2個の超音波マイクで検出し、該検出信号から前記電子ペンの前記スクリーン上の座標を算出するペン座標検出部と、を含み、
前記電子ペンの前記スクリーン上の座標を前記パーソナルコンピュータに通知することを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクタシステムにおいて、
前記ペン座標検出部に設ける前記2個の超音波マイクは、前記プロジェクタの投射面の両端に配置することを特徴とするプロジェクタシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公開番号】特開2012−212342(P2012−212342A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78013(P2011−78013)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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