電子レンジの加熱調理補助具

【課題】被加熱物として流動体がある場合においても焼き状態とする加熱調理が安定して見栄え良く行われる電子レンジの加熱調理補助具を提供する。
【解決手段】底部５内面にマイクロ波照射により誘電加熱される発熱部３が備えられた加熱調理補助具において、底部５面上に一方側から他方側への流体の移動を阻止する流体移動阻止構造７が設けられ、その流体移動阻止構造７により流体の移動が阻止されて加熱調理が良好になされるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、電子レンジにおいて用いる加熱調理補助具に関する。
【背景技術】
【０００２】
最近、内面に電子レンジのマイクロ波により発熱加熱する発熱部が形成され、その発熱部の加熱により焼き機能を発揮する加熱調理カップが提供されている。この加熱調理カップによれば、例えば、ハムエッグやベーコンエッグが短時間でフライパンを使用した場合と同様な焼き状態に加熱調理でき、また、この加熱調理カップは加熱調理後にはそのまま容器として利用できるとともに、使い捨て使用できるので非常に便利に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】なし
【非特許文献】
【０００４】
【非特許文献１】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、現状の加熱調理カップでは調理加熱が十分に行われない問題があった。例えば、ハムエッグを得るべく生タマゴとハムとをカップ内に並べて加熱する場合、生タマゴの白身部分がハム側に流れ込んでハムの下側に入り込み、これにより、ハムが十分な焼き状態にならず、また、白身がハム側に流れ込むことで焼き上がりの見栄えが悪くなるとともに食しにくい場合があった。
【０００６】
この発明では、被加熱物として流動体がある場合においても焼き状態とする加熱調理が安定して見栄え良く行われる電子レンジの加熱調理補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この発明では、底部内面にマイクロ波照射により誘電加熱される発熱部が備えられた加熱調理補助具において、底部面上に一方側から他方側への流体の移動を阻止する流体移動阻止構造が設けられてなることを特徴とする電子レンジの加熱調理補助具を提供する。
【０００８】
上記構成の加熱調理補助具は、流体移動阻止構造を備えることで底部面上において一方側から他方側へ流体が移動することが阻止され、一方側にある流体が流れ込まないことで他方側に配置された被加熱物の加熱調理が良好になされる。また、流体の流れ込みがないことで一方側、他方側それぞれの被加熱物が見栄え良く加熱調理される。
【０００９】
加熱調理補助具は、カップ形状、トレイ形状等適宜の形態に構成される。発熱部は、例えば、発熱層が内封された発熱シートが貼り付けられることで形成される。
【００１０】
流体移動阻止構造は流体の移動阻止機能を備える構成であれば適宜の構成であってよく、壁構成、堤構成、段構成、底部の傾斜構成など適宜の構成が採用される。また、流体移動阻止構造は底部に連続一体に設けられてもよく、別途用意されて使用時に底部に装着されるものでもよい。
【発明の効果】
【００１１】
この発明の加熱調理補助具を電子レンジにおいて用いることで、被加熱物として流動体がある場合においても焼き状態とする加熱調理が安定して見栄え良く行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】この発明の加熱調理カップの実施形態の斜視図
【図２】この発明の加熱調理カップの実施形態の使用時の断面図
【図３】この発明の加熱調理カップの異なる実施形態の斜視図
【図４】この発明の加熱調理カップの異なる実施形態の断面図
【図５】この発明の加熱調理カップの異なる実施形態の断面図
【図６】この発明の加熱調理カップの異なる実施形態の斜視図
【図７】この発明の加熱調理カップの異なる実施形態の斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
図1はこの発明の加熱調理補助具である加熱調理カップの斜視図、図２は同使用時の断面図である。加熱調理カップ１は内面全体に発熱部２が設けられた紙シート３が型押し成形されて形成され、略楕円形の底部５とその周囲から立ち上がる襞形状の周壁部６とから構成されている。
【００１４】
底部５上の長手方向における中央位置には仕切り壁７（流体移動阻止構造）が突出形成されて底部５面上が２つのエリアＡ、Ｂに区画されている。この仕切り壁７があることで、図２に示すように、調理に際してエリアＡに落とし込まれた生のタマゴＥの白身（流体）９はエリアＢに流れ込むことがなく、これによりエリアＢのハムＨは直接に底部５面に接して加熱されることで良好な焼き状態となる。また、タマゴＥとハムＨとがエリアＡ、Ｂそれぞれに分かれてあることで見栄えが良いとともに食しやすい利点もある。図３は図２に示すものの変形実施形態を示し、このものでは仕切り壁７に幅を持たせ堤形態としたもので、全体をより食器に近くて見栄えのよいものとしている。
【００１５】
以下、さらに他の実施形態について説明する。図４で示すものでは、途中に段部（流体移動阻止構造）２０を設け、これによりエリアＡからエリアＢへの流体の流れ込みを防止するようにしている。図５で示すものでは、底部５のエリアＢ側の部分を傾斜部（流体移動阻止構造）２２として、これによりエリアＡからエリアＢへの流体の流れ込みを防止するようにしている。
【００１６】
図６で示すものでは、仕切り壁２４を別体とし、加熱調理カップ１の使用時に装着できるようにしており、この構成によれば各エリアを食材の大きさに応じて適宜の大きさと区切ることができ、また、複数の仕切り壁２４を用いることで多数のエリアが形成可能となる。この場合、仕切り壁２４にもエリアに相対する部分に発熱部を設けておくことで加熱調理が支障なく行われる。
【００１７】
図７は、加熱調理補助具が加熱調理トレイ１５として構成され、周壁部７が低く形成されている。
【符号の説明】
【００１８】
１加熱調理カップ（加熱調理補助具）
２発熱部
５底部
６周壁部
７仕切り壁（流体移動阻止構造）
９白身（流体）

【特許請求の範囲】
【請求項１】
底部内面にマイクロ波照射により誘電加熱される発熱層が備えられた加熱調理補助具において、底部の一方側から他方側への流体の移動を阻止する流体移動阻止構造が設けられてなることを特徴とする電子レンジの加熱調理補助具。

【図１】