説明

電子内視鏡装置の双方向通信装置および電子内視鏡装置

【課題】スコープ側の各種情報をプロセッサ側に伝送可能としつつも、細いスコープ挿入径を維持する電子内視鏡の双方向通信装置を実現する。
【解決手段】電子内視鏡装置10は、スコープ20とプロセッサ70とを有する。プロセッサ70はクロック信号CLK1を送信しスコープ情報信号SDを受信する第1送受信回路80を有する。スコープ20はクロック信号CLK1を受信しスコープ情報信号SDを送信する第2送受信回路50を有する。第1送受信回路80と第2送受信回路50は伝送路42で接続され、クロック信号CLK1とスコープ情報信号SDは、伝送路42においてクロック信号CLK1の振幅が拡大されてスコープ情報信号SDが重畳された拡大クロック信号CLK1Aを介して双方向に送受信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡装置に設けられ、例えば撮像信号の制御信号等を送受信する双方向通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡装置は、通常、撮像素子等を含むスコープと、撮像素子を駆動するための制御信号を生成し、撮像素子により生成された映像信号を処理するプロセッサとを有する。一般に、電子内視鏡装置においては、プロセッサ側に設けられた制御回路で制御信号が生成され、電線等の伝送路を介してスコープ先端に配置される撮像素子に供給される。そして、映像信号は、電線等の伝送路を介してプロセッサ側の信号処理回路に送信される(例えば特許文献1)。
【0003】
また、スコープ先端部に温度センサを設けて被験者の体内の温度を計測することが可能な電子内視鏡装置及びスコープ先端部に配した電磁誘導により充電可能なバッテリによって撮像素子を含むスコープ側の回路を駆動する電子内視鏡装置が知られている(例えば特許文献1、2)。
【特許文献1】特開2004−321491号公報
【特許文献2】特開2006−6569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1及び2のように、電子内視鏡装置のスコープ側に電源や他の機能(例えば、温度測定)を設けた場合、それらの動作状態及び出力結果の情報をプロセッサ側に送信し、ユーザ(術者)に認識させることが求められる。しかし、特許文献1の電子内視鏡のように、スコープ側から各種情報をプロセッサに送信するために専用の信号伝送路を設けた場合には、被験者の体内に挿入されるスコープの挿入部の径を太くせざるを得なくなり、被験者に苦痛を強いることとなる。
【0005】
そこで本発明は、スコープの挿入部の径を太くすることなくスコープ側の各種情報をプロセッサ側に伝送可能とする電子内視鏡の双方向通信装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1の発明の電子内視鏡装置の双方向通信装置は、撮像機能を有するスコープを備えた電子内視鏡装置であって、伝送路と、伝送路を介して一定周期のクロック信号をスコープに送信する第1の送受信回路と、クロック信号を受信し、クロック信号の振幅を拡大して拡大クロック信号を生成し、スコープで生成されるスコープ情報信号を拡大クロック信号に重畳して重畳信号を伝送路を介して送信する第2の送受信回路とを備え、第1の送受信回路が、クロック信号に基づくタイミングで重畳信号からスコープ情報信号を受信することを特徴とする。このような構成により、クロック信号の伝送路とスコープ情報信号の伝送路とを兼用し双方向に通信することが可能となる。
【0007】
また、第1の送受信回路は、クロック信号が入力されるクロック入力端子と、クロック信号を伝送路に出力するクロック送信回路と、クロック信号に基づいてタイミング信号を生成するタイミング回路と、重畳信号をタイミング信号に基づいてサンプルホールドし、スコープ情報信号を抽出し出力するサンプルホールド回路とを備えることが好ましい。このような構成により、クロック信号と同期したタイミングでスコープ情報信号を抽出することが可能となる。クロック送信回路は、例えばオープンコレクタ回路であり、これによって簡単な構成でクロック信号を出力することが可能となる。
【0008】
また、タイミング回路が、クロック信号と位相が異なるタイミング信号を生成し、サンプルホールド回路が、タイミング信号の立上り又は立下りに同期してサンプルホールドすることが好ましい。或いは、タイミング回路が、クロック信号がHigh又はLowのいずれか一方の状態のときに複数のタイミング信号を生成することが好ましい。或いは、タイミング回路が、クロック信号と同一の位相のタイミング信号を生成し、サンプルホールド回路が、タイミング信号がHighまたはLowのときにサンプルし、LowまたはHighのときにホールドすることが好ましい。このような構成により、重畳信号からスコープ情報信号を確実に抽出することが可能となる。
【0009】
また、第2の送受信回路は、スコープ情報信号が入力されるスコープ情報信号入力端子と、スコープ情報信号に基づいて出力電圧が変化する可変型定電圧源と、伝送路と可変型定電圧源とを接続する抵抗と、伝送路から第1の閾値電圧でクロック信号を抽出し出力するクロック受信回路とを備えることが好ましい。このような構成により、簡単な構成で拡大クロック信号を生成し、スコープ情報信号を拡大クロック信号に重畳することが可能となる。さらに、クロック信号がプラスの電圧で振幅する矩形波の信号である場合には、可変型定電圧源の最大出力電圧が第1の閾値電圧以下であることが好ましい。或いは、クロック信号がマイナスの電圧で振幅する矩形波の信号である場合には、可変型定電圧源の最小出力電圧が第1の閾値電圧以上であることが好ましい。このような構成により、クロック信号を確実に抽出し受信することが可能となる。
【0010】
或いは、第2の送受信回路は、スコープ情報信号が入力されるスコープ情報信号入力端子と、スコープ情報信号に基づいて複数の異なる電圧を出力するスイッチ回路と、伝送路とスイッチ回路とを接続する抵抗と、伝送路から第2の閾値電圧でクロック信号を抽出し出力するクロック受信回路とを備え、スコープ情報信号はデジタル信号であり、第1の送受信回路が第2の閾値電圧でスコープ情報信号を抽出することが好ましい。このような構成により、スコープ情報信号がデジタル信号である場合でも簡単な構成で拡大クロック信号を生成し、スコープ情報信号を拡大クロック信号に重畳することが可能となる。さらに、クロック信号がプラスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、スイッチ回路が出力する電圧の一方が第2の閾値電圧より低く、他方が第1の閾値電圧より低く、かつ第2の閾値電圧より高いことが好ましい。或いは、クロック信号がマイナスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、スイッチ回路が出力する電圧の一方が第2の閾値電圧より高く、他方が第1の閾値電圧より高く、かつ第2の閾値電圧より低いことが好ましい。このような構成により、クロック信号を確実に抽出し受信することが可能となる。
【0011】
また、スコープは撮像素子を有し、クロック信号が撮像素子を駆動する信号であることが好ましい。これによって撮像素子を駆動するための伝送路とスコープ情報信号の伝送路とを兼用し双方向に通信することが可能となる。
【0012】
本願の第2の発明の電子内視鏡装置は、二次電池と、本願の第1の発明の電子内視鏡装置の双方向通信装置を備え、撮像素子は二次電池から供給される電力により駆動され、スコープ情報信号が二次電池の残量を表す信号であることを特徴とする。このような構成により、スコープの挿入部の径を太くすることなく二次電池の残量をプロセッサ側に伝送することが可能となる。
【0013】
本願の第3の発明の電子内視鏡装置は、温度センサと、本願の第1の発明の電子内視鏡装置の双方向通信装置を備え、スコープ情報信号が温度センサの出力に基づく信号であることを特徴とする。このような構成により、スコープの挿入部の径を太くすることなく温度の情報をプロセッサ側に伝送することが可能となる。
【0014】
本願の第4の発明の双方向通信装置は、伝送路と、伝送路の一側に接続され伝送路を介して一定周期のクロック信号を伝送路の他側に送信する第1の送受信回路と、伝送路の他側に接続され、クロック信号を受信し、クロック信号の振幅を拡大して拡大クロック信号を生成し、外部より入力される入力信号を拡大クロック信号に重畳して重畳信号を伝送路を介して送信する第2の送受信回路とを備え、第1の送受信回路が、クロック信号に基づくタイミングで重畳信号から入力信号を受信することを特徴とする。このような構成により、クロック信号の伝送路と入力信号の伝送路とを兼用し双方向に通信することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、スコープに供給する信号の伝送路の一部を双方向通信可能に構成している。これにより、スコープの挿入部の径を太くすることなくスコープ側の各種情報をプロセッサ側に伝送可することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態における双方向通信装置を有する電子内視鏡装置のブロック図である。
【0017】
電子内視鏡装置10は、スコープ20とプロセッサ70とを有する。スコープ20は、被験者の体内に挿入される挿入部(不図示)とユニバーサルコード部20Tを有し、挿入部の先端部であるスコープ先端部20Eとプロセッサ70は、ユニバーサルコード部20Tを介して電気的及び光学的に接続される。
【0018】
プロセッサ70には、光源72が設けられており、光源72は照明光Lを出射する。照明光Lは、スコープ20に設けられたガイドファイバ24を介してスコープ先端部20Eに伝達され、拡散レンズ22によって拡散される。被観察体(不図示)は、スコープ先端部20Eから出射された照明光Lにより照明され、被観察体で反射した照明光Lは、スコープ先端部20Eに入射する。
【0019】
スコープ先端部20Eには、対物レンズ26、CCD(撮像素子)28、スコープ制御回路30、二次電池32、電源34、温度センサ36及び第2送受信回路50が設けられている。スコープ先端部20Eに入射した照明光Lの反射光は、対物レンズ26によってCCD28上に結像される。
【0020】
CCD28は、プロセッサ70に設けられたプロセッサ制御回路76で生成されるクロック信号によって駆動される。クロック信号は、プロセッサ70において第1送受信回路80から出力され、伝送路42、第2送受信回路50を介してCCD28に供給される。クロック信号としては、例えば、水平CCD駆動信号(φH)、リセットパルス信号(φR)、垂直CCD駆動信号(φV)等があり、これらは伝送路42においてそれぞれ別々の信号線により伝送されるが、図1においては、説明の便宜のため、1つのクロック信号CLK1A(φR)のみを示している。
【0021】
CCD28は、映像信号を生成し、映像信号用伝送路40を介してプロセッサ70に送信する。映像信号は、プロセッサ70に設けられた信号処理回路74で処理され、被観察体の画像がプロセッサ70に接続されるモニタ(不図示)等に表示される。
【0022】
CCD28を含むスコープ先端部20Eのスコープ制御回路30、第2送受信回路50等の各電気回路は、二次電池32を備える電源34から供給される電力によって駆動される。二次電池32は、スコープ20を使用する前に外部電源100との電磁結合によって充電され、使用時には電源34に電力を供給するバッテリとして機能する。電源34は、二次電池32のバッテリ容量をモニタしスコープ制御回路30に出力する。スコープ制御回路30は、二次電池32のバッテリ容量を後述する所定のデータに変換してスコープ情報信号SDを生成し、第2送受信回路50、伝送路42及び第1送受信回路80を介してプロセッサ制御回路76に送信する。プロセッサ制御回路76は、受信したデータからバッテリ容量を求めプロセッサ70に接続されるモニタ(不図示)等に表示する。なお、伝送路42においてスコープ情報信号SDの送信に使用される信号線は、クロック信号CLK1Aと共通である。
【0023】
温度センサ36は、スコープ先端部20Eの周囲の温度、すなわち被験者の体温を計測し、計測結果をスコープ制御回路30に出力する。スコープ制御回路30は、温度センサ36の計測結果を所定のデータに変換しスコープ情報信号SDを生成し、第2送受信回路50、伝送路42及び第1送受信回路80を介してプロセッサ制御回路76に送信する。プロセッサ制御回路76は、受信したデータから体温を求めプロセッサ70に接続されるモニタ(不図示)等に表示する。なお、伝送路42においてスコープ情報信号SDの送信に使用される信号線は、クロック信号CLK1Aと共通であるが、二次電池32のバッテリ容量を伝送する信号線とは異なる信号線を使用する。
【0024】
図2は本実施形態における双方向通信装置を構成する第1送受信回路80および第2送受信回路50の内部構成、および内視鏡装置内での接続関係を模式的に示すブロック図である。図3は、第1送受信回路80および第2送受信回路50の動作を説明するタイミングチャートであり、図2で示される各信号線と同一の符号を付している。
【0025】
第1送受信回路80は、クロック入力端子81、PNPトランジスタ82、タイミング回路84、サンプル/ホールド回路86、及びスコープ情報出力端子87により構成される。第2送受信回路50は、スコープ情報入力端子51、NPNトランジスタ54、エミッタ抵抗56、プルダウン抵抗58、クロック受信回路52及びクロック出力端子59により構成される。第1送受信回路80と第2送受信回路50は伝送路42によって接続される。
【0026】
クロック入力端子81は、プロセッサ制御回路76と接続され、プロセッサ制御回路76で生成されるCCD28を駆動するための一定周期のクロック信号CLK1が入力される。クロック信号CLK1は、Highのとき電圧Vssとなり、Lowのとき電圧ゼロ(GND)となる矩形波の信号であり、クロック入力端子81を介してPNPトランジスタ82のベース端子に入力され、PNPトランジスタ82をON/OFFする。PNPトランジスタ82のエミッタ端子は第1送受信回路80の正の電源電圧Vss(Vss>0)に接続され、コレクタ端子は伝送路42に接続され、クロック信号CLK1はPNPトランジスタ82のON/OFFに応じて反転されて伝送路42に出力される。すなわち、PNPトランジスタ82は、いわゆるオープンコレクタ出力である。
【0027】
伝送路42は、プルダウン抵抗58の一端に接続され、プルダウン抵抗58の他端はエミッタ抵抗56の一端とNPNトランジスタ54のエミッタ端子に接続される。抵抗56の他端は第2送受信回路の負の電源電圧Vdd(Vdd<0)に接続され、NPNトランジスタ54のコレクタ端子は正の電源電圧Vssに接続され、ベース端子はスコープ情報入力端子51を介してスコープ制御回路30に接続される。ここで、NPNトランジスタ54と抵抗56は、いわゆるエミッタフォロア回路を構成し、可変型定電圧源として機能する。すなわち、スコープ情報入力端子51に印加されるアナログ電圧であるスコープ情報信号SD(Vdd<SD<0)からNPNトランジスタ54のベース−エミッタ間電圧VBEを差し引いた電圧(SD−VBE)が、エミッタ電圧となる。従って、伝送路42は、プルダウン抵抗58を介して電圧(Vdd−(SD−VBE))にプルダウンされることとなり、PNPトランジスタ82から出力されたクロック信号CLK1は、Highの信号のとき電圧Vssとなり、Lowの信号のとき電圧(Vdd−(SD−VBE))となる。すなわち、クロック信号CLK1の振幅(Vss−0)は伝送路42上では拡大され、最大振幅(Vss−Vdd−(SD−VBE))の拡大クロック信号CLK1Aとなる。なお、ベース−エミッタ間電圧VBEは、NPNトランジスタ54が動作している状態では0.6V程度の一定電圧であり、入力されるスコープ情報信号SDの値が十分大きい場合には無視できる値であるため、以下(SD−VBE)≒SDとして説明する。
【0028】
クロック受信回路52は伝送路42に接続され、拡大クロック信号CLK1Aを受信する。クロック受信回路52は、正の閾値電圧Vth1(第1の閾値電圧)を有するいわゆるインバータ回路であり、拡大クロック信号CLK1Aの電圧値と閾値電圧Vth1とを比較し、拡大クロック信号CLK1Aの電圧値が閾値電圧Vth1よりも大きい場合には、Lowの信号(GND)を出力し、拡大クロック信号CLK1Aの電圧値が閾値電圧Vth1よりも小さい場合には、Highの信号(Vss)を出力する。従って、クロック受信回路52の出力はクロック信号CLK1と同じ信号となり、クロック出力端子59を介してCCD28に供給される。CCD28に供給されるクロック信号は、例えば、水平同期信号である水平CCD駆動信号(φH)、各画素の電荷をリセットするリセットパルス信号(φR)、垂直同期信号である垂直CCD駆動信号(φV)である。
【0029】
スコープ制御回路30は、二次電池32のバッテリ容量及び温度センサ36の計測結果をスコープ情報信号SDに変換する。具体的には、二次電池32のバッテリ容量については、二次電池32が完全に充電されている時にはスコープ情報信号SDとして電圧Vddを出力し、二次電池32が完全に放電されている時にはスコープ情報信号SDとして電圧0V(GND)を出力し、中間のバッテリ容量に対してはバッテリ容量に応じて電圧Vddから電圧0Vまで直線的に変化する電圧をスコープ情報信号SDとして出力する。また、温度センサ36の計測結果については、30℃の計測結果の時にスコープ情報信号SDとして電圧Vddを出力し、40℃の計測結果の時にスコープ情報信号SDとして電圧0V(GND)を出力し、30℃から40℃の間は計測結果に応じて電圧Vddから電圧0Vまで直線的に変化する電圧をスコープ情報信号SDとして出力する。
【0030】
上述のように、拡大クロック信号CLK1Aは、Lowのときには電圧が(Vdd−SD)となるため、スコープ制御回路30がスコープ情報信号SDを変化させることによって、図3の実線で描かれた波形Aとなる。すなわち、拡大クロック信号CLK1AはLowの電圧にスコープ情報信号SDが重畳された重畳信号となる。なお、図3におけるスコープ情報信号SDを表す曲線(実線及び点線)は、説明の便宜のためその変化を誇張して表現したもので、実際の二次電池32のバッテリ容量は時間経過と共に緩やかに減少していき、これに従ってスコープ情報信号SDも緩やかに変化する。
【0031】
伝送路42は、サンプル/ホールド回路86に接続され、スコープ情報信号SDが重畳された拡大クロック信号CLK1Aがサンプル/ホールド回路86に入力される。サンプル/ホールド回路86は、タイミング回路から入力されるサンプルホールド信号S/Hに基づいて拡大クロック信号CLK1Aをサンプル又はホールドする。
【0032】
タイミング回路84にはクロック信号CLK1が入力され、タイミング回路84はクロック信号CLK1に基づいて所定のサンプルホールド信号S/Hを生成する。本実施形態のタイミング回路84は、クロック信号CLK1と位相が90度ずれたサンプルホールド信号S/Hを生成し、サンプル/ホールド回路86は、サンプルホールド信号S/Hの立上がり時(t2、t5)の拡大クロック信号CLK1Aをサンプルし、ホールドするよう構成される(図3参照)。従って、サンプル/ホールド回路86のスコープ情報出力信号AOUTは、拡大クロック信号CLK1AのLowの信号電圧、すなわちスコープ情報信号SDを一周期毎にサンプルしホールドすることとなり、一周期毎に階段状に変化するスコープ情報信号SDがGNDを基準としたスコープ情報出力信号AOUTとしてスコープ情報出力端子87を介してプロセッサ制御回路76に出力される。
【0033】
プロセッサ制御回路76は入力されたスコープ情報信号SDを二次電池32のバッテリ容量及び温度センサ36の計測結果に変換する。すなわち、プロセッサ70はスコープ先端部20Eに搭載された二次電池32のバッテリ容量及び温度センサ36の計測結果を得ることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡の双方向通信装置によれば、CCD28を駆動するためのクロック信号CLK1を送受信する伝送路42をスコープ情報信号SDを送受信するための伝送路として使用することが可能となる。すなわち、CCD28を駆動するために必要な信号線を双方向に利用することが可能となり、スコープ20で生成される各種情報を専用線を別途設けることなくプロセッサ70に伝送することが可能となる。従って、プロセッサ70は、従来より多くのスコープ20側の情報を得ることが可能でありながら細いスコープ挿入径を維持することが可能となる。例えば、スコープ情報信号SDが二次電池32のバッテリ容量である場合には、術者は事前にスコープ20のバッテリ切れを予測可能となり、スコープ情報信号SDが温度センサ36の計測結果である場合には、術者は被験者の体調を観察しながら施術することが可能となり、より信頼性の高い施術が可能となる。
【0035】
さらに、サンプル/ホールド回路86がクロック信号CLK1と位相が90度ずれたサンプルホールド信号S/Hでスコープ情報信号SDをサンプルし、ホールドすることにより、クロック信号CLK1の一周期毎に確実にスコープ情報出力信号AOUTを得ることができる。なお、スコープ情報出力信号AOUTはスコープ情報信号SDを周期的にサンプルした離散的な出力であるが、二次電池32のバッテリ容量および温度センサ36の計測結果はクロック信号CLK1の一周期の時間に比較して十分長い周期で緩やかに変化する情報(データ)であるため、離散的な値であっても実質的に問題とはならない。また、サンプルホールド信号S/Hは、クロック信号CLK1と位相が90度ずれた信号に限定されるものではなく、位相がずれてさえいれば同様の効果が得られる。
【0036】
なお、スコープ情報信号SDは、(Vdd<SD<0)の範囲に限られるものではなく、クロック受信回路52が拡大クロック信号CLK1Aからクロック信号CLK1を抽出できる範囲、すなわち正の閾値電圧Vth1以下(Vdd<SD<Vth1)であれば良い。また、スコープ情報信号SDはプロセッサ制御回路76において二次電池32のバッテリ容量及び温度センサ36の計測結果に変換されるため、直線的に変化する電圧に限られるものではなく、非線形に変化する電圧であっても良い。
【0037】
次に、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。図4は、第2の実施形態におけるタイミングチャートである。なお、第1の実施形態と同一、又は対応する信号線には同じ符号が付されている。
【0038】
本実施形態は、タイミング回路84がクロック信号CLK1と同位相のサンプルホールド信号S/H’を生成し、サンプル/ホールド回路86がサンプルホールド信号S/H’のHighのとき(t1−t3間、t4−t6間)にサンプルし、Lowのとき(t3−t4間)にホールドするよう構成される点が第1の実施形態と異なる。従って、スコープ情報出力信号AOUT’は、サンプルホールド信号S/H’がHighのとき(t1−t3間、t4−t6間)にはスコープ情報信号SDをそのまま出力し、Lowのとき(t3−t4間)にはサンプルホールド信号S/H’の立下り時(t3、t6)のスコープ情報信号SDの電圧を維持する。
【0039】
本実施形態の構成によれば、サンプルホールド信号S/H’がLowのときにはクロック受信回路52はクロック信号CLK1を確実に受信することができ、サンプルホールド信号S/H’がHighのときにはサンプル/ホールド回路86は連続して変化するスコープ情報信号SDを受信し、スコープ情報出力信号AOUT’として出力することが可能となる。すなわち、第1の実施形態と異なり、サンプルホールド信号S/H’がHighのときにはクロック信号CLK1の周期に拘らず、比較的変化の周期が短い連続的に変化するスコープ情報信号SDであっても伝送することが可能となる。従って、例えば、クロック信号CLK1としてCCD28の水平CCD駆動信号(φH)を伝送路42を介して第1送受信回路80から第2送受信回路50に伝送し、スコープ情報信号SDとして映像信号を伝送路42を介して第2送受信回路50から第1送受信回路80に伝送することが可能である。すなわち、映像信号用伝送路40を伝送路42に統合することが可能となり、さらに細いスコープ挿入径を実現することができる。
【0040】
次に、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。図5は本実施形態における双方向通信装置を構成する第1送受信回路80’および第2送受信回路50’の内部構成、および内視鏡装置内での接続関係を模式的に示すブロック図である。図6は本実施形態における第1送受信回路80’および第2送受信回路50’の動作を説明するタイミングチャートである。なお、第1の実施形態と同一、又は対応する構成要素及び信号線には同じ符号が付されている。
【0041】
本実施形態は、第1送受信回路80’のサンプル/ホールド回路86’がDフリップフロップで構成される点、第2送受信回路50’のプルダウン抵抗58がスイッチ回路55を介して負の電源電圧Vdd又は0V(GND)に接続される点、及びスコープ情報信号SD’がクロック信号CLK1と同期の取れたデジタル信号である点が第1の実施形態と異なる。
【0042】
伝送路42は、プルダウン抵抗58の一端に接続され、プルダウン抵抗58の他端は単極双投型スイッチ回路55の共通端子に接続される。スイッチ回路55の一方の端子は第2送受信回路の負の電源電圧Vdd(Vdd<0)に接続され、他方の端子は0V(GND)に接続される。スイッチ回路55は制御信号入力端子を有し、制御信号入力端子はスコープ情報入力端子51を介してスコープ制御回路30’に接続される。スコープ制御回路30’からのスコープ情報信号SD’(デジタル信号)がスイッチ回路55の制御信号入力端子に入力されるとスイッチ回路55は、スコープ情報信号SD’に従って接続状態を切替える。具体的には、スイッチ回路55は、スコープ情報信号SD’がLowの信号である場合には、共通端子と負の電源電圧Vddとを接続し、スコープ情報信号SD’がHighの信号である場合には、共通端子と0V(GND)とを接続する。従って、伝送路42は、プルダウン抵抗58を介して負の電源電圧Vdd又は0V(GND)にプルダウンされることとなり、PNPトランジスタ82から出力されたクロック信号CLK1は、Highの信号のとき電圧Vssとなり、Lowの信号のとき電圧Vdd又は0V(GND)となる。すなわち、クロック信号CLK1の振幅(Vss−0)は伝送路42上では拡大され、最大振幅(Vss−Vdd)の拡大クロック信号CLK1Dとなる。
【0043】
スコープ制御回路30’は、二次電池32のバッテリ容量をスコープ情報信号SD’に変換する。具体的には、二次電池32が完全に充電されている時には4ビットのデジタルデータ「0000」がスコープ情報信号SD’として出力され、二次電池32が完全に放電されている時には「1111」がスコープ情報信号SD’として出力され、中間のバッテリ容量に対してはバッテリ容量に応じて「0000」から「1111」まで一様に変化する4ビットのデジタルデータをスコープ情報信号SDとして出力する。また、スコープ制御回路30’はクロック出力端子59と接続されている。スコープ制御回路30’はクロック出力端子59より出力されるクロック信号CLK1を受信し、クロック信号CLK1と同期の取れたスコープ情報信号SD’を出力する。具体的には、スコープ情報信号SD’は、1ビットのデジタルデータをクロック信号CLK1の1周期に対応させたシリアルデータ信号として出力され、4ビットのスコープ情報信号SD’は、クロック信号CLK1の4周期分で伝送される。例えば、「0110」のスコープ情報信号SD’を送信する場合、図6のt1からt13で示されるクロック信号CLK1の4周期分で伝送される。なお、スコープ制御回路30’は、二次電池32のバッテリ容量と同様、温度センサ36の計測結果についてもスコープ情報信号SD’に変換するが、デジタルデータである点を除いて第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0044】
上述のように、拡大クロック信号CLK1Dは、Lowの信号のとき電圧Vdd又は0V(GND)となるため、スコープ制御回路30’がスコープ情報信号SD’を変化させることによって、図6の実線で描かれた波形となる。すなわち、拡大クロック信号CLK1DはLowの時の信号電圧にスコープ情報信号SD’が重畳された重畳信号となる。なお、図6におけるスコープ情報信号SD’のデータ(0110、1001)は、説明の便宜のためその変化を誇張して表現したもので、実際の二次電池32のバッテリ容量は時間経過と共に緩やかに減少していき、従ってスコープ情報信号SD’も緩やかに変化する。
【0045】
伝送路42は、Dフリップフロップ回路86’のD端子に接続され、スコープ情報信号SD’が重畳された拡大クロック信号CLK1DがDフリップフロップ回路86’に入力される。Dフリップフロップ回路86’のCLK端子は、タイミング回路84と接続され、Dフリップフロップ回路86’はタイミング回路84から入力されるサンプルホールド信号S/Hに基づいて拡大クロック信号CLK1Dをサンプルしホールドする。タイミング回路84にはクロック信号CLK1が入力され、タイミング回路84はクロック信号CLK1に基づいて所定のサンプルホールド信号S/Hを生成する。本実施形態のタイミング回路84は、第1の実施形態と同様、クロック信号CLK1と位相が90度ずれたサンプルホールド信号S/Hを生成し、Dフリップフロップ回路86’は、サンプルホールド信号S/Hの立上がり時(t2、t5、t8、t11)に拡大クロック信号CLK1Dをサンプルし、ホールドするよう構成される(図6参照)。具体的には、Dフリップフロップ回路86’のD端子は負の閾値電圧Vth2(第2の閾値電圧)を有し、サンプルホールド信号S/Hの立上がり時に拡大クロック信号CLK1Dの電圧値と閾値電圧Vth2とを比較し、拡大クロック信号CLK1Dの電圧値が閾値電圧Vth2よりも小さい場合には、Lowの信号(GND)を出力し、拡大クロック信号CLK1Dの電圧値が閾値電圧Vth2よりも大きい場合には、Highの信号(Vss)を出力する。従って、Dフリップフロップ回路86’は、拡大クロック信号CLK1DのLowの信号電圧、すなわちスコープ情報信号SD’を一周期毎にサンプルしホールドすることとなり、クロック信号CLK1の1/4周期にあたる時間だけ遅れたスコープ情報信号SD’がスコープ情報出力信号DOUTとしてスコープ情報出力端子87を介してプロセッサ制御回路76に出力される。
【0046】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡の双方向通信装置によれば、第1及び第2の実施形態と同様、CCD28を駆動するためのクロック信号CLK1を送受信する伝送路42をスコープ情報信号SD’を送受信するための伝送路として使用することが可能となる。従って、専用線を別途設けることなく、細いスコープ挿入径を維持しつつ、スコープ20側の各種情報をプロセッサ70側に伝送することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態によれば、スコープ情報信号SD’をデジタルデータで構成したことにより、第1及び第2の実施形態と比較してノイズの影響を受け難く、より精度を必要とするスコープ20側の情報を伝送できる。
【0048】
さらに、Dフリップフロップ回路86’がクロック信号CLK1と位相が90度ずれたサンプルホールド信号S/Hでスコープ情報信号SD’をサンプルし、ホールドすることにより、クロック信号CLK1の一周期毎に確実にスコープ情報出力信号DOUTを得ることができる。 なお、サンプルホールド信号S/Hは、クロック信号CLK1と位相が90度ずれた信号に限定されるものではなく、0から180度の範囲で位相がずれてさえいれば同様の効果が得られる。
【0049】
なお、スコープ情報信号SD’は、4ビットのデジタルデータに限られるものではなく、要求されるスコープ情報信号SD’の精度に応じてビット数を変更可能である。また、第1の実施形態と同様、スコープ情報信号SD’はプロセッサ制御回路76において二次電池32のバッテリ容量及び温度センサ36の計測結果に変換されるため、スコープ情報信号SD’として「0000」から「1111」までの範囲の一部のデータを使うことも可能であり、非線形に変化するデジタルデータであっても良い。さらに、スイッチ回路55によって切替えられる電圧は、負の電源電圧Vddと0V(GND)に限られるものではなく、クロック受信回路52が拡大クロック信号CLK1Dからクロック信号CLK1を抽出でき、且つ、Dフリップフロップ回路86’がスコープ情報信号SD’を抽出できる範囲、すなわち負の閾値電圧Vth2より大きく正の閾値電圧Vth1より小さい1つの電圧と、負の閾値電圧Vth2より小さいもう1つの電圧であれば良い。
【0050】
次に、第4の実施形態について、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。図7は、第4の実施形態におけるタイミングチャートである。なお、第3の実施形態と同一、又は対応する信号線には同じ符号が付されている。
【0051】
本実施形態は、スコープ情報信号SD”の1ビットがクロック信号CLK1の1/4周期に対応した信号であり、クロック信号CLK1が正のときにスコープ情報信号SD”の2ビットに相当するデータを伝送する点、タイミング回路84がサンプルホールドパルスS/H”として、クロック信号CLK1がHighのときにクロック信号CLK1の1/8から2/8の周期に亘る第1の正のサンプルホールドパルスを生成し、クロック信号CLK1の3/8から4/8の周期に亘る第2の正のサンプルホールドパルスを生成する点、サンプルホールドパルスS/H”の立上りに同期して(t2’、t3’、t6’、t7’、t10’、t11’)Dフリップフロップ回路86’がスコープ情報信号SD”をサンプル/ホールドするよう構成される点が第3の実施形態と異なる。従って、クロック信号CLK1の1/8周期にあたる時間だけ遅れたスコープ情報信号SD”がスコープ情報出力信号DOUT”としてスコープ情報出力端子87を介してプロセッサ制御回路76に出力される。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、クロック信号CLK1の一周期毎に2ビットのスコープ情報信号SD”を送受信することが可能となり、第3の実施形態と比較して2倍の伝送容量を得ることができる。
【0053】
なお、クロック信号CLK1の一周期毎に送受信できるビット数は2ビットに限定されるものではなく、タイミング回路84が生成するサンプルホールドパルス数を増やすことにより3ビット以上の送受信も可能である。
【0054】
電子内視鏡の双方向通信装置を構成する部品等は、第1乃至第4の実施形態に限定されるものではない。例えば、第1送受信回路80(80’)のPNPトランジスタ82は、エミッタを負の電圧にVddに接続したNPNトランジスタでも良く、この場合第2送受信回路50(50’)のプルダウン抵抗58は、その一端が正の電圧に接続されるプルアップ抵抗となる。なお、この場合には、閾値電圧Vth1及びVth2の正負が反転し、各タイミングチャートで示した信号波形の正負が反転する。すなわち、スコープ情報信号SD(SD’、SD”)は、拡大クロック信号CLK1A(CLK1D)がHighの時の信号電圧(Vss)に重畳される。
【0055】
また、プルダウン抵抗58は抵抗素子として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、電界効果トランジスタで構成しても良い。
【0056】
また、第1乃至第4の実施形態においては、第1送受信回路80(80’)がプロセッサ側に設けられているとして説明したが、これに限定されるものではなく、スコープ側に設けられても良い。
【0057】
なお、上述の実施形態においては、電子内視鏡の双方向通信装置として説明したが、電子内視鏡に限定されるものではなく、一般的な双方向通信装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1の実施形態における双方向通信装置を有する電子内視鏡装置のブロック図である。
【図2】第1の実施形態における第1送受信回路80および第2送受信回路50の内部構成、および内視鏡装置内での接続関係を模式的に示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における第1送受信回路80および第2送受信回路50の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】第2の実施形態における第1送受信回路80および第2送受信回路50の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】第3の実施形態における第1送受信回路80’および第2送受信回路50’の内部構成、および内視鏡装置内での接続関係を模式的に示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態における第1送受信回路80’および第2送受信回路50’の動作を説明するタイミングチャートである。
【図7】第4の実施形態における第1送受信回路80’および第2送受信回路50’の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10 電子内視鏡装置
20 スコープ
28 CCD(撮像素子)
30、30’ スコープ制御回路
32 二次電池
36 温度センサ
42 伝送路
50、50’ 第2送受信回路
51 スコープ情報入力端子
52 クロック受信回路
54 NPNトランジスタ
55 スイッチ回路
56 エミッタ抵抗
58 プルダウン抵抗
59 クロック出力端子
70 プロセッサ
76 プロセッサ制御回路
80、80’ 第1送受信回路
81 クロック入力端子
82 PNPトランジスタ(クロック送信回路)
84 タイミング回路
86 サンプル/ホールド回路
86’ Dフリップフロップ回路
87 スコープ情報出力端子
CLK1 クロック信号
CLK1A、CLK1D 拡大クロック信号
S/H、S/H’ サンプルホールド信号
S/H” サンプルホールドパルス
AOUT、AOUT’、DOUT、DOUT” スコープ情報出力信号
SD、SD’、SD” スコープ情報信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像機能を有するスコープを備えた電子内視鏡装置であって、
伝送路と、
前記伝送路を介して一定周期のクロック信号を前記スコープに送信する第1の送受信回路と、
前記クロック信号を受信し、前記クロック信号の振幅を拡大して拡大クロック信号を生成し、前記スコープで生成されるスコープ情報信号を前記拡大クロック信号に重畳して重畳信号を伝送路を介して送信する第2の送受信回路とを備え、
第1の送受信回路が、前記クロック信号に基づくタイミングで前記重畳信号から前記スコープ情報信号を受信することを特徴とする電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項2】
前記第1の送受信回路は、
前記クロック信号が入力されるクロック入力端子と、
前記クロック信号を前記伝送路に出力するクロック送信回路と、
前記クロック信号に基づいてタイミング信号を生成するタイミング回路と、
前記重畳信号を前記タイミング信号に基づいてサンプルホールドし、前記スコープ情報信号を抽出し出力するサンプルホールド回路と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項3】
前記クロック送信回路が、オープンコレクタ回路で構成されることを特徴とする請求項2に記載の双方向通信装置。
【請求項4】
前記タイミング回路が、前記クロック信号と位相が異なるタイミング信号を生成し、
前記サンプルホールド回路が、前記タイミング信号の立上り又は立下りに同期してサンプルホールドすることを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項5】
前記タイミング回路が、前記クロック信号がHigh又はLowのいずれか一方の状態のときに複数のタイミング信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項6】
前記タイミング回路が、前記クロック信号と同一の位相のタイミング信号を生成し、
前記サンプルホールド回路が、前記タイミング信号がHighまたはLowのときにサンプルし、LowまたはHighのときにホールドすることを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項7】
前記第2の送受信回路は、
前記スコープ情報信号が入力されるスコープ情報信号入力端子と、
前記スコープ情報信号に基づいて出力電圧が変化する可変型定電圧源と、
前記伝送路と前記可変型定電圧源とを接続する抵抗と、
前記伝送路から第1の閾値電圧で前記クロック信号を抽出し出力するクロック受信回路とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項8】
前記クロック信号がプラスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、前記可変型定電圧源の最大出力電圧が前記第1の閾値電圧以下であることを特徴とする請求項7に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項9】
前記クロック信号がマイナスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、前記可変型定電圧源の最小出力電圧が前記第1の閾値電圧以上であることを特徴とする請求項7に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項10】
前記第2の送受信回路は、
前記スコープ情報信号が入力されるスコープ情報信号入力端子と、
前記スコープ情報信号に基づいて複数の異なる電圧を出力するスイッチ回路と、
前記伝送路と前記スイッチ回路とを接続する抵抗と、
前記伝送路から第1の閾値電圧で前記クロック信号を抽出し出力するクロック受信回路とを備え、
前記スコープ情報信号はデジタル信号であり、前記第1の送受信回路が第2の閾値電圧で前記スコープ情報信号を抽出することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項11】
前記クロック信号がプラスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、前記スイッチ回路が出力する電圧の一方が前記第2の閾値電圧より低く、他方が前記第1の閾値電圧より低く、かつ前記第2の閾値電圧より高いことを特徴とする請求項10に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項12】
前記クロック信号がマイナスの電圧で振幅する矩形波の信号であり、前記スイッチ回路が出力する電圧の一方が前記第2の閾値電圧より高く、他方が前記第1の閾値電圧より高く、かつ前記第2の閾値電圧より低いことを特徴とする請求項10に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項13】
前記スコープは撮像素子を有し、前記クロック信号が前記撮像素子を駆動する信号であることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置の双方向通信装置。
【請求項14】
二次電池と、請求項1に記載の双方向通信装置を備え、
前記撮像素子は前記二次電池から供給される電力により駆動され、前記スコープ情報信号が前記二次電池の残量を表す信号であることを特徴とする電子内視鏡装置。
【請求項15】
温度センサと、請求項1に記載の双方向通信装置を備え、
前記スコープ情報信号が前記温度センサの出力に基づく信号であることを特徴とする電子内視鏡装置。
【請求項16】
伝送路と、
前記伝送路の一側に接続され、前記伝送路を介して一定周期のクロック信号を前記伝送路の他側に送信する第1の送受信回路と、
前記伝送路の他側に接続され、前記クロック信号を受信し、前記クロック信号の振幅を拡大して拡大クロック信号を生成し、外部より入力される入力信号を前記拡大クロック信号に重畳して重畳信号を前記伝送路を介して送信する第2の送受信回路とを備え、
第1の送受信回路が、前記クロック信号に基づくタイミングで前記重畳信号から前記入力信号を受信することを特徴とする双方向通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−89950(P2009−89950A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264657(P2007−264657)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】