説明

電子写真部材の製造装置

【課題】ゴム材料を注入駒やその周囲の部材に付着させることなく、かつ連続して長時間にわたって受け止めることができる液受け装置を提供する。
【解決手段】成形金型と、該成形金型にゴム材料を吐出する吐出装置と、該吐出装置から吐出されて落下するゴム材料を受け止める液受け装置とから少なくともなる電子写真部材の製造装置であって、該液受け装置は、該吐出されたゴム材料を受けるための回転駆動するローラからなる回転受け手段と、該ゴム材料を受け止める液受け位置と、該液受け位置から退避した退避位置とに該回転受け手段を移動させる移動手段と、を備え、該ローラは、受け止めた該ゴム材料が該成形金型から遠ざかる方向に回転していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出装置から連続して吐出されるゴム材料を受ける液受け装置を有する電子写真部材の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴムローラやブレード等の電子写真部材を製造する電子写真部材の製造装置として、注入駒と成形部本体とを有する成形金型と、ゴム材料を吐出する吐出装置とを備えているものが知られている。このような電子写真部材の製造装置においては、まず吐出装置から連続して吐出された液状のゴム材料をその下方に配置された注入駒で受け、その後、注入駒と成形部本体とを合体させてからゴム材料を成形硬化させ、電子写真部材を製造する。この種の電子写真部材の製造装置は、注入駒を交換している間、吐出装置から連続吐出されているゴム材料を受け止める液受け装置を備えている。
【0003】
図6は、従来の液受け装置の概略構成を示している。従来の液受け装置は、移動シリンダ3が連結されている液受け部9を有している。液受け部9は、移動シリンダ3によって図示矢印3a、3b方向に往復移動するようになっている。これにより、液受け部9は、ゴム材料1を連続吐出する吐出装置(不図示)と、その吐出装置の鉛直方向下方に配置された注入駒2との間を進退可能になっている。注入駒2を交換する間、液受け部9は、移動シリンダ3によって吐出装置と注入駒2との間に進出し、吐出装置から連続吐出されているゴム材料1を受け止める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴム材料1が高粘度である場合には、液受け部9を後退させたときに液受け部9の側面等にゴム材料1が付着して、ゴム材料1が液受け部9に引き寄せられた状態になることがある。このとき、本来は吐出装置から吐出されてその真下に配置された注入駒2に注入されるゴム材料1が、液受け部9側に偏った状態で注入されることになり、注入駒2内に定量のゴム材料1を注入することが困難となる場合がある。さらには、注入駒2の外径部にゴム材料1が付着し、これにより後の工程において不都合が生じる可能性もある。
【0005】
また、液受け部9で受けることができるゴム材料1の量には一定の限界があるため、液受け部9を連続して用いることが可能な時間は限られている。特に、ゴム材料1が徐々に体積が増加する発泡ウレタンなどからなる場合には、液受け部9を連続して用いることができる時間はより短くなる。したがって、この構成では、液受け部9にゴム材料1が規定の量蓄積するたびに、製造装置の運転を一時停止して液受け部9からゴム材料1を取り除く必要がある。そのため、従来の液受け装置はメンテナンスに多くの手間がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものである。そして、ゴム材料を注入駒やその周囲の部材に付着させることなく連続して長時間にわたって受け止めることができ、かつ長期的に耐久性のある液受け装置を有する電子写真部材の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、成形金型と、該成形金型にゴム材料を吐出する吐出装置と、該吐出装置から吐出されて落下するゴム材料を受け止める液受け装置とから少なくともなる電子写真部材の製造装置であって、該液受け装置は、該吐出されたゴム材料を受けるための回転駆動するローラからなる回転受け手段と、該ゴム材料を受け止める液受け位置と、該液受け位置から退避した退避位置とに該回転受け手段を往復移動させる移動手段と、を備え、該ローラは、受け止めた該ゴム材料が該成形金型から遠ざかる方向に回転していることを特徴とする。また、前記液受け位置は、前記ローラの吐出された前記ゴム材料に近い側における鉛直方向の端部接線が、該ゴム材料の鉛直方向の落下軌跡を越えて前進することで、該ゴム材料が該ローラの上に落下する位置であり、および、前記退避位置は、該ローラの吐出された該ゴム材料に近い側における鉛直方向の端部接線が、該ゴム材料の鉛直方向の落下軌跡より後退することで、該ゴム材料が該ローラの上に落下しない位置であることを特徴とする。また、前記ローラの回転速度は、該ローラに受け止められた前記ゴム材料が該ローラを流れ落ちる速度より大きいことを特徴とする。また、前記ローラの回転速度は、150rpm以上であることを特徴とする。また、前記退避位置と前記液受け位置との間における前記回転受け手段の前進および退避角度は、退避位置が液受け位置より上方となるように水平方向に対して0°以上60°以下の範囲にあることを特徴とする。また、前記ローラに受け止められた前記ゴム材料を該ローラから除去するための、除去手段を備えていることを特徴とする。また、前記除去手段は、前記ローラに当接して前記ゴム材料を該ローラから除去する除去部材と、該除去部材を把持して該ローラに圧接させる圧接部材と、を有していることを特徴とする。また、前記除去部材は、前記ローラの回転中心よりも前記ローラの前記後退方向側の領域で前記ローラに当接していることを特徴とする。また、前記除去部材は、前記ローラの長手接線方向に沿って配設され、および、該除去部材の長手方向に直交する断面は、水平方向に対して下方に5°以上の角度をなしていることを特徴とする。また、前記除去部材における前記ローラと当接する当接部の幅は、1mm以上30mm以下であることを特徴とする。また、前記除去部材は、当接部に隣接して貫通孔を有することを特徴とする。また、前記ローラおよび前記除去部材の表面は、耐有機溶剤性を有していることを特徴とする。また、前記ローラおよび前記除去部材の少なくとも一方の表面は、撥液性を有していることを特徴とする。前記ゴム材料はウレタンゴムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゴム材料を注入駒やその周囲の部材に付着させることなく連続して長時間にわたって受け止めることができ、かつ長期的に耐久性のある液受け装置を有する電子写真部材の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
これより、本発明の電子写真部材の製造装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
本発明の電子写真部材の製造装置は、成形金型と、該成形金型にゴム材料を吐出する吐出装置と、該吐出装置から吐出されて落下する液状のゴム材料を受け止める液受け装置と、から少なくとも構成されている。そして、本発明においては、ゴム材料を受け止める液受け装置に特徴がある。
【0011】
まず、本発明の液受け装置の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る液受け装置を示す概略構成図である。
【0012】
本実施形態の液受け装置は、吐出装置(不図示)から吐出されて落下してきたゴム材料1を受ける回転受け手段を有している。ここで、ゴム材料1は、例えばウレタンゴムである。前記回転受け手段は、モータ4とローラ5とから構成されている。モータ4が回転駆動することでその駆動力がローラ5に伝わり、該ローラ5は図示矢印方向、すなわち受け止めた該ゴム材料1が成形金型から遠ざかる方向に回転する。液受け装置が作動状態のときは、ローラ5は常に回転駆動されている。
【0013】
さらに、液受け装置は、前記回転受け手段を前進移動方向3aと後退移動方向3bとに往復移動させる移動手段である移動シリンダ(不図示)を備えている。移動シリンダは、回転受け手段を、ローラ5の先端部が吐出装置(不図示)と注入駒2との間を越えて進出した液受け位置まで押し出すことができる(図2(a))。また、回転受け手段を、前記の位置から後退した退避位置へと移動させることもできる(図2(b))。より詳しくは、受け位置とは、ローラ5の吐出されたゴム材料1に近い側における鉛直方向の端部接線8が、吐出装置から落下する該ゴム材料1の落下軌跡を越えて、前進移動方向3aに移動した位置である。また、退避位置は、ローラ5の吐出されたゴム材料1に近い側における鉛直方向の端部接線8が、吐出装置から落下する該ゴム材料1の落下軌跡から後退移動方向3bに移動した位置である。
【0014】
吐出装置から吐出されて落下してきたゴム材料1を注入駒2内に注入するときは、ローラ5の先端部は図2(b)に示す退避位置に退避する。これに対し、吐出装置から連続吐出されているゴム材料1をローラ5で受け止める必要があるときは(注入駒2を交換するときなど)、ローラ5の先端部は図2(a)に示す受け位置に進出する。
【0015】
図1に示すように、ローラ5の先端部が受け位置に進出しているとき、ローラ5は吐出装置から連続吐出されているゴム材料1を受け止める。ローラ5が受けたゴム材料1は、回転するローラ5上をローラの回転に沿って矢印方向に運ばれる。そして、ゴム材料1は、ローラ5から落下することで除去される。落下後には、ローラ5の上にはゴム材料1はほとんど残っていない。そのため、ローラ5からゴム材料1が落下して移動シリンダや注入駒2に付着することはない。したがって、本実施形態の液受け装置によれば、ゴム材料1を注入駒2やその周囲の部材に付着させることなく、かつ連続して長時間にわたって受け止めることができる。
【0016】
次に、本発明の液受け装置の第2の実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態では、第1の実施形態に記載の液受け装置において、ローラの回転速度をゴム材料がローラを流れ落ちる速度よりも大きく設定する。こうすることで、ローラで受け止めたゴム材料は1か所に留まることなく、連続してローラの新しい面に落下する。こうすることで、ローラの回転速度を前記ゴム材料が前記ローラを流れ落ちる速度よりも遅く設定してあった場合に起こり得る、先に落下して液溜まり状態になったゴム材料に次のゴム材料が落下して撥ね飛ぶという事態を避けることができる。また、ゴム材料の粘度に合わせて回転速度を試験的に決めることが求められる。
【0018】
具体的には、ローラ5の回転速度は150rpm以上であることが好ましい。そうすることで、ローラ5上で受け止めたゴム材料1を良好に移送することができる。というのも、ローラ5回転速度が150rpmよりも遅いと、吐出装置から連続吐出されているゴム材料1の全てをローラ5で流れ落ちないように受け止めることができず、ゴム材料1の一部が注入駒2の外径部やそれ以外の部材に付着するおそれがあるからである。また、ローラ5上に受け止められたゴム材料1がローラ5上を流れ落ち、注入駒2の外径部やそれ以外の部材に付着するおそれもある。
【0019】
次に、本発明の液受け装置の第3の実施形態について説明する。
【0020】
本実施形態では、図3に示すように、退避位置と液受け位置との間における回転受け手段の前進および退避角度が、退避位置が液受け位置より上方となるように水平方向に対して0°以上60°以下の範囲の角度αとなっている。この角度αが0°よりも小さい場合には、移動シリンダによって回転受け手段を退避位置に移動させる際に、吐出装置から連続吐出されているゴム材料1がローラ5から糸引く状態になり、十分に液切りされないことがある。また、糸引くような状態になるので、ゴム材料1がローラ5の表面を後端側に流れてしまうことがある。ここで、角度αが0°よりも小さい場合とは、図3(退避位置も含めて図示している)に示すようにローラ5の退避位置が液受け位置より上になるように傾いている状態とは異なり、ローラ5の退避位置が下になるように傾いている状態を意味している。また、この角度αが60°よりも大きい場合には、ローラ5が吐出装置から連続吐出されて糸引き状態のゴム材料1を良好に受け止めるようにするために、ローラ5の先端部を吐出装置の下方の領域内により大きなストロークで進出させる必要がある。そのため、移動シリンダの移動ストロークが大きくなる。ローラ5の移動ストロークが大きいと、ローラ5を素早く移動させる際に、ゴム材料1の糸引き状態が切れて飛散する可能性が高まるので好ましくない。ゴム材料1の粘性等にもよるが、例えばゴム材料1がウレタンゴムである場合には、通常はローラ5の回転速度が150rpm以上であれば、角度αが60°かそれに近い角度であってもゴム材料1がローラ5から流れ落ちることはない。
【0021】
次に、本発明の液受け装置の第4の実施形態について説明する。
【0022】
本実施形態では、液受け装置が除去部材6および圧接部材7を含む除去手段を備えている。その構成は、図1に示したA部の拡大図である図4に示してある。また、図5は、前記除去部材6の正面図である。本実施形態の液受け装置のその他の構成は、概ね前述した実施形態と同じである。以下では、本実施形態の液受け装置について、特に前述した実施形態と異なる点を説明する。
【0023】
図4に示されるように、除去部材6は、その先端部6a(図5)がローラ5に当接した状態で、ローラの長手接線方向に沿って配設されている。また、除去部材6は、プランジャーやばね等で構成された圧接部材7によって把持され、ローラ5に圧接されている。なお、図4に示した圧接部材7は、プランジャーで構成されている。また、除去部材6は、ローラ5の回転中心よりもローラ5の後退方向側の領域で、該ローラ5に当接している。
【0024】
除去部材6は、吐出装置から連続吐出されているゴム材料1を受け止めた、矢印方向に運ぶローラ5から、ゴム材料1を掻き取る。そのため、ローラ5が回転しても、その表面からゴム材料1が落下して移動シリンダ3や注入駒2に付着することがない。したがって、本実施形態の液受け装置は、ゴム材料1を、注入駒2やその周囲の部材に付着させることなく、かつ連続して長時間にわたって受け止めることができる。
【0025】
また、除去部材6の長手方向に直交する断面は、水平方向に対して下方に5°以上の範囲の当接角度βをなしていることが好ましい(図4)。上記角度βが5°よりも小さいと、除去部材6の先端部6aがローラ5に食い入り、該先端部6aに欠けなどが生じてしまう場合があるため好ましくない。
【0026】
除去部材6には、その当接部(先端部)6aに隣接して貫通孔6bが形成されている(図5)。貫通孔6bが形成されていることにより、先端部6aによってローラ5から掻き取られたゴム材料1が先端部6aで硬化してしまい、除去機能が低下することが防止されている。貫通孔6bがないと、ローラ5を液受け前進方向3aまたは後退方向3bに移動する際に、除去されているゴム材料が慣性により除去部材6に付着してしまう。そのようにしてゴム材料が堆積することにより、除去先端部6aにまでゴム材料が付着してしまい、除去機能が低下してしまうのである。
【0027】
除去部材6の長手方向における、ローラ5と当接する当接部(先端部)6aの幅寸法Lは、1mm以上30mm以下であることが好ましい(図5)。先端部6aの幅寸法Lが1mmよりも小さいと、先端部6aにおいて強度上の問題が生じ、先端部6aでゴム材料1を掻き取る際に先端部6aが破損するおそれがある。また、先端部6aの幅寸法Lが30mmよりも大きいと、ローラ5から除去したゴム材料1が先端部6a上に溜まり、固化してしまうおそれがある。
【0028】
また、除去部材6とローラ5の表面は、耐有機溶剤性を有する材料で構成されていることが好ましい。これは、液状のゴム材料1が含有する有機溶剤によって、除去部材6やローラ5が損傷を受けるのを抑えるためである。また、除去部材6とローラ5の表面は、撥液性の材料で構成されているも好ましい。これにより、除去部材6やローラ5に付着したゴム材料1を速やかかつ良好に除去することができる。除去部材6とローラ5の両方の表面が撥液性の材料で構成されていることが好ましいが、少なくともどちらか一方が撥液性の材料で構成されていてもよい。
【実施例】
【0029】
これより、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の例に限定されはしない。
【0030】
(実施例1)
本実施例の電子写真部材の製造装置を作動させて、ゴム材料を受け止めた。
【0031】
本実施例では、ローラ5の回転数を200rpmとした。そして、液受け装置が作動状態である間はローラ5を常時回転させた。また、水平方向に対して、ローラ5の短手方向および移動シリンダ3による回転受け手段の移動方向がなす角度αを15°とした。また、移動シリンダ3の移動ストロークを25mmとした。より詳しくは、吐出装置と注入駒2とを結ぶ鉛直方向の直線を基準として、ローラ5の先端部が液受け位置(図2(a))に進出したときのストローク量を8mmとし、注入位置(図2(b))に後退したときのストローク量を15mmとした。
【0032】
本実施例によれば、ゴム材料1を注入駒2やその周囲の部材に付着させることなく、かつ連続して長時間にわたって受け止めることができた。
【0033】
(実施例2)
本実施例の電子写真部材の製造装置を作動させて、ゴム材料を受け止めた。
【0034】
本実施例では、ローラ5の回転数を200rpmとした。そして、液受け装置が作動状態である間はローラ5を常時回転させた。また、水平方向に対して、ローラ5の短手方向および移動シリンダ3による回転受け手段の移動方向がなす角度αを10°とした。また、ローラ5の短手方向に対して、ローラ5の接線方向に配設された除去部材6がなす角度βを30°とした。ローラ5および除去部材6の表面に、耐有機溶剤性および撥液性を持たせるため、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を塗布した。また、先端部6aの幅寸法Lは5mmとした。
【0035】
本実施例によれば、ゴム材料1を注入駒2やその周囲の部材に付着させることなく、かつ連続して長時間にわたって受け止めることができた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る液受け装置を示す概略構成図である。
【図2】(a)は回転受け手段を受け位置に配置した状態を示す図であり、(b)は回転受け手段を退避位置に配置した状態を示す図である。
【図3】回転受け手段の移動方向に角度αがつけられている場合の液受け装置を示す概略構成図である。
【図4】図1および図3のA部を拡大して示す図である。
【図5】図4の除去部材の正面図である。
【図6】従来の液受け装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ゴム材料
2 注入駒
3 移動シリンダ
3a 液受け前進方向
3b 液受け後退方向
4 モータ
5 ローラ
6 除去部材
6a 除去部材とローラの当接部(先端部)
6b 除去部材の貫通孔部
7 圧接部材
8 接線
9 従来の液受け
α 回転受け手段が移動する水平方向に対する角度
β 回転受け手段の移動方向に対して除去部材がローラに当接する角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形金型と、該成形金型にゴム材料を吐出する吐出装置と、該吐出装置から吐出されて落下するゴム材料を受け止める液受け装置とから少なくともなる電子写真部材の製造装置であって、
該液受け装置は、
該吐出されたゴム材料を受けるための回転駆動するローラからなる回転受け手段と、
該ゴム材料を受け止める液受け位置と、該液受け位置から退避した退避位置とに該回転受け手段を往復移動させる移動手段と、
を備え、該ローラは、受け止めた該ゴム材料が該成形金型から遠ざかる方向に回転していることを特徴とする電子写真部材の製造装置。
【請求項2】
前記液受け位置は、前記ローラの吐出された前記ゴム材料に近い側における鉛直方向の端部接線が、該ゴム材料の鉛直方向の落下軌跡を越えて前進することで、該ゴム材料が該ローラの上に落下する位置であり、および、
前記退避位置は、該ローラの吐出された該ゴム材料に近い側における鉛直方向の端部接線が、該ゴム材料の鉛直方向の落下軌跡より後退することで、該ゴム材料が該ローラの上に落下しない位置であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項3】
前記ローラの回転速度は、該ローラに受け止められた前記ゴム材料が該ローラを流れ落ちる速度より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項4】
前記ローラの回転速度は、150rpm以上であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項5】
前記退避位置と前記液受け位置との間における前記回転受け手段の前進および退避角度は、退避位置が液受け位置より上方となるように水平方向に対して0°以上60°以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項6】
前記ローラに受け止められた前記ゴム材料を該ローラから除去するための、除去手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項7】
前記除去手段は、前記ローラに当接して前記ゴム材料を該ローラから除去する除去部材と、該除去部材を把持して該ローラに圧接させる圧接部材と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項8】
前記除去部材は、前記ローラの回転中心よりも前記ローラの後退方向側の領域で前記ローラに当接していることを特徴とする請求項7に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項9】
前記除去部材は、前記ローラの長手接線方向に沿って配設され、および、
該除去部材の長手方向に直交する断面は、水平方向に対して下方に5°以上の角度をなしていることを特徴とする請求項8に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項10】
前記除去部材における前記ローラと当接する当接部の幅は、1mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項11】
前記除去部材は、当接部に隣接して貫通孔を有することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項12】
前記ローラおよび前記除去部材の表面は、耐有機溶剤性を有していることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項13】
前記ローラおよび前記除去部材の少なくとも一方の表面は、撥液性を有していることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。
【請求項14】
前記ゴム材料はウレタンゴムであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の電子写真部材の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−29034(P2009−29034A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196139(P2007−196139)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】