電子回路ユニットおよびその製造方法
【課題】多様な使用形態に安価に対応できて信頼性も確保しやすい同軸コネクタ付きの電子回路ユニットと、その製造方法を提供すること。
【解決手段】チューナユニット11は、金属板からなる略直方体形状の筐体1の内部に、芯線用取付孔2cを有する略矩形状の回路基板2が収納保持されており、筐体1の天板部1aに設けた貫通孔1bの周縁部に同軸コネクタ4が取着されている。回路基板2に設けられて筐体1に係止される複数の被係止孔2dは、直線Lに関して線対称に配置されている。また、回路基板2の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔2eも、直線Lに関して線対称に配置されている。貫通孔1bの開設位置は適宜選択可能であり、回路基板2は表裏反転させた姿勢でも筐体1内へ組み付けることができる。これにより、チューナユニット11と部品を共通化したまま同様の手順で、天板部1aの別の場所や側板部1cに同軸コネクタ4を取着したチューナユニットが製造できる。
【解決手段】チューナユニット11は、金属板からなる略直方体形状の筐体1の内部に、芯線用取付孔2cを有する略矩形状の回路基板2が収納保持されており、筐体1の天板部1aに設けた貫通孔1bの周縁部に同軸コネクタ4が取着されている。回路基板2に設けられて筐体1に係止される複数の被係止孔2dは、直線Lに関して線対称に配置されている。また、回路基板2の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔2eも、直線Lに関して線対称に配置されている。貫通孔1bの開設位置は適宜選択可能であり、回路基板2は表裏反転させた姿勢でも筐体1内へ組み付けることができる。これにより、チューナユニット11と部品を共通化したまま同様の手順で、天板部1aの別の場所や側板部1cに同軸コネクタ4を取着したチューナユニットが製造できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板からなる筐体に同軸コネクタが取り付けられたチューナユニット等の電子回路ユニットと、その製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送信号を受信可能なチューナユニット等の電子回路ユニットの筐体には、F型コネクタに代表される同軸コネクタが取り付けられている。この筐体は金属板からなり、底面側を開口したバスタブ形状の筐体や、該開口をシールドカバーで覆った略密閉形状の筐体等が知られている。筐体の内部には回路基板が収納されており、この回路基板にチューナ回路を含む高周波回路が配設されている。同軸コネクタから導出された芯線部は、この高周波回路の芯線用取付孔に挿着されて電気的かつ機械的に接続されている。また、この高周波回路は筐体によって電磁的にシールドされており、筐体の底面側が開口している場合は、マザーボードの裏面側に設けられたグラウンド層が該開口とオーバーラップさせてある。なお、このマザーボードは例えばテレビ受像機に内蔵されているテレビ基板である。
【0003】
この種の同軸コネクタ付き電子回路ユニットをテレビ基板等のマザーボード上に実装する際には、図13に示すように、マザーボード10の左端部に実装される電子回路ユニット20の同軸コネクタ21は左向きに突出させることが多く、マザーボード10の右端部に実装される電子回路ユニット30の同軸コネクタ31は右向きに突出させることが多い。電子回路ユニット20,30の同軸コネクタ21,31から筐体内へ導出された芯線部は、該筐体内に収納された回路基板の一側部付近に設けられた芯線用取付孔22,32にそれぞれ挿着されている。また、電子回路ユニット20,30の入出力端子群23,33をそれぞれ構成する端子群は、マザーボード10側の対応する接続ランド(図示せず)に半田等で接続されている。また、この種の電子回路ユニットをマザーボード10の周縁部よりも内側に実装し、その同軸コネクタをマザーボード10に対して垂直に突出させる場合もある。
【0004】
ところで、マザーボード10を内蔵するテレビ受像機等の電子機器の種類やメーカーによって、マザーボード10のどの場所に電子回路ユニット(チューナユニット)を実装するかという選択がなされるが、コスト面を考慮すると、使用する電子回路ユニットの構造は実装位置や同軸コネクタの向きに拘らず極力共通化されていることが好ましい。特に、電子回路ユニットの筐体内に収納される回路基板には複雑な配線パターンや各種の電子部品が搭載されるため、実装位置や同軸コネクタの向きが異なるという理由で複数種類の回路基板を用意することは極めて不経済である。
【0005】
そこで従来より、回路基板を表裏反転させる等して、電子回路ユニットのバラエティ増大に対応させられるようにした技術が知られてる(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術を用いた具体例を挙げると、図13において左側の電子回路ユニット20を仰向けの姿勢でマザーボード10上に搭載して回路基板を表裏反転させれば、この回路基板はそのまま図示右側の電子回路ユニット30の回路基板として使用できる。その際、電子回路ユニット20の筐体をそのまま電子回路ユニット30の筐体として使用することはできないが、前者の筐体の天板部に取付脚を切り起こす等の変更を加えれば流用可能となる。また、底面側が開口している筐体を仰向けの姿勢でマザーボード10上に搭載する場合には、該開口をシールドカバーで覆っておけば良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−5469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の同軸コネクタ付き電子回路ユニットは、多様な使用形態に対応させやすい設計にはなっていなかった。例えば、図13において一方の電子回路ユニット30の筐体が他方の電子回路ユニット20の筐体を仰向けにした流用部品である場合、前者の筐体の天板部は板厚の薄いシールドカバーによって構成されるため、後者の筐体の天板部に比べてシールド性能が低下してしまう。また、この場合、電子回路ユニット20の筐体はマザーボード10のグラウンド層とオーバーラップしていればシールドカバーが不要であるにも拘らず、電子回路ユニット30の筐体にはシールドカバーが必要となるため部品点数が増えてしまう。さらに、同軸コネクタ31をマザーボード10に対して垂直に突出させる使用形態が採用された場合に、筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーによって構成されていると、所要の取付強度が確保しにくいため同軸コネクタ31が筐体から外れやすくなってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、多様な使用形態に安価に対応できて信頼性も確保しやすい同軸コネクタ付きの電子回路ユニットを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのような電子回路ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の第1の目的を達成するために、本発明は、金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、この回路基板の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔に挿着されて前記筐体の外部へ延出する入出力端子群と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットにおいて、前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されていると共に、前記複数の端子取付孔が線対称な位置関係に配設されているという構成にした。
【0010】
このように筐体の所定位置にて係止される複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されている回路基板は、対称軸まわりに表裏反転させても被係止部を全て筐体の前記所定位置に配置させることができるため、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持することができる。また、回路基板の一辺端部に列設された端子取付孔群も線対称な位置関係に配設されているため、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させても端子取付孔群の位置は全体としては変化せず、よってモールド端子等として一体化できる入出力端子群は回路基板の表裏どちら側からでも挿着できる。そして、回路基板の一方の主面を筐体の天板部と対向させているときには、芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し平行な横向きに突出させる第1の使用形態と、芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し垂直な上向きに突出させる第2の使用形態とが選択可能となる。また、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させると芯線用取付孔が筐体に対して異なる位置に配置されるため、回路基板の他方の主面を筐体の天板部と対向させているときには、この芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを横向きに突出させる第3の使用形態と、この芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを上向きに突出させる第4の使用形態とが選択可能となる。したがって、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なるこれら第1〜第4の使用形態を、回路基板や入出力端子群を共通化したまま適宜選択できるようになり、いずれの使用形態においても、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならない。
【0011】
上記の第2の目的を達成するために、本発明は、金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットの製造方法において、前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部を線対称な位置関係に配設することによって、前記回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に前記天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が前記筐体内へ組み付けられるようにし、かつ、前記同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を前記筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に前記芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、前記回路基板を前記筐体内へ組み付けるようにした。
【0012】
このように筐体の所定位置にて係止される複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されている回路基板は、対称軸まわりに表裏反転させても被係止部を全て筐体の前記所定位置に配置させることができるため、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持することができる。そして、回路基板の一方の主面を天板部と対向させたときには、芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し平行な横向きに突出させる第1の使用形態と、芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し垂直な上向きに突出させる第2の使用形態とが選択可能となる。また、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させると芯線用取付孔が筐体に対して異なる位置に配置されるため、回路基板の他方の主面を天板部と対向させたときには、この芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを横向きに突出させる第3の使用形態と、この芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを上向きに突出させる第4の使用形態とが選択可能となる。したがって、同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を筐体の所望位置に設けた後、この貫通孔の近傍に芯線用取付孔を配置させうる姿勢で回路基板を筐体内へ組み付けることによって、使用形態に応じた構造の電子回路ユニットが選択的に製造できるようになる。それゆえ、この製造方法を採用すると、回路基板を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に容易かつ安価に対応させることができ、いずれの使用形態においても、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならない。
【発明の効果】
【0013】
本発明による同軸コネクタ付きの電子回路ユニットは、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持できると共に、モールド端子等として一体化できる入出力端子群を回路基板の表裏どちら側からでも挿着できる。それゆえ、回路基板や入出力端子群を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に安価に対応させられるという顕著な効果を奏する。また、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならないため、この電子回路ユニットは、同軸コネクタの取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【0014】
本発明による同軸コネクタ付き電子回路ユニットの製造方法は、回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に筐体の天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が筐体内へ組み付けられるようにしてあると共に、同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、回路基板を筐体内へ組み付けるというものなので、回路基板を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に容易かつ安価に対応させられるという顕著な効果を奏する。また、こうして製造された電子回路ユニットは、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならないため、同軸コネクタの取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図2】図1に示すチューナユニットの分解斜視図である。
【図3】図1のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図4】図2に示す回路基板の上面図である。
【図5】図4に示す回路基板の下面図である。
【図6】本発明の第2実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図7】図6のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図9】図8のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図10】本発明の第4実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図11】図10のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図12】第1〜第4実施形態例に係る各チューナユニットのマザーボード上における実装領域を示す説明図である。
【図13】マザーボード上に実装された2種類のチューナユニットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態例を図面を参照しながら説明すると、以下に示す同軸コネクタ付き電子回路ユニットの各実施形態例は、いずれもテレビ放送信号を受信可能なチューナユニットである。
【0017】
図1〜図3は第1実施形態例に係るチューナユニット11を示している。このチューナユニット11は、金属板からなる略直方体のバスタブ形状の筐体1と、高周波回路が設けられて筐体1の内部に収納された略矩形状の回路基板2と、この回路基板2の一辺端部に取り付けられた入出力端子群3と、筐体1の天板部1aに取り付けられた同軸コネクタ4とによって主に構成されている。このチューナユニット11は、同軸コネクタ4をテレビ基板等のマザーボード10(図12参照)に対して垂直に突出させた姿勢で、このマザーボード10の周縁部よりも内側の所定位置(例えば実装領域A1や実装領域A2)に実装して使用される。
【0018】
チューナユニット11の構成について詳しく説明すると、筐体1は機械的強度に富む板金製のシールドケースであり、筐体1の底面側は開口している。この筐体1は、所定位置に貫通孔1b(図3参照)を有する天板部1aと、天板部1aの四辺から垂下する側板部1cと、天板部1aの四隅の下方で側板部1cから垂下する4つの取付脚1dと、側板部1cから内方へ切り起こされた4つの保持片1e(図3参照)とを備えた構成になっている。貫通孔1bには同軸コネクタ4の基端側が挿通され、この同軸コネクタ4の外殻導体がかしめ等によって天板部1aに固定されている。側板部1cは筐体1内に組み付けられた回路基板2を包囲している。保持片1eは回路基板2の被係止孔2d(図2参照)に挿通して係止させるためのものであり、これにより回路基板2を位置決め状態で筐体1内に固定することができる。取付脚1dはマザーボード10の図示せぬ取付孔に挿通して係止させるためのものであり、これによりチューナユニット11の実装時に筐体1をマザーボード10上の所定位置に載置固定することができる。
【0019】
図4に示すように、回路基板2の一方の主面2aには各種の電子部品5(図2では図示省略)が多数搭載されており、これらの電子部品5や図示せぬ配線パターンによって高周波回路が構成されている。回路基板2の一側部付近には、高周波回路の入力端である芯線取付孔2cが設けられている。図3に示すように、この芯線取付孔2cには同軸コネクタ4の芯線部4aが挿着(挿入して半田接合)されている。また、回路基板2の一辺に沿って多数の端子取付孔2eが列設されており、入出力端子群3の各端子6の基端側が各端子取付孔2eに挿着(挿入して半田接合)されて図示せぬ配線パターンと電気的に接続されている。この入出力端子群3は図2に示すようなモールド端子であり、多数本の端子6が平行に並んで一体化されている。そして、図1に示すように、回路基板2の一辺端部に取り付けられた入出力端子群3の各端子6の先端側が筐体1の外部で下方へ延出している。被係止孔2dは回路基板2の周縁部の4箇所に設けられており、前述したように、保持片1eを被係止孔2dに挿入して係止させることによって回路基板2が筐体1内に位置決め状態で固定されるようになっている。こうして回路基板2を筐体1内に収納することにより、前記高周波回路を天板部1aや側板部1bによって電磁的にシールドすることができる。なお、図5は回路基板2の他方の主面2bを示している。
【0020】
図4と図5に示す直線Lは、端子取付孔1cが列設されている回路基板2の一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線である。同図に明らかなように、回路基板2に設けられた端子取付孔2e群は、この直線Lを対称軸として線対称な位置関係に配設されている。また、回路基板2に設けられた4つの被係止孔2dも、この直線Lを対称軸として線対称な位置関係に配設されている。そのため、回路基板2を直線Lまわりに表裏反転させても、端子取付孔2e群の位置は全体としては変化せず、被係止孔2d群の位置も全体としては変化しない(図4,5参照)。つまり、入出力端子群3は、回路基板2の主面2a側からでも主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができる。また、いずれの主面2a,2bを天板部1aに対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内に組み込んでも、全ての被係止孔2dに必ず保持片1eを挿入させることができる。
【0021】
同軸コネクタ4はF型コネクタと称されるものである。この同軸コネクタ4は外殻導体の基端部が貫通孔1bを貫通した姿勢で天板部1a(貫通孔1bの周縁部)に取り付けられており、外殻導体のねじ部4bが筐体1の外方へ突出している。また、同軸コネクタ4の芯線部4aは筐体1内へ突出して回路基板2の芯線取付孔2cに挿着されている。この同軸コネクタ4には、同軸ケーブルに接続されたケーブルコネクタ(雄コネクタ)が着脱できるようになっている。本実施形態例においては、筐体1の天板部1aの一方の短辺寄りの隅部付近に貫通孔1bが設けられているため、この貫通孔1bから筐体1の外方へ突出する同軸コネクタ4が天板部1aに対して垂直に起立している。ただし、筐体1の貫通孔1bの開設位置は適宜選択可能であり、後述するように、側板部1cに同軸コネクタ4を取り付けることもできる。
【0022】
上記のチューナユニット11をテレビ基板等のマザーボード10上に実装する際には、取付脚1dを用いて筐体1をマザーボード10上の所定位置に載置固定すると共に、入出力端子群3の各端子6の先端側をマザーボード10側の図示せぬ接続ランドに半田等で接続する。このチューナユニット11は、マザーボード10の周縁部よりも内側の領域(図12の実装領域A1や実装領域A2等)に実装して、テレビ受像機の後方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0023】
しかるに、チューナユニットをマザーボード10の周縁部に実装して同軸コネクタ4をマザーボード10に対し平行な向きに突出させるという使用形態も一般的である。例えば、図6,7に示すチューナユニット12のように、天板部1aの短辺から垂下する一方の側板部1cに同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット12は図12の実装領域B1や実装領域B2等に実装する使用形態に好適となる。また、図8,9に示すチューナユニット13のように、天板部1aの短辺から垂下する他方の側板部1cに同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット13は図12の実装領域C1や実装領域C2等に実装する使用形態に好適となる。また、同軸コネクタ4をマザーボード10に対し垂直な向きに突出させる場合にも、マザーボード10側の設計上の制約等によって、入出力端子群3と同軸コネクタ4との位置関係が図12の実装領域D1,D2等に示すように規定されてしまうことがある。その場合、図1〜図3に示すチューナユニット11では対応できないが、図10,11に示すチューナユニット14のように、筐体1の天板部1aの他方の短辺寄りの隅部付近に同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット14は実装領域D1や実装領域D2等に実装する使用形態に好適となる。
【0024】
具体的に述べると、図6,7に示すように、第2実施形態例に係るチューナユニット12は、天板部1aの前記一方の短辺から垂下する側板部1cに同軸コネクタ4を取着して横向きに突出させた点を除いて、第1実施形態例に係るチューナユニット11(図1,3参照)と同等の構成になっている。つまり、これら2種類のチューナユニット11,12は、同じ回路基板2が同じ姿勢で筐体1内の同じ場所に収納保持されていると共に、同じ入出力端子群3が回路基板2の同じ場所に取り付けられており、筐体1も貫通孔1bの開設位置が異なるだけで実質的には共通部品である。このチューナユニット12は、図12の実装領域B1や実装領域B2等に実装してテレビ受像機の側方や下方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0025】
また、図8,9に示すように、第3実施形態例に係るチューナユニット13は、天板部1aの前記他方の短辺から垂下する側板部1cに同軸コネクタ4を取着して横向きに突出させた点と、回路基板2を表裏反転させて筐体1内に組み付けた点とを除いて、上記の各チューナユニット11,12と同等の構成になっている。つまり、この第3実施形態例では、主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2が筐体1内に収納保持されており、入出力端子群3は予め主面2b側から回路基板2に取り付けてある。こうすることによって、芯線取付孔2cを天板部1aの前記他方の短辺に近付けることができるため、このチューナユニット13は、図12の実装領域C1や実装領域C2等に実装してテレビ受像機の側方や下方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。なお、前述したように、回路基板2を直線Lまわりに表裏反転させても端子取付孔2e群の位置は全体としては変化せず、被係止孔2d群の位置も全体としては変化しないため、入出力端子群3は主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができ、かつ、主面2bを天板部1aに対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内に組み込んでも保持片1eは必ず被係止孔2dに挿入させることができる。
【0026】
また、第3実施形態例と同様に回路基板2を表裏反転させて筐体1内に組み付けた場合、同軸コネクタ4を筐体1の天板部1aに取り付けることによって、図10,11に示すように第4実施形態例に係るチューナユニット14が得られる。つまり、このチューナユニット14は、天板部1aの前記他方の短辺寄りの隅部付近に同軸コネクタ4を取着して上向きに突出させた点を除いて、第3実施形態例に係るチューナユニット13(図8,9参照)と同等の構成になっている。また、このチューナユニット14は外観上は、第1実施形態例に係るチューナユニット11(図1,3参照)と類似している。そのため、このチューナユニット14は、図12の実装領域D1や実装領域D2等に実装してテレビ受像機の後方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0027】
このように第1〜第4実施形態例に係るチューナユニット11〜14は、実質的に同じ部品によって構成されているため、要望される使用形態に応じてチューナユニット11〜14を選択的に製造することは容易である。すなわち、筐体1の天板部1aまたは側板部1cの所望の位置に貫通孔1bを開設した後、主面2a側または主面2b側から入出力端子群3を回路基板2に取り付けたうえで、この回路基板2を、主面2aまたは主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で筐体1内に組み付ける。そして、同軸コネクタ4の基端部を貫通孔1bに挿通して、芯線部4aを回路基板2の芯線取付孔2cに挿着した後、この同軸コネクタ4を筐体1(貫通孔1bの周縁部)に固定する。かかる製造過程で、チューナユニット11,12を製造する場合は、主面2aを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内へ組み付ければ良く、チューナユニット13,14を製造する場合は、主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内へ組み付ければ良い。いずれの場合も、筐体1の保持片1eと回路基板2の被係止孔2dとが位置ずれを起こすことはないので、筐体1内に回路基板2を位置決め状態で収納させることができる。また、入出力端子群3は主面2a側からでも主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができるので、回路基板2のいずれの主面を天板部1aと対向させる場合にも、入出力端子群3は共通部品で良く、その取付作業にも実施的な差異は生じない。
【0028】
なお、上記の各実施形態例では筐体1の底面側を開口しているが、マザーボード10の裏面側に設けられた図示せぬグラウンド層がチューナユニットの実装領域とオーバーラップさせてあるため、この開口によってシールド性能が損なわれる虞はない。ただし、筐体1の底面側の開口に対してマザーボード10側のグラウンド層がオーバーラップしていない場合には、この開口を覆うシールドカバーを筐体1に嵌着させておくことが好ましい。
【0029】
また、チューナユニット13,14のように回路基板2の主面2bを天板部1aと対向させる構成において、主面2aに搭載予定の高背な電子部品5がマザーボードやシールドカバーと接触する可能性がある場合には、その高背な電子部品5だけを予め主面2bに搭載しておくことが好ましい。
【0030】
以上説明したように、同軸コネクタ4の取付位置や向きが互いに異なる4種類のチューナユニット11〜14は、回路基板2や入出力端子群3等が共通化されており、筐体1に形成する貫通孔1bの開設位置を選択したうえで、必要に応じて回路基板2を表裏反転しさえすれば、ほぼ同じ手順で製造することができる。すなわち、部品を共通化したまま、要望される使用形態のチューナユニットが選択的に製造できるため、多様な使用形態に容易かつ安価に対応できるようになる。また、こうして製造されたチューナユニットは、回路基板2を覆う筐体1の天板部1aが板厚の薄いシールドカバーにはならないため、同軸コネクタ4の取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【符号の説明】
【0031】
1 筐体
1a 天板部
1b 貫通孔
1c 側板部
1e 保持片
2 回路基板
2a,2b 主面
2c 芯線取付孔
2d 被係止孔(被係止部)
2e 端子取付孔
3 入出力端子群
4 同軸コネクタ
4a 芯線部
5 電子部品
6 端子
10 マザーボード
11〜14 チューナユニット(電子回路ユニット)
A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2 実装領域
L 直線(対称軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板からなる筐体に同軸コネクタが取り付けられたチューナユニット等の電子回路ユニットと、その製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送信号を受信可能なチューナユニット等の電子回路ユニットの筐体には、F型コネクタに代表される同軸コネクタが取り付けられている。この筐体は金属板からなり、底面側を開口したバスタブ形状の筐体や、該開口をシールドカバーで覆った略密閉形状の筐体等が知られている。筐体の内部には回路基板が収納されており、この回路基板にチューナ回路を含む高周波回路が配設されている。同軸コネクタから導出された芯線部は、この高周波回路の芯線用取付孔に挿着されて電気的かつ機械的に接続されている。また、この高周波回路は筐体によって電磁的にシールドされており、筐体の底面側が開口している場合は、マザーボードの裏面側に設けられたグラウンド層が該開口とオーバーラップさせてある。なお、このマザーボードは例えばテレビ受像機に内蔵されているテレビ基板である。
【0003】
この種の同軸コネクタ付き電子回路ユニットをテレビ基板等のマザーボード上に実装する際には、図13に示すように、マザーボード10の左端部に実装される電子回路ユニット20の同軸コネクタ21は左向きに突出させることが多く、マザーボード10の右端部に実装される電子回路ユニット30の同軸コネクタ31は右向きに突出させることが多い。電子回路ユニット20,30の同軸コネクタ21,31から筐体内へ導出された芯線部は、該筐体内に収納された回路基板の一側部付近に設けられた芯線用取付孔22,32にそれぞれ挿着されている。また、電子回路ユニット20,30の入出力端子群23,33をそれぞれ構成する端子群は、マザーボード10側の対応する接続ランド(図示せず)に半田等で接続されている。また、この種の電子回路ユニットをマザーボード10の周縁部よりも内側に実装し、その同軸コネクタをマザーボード10に対して垂直に突出させる場合もある。
【0004】
ところで、マザーボード10を内蔵するテレビ受像機等の電子機器の種類やメーカーによって、マザーボード10のどの場所に電子回路ユニット(チューナユニット)を実装するかという選択がなされるが、コスト面を考慮すると、使用する電子回路ユニットの構造は実装位置や同軸コネクタの向きに拘らず極力共通化されていることが好ましい。特に、電子回路ユニットの筐体内に収納される回路基板には複雑な配線パターンや各種の電子部品が搭載されるため、実装位置や同軸コネクタの向きが異なるという理由で複数種類の回路基板を用意することは極めて不経済である。
【0005】
そこで従来より、回路基板を表裏反転させる等して、電子回路ユニットのバラエティ増大に対応させられるようにした技術が知られてる(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術を用いた具体例を挙げると、図13において左側の電子回路ユニット20を仰向けの姿勢でマザーボード10上に搭載して回路基板を表裏反転させれば、この回路基板はそのまま図示右側の電子回路ユニット30の回路基板として使用できる。その際、電子回路ユニット20の筐体をそのまま電子回路ユニット30の筐体として使用することはできないが、前者の筐体の天板部に取付脚を切り起こす等の変更を加えれば流用可能となる。また、底面側が開口している筐体を仰向けの姿勢でマザーボード10上に搭載する場合には、該開口をシールドカバーで覆っておけば良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−5469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の同軸コネクタ付き電子回路ユニットは、多様な使用形態に対応させやすい設計にはなっていなかった。例えば、図13において一方の電子回路ユニット30の筐体が他方の電子回路ユニット20の筐体を仰向けにした流用部品である場合、前者の筐体の天板部は板厚の薄いシールドカバーによって構成されるため、後者の筐体の天板部に比べてシールド性能が低下してしまう。また、この場合、電子回路ユニット20の筐体はマザーボード10のグラウンド層とオーバーラップしていればシールドカバーが不要であるにも拘らず、電子回路ユニット30の筐体にはシールドカバーが必要となるため部品点数が増えてしまう。さらに、同軸コネクタ31をマザーボード10に対して垂直に突出させる使用形態が採用された場合に、筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーによって構成されていると、所要の取付強度が確保しにくいため同軸コネクタ31が筐体から外れやすくなってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、多様な使用形態に安価に対応できて信頼性も確保しやすい同軸コネクタ付きの電子回路ユニットを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのような電子回路ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の第1の目的を達成するために、本発明は、金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、この回路基板の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔に挿着されて前記筐体の外部へ延出する入出力端子群と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットにおいて、前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されていると共に、前記複数の端子取付孔が線対称な位置関係に配設されているという構成にした。
【0010】
このように筐体の所定位置にて係止される複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されている回路基板は、対称軸まわりに表裏反転させても被係止部を全て筐体の前記所定位置に配置させることができるため、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持することができる。また、回路基板の一辺端部に列設された端子取付孔群も線対称な位置関係に配設されているため、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させても端子取付孔群の位置は全体としては変化せず、よってモールド端子等として一体化できる入出力端子群は回路基板の表裏どちら側からでも挿着できる。そして、回路基板の一方の主面を筐体の天板部と対向させているときには、芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し平行な横向きに突出させる第1の使用形態と、芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し垂直な上向きに突出させる第2の使用形態とが選択可能となる。また、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させると芯線用取付孔が筐体に対して異なる位置に配置されるため、回路基板の他方の主面を筐体の天板部と対向させているときには、この芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを横向きに突出させる第3の使用形態と、この芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを上向きに突出させる第4の使用形態とが選択可能となる。したがって、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なるこれら第1〜第4の使用形態を、回路基板や入出力端子群を共通化したまま適宜選択できるようになり、いずれの使用形態においても、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならない。
【0011】
上記の第2の目的を達成するために、本発明は、金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットの製造方法において、前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部を線対称な位置関係に配設することによって、前記回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に前記天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が前記筐体内へ組み付けられるようにし、かつ、前記同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を前記筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に前記芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、前記回路基板を前記筐体内へ組み付けるようにした。
【0012】
このように筐体の所定位置にて係止される複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されている回路基板は、対称軸まわりに表裏反転させても被係止部を全て筐体の前記所定位置に配置させることができるため、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持することができる。そして、回路基板の一方の主面を天板部と対向させたときには、芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し平行な横向きに突出させる第1の使用形態と、芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを回路基板に対し垂直な上向きに突出させる第2の使用形態とが選択可能となる。また、回路基板を対称軸まわりに表裏反転させると芯線用取付孔が筐体に対して異なる位置に配置されるため、回路基板の他方の主面を天板部と対向させたときには、この芯線用取付孔の近傍で筐体の側板部に同軸コネクタを取着してこれを横向きに突出させる第3の使用形態と、この芯線用取付孔の真上付近で筐体の天板部に同軸コネクタを取着してこれを上向きに突出させる第4の使用形態とが選択可能となる。したがって、同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を筐体の所望位置に設けた後、この貫通孔の近傍に芯線用取付孔を配置させうる姿勢で回路基板を筐体内へ組み付けることによって、使用形態に応じた構造の電子回路ユニットが選択的に製造できるようになる。それゆえ、この製造方法を採用すると、回路基板を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に容易かつ安価に対応させることができ、いずれの使用形態においても、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならない。
【発明の効果】
【0013】
本発明による同軸コネクタ付きの電子回路ユニットは、回路基板の表裏反転の有無に拘らず、この回路基板を筐体内に収納して保持できると共に、モールド端子等として一体化できる入出力端子群を回路基板の表裏どちら側からでも挿着できる。それゆえ、回路基板や入出力端子群を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に安価に対応させられるという顕著な効果を奏する。また、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならないため、この電子回路ユニットは、同軸コネクタの取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【0014】
本発明による同軸コネクタ付き電子回路ユニットの製造方法は、回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に筐体の天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が筐体内へ組み付けられるようにしてあると共に、同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、回路基板を筐体内へ組み付けるというものなので、回路基板を共通化したまま、同軸コネクタの取付位置や向きが互いに異なる多様な使用形態に容易かつ安価に対応させられるという顕著な効果を奏する。また、こうして製造された電子回路ユニットは、回路基板を覆う筐体の天板部が板厚の薄いシールドカバーにはならないため、同軸コネクタの取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図2】図1に示すチューナユニットの分解斜視図である。
【図3】図1のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図4】図2に示す回路基板の上面図である。
【図5】図4に示す回路基板の下面図である。
【図6】本発明の第2実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図7】図6のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図9】図8のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図10】本発明の第4実施形態例に係るチューナユニットの斜視図である。
【図11】図10のチューナユニットの内部構造を示す説明図である。
【図12】第1〜第4実施形態例に係る各チューナユニットのマザーボード上における実装領域を示す説明図である。
【図13】マザーボード上に実装された2種類のチューナユニットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態例を図面を参照しながら説明すると、以下に示す同軸コネクタ付き電子回路ユニットの各実施形態例は、いずれもテレビ放送信号を受信可能なチューナユニットである。
【0017】
図1〜図3は第1実施形態例に係るチューナユニット11を示している。このチューナユニット11は、金属板からなる略直方体のバスタブ形状の筐体1と、高周波回路が設けられて筐体1の内部に収納された略矩形状の回路基板2と、この回路基板2の一辺端部に取り付けられた入出力端子群3と、筐体1の天板部1aに取り付けられた同軸コネクタ4とによって主に構成されている。このチューナユニット11は、同軸コネクタ4をテレビ基板等のマザーボード10(図12参照)に対して垂直に突出させた姿勢で、このマザーボード10の周縁部よりも内側の所定位置(例えば実装領域A1や実装領域A2)に実装して使用される。
【0018】
チューナユニット11の構成について詳しく説明すると、筐体1は機械的強度に富む板金製のシールドケースであり、筐体1の底面側は開口している。この筐体1は、所定位置に貫通孔1b(図3参照)を有する天板部1aと、天板部1aの四辺から垂下する側板部1cと、天板部1aの四隅の下方で側板部1cから垂下する4つの取付脚1dと、側板部1cから内方へ切り起こされた4つの保持片1e(図3参照)とを備えた構成になっている。貫通孔1bには同軸コネクタ4の基端側が挿通され、この同軸コネクタ4の外殻導体がかしめ等によって天板部1aに固定されている。側板部1cは筐体1内に組み付けられた回路基板2を包囲している。保持片1eは回路基板2の被係止孔2d(図2参照)に挿通して係止させるためのものであり、これにより回路基板2を位置決め状態で筐体1内に固定することができる。取付脚1dはマザーボード10の図示せぬ取付孔に挿通して係止させるためのものであり、これによりチューナユニット11の実装時に筐体1をマザーボード10上の所定位置に載置固定することができる。
【0019】
図4に示すように、回路基板2の一方の主面2aには各種の電子部品5(図2では図示省略)が多数搭載されており、これらの電子部品5や図示せぬ配線パターンによって高周波回路が構成されている。回路基板2の一側部付近には、高周波回路の入力端である芯線取付孔2cが設けられている。図3に示すように、この芯線取付孔2cには同軸コネクタ4の芯線部4aが挿着(挿入して半田接合)されている。また、回路基板2の一辺に沿って多数の端子取付孔2eが列設されており、入出力端子群3の各端子6の基端側が各端子取付孔2eに挿着(挿入して半田接合)されて図示せぬ配線パターンと電気的に接続されている。この入出力端子群3は図2に示すようなモールド端子であり、多数本の端子6が平行に並んで一体化されている。そして、図1に示すように、回路基板2の一辺端部に取り付けられた入出力端子群3の各端子6の先端側が筐体1の外部で下方へ延出している。被係止孔2dは回路基板2の周縁部の4箇所に設けられており、前述したように、保持片1eを被係止孔2dに挿入して係止させることによって回路基板2が筐体1内に位置決め状態で固定されるようになっている。こうして回路基板2を筐体1内に収納することにより、前記高周波回路を天板部1aや側板部1bによって電磁的にシールドすることができる。なお、図5は回路基板2の他方の主面2bを示している。
【0020】
図4と図5に示す直線Lは、端子取付孔1cが列設されている回路基板2の一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線である。同図に明らかなように、回路基板2に設けられた端子取付孔2e群は、この直線Lを対称軸として線対称な位置関係に配設されている。また、回路基板2に設けられた4つの被係止孔2dも、この直線Lを対称軸として線対称な位置関係に配設されている。そのため、回路基板2を直線Lまわりに表裏反転させても、端子取付孔2e群の位置は全体としては変化せず、被係止孔2d群の位置も全体としては変化しない(図4,5参照)。つまり、入出力端子群3は、回路基板2の主面2a側からでも主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができる。また、いずれの主面2a,2bを天板部1aに対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内に組み込んでも、全ての被係止孔2dに必ず保持片1eを挿入させることができる。
【0021】
同軸コネクタ4はF型コネクタと称されるものである。この同軸コネクタ4は外殻導体の基端部が貫通孔1bを貫通した姿勢で天板部1a(貫通孔1bの周縁部)に取り付けられており、外殻導体のねじ部4bが筐体1の外方へ突出している。また、同軸コネクタ4の芯線部4aは筐体1内へ突出して回路基板2の芯線取付孔2cに挿着されている。この同軸コネクタ4には、同軸ケーブルに接続されたケーブルコネクタ(雄コネクタ)が着脱できるようになっている。本実施形態例においては、筐体1の天板部1aの一方の短辺寄りの隅部付近に貫通孔1bが設けられているため、この貫通孔1bから筐体1の外方へ突出する同軸コネクタ4が天板部1aに対して垂直に起立している。ただし、筐体1の貫通孔1bの開設位置は適宜選択可能であり、後述するように、側板部1cに同軸コネクタ4を取り付けることもできる。
【0022】
上記のチューナユニット11をテレビ基板等のマザーボード10上に実装する際には、取付脚1dを用いて筐体1をマザーボード10上の所定位置に載置固定すると共に、入出力端子群3の各端子6の先端側をマザーボード10側の図示せぬ接続ランドに半田等で接続する。このチューナユニット11は、マザーボード10の周縁部よりも内側の領域(図12の実装領域A1や実装領域A2等)に実装して、テレビ受像機の後方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0023】
しかるに、チューナユニットをマザーボード10の周縁部に実装して同軸コネクタ4をマザーボード10に対し平行な向きに突出させるという使用形態も一般的である。例えば、図6,7に示すチューナユニット12のように、天板部1aの短辺から垂下する一方の側板部1cに同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット12は図12の実装領域B1や実装領域B2等に実装する使用形態に好適となる。また、図8,9に示すチューナユニット13のように、天板部1aの短辺から垂下する他方の側板部1cに同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット13は図12の実装領域C1や実装領域C2等に実装する使用形態に好適となる。また、同軸コネクタ4をマザーボード10に対し垂直な向きに突出させる場合にも、マザーボード10側の設計上の制約等によって、入出力端子群3と同軸コネクタ4との位置関係が図12の実装領域D1,D2等に示すように規定されてしまうことがある。その場合、図1〜図3に示すチューナユニット11では対応できないが、図10,11に示すチューナユニット14のように、筐体1の天板部1aの他方の短辺寄りの隅部付近に同軸コネクタ4が取着してあれば、このチューナユニット14は実装領域D1や実装領域D2等に実装する使用形態に好適となる。
【0024】
具体的に述べると、図6,7に示すように、第2実施形態例に係るチューナユニット12は、天板部1aの前記一方の短辺から垂下する側板部1cに同軸コネクタ4を取着して横向きに突出させた点を除いて、第1実施形態例に係るチューナユニット11(図1,3参照)と同等の構成になっている。つまり、これら2種類のチューナユニット11,12は、同じ回路基板2が同じ姿勢で筐体1内の同じ場所に収納保持されていると共に、同じ入出力端子群3が回路基板2の同じ場所に取り付けられており、筐体1も貫通孔1bの開設位置が異なるだけで実質的には共通部品である。このチューナユニット12は、図12の実装領域B1や実装領域B2等に実装してテレビ受像機の側方や下方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0025】
また、図8,9に示すように、第3実施形態例に係るチューナユニット13は、天板部1aの前記他方の短辺から垂下する側板部1cに同軸コネクタ4を取着して横向きに突出させた点と、回路基板2を表裏反転させて筐体1内に組み付けた点とを除いて、上記の各チューナユニット11,12と同等の構成になっている。つまり、この第3実施形態例では、主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2が筐体1内に収納保持されており、入出力端子群3は予め主面2b側から回路基板2に取り付けてある。こうすることによって、芯線取付孔2cを天板部1aの前記他方の短辺に近付けることができるため、このチューナユニット13は、図12の実装領域C1や実装領域C2等に実装してテレビ受像機の側方や下方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。なお、前述したように、回路基板2を直線Lまわりに表裏反転させても端子取付孔2e群の位置は全体としては変化せず、被係止孔2d群の位置も全体としては変化しないため、入出力端子群3は主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができ、かつ、主面2bを天板部1aに対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内に組み込んでも保持片1eは必ず被係止孔2dに挿入させることができる。
【0026】
また、第3実施形態例と同様に回路基板2を表裏反転させて筐体1内に組み付けた場合、同軸コネクタ4を筐体1の天板部1aに取り付けることによって、図10,11に示すように第4実施形態例に係るチューナユニット14が得られる。つまり、このチューナユニット14は、天板部1aの前記他方の短辺寄りの隅部付近に同軸コネクタ4を取着して上向きに突出させた点を除いて、第3実施形態例に係るチューナユニット13(図8,9参照)と同等の構成になっている。また、このチューナユニット14は外観上は、第1実施形態例に係るチューナユニット11(図1,3参照)と類似している。そのため、このチューナユニット14は、図12の実装領域D1や実装領域D2等に実装してテレビ受像機の後方へ同軸コネクタ4を突出させる使用形態に好適である。
【0027】
このように第1〜第4実施形態例に係るチューナユニット11〜14は、実質的に同じ部品によって構成されているため、要望される使用形態に応じてチューナユニット11〜14を選択的に製造することは容易である。すなわち、筐体1の天板部1aまたは側板部1cの所望の位置に貫通孔1bを開設した後、主面2a側または主面2b側から入出力端子群3を回路基板2に取り付けたうえで、この回路基板2を、主面2aまたは主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で筐体1内に組み付ける。そして、同軸コネクタ4の基端部を貫通孔1bに挿通して、芯線部4aを回路基板2の芯線取付孔2cに挿着した後、この同軸コネクタ4を筐体1(貫通孔1bの周縁部)に固定する。かかる製造過程で、チューナユニット11,12を製造する場合は、主面2aを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内へ組み付ければ良く、チューナユニット13,14を製造する場合は、主面2bを天板部1aと対向させた姿勢で回路基板2を筐体1内へ組み付ければ良い。いずれの場合も、筐体1の保持片1eと回路基板2の被係止孔2dとが位置ずれを起こすことはないので、筐体1内に回路基板2を位置決め状態で収納させることができる。また、入出力端子群3は主面2a側からでも主面2b側からでも各端子6を各端子取付孔2eに挿入することができるので、回路基板2のいずれの主面を天板部1aと対向させる場合にも、入出力端子群3は共通部品で良く、その取付作業にも実施的な差異は生じない。
【0028】
なお、上記の各実施形態例では筐体1の底面側を開口しているが、マザーボード10の裏面側に設けられた図示せぬグラウンド層がチューナユニットの実装領域とオーバーラップさせてあるため、この開口によってシールド性能が損なわれる虞はない。ただし、筐体1の底面側の開口に対してマザーボード10側のグラウンド層がオーバーラップしていない場合には、この開口を覆うシールドカバーを筐体1に嵌着させておくことが好ましい。
【0029】
また、チューナユニット13,14のように回路基板2の主面2bを天板部1aと対向させる構成において、主面2aに搭載予定の高背な電子部品5がマザーボードやシールドカバーと接触する可能性がある場合には、その高背な電子部品5だけを予め主面2bに搭載しておくことが好ましい。
【0030】
以上説明したように、同軸コネクタ4の取付位置や向きが互いに異なる4種類のチューナユニット11〜14は、回路基板2や入出力端子群3等が共通化されており、筐体1に形成する貫通孔1bの開設位置を選択したうえで、必要に応じて回路基板2を表裏反転しさえすれば、ほぼ同じ手順で製造することができる。すなわち、部品を共通化したまま、要望される使用形態のチューナユニットが選択的に製造できるため、多様な使用形態に容易かつ安価に対応できるようになる。また、こうして製造されたチューナユニットは、回路基板2を覆う筐体1の天板部1aが板厚の薄いシールドカバーにはならないため、同軸コネクタ4の取付強度やシールド性能に不安のない所要の信頼性を確保することが容易である。
【符号の説明】
【0031】
1 筐体
1a 天板部
1b 貫通孔
1c 側板部
1e 保持片
2 回路基板
2a,2b 主面
2c 芯線取付孔
2d 被係止孔(被係止部)
2e 端子取付孔
3 入出力端子群
4 同軸コネクタ
4a 芯線部
5 電子部品
6 端子
10 マザーボード
11〜14 チューナユニット(電子回路ユニット)
A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2 実装領域
L 直線(対称軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、この回路基板の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔に挿着されて前記筐体の外部へ延出する入出力端子群と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットであって、
前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されていると共に、前記複数の端子取付孔が線対称な位置関係に配設されていることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項2】
金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットの製造方法であって、
前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部を線対称な位置関係に配設することによって、前記回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に前記天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が前記筐体内へ組み付けられるようにし、かつ、前記同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を前記筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に前記芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、前記回路基板を前記筐体内へ組み付けるようにしたことを特徴とする電子回路ユニットの製造方法。
【請求項1】
金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、この回路基板の一辺に沿って列設された複数の端子取付孔に挿着されて前記筐体の外部へ延出する入出力端子群と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットであって、
前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部が線対称な位置関係に配設されていると共に、前記複数の端子取付孔が線対称な位置関係に配設されていることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項2】
金属板からなり一面を開口面となした略直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されて一側部付近に芯線用取付孔を有する略矩形状の回路基板と、前記筐体の側板部または天板部を貫通した姿勢で該筐体に取着されて芯線部が前記芯線用取付孔に挿着された同軸コネクタとを備え、前記回路基板の複数箇所に設けた被係止部を前記筐体が係止することによって該回路基板が位置決め状態で固定されている電子回路ユニットの製造方法であって、
前記回路基板の前記一辺とこれに平行な他辺の中点どうしを結ぶ直線を対称軸として、前記複数の被係止部を線対称な位置関係に配設することによって、前記回路基板の一方の主面と他方の主面を選択的に前記天板部と対向させる2通りの姿勢で該回路基板が前記筐体内へ組み付けられるようにし、かつ、前記同軸コネクタを貫通させるための貫通孔を前記筐体に設けた後、この貫通孔の近傍に前記芯線用取付孔が配置させられるように前記2通りの姿勢のいずれかを選択して、前記回路基板を前記筐体内へ組み付けるようにしたことを特徴とする電子回路ユニットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−191009(P2012−191009A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53291(P2011−53291)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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