説明

電子増倍管

【課題】 高い電子増倍能力を維持しつつ長い製品寿命を実現可能な、ダイノードが複数段に積層された電子増倍部を備える電子増倍管を提供する
【解決手段】 本発明に係る電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノード及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記所定数の後段ダイノード、前記最前段ダイノード及び前記所定数の前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイノードが複数段に積層された電子増倍部を備える電子増倍管に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイノードが複数段に積層された電子増倍部を備える電子増倍管の従来技術としては、下記特許文献1及び特許文献2に示す技術がある。特許文献1では、各段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンにより(同文献1段落番号0021等)、特許文献2では各段ダイノードの二次電子放出面を酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムにより(同文献2請求項1等)それぞれ構成することが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3312771号公報
【特許文献2】特公昭62−41378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のように積層型ダイノードにアルカリアンチモンからなる二次電子放出面を形成しようとすると、特に積層の中段域にアルカリ蒸気を入り込ませることが技術的に難しく、均一な感度が得られないという問題があった。一方、この問題を回避するために、上記特許文献2のように二次電子放出面にアルカリアンチモンを用いないことが考えられるが、この場合には時間の経過と共に電子増倍能力の劣化が著しくなり、製品寿命が短くなるという問題が生じていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高い電子増倍能力を維持しつつ長い製品寿命を実現可能な、ダイノードが複数段に積層された電子増倍部を備える電子増倍管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らの研究によると、二次電子放出面にアルカリアンチモンを用いない場合の電子増倍能力の劣化の理由は以下のように考えられた。すなわち、アルカリ金属により光電面を活性するタイプの光電子増倍管においては、このアルカリ活性の際に二次電子放出面に微量のアルカリ金属が吸着し、これが一時的に二次電子放出面の電子親和力を下げて一次電子に励起された二次電子を放出しやすくなる。ところが、二次電子放出面に吸着したアルカリ金属は、立方対称構造を有するアルカリアンチモンのような安定的な構造ではないため、熱や電子衝撃等により容易に脱離してしまい、結果的に時間の経過と共に電子増倍能力が劣化することになっていた。特に、最も増倍した大量の電子群の入射を受ける最後段ダイノードでは顕著であった。
【0007】
そこで、本発明に係る第1の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る第2の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード及び前記所定数の後段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る第3の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び最初に電子が入射される最前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード及び前記最前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る第4の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記所定数の後段ダイノード及び前記最前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る第5の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノード及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記最前段ダイノード及び前記所定数の前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る第6の電子増倍管は、入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノード及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記所定数の後段ダイノード、前記最前段ダイノード及び前記所定数の前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る第1及び第2の電子増倍管によれば、最も増倍した大量の電子群の入射を受け、特に感度に影響を及ぼしやすい最後段ダイノード(及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード)の二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、技術的にアルカリ蒸気を入り込ませることが難しい中段域ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成とするため、感度の均一性を保持し、高い電子増倍能力を維持しつつ長い製品寿命を実現することが可能になる。
【0014】
また、本発明に係る第3、第4、第5及び第6の電子増倍管によれば、最も増倍した大量の電子群の入射を受ける最後段ダイノード(及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード)の二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とすると共に、高い感度を要し技術的にアルカリ蒸気を入り込ませることが比較的容易な最前段ダイノード(及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノード)の二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、技術的にアルカリ蒸気を入り込ませることが難しい中段域ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成とするため、感度の均一性を保持し、いっそう高い電子増倍能力を維持しつつ長い製品寿命を実現することが可能になる。
【0015】
さらに、本発明に係る第1〜第6の電子増倍管によれば、全てのダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンから構成する従来技術(上記特許文献1)と比較してアルカリ活性化に要する時間を減少することができ、結果的に製品製造の効率化を図ることも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、光電子を増倍させる光電子増倍管(PMT)として用いる場合を例に挙げて説明する。
【0017】
まず、図1に示す断面図を参照しながら、本実施形態に係る光電子増倍管1の構成について説明する。この光電子増倍管1は、筒形状の金属製(たとえば、コバール金属製やステンレス製)の側管2を有し、この側管2の一側の開口端Aには、ガラス製(たとえば、コバールガラス製や石英ガラス製)の受光面板3が融着固定されている。この受光面板3の内表面には、光を電子に変換する光電面3aが形成され、この光電面3aは、受光面板3に予め蒸着させておいたアンチモンにアルカリ金属を反応させることで形成される。また、側管2の開口端Bには、金属製(たとえば、コバール金属製やステンレス製)のステム板4が溶接固定されている。このように、側管2と受光面板3とステム板4とによって密封容器5が構成され、この密封容器5は、高さが10mm程度の極薄タイプのものである。
【0018】
また、ステム板4の中央には金属製の排気管6が固定されている。この排気管6は、光電子増倍管1の組立て作業終了後、密封容器5の内部を真空ポンプ等によって排気して真空状態にするのに利用されると共に、光電面3aの形成時にアルカリ金属蒸気を密封容器5内に導入させる管としても利用される。
【0019】
密封容器5内には、ブロック状で積層型の電子増倍器7が設けられ、この電子増倍器7は、板状のダイノード8を積層させた電子増倍部9を有している。電子増倍器7は、ステム板4を貫通するように設けられたコバール金属製のステムピン10によって密封容器5内で支持され、各ステムピン10の先端は各ダイノード8と電気的に接続されている。また、ステム板4には、各ステムピン10を貫通させるためのピン孔4aが設けられ、各ピン孔4aには、コバールガラス製のハーメチックシールとして利用されるタブレット11が充填されている。各ステムピン10は、このタブレット11を介してステム板4に固定される。なお、各ステムピン10には、ダイノード用のものとアノード用のものとがある。
【0020】
電子増倍器7には、電子増倍部9の下方に位置してステムピン10の上端に固定したアノード12が並設されている。また、電子増倍器7の最上段において、光電面3aと電子増倍部9との間には平板状の集束電極板13が配置されている。この集束電極板13には、スリット状の開口部13aが複数本形成され、各開口部13aは全て同一方向に延在した配列をなす。同様に、電子増倍部9の各ダイノード8には、電子を増倍させるためのスリット状電子増倍孔14が複数本形成されることにより配列されている。なお、このダイノード8はメタルチャンネルダイノードと呼ばれるもので、板状部材に貫通孔を形成し、その内壁面を二次電子放出面とすることにより、電子増倍孔としたものである。
【0021】
各ダイノード8の各電子増倍孔14を段方向にそれぞれ配列してなる各電子増倍経路Lと、集束電極板13の各開口部13aとを一対一で対応させることによって、電子増倍器7には、複数のチャンネルが形成されることになる。また、電子増倍器7に設けられた各アノード12は所定数のチャンネル毎に対応するように8列設けられ、各アノード12を各ステムピン10にそれぞれ接続させることで、各ステムピン10を介して外部に個別的な出力を取り出している。
【0022】
続いて、本実施形態の特徴たる電子増倍部9について詳細に説明する。この電子増倍部9は、12段(12枚)のダイノード8を積層させた構造を採っている。図2に示すように、12段のダイノードのうち、前3段及び後3段(すなわち1、2、3段目及び10、11、12段目)にはアルカリアンチモンからなる二次電子放出面が形成され、中間6段(すなわち4〜9段目)には酸化マグネシウム(MgO)または酸化マグネシウム亜鉛(MgZnO)からなる二次電子放出面、すなわちアンチモンを含まない二次電子放出面が形成される。より具体的には、前3段及び後3段のダイノードには真空蒸着によりアンチモンを蒸着させ、排気管6からセシウム等のアルカリ蒸気を封入する。封入したアルカリ蒸気は後3段ダイノードのアンチモンと反応させると共に、一部が側管2側から受光面板3に回り込んで光電面3a及び前3段ダイノードのアンチモンと反応させる。この工程により、一般的に言われるSbCs光電面及び二次電子面が形成されるが、セシウム蒸気以外のアルカリ金属、例えば、ルビジウム金属、カリウム金属、ナトリウム金属等を導入しSb(アルカリ金属)の光電面及び二次電子面を形成してもかまわない。一方の中間6段ダイノードには、蒸着により酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウム亜鉛被膜を形成する。
【0023】
本実施形態ではアンチモンを含まない二次電子放出面に酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウム亜鉛を用いる例を挙げたが、酸化マグネシウム(MgO)または酸化マグネシウム亜鉛(MgZnO)のほか、酸化ベリリウム(BeO)、酸化アルミニウム(Al)酸化銀(AgO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化モリブデン(MoO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF)塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ルビジウム(RbCl)、臭化ナトリウム(BrNa)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)を採り得る。または、GaPのようなIII属とV属の化合物半導体ダイノードでもかまわない。
【0024】
本発明者らは、本実施形態に係る光電子増倍管1について3例(例A、例B、例C)の感度計測実験を行ったところ、図3に示すように印加電圧1000Vにて約1×10と実用に足る利得特性を得た。さらに、全段ダイノードの二次電子放出面をMgOとしたものと、前2段及び最後段(すなわち1、2段目及び12段目)ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンとし3〜11段目ダイノードの二次電子放出面をMgOとしたものとの増倍特性の経時変化量の計測実験を行ったところ、図4に示すように全段MgOのもの(例D)は1000分で半分程度に劣化したのに対し、1、2段目及び12段目をアルカリアンチモンとしたもの(例E)はほとんど劣化が見られなかった。従って、本実施形態に係る光電子増倍管によれば、感度の均一性を保持し、高い電子増倍能力を維持しつつ長い製品寿命を実現することが可能であるといえる。
【0025】
また、全てのダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンから構成する従来例F、前3段及び後3段のみアルカリアンチモンから構成する例G(すなわち本実施形態に係る光電子増倍管1)、及び、前2段及び最後段(すなわち1、2段目及び12段目)のみアルカリアンチモンから構成する例Hについてアルカリ活性時間を比較したところ、図5に示すように例Gでは例Fに比べ約半分、例Hではさらに短縮された。従って、本実施形態に係る光電子増倍管1によれば、アルカリ活性化に要する時間を減少することができ、結果的に製品作製の効率化を図ることも可能であるといえる。
【0026】
なお、本発明に係る電子増倍管は、上記実施形態に記載の態様に限定されず、様々な態様を採ることが可能である。例えば、電子増倍孔14の形状としては、本実施形態のスリット状のみでなく、円形状または多角形状といった形状を採ることができる。また、複数段を積層して電子増倍部9を形成するダイノード8としては、上記実施形態に記載したメタルチャンネルダイノードに限定されず、その他の積層型ダイノード、例えば特開昭61−2253号公報の第8図に記載されたトライアングル型ダイノードや、ベネシアン型ダイノード、メッシュ型ダイノードなどを本発明の構造に採用してもよい。さらには、電子増倍部9を単一の型のダイノード8のみで形成するだけではなく、例えば図6に示すような通常のボックス型ダイノード30と積層型ダイノード40とを組み合わせた構造(いわゆるボックスアンドメッシュ構造、特開平2−33847号公報参照)を持つ光電子増倍管の積層型ダイノード40部に本発明の構造を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る光電子増倍管の断面図である。
【図2】本実施形態に係る光電子増倍管の断面図である。
【図3】実験結果を示す図表である。
【図4】実験結果を示す図表である。
【図5】実験結果を示す図表である。
【図6】本発明の一態様に係る光電子増倍管の断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1…光電子増倍管、2…側管、3…受光面板、4…ステム板、5…密封容器、6…排気管、7…電子増倍器、8…ダイノード、9…電子増倍部、10…ステムピン、11…タブレット、12…アノード、13…集束電極板、14…スリット状電子増倍孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。
【請求項2】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード及び前記所定数の後段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。
【請求項3】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び最初に電子が入射される最前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード及び前記最前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。
【請求項4】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記所定数の後段ダイノード及び前記最前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。
【請求項5】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノード及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記最前段ダイノード及び前記所定数の前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。
【請求項6】
入射された電子を増倍する電子増倍孔が設けられたダイノードを複数段に積層して形成された電子増倍部を備える電子増倍管であって、
前記複数段のダイノードのうち、最終に電子が入射される最後段ダイノード及び当該最後段ダイノードに連続する所定数の後段ダイノード、並びに、最初に電子が入射される最前段ダイノード及び当該最前段ダイノードに連続する所定数の前段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含む構成とし、前記最後段ダイノード、前記所定数の後段ダイノード、前記最前段ダイノード及び前記所定数の前段ダイノードを除く他段ダイノードの二次電子放出面をアルカリアンチモンを含まない構成としたことを特徴とする電子増倍管。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−12309(P2007−12309A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188445(P2005−188445)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、文部科学省、科学技術試験研究委託費、光技術を融合した生体機能計測技術の研究開発、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)