説明

電子投票システム

【課題】臨場感があり、ユーザにとっての使い勝手の側面でも満足度の高い電子投票システムを提供することを可能とする。
【解決手段】サテライトシステム17は、公営競技を実況生中継するための視聴ユニット31と、視聴ユニット31を臨むように設けられ、公営競技サービス、及び予想情報サービスを顧客が享受する際に用いられる複数の投票端末33と、を備え、複数の投票端末33を介して、顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、顧客による投票の要求を電子決済する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競馬や、競輪、競艇、オートレースなどの公営競技の電子投票システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競馬や、競輪、競艇、オートレースなどの公営競技の投票システムとしては、例えば、電話回線を用いた中央競馬会の電話投票システムが知られている。かかる従来の投票システムでは、自宅や場外馬券売場での実況生中継映像で把握した開催日当日の競走馬および競馬場等の状態や、競馬新聞等を通じて把握した情報等に基づき、顧客はレース結果を予想する。そして、顧客は予想したレース結果を、電話回線を通じて中央競馬会に投票する。例えば、電話機の受話器を通して流れる音声ガイダンスに案内されながら、プッシユホン電話機のテンキーを操作して、予め電話投票受付センターに登録してある会員識別番号や暗証番号を入力操作した上で、希望する競技レース番号、投票種別、投票組合せ番号、投票枚数などを入力操作することで、投票する。
【0003】
しかしながら、上述した従来の投票システムでは、投票に際して顧客が入手できる情報は、実況生中継映像を通して得られる競走馬および競馬場等の状態や、例えば競馬新聞によって得られる予想情報等の断片的なものに限られていたため、多様な観点からの豊富な情報に基づいてレース結果を予想することが難しく、レース結果を予想する楽しみに欠けるきらいがあった。また、上述した従来の投票システムでは、プッシユホン電話機のテンキー操作手順が煩雑で改善の余地があった。
【0004】
これに対し、特許文献1には、インターネットを通して着順予想情報を顧客に提供するシステムが記載され、特許文献2には、インターネットを介して投票するシステムが示されている。
【0005】
しかし、臨場感に欠けるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2006−99653号公報
【特許文献2】特開2005−322151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、従来の投票システムでは、ユーザにとっての使い勝手が悪く、また臨場感に欠ける点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、臨場感があり、ユーザにとっての使い勝手の側面でも満足度の高い電子投票システムを提供することを目的として、下記の課題解決手段を採用することとした。
【0009】
すなわち、
(1)公営競技サービスを提供するための公営競技サービスシステムと、予想情報サービスを提供するための予想情報サービスシステムと、前記公営競技サービス、及び前記予想情報サービスを享受するためのサテライトシステムとの間を、通信媒体を介して接続して構成される公営競技の電子投票システムであって、前記サテライトシステムは、公営競技を実況生中継するための視聴ユニットと、当該視聴ユニットを臨むように設けられ、前記公営競技サービス、及び前記予想情報サービスを顧客が享受する際に用いられる複数の投票端末と、を備え、当該複数の投票端末を介して、前記顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、前記顧客による投票の要求を電子決済することを特徴とする。
(2)(1)記載の電子投票システムであって、前記複数の各投票端末は、前記公営競技サービス及び前記予想情報サービスの内容を表示するための画像表示装置と、携帯用記憶媒体に記憶された顧客識別情報及び電子マネーの残額情報を読み取るための情報処理装置と、を備え、前記画像表示装置を介して前記顧客に対して予想情報サービスを提供する一方、該情報処理装置で読み取った顧客識別情報及び電子マネーの残額情報に基づいて、前記顧客による投票の要求を電子決済することを特徴とする。
(3)(1)又は(2)記載の電子投票システムであって、前記画像表示装置は、タッチパネル式の画像表示装置であり、前記顧客による投票の要求は、当該顧客によるタッチパネル操作により行われることを特徴とする。
(4)(1)〜(3)の何れかに記載の電子投票システムであって、前記情報処理装置は、更新された電子マネーの残額情報を前記携帯用記憶媒体に書き込む機能をさらに備え、前記顧客による投票がなされる毎に、当該情報処理装置によって、当該投票前の電子マネーの残額情報から、前記顧客による投票の要求に基づく料金を減額した金額が、当該投票後の更新された電子マネーの残額情報として書き込まれることを特徴とする。
(5)(1)〜(4)の何れかに記載の電子投票システムであって、前記情報処理装置は、前記顧客による投票内容を前記携帯用記憶媒体に書き込む機能をさらに備え、前記顧客による投票がなされる毎に、当該情報処理装置によって、当該投票に係る投票内容が、前記携帯用記憶媒体に投票履歴情報として書き込まれることを特徴とする。
(6)(1)〜(5)の何れかに記載の電子投票システムであって、前記携帯用記憶媒体は、独立の又は携帯電話に内蔵された非接触型ICカードであることを特徴とする。
(7)(1)〜(6)の何れかに記載の電子投票システムであって、前記予想情報サービスシステムにより提供される予想情報サービスは、複数の予想情報サービス提供者から提供される多様な情報であることを特徴とする。
(8)(7)記載の電子投票システムであって、前記顧客による投票の要求は、前記複数の予想情報提供者から提供される多様な予想情報のなかから、顧客の意図に適う予想情報を選択することで実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電子投票システムによれば、顧客は、視聴ユニットで実況生中継されている公営競技を観戦しながら、自身の手元にある投票端末を介して、公営競技サービス及び予想情報サービスをフルに活用することで投票を行うと、この投票の要求が電子決済されるので、従って、レース結果を予想する楽しみを享受することができ、しかも、ユーザにとっての使い勝手の側面でも満足度の高い電子投票システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
臨場感があり、ユーザにとっての使い勝手の側面でも満足度の高い電子投票システムを提供するという目的を、公営競技を実況生中継するための視聴ユニットと、視聴ユニットを臨むように設けられ、公営競技サービス、及び予想情報サービスを顧客が享受する際に用いる複数の投票端末と、を備え、複数の投票端末を介して、顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、顧客による投票の要求を電子決済するサテライトシステムにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下に、本発明に係る電子投票システムの好ましい実施例1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例1を示す電子投票システムのブロック構成図、図2は電子投票システムの一部を構成するサテライトシステムの外観図、図3はサテライトシステムの一部を構成する投票端末の機能ブロック図である。
【0014】
本発明に係る電子投票システムは、競馬や、競輪、競艇、オートレースなどの、公営競技における投票管理に適用できるが、本実施形態では、公営競技のうち競馬に適用したシステム構成例をあげて説明する。
【0015】
図1に示すように、電子投票システム11は、公営競技サービスを提供するための公営競技サービスシステム13と、予想情報サービスを提供するための予想情報サービスシステム15と、公営競技サービス、及び予想情報サービスを享受するためのサテライトシステム17と、の間を、インターネット網や専用線等の通信媒体19を介して接続して構成されている。
【0016】
公営競技サービスシステム13は、レースの投票や払い戻しに関する管理を司る中央管理サーバ21と、顧客毎の電子マネー情報及び投票したレースや着順等の投票履歴情報を、顧客を識別するための顧客識別情報に関連付けて記憶する顧客管理データベース23と、を含んで構成されている。
【0017】
予想情報サービスシステム15は、新聞や専門誌等におけるレースの予想情報に関する管理を司る予想情報管理サーバ25と、レース毎の予想情報を、当該レースの周辺情報、例えば、レース情報、出走馬に関する情報、競馬場に関する情報、及びその他の情報、に関連付けて記憶する予想情報データベース27と、を含んで構成されている。
【0018】
サテライトシステム17は、図1及び図2に示すように、同システム17内におけるレースの投票や払い戻し、並びに、レースの予想情報に関する管理を司るサテライト管理サーバ25と、レースを実況生中継するための大型ディスプレイ及びスピーカを備えた視聴ユニット31と、視聴ユニット31を臨むように設けられ、公営競技サービス、及び予想情報サービスを顧客が享受する際に用いられる複数の投票端末33と、を含んで構成され、上述した各機器間は、サテライトLAN(無線LANを含む)回線35を介して接続されている。サテライトシステム17は、その場所を選ぶことなく、あらゆるところに設置することができる。例えば、これまではレースを楽しむのに電話投票以外の選択肢がなかったような地域に設置することもできるし、また、例えば駅のそばなどの、集客力の期待できる場所に設置することもでき、さらには、場外馬券売り場又はレース場の内部に設置することもできる。こうしたサテライトシステム17は、複数の各投票端末33をそれぞれ介して、顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、顧客による投票の要求を電子決済するように作用する。
【0019】
複数の各投票端末33は、図3に示すように、顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、顧客による投票の要求を電子決済する機能等を司るCPU37と、プログラム等を記憶するROM39と、データ等を記憶するRAM41と、顧客による電子投票が継続している間、顧客が所持する携帯電話45に内蔵された非接触型ICカード47との間で適時にデータ通信を行うICカードリーダライタ43(情報処理装置)と、顧客に対して予想情報サービスを視覚的に提供するとともに、顧客による投票の要求や予想情報サービスの選択等を操作入力する際に用いられる、例えば15インチサイズのタッチパネル式液晶表示パネル49(画像表示装置)と、サテライトLAN35との間の通信インタフェース機能を有する通信部51と、を備えて構成されている。なお、ICカードリーダライタ43は、投票端末33に備えられる携帯電話ホルダー(不図示)に近接させて投票端末33に内蔵されており、電子投票を行う際において、顧客の携帯電話45が投票端末33における携帯電話ホルダーにセットされると、投票端末33と、携帯電話45に内蔵された非接触型ICカード47との間で、適時にデータ通信を行い、これによって、携帯電話45の所有者である顧客に割り当てられた顧客識別番号を読み出す一方で、電子マネー情報及び投票履歴情報を含む各種データの読み出し/書き込みを行うように作用する。
【0020】
上述の如く構成された複数の各投票端末33は、顧客に対して予想情報サービスを提供する予想情報サービス機能と、ICカードリーダライタ43で読み取った顧客識別情報及び電子マネーの残額情報に基づいて、当該顧客による投票の要求を電子決済する電子決済機能と、顧客による投票がなされる毎に、当該投票前の電子マネーの残額情報から、顧客による投票の要求に基づく料金を減額した金額を、当該投票後の更新された電子マネーの残額情報として、ICカードリーダライタ43を介して顧客の所持する非接触型ICカード47に書き込む電子マネー情報更新機能と、顧客による投票がなされる毎に、その投票履歴情報を更新させる投票履歴情報更新機能と、を有している。
【0021】
顧客に対して予想情報サービスを提供するために、タッチパネル式液晶表示パネル49の情報表示画面には、顧客の操作指示に従って多彩な情報が表示される。具体的には、例えば、レース名、レースグレード、馬場状態、天候、競馬場の場所、競争距離、投票締め切りまでの残り時間、出走馬名、各馬の脚質(逃げ、先行、差し、追込)・馬種(牡馬、牝馬、せん馬)・馬体重・馬体重増減値・騎手名・予想・前走成績・単勝オッズ・調子等が表示される。また、表示パネル49の情報表示画面には、複数の競馬新聞名のアイコンが表示されており、希望する新聞名のアイコンにタッチすることにより、同新聞の予想情報を、その的中率情報とともに取得できるように構成されている。
【0022】
なお、本実施形態では、顧客が所持する携帯電話45に内蔵された非接触型ICカード47が、電子マネー及び電子投票券としての役割を兼ね備える例をあげて説明する。また、非接触型ICカード47には、あらかじめ投票のために用意した金額が、電子マネー残額情報としてチャージされているものとする。しかも、非接触型ICカード47にチャージされ得る電子マネー金額には、例えば3万円までなどの、顧客の要望に応じた上限額が設定されているものとする。
【0023】
図4は顧客が投票端末を用いて電子投票を行う際のフローチャートを示す。
【0024】
顧客が、非接触型ICカード47を内蔵した携帯電話45を、投票端末33における携帯電話ホルダーにセットすると、投票端末33は、顧客識別情報、及び電子マネーの残額情報の取得認証処理を実行する(S11)。すなわち、投票端末33は、非接触型ICカード47に記憶されている顧客識別情報、及び電子マネーの残額情報を読み出す一方で、読み出した顧客識別情報を、サテライトLAN35、サテライト管理サーバ29、通信媒体19を経由して、中央管理サーバ21に送信して、顧客識別情報を検索キーとした電子マネー残額情報の問い合わせ処理を行う。すると、中央管理サーバ21では、問い合わせを受けた検索キー(顧客識別情報)に基づいて、該当する顧客の電子マネー残額情報を、顧客管理データベース23から読み出し、読み出した電子マネー残額情報を、上述とは逆の順序で各種機器を経由して、投票端末33宛てに返信する。
【0025】
投票端末33は、上述の問い合わせによって公営競技サービスシステム13から返信されてきた電子マネー残額情報と、非接触型ICカード47から読み出した電子マネー残額情報と、を照合し、その一致が確認されると、該当する顧客の電子マネー残額情報(例えば3万円)を、タッチパネル式液晶表示パネル49の表示画面上に、「現在の投票資金は3万円です。」などと表示させる(S12)。なお、ステップS12において、問い合わせにより返信を受けた電子マネー残額情報と、非接触型ICカード47から読み出した電子マネー残額情報とを照合し、その一致を確認するようにしたのは、非接触型ICカード47の記憶内容(電子マネー残額情報)を改ざんする等の不正行為を防止する趣旨からであり、こうした照合確認処理を省略してもよい。
【0026】
次いで、顧客が要求する投票内容を入力すると(S13)、投票内容及び投票に要する金額が表示される(S14)。このとき、表示内容を視認した顧客が、自身の意図する投票内容に間違いがないことを確認した上で表示画面上の「投票」アイコン(不図示)を操作入力すると、投票処理と同時に電子決済処理が行われる(S15)。すなわち、投票端末33は、ステップS15における投票前の電子マネーの残額情報から、顧客による投票の要求に基づく料金を減額する演算を実行するとともに、顧客管理データベース23における電子マネー残額情報の更新処理を、公営競技サービスシステム13宛てに依頼する。具体的には、投票端末33は、該当する顧客識別情報、顧客の投票内容、及び、今回の投票の要求に基づく料金を、サテライトLAN35、サテライト管理サーバ29、通信媒体19を経由して、中央管理サーバ21に送信して、電子マネー残額情報の更新依頼を行う。すると、中央管理サーバ21は、更新依頼を受けた検索キー(顧客識別情報)に基づいて、該当する顧客の電子マネー残額情報を、顧客管理データベース23から読み出し、読み出した電子マネー残額情報から、今回の投票の要求に基づく料金を減額する演算を行い、この演算結果を更新された電子マネー残額情報として置き換える、電子マネー情報更新処理を実行する(S16)。こうして更新された電子マネー残額情報は、上述とは逆の順序で各種機器を経由して、投票端末33宛てに返信される。
【0027】
投票端末33は、公営競技サービスシステム13から返信されてきた電子マネー残額情報と、ステップS15における自身の演算結果と、を照合し、その一致が確認されると、非接触型ICカード47に記憶されている電子マネー残額情報を、最新の電子マネー残額情報に書き換える処理を実行する(S17)。また、ステップS17における電子マネー残額情報書込み処理に伴って、投票端末33は、顧客が投票したレース、着順等の投票履歴情報を、非接触型ICカード47に書込む処理を実行する。ステップS17における処理によって、非接触型ICカード47に記憶されている電子マネー残額情報、及び投票履歴情報が、最新のものに更新されることになる。なお、ステップS17において、公営競技サービスシステム13から返信されてきた電子マネー残額情報と、ステップS15における自身の演算結果と、を照合し、その一致を確認するようにしたのは、非接触型ICカード47の記憶内容(電子マネー残額情報)を改ざんする等の不正行為を防止する趣旨からであり、こうした照合確認処理を省略してもよい。
【0028】
ステップS17におけるICカードへの書込み処理の実行後に、投票端末33は、処理の流れをステップS12へ戻して、ステップS17において更新された電子マネー残額情報をタッチパネル式液晶表示パネル49の表示画面上に表示させ、以下の処理を繰り返し実行する。なお、以上の手順による投票の結果として、配当金の払い戻しが生じた場合には、同配当金額を電子マネー残額情報に加算すればよい。この場合、ステップS16〜S17の処理に従って、顧客管理データベース23及び非接触型ICカード47における両方の電子マネー残額情報を、相互に同期させるように更新すればよい。また、この配当金の払い戻しの結果、電子マネー残額が、非接触型ICカード47に設定されている電子マネーの上限額を超えるときには、設定されていた上限額を修正することで対応すればよい。
【0029】
以上述べたように、顧客は、視聴ユニット31で実況生中継されている公営競技を観戦しながら、自身の手元にある投票端末33を介して、公営競技サービス及び予想情報サービスをフルに活用することで投票を行うと、この投票の要求が電子決済されるので、従って、レース結果を予想する楽しみを享受することができ、しかも、ユーザにとっての使い勝手の側面でも満足度の高い電子投票システムを提供することができる。
【0030】
また、従来の磁気カードによる投票券管理に代えて、電子投票管理によって、投票の受け付け/払い戻し処理を実行するようにしたので、多額の現金を所持することなく投票を行うことができる結果として、現金盗難の危険を未然に防止することができる。また、配当金の払い戻しが生じた場合において、電子マネーによる払い戻しが行われる結果として、現金を取り扱う煩雑さが解消されるとともに、煩わしい小額硬貨の取り扱いをも不要とすることがでる。
【0031】
さらに、電子マネーのチャージ金額には上限が設定されているので、つい熱くなって思わぬ金額を使ってしまうなどといった、使いすぎを未然に防止することができる。
【0032】
しかも、従来の磁気カードによる投票券管理に代えて、投票券をも電子化したので、磁気カード投票券の投げ捨てに由来する多量のゴミの発生を未然に抑止することができる。
【0033】
そして、ユーザインターフェイスとして、直感的な操作入力が可能なタッチパネル式液晶表示パネルを採用したので、ユーザにとっての使い勝手を格段に向上することができる。
また、全体的に臨場感を出すことができる。
【0034】
[変形実施例]
本発明は、上述した実施例1に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電子投票システムもまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
【0035】
すなわち、例えば、本発明に係る電子投票システムは、例えば、新聞予想選択投票方式、目標金額指定投票方式、又はオッズ指定投票方式などの、多彩な投票方式を採用することができる。
【0036】
新聞予想選択投票方式とは、顧客が希望する競馬新聞を選択すると、同競馬新聞の予想情報に従って自動的に投票するものである。この場合、予想情報毎の、過去から現在に至るまでの、当日のものを含む的中率情報を、併せて顧客に提供するのが好ましい。新聞予想選択投票方式によれば、複数の予想情報サービス提供者(競馬新聞社)から、レースの着順に関する複数の可能性を予想した多様な予想情報が、その的中率情報とともに顧客に対して提供される一方で、こうした多様な予想情報のなかから、的中率情報などを参照しながら、顧客の意図に適う予想情報を選択すると、この選択された予想情報に対して自動的に投票するので、短時間で容易に投票することができる。その結果、検討に時間をかけ過ぎたため、投票締め切り時間に間に合わないといった不都合が回避され、レースそのものを純粋に楽しむことができる。
【0037】
また、目標金額指定投票方式とは、顧客が獲得したい金額を投票対象とともに指定すると、その目標金額及び投票対象のオッズに基づいて自動的に適切な枚数を投票するものである。具体的には、例えば最終レースの時点で、当初3万円あった投票資金が半分の1万5千円まで減額してしまっている場合に、当初の元金である3万円に戻すために、「1万5千円」を目標金額とし、「馬番単勝式:3番」を投票対象として指定すると、その目標金額「1万5千円」及び投票対象のオッズ(例えば15倍)に基づいて自動的に適切な枚数(この場合、10枚)を投票するものである。
【0038】
さらに、オッズ指定投票方式とは、顧客が希望するオッズの範囲を指定すると、その範囲にあるオッズの全ての組み合わせに対して自動的に投票するものである。
【0039】
上述した新聞予想選択投票方式、目標金額指定投票方式、又はオッズ指定投票方式によれば、希望の競馬新聞を指定するか、目標金額を投票対象とともに指定するか、又は希望するオッズの範囲を指定するといった、きわめて簡単な入力操作をもって、初心者であっても適切な投票を短時間で行うことができる。
【0040】
また、本実施形態では、携帯用記憶媒体として、携帯電話45に内蔵された非接触型ICカード47を例示して説明したが、本発明はこの例に限られるものではなく、独立したICカード(非接触型ICカードを含む)を携帯用記憶媒体として用いることもできる(請求項5に対応)。
【0041】
さらに、本実施形態では、ICカード47に記憶された顧客識別情報を取得認証に用いる例をあげて説明したが、本発明はこの例に限られるものではなく、例えばセキュリティ性を高める需要がある場合には、暗証番号、指紋データ、掌紋データ等の照合認証を、顧客識別情報と適宜組み合わせて実行すればよい。
最後に、上述の実施例では、本発明に係る電子投票システムを競馬レースに適用する例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、競輪、競艇、オートレースなどの公営競技における投票に広く適用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】電子投票システムのブロック構成図である(実施例1)。
【図2】電子投票システムの一部を構成するサテライトシステムの外観図である(実施例1)。
【図3】サテライトシステムの一部を構成する投票端末の機能ブロック図である(実施例1)。
【図4】顧客が投票端末を用いて電子投票を行う際のフローチャート図である(実施例1)。
【符号の説明】
【0043】
11 電子投票システム
13 公営競技サービスシステム
15 予想情報サービスシステム
17 サテライトシステム
19 インターネット網(通信媒体)
23 顧客管理データベース
27 予想情報データベース
31 視聴ユニット
33 投票端末
43 ICカードリーダライタ(情報処理装置)
45 携帯電話
47 非接触型ICカード(携帯用記憶媒体)
49 タッチパネル式液晶表示パネル(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公営競技サービスを提供するための公営競技サービスシステムと、予想情報サービスを提供するための予想情報サービスシステムと、前記公営競技サービス、及び前記予想情報サービスを享受するためのサテライトシステムとの間を、通信媒体を介して接続して構成される公営競技の電子投票システムであって、
前記サテライトシステムは、公営競技を実況生中継するための視聴ユニットと、当該視聴ユニットを臨むように設けられ、前記公営競技サービス、及び前記予想情報サービスを顧客が享受する際に用いられる複数の投票端末と、を備え、当該複数の投票端末を介して、前記顧客に対して予想情報サービスを提供するとともに、前記顧客による投票の要求を電子決済する
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項2】
請求項1記載の電子投票システムであって、
前記複数の各投票端末は、前記公営競技サービス及び前記予想情報サービスの内容を表示するための画像表示装置と、携帯用記憶媒体に記憶された顧客識別情報及び電子マネーの残額情報を読み取るための情報処理装置と、を備え、前記画像表示装置を介して前記顧客に対して予想情報サービスを提供する一方、該情報処理装置で読み取った顧客識別情報及び電子マネーの残額情報に基づいて、前記顧客による投票の要求を電子決済する
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電子投票システムであって、
前記画像表示装置は、タッチパネル式の画像表示装置であり、前記顧客による投票の要求は、当該顧客によるタッチパネル操作により行われる
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の電子投票システムであって、
前記情報処理装置は、更新された電子マネーの残額情報を前記携帯用記憶媒体に書き込む機能をさらに備え、前記顧客による投票がなされる毎に、当該情報処理装置によって、当該投票前の電子マネーの残額情報から、前記顧客による投票の要求に基づく料金を減額した金額が、当該投票後の更新された電子マネーの残額情報として書き込まれる
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の電子投票システムであって、
前記情報処理装置は、前記顧客による投票内容を前記携帯用記憶媒体に書き込む機能をさらに備え、前記顧客による投票がなされる毎に、当該情報処理装置によって、当該投票に係る投票内容が、前記携帯用記憶媒体に投票履歴情報として書き込まれる
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の電子投票システムであって、
前記携帯用記憶媒体は、独立の又は携帯電話に内蔵された非接触型ICカードである
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の電子投票システムであって、
前記予想情報サービスシステムにより提供される予想情報サービスは、複数の予想情報サービス提供者から提供される多様な情報である
ことを特徴とする電子投票システム。
【請求項8】
請求項7記載の電子投票システムであって、
前記顧客による投票の要求は、前記複数の予想情報提供者から提供される多様な予想情報のなかから、顧客の意図に適う予想情報を選択することで実行される
ことを特徴とする電子投票システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−33539(P2008−33539A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205027(P2006−205027)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(399049040)日本ユニカ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】