説明

電子文書処理装置及びプログラム

【課題】仮画像を含む電子文書について、仮画像と、その仮画像と差し替えるべき画像と、の対応関係の特定を容易にする。
【解決手段】文書記憶部20に記憶される電子文書は、画像の配置が予定される位置に配置された仮画像を含む。電子文書処理装置10の仮画像情報抽出部100は、文書記憶部20に記憶された電子文書から、その電子文書に含まれる仮画像の位置及び大きさを表す配置情報を抽出し、抽出した配置情報を抽出情報DB110に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像などのオブジェクトを含む電子文書の作成において、オブジェクトを配置する予定の位置に、空画像などの仮のオブジェクトを挿入しておき、後に、画像などを表す実際のデータとその仮オブジェクトを差し替える作業が行われる場合がある。
【0003】
データの実体を格納する前に、そのデータを格納する予定の位置を明示的に表現する技術として、例えば、特許文献1には、電子文書ファイリングシステムにおいて、スキャナを用いて読み込まれる図面データを格納する位置として予め予約された位置を、プレースホルダ・オブジェクトによって表す技術が開示されている。この電子文書ファイリングシステムでは、スキャナにより読み込まれた図面データは、対応するプレースホルダ・オブジェクトによって表される位置に格納される。
【0004】
【特許文献1】特開2004−78933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像などのオブジェクトを配置する予定の位置に仮のオブジェクトが配置されている電子文書に対して、仮オブジェクトを実際のデータに差し替える作業を行うにあたって、差し替え対象の仮オブジェクトを特定することが困難である場合がある。例えば、電子文書内に複数の仮オブジェクトが点在する場合、各仮オブジェクトと、その仮オブジェクトと差し替えるべき実際のデータと、の対応関係を特定することが困難である場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、オブジェクトの配置が予定される位置に配置された仮のオブジェクトを含む電子文書から、前記電子文書における前記仮オブジェクトの位置及び大きさを表す配置情報を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記配置情報を記憶部に登録する登録部と、を備えることを特徴とする電子文書処理装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記仮オブジェクトの識別情報であって利用者が設定した識別情報をさらに含み、前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトの前記識別情報をさらに抽出し、前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記識別情報を前記記憶部に登録する。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記電子文書は、前記仮オブジェクトの配置された位置に配置される予定のオブジェクトの内容に関連する付随情報をさらに含み、前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトについての前記付随情報をさらに抽出し、前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記付随情報を前記記憶部に登録する。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に係る発明において、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された情報を表示部に一覧表示させる処理を行う表示処理部をさらに備える。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記電子文書は、前記仮オブジェクトの配置された位置に配置される予定のオブジェクトの内容に関連する付随情報をさらに含み、前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトについての前記付随情報をさらに抽出し、前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記付随情報を前記記憶部に登録し、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記識別情報と、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記付随情報と、を対応づけて表示部に表示させる処理を行う表示処理部をさらに備える。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に係る発明において、前記仮オブジェクトの配置された位置に配置すべきオブジェクトを特定する指示を受けた場合に、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記配置情報に従って、前記指示によって特定されたオブジェクトを前記電子文書に配置する処理を行う配置処理部をさらに備える。
【0012】
請求項7に係る発明は、オブジェクトの配置が予定される位置に配置された仮のオブジェクトを含む電子文書から、前記電子文書における前記仮オブジェクトの位置及び大きさを表す配置情報を抽出するステップと、前記抽出部が抽出した前記配置情報を記憶部に登録するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によると、電子文書に配置される予定のオブジェクトに関して、電子文書における配置情報を容易に管理できる。
【0014】
請求項2に係る発明によると、電子文書に配置される予定のオブジェクトに対応する仮オブジェクトついて、利用者にとって理解容易な情報と関連付けて管理できる。
【0015】
請求項3に係る発明によると、仮オブジェクトの配置位置に配置すべき実際のオブジェクトの内容に関する情報と関連付けて仮オブジェクトを管理できる。
【0016】
請求項4に係る発明によると、仮オブジェクトに関する情報を利用者に提供することができる。
【0017】
請求項5に係る発明によると、利用者に対し、電子文書に含まれる仮オブジェクトについて利用者にとって理解容易な情報を提供することができる。
【0018】
請求項6に係る発明によると、特定されたオブジェクトを電子文書における仮オブジェクトの位置に容易に配置することができる。
【0019】
請求項7に係る発明によると、電子文書においてオブジェクトが配置される予定の位置及びそのオブジェクトの大きさを表す配置情報を容易に管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態の電子文書処理装置10の構成例を示すブロック図である。電子文書処理装置10は、文書記憶部20に格納された電子文書に対して処理を行う。文書記憶部20は、電子文書を格納する記憶装置である。文書記憶部20は、電子文書処理装置10が備えていてもよいし、電子文書処理装置10とネットワークを介して接続された他の情報処理装置が備えていてもよい。文書記憶部20に格納された電子文書は、例えば、テキストデータ及び画像データを含む。また、この電子文書には、画像が配置される予定の位置に、空の画像などの仮画像が配置される場合がある。
【0021】
図2は、文書記憶部20に格納された電子文書の例を模式的に示す図である。図2では、一例として、電子文書50に含まれる1ページを示す。図2を参照し、電子文書50は、仮画像502を含む。仮画像502は、画像などの実体データが配置される予定の位置に仮に配置されるオブジェクトである。仮画像502は、後に配置予定の画像などの実体データが利用可能になった場合に、その実体データと差し替えられる。ここで、仮画像502と差し替えられる実体データとしては、例えば、図や写真などの画像、表、及び数式オブジェクトなどが挙げられる。なお、以下の説明では、「画像」の用語は、一般的な図及び写真などの画像だけでなく、電子文書に挿入され得る数式及び表などのオブジェクトであって通常のテキストデータと異なるオブジェクト全般を表すものとする。
【0022】
仮画像502は、電子文書50の当該ページにおいて後に画像が配置される予定の位置に配置される。また、仮画像502の大きさは、後にその位置に配置される予定の画像の大きさと同じ大きさに設定される。仮画像502は、例えば、実体的なデータ内容を有しない空画像(白紙画像)であってよい。
【0023】
電子文書50は、例えばワードプロセッサなど、電子文書を作成・編集するソフトウェア(以下、「電子文書作成ソフトウェア」と呼ぶ)を用いてユーザにより作成される。例えば、ユーザは、電子文書50の作成において、電子文書作成ソフトウェアを用いた操作により、電子文書50の所望の位置(後に画像を配置する予定の位置)に、所望の大きさの空画像を仮画像として挿入する。ユーザが仮画像の挿入の操作を行うと、電子文書作成ソフトウェアは、その仮画像に対して電子文書50内で一意な識別子を付与する。ユーザによる仮画像の挿入操作の結果、電子文書50は、各仮画像について、その識別子と、電子文書50内における位置及び大きさを表す配置情報と、を含むものとなる。
【0024】
また、電子文書作成ソフトウェアは、ユーザによる仮画像の識別情報の設定を受け付ける機能を備える場合がある。この場合、例えば、ユーザは、仮画像の位置に配置予定の画像の名称などを当該仮画像の識別情報として設定できる。このような電子文書作成ソフトウェアを用いて作成される電子文書は、仮画像と、その仮画像に関してユーザが設定した識別情報と、を含む。例えば、仮画像の位置に配置予定の画像が図である場合、ユーザは、その仮画像に対して図番号及び図名を設定し、その結果、電子文書50は、その仮画像と、ユーザによって設定された図番号及び図名と、を含むものとなる。
【0025】
また、電子文書作成ソフトウェアは、電子文書50内において、特定の文字列から画像への参照を可能とするリンクを設定する機能を備える場合がある。例えば、電子文書作成ソフトウェアは、電子文書50内の文字列と、電子文書50内の参照先の画像と、を特定する指示を受け付けて、特定された文字列から特定された参照先画像を参照可能とする情報(リンク)を設定する。このようなリンクの設定を電子文書50が含む場合、例えば、電子文書を表示装置に表示させるソフトウェアによって電子文書50が表示される際に、リンクの設定された文字列をユーザがマウスなどの入力装置を用いて指定すると、その文字列の参照先として設定された画像を含むページが表示される。電子文書50において、例えば、ユーザにより設定された仮画像の識別情報(図番号及び図名など)を表す文字列に対して、当該仮画像を参照先とするようなリンクを設定しておくと、当該仮画像が実際の画像と差し替えられた場合に、そのリンクの設定された文字列から差し替え後の画像への参照が可能となる。
【0026】
再び図1を参照し、電子文書処理装置10は、仮画像情報抽出部100、抽出情報DB(データベース)110、表示処理部120、表示部130、及び充当処理部140を備える。
【0027】
仮画像情報抽出部100は、電子文書50から、仮画像に関連する情報を抽出する処理を行う。仮画像情報抽出部100は、基本情報抽出部102及び付随情報抽出部104を備える。基本情報抽出部102は、電子文書50中の仮画像について、その仮画像を識別するための識別情報と、その仮画像の電子文書50における位置及び大きさを含む配置情報と、その仮画像を参照先として設定されたリンクの情報と、を含む基本情報を電子文書50から抽出する処理を行なう。また、基本情報抽出部102は、抽出した基本情報を抽出情報DB110に登録する処理を行う。付随情報抽出部104は、基本情報抽出部102において抽出された情報を用いて、電子文書50中の仮画像の位置に配置される予定の画像の内容に関連する情報である付随情報を電子文書50から抽出し、抽出した情報を抽出情報DB110に登録する処理を行う。
【0028】
抽出情報DB110は、仮画像情報抽出部100において電子文書50から抽出された情報を格納するデータベースである。図3及び図4に、抽出情報DB110のデータ内容の例を示す。
【0029】
図3は、基本情報抽出部102が抽出情報DB110に登録するデータの内容の例を示す。図3に例示する表における1行の情報は、電子文書50に含まれる1つの仮画像に対応する情報レコードである。図3の例では、各仮画像に対応するレコードは、ファイルパス名、仮画像識別子、図番号、図名、リンク、ページ、位置(X,Y)、及び大きさの各項目を含む。ファイルパス名は、そのレコードに対応する仮画像を含む電子文書50が格納されている文書記憶部20における電子文書50の格納位置を示す。仮画像識別子は、そのレコードに対応する仮画像を電子文書処理装置10が識別するための識別子であって、1つの電子文書50内で一意な識別子である。仮画像識別子は、例えば、電子文書50に仮画像が配置される際に電子文書作成ソフトウェアによって付与される識別子である。図番号及び図名は、それぞれ、その仮画像(の位置に配置される予定の画像)に対してユーザが設定した番号及び名称である。つまり、図番号及び図名は、ユーザが設定した仮画像の識別情報である。リンクの項目は、電子文書50において、その仮画像を参照先とする上述のようなリンクが設定されているか否かを表す。図3の例では、リンクの項目の値として、リンクが設定されている場合は「TRUE」、リンクが設定されていない場合は「FALSE」が登録される。ページは、電子文書50において、その仮画像が配置されているページの番号を表す。位置(X,Y)は、その仮画像が配置されている電子文書50のページにおける仮画像の配置位置の座標を表す。図3の例では、仮画像の位置は、仮画像が配置される範囲の形状を長方形とした場合の左上頂点の位置の座標として表される。大きさは、その仮画像の大きさを表す。図3の例では、仮画像の大きさは、「(横のピクセル数)×(縦のピクセル数)」の形式で表される。ページ、位置、及び大きさは、電子文書における仮画像の配置位置及び仮画像の大きさを表す内容であれば、図3に例示した表現形式と異なる形式で登録しておいてもよい。
【0030】
図4は、付随情報抽出部104が抽出情報DB110に格納するデータの内容の例を示す。図4に例示する表における1行の情報は、電子文書50に含まれる1つの仮画像に対応する情報レコードを示す。図4の例では、各仮画像に対応するレコードは、ファイルパス名、仮画像識別子、プレースホルダ名、及び付随情報の各項目を含む。このうち、ファイルパス名及び仮画像識別子は、上記で説明したとおりである。プレースホルダ名は、各仮画像に対応するプレースホルダの名称として後述のプレースホルダ作成部122による処理において用いられる情報である。プレースホルダ名は、例えば、各仮画像についてユーザが設定した識別情報に基づいて決定される。図4の例では、プレースホルダ名は、図3に例示する表の図番号及び図名の各項目に登録された内容を組み合わせて生成される文字列である。付随情報は、その仮画像の位置に配置される予定の画像の内容に関連する情報である。図4の例では、電子文書50に含まれるテキストデータにおいて各仮画像について言及していると判断される部分が付随情報として登録されている。付随情報は、その仮画像について基本情報抽出部102が抽出した情報を用いて付随情報抽出部104によって抽出される。
【0031】
以上では、基本情報抽出部102及び付随情報抽出部104が抽出情報DB110に登録するデータの内容をそれぞれ2つの異なる表(図3及び図4)に例示して説明したが、抽出情報DB110において、必ずしも、基本情報抽出部102及び付随情報抽出部104がそれぞれ登録するデータについて異なるデータテーブルを用いて区別して管理する必要はない。例えば、1つのデータテーブルにおいて、ファイルパス名と仮画像識別子との組に関連付けて、図3及び図4の例においてファイルパス名と仮画像識別子との組に関連付けられる各項目を登録しておいてもよい。
【0032】
また、図3及び図4では、1つの電子文書50(ファイルパス名「C:\pat\abc.doc」)に含まれる各仮画像に対応するレコードのみを示すが、抽出情報DB110には、複数の電子文書50のそれぞれに含まれる各仮画像に対応するレコードが登録されていてよい。
【0033】
再び図1を参照し、表示処理部120は、抽出情報DB110に格納された情報を表示部130に一覧表示させるための処理を行う。表示処理部120は、プレースホルダ作成部122を備える。プレースホルダ作成部122は、抽出情報DB110に登録された各仮画像に対応するプレースホルダを生成し、生成したプレースホルダを図示しない記憶装置に記憶させる。プレースホルダは、実体を持たないオブジェクトであって、一般的なファイルシステムにおけるフォルダに格納され得るオブジェクトである。プレースホルダには、その名称及び関連情報を設定できる。表示処理部120は、プレースホルダ作成部122が生成したプレースホルダを用いて、仮画像に関する情報を表示部130に一覧表示させる。
【0034】
表示部130は、表示処理部120から指示された内容の情報を表示する表示装置である。
【0035】
充当処理部140は、電子文書50中の仮画像を指定された画像に差し替える処理を行う。以下、この差し替え処理を「充当処理」と呼ぶこともある。充当処理部140は、電子文書50中の仮画像のうちの1つと、当該仮画像の位置に配置すべき画像と、を指定する指示を受けて、当該仮画像に対応する抽出情報DB110のレコードから配置情報を取得し、取得した配置情報に従って、指定された画像を当該仮画像の位置に配置する。
【0036】
以下、電子文書処理装置10で行われる処理の内容を詳しく説明する。
【0037】
図5は、仮画像情報抽出部100及び表示処理部120によって行われる処理の手順の例を示すフローチャートである。図5に例示する手順のうち、ステップS10〜S30は、仮画像情報抽出部100による処理であり、ステップS40は、表示処理部120による処理である。
【0038】
仮画像情報抽出部100は、例えば、ユーザによって処理の開始を指示された場合に図5に例示する手順の処理を開始する。以下、ユーザによる処理開始指示には、処理対象の電子文書(以下、「処理対象文書」と呼ぶ)を特定する情報と、処理対象文書に含まれる各仮画像に対応するプレースホルダを記憶する記憶装置における格納位置を特定する情報と、が含まれているものとして説明する。
【0039】
まず、ステップS10で、仮画像情報抽出部100は、文書記憶部20を参照し、処理対象文書を取得する。ユーザによる処理開始指示は、処理対象文書を特定する情報として、例えば、処理対象文書のファイパス名を含み、仮画像情報抽出部100は、このファイルパス名の表す電子文書を文書記憶部20から取得する。
【0040】
次に、ステップS20で、仮画像情報抽出部100の基本情報抽出部102は、処理対象文書に含まれる仮画像についての基本情報を抽出する処理を行う。図6に、図5のステップS20の基本情報抽出処理の詳細手順の例を示す。図5のステップS20の処理が開始されると、図6に例示する手順の処理が開始される。
【0041】
図6を参照し、ステップS202では、基本情報抽出部102は、処理対象文書に仮画像が含まれているか否かを判定する。ここで、例えば、どのような画像が仮画像として処理対象文書中に配置されているかを示す設定情報が、図示しない記憶装置に予め記憶されており、基本情報抽出部102は、この設定情報を参照し、処理対象文書中の仮画像の有無を判定する。本例では、この設定情報は、空画像が仮画像として配置されている旨を示し、基本情報抽出部102は、処理対象文書中に空画像が存在すれば、処理対象文書に仮画像が含まれると判定する。
【0042】
ステップS202で、処理対象文書に仮画像が含まれると判定されると、処理はステップS204に進む。ステップS202で、処理対象文書に仮画像が含まれないと判定されると、基本情報抽出処理は終了する。
【0043】
ステップS204では、基本情報抽出部102は、ステップS202で検出された仮画像のうちの1つについて、識別情報及び配置情報を処理対象文書から抽出する。例えば、当該仮画像の識別情報として、電子文書作成ソフトウェアが当該仮画像に対して付与した仮画像識別子と、ユーザが当該仮画像に対して設定した識別情報(図番号及び図名など)と、が抽出される。配置情報としては、例えば、電子文書50において当該仮画像が配置されているページのページ数、そのページにおける当該仮画像の位置を表す座標、及び、当該仮画像の大きさが抽出される。さらに、基本情報抽出部102は、処理対象文書において、当該仮画像を参照先として設定されたリンクの有無を検出する。
【0044】
ステップS206では、基本情報抽出部102は、ステップS204で抽出した情報を抽出情報DB110に格納する。基本情報抽出部102は、例えば、抽出情報DB110において、その仮画像に対応するレコードを生成し、生成したレコードに、処理対象文書のファイルパス名、仮画像の仮画像識別子、図番号、図名、リンクの有無、仮画像の配置されているページ、位置、及び大きさの各項目を登録する。
【0045】
ステップS208で、処理対象文書中のすべての仮画像について処理が終了しているか否かを判定する。処理対象文書中のすべての仮画像について処理が終了していると判定されると、図6の基本情報抽出処理は終了する。ステップS208で、処理対象文書中のすべての仮画像について処理が終了していないと判定されると、処理はステップS204に戻り、未処理の仮画像について、基本情報の抽出処理(ステップS204)及び抽出情報DB110への登録処理(ステップS206)が行われる。
【0046】
図6に例示する基本情報抽出処理が終了すると、処理は、図5のステップS30へ進む。以下、図6に例示する基本情報抽出処理の終了後、図3に例示する内容のデータが抽出情報DB110に登録された場合を例に説明する。
【0047】
再び図5を参照し、ステップS30で、付随情報抽出部104は、処理対象文書に含まれる仮画像についての付随情報を処理対象文書から抽出する処理を行う。図7に、図5のステップS30の付随情報抽出処理の詳細手順の例を示す。図5のステップS30の処理が開始されると、図7に例示する手順の処理が開始される。
【0048】
図7を参照し、まずステップS302で、付随情報抽出部104は、抽出情報DB110を参照し、処理対象文書に含まれる仮画像に対応するレコードを1つ取得する。例えば、付随情報抽出部104は、抽出情報DB110に登録されたレコードのうち、処理対象文書のファイルパス名と同じファイルパス名が登録されているレコードを1つ取得する。本例では、図3の表における仮画像識別子「PH01」〜「PH05」に対応する5つのレコードのうちの1つがステップS302で取得される。
【0049】
次に、ステップS304で、付随情報抽出部104は、プレースホルダ名を生成する。プレースホルダ名は、仮画像についてユーザが設定した識別情報に基づいて生成される。例えば、付随情報抽出部104は、ステップS302で取得したレコードの図番号及び図名の項目に登録されている内容を組み合わせてプレースホルダ名を生成する。例えば、図3を参照すると、仮画像識別子PH01に対応するレコードを取得した場合、図番号の項目の値「1」と、図名の項目の内容「インパルス波形」と、を組み合わせるとともに、図番号を表す文字列として処理対象文書において予め設定されている文字又は文字列(例えば、「図」、「Fig. 」、及び「Figure 」など)を用いて、「図1 インパルス波形」という文字列をプレースホルダ名として生成する。また、例えば、取得したレコードの図名の項目の値が「null(なし)」である場合、図番号の項目だけを用いてプレースホルダ名を生成する。例えば、図3の仮画像識別子PH03,PH05に対応する各レコードが取得された場合、生成されるプレースホルダ名は、それぞれ、例えば「図3」及び「図5」となる。
【0050】
ステップS306では、付随情報抽出部104は、取得したレコードに対応する仮画像について、電子文書50中に当該仮画像を参照先とするリンクが設定されているか否かを判定する。例えば、付随情報抽出部104は、取得したレコードのリンクの項目の値が「TRUE」であれば、リンクが設定されていると判定し、リンクの項目の値が「FALSE」であれば、リンクが設定されていないと判定する。
【0051】
ステップS306で、リンクが設定されていると判定されると、処理はステップS320へ進み、付随情報抽出部104は、処理対象文書において、取得したレコードに対応する仮画像を参照先とするリンクが設定されている文字列を含む1文を取得する。当該仮画像を参照先とするリンクが設定されている文字列が電子文書50中に複数存在する場合、例えば、当該仮画像の配置情報を参照し、当該仮画像に最も近い位置に存在する文字列を含む1文を取得する。ステップS320の後、処理はステップS324へ進む。
【0052】
ステップS306で、リンクが設定されていないと判定されると、処理はステップS308に進む。ステップS308では、付随情報抽出部104は、図番号に基づくキーワードについて処理対象文書中を全文検索する。例えば、取得したレコードの図番号の項目の値が「1」である場合、図番号を表す文字列として処理対象文書において予め設定されている文字列と、図番号の項目の値「1」と、を結合した文字列(例えば、「図1」、「Fig. 1」、「Figure 1」など)をキーワードとして、処理対象文書中を全文検索する。
【0053】
ステップS310では、ステップS308における検索の結果、図番号に基づくキーワードが処理対象文書中に発見されたか否かを判定する。図番号に基づくキーワードが発見された場合、処理はステップS322に進み、キーワードが発見されなかった場合、処理はステップS312に進む。
【0054】
ステップS312では、仮画像の位置に配置予定の画像を明示的に特定するものではないけれども、その画像について言及するものであると考えられる文字列(例えば、「上図」及び「下図」など)をキーワードとして、処理対象文書において仮画像の配置位置を含む所定の範囲内を検索する。ステップS312では、例えば、処理対象のレコードから対応する仮画像の配置情報を取得し、この仮画像の配置されているページ内を検索する。
【0055】
次に、ステップS314で、ステップS312における検索の結果、キーワードが発見されたか否かを判定する。キーワードが発見された場合、処理はステップS322に進み、キーワードが発見されなかった場合、処理はステップS316に進む。
【0056】
ステップS316では、処理対象の仮画像の付随情報として「なし(null)」を抽出情報DB110に登録する。ステップS316の後、処理はステップS318へ進む。
【0057】
ステップS322では、付随情報抽出部104は、ステップS308における検索又はステップS312における検索によって発見されたキーワードを含む1文を取得する。検索の結果、キーワードが処理対象文書中の複数の箇所に発見された場合、例えば、処理対象の仮画像に最も近い位置にあるキーワードを含む1文を取得する。
【0058】
ステップS324において、付随情報抽出部104は、ステップS320又はステップS322で取得された1文を、処理対象の仮画像の付随情報として、抽出情報DB110の当該仮画像に対応するレコードに登録する。ステップS324の後、処理はステップS318へ進む。
【0059】
ステップS318では、処理対象文書中のすべての仮画像について処理済みであるか否かを判定する。つまり、抽出情報DB110において処理対象文書のファイルパス名と同じファイルパス名が登録されているレコードのすべてについて、処理が行われたか否かを判定する。すべての仮画像について処理済みでない場合は、処理はステップS302に戻り、未処理のレコードが1つ選択されてステップS302以下の処理が行われる。すべての仮画像について処理済みである場合、図7に例示する付随情報抽出処理は終了する。
【0060】
図7に例示する付随情報抽出処理によると、電子文書50に含まれる各仮画像について、その仮画像の位置に配置予定の画像の内容に言及していると考えられる文字列が付随情報として抽出される。以下、図7の付随情報抽出処理の結果、図4に例示する内容のデータが抽出情報DB110に登録された場合について説明する。
【0061】
付随情報抽出処理(図5のステップS30、図7)が終了すると、図5のステップS40の処理が行われる。
【0062】
再び図5を参照し、ステップS40で、表示処理部120のプレースホルダ作成部122は、抽出情報DB110に登録された各仮画像に対応するプレースホルダを作成する処理を行う。プレースホルダ作成部122は、図示しない記憶装置におけるユーザによって指定された位置に、各仮画像に対応するプレースホルダを記憶させる。例えば、図示しない記憶装置における「フォルダA」以下にプレースホルダを記憶させるように、ユーザが指定していた場合、図8に例示するように、図3及び図4に示す仮画像識別子PH01〜PH05の仮画像のそれぞれに対応するプレースホルダ40a〜40eが「フォルダA」以下に生成されて記憶される。また、プレースホルダ作成部122は、例えば、抽出情報DB110において各仮画像に対応するレコードに登録された「プレースホルダ名」の項目の内容を、各仮画像に対応するプレースホルダの名称として記憶させる。また例えば、プレースホルダ作成部122は、抽出情報DB110において各仮画像に対応するレコードに登録された「付随情報」の項目の内容を、各仮画像に対応するプレースホルダの関連情報として記憶させる。
【0063】
プレースホルダ作成部122によるプレースホルダの作成が終了すると、図5に例示する処理は終了する。
【0064】
以上、図5から図8を参照して説明した処理の結果、電子文書に含まれる複数の仮画像のそれぞれについて、当該仮画像の識別情報、配置情報、及び付随情報が関連付けられて抽出情報DB110に登録される。さらに、各仮画像に対応するプレースホルダが作成される。
【0065】
表示処理部120は、プレースホルダ作成部122によって作成されたプレースホルダについて表示部130に表示させる。例えば、表示処理部120は、図9に例示する表示画面30を表示部130に表示させる。図9の例では、各仮画像に対応するプレースホルダの名称と、そのプレースホルダの関連情報として記憶された付随情報と、が対応づけられて一覧表示される。表示処理部120がこのような画面30を表示部130に表示させることで、1つの電子文書50中に、どのような図に対する仮画像が配置されているかを一覧として表す情報がユーザに提示される。
【0066】
表示処理部120が表示部に表示させる画面の態様は、図9の画面30の例の態様に限られない。例えば、表示処理部120は、プレースホルダの関連情報として記憶された付随情報を表示せずに、プレースホルダ名だけを表示部130に一覧表示させてもよい。また、例えば、表示処理部120は、必要に応じて、抽出情報DB110を参照し、各仮画像の配置情報(図3の例では、ページ、位置、及び大きさ)を読み出し、読み出した配置情報を各仮画像に対応するプレースホルダの名称に対応づけて表示させる処理を行ってもよい。
【0067】
ユーザは、例えば、図9のような表示画面30を参照し、電子文書50中の仮画像と、その仮画像と差し替えるべき実際の画像と、を対応づける指示を出すことができる。例えば、表示部130において、図9に例示する表示画面30とともに、画像データを表すアイコン32が表示されている場合に、ユーザは、図示しないマウスなどの入力装置を用いて、アイコン32を指定し、表示画面30に示される「図1 インパルス波形」の部分と対応づける操作(所謂「ドラッグ・アンド・ドロップ」と呼ばれる操作)を行うことで、電子文書50において、「図1 インパルス波形」の名称を有するプレースホルダに対応する仮画像を、アイコン32で表される画像に差し替えるように指示することができる。このような指示が行われると、充当処理部140は、電子文書50中の仮画像を指定された画像に差し替える充当処理を行う。
【0068】
図10は、充当処理部140が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。図10に例示する処理は、例えば、上述のように、ユーザにより、仮画像と、その仮画像と差し替えるべき画像と、を対応づける指示が行われた場合に開始される。
【0069】
図10を参照し、まずステップS50で、充当処理部140は、仮画像と差し替えるように指定された画像を取得する。
【0070】
次に、ステップS60で、充当処理部140は、抽出情報DB110を参照し、差し替え対象として指定された仮画像に対応するレコードから、当該仮画像を含む電子文書50のファイルパス名及び当該仮画像の配置情報(ページ数、位置、大きさ)を取得する。
【0071】
そして、ステップS70で、取得したファイルパス名の電子文書50から当該仮画像を削除し、代わりに、ステップS50で取得された画像を挿入する。このとき、当該仮画像について取得した配置情報に含まれるページ数、位置、及び大きさに従って、取得された画像の電子文書50への挿入が行われる。
【0072】
ステップS80で、充当処理部140は、抽出情報DB110から、ステップS70の充当処理の対象となった仮画像に対応するレコードを削除する。さらに、充当処理部140は、この充当処理の対象となった仮画像に対応するプレースホルダを図示しない記憶装置から削除する。ステップS80の後、充当処理は終了する。
【0073】
図10に例示する充当処理が終了すると、電子文書50において、充当処理の対象となった仮画像が配置されていた位置に、指定された画像が挿入される。図11に、「図1 インパルス波形」に対応する仮画像について、図9のアイコン32で表される画像「Impulse.bmp」を指定して充当処理を行った結果の電子文書50の例を示す。図11を参照すると、充当処理の前に仮画像が配置されていた位置504(図2の仮画像502の位置)に、指定された画像「Impulse.bmp」が配置されている。
【0074】
充当処理において、仮画像のアスペクト比(縦横比)と、その仮画像と差し替えるよう指定された画像のアスペクト比と、が異なる場合は、例えば、仮画像のアスペクト比に合わせて、指定された画像のアスペクト比を変更した上で、指定された画像を仮画像の位置に配置するようにすればよい。他の例では、指定された画像のアスペクト比は固定したまま、仮画像の大きさに収まるように指定された画像を拡大又は縮小してもよい。また例えば、仮画像のアスペクト比と指定された画像のアスペクト比との差が所定の閾値を超える場合に、その旨を示す情報を表示させ、ユーザが充当処理の続行を望むか否かを表す指示の入力を促してもよい。ユーザが充当処理の続行を望む指示を入力した場合は、充当処理部140は、指定された画像のアスペクト比を仮画像のアスペクト比に合わせて変更するか、あるいは、指定された画像のアスペクト比を固定したまま拡大又は縮小した上で、充当処理を実行する。ユーザが充当処理の続行を望まない指示を入力した場合、充当処理部140は、画像の差し替えを行うことなく処理を終了する。
【0075】
図10を参照して説明した充当処理では、指定された画像を電子文書50中の仮画像が配置された位置に挿入する。充当処理の他の例では、指定された画像のファイルを複製し、記憶装置において充当処理の対象の仮画像に対応するプレースホルダを削除した上で、このプレースホルダが格納されていた位置に上述の複製した画像ファイルを記憶させるとともに、電子文書50において、仮画像の配置位置に、上述の画像ファイルの記憶装置における格納位置を示す情報を挿入してもよい。例えば、電子文書50が、XML(Extensible Markup Language)、HTML(HyperText Markup Language)、及びTeXなどのマークアップ言語で記述された電子文書のように、電子文書中に画像ファイルの格納位置を指定する記述を含むことで、その画像の表示を可能とする電子文書である場合に、電子文書中のこの記述を書き換えて、上述の画像ファイルの格納位置を示す記述とすればよい。
【0076】
以上、図5から図10を参照して説明した実施形態の処理では、電子文書50に含まれる各仮画像に対応するプレースホルダが作成され、このプレースホルダを用いて、表示処理部120による表示、及び充当処理部140による処理が行われる。他の実施形態では、図5に例示する処理において、プレースホルダ作成処理(ステップS40)を省略してもよい。プレースホルダを作成しない本例の場合、表示処理部120は、例えば図4に例示するような、抽出情報DB110に登録された情報を用いて、図9に例示するような表示画面30を生成して表示部130に表示させる。この例の場合も、ユーザは、図9のような表示画面30を参照して、例えば、ドラッグ・アンド・ドロップの処理により、仮画像と、差し替え対象の画像と、を対応づける指示を出すことができる。また、充当処理部140は、その指示に従って、図10に例示する充当処理を行うことができる。
【0077】
なお、以上で説明した実施形態では、電子文書50に含まれる仮画像は、すべて図に対応するものであるが、電子文書50は、図に対応する仮画像だけでなく、数式又は表などのオブジェクトに対応する仮画像を含んでいてもよい。この場合、例えば、基本情報抽出処理において、各仮画像と差し替えられるオブジェクトの種類(図、表、及び数式など)を表す識別子を抽出して抽出情報DB110の当該仮画像に対応するレコードに登録しておき、付随情報抽出処理において、各仮画像に対応するオブジェクトの種類に応じたキーワード(例えば、「表1」、「式1」などの文字列)を用いて処理対象文書中の検索を行うことで、各仮画像の付随情報を抽出する。
【0078】
以上で説明した実施形態の電子文書処理装置10は、典型的には、汎用のコンピュータにて上述の電子文書処理装置の各部の機能又は処理内容を記述したプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、図12に示すように、CPU(中央演算装置)60、メモリ(一次記憶)62、各種I/O(入出力)インタフェース64などがバス66を介して接続された回路構成を有する。また、そのバス66に対し、例えばI/Oインタフェース64経由で、キーボードやマウスなどの入力装置68、及び、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置70が接続される。また、バス66には、I/Oインタフェース64を介して、HDD(ハードディスクドライブ)72や、CD、DVD、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体を読み取るためのディスクドライブ74が接続される。このようなドライブ72,74は、メモリに対する外部記憶装置として機能する。実施形態の処理内容が記述されたプログラムがCDやDVDなどの記録媒体を経由して、又はネットワーク経由で、HDD72などの固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがメモリ62に読み出されCPU60により実行されることにより、上述の実施形態の処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の1つの実施形態の電子文書処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】電子文書の内容の例を示す図である。
【図3】抽出情報DBのデータ内容の例を示す図である。
【図4】抽出情報DBのデータ内容の例を示す図である。
【図5】電子文書処理装置における処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図6】基本情報抽出部における処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図7】付随情報抽出部における処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図8】プレースホルダ作成部が作成するプレースホルダのファイルシステムにおけるファイル構成の例を示す図である。
【図9】表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図10】充当処理部における処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図11】電子文書の内容の例を示す図である。
【図12】コンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
10 電子文書処理装置、20 文書記憶部、50 電子文書、62 メモリ、64 I/Oインタフェース、66 バス、68 入力装置、70 表示装置、72 HDD、74 ディスクドライブ、100 仮画像情報抽出部、102 基本情報抽出部、104 付随情報抽出部、110 抽出情報DB、120 表示処理部、122 プレースホルダ作成部、130 表示部、140 充当処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの配置が予定される位置に配置された仮のオブジェクトを含む電子文書から、前記電子文書における前記仮オブジェクトの位置及び大きさを表す配置情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記配置情報を記憶部に登録する登録部と、
を備えることを特徴とする電子文書処理装置。
【請求項2】
前記電子文書は、前記仮オブジェクトの識別情報であって利用者が設定した識別情報をさらに含み、
前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトの前記識別情報をさらに抽出し、
前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記識別情報を前記記憶部に登録することを特徴とする請求項1に記載の電子文書処理装置。
【請求項3】
前記電子文書は、前記仮オブジェクトの配置された位置に配置される予定のオブジェクトの内容に関連する付随情報をさらに含み、
前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトについての前記付随情報をさらに抽出し、
前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記付随情報を前記記憶部に登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子文書処理装置。
【請求項4】
前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された情報を表示部に一覧表示させる処理を行う表示処理部をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の電子文書処理装置。
【請求項5】
前記電子文書は、前記仮オブジェクトの配置された位置に配置される予定のオブジェクトの内容に関連する付随情報をさらに含み、
前記抽出部は、前記電子文書から前記仮オブジェクトについての前記付随情報をさらに抽出し、
前記登録部は、さらに、前記抽出部が抽出した前記付随情報を前記記憶部に登録し、
前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記識別情報と、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記付随情報と、を対応づけて表示部に表示させる処理を行う表示処理部をさらに備える請求項2に記載の電子文書処理装置。
【請求項6】
前記仮オブジェクトの配置された位置に配置すべきオブジェクトを特定する指示を受けた場合に、前記仮オブジェクトについて前記記憶部に登録された前記配置情報に従って、前記指示によって特定されたオブジェクトを前記電子文書に配置する処理を行う配置処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子文書処理装置。
【請求項7】
オブジェクトの配置が予定される位置に配置された仮のオブジェクトを含む電子文書から、前記電子文書における前記仮オブジェクトの位置及び大きさを表す配置情報を抽出するステップと、
前記抽出部が抽出した前記配置情報を記憶部に登録するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−157470(P2009−157470A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332405(P2007−332405)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】