説明

電子時計

【課題】受信した時刻で修正する時刻修正を実行させるための操作と、スイッチ操作で設定した時刻で修正する時刻修正を実行するための操作とを、間違えなく確実に行うことができる電子時計を提供する。
【解決手段】電子時計は、時刻計数手段(45)と、外部時刻受信手段(48)と、外部操作スイッチ(44)と、このスイッチが操作された際の操作時間が所定時間以上か否かを判別する操作状態判別手段(41、S12)と、操作時間が所定時間以上でないと判別された場合に、外部時刻受信手段を制御して外部機器から時刻データを受信して、受信時刻データにより時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段(41、S23、S24、S25、S26)と、操作時間が所定時間以上と判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段(41、S31)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データで時刻修正する電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話と無線でリンク接続され、携帯電話から時刻を受信して、受信した時刻で時刻修正する腕時計が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−118403号広報
【特許文献2】特開2011−47727号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
腕時計は、本来機能として、ユーザが手動でスイッチを操作して時刻を設定して、設定した時刻で時刻修正する機能を通常有している。したがって、上述の携帯電話から時刻を受信して時刻修正できる腕時計では、2つの時刻修正方法を持っている。しかしながら、2つの時刻修正を実行するための操作が全く関連性がないため、操作がわかりにくいという課題が存在していた。とくに、ユーザが手動で時刻を修正する時刻修正は、使用する頻度が少ないため、操作方法を忘れてしまうことが多く、時刻修正の度にマニュアル等を調べる必要あり面倒であった。また、腕時計と携帯電話とがブルートゥース(Bluetooth;登録商標)などの近距離無線通信手段によりリンク接続されていて携帯電話の時刻に合わせる機能が動作中であるにもかかわらず、誤って腕時計の時刻を手動で修正してしまうという課題も存在していた。
【0005】
この発明の目的は、受信した時刻で修正する時刻修正を実行させるための操作と、スイッチ操作で設定した時刻で修正する時刻修正を実行するための操作とを、間違えなく確実に行うことができる電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、
現在時刻データを計数する時刻計数手段と、
外部機器から時刻データを受信する外部時刻受信手段と、
外部から操作可能な外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチが操作された際に、外部操作スイッチの操作時間が所定時間以上か否かを判別する操作状態判別手段と、
この操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上でないと判別された場合に、前記外部時刻受信手段を制御して前記外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段と、
前記操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上と判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段と、
を有することを特徴とする電子時計である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従うと、受信した時刻で修正する時刻修正を実行させるための操作と、スイッチ操作で設定した時刻で修正する時刻修正を実行するための操作とを、間違えなく確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態の電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る電子時計40とリンクされるスマートフォン10の内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る電子時計40がスマートフォン10と無線リンクされている様子を示す図である。
【図4】第1実施形態における電子時計40の時刻修正に係る動作を説明するための図である。
【図5】基本時計モードにおいて、「スマートフォンと時刻合わせを行う処理」に移行するか「手動による時刻修正処理」に移行するかの判別のための制御処理を示すフローチャートである。
【図6】「スマートフォンからの時刻による修正処理」の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】「手動による時刻修正処理」における制御手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態における電子時計40がスマートフォン10とのリンクが切断されている際の時刻修正に係る動作を説明するための図である。
【図9】第2実施形態における電子時計40がスマートフォン10とのリンクが接続されている際の時刻修正に係る動作を説明するための図である。
【図10】第2実施形態における電子時計40のスイッチS2がONしてから1秒以上経ってからOFFされたときの、「時刻修正処理」を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子時計40の内部構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態に係る電子時計40とリンクされるスマートフォン10の内部構成を示すブロック図である。図3は、第1実施形態に係る電子時計40がスマートフォン10と無線リンクされている様子を示す図である。
【0011】
電子時計40は、図1に示すように、機器の全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)41と、CPU41が実行する制御プログラムや制御データを格納したROM(Read Only Memory)42と、CPU41に作業用のメモリ領域を提供するRAM(Random Access Memory)43と、外部から操作可能で、モードを切換用のスイッチ及び外部から操作可能で、外部から時刻データを設定するための複数のスイッチを有するスイッチ部44と、現在時刻データを計数する時刻計数手段としての計時回路45と、電子時計40本体の正面部に設けられ時刻表示や種々の機能表示を行うLCD(液晶表示部)46と、LCD46を駆動する液晶ドライバ47と、アンテナAN41を介して近距離無線通信を行うブルートゥースモジュール48(外部時刻受信手段)と、ブルートゥースモジュール48を介して送受信されるデータに対してシリアル/パラレル変換等のデータ処理を行うUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)49と、振動によりユーザに通知を行う振動モータ50およびそのドライバ51と、発光点滅等によりユーザに通知を行ったり文字盤を照らしたりする発光ダイオード52およびそのドライバ53と、ブザー音によりユーザに通知を行うピエゾ素子54およびそのドライバ55と、CPU41と各部との間で信号をやり取りするバス56等を備えている。ここで、外部操作部は操作ボタンの他、タッチセンサなども含まれる。
【0012】
スマートフォン10は、図2に示すように、機器の全体的な制御を行うCPU11と、CPU11が実行する制御プログラムや制御データを格納したROM12と、CPU11に作業用のメモリ空間を提供するRAM13と、複数の操作キーを有する操作部14と、種々の機能表示を行うLCD(液晶表示部)15およびその表示ドライバ16と、通話時の音声入出力を行うスピーカ17およびマイク18と、入出力される音声信号とデジタルデータとの相互変換を行うコーデック19と、アンテナAN11を介して基地局との間で無線信号の送受信を行うRF送受信回路20と、コーデック19から入出力される通話音声のデジタルデータや種々の送受信データの変調および復調処理を行う通信回路21と、アンテナAN12を介して近距離無線通信を行うブルートゥースモジュール22と、ブルートゥースモジュール22を介して送受信されるデータに対してシリアル/パラレル変換等のデータ処理を行うUART23と、振動により着信を知らせる振動モータ24およびそのドライバ25と、現在時刻を計数する内蔵時計27と、CPU11と各部との間で信号をやりとりするバス28等を備えている。
【0013】
図3にて、外部機器として例示するスマートフォン10は、既述のように、基地局との無線通信機能に加えて、ブルートゥースなどの近距離無線通信機能を有している。電子時計40は、既述のように、ブルートゥースなどの近距離無線通信機能を有し、スマートフォン10とデータ通信を行うことが可能になっている。
【0014】
電子時計40とスマートフォン10においては、予めペアリング処理を行っておくことで鍵データが生成されてメモリに登録され、電子時計40とスマートフォン10が近くにある状態で両者のブルートゥースモジュール48,22を作動させることで、自動的に通信リンクが確立して相互のデータ通信が可能とされる。
【0015】
スマートフォン10のROM12には、電子時計40から受信した時刻データの送信要求に基づきブルートゥース通信により時刻データを電子時計40に送信する時刻データ送信プログラムが格納されている。また、電子時計40から受信した時刻更新処理の要求に基づいてRF送受信回路20と通信回路21を利用して基地局から外部の時刻サーバに接続して時刻データを取得し、この時刻データにより内蔵時計27の時刻の更新を行う時刻更新処理のプログラムが格納されていてもよい。CPU11は、電子時計40からの要求に基づいてこれらのプログラムを実行する。
【0016】
また、電子時計40のROM42には、スマートフォン10からの時刻データに基づき時刻修正を行う“スマートフォンからの時刻による修正処理”のプログラム、手動による時刻修正のプログラムなどが格納されている。
【0017】
次に、電子時計40の時刻修正に係る動作について図4から図7を参照して説明する。
【0018】
図4は、第1実施形態における電子時計40の時刻修正に係る動作を説明するための図である。図4(a)は電子時計40が基本時計モードで動作している状態を、図4(b)は電子時計40がスマートフォン10と時刻合わせを行うモードに移行した状態を、図4(c)は、手動による時刻修正モードに移行した状態をそれぞれ示す図である。
【0019】
図4(a)に示す基本時計モードでは、電子時計40のLCD(液晶表示部)46上に、月、日、曜日、時刻(時間、分、秒)情報がデジタル表示されている。S2は、図1のスイッチ部44のモード切換用のスイッチに相当し、S1、S3、S4は、時刻データを設定するためのスイッチに相当する。
【0020】
基本時計モードにおいて、ユーザがS2スイッチをオンしてから1秒未満の所定の時間にオフしたとき(S2操作指令と称する)、CPU41は、電子時計40を「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」に移行させ、「スマートフォンと時刻合わせを行う処理」を実行する。
【0021】
一方、基本時計モードにおいて、ユーザがS2スイッチをオンしてから1秒以上経てからオフしたとき(S2ホールド操作指令と称する)、CPU41は、電子時計40を「手動による時刻修正モード」に移行させ、「手動による時刻修正処理」を実行する。
【0022】
図5は、基本時計モードにおいて、「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」に移行するか「手動による時刻修正モード」に移行するかの判別のための制御処理を示すフローチャートである。CPU41は、外部からの操作指令としてユーザがS2スイッチを一定時間オンしたかを確認する(ステップS11)。S2スイッチが一定時間オンされていなければ、「NO」へ分岐してそのまま終了する。一方、S2スイッチが一定時間以上オンされていれば「YES」へ分岐して、ステップS12へ移行する。ここで、一定時間とは1秒未満の時間であって、スイッチS2出力がノイズではないことを確保するために必要な時間である。ステップS12では、S2スイッチがオンされて1秒以上経てからオフされたか確認する。そして、1秒以上経てオフされたと判別されたら「YES」へ分岐して「手動による時刻修正モード」へ移行する。1秒未満でオフされたと判別されたら、「NO」へ分岐して「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」へ移行する。ここで、「1秒」は「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」と「手動による時刻修正モード」を判別するための「所定の時間」の1例である。また、CPU41とステップ12とが、モード切替用のスイッチS2が所定時間未満の一定時間押されたか、または、所定時間以上押されたかのいずれかを判別する操作状態判別手段に相当する。
【0023】
電子時計40がスマートフォン10と時刻合わせを行う「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」へ移行した場合における、電子時計40の時刻修正に係る動作について図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、「スマートフォンと時刻合わせを行う処理」の制御手順を示すフローチャートである。
【0024】
「スマートフォンと時刻合わせを行う処理」が開始されると、先ず、CPU41は、スマートフォン10との通信リンクが確立されているかを確認する(ステップS21)。通信リンクが確立されていなければ、「NO」へ分岐してスマートフォンとのリンク処理を行う(ステップS22)。通信リンクが確立されていれば、「YES」へ分岐してステップS23へ移行する。
【0025】
ステップS23へ移行すると、次に、CPU41は、スマートフォン10からデバイスコードを受信する。そして、CPU41は、スマートフォン10に時刻データを要求するように指令を送る(ステップS24)。この際、電子時計は、スマートフォン10に、時刻データを更新するように指令を送り、スマートフォン10がこの時刻データ更新指令を受けて、スマートフォン10の基地局を介して通信ネットワーク上の時刻サーバから時刻データを取得し、スマートフォン10が保持する時刻データを更新するようにしてもよい。そして、CPU41は、スマートフォン10から時刻データを受信する(ステップS25)。次に、CPU41は計時回路45の時刻をスマートフォン10から取得した時刻に更新して(ステップS32)、スマートフォンからの時刻による修正処理を終了する。ここで、CPU41、ステップS23、ステップ24、ステップ25、ステップS26が第1時刻修正手段である。
【0026】
図7は、「手動による時刻修正処理」における制御手順を示すフローチャートである。「手動による時刻修正処理」において、CPU41はROM42に格納されている手動による時刻修正のプログラムを基に、手動により時刻を合わせる(ステップ31)。ここで、CPU41およびステップS31が第2時刻修正手段である。「手動による時刻修正モード」では具体的には、CPU41はROM42に格納されている手動による時刻修正のプログラムを基に、LCD(液晶表示部)46内の月、日、曜日、時刻(時間、分、秒)のいずれかの種別表示を点滅状態にさせる(図4(C)参照)。その状態にて、例えば、外部からの操作指令としてユーザがスイッチS1をONすると、秒表示が進み(秒数字の値が増加する)、外部からの操作指令としてユーザがスイッチS4をONさせると、秒表示が遅れる(秒数字の値が減少する)。次に、ユーザがスイッチS3をオンすると、秒表示の修正が確定するとともに、異なる種別表示が点滅する。ここで、スイッチS3は、ユーザが時刻合わせすべき種別表示の点滅を切り替えるためのスイッチである。ユーザは、上述のように、S1スイッチまたはS4スイッチにより、点滅している種別表示の値を増減させて時刻修正する。必要な種別の時刻の値を修正したらユーザはスイッチS2を1操作することで、終了する。
【0027】
以上のように、本実施形態の電子時計は、ユーザにより一つのスイッチを短時間ONされた時はスマートフォンと電子時計の時刻を合わせるモードへ移行し、長時間ONされた時は手動による時刻修正モードへ移行するようにしたので、時計の時刻を合わせる操作が分かり易い。
【0028】
また、外部機器と無線通信を行う無線通信手段を備え、外部時刻取得手段は、無線通信手段を介した無線通信により外部機器から時刻データを取得する手段を備えているので、時刻データを確実に取得することができる。
【0029】
[第2実施形態]
第1実施形態に係る電子時計では、外部からの操作指令としてユーザがS2スイッチをオンしている長さの長短に応じて「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」、「手動による時刻修正モード」という異なるモードに移行する。一方、第2実施形態に係る電子時計40は、S2スイッチがオンされて1秒以上経てからオフされた場合において、電子時計40とスマートフォン10のリンク状態に応じて時刻修正処理の内容を異ならせている。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。従って、以下では異なる点のみ説明する。
【0030】
図8は、第2実施形態に係る電子時計40がスマートフォン10とのリンクが切断されている際の時刻修正に係る動作を説明するための図である。図8(a)は電子時計40が基本時計モードで動作している状態を、図8(b)は電子時計40が手動による時刻修正モードに移行した状態を示す図である。このように、電子時計40がスマートフォン10とのリンクが切断されている場合には、外部からの操作指令としてユーザによりスイッチS2がONしてから1秒以上経ってからOFFしたとき、電子時計40は手動修正処理モードに入る。
【0031】
図9は、第2実施形態における電子時計40がスマートフォン10とのリンクが接続されている際の時刻修正に係る動作を説明するための図である。図9(a)は、電子時計40が基本時計モードで動作している状態を示す図である。図9(b)は、リンク接続時において、S2ホールド操作指令がなされたときの電子時計40の状態を示す図である。このように、電子時計40がスマートフォン10とのリンクが接続されている場合には、電子時計40のスイッチS2がONしてから1秒以上経ってからOFFされたとき、電子時計40は「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」に移行する。
【0032】
図10は、電子時計40のスイッチS2がONしてから1秒以上経ってからOFFされたときに実行される「時刻修正処理」を説明するためのフローチャートである。電子時計40の時刻修正に係る動作について図10のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
「時刻修正処理」が開始されると、先ずCPU41は、スマートフォン10との通信リンクが接続されているかを判別する(ステップS41)。ここで、CPU41およびステップS41が受信状態判別手段である。通信リンクが接続されていれば、ステップS41で「YES」へ分岐して、「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」へ移行し、ステップS43以降の「スマートフォンと時刻合わせを行う処理」を実行する。通信リンクが接続されていなければ、「NO」へ分岐して「手動による時刻修正モード」へ移行して、「手動による時刻修正処理」を実行する(ステップS42)。
【0034】
ステップS43へ移行すると、次に、CPU41はスマートフォン10からデバイスコードを受信する。そしてCPU41は、スマートフォン10に時刻データを要求するように指令を送る(ステップS44)。この際、電子時計は、スマートフォン10に、時刻データを更新するように指令を送り、スマートフォン10がこの時刻データ更新指令を受けて、スマートフォン10の基地局を介して通信ネットワーク上の時刻サーバから時刻データを取得し、スマートフォン10が保持する時刻データを更新するようにしてもよい。そして、CPU41は、スマートフォン10から時刻データを受信する(ステップS45)。次にCPU41は、計時回路45の時刻をスマートフォン10から取得した時刻に更新して(ステップS46)、スマートフォンからの時刻による修正処理を終了する。ここで、CPU41およびステップS43からステップS46が第1時刻修正手段である。
【0035】
一方、通信リンクが接続されていない状態では「手動による時刻修正モード」へ移行して、「手動による時刻修正処理」を実行する(ステップS42)。ステップS42では、CPU41はROM42に格納されている手動による時刻修正のプログラムを基に、手動による時刻修正処理を行う。ここで、CPU41およびステップS42が第2時刻修正手段である。なお、ステップS42は上述のステップ31と同じステップである。
【0036】
以上のように、本実施形態の電子時計では、一つのスイッチが所定時間以上ONされた時、リンク切断中は「手動による時刻修正モード」へ移行し、リンク接続中は「スマートフォンと時刻合わせを行うモード」を行うようにしたので、時計の時刻を合わせる操作が分かり易く、リンク接続中に誤って電子時計の時刻を手動で修正してしまうことが防止できる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記の実施形態では通信手段としてブルートゥースのモジュールを例示したが、例えば、WibreeやZigBee(登録商標)などの各種の省電力短距離無線通信を適用することもできるし、また、独自規格の短距離無線通信や、短距離無線通信以外の他の無線通信を適用することもできる。また、赤外線通信のように、光学的な通信を適用することもできる。
【0038】
また、上記の実施形態では、腕時計型の電子時計40で説明したが、腕時計型の電子時計に限定する必要はない。持ち運び可能な時計(懐中時計、ペンダント型時計、キーホルダ型時計など)や持ち運び可能な物に付したり、持ち運び可能な物に組み込まれている時計であっても良いし、また、据置き型のクロック、時計機能を備えた据置き型電子機器であってもよい。また、外部機器としてスマートフォンを例示したが、普通の携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)などの電子機器であってもよいし、また、時刻データを送信する送信装置、放送装置等でもよい。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
<請求項1>
現在時刻データを計数する時刻計数手段と、
外部機器から時刻データを受信する外部時刻受信手段と、
外部から操作可能な外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチが操作された際に、外部操作スイッチの操作時間が所定時間以上か否かを判別する操作状態判別手段と、
この操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上でないと判別された場合に、前記外部時刻受信手段を制御して前記外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段と、
前記操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上と判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段と、
を有することを特徴とする電子時計。
<請求項2>
現在時刻データを計数する時刻計数手段と、
外部機器から時刻データを受信する外部時刻受信手段と、
外部から操作可能な外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチが操作された際に、前記外部時刻受信手段が前記外部機器から時刻データを受信可能状態にあるか否かを判別する受信状態判別手段と、
この受信状態判別手段により受信可能状態であると判別された場合に、前記外部時刻受信手段を制御して前記外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段と、
前記受信状態判別手段により受信可能状態でないと判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段と、
を有することを特徴とする電子時計。
<請求項3>
前記外部時受信手段は、無線通信により前記外部機器から時刻データを受信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子時計。
【符号の説明】
【0040】
10 スマートフォン
22 ブルートゥースモジュール
27 内蔵時計
40 電子時計
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 スイッチ部
45 計時回路(時刻計数手段)
46 LCD(液晶表示部)
48 ブルートゥースモジュール(外部時刻受信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻データを計数する時刻計数手段と、
外部機器から時刻データを受信する外部時刻受信手段と、
外部から操作可能な外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチが操作された際に、外部操作スイッチの操作時間が所定時間以上か否かを判別する操作状態判別手段と、
この操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上でないと判別された場合に、前記外部時刻受信手段を制御して前記外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段と、
前記操作状態判別手段で、前記外部操作スイッチの操作時間が前記所定時間以上と判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段と、
を有することを特徴とする電子時計。
【請求項2】
現在時刻データを計数する時刻計数手段と、
外部機器から時刻データを受信する外部時刻受信手段と、
外部から操作可能な外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチが操作された際に、前記外部時刻受信手段が前記外部機器から時刻データを受信可能状態にあるか否かを判別する受信状態判別手段と、
この受信状態判別手段により受信可能状態であると判別された場合に、前記外部時刻受信手段を制御して前記外部機器から時刻データを受信して、受信した時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第1の時刻修正手段と、
前記受信状態判別手段により受信可能状態でないと判別された場合に、外部からスイッチ操作により設定された時刻データにより前記時刻計数手段の現在時刻データを修正する第2の時刻修正手段と、
を有することを特徴とする電子時計。
【請求項3】
前記外部時受信手段は、無線通信により前記外部機器から時刻データを受信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−3119(P2013−3119A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137932(P2011−137932)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】