説明

電子書籍ゲーム装置

【課題】漫画や小説などの書籍のコンテンツを読む楽しむ電子書籍ゲームをプレイヤに提供する。
【解決手段】コンテンツデータをディスプレイに順次表示させることで、書籍コンテンツの閲覧が可能な装置において、コンテンツデータには、書籍の内容を示すオリジナルコンテンツデータ及びテキストファイル又はゲームデータファイルからなるイベントデータが格納されている。オリジナルコンテンツデータの表示に際して、表示すべきオリジナルコンテンツデータにイベントデータが設定されているか否かを判定する手段、イベントデータが設定されているものと判定したオリジナルコンテンツデータの表示に際して、イベントが存在することを告知するイベント誘導アイコンをプレイヤが選択可能に表示する手段、イベント誘導アイコンの選択信号に対応して、選択されたイベント又はゲームをディスプレイ上で実行する手段を有する電子書籍ゲーム装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンロードされた漫画や小説などの書籍のコンテンツを読む楽しみと、当該書籍のコンテンツに関連付けられたテキストデータやミニゲームをプレイヤに提供し、楽しませることの可能な電子書籍ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電子書籍装置では、例えば特許文献1に示すように、漫画を表示するに際して、効果音を出力したり、漫画の各コマの映像や台詞が表示される吹き出しを拡大表示したりして、迫力有る表示を行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−279398
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした装置は、あくまでも漫画や小説などの書籍のコンテンツをいかに効果的に表示するかが問題となっており、従来の紙の書籍が提供するコンテンツ以上の内容を提供するものではなく、書籍コンテンツを利用した新たな楽しみを提供することの出来る電子書籍ゲーム装置の開発が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、漫画や小説などの書籍のコンテンツを読む楽しみと、当該書籍のコンテンツに関連付けられたテキストデータやゲームをプレイヤに提供し、楽しませることの可能な電子書籍ゲーム装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点は、複数のコマ画像(FMG,FMG1,FMG2,FMG3)又はテキストデータを有する書籍を電子化して構成される書籍コンテンツを、コンテンツデータ(BCD)としてメモリに格納し、該コンテンツデータ(BCD)を、ディスプレイ(3)に順次表示させることで、前記書籍コンテンツの閲覧が可能な装置において、
前記コンテンツデータ(BCD)は、前記書籍の内容を示すオリジナルコンテンツデータ(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)がそれらコンテンツデータ相互間を識別するための識別データ(FN)と共に格納されており、更に前記コンテンツデータには、対応する前記識別データ(FN)と関連付けれられる形でテキストファイル(例えば「テキスト001」ファイル)又はゲームデータファイル(例えば「ミニゲーム01」ファイル)からなるイベントデータ(IST)が格納されており、
前記装置は、
前記識別データに対応するオリジナルコンテンツデータの前記ディスプレイ(3)への表示に際して、前記イベントデータ(IST)を参照して、当該表示すべきオリジナルコンテンツデータ(FMG)に前記イベントデータ(IST)が設定されているか否かを判定するイベント設定判定手段(11)、
前記イベント設定判定手段(11)が前記イベントデータ(IST)が設定されているものと判定した前記オリジナルコンテンツデータ(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)の表示に際して、当該オリジナルコンテンツデータに設定されているイベントが存在することを告知するイベント誘導アイコン(GE1,GE2)を前記オリジナルコンテンツデータの画像(FMG)と共に前記ディスプレイ(3)に、プレイヤが選択可能に表示する、誘導アイコン表示手段(11)、
入力手段(3a)を介して入力された前記イベント誘導アイコン(GE1,GE2)の選択信号に対応して、該選択されたイベント誘導アイコンに対応した前記テキストファイルに示されたテキストを提示するイベント又はゲームデータファイルに格納されたゲームを前記ディスプレイ(3)上で実行するイベント実行手段(10,11)を、
有する点である。
【0007】
本発明の第2の観点は、前記書籍は、複数のコマ画像(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)から構成される漫画であり、
前記オリジナルコンテンツデータは、それぞれにコマ番号(FN)が前記識別データとして附された前記複数のコマ画像(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)を有し、
前記イベント誘導アイコン(GE1,GE2)は、前記特定のコマ番号(FN)に関連付けられる形で設定されている点である。
【0008】
本発明の第3の観点は、前記イベント実行手段(10,11)は、前記テキストを提示するイベントを、それまでディスプレイ(3)に表示された前記テキストを提示するイベントに関連するコマ画像(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)と共に表示することで実行することを特徴とする点である。
【0009】
本発明の第4の観点は、前記イベント実行手段(10,11)は、前記ゲームの実行を、それまでディスプレイに表示された前記ゲームの実行に関連するコマ画像(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)の表示を中断して実行することを特徴とする点である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、書籍のコンテンツデータ(BCD)として、書籍の内容を示すオリジナルコンテンツデータ(FMG、FMG1,FMG2,FMG3)と、該オリジナルコンテンツデータに関連づける形でテキストファイル(例えば「テキスト001」ファイル)又はゲームデータファイル(例えば「ミニゲーム01」ファイル)からなるイベントデータ(IST)を格納しておき、イベント実行手段(10,11)が、入力手段(3a)を介して入力されたイベント誘導アイコン(GE1,GE2)の選択信号に対応して、該選択されたイベント誘導アイコンに対応したテキストファイルに示されたテキストを提示するイベント又はゲームデータファイルに格納されたゲームをディスプレイ(3)上で実行するように制御するので、ダウンロードされた漫画や小説などの書籍のコンテンツを読む楽しみと、当該書籍のコンテンツに関連付けられたテキストデータやゲームをプレイヤに提供し、楽しませることが可能となる。
【0011】
また、イベントの実行に際しては、誘導アイコン表示手段(11)が、オリジナルコンテンツデータに設定されているイベントが存在することを告知するイベント誘導アイコン(GE1,GE2)をオリジナルコンテンツデータの画像(FMG)と共にディスプレイ(3)に、プレイヤが選択可能に表示するので、書籍本体のコンテンツに加えてイベントを楽しむか否かは純粋にプレイヤの意志に任され、書籍本来のコンテンツを楽しむ行為が阻害されることが無く、多様なプレイヤのニーズに答えることが出来る。
【0012】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明が適用される電子書籍ゲーム装置の制御ブロック図の一例。
【図2】図2は、本発明が適用される電子書籍ゲーム装置に漫画の1頁が表示されている一例を示す外観図。
【図3】図3は、本発明が適用される電子書籍ゲーム装置に漫画の1コマが拡大表示されている一例を示す図。
【図4】図4は、本発明が適用される電子書籍ゲーム装置に漫画の1コマが拡大表示されている別の一例を示す図。
【図5】図5は、イベントスケジュールテーブルの一例を示す模式図。
【図6】図6は、本発明が適用される電子書籍ゲーム装置に漫画の1コマが拡大表示されている一例を示す図。
【図7】図7は、閲覧制御プログラムの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0015】
図2はコンピュータを構成する電子書籍ゲーム装置1を示している。電子書籍ゲーム装置1は、プレイヤによる携帯が可能な、薄い板状に形成された本体2を有しており、本体2には、液晶ディスプレイ3が設けられており、ディスプレイ3は入力手段としてのタッチパネル3cを兼ねている。ディスプレイ3には、図示しない本体2内に設けられた入力表示制御部を介してキーボードアイコンなどの適宜な入力アイコンを表示させることが出来、プレイヤはディスプレイ3に表示された入力アイコンなどをタッチすることで、書籍データのダウンロード、画面の切り換え、書籍のページの切換など各種の操作を行うことが出来る。こうした操作は、既に公知の事項であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0016】
図1は電子書籍ゲーム装置1の本体2内に設けられた制御装置5の構成を示している。制御装置5は、主制御部6を有しており、主制御部6には、バス線7を介して、インターネットなどの公衆通信回線に接続される通信制御部8,ページ閲覧制御部9,アイコン操作検出判定制御部10、イベント実行制御部11,コンテンツメモリ12,前述したディスプレイ3及びタッチパネル3aが接続している。なお、本図は、本発明に関係する部分のみを例示的に示したものであり、実際の電子書籍ゲーム装置1の全ての構成を示すものではない。
【0017】
また、図1に示す電子書籍ゲーム装置1は、実際にはコンピュータが、図示しないプログラムメモリ等のメモリに格納された制御プログラムを読み出して、実行することで、図示しないCPUやメモリが、マルチタスクにより時分割的に動作し、図1に示す各ブロックに示された機能を実行してゆくこととなる。しかし、電子書籍ゲーム装置1を、各ブロックに対応したハードウエアで構成することも可能であり、また各ブロックを各ブロックに分散的に設けられたCPU又はMPUにより制御するように構成することも可能である。
【0018】
以上の構成の電子書籍ゲーム装置1では、まず、プレイヤは、コンテンツメモリ12に格納された書籍コンテンツデータBCDを読み出しディスプレイ3に表示するように、タッチパネル3aに表示される適宜なアイコンを操作することで主制御部6に対して指令する。コンテンツメモリ12には、図示しない書籍コンテンツサーバーから公衆通信回線及び通信制御部8を介してダウンロードされた電子書籍のコンテンツデータBCDが、一書籍分以上格納されており、プレイヤはコンテンツメモリ12に格納された複数の書籍に関するコンテンツデータBCDから、自分が読みたい書籍に対応するコンテンツデータBCDの読み出しをタッチパネル3aを介して指示する。
【0019】
なお、電子書籍ゲーム装置1の電源が投入された時点で、主制御部6は、図示しないシステムプログラムメモリから閲覧制御プログラムRCPを読み出し、該読み出された閲覧制御プログラムRCPに基づいて、プレイヤによるコンテンツデータBCDの閲覧を制御する。タッチパネル3aから、コンテンツメモリ12に格納されたコンテンツデータBCDの読み出し指令が、プレイヤにより入力されると、閲覧制御プログラムRCPは、ステップS1からステップS2に入り、ページ閲覧制御部9に対して、対応するコンテンツデータBCDをコンテンツメモリ12から読み出してディスプレイ3に表示するように指令する。これを受けて、ページ閲覧制御部9は、コンテンツメモリ12に格納された、読み出しを指令されたコンテンツデータBCDを読み出して、図2に示すように、電子化された書籍、本実施例の場合、漫画を通常の紙媒体における漫画の1ページ単位の画像であるページ画像PIGの形で、即ちページ表示モードでディスプレイ3上に、表示する(図7のステップS3)。図2に示すページ画像PIGは、後述するオリジナルコンテンツデータとしての3コマのコマ画像FMG1,FMG2,FMG3から構成されているが、ページ画像PIGの1ページ当たりのコマ画像FIGの数は任意である。また、図2の場合は、コマ画像FIG3のみに、具体的な漫画の画像が示され、コマ画像FMG1及びFMG2には、漫画画像が示されていない、これは図面作成の都合上の問題であり、実際には、何らかの具体的な漫画画像が書籍のオリジナルコンテンツとして示されている。
【0020】
プレイヤは、タッチパネル3a上で指を適宜な方向に移動させることでページ切り換え信号を出力させ、当該ページ切り換え信号によりページ閲覧制御部9が、ディスプレイ3に表示されているページ画像PIGを、1ページづつ進ませたり、戻したりさせて、コンテンツデータBCDを順次、表示させてゆくことが出来る。従って、この状態で、プレイヤはディスプレイ3に表示される漫画の画像を1ページずつ読んで行くことが出来る。
【0021】
なお、電子書籍ゲーム装置1には、書籍を1ページずつ表示するページ表示モードの他に、コマ画像FMG毎に順次ディスプレイ3に表示してゆくコマ画像表示モードがあり、プレイヤは適宜な時点でタッチパネル3a(ディスプレイ3)上にページ閲覧制御部9により表示態様を選択するためのアイコン(図示せず)を表示させ、当該アイコンを接触操作することで、主制御部6に対して表示モードをページ表示モードからコマ画像表示モードに切り換えるように指令することが出来る。該指令が入力されると、主制御部6は、閲覧制御プログラムRCPのステップS4及びステップS5に入り、ページ閲覧制御部9を介して、コンテンツデータBCDの表示態様を、1ページ毎のページ表示モードから、コマ画像FMG毎のコマ画像表示モードに切り換える。
【0022】
コマ画像表示モードでは、図3に示すように、漫画を構成する各コマ画像FMGが、漫画を読み進める順番で順次、ディスプレイ3の全面に表示される。このコマ画像表示モードでは、漫画の各コマ画像FMGのほかに、当該コマ画像FMGに関連するデータをテキストデータで表示させたり、当該コマ画像FMGに関連するミニゲームをプレイヤの選択で行うことが出来るように、設定されている。
【0023】
即ち、主制御部6は、閲覧制御プログラムRCPのステップS5で表示モードがコマ画像表示モードに入ると、閲覧制御プログラムRCPのステップS6に入り、コンテンツデータBCDに属性データとして、当該漫画(書籍)に関するイベントスケジュールデータが設定されていないかを検索し、イベントスケジュールデータがテーブルやプログラムの形で設定されている場合には、閲覧制御プログラムRCPのステップS7に入り、当該イベントスケジュールデータをコンテンツメモリ12から読み込むように、イベント実行制御部11に対して指令する。
【0024】
イベントスケジュールデータは例えば、図5に示すように、イベントスケジュールテーブルISTの形でコマ番号FN毎に検索可能に格納されており、イベントスケジュールテーブルISTは、イベントを実行すべき漫画のコマの識別番号(通常、漫画の冒頭のコマから順番に番号が振られている)を示すコマ番号FN、イベントがテキストデータをプレイヤに示すテキスト提示イベントであるのか、ミニゲームをプレイヤに行わせるゲームイベントなのかを示すイベント種類EK、アイコンのディスプレイ3上での表示座標位置を示す表示位置LC、具体的な処理内容を示す処理PSなどから構成されている。即ち、イベントを実行すべき漫画のコマのコマ番号FNには、当該コマ番号FNで実行可能なイベントのイベント種類EK、アイコンのディスプレイ3上での表示座標位置を示す表示位置LC、具体的な処理内容を示す処理PS等のイベントデータが格納されている。
【0025】
例えば、図5の場合、コマ番号FNが「12」のコマにイベントが設定されており、当該イベントは、イベント種類EKが「A」、即ちテキストデータをプレイヤに示すテキスト提示イベントであり、更に、テキスト提示イベントが有ることをプレイヤに告知するアイコンのディスプレイ3上での表示位置LCが座標「○○○○○」で示され、イベントで表示されるべきテキストのテキストデータの格納ファイル名「テキスト001」が処理PSとして規定されている。同様に、コマ番号FNが「25」のコマにもイベントが設定されており、当該イベントは、イベント種類EKが「B」、即ちミニゲームをプレイヤに行わせるゲームイベントであり、更に、ゲームイベントが有ることをプレイヤに告知するアイコンのディスプレイ3上での表示位置LCが座標「××××」で示され、イベントで実行されるミニゲームのゲームデータの格納ファイル名「ミニゲーム01」が処理PSとして規定されている。コマ番号FNが「33」についても同様である。
【0026】
イベント実行制御部11は、ページ閲覧制御部9によってディスプレイ3に表示される漫画のコマが変わる毎に、イベントスケジュールテーブルISTを検索し、現在ディスプレイ3に表示されているコマ番号FNに何らかのイベントスケジュールデータが設定されていないかどうかを、イベントスケジュールテーブルISTに格納されたコマ番号FNを検索することで判定する。現在ディスプレイ3に表示されているコマ番号FNがイベントスケジュールテーブルISTに格納されていた場合には、当該コマ番号FNに何らかのイベントが設定されているものと判断し、当該コマ番号FNのイベントスケジュールデータをイベントスケジュールテーブルISTから読み込み所定の処理を行う。即ち、イベント実行制御部11は、イベントスケジュールテーブルISTの現在ディスプレイ3に表示されているコマ番号FNに対応する形で格納されたアイコンの表示位置LCを読み出し、ディスプレイ3上の当該アイコンの表示位置LCにイベント種類EKに応じたデザインの異なるイベントアイコンGE1又はGE2を、図3又は図6に示すように表示させる。図3に示すアイコンGE1は、当該コマ番号FNのコマ画像FMGに設定されているイベントがテキスト提示イベントであることを示し、図6に示すアイコンGE2は、当該コマ番号FNのコマ画像FMGに設定されているイベントがゲームイベントであることを示している。従って、プレイヤはディスプレイ3に表示されたアイコンGE1、GE2を参照することで、当該コマ画像FMGに設定されているイベントの種類を、実際に当該イベントを実行しなくも、前もって知ることが出来る。
【0027】
プレイヤは、表示されたアイコンGE1、GE2を見て、当該コマ画像FMGに何らかのイベントが設定されていることを認識するが、当該イベントの実行に興味がわかない場合には、タッチパネル(ディスプレイ3)3a上で通常のページ送り動作を行う。すると、ページ閲覧制御部9が表示しているコマ画像FMGは、次のコマ番号FNのコマ画像FMGに切り替え表示され、通常の電子書籍の漫画と同様に漫画を読み進めることが出来る。
【0028】
アイコンGE1又はGE2がディスプレイ3に表示されている間は、閲覧制御プログラムRCPのステップS9で、主制御部6によりアイコン操作検出判定制御部10が、プレイヤがディスプレイ3に表示されたアイコンGE1又はGE2をタッチしたか否かを検出している。プレイヤがアイコンGE1又はGE2をタッチすると、タッチパネル3aから所定の選択信号がアイコン操作検出判定制御部10に出力され、アイコン操作検出判定制御部10は、プレイヤがアイコンGE1又はGE2をタッチすることで当該アイコンGE1又はGE2を選択したものと判定する。この場合には、主制御部6は、閲覧制御プログラムRCPのステップS10に入り、イベント実行制御部11に、イベントスケジュールテーブルISTの対応するコマ番号FNに規定されている処理PSを実行するように指令する。
【0029】
対応するコマ番号FNで規定された処理PSで、テキスト提示イベントが規定されていた場合には、処理PSで示されたテキストファイル(例えば、「テキスト001」ファイル)をコンテンツメモリ12から読み出して、例えば図4に示すように、現在表示されているコマ画像FMGの適宜な領域にテキスト表示領域TDAを設定し、テキストファイル内に格納されていたテキストTXTを「エリカが使用できる銃は、現在のところ、ベレッタ M92FS だけてである。」といったように表示する。これにより、プレイヤは現在表示されているコマ画像FMGに関連する情報として、当該テキストTXTを読み、漫画に対するより深い理解や楽しみを得ることが出来る。
【0030】
また、対応するコマ番号FNで規定された処理PSで、ゲームイベントが規定されていた場合には、イベント実行制御部11は処理PSで示されたゲームデータのファイル(例えば、「ミニゲーム01」ファイル)をコンテンツメモリ12から読み出して、それまでディスプレイ3で表示されていたコマ画像FMGの表示を中断して、当該読み出されたミニゲームをプレイヤに実行させる。このミニゲームの実行態様は、様々な態様が考えられるが、全て公知の技術事項から構成されることから、ここではその詳細な実行態様の説明は省略する。
【0031】
プレイヤがテキスト提示イベントやゲームイベントをプレイしたところで、イベント実行制御部11から出力されるイベント実行完了信号又はプレイヤが入力したページ切り換え信号に基づいて、主制御部6は、閲覧制御プログラムRCPのステップS11に入り、ページ閲覧制御部9は、それまで表示されていたコマ画像FMGを、次に表示すべきコマ画像FMGに切り換え表示して、漫画コンテンツの表示を進めてゆく。なお、ステップS11で次に表示すべきコマ画像FMGは、プレイヤがプレイしたイベント(プレイヤがテキスト提示イベントでテキストを参照することも含む)のプレイ結果に応じて、閲覧制御プログラムRCPにより複数のコマ画像FMGの中から適宜選択して表示するように制御するように構成することも可能である。
【0032】
また、電子書籍ゲーム装置1でディスプレイ3上に、書籍コンテンツとして示される画像の表示態様は、図2に示すように、同時に1個以上のコマのコマ画像FMGがディスプレイ3上に表示される場合や、図3,図4及び図6に示すように、一つのコマ画像FIGのみがディスプレイ3上に表示される場合など、プレイヤの選択に応じて、また、閲覧制御プログラムRCPの制御内容に応じて様々な態様を採用することが出来る。なお、書籍コンテンツとしては、複数のコマ画像FMGから構成される漫画や絵本だけに限らず、テキストデータから構成される小説、児童書、エッセイ、評論など、通常の書籍の内容を、当該書籍のコンテンツが表示搭載される紙の媒体から、電子的な表示媒体としてのディスプレイへど移行させる目的で、そのまま電子化した形のあらゆる文章コンテンツ、画像コンテンツなどのオリジナルコンテンツデータが含まれるものである。そして、本発明で使用する電子書籍のコンテンツデータBCDには、そうした本来の書籍のオリジナルコンテンツデータに加えて、当該オリジナルコンテンツデータの特定部分の内容に関連するテキストデータ、ミニゲームデータが、イベントデータとして、オリジナルコンテンツデータ相互間を識別するための、コマ番号FNやページ番号などの識別データを利用して、該識別データに選択的に関連付けられる形で設定されているのである。従って、プレイヤは、本来の書籍のオリジナルコンテンツデータのみを読み進んで、電子書籍を読了することも可能であり、また、ある表示ページに表示された画像に追加的に表示されるアイコンGE1、GE2等のイベント誘導アイコンに従って、テキストデータやミニゲームを表示させ、それらを読んだり、プレイすることで、より幅の広い楽しみを経験したり、より深い知識を身につけることが出来る。
【0033】
そして、書籍のオリジナルコンテンツからイベント実行に移動する際に、書籍のオリジナルコンテンツの特定の表示ページに表示されるイベント誘導アイコンであるアイコンGE1、GE2の表示態様も自由である。例えば、ディスプレイ3に表示されるコマ画像FMGの数を増やして複数のコマ画像FIGを表示させた状態の特定のコマ画像FMGについて、イベント誘導アイコンを表示させるように構成することも出来る。
【符号の説明】
【0034】
3……ディスプレイ
3a……入力手段(タッチパネル)
10……イベント実行手段(アイコン操作検出判定制御部)
11……イベント設定判定手段、誘導アイコン表示手段、イベント実行手段(イベント実行制御部)
BCD……コンテンツデータ
FN……識別データ(コマ番号)
FMG,FMG1,FMG2,FMG3……コマ画像、オリジナルコンテンツデータ
GE1,GE2……イベント誘導アイコン(アイコン)
IST……イベントデータ(イベントスケジュールテーブル)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコマ画像又はテキストデータを有する書籍を電子化して構成される書籍コンテンツを、コンテンツデータとしてメモリに格納し、該コンテンツデータを、ディスプレイに順次表示させることで、前記書籍コンテンツの閲覧が可能な装置において、
前記コンテンツデータは、前記書籍の内容を示すオリジナルコンテンツデータがそれらコンテンツデータ相互間を識別するための識別データと共に格納されており、更に前記コンテンツデータには、対応する前記識別データと関連付けれられる形でテキストファイル又はゲームデータファイルからなるイベントデータが格納されており、
前記装置は、
前記識別データに対応するオリジナルコンテンツデータの前記ディスプレイへの表示に際して、前記イベントデータを参照して、当該表示すべきオリジナルコンテンツデータに前記イベントデータが設定されているか否かを判定するイベント設定判定手段、
前記イベント設定判定手段が前記イベントデータが設定されているものと判定した前記オリジナルコンテンツデータの表示に際して、当該オリジナルコンテンツデータに設定されているイベントが存在することを告知するイベント誘導アイコンを前記オリジナルコンテンツデータの画像と共に前記ディスプレイに、プレイヤが選択可能に表示する、誘導アイコン表示手段、
入力手段を介して入力された前記イベント誘導アイコンの選択信号に対応して、該選択されたイベント誘導アイコンに対応した前記テキストファイルに示されたテキストを提示するイベント又はゲームデータファイルに格納されたゲームを前記ディスプレイ上で実行するイベント実行手段を、
有することを特徴とする、電子書籍ゲーム装置。
【請求項2】
前記書籍は、複数のコマ画像から構成される漫画であり、
前記オリジナルコンテンツデータは、それぞれにコマ番号が前記識別データとして附された前記複数のコマ画像を有し、
前記イベント誘導アイコンは、前記特定のコマ番号に関連付けられる形で設定されている、
ことを特徴とする、請求項1記載の電子書籍ゲーム装置。
【請求項3】
前記イベント実行手段は、前記テキストを提示するイベントを、それまでディスプレイに表示された前記テキストを提示するイベントに関連するコマ画像と共に表示することで実行することを特徴とする、
請求項1記載の電子書籍ゲーム装置。
【請求項4】
前記イベント実行手段は、前記ゲームの実行を、それまでディスプレイに表示された前記ゲームの実行に関連するコマ画像の表示を中断して実行することを特徴とする、
請求項1記載の電子書籍ゲーム装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−196306(P2012−196306A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62148(P2011−62148)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】