電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法
【課題】映像コンテンツの予約処理を好適に管理することのできる電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 実施形態の電子機器は第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、制御部を有する。制御部は前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる。
【解決手段】 実施形態の電子機器は第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、制御部を有する。制御部は前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術発展により、例えばIP網のようなネットワークを介して、映像コンテンツの配信が行われている。この中にはIP(Internet Protocol)放送と呼ばれ、IP網を用いて、映像コンテンツを所定の時間に配信するサービスが存在する。これを利用すると、ユーザはこのIP放送によって所定の時間に配信される映像コンテンツを視聴したり、録画したりできる。
【0003】
ユーザがネットワークを利用し、上述のような映像コンテンツ配信を受ける場合には、一般的に例えばデジタルテレビ、STB(Set Top Box)、またはPC(Personal Computer)等を利用する場合が多く、これらの多くは宅内に備え付けられている。これらの機器は宅内のサブネットワークに属している場合が多く、宅内のサブネットワークは一般的にルータ等の機器によって宅外のネットワークと接続される。
【0004】
同一サブネットワーク内で使用可能な帯域には上限があり、例えばユーザが同時刻に複数の映像コンテンツを受信しようとしても、使用する帯域が同一サブネットワーク内で使用可能な帯域の上限値以上である場合には、ユーザは全ての映像コンテンツを受信することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−268938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記に鑑みて提案されたものであり、映像コンテンツの予約処理を好適に管理することのできる電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電子機器は第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、制御部を有する。制御部は前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態における予約管理システムの一例を示す概念図。
【図2】実施形態における受信装置A−1の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成の一例を示すブロック図。
【図3】実施形態における予約管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】実施形態における機器IDグループ管理テーブルの内容の一例を示す概念図。
【図5】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図6】本実施形態における予約管理処理の一例を示すフロー図。
【図7】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図8】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図9】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図10】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図11】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下にて図面を参照しながら実施の形態について説明を行う。
【0010】
図1は本実施形態における予約管理システムの一例を示す概念図である。
【0011】
本実施形態における予約管理システム12は、コンテンツサーバ1が映像コンテンツを配信し、この映像コンテンツを受信装置A−1(6)乃至B−2(11)が受信して視聴又は録画するシステムである。
【0012】
コンテンツサーバ1はコンテンツを配信(送信)する機能を有している。本実施形態における映像コンテンツとは、映像データと音声データを含むひとまとまりのデータを指し、例えば放送されるコンテンツ等を指す。コンテンツサーバ1はコンテンツ配信事業者(プロバイダ)等が管理しており、コンテンツ配信事業者によって登録されている機器に対してネットワーク3を介して映像コンテンツをマルチキャストにて配信(送信)する。
【0013】
予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)等の端末機器の映像コンテンツの録画/視聴予約を管理する機能を有している。この予約管理サーバ2もコンテンツ配信事業者が管理しており、登録されている機器の録画/視聴の状態を監視し、ネットワークの帯域制限により映像コンテンツをそのまま送信することが好適でない場合には、登録されている端末機器の録画/視聴を制御する機能を有している。
【0014】
ネットワーク3は、例えばインターネット等の大規模ネットワークである。
【0015】
ルータA4及びルータB8は、例えば各家庭に設置されているブロードバンドルータであって、受信したデータをルーティングする機能を有している。ルータA4及びルータB8は受信装置A−1(6)乃至B−2(11)からのJOINメッセージによりマルチキャストストリームをサブネットへ転送し、受信装置A−1(6)乃至B−2(11)からのLEAVEメッセージによりマルチキャストストリームサブネットへの転送を停止する。
【0016】
サブネットA5及びサブネットB9は例えば宅内のネットワークであって、サブネットA5は宅内に存在する受信装置A−1(6)、受信装置A−2(7)、及びルータA4を通信可能としている。また、サブネットB9は宅内に存在する受信装置B−1(10)、受信装置B−2(11)、及びルータB8を通信可能としている。
【0017】
受信装置A−1(6)乃至B−2(11)はコンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信し、このコンテンツを表示または録画(記録)する機能を有している。受信装置A−1(6)乃至B−2(11)は受信した映像コンテンツをユーザの視聴に供されるように表示したり、ユーザが好みの時間に視聴できるように映像コンテンツを録画(記録)したりする。本実施形態において、受信装置A−1(6)乃至B−2(11)としては、DTV(Digital Television)、STB、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ、PC等が例として考えられる。
【0018】
本実施形態における受信装置A−1(6)乃至B−2(11)は、映像コンテンツの予約機能についてほぼ同様の機能及び構成を有しているものとする。次に、受信装置A−1(6)を代表として、これらの機能構成について説明を行う。
【0019】
図2は本実施形態における受信装置A−1(6)の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
上述のように、本実施形態における受信装置A−1(6)乃至B−2(11)の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成については受信装置A−1(6)を代表して説明し、他の受信装置について同様の構成を有しているものとして、説明を割愛する。
【0021】
受信装置A−1(6)は予約管理部61、記憶部62、及び予約実行部63を有している。
【0022】
予約管理部61はコンテンツサーバ1から配信される映像コンテンツの視聴/録画予約を管理する機能を有している。
【0023】
コンテンツサーバ1は、例えば放送局より放送波によって提供されているテレビ番組と同様の番組の映像コンテンツをこの放送と同時刻にユーザが視聴できるように配信する。ユーザは受信した映像コンテンツを視聴/録画することができるが、本実施形態における受信装置A−1(6)は、この視聴/録画を予約する機能を有している。つまり、ユーザからの視聴/録画予約の指示に基づいて、コンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信し、これを表示/記録することができる。予約管理部61は受信装置A−1(6)内のこの視聴/録画の予約を管理している。予約管理部61はユーザからの指示に基づいて、今後の予約の管理リストを作成し、これを記憶部62に記憶させておき、予約を実行する時刻となったら、予約実行部63に予約された表示/記録を実行させる機能を有している。また、予約管理部61はユーザからの受信装置A−1(6)への指示以外の指示にも基づいて予約を変更する機能を有している。予約管理部61は予約管理サーバ2からの予約変更指示に基づいて、記憶部62に記憶された予約の管理リストを更新する機能を有している。
【0024】
記憶部62は、揮発性/不揮発性の記憶媒体であり予約の管理リストを有している。また、録画された映像コンテンツ等が格納されている。
【0025】
予約実行部63は、予約管理部61からの指示に基づいて、予約された映像コンテンツの表示/記録を実行する機能を有している。予約実行部63は、ユーザが所定の映像コンテンツの視聴予約を行っていた場合には、この映像コンテンツを受信し、これを表示部に表示し、録画予約を行っていた場合には、この映像コンテンツを受信し、これを記憶部62に記録する。
【0026】
次に予約管理サーバ2について説明を行う。
【0027】
図3は本実施形態における予約管理サーバ2の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
予約管理サーバ2は、登録されている受信装置の録画/視聴の状態を監視し、これを制御する機能を有している。本実施形態のおいては受信装置A−1(6)乃至B−2(11)ある管理対象の同一グループに割り当てられているものとする。予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)乃至B−2(11)それぞれの機器の予約の状態を受け取り、例えばある時刻のサブネットワークの帯域の使用状態が所定量を超えるような場合には、このサブネットワーク内の受信装置が実行する処理を、他のサブネットワーク内の受信装置に代行させるべく、帯域オーバーをしているサブネットワーク内の受信装置の予約を取り消させ、他のサブネットワーク内の機器に取り消した予約処理を実行させる。この機能を実行するための、予約管理サーバ2内の機能構成ブロックそれぞれについて、以下で説明する。
【0029】
更新部21は、登録されている受信装置の視聴/録画予約の状況を、ネットワーク3を介して取得(受信)し、これに基づいて録画・視聴予約DB(Data Base)22内の録画・視聴予約テーブルを更新する機能を有している。同一のグループに登録されている装置A−1(6)乃至B−2(11)は、ユーザより視聴/録画予約を受けると、予約管理サーバ2に対して現状の自装置の予約情報を送信し、更新部21はこれに基づいて録画・視聴予約テーブルを更新する。なお、ここでの装置A−1(6)乃至B−2(11)の予約情報の送信方法としては、所定時間毎に全ての予約情報を予約管理サーバ2に対して送信するとしてもよいし、予約情報をユーザが変更したときに、この変更された差分に関する情報のみを送信するとしてもよい。
【0030】
録画・視聴予約DB22は、コンテンツ配信事業者が契約している受信装置の予約情報を纏めた録画・視聴予約テーブルが記録されている。この録画・視聴予約テーブルについては図5を用いて後述にて詳細に説明を行う。
【0031】
判別部23は、録画・視聴予約テーブルに新たな予約処理が更新された場合、予約処理が追加された機器にて、予約されている処理を全て実行させるか、それとも予約されている処理の一部を他のサブネットワーク内の受信装置に代行させるかを判別する機能を有している。判別部23が行う、判別は予約が新たに追加された受信装置が属するサブネットワークの帯域制限に基づいて行われる。
【0032】
機器IDグループ管理DB24は、登録されている機器(受信装置)の各種情報を纏めた機器IDグループ管理テーブルを有している。機器IDグループ管理テーブルについては図4を用いて後述にて詳細に説明を行う。
【0033】
制御部25は、判別部23が録画・視聴予約テーブルに新たな予約処理が更新されたときに、予約されている処理の一部を他のサブネットワーク内の受信装置に代行させると判別すると、機器IDグループ管理テーブルの情報を参照して、代行させる機器を決定し、録画・視聴予約テーブルを変更する機能を有している。また、変更した録画・視聴予約テーブル内の処理を実行させる指示を、受信装置に対して送信する機能を有している。
【0034】
ここで、機器IDグループ管理テーブルについて図4に示す。
【0035】
図4は本実施形態における機器IDグループ管理テーブル241の内容の一例を示す概念図である。
【0036】
機器IDグループ管理テーブル241は、コンテンツ配信先の契約者単位で纏められており、予約管理サーバ2は、ある受信装置の予約処理を変更する必要が生じた場合には、同一機器IDグループ管理テーブル241内であって他のサブネットワーク内の機器に処理を代行させる。
【0037】
機器IDは予約管理サーバ2が受信装置を識別するためのIDであり、コンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信可能な全受信装置に対して、それぞれ一意に割り当てられ、受信装置の製造ラインにて受信装置が備える不揮発性メモリ等に蓄積される。
【0038】
IPアドレスは、インターネットプロトコル(Internet Protocol)によって割り当てられた受信装置のIPアドレスである。
【0039】
ネットワークアドレスは。受信装置が属するサブネットワークのアドレスである。
【0040】
ティアビットは受信装置がコンテンツサーバより送出されるコンテンツのチャンネルに対応するライセンスの有無であり、下位ビットから順に1乃至8チャンネルのライセンスの有無を示している。ビットが1の時は当該チャンネルに対するライセンスが受信装置に対して付与されており、受信装置が当該チャンネルのコンテンツを録画、視聴することができる。またビットが0である場合には受信装置は当該チャンネルのコンテンツを録画、視聴できない。
【0041】
予約管理サーバ2は契約時またはそれぞれの受信装置との接続時にこれらの情報を機器IDグループ管理テーブル241に登録/更新する。
【0042】
図5は本実施形態における録画・視聴予約テーブル221の一例を示す概念図である。
【0043】
録画・視聴予約テーブル221は各受信装置の視聴/録画予約の状況が纏められたテーブルである。
【0044】
予約種別は、それぞれの機器が予約されている処理の種別を示し、本実施形態では録画、視聴、ムーブ(送信)、ムーブ(受信)のいずれかである。
【0045】
予約開始日時、予約終了日時はそれぞれ予約種別に対応した処理の開始日時終了日時である。
【0046】
チャンネルは映像コンテンツの受信チャンネルでマルチキャストのグループアドレスにより一意に決定される。
【0047】
画質はHD(High Definition)またはSD(Standard Definition)のいずれかで、使用帯域の計算に利用される。本実施形態ではHDの場合の使用帯域は15Mbpsであり、SDの場合の使用帯域は5Mbpsであるものと仮定して、サブネットワークの使用帯域が算出される。
【0048】
機器IDは、それぞれの処理を実行する受信装置のIDが示されている。
【0049】
ここでは受信装置A−1(6)にHDで2011年4月1日19:00〜20:00の時間帯にチャンネル1を録画するように録画が予約されており、また、受信装置A−2(7)にSDで2011年4月1日19:30〜20:30の時間帯にチャンネル2を視聴できるように表示する処理が予約されている。
【0050】
次に本実施形態における予約管理処理について説明を行う。
【0051】
図6は本実施形態における予約管理処理の一例を示すフロー図である。以下では図6の処理フローの説明と併せて録画・視聴予約テーブル221の更新状況についても図7乃至図11を用いて説明する。
【0052】
また、ユーザより所定の予約指示を受けた受信装置と、予約管理サーバ2の実行する処理について説明を行う。
【0053】
まず、例えば受信装置A−1(6)がユーザより予約を受け付けると(ステップS1)、予約管理部61は予約の管理リストを更新し、受け付けた予約を登録する(ステップS2)。
【0054】
次に予約管理部61は予約管理サーバ2に対して、この予約情報を送信する(ステップS3)。
【0055】
予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)より予約情報を受信すると(ステップS4)、更新部21が録画・視聴予約テーブル221を更新する(ステップS5)。ここでの録画・視聴予約テーブル221の更新としては、図5に示す録画・視聴予約テーブル221から図7に示す録画・視聴予約テーブル221への更新のように、更新部21は単に受信した情報に基づいて録画・視聴予約テーブル221を更新する。
【0056】
また送られてきた情報に機器IDグループ管理テーブル241の更新に関する情報が含まれている場合には、機器IDグループ管理テーブル241を更新する(ステップS6)。
【0057】
次に、判別部23が図7に示す録画・視聴予約テーブル221および機器IDグループ管理テーブル241に基づいて、受信装置A−1(6)が予約を実行した際のサブネットA5の使用帯域を計算する(ステップS7)。ここでは上述のようにHDの場合の使用帯域は15Mbpsであり、SDの場合の使用帯域は5Mbpsであるものと仮定してサブネットA5の使用帯域を計算する。つまり、図7の場合にはサブネットA5の2011年4月1日19:00〜19:30の間の使用帯域は30 Mbps、19:30〜20:00の間の使用帯域は35 Mbps、20:00〜20:30の間の使用帯域は5 Mbpsと算出される。
【0058】
次に、判別部23は算出されたサブネットA5に使用帯域が、許容の範囲内であるか否かを判別する。つまり、予約を実行した場合サブネットA5が帯域不足となってしまうか否かを判別する(ステップS8)。映像コンテンツを配信するサービス事業者は、ユーザが高品質な映像コンテンツを受信できるように、同一サブネットワーク内で使用可能な帯域を定義している場合がある。本実施形態では同一サブネットワーク内で使用可能な帯域は30 Mbpsと定義されていると例示して説明を行う。
【0059】
つまり、サブネットA5に使用帯域が許容の範囲内である場合には(ステップS8:No)、予約管理サーバ2は受信装置からの予約情報を待ち受ける状態へと戻る。
【0060】
また、図7で示すように同一サブネットワーク内で使用可能な帯域をオーバーしてしまうような場合には(ステップS8:Yes)、制御部25は受信した予約を他のサブネットワークに属する受信装置に代行させるために、録画予約引継ぎ先のサブネットを選定する(ステップS9)。ここでは同グループに属しているサブネットB9に使用帯域の余裕があるため、制御部25はこのサブネットを選定する。
【0061】
また、制御部25は次に、録画予約引継ぎ先の受信装置を選定する(ステップS10)。
【0062】
受信装置A−1(6)について受信した予約は2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画であるため、ここではチャンネル3についてライセンスが付与されている受信装置B−1(10)を選定する。
【0063】
ステップS10における引き継ぎ先の受信装置の選定が終了すると、制御部25は図8で示すように(A―1からB−1への変更)、録画・視聴予約テーブル221における機器IDを引き継ぎ先の受信装置へと変更する(ステップS11)。
【0064】
ステップS11終了後、制御部25は録画・視聴予約テーブル221に映像コンテンツのムーブ(移動)処理についての追加登録を行う(ステップS12)。これは予約録画を代行した受信装置から、ユーザから予約指示を受けた受信装置へのムーブ処理である。ステップS11による引継ぎによって他の受信装置が録画を代行した場合、ユーザが予約を指示したのは受信装置A−1(6)には映像コンテンツが記録されておらず、受信装置B−1(10)にのみ記録されていることとなる。そこで予約管理サーバ2の制御部25は、受信装置B−1(10)から受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブを実行するように各機器を制御する。つまり、図9の録画・視聴予約テーブル221で示されるように、帯域に余裕がある時間にムーブ処理の予約を追加する。このとき、チャンネルとしてはマルチキャストストリームに対するチャンネルではなく、通信相手の機器IDを登録する。本実施形態においてはムーブ処理を例示して説明するが、これは移動元から映像コンテンツが削除されないコピー処理であっても良い。
【0065】
次に制御部25は、受信装置A−1(6)及び受信装置B−1(10)に処理を実行するように予約情報を送信する(ステップS13)。ここで制御部25が送信する情報としては受信装置A−1(6)に対しては、2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画を取りやめ、2011年4月1日20:00〜21:00に受信装置B−1(10)からの映像コンテンツのムーブの受信処理を実行するように指示行う。また、受信装置B−1(10)に対しては、2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画を行い、2011年4月1日20:00〜21:00に受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブでの送信処理を実行するように指示行う。このとき、例えば予約管理サーバ2は、予約情報の送信に先立って、Wake on LAN等の仕組みによって、受信装置A−1(6)及び受信装置B−1(10)に対して電源の起動指示を行うとしてもよい。
【0066】
ステップS13にて予約管理サーバ2より、予約情報を受信した受信装置A−1(6)は、これに従って予約リストを変更する(ステップS15)。また、更に受信装置A−1(6)は受信装置B−1(10)に対して受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を転送する(ステップS16)。
【0067】
次に、予約情報を受信した受信装置B−1(10)の動作について説明する。受信装置B−1(10)は、予約情報を受け取り、予約の自身への登録を行った後に、受信装置A−1(6)からローカル暗号鍵を受信する。受信装置B−1(10)は録画が指示された時刻になると、チャンネル3のHDでの録画処理を開始し、このとき受信装置A−1(6)から受信したローカル暗号鍵を用いて映像コンテンツに暗号化を施して自身の記憶媒体に格納する。さらに、受信装置B−1(10)は2011年4月1日20:00より、受信装置A−1(6)から受信したローカル暗号鍵を用いて暗号化を施した映像コンテンツを受信装置A−1(6)に対してムーブする。ここでのムーブ処理とは、映像コンテンツを送信し、このコンテンツを自身より削除する処理のことを指す。
【0068】
受信装置A−1(6)は、予約情報に従い、受信装置B−1(10)よりムーブで送信された映像コンテンツを受信する。通常のムーブ処理では、受信装置A−1(6)は、受信装置B−1(10)のローカル暗号鍵で暗号化されたコンテンツを復号し、受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を用いて際暗号化を実行する必要があるが、本実施形態では受信装置B−1(10)が受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を用いてもう既に暗号化してあり、ここでこの処理を省くことができる。
【0069】
ムーブ処理においては、映像コンテンツの送信先である受信装置A−1(6)、送信元である受信装置B−1(10)に接続するため、受信装置A−1(6)は受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得する必要がある。このとき受信装置A−1(6)は予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得する必要がある。受信装置A−1(6)が予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを問い合わせ、予約管理サーバ2はコピー可能な機器IDグループ管理テーブル241から取得した受信装置B−1(10)のIPアドレスを送信することで、受信装置A−1(6)は予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得することが出来る。
【0070】
上記の説明においては追加された受信装置A−1(6)の予約内容が録画であった場合を例示しているが、例えば図10に示されるように追加された予約内容が視聴であるような場合には、視聴予約を他の受信装置に引き継いでしまうとユーザは視聴予約を実施した受信装置で映像コンテンツを視聴することができないので、このように追加された予約内容が視聴であるような場合には、図11で示すようにこの視聴予約よりも前の録画の予約を他の機器に引き継ぐ。
【0071】
ここで例えば、サブネットA5及びサブネットB9の上流のネットワークに十分な帯域がある場合には、受信装置B−1(10)から受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブ処理は不要となり、ユーザは受信装置A−1(6)を操作して受信装置B−1(10)に記録された映像コンテンツを視聴することも可能となるため、ムーブ処理を実行する必要が無くなる。
【0072】
本実施形態では帯域が不十分で受信不可能なマルチキャストストリームコンテンツでも、異なるサブネット上にある受信装置が代わりに録画を行うことで、帯域不足によってコンテンツを録画できないという事態を回避できる。また、録画後にムーブまたはコピーすることで、録画したいコンテンツをユーザが設定した受信装置上に保存することが可能となる。さらに、予約管理サーバ2でコピー可能な機器IDグループ情報を保持することで、サービス事業者が私的複製対象の機器を管理することが可能となる。
【0073】
また本実施形態では、ムーブ元の録画装置がムーブ先の録画装置のローカル暗号鍵を使用して録画することで、ムーブの際にムーブ先の録画装置における再暗号処理負荷を軽減できる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…コンテンツサーバ、2…予約管理サーバ、3…ネットワーク、4…ルータA、5…サブネットA、6…受信装置A−1、7…受信装置A−2、8…ルータB、9…サブネットB、10…受信装置B−1、11…受信装置B−2、12…予約管理システム、21…更新部、22…録画・視聴予約DB、221…録画・視聴予約テーブル、23…判別部、24…機器IDグループ管理DB、241…機器IDグループ管理テーブル、25…制御部、61…予約管理部、62…記憶部、63…予約実行部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術発展により、例えばIP網のようなネットワークを介して、映像コンテンツの配信が行われている。この中にはIP(Internet Protocol)放送と呼ばれ、IP網を用いて、映像コンテンツを所定の時間に配信するサービスが存在する。これを利用すると、ユーザはこのIP放送によって所定の時間に配信される映像コンテンツを視聴したり、録画したりできる。
【0003】
ユーザがネットワークを利用し、上述のような映像コンテンツ配信を受ける場合には、一般的に例えばデジタルテレビ、STB(Set Top Box)、またはPC(Personal Computer)等を利用する場合が多く、これらの多くは宅内に備え付けられている。これらの機器は宅内のサブネットワークに属している場合が多く、宅内のサブネットワークは一般的にルータ等の機器によって宅外のネットワークと接続される。
【0004】
同一サブネットワーク内で使用可能な帯域には上限があり、例えばユーザが同時刻に複数の映像コンテンツを受信しようとしても、使用する帯域が同一サブネットワーク内で使用可能な帯域の上限値以上である場合には、ユーザは全ての映像コンテンツを受信することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−268938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記に鑑みて提案されたものであり、映像コンテンツの予約処理を好適に管理することのできる電子機器、予約管理システム、及び予約管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電子機器は第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、制御部を有する。制御部は前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態における予約管理システムの一例を示す概念図。
【図2】実施形態における受信装置A−1の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成の一例を示すブロック図。
【図3】実施形態における予約管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】実施形態における機器IDグループ管理テーブルの内容の一例を示す概念図。
【図5】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図6】本実施形態における予約管理処理の一例を示すフロー図。
【図7】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図8】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図9】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図10】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【図11】実施形態におけるある時点での録画・視聴予約テーブルの一例を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下にて図面を参照しながら実施の形態について説明を行う。
【0010】
図1は本実施形態における予約管理システムの一例を示す概念図である。
【0011】
本実施形態における予約管理システム12は、コンテンツサーバ1が映像コンテンツを配信し、この映像コンテンツを受信装置A−1(6)乃至B−2(11)が受信して視聴又は録画するシステムである。
【0012】
コンテンツサーバ1はコンテンツを配信(送信)する機能を有している。本実施形態における映像コンテンツとは、映像データと音声データを含むひとまとまりのデータを指し、例えば放送されるコンテンツ等を指す。コンテンツサーバ1はコンテンツ配信事業者(プロバイダ)等が管理しており、コンテンツ配信事業者によって登録されている機器に対してネットワーク3を介して映像コンテンツをマルチキャストにて配信(送信)する。
【0013】
予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)等の端末機器の映像コンテンツの録画/視聴予約を管理する機能を有している。この予約管理サーバ2もコンテンツ配信事業者が管理しており、登録されている機器の録画/視聴の状態を監視し、ネットワークの帯域制限により映像コンテンツをそのまま送信することが好適でない場合には、登録されている端末機器の録画/視聴を制御する機能を有している。
【0014】
ネットワーク3は、例えばインターネット等の大規模ネットワークである。
【0015】
ルータA4及びルータB8は、例えば各家庭に設置されているブロードバンドルータであって、受信したデータをルーティングする機能を有している。ルータA4及びルータB8は受信装置A−1(6)乃至B−2(11)からのJOINメッセージによりマルチキャストストリームをサブネットへ転送し、受信装置A−1(6)乃至B−2(11)からのLEAVEメッセージによりマルチキャストストリームサブネットへの転送を停止する。
【0016】
サブネットA5及びサブネットB9は例えば宅内のネットワークであって、サブネットA5は宅内に存在する受信装置A−1(6)、受信装置A−2(7)、及びルータA4を通信可能としている。また、サブネットB9は宅内に存在する受信装置B−1(10)、受信装置B−2(11)、及びルータB8を通信可能としている。
【0017】
受信装置A−1(6)乃至B−2(11)はコンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信し、このコンテンツを表示または録画(記録)する機能を有している。受信装置A−1(6)乃至B−2(11)は受信した映像コンテンツをユーザの視聴に供されるように表示したり、ユーザが好みの時間に視聴できるように映像コンテンツを録画(記録)したりする。本実施形態において、受信装置A−1(6)乃至B−2(11)としては、DTV(Digital Television)、STB、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ、PC等が例として考えられる。
【0018】
本実施形態における受信装置A−1(6)乃至B−2(11)は、映像コンテンツの予約機能についてほぼ同様の機能及び構成を有しているものとする。次に、受信装置A−1(6)を代表として、これらの機能構成について説明を行う。
【0019】
図2は本実施形態における受信装置A−1(6)の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
上述のように、本実施形態における受信装置A−1(6)乃至B−2(11)の映像コンテンツ予約機能にかかる機能構成については受信装置A−1(6)を代表して説明し、他の受信装置について同様の構成を有しているものとして、説明を割愛する。
【0021】
受信装置A−1(6)は予約管理部61、記憶部62、及び予約実行部63を有している。
【0022】
予約管理部61はコンテンツサーバ1から配信される映像コンテンツの視聴/録画予約を管理する機能を有している。
【0023】
コンテンツサーバ1は、例えば放送局より放送波によって提供されているテレビ番組と同様の番組の映像コンテンツをこの放送と同時刻にユーザが視聴できるように配信する。ユーザは受信した映像コンテンツを視聴/録画することができるが、本実施形態における受信装置A−1(6)は、この視聴/録画を予約する機能を有している。つまり、ユーザからの視聴/録画予約の指示に基づいて、コンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信し、これを表示/記録することができる。予約管理部61は受信装置A−1(6)内のこの視聴/録画の予約を管理している。予約管理部61はユーザからの指示に基づいて、今後の予約の管理リストを作成し、これを記憶部62に記憶させておき、予約を実行する時刻となったら、予約実行部63に予約された表示/記録を実行させる機能を有している。また、予約管理部61はユーザからの受信装置A−1(6)への指示以外の指示にも基づいて予約を変更する機能を有している。予約管理部61は予約管理サーバ2からの予約変更指示に基づいて、記憶部62に記憶された予約の管理リストを更新する機能を有している。
【0024】
記憶部62は、揮発性/不揮発性の記憶媒体であり予約の管理リストを有している。また、録画された映像コンテンツ等が格納されている。
【0025】
予約実行部63は、予約管理部61からの指示に基づいて、予約された映像コンテンツの表示/記録を実行する機能を有している。予約実行部63は、ユーザが所定の映像コンテンツの視聴予約を行っていた場合には、この映像コンテンツを受信し、これを表示部に表示し、録画予約を行っていた場合には、この映像コンテンツを受信し、これを記憶部62に記録する。
【0026】
次に予約管理サーバ2について説明を行う。
【0027】
図3は本実施形態における予約管理サーバ2の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
予約管理サーバ2は、登録されている受信装置の録画/視聴の状態を監視し、これを制御する機能を有している。本実施形態のおいては受信装置A−1(6)乃至B−2(11)ある管理対象の同一グループに割り当てられているものとする。予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)乃至B−2(11)それぞれの機器の予約の状態を受け取り、例えばある時刻のサブネットワークの帯域の使用状態が所定量を超えるような場合には、このサブネットワーク内の受信装置が実行する処理を、他のサブネットワーク内の受信装置に代行させるべく、帯域オーバーをしているサブネットワーク内の受信装置の予約を取り消させ、他のサブネットワーク内の機器に取り消した予約処理を実行させる。この機能を実行するための、予約管理サーバ2内の機能構成ブロックそれぞれについて、以下で説明する。
【0029】
更新部21は、登録されている受信装置の視聴/録画予約の状況を、ネットワーク3を介して取得(受信)し、これに基づいて録画・視聴予約DB(Data Base)22内の録画・視聴予約テーブルを更新する機能を有している。同一のグループに登録されている装置A−1(6)乃至B−2(11)は、ユーザより視聴/録画予約を受けると、予約管理サーバ2に対して現状の自装置の予約情報を送信し、更新部21はこれに基づいて録画・視聴予約テーブルを更新する。なお、ここでの装置A−1(6)乃至B−2(11)の予約情報の送信方法としては、所定時間毎に全ての予約情報を予約管理サーバ2に対して送信するとしてもよいし、予約情報をユーザが変更したときに、この変更された差分に関する情報のみを送信するとしてもよい。
【0030】
録画・視聴予約DB22は、コンテンツ配信事業者が契約している受信装置の予約情報を纏めた録画・視聴予約テーブルが記録されている。この録画・視聴予約テーブルについては図5を用いて後述にて詳細に説明を行う。
【0031】
判別部23は、録画・視聴予約テーブルに新たな予約処理が更新された場合、予約処理が追加された機器にて、予約されている処理を全て実行させるか、それとも予約されている処理の一部を他のサブネットワーク内の受信装置に代行させるかを判別する機能を有している。判別部23が行う、判別は予約が新たに追加された受信装置が属するサブネットワークの帯域制限に基づいて行われる。
【0032】
機器IDグループ管理DB24は、登録されている機器(受信装置)の各種情報を纏めた機器IDグループ管理テーブルを有している。機器IDグループ管理テーブルについては図4を用いて後述にて詳細に説明を行う。
【0033】
制御部25は、判別部23が録画・視聴予約テーブルに新たな予約処理が更新されたときに、予約されている処理の一部を他のサブネットワーク内の受信装置に代行させると判別すると、機器IDグループ管理テーブルの情報を参照して、代行させる機器を決定し、録画・視聴予約テーブルを変更する機能を有している。また、変更した録画・視聴予約テーブル内の処理を実行させる指示を、受信装置に対して送信する機能を有している。
【0034】
ここで、機器IDグループ管理テーブルについて図4に示す。
【0035】
図4は本実施形態における機器IDグループ管理テーブル241の内容の一例を示す概念図である。
【0036】
機器IDグループ管理テーブル241は、コンテンツ配信先の契約者単位で纏められており、予約管理サーバ2は、ある受信装置の予約処理を変更する必要が生じた場合には、同一機器IDグループ管理テーブル241内であって他のサブネットワーク内の機器に処理を代行させる。
【0037】
機器IDは予約管理サーバ2が受信装置を識別するためのIDであり、コンテンツサーバ1より映像コンテンツを受信可能な全受信装置に対して、それぞれ一意に割り当てられ、受信装置の製造ラインにて受信装置が備える不揮発性メモリ等に蓄積される。
【0038】
IPアドレスは、インターネットプロトコル(Internet Protocol)によって割り当てられた受信装置のIPアドレスである。
【0039】
ネットワークアドレスは。受信装置が属するサブネットワークのアドレスである。
【0040】
ティアビットは受信装置がコンテンツサーバより送出されるコンテンツのチャンネルに対応するライセンスの有無であり、下位ビットから順に1乃至8チャンネルのライセンスの有無を示している。ビットが1の時は当該チャンネルに対するライセンスが受信装置に対して付与されており、受信装置が当該チャンネルのコンテンツを録画、視聴することができる。またビットが0である場合には受信装置は当該チャンネルのコンテンツを録画、視聴できない。
【0041】
予約管理サーバ2は契約時またはそれぞれの受信装置との接続時にこれらの情報を機器IDグループ管理テーブル241に登録/更新する。
【0042】
図5は本実施形態における録画・視聴予約テーブル221の一例を示す概念図である。
【0043】
録画・視聴予約テーブル221は各受信装置の視聴/録画予約の状況が纏められたテーブルである。
【0044】
予約種別は、それぞれの機器が予約されている処理の種別を示し、本実施形態では録画、視聴、ムーブ(送信)、ムーブ(受信)のいずれかである。
【0045】
予約開始日時、予約終了日時はそれぞれ予約種別に対応した処理の開始日時終了日時である。
【0046】
チャンネルは映像コンテンツの受信チャンネルでマルチキャストのグループアドレスにより一意に決定される。
【0047】
画質はHD(High Definition)またはSD(Standard Definition)のいずれかで、使用帯域の計算に利用される。本実施形態ではHDの場合の使用帯域は15Mbpsであり、SDの場合の使用帯域は5Mbpsであるものと仮定して、サブネットワークの使用帯域が算出される。
【0048】
機器IDは、それぞれの処理を実行する受信装置のIDが示されている。
【0049】
ここでは受信装置A−1(6)にHDで2011年4月1日19:00〜20:00の時間帯にチャンネル1を録画するように録画が予約されており、また、受信装置A−2(7)にSDで2011年4月1日19:30〜20:30の時間帯にチャンネル2を視聴できるように表示する処理が予約されている。
【0050】
次に本実施形態における予約管理処理について説明を行う。
【0051】
図6は本実施形態における予約管理処理の一例を示すフロー図である。以下では図6の処理フローの説明と併せて録画・視聴予約テーブル221の更新状況についても図7乃至図11を用いて説明する。
【0052】
また、ユーザより所定の予約指示を受けた受信装置と、予約管理サーバ2の実行する処理について説明を行う。
【0053】
まず、例えば受信装置A−1(6)がユーザより予約を受け付けると(ステップS1)、予約管理部61は予約の管理リストを更新し、受け付けた予約を登録する(ステップS2)。
【0054】
次に予約管理部61は予約管理サーバ2に対して、この予約情報を送信する(ステップS3)。
【0055】
予約管理サーバ2は受信装置A−1(6)より予約情報を受信すると(ステップS4)、更新部21が録画・視聴予約テーブル221を更新する(ステップS5)。ここでの録画・視聴予約テーブル221の更新としては、図5に示す録画・視聴予約テーブル221から図7に示す録画・視聴予約テーブル221への更新のように、更新部21は単に受信した情報に基づいて録画・視聴予約テーブル221を更新する。
【0056】
また送られてきた情報に機器IDグループ管理テーブル241の更新に関する情報が含まれている場合には、機器IDグループ管理テーブル241を更新する(ステップS6)。
【0057】
次に、判別部23が図7に示す録画・視聴予約テーブル221および機器IDグループ管理テーブル241に基づいて、受信装置A−1(6)が予約を実行した際のサブネットA5の使用帯域を計算する(ステップS7)。ここでは上述のようにHDの場合の使用帯域は15Mbpsであり、SDの場合の使用帯域は5Mbpsであるものと仮定してサブネットA5の使用帯域を計算する。つまり、図7の場合にはサブネットA5の2011年4月1日19:00〜19:30の間の使用帯域は30 Mbps、19:30〜20:00の間の使用帯域は35 Mbps、20:00〜20:30の間の使用帯域は5 Mbpsと算出される。
【0058】
次に、判別部23は算出されたサブネットA5に使用帯域が、許容の範囲内であるか否かを判別する。つまり、予約を実行した場合サブネットA5が帯域不足となってしまうか否かを判別する(ステップS8)。映像コンテンツを配信するサービス事業者は、ユーザが高品質な映像コンテンツを受信できるように、同一サブネットワーク内で使用可能な帯域を定義している場合がある。本実施形態では同一サブネットワーク内で使用可能な帯域は30 Mbpsと定義されていると例示して説明を行う。
【0059】
つまり、サブネットA5に使用帯域が許容の範囲内である場合には(ステップS8:No)、予約管理サーバ2は受信装置からの予約情報を待ち受ける状態へと戻る。
【0060】
また、図7で示すように同一サブネットワーク内で使用可能な帯域をオーバーしてしまうような場合には(ステップS8:Yes)、制御部25は受信した予約を他のサブネットワークに属する受信装置に代行させるために、録画予約引継ぎ先のサブネットを選定する(ステップS9)。ここでは同グループに属しているサブネットB9に使用帯域の余裕があるため、制御部25はこのサブネットを選定する。
【0061】
また、制御部25は次に、録画予約引継ぎ先の受信装置を選定する(ステップS10)。
【0062】
受信装置A−1(6)について受信した予約は2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画であるため、ここではチャンネル3についてライセンスが付与されている受信装置B−1(10)を選定する。
【0063】
ステップS10における引き継ぎ先の受信装置の選定が終了すると、制御部25は図8で示すように(A―1からB−1への変更)、録画・視聴予約テーブル221における機器IDを引き継ぎ先の受信装置へと変更する(ステップS11)。
【0064】
ステップS11終了後、制御部25は録画・視聴予約テーブル221に映像コンテンツのムーブ(移動)処理についての追加登録を行う(ステップS12)。これは予約録画を代行した受信装置から、ユーザから予約指示を受けた受信装置へのムーブ処理である。ステップS11による引継ぎによって他の受信装置が録画を代行した場合、ユーザが予約を指示したのは受信装置A−1(6)には映像コンテンツが記録されておらず、受信装置B−1(10)にのみ記録されていることとなる。そこで予約管理サーバ2の制御部25は、受信装置B−1(10)から受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブを実行するように各機器を制御する。つまり、図9の録画・視聴予約テーブル221で示されるように、帯域に余裕がある時間にムーブ処理の予約を追加する。このとき、チャンネルとしてはマルチキャストストリームに対するチャンネルではなく、通信相手の機器IDを登録する。本実施形態においてはムーブ処理を例示して説明するが、これは移動元から映像コンテンツが削除されないコピー処理であっても良い。
【0065】
次に制御部25は、受信装置A−1(6)及び受信装置B−1(10)に処理を実行するように予約情報を送信する(ステップS13)。ここで制御部25が送信する情報としては受信装置A−1(6)に対しては、2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画を取りやめ、2011年4月1日20:00〜21:00に受信装置B−1(10)からの映像コンテンツのムーブの受信処理を実行するように指示行う。また、受信装置B−1(10)に対しては、2011年4月1日19:00〜20:00のチャンネル3のHDでの録画を行い、2011年4月1日20:00〜21:00に受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブでの送信処理を実行するように指示行う。このとき、例えば予約管理サーバ2は、予約情報の送信に先立って、Wake on LAN等の仕組みによって、受信装置A−1(6)及び受信装置B−1(10)に対して電源の起動指示を行うとしてもよい。
【0066】
ステップS13にて予約管理サーバ2より、予約情報を受信した受信装置A−1(6)は、これに従って予約リストを変更する(ステップS15)。また、更に受信装置A−1(6)は受信装置B−1(10)に対して受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を転送する(ステップS16)。
【0067】
次に、予約情報を受信した受信装置B−1(10)の動作について説明する。受信装置B−1(10)は、予約情報を受け取り、予約の自身への登録を行った後に、受信装置A−1(6)からローカル暗号鍵を受信する。受信装置B−1(10)は録画が指示された時刻になると、チャンネル3のHDでの録画処理を開始し、このとき受信装置A−1(6)から受信したローカル暗号鍵を用いて映像コンテンツに暗号化を施して自身の記憶媒体に格納する。さらに、受信装置B−1(10)は2011年4月1日20:00より、受信装置A−1(6)から受信したローカル暗号鍵を用いて暗号化を施した映像コンテンツを受信装置A−1(6)に対してムーブする。ここでのムーブ処理とは、映像コンテンツを送信し、このコンテンツを自身より削除する処理のことを指す。
【0068】
受信装置A−1(6)は、予約情報に従い、受信装置B−1(10)よりムーブで送信された映像コンテンツを受信する。通常のムーブ処理では、受信装置A−1(6)は、受信装置B−1(10)のローカル暗号鍵で暗号化されたコンテンツを復号し、受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を用いて際暗号化を実行する必要があるが、本実施形態では受信装置B−1(10)が受信装置A−1(6)のローカル暗号鍵を用いてもう既に暗号化してあり、ここでこの処理を省くことができる。
【0069】
ムーブ処理においては、映像コンテンツの送信先である受信装置A−1(6)、送信元である受信装置B−1(10)に接続するため、受信装置A−1(6)は受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得する必要がある。このとき受信装置A−1(6)は予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得する必要がある。受信装置A−1(6)が予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを問い合わせ、予約管理サーバ2はコピー可能な機器IDグループ管理テーブル241から取得した受信装置B−1(10)のIPアドレスを送信することで、受信装置A−1(6)は予約管理サーバ2へ受信装置B−1(10)のIPアドレスを取得することが出来る。
【0070】
上記の説明においては追加された受信装置A−1(6)の予約内容が録画であった場合を例示しているが、例えば図10に示されるように追加された予約内容が視聴であるような場合には、視聴予約を他の受信装置に引き継いでしまうとユーザは視聴予約を実施した受信装置で映像コンテンツを視聴することができないので、このように追加された予約内容が視聴であるような場合には、図11で示すようにこの視聴予約よりも前の録画の予約を他の機器に引き継ぐ。
【0071】
ここで例えば、サブネットA5及びサブネットB9の上流のネットワークに十分な帯域がある場合には、受信装置B−1(10)から受信装置A−1(6)への映像コンテンツのムーブ処理は不要となり、ユーザは受信装置A−1(6)を操作して受信装置B−1(10)に記録された映像コンテンツを視聴することも可能となるため、ムーブ処理を実行する必要が無くなる。
【0072】
本実施形態では帯域が不十分で受信不可能なマルチキャストストリームコンテンツでも、異なるサブネット上にある受信装置が代わりに録画を行うことで、帯域不足によってコンテンツを録画できないという事態を回避できる。また、録画後にムーブまたはコピーすることで、録画したいコンテンツをユーザが設定した受信装置上に保存することが可能となる。さらに、予約管理サーバ2でコピー可能な機器IDグループ情報を保持することで、サービス事業者が私的複製対象の機器を管理することが可能となる。
【0073】
また本実施形態では、ムーブ元の録画装置がムーブ先の録画装置のローカル暗号鍵を使用して録画することで、ムーブの際にムーブ先の録画装置における再暗号処理負荷を軽減できる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…コンテンツサーバ、2…予約管理サーバ、3…ネットワーク、4…ルータA、5…サブネットA、6…受信装置A−1、7…受信装置A−2、8…ルータB、9…サブネットB、10…受信装置B−1、11…受信装置B−2、12…予約管理システム、21…更新部、22…録画・視聴予約DB、221…録画・視聴予約テーブル、23…判別部、24…機器IDグループ管理DB、241…機器IDグループ管理テーブル、25…制御部、61…予約管理部、62…記憶部、63…予約実行部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、
前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる制御部を有する電子機器。
【請求項2】
前記第1のサブネットワークで使用される帯域に基づいて、前記第1の端末装置での録画予約取り消し、及び第2の端末装置での録画処理を実行させるか否かを判別する判別部を、さらに有する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記録画処理の実行後、録画した映像コンテンツの第1の端末装置への移動処理を第2の装置に実行させる請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動処理はムーブ処理である請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置と、サーバとを具備する予約管理システムであって、
前記第1の端末は、前記サーバからの指示に基づいて録画処理の予約を取り消し、
前記第2の端末は、前記サーバからの指示に基づいて前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行する予約管理システム。
【請求項6】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器が実行する予約管理方法であって、
前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる予約管理方法。
【請求項1】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器であって、
前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる制御部を有する電子機器。
【請求項2】
前記第1のサブネットワークで使用される帯域に基づいて、前記第1の端末装置での録画予約取り消し、及び第2の端末装置での録画処理を実行させるか否かを判別する判別部を、さらに有する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記録画処理の実行後、録画した映像コンテンツの第1の端末装置への移動処理を第2の装置に実行させる請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動処理はムーブ処理である請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置と、サーバとを具備する予約管理システムであって、
前記第1の端末は、前記サーバからの指示に基づいて録画処理の予約を取り消し、
前記第2の端末は、前記サーバからの指示に基づいて前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行する予約管理システム。
【請求項6】
第1のサブネットワーク内の第1の端末装置と、前記第1のサブネットワークとは異なる第2のサブネットワーク内の第2の端末装置とネットワークを介して通信可能な電子機器が実行する予約管理方法であって、
前記第1の端末装置での録画処理の予約を取り消し、前記第2の端末装置に前記第1の端末装置で予約されていた前記録画処理を実行させる予約管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−212981(P2012−212981A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76445(P2011−76445)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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