説明

電子機器、制御方法、及び制御プログラム

【課題】操作を容易に開始することができるとともに、セキュリティを確保することができる電子機器、制御方法、及び制御プログラムを提供すること。
【解決手段】携帯電話装置1は、アプリケーションプログラムの実行を指示する操作手順である第1手順及び第2手順を記憶する記憶部50と、入力が行われる操作部11と、第1モードが設定されている場合において第1手順又は第2手順のいずれかに対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムを実行し、第2モードが設定されている場合において第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムを実行し、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムの実行を規制する制御部60を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、制御方法、及び制御プログラムに関する。より詳しくは、モードに応じてアプリケーションプログラムの実行を制御する電子機器、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置では、紛失や盗難時の第三者の不正使用に備えて、全部又は一部の機能を使用不能等にするように操作を制限する機能が付加されている。例えば、特許文献1には、パスワードによる認証を行うことで操作を制限してセキュリティを確保する携帯端末装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−037872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示される携帯端末装置のように、パスワードの入力によって操作を制限すると、当該携帯端末装置のユーザは、操作を開始するたびにパスワードを入力する必要があり、操作が煩雑になるといった問題がある。そこで、操作開始時に煩雑な操作を行うことなく、セキュリティを確保することができる電子機器を提供することが求められている。
【0005】
本発明は、操作を容易に開始することができるとともに、セキュリティを確保することができる電子機器、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器であって、前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定するモード設定部と、前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制する制御部と、を備える。
【0007】
また、上記電子機器では、前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合であっても、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対する入力開始時から所定の時間以内に前記入力部に対して行われたときには、前記アプリケーションプログラムを実行することが好ましい。
【0008】
また、上記電子機器では、前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において、前記アプリケーションプログラムの実行時に所定回数連続して前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記入力部に対する操作手順の入力を無効とすることが好ましい。
【0009】
また、上記電子機器では、前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記入力部に対する操作手順の入力を無効とすることが好ましい。
【0010】
また、上記電子機器は、前記制御部は、前記第1手順の登録が行われるモードである登録モードを備え、前記登録モードが設定されているである場合において前記アプリケーションプログラムの実行を指示する入力が前記入力部に対して行われたとき、当該入力の手順が前記第1手順として記憶される記憶部を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、上記電子機器では、前記制御部は、前記入力部に対して行われた入力による前記アプリケーションプログラムの起動操作の手順の履歴に基づいて、前記記憶部に記憶させる前記第2手順を決定し、当該第2手順を前記記憶部に記憶させることが好ましい。
【0012】
また、上記電子機器は、表示部を更に備え、前記記憶部は、前記第2手順として、前記表示部に表示される複数のアプリケーションプログラムのいずれかの実行を指示するメニュー画面における操作により前記アプリケーションプログラムの実行指示を行うメニュー選択式操作を記憶し、前記第1手順として、前記メニュー選択式操作に比べて少ない手順の操作により前記アプリケーションプログラムの実行指示を行うショートカット式操作を記憶することが好ましい。
【0013】
また、上記電子機器は、外部機器と通信を行う通信部を更に備え、前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記通信部に、前記第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を予め指定された宛先に送信させることが好ましい。
【0014】
本発明に係る制御方法は、入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器が実行する制御方法であって、前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定するステップと、前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行するステップと、前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行するステップと、前記第2モードが設定されている場合において、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制するステップと、を含む。
【0015】
本発明に係るプログラムは、入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器に実行させるための制御プログラムであって、前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定する処理と、前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行する処理と、前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制する処理と、を前記電子機器に実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作を容易に開始することができるとともに、セキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】操作手順テーブルを示す図である。
【図4】携帯電話装置によるアプリケーションプログラムを実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態では、電子機器の一例として、携帯電話装置について説明するが、本発明は電子機器に限られるものではなく、電子機器が各種機能を実行する方法、電子機器に各種機能を実行させるためのプログラム、及びこのプログラムを記憶した記憶媒体にも適用可能である。また、本発明の電子機器は、これに限られず、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)の他、通信機能を備えたパーソナルコンピュータ、更に、これらに接続される通信モジュール等、様々な電子機器に適用可能である。
【0019】
図1は、本実施形態に係る携帯電話装置1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては、特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0020】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3とを備えて構成される。
操作部側筐体部2は、表面部10に、入力部としての操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12とを備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とから構成されている。
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22とを備えて構成されている。
【0021】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0022】
図2は、本実施形態に係る携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。
携帯電話装置1は、図2に示すように、操作部11と、マイク12と、通信部30と、LCD制御部41と、音声処理部42と、記憶部50と、制御部60とを操作部側筐体部2に備える。また、携帯電話装置1は、LCD表示部21と、スピーカ22と、LCDドライバ23とを表示部側筐体部3に備える。
【0023】
通信部30は、基地局(図示省略)等の外部機器と信号の送受信を行う。この通信部30は、メインアンテナ31と、RF回路部32とを備える。
【0024】
メインアンテナ31は、基地局等の外部機器と、所定の変調方式で変調された高周波信号の送受信を行う。
RF回路部32は、メインアンテナ31により送受信される高周波信号を処理する。具体的には、RF回路部32は、メインアンテナ31によって受信した信号を所定の復調方式で復調し、処理後の信号を制御部60に供給する。また、RF回路部32は、制御部60から供給された信号を所定の変調方式で変調し、メインアンテナ31を介して基地局等の外部機器に送信する。
【0025】
LCD制御部41は、制御部60の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをLCDドライバ23に出力する。LCDドライバ23は、フレームメモリを備えており、LCD制御部41から供給された画像データをフレームメモリに蓄える。そして、LCDドライバ23は、フレームメモリに蓄えられた画像データを所定のタイミングでLCD表示部21又はサブLCD表示部(図示省略)に出力する。
【0026】
音声処理部42は、制御部60の制御に従って、所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部42から供給された信号を外部に出力する。また、音声処理部42は、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を制御部60に出力する。
【0027】
記憶部50は、例えば、情報を記憶するメモリ等により構成されており、制御部60による演算処理に利用される。また、記憶部50は、アプリケーションプログラムと、操作手順テーブル51を記憶する。
【0028】
この操作手順テーブル51は、アプリケーションプログラムの実行を指示する操作部11の操作手順である第1手順及び第2手順と、を記憶する。例えば、記憶部50の操作手順テーブル51は、第2手順として、LCD表示部21に表示される複数のアプリケーションプログラムのいずれかの実行を指示するメニュー画面における操作によりアプリケーションプログラムの実行指示を行うメニュー選択式操作を記憶し、第1手順として、メニュー選択式操作に比べて少ない手順の操作によりアプリケーションプログラムの実行指示を行うショートカット式操作を記憶する。また、記憶部50は、制御部60の制御に応じて、特定の手順を第1手順又は第2手順として記憶する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る操作手順テーブル51を示す図である。
操作手順テーブル51は、アプリケーションプログラムの名称を示すアプリケーションプログラム名51Aと、手順の種別を示す種別51Bと、アプリケーションプログラム名に対応するアプリケーションプログラムを実行する操作手順を示す操作手順51Cと、操作手順に応じて制御部60により行われる動作51Dと、を含む。操作手順51Cは、操作1、操作2、操作3等の複数の操作から構成されており、操作1、操作2、操作3、の順に操作が行われるものとする。すなわち、本実施形態では、操作部11に対する異なる第1手順又は第2手順によって、同じアプリケーションプログラムの実行を指示することが可能である。
【0030】
説明を図2に戻す。記憶部50は、操作部11に対して行われたアプリケーションプログラムの実行を指示する入力の履歴を操作手順の履歴として記憶する。また、記憶部50は、第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を通知するために、予め指定された宛先として、例えば、所定のメールアドレスを記憶する。なお、記憶部50は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0031】
制御部60は、中央演算装置(CPU)等により構成されており、携帯電話装置1の全体を制御する。制御部60は、例えば、通信部30、LCD制御部41、音声処理部42等に対して所定の制御を行う。また、制御部60は、操作部11等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、制御部60は、処理実行の際には、記憶部50を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。制御部60の詳細な機能については後述する。
【0032】
このように構成される携帯電話装置1は、制御部60により、操作部11の操作に応じて、アプリケーションプログラムの実行を制御する。以下に、制御部60について、詳細な説明を行う。
【0033】
制御部60(モード設定部)は、全部又は一部の機能を使用不能等にするように操作を制限する機能として、セキュリティ機能を有しており、当該セキュリティ機能を動作させない第1モードと、当該セキュリティ機能を動作させる第2モードとを備える。
【0034】
また、制御部60は、第1手順の登録が行われるモードである登録モードを備える。そして、制御部60は、登録モードが設定されている場合において記憶部50に記憶されているアプリケーションプログラムの実行を指示する入力が操作部11に対して行われたとき、当該入力の手順を第1手順として記憶部50の操作手順テーブル51に記憶させる。なお、登録モードは、操作部11において所定の操作が行われたことに応じて第1モード又は第2モードから遷移するモードである。
【0035】
また、制御部60は、操作部11に対して、アプリケーションプログラムの実行を指示する入力が行われたことに応じて、当該入力を操作手順の履歴として記憶部50に記憶させる。
そして、制御部60は、定期的に、記憶部50に記憶されている操作手順の履歴に基づいて、記憶部50に第2手順として記憶させる操作手順を決定し、当該操作手順を第2手順として記憶部50に記憶させる。具体的には、制御部60は、アプリケーションプログラムの実行を指示する操作手順の履歴のうち、履歴として記憶されている数が少ない操作手順、すなわち、使用頻度が少ない操作手順を第2手順に決定し、当該手順を第2手順として記憶部50に記憶させる。
【0036】
そして、制御部60は、第1モード及び第2モードのいずれかで動作している場合において、以下のように制御を行う。
【0037】
すなわち、制御部60は、第1モードが設定されている場合において第1手順又は第2手順のいずれかに対応する入力が操作部11に対して行われたとき、記憶部50に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する。
【0038】
また、制御部60は、第2モードが設定されている場合において第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、記憶部50に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する。また、制御部60は、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、当該アプリケーションプログラムの実行を規制する。
【0039】
具体的には、制御部60は、第2モードが設定されている場合において、第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、第2手順に対応する入力が開始されてから終了するまでに掛かった時間を測定する。そして、制御部60は、測定された時間が所定の時間(例えば10秒)以内の場合に、アプリケーションプログラムを実行する。
【0040】
また、制御部60は、測定された時間が所定の時間より大きい場合に、アプリケーションプログラムを実行せずに、以降の操作部11に対する入力をパスワード入力によって解除されない限り無効とする制御を行う。なお、操作部11に対する入力の無効とは、例えば、パスワードの入力のみを受け付けることをいう。この場合に、記憶部50に予めパスワードを記憶させておき、制御部60が、入力されたパスワードが記憶部50に記憶されているパスワードと一致した場合にのみ、操作部11に対する入力の無効を解除するようにしてもよい。
【0041】
また、制御部60は、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、通信部30に、第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を、記憶部50に記憶されている予め指定された宛先(所定のメールアドレス)に送信させる。
【0042】
なお、制御部60は、第2モードが設定されている場合において、アプリケーションプログラムの実行を指示する手順に対応する入力が複数回、操作部11に対して行われたとき、以下の制御を行うようにしてもよい。すなわち、制御部60は、第2モードが設定されている場合において、アプリケーションプログラムの実行時に所定回数連続して第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、以降にアプリケーションプログラムを実行する手順に対応する入力が操作部11に対して行われても、操作部11に対する操作手順の入力を無効として、当該アプリケーションプログラムの実行を規制するようにしてもよい。
【0043】
続いて、携帯電話装置1のアプリケーションプログラムの実行に係る処理の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係る携帯電話装置1によるアプリケーション実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいて、制御部60のモードは、第1モード及び第2モードのいずれかのモードであることとする。
【0044】
ステップS1において、制御部60は、操作部11によりアプリケーションプログラムの実行を指示する操作が行われたか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合にステップS2に処理を移し、この判定がNOの場合に、ステップS1の処理を再実行する。
【0045】
ステップS2において、制御部60は、アプリケーションプログラムの実行を指示する操作の操作履歴を記憶部50に記憶させる。
【0046】
ステップS3において、制御部60は、現在のモードが第2モードであるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS4に処理を移し、この判定がNOの場合、現在のモードが第1モードであると判定してステップS8に処理を移す。
【0047】
ステップS4において、制御部60は、記憶部50の操作手順テーブル51を参照して、操作部11により入力が行われた操作手順が第2手順に対応する操作手順であるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS5に処理を移し、この判定がNOの場合、操作部11により入力が行われた操作手順が第1手順であると判定してステップS8に処理を移す。
【0048】
ステップS5において、制御部60は、第2手順に対応する入力が所定時間以内に行われたか否かを判定する。具体的には、制御部60は、第2手順に対応する入力が開始されてから終了するまでに掛かった時間が所定時間以内であるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS8に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS6に処理を移す。
【0049】
ステップS6において、制御部60は、操作部11の入力を無効とする。
ステップS7において、制御部60は、通信部30に、第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を、記憶部50に記憶されている予め指定された宛先に送信させる。この処理が終了すると、制御部60は、本フローチャートに係る処理を終了する。
なお、本フローチャートでは、ステップS6、ステップS7に示す処理を行うこととしたが、制御部60は、記憶部50の操作手順テーブル51の動作51Dを参照して、第2手順それぞれに対応する動作を行うように制御してもよい。
【0050】
一方、ステップS8において、制御部60は、アプリケーションプログラムを実行する。この処理が終了すると、制御部60は、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0051】
以上、本実施形態によれば、携帯電話装置1は、第1モードが設定されている場合において第1手順又は第2手順のいずれかに対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムを実行し、第2モードが設定されている場合において第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムを実行し、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、アプリケーションプログラムの実行を規制する。
【0052】
また、携帯電話装置1は、第2手順として、LCD表示部21に表示される複数のアプリケーションプログラムのいずれかの実行を指示するメニュー画面における操作によりアプリケーションプログラムの実行指示を行うメニュー選択式操作を記憶部50の操作手順テーブル51に記憶し、第1手順として、メニュー選択式操作に比べて少ない手順の操作によりアプリケーションプログラムの実行指示を行うショートカット式操作を記憶部50の操作手順テーブル51に記憶する。
【0053】
携帯電話装置1のユーザがよく使用する操作手順が第1手順であり、携帯電話装置1のユーザが使用しない操作手順が第2手順である場合、第1手順は、ユーザが使用する頻度が高いショートカット式操作に対応する手順となり、第2手順は、画面の表示に従ってアプリケーションプログラムを実行することができるメニュー選択式操作に対応する操作手順となる可能性が高い。
【0054】
この場合に、第2モードが設定されている場合においてアプリケーションプログラムが実行されるとき、携帯電話装置1のユーザは、第1手順によって支障なくアプリケーションプログラムを実行することができる。一方、携帯電話装置1の所有者ではない第3者が当該携帯電話装置1を使用する場合には、操作に不慣れであるために、第2手順によって操作する可能性が高く、アプリケーションを実行することができない。よって、携帯電話装置1は、操作を容易に開始することができるとともに、セキュリティを確保することができる。
【0055】
また、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において、第2手順に対応する入力が所定の時間以内に操作部11に対して行われたときには、アプリケーションプログラムを実行する。
【0056】
このように、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において、第2手順に対応する入力が所定の時間以内に素早く実行された場合には、携帯電話装置1の操作に詳しい携帯電話装置1のユーザであると判定して、アプリケーションプログラムを実行する。ここで、携帯電話装置1の所有者ではない第3者が当該携帯電話装置1を使用する場合には、操作に不慣れであるために、第2手順に対応する入力を行うことができたとしても、比較的時間を要するので、所定の時間以内に実行できない可能性が高い。よって、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合に、第2手順であっても携帯電話装置1のユーザと判定された操作に対してアプリケーションプログラムを実行し、第3者と判定された操作に対してはアプリケーションプログラムの実行を規制するので、ユーザの利便性を確保しつつ、セキュリティを確保することができる。
【0057】
また、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において、所定回数連続して第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われなかったとき、アプリケーションプログラムの実行を規制するように制御する。
上述のように、アプリケーションプログラムを実行する場合、携帯電話装置1のユーザは、操作部11に対して第1手順による操作を行い、携帯電話装置1の所有者ではない第3者は、操作部11に対して第2手順による操作を行う可能性が高い。また、連続して第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われなかったとき、携帯電話装置1の所有者ではない第3者によって操作が行われている可能性が更に高い。よって、携帯電話装置1は、連続して第1手順に対応する入力が操作部11に対して行われなかった場合に、第3者による操作であると判定してアプリケーションプログラムの実行を規制するので、更にセキュリティを確保することができる。
【0058】
また、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、操作部11に対する入力を無効とする制御を行う。よって、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われた後に、更に情報が閲覧されることを防止することができる。
【0059】
また、携帯電話装置1は、登録モードが設定されている場合において、アプリケーションプログラムの実行を指示する入力が操作部11に対して行われたとき、当該入力の手順を第1手順として記憶部50の操作手順テーブル51に記憶させる。よって、携帯電話装置1は、ユーザから第1手順としての操作手順を受け付けることにより、第1手順を任意の手順とすることができる。
【0060】
また、携帯電話装置1は、操作部11に対して行われた入力による操作手順の履歴に基づいて、第2手順を決定し、当該第2手順を記憶部50の操作手順テーブル51に記憶させる。具体的には、操作部11に対して行われた回数の少ない操作手順を第2手順とする。よって、携帯電話装置1は、履歴に基づいて自動的に第2手順を決定することができるので、ユーザによって第2手順を決定する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0061】
また、携帯電話装置1は、第2モードが設定されている場合において第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われたとき、通信部30に、第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を予め指定された宛先に送信させる。
このようにすることで、携帯電話装置1のユーザは、予め指定された宛先を自身の宛先とすることで、第2モードが設定されている場合において携帯電話装置1の所有者ではない第3者によって第2手順に対応する入力が操作部11に対して行われた場合であっても、その旨を示した情報を受信することによって、その旨を把握して適切な対応を行うことができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0063】
例えば、制御部60は、登録モードが設定されている場合において、記憶部50の操作手順テーブル51について、第2手順に対応する動作51Dの内容の変更することができるようにしてもよい。この場合、制御部60は、第2手順が行われた場合の動作として、所定の宛先へのメール送信、携帯電話装置1に記憶されているデータの消去、操作部11による操作の無効や、これらを組み合わせた動作等を設定することができることとしてもよい。このようにすることで、携帯電話装置1は、第2手順が複数ある場合に、複数の第2手順それぞれに対して異なる設定をすることができるので、複数の第2手順それぞれが入力される可能性を考慮した柔軟なセキュリティ対応を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話装置
11 操作部
30 通信部
50 記憶部
60 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器であって、
前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定するモード設定部と、
前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制する制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合であっても、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対する入力開始時から所定の時間以内に前記入力部に対して行われたときには、前記アプリケーションプログラムを実行する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において、前記アプリケーションプログラムの実行時に所定回数連続して前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記入力部に対する操作手順の入力を無効とする、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記入力部に対する操作手順の入力を無効とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1手順の登録が行われるモードである登録モードを備え、
前記登録モードが設定されている場合において前記アプリケーションプログラムの実行を指示する入力が前記入力部に対して行われたとき、当該入力の手順が前記第1手順として記憶される記憶部を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記入力部に対して行われた入力による前記アプリケーションプログラムの起動操作の手順の履歴に基づいて、前記記憶部に記憶させる前記第2手順を決定し、当該第2手順を前記記憶部に記憶させる、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
表示部を更に備え、
前記記憶部は、前記第2手順として、前記表示部に表示される複数のアプリケーションプログラムのいずれかの実行を指示するメニュー画面における操作により前記アプリケーションプログラムの実行指示を行うメニュー選択式操作を記憶し、前記第1手順として、前記メニュー選択式操作に比べて少ない手順の操作により前記アプリケーションプログラムの実行指示を行うショートカット式操作を記憶する、
請求項5又は6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
外部機器と通信を行う通信部を更に備え、
前記制御部は、前記第2モードが設定されている場合において前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記通信部に、前記第2手順に対応する入力が行われた旨を示す情報を予め指定された宛先に送信させる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器が実行する制御方法であって、
前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定するステップと、
前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行するステップと、
前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行するステップと、
前記第2モードが設定されている場合において、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制するステップと、
を含む制御方法。
【請求項10】
入力部に対する互いに異なる第1手順又は第2手順によって同じアプリケーションプログラムの実行の指示が可能な電子機器に実行させるための制御プログラムであって、
前記入力部による入力に基づいて第1モード又は第2モードのいずれかのモードを設定する処理と、
前記第1モードが設定されている場合において、前記第1手順又は前記第2手順のいずれかに対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行する処理と、
前記第2モードが設定されている場合において、前記第1手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムを実行し、前記第2手順に対応する入力が前記入力部に対して行われたとき、前記アプリケーションプログラムの実行を規制する処理と、
を前記電子機器に実行させる制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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