説明

電子機器、画面制御方法および画面制御プログラム

【課題】表示部に効率よくオブジェクトを表示させることができ、さらに直感的な操作でオブジェクトの内容を確認することができること。
【解決手段】実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示した状態で、所定操作が行われると、第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消す制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、画面制御方法および画面制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の電子機器では、利用頻度の高い機能を簡単に起動させるためにショートカットを作成できるものがある。例えば、携帯電話機の待受画面に、特定のアプリケーションプログラムと関連づけられたショートカット項目(オブジェクト)を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような技術を用いれば、待受画面からメニュー階層を辿って所望のアプリケーションプログラムを起動させるといった煩雑な操作を行うことなく、所望のアプリケーションプログラムを迅速に起動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−317223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、電子機器では、作成したショートカットのオブジェクトをアイコンで表示するものがある。アイコンで表示することで、オブジェクトを小さいスペースに効率よく表示させることができる。ここで、オブジェクトをアイコンで表示させる場合、オブジェクトの詳細な内容を表示させる操作には、オブジェクトの表示設定を変更する操作や、カーソルを一定時間オブジェクトに合わせる操作に対応付けていた。しかしながら、これらの操作はボタン操作等であるため、直感的な操作がしにくい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示部に効率よくオブジェクトを表示させることができ、さらに直感的な操作でオブジェクトの内容を確認することができる電子機器、画面制御方法および画面制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子機器であって、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示した状態で、所定操作が行われると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消す制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記制御部は、前記第2表示部が隠れている状態から露出する状態へ移行する操作を前記所定操作として検出することが好ましい。
【0009】
また、前記第1表示部が配置された第1筐体と、前記第2表示部が配置された第2筐体と、をさらに有し、前記第2筐体は、前記第1筐体によって前記第2表示部が隠される位置から、前記第2表示部が露出される位置まで移動可能であることが好ましい。
【0010】
また、前記検出部は、前記第1表示部および前記第2表示部への接触を検出する接触検出部であり、前記制御部は、前記接触検出部で検出する前記オブジェクトを前記第1表示部から前記第2表示部に移動させる移動操作を前記所定操作として検出することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、ドラッグ操作、フリック操作、スイープ操作のいずれかを、前記移動操作として検出することが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記接触検出部で前記第1表示部に対する接触および当該接触の移動を検出した後、前記第2表示部の前記第1表示部と隣接している所定領域への接触を検出しなかった場合、前記所定操作以外の操作が入力されたと判定し、前記第1表示部に対してのみ入力された操作として処理を実行することが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記第1表示部に前記オブジェクトとしてアイコンを表示させ、前記第2表示部に前記オブジェクトに関連する情報としてテキスト情報を含む画像を表示させることが好ましい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、を備える電子機器によって実行される画面制御方法であって、前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示させる状態で、入力される操作を検出するステップと、所定操作を検出すると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消すステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画面制御プログラムであって、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、を備える電子機器に、前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示させる状態で、入力される操作を検出するステップと、所定操作を検出すると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消すステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る電子機器、画面制御方法および画面制御プログラムは、表示部に効率よくオブジェクトを表示させることができ、さらに直感的な操作でオブジェクトの内容を確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、第1の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図2】図2は、第2の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図3】図3は、第1表示部に画面を表示する例を示す図である。
【図4】図4は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。
【図5】図5は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。
【図6】図6は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。
【図7】図7は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、オブジェクトに対する操作が検出された場合の主制御部の動作を示すフロー図である。
【図9】図9は、オブジェクトに対する操作が検出された場合の主制御部の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器として携帯電話端末を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。また、本発明は携帯電子機器に用いることが好ましいが、複数の表示部を備える固定型の電子機器等を含む各種電子機器にも適用できる。
【0019】
(実施形態)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、第1の形態にある携帯電話端末1の斜視図であり、図2は、第2の形態にある携帯電話端末1の斜視図である。携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bとを有する。第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bに対して矢印Aの方向に相対的にスライド可能に構成されている。
【0020】
第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bと対向する面と反対側の面に第1タッチパネル2を有する。第2の筐体1Bは、第1の筐体1Aと対向する面に第2タッチパネル3を有する。第1タッチパネル2および第2タッチパネル3は、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者が指やスタイラス等(以下、単に「指」という)を用いて当該タッチパネルに対して行う各種操作を検出する。第2タッチパネル3は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが重なり合う第1の形態では第1の筐体1Aによって覆い隠され、第1の筐体1Aが矢印Aの方向にスライドした第2の形態では外部に露出する。
【0021】
第1の形態は、いわゆるクローズ状態である。第1の形態は、利用者が携帯電話端末1を持ち運ぶのに適した形態であり、この形態でも利用者は、第1タッチパネル2に表示される情報を参照したり、第1タッチパネル2を指で操作して情報を入力したりすることができる。第2の形態は、いわゆるオープン状態である。第2の形態は、利用者が携帯電話端末1を利用するのに適した形態であり、利用者は、第1タッチパネル2と第2タッチパネル3とを併用して、より多くの情報を参照することができる。
【0022】
次に、図3から図6を参照しながら、携帯電話端末1における画面の表示について説明する。図3は、第1表示部に画面を表示する例を示す図である。図4は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。図5は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。図6は、第1表示部および第2表示部に画面を表示する例を示す図である。
【0023】
図3に示す携帯電話端末1は、第1の形態であり、第1タッチパネル2のみが露出した状態である。図3に示す携帯電話端末1は、第1タッチパネル2に、4つのオブジェクト22と2つのオブジェクト24とが配置された待受画面20を表示する。4つのオブジェクト22と2つのオブジェクト24は、それぞれアイコンのみが表示されている。また、4つのオブジェクト22と2つのオブジェクト24は、待受画面20の画面左下に一列に配置されている。なお、オブジェクトは、各種機能へのショートカットの情報や、テキストデータ(文字列情報)が対応付けられた情報である。オブジェクトには、例えば、WEBブラウジング機能を起動させるために用いられるオブジェクト、電子メール機能を起動させるために用いられるオブジェクト、スケジュール機能を起動させるために用いられるオブジェクト、メモ機能を起動させるために用いられるオブジェクト、テキスト情報のみが対応付けられているオブジェクトがある。なお、図3に示すオブジェクト22とオブジェクト24とは、絵文字等からなる識別記号をオブジェクトとして示している。
【0024】
なお、待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電話端末1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、初期画面、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。また、図3に示した例では、山の画像が待受画面として表示されているが、無地の画面や種々の画像データ、アニメーションデータを待受画面として表示してもよい。また、待受画面の一部として、カレンダや時計のように動的に変化する部分が含まれていてもよい。
【0025】
ここで、利用者が図3に示す携帯電話端末1の第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとをスライドさせて第1の形態から第2の形態に移動させる操作を行ったものとする。つまり、スライドオープン操作を行ったものとする。
【0026】
携帯電話端末1は、図3に示すように待受画面20を表示させている状態で第1の形態から第2の形態に切り換えられると、図4に示すように、第1タッチパネル2と第2タッチパネル3の両方が露出した状態となる。このとき、携帯電話端末1は、第1タッチパネル2に、4つのオブジェクト22が配置された待受画面20、つまり2つのオブジェクト24が配置されていない待受画面20を表示し、新たに露出した第2タッチパネル3にオブジェクト32とオブジェクト34とが配置された待受画面30を表示させる。オブジェクト32とオブジェクト34は、アイコンに加えオブジェクトに対応付けられた文字情報を表示している。具体的にはオブジェクト32は、WEBブラウジング機能を起動させるために用いられるオブジェクトであり、文字列として「ブラウザ」が表示される。また、オブジェクト34は、テキスト情報のみが対応つけられたオブジェクトであり、文字列として「19時に待ち合わせ」が表示される。また、オブジェクト32とオブジェクト34は、図3の2つのオブジェクト24と同一のオブジェクトを示すオブジェクトである。
【0027】
このように、携帯電話端末1は、第1の形態から第2の形態に切り換えられると、第1タッチパネル2に表示させているオブジェクトのうち、設定されたオブジェクト(本実施形態ではオブジェクト24)の表示位置を第1タッチパネル2から第2タッチパネル3に変更する。さらに、携帯電話端末1は、第2タッチパネル3に表示位置を変更したオブジェクトは、アイコンのみの表示からアイコンと文字情報の表示に切り換える。
【0028】
また、携帯電話端末1は、図4に示す第2の形態から第1の形態の切り換える操作、つまりスライドクローズ操作が行われると、上述した図3に示す携帯電話端末1に示すように第1タッチパネル2に4つのオブジェクト22と2つのオブジェクト24とが配置された待受画面20を表示する。このように携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを相対的にスライド操作が行われる毎に、図3に示す画面から図4に示す画面、または図4に示す画面から図3に示す画面に画面の表示を切り換える。
【0029】
本実施形態では、第1の形態から第2の形態に切り換える操作が行われた場合に、第1タッチパネルおよび第2タッチパネルに表示させているオブジェクトの表示を切り替えることとしたので、利用者は簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトの内容を確認することができる。また、第2の形態から第1の形態に切り換える操作が行われた場合に、第1タッチパネルに表示させているオブジェクトの表示を切り替えることとしたので、利用者は、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトを小さく表示させることができる。また、第2の形態から第1の形態に切り換える操作が行われた場合に、隠れてしまう第2タッチパネル3に表示されているオブジェクトを自動的に第1タッチパネル2に移動させることで、第1の形態でも作成したオブジェクトを自動的に全て表示させることができる。
【0030】
次に、図5に示すように、第2の形態の携帯電話端末1に対して、利用者がオブジェクト32に対して第1タッチパネル2が存在する方向への移動を伴う操作(つまり矢印42に示す方向の操作)を行い、オブジェクト34に対して第1タッチパネル2が存在する方向への移動を伴う操作(つまり矢印44に示す方向の操作)を行ったものとする。移動を伴う操作とは、例えば、フリック操作やドラッグ操作やスイープ操作である。フリック操作とは、指をタッチパネルに接触させた後に、何かをはじくように指を急速に移動させる操作をいう。また、ドラッグ操作とは、指をタッチパネルに接触させて、特定のオブジェクトを指定した後、当該オブジェクトの移動先の位置を指定する操作をいう。また、スイープ操作とは、指をタッチパネルに接触させた後に、タッチパネルとの接触を保ったままで指を移動させる操作をいう。移動を伴う操作は、第2タッチパネル3によって、第2タッチパネル3のある位置で接触が開始され、その後、第2タッチパネル3との接触を保ったままで接触位置が移動する動作として検出される。
【0031】
このように、オブジェクトに対して移動を伴う操作が行われ、オブジェクトが表示されている表示部とは異なる他の表示部が移動方向に存在する場合、携帯電話端末1は、オブジェクトを表示させるタッチパネルを変更する処理を実行し、移動を伴う操作が入力されたオブジェクトを移動方向の先にあるタッチパネル(本実施形態では第1タッチパネル2)に表示する。具体的には、図6に示すように、第1タッチパネル2に、4つのオブジェクト22と2つのオブジェクト24が配置された待受画面20を表示し、第2タッチパネル3にオブジェクト32とオブジェクト34が配置されていない待受画面30を表示させる。このように、携帯電話端末1は、第1タッチパネル2に表示するオブジェクトは、アイコンのみのオブジェクトとして表示する。
【0032】
また、携帯電話端末1は、利用者が図6に示すように第1タッチパネル2に表示されている2つのオブジェクト24に対して第2タッチパネル3が存在する方向への移動を伴う操作を行うと、上述した図5に示す携帯電話端末1に示すように第1タッチパネル2に4つのオブジェクト22が配置された待受画面20を表示し、第2タッチパネル3にオブジェクト32とオブジェクト34が配置された待受画面30を表示させる。このように携帯電話端末1は、第1タッチパネル2に配置されたオブジェクトに対して第2タッチパネル3が存在する方向への移動を伴う操作が検出された場合も同様にオブジェクトを表示させるタッチパネルを変更する。また、その場合、移動先のタッチパネルの表示設定に基づいてオブジェクトを表示させる。
【0033】
以上、説明してきたように、携帯電話端末1は、オブジェクトに対して移動を伴う操作が行われた場合に、移動先のタッチパネル(の表示部)の表示設定に基づいてオブジェクトの表示を切り替える。このため、利用者は、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトの内容を確認することができる。また、利用者は、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトを小さく表示させることができる。
【0034】
なお、携帯電話端末1は、オブジェクトの表示を切り換える操作として、予め設定した種々の所定の操作を用いることができる。なお、オブジェクトに対して移動を伴う操作としては、一方のタッチパネルから他方のタッチパネルまで実質的に連続して移動する操作を用いることが好ましい。つまり、一方のタッチパネルに対する接触および接触の移動を検出した後、他方のタッチパネルで一方のタッチパネルと隣接している所定領域で接触を検出した場合に、オブジェクトに対して移動を伴う操作を検出したとすることが好ましい。これにより、携帯電話端末1は、オブジェクトの表示形式の変更の処理を直感的に入
力することができる。
【0035】
また、携帯電話端末1は、一方のタッチパネルに対する接触および接触の移動を検出した後、他方のタッチパネルで一方のタッチパネルと隣接している所定領域で接触を検出しなかった場合、所定操作以外の操作が入力されたと判定し、一方のタッチパネルのみに対して入力された操作として処理を実行することが好ましい。このように、2つのタッチパネルに跨る操作が入力されない場合は、他の操作と判定することで、好適に種々の操作を入力することができる。
【0036】
次に、図7を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図7は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図7に示すように携帯電話端末1は、第1タッチパネル2と、第2タッチパネル3と、姿勢検出部4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを有する。なお、第1タッチパネル2が第1の筐体1Aに設けられ、第2タッチパネル3が第2の筐体1Bに設けられることを除いて、各部位は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられてもよい。
【0037】
第1タッチパネル2は、第1表示部2Bと、第1表示部2Bに重畳された第1タッチセンサ2Aとを有する。第2タッチパネル3は、第2表示部3Bと、第2表示部3Bに重畳された第2タッチセンサ3Aとを有する。第1タッチセンサ2Aおよび第2タッチセンサ3Aは、指を用いて表面に対して行われた各種操作を、操作が行われた位置とともに検出する。第1タッチセンサ2Aおよび第2タッチセンサ3Aによって検出される操作には、タップ操作、フリック操作、ドラッグ操作等が含まれる。第1表示部2Bおよび第2表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0038】
姿勢検出部4は、携帯電話端末1が第1の形態にあるのか、第2の形態にあるのかを検出する。姿勢検出部4は、例えば、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが対向する面に設けられた機械的なスイッチによって携帯電話端末1の姿勢を検出する。
【0039】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。スピーカ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0040】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部9は、電子メール機能を実現するためのメールプログラム9Aや、WEBブラウジング機能を実現するためのブラウザプログラム9Bや、上述したような画面制御を実現するための画面制御プログラム9Cや、第1表示部2Bおよび第2表示部3Bの寸法および位置関係に関する情報や、オブジェクトの表示設定の情報が格納された表示部データ9Dや、オブジェクトを表示する表示領域に関する情報が格納された表示領域データ9Eを記憶する。記憶部9には、その他に、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。
【0041】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムを実行して、第1タッチパネル2、通信部6等を制御することによって各種処理を実行する。主制御部10は、記憶部9に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM11に必要に応じて展開する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0042】
例えば、主制御部10は、メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、主制御部10は、画面制御プログラム9Cを実行することによって、上述したように利用者に指定された表示部に画面を表示する機能を実現する。
【0043】
次に、図8を参照しながら、画面制御プログラム9Cに基づいて主制御部10が実行する処理手順について説明する。なお、図8に示す処理手順は、携帯電話端末1が第2の形態にあり、かつ待受画面を表示しているときに実行される。図8は、オブジェクトに対する操作が検出された場合の主制御部の動作を示すフロー図である。また、図8に示す処理手順は、第2タッチパネル3に表示させるオブジェクトに対して接触動作が入力された場合の処理手順である。
【0044】
図8に示すように、主制御部10は、ステップS12として、第1タッチパネル2の第1表示部2Bおよび第2タッチパネル3の第2表示部3Bにオブジェクトを表示させる。主制御部10は、ステップS12でオブジェクトを表示させたら、ステップS14として第2タッチセンサ3Aで画面上方向へのドラッグ操作を検出したか、より具体的には第2タッチパネル3に表示させたオブジェクトの少なくとも1つを画面上方向へドラッグする操作を第2タッチセンサ3Aで検出したかを判定する。なお、図8では、ドラッグ操作を検出対象としたが、スイープ操作の場合も同様である。
【0045】
主制御部10は、ステップS14でドラッグ操作を検出していない(No)と判定した場合、ステップS12に進む。主制御部10は、ステップS14でドラッグ操作を検出した(Yes)と判定した場合、ステップS16として、下画面から上画面へのドラッグ中のフラグを立て、ステップS18としてタップ(接触操作)を検出したか、つまりステップS14で検出した操作とは異なる操作を検出したかを判定する。
【0046】
主制御部10は、ステップS18でタップを検出していない(No)と判定した場合、ステップS20としてドラッグ操作から一定秒間経過したかを判定する。なお、主制御部10は、タイマー機能によりドラッグ操作が入力されてからの時間を計測し、計測した時間と、予め設定した閾値時間(一定秒数)とを比較することで、一定秒間経過したかを判定することができる。主制御部10は、ステップS20で一定秒間経過していない(No)と判定した場合、ステップS18に進む。
【0047】
主制御部10は、ステップS20で一定秒間経過した(Yes)と判定した場合、ステップS22として、下画面から上画面へのドラッグ中のフラグを削除し、本処理を終了する。つまり、主制御部10は、オブジェクトの移動操作は入力されていないと判定して、本処理を終了する。
【0048】
主制御部10は、ステップS18でタップを検出した(Yes)と判定した場合、ステップS24として、検出したタップが、第1タッチセンサ2Aの画面下からのドラッグ操作であるかを判定する。つまり、主制御部10は、検出したタップがステップS14で検出したドラッグ操作と実質的に連続した操作であるかを判定する。主制御部10は、ステップS24で当該ドラッグ操作ではない(No)と判定した場合、ステップS26として、下画面から上画面へのドラッグ中のフラグを削除し、ステップS28として、タップの処理を行う。つまり、主制御部10は、検出したタップがステップS14で検出したドラッグ操作と実質的に連続した操作ではないと判定し、検出したタップに対応する処理を実行する。主制御部10は、タップの処理を行ったら、本処理を終了する。
【0049】
また、主制御部10は、ステップS24で当該ドラッグ操作である(Yes)と判定した場合、ステップS30として、下画面から上画面へのドラッグ中のフラグを削除し、ステップS32としてドラッグされたオブジェクトのショートカットのアイコンを作成する。つまり、主制御部10は、ステップS14でドラッグしたオブジェクトに対応するアイコンを作成する。主制御部10は、アイコンを作成したら、ステップS34として第1タッチパネル2の第1表示部2Bにアイコンを表示させる。つまり、主制御部10は、ステップS32で作成したオブジェクトに対応するアイコンを移動先のタッチパネルである第1タッチパネル2の第1表示部2Bに表示する。これにより、操作対象のオブジェクトの表示位置および表示状態を切り換えることができる。主制御部10は、第1表示部2Bにアイコンを表示させた後、本処理を終了する。
【0050】
上述してきたように、本実施形態では、オブジェクトに対して移動を伴う操作が行われた場合に、移動方向に応じて画面を表示する表示部を切り替えることとしたので、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトの内容を確認することができる。また、利用者は、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトを小さく表示させることができる。
【0051】
次に、図9を参照しながら、画面制御プログラム9Cに基づいて主制御部10が実行する処理手順の他の手順について説明する。なお、図9に示す処理手順は、携帯電話端末1が第2の形態にあるときに実行される。図9は、オブジェクトに対する操作が検出された場合の主制御部の動作を示すフロー図である。また、図9に示す処理手順は、第2の形態から第1の形態に切り換える操作が入力された場合の処理手順である。
【0052】
図9に示すように、主制御部10は、ステップS42として、第1タッチパネル2の第1表示部2Bおよび第2タッチパネル3の第2表示部3Bにオブジェクトを表示させる。主制御部10は、ステップS42でオブジェクトを表示させたら、ステップS44として第2タッチセンサ3Aで操作を検出したかを判定する。
【0053】
主制御部10は、ステップS44でタッチ操作を検出していない(No)と判定した場合、ステップS48に進む。主制御部10は、ステップS44でタッチ操作を検出した(Yes)と判定した場合、ステップS46として、検出した操作をバッファに保存する。なお、主制御部10は、検出した各種操作をバッファに保存するとともに、検出した操作に対応する処理を実行する。
【0054】
主制御部10は、ステップS46の処理を行った場合、またステップS44でNoと判定した場合、ステップS48として、スライドクローズ、つまり第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを相対的に移動させ、第2の形態から第1の形態に切り換える操作が入力されたかを判定する。主制御部10は、ステップS48でスライドクローズを検出していない(No)、つまり第2の形態のままであると判定した場合、ステップS42に進む。
【0055】
主制御部10は、ステップS48でスライドクローズを検出した(Yes)、つまり第1の形態に切り換えられたと判定した場合、ステップS50としてバッファに情報があるかを判定する。主制御部10は、ステップS50でバッファに情報がない(No)と判定した場合、ステップS54に進む。また、主制御部10は、ステップS50でバッファに情報がある(Yes)と判定した場合、ステップS52として、新規作成オブジェクトの情報があるかを判定する。つまり、主制御部10は、ステップS44で検出した操作の中に、前回まで表示していなかったオブジェクトを新たに作成した操作が含まれているかを判定する。主制御部10は、ステップS52で新規作成オブジェクトの情報がない(No)と判定した場合、ステップS54に進み、ステップS52で新規作成オブジェクトの情報がある(Yes)と判定した場合、ステップS60に進む。
【0056】
主制御部10は、ステップS50またはステップS52でNoと判定した場合、ステップS54として、第1表示部2Bの画像に変更なしと判定し、ステップS56として前回と同一のオブジェクトを表示させる。つまり、前回の第1の形態の際に待受画面に配置したオブジェクトと同一のオブジェクトを第1タッチパネル2の第1表示部2Bに表示させる。なお、主制御部10は、第2タッチパネル3にオブジェクトを表示させている場合、上述の図3および図4での処理と同様に、第2タッチパネル3に表示させているオブジェクトを第1タッチパネル2の第1表示部2Bに表示形式を変更して表示させる。主制御部10は、ステップS56でオブジェクトを表示させた後、本処理を終了する。
【0057】
また、主制御部10は、ステップS52で規作成オブジェクトの情報がある(Yes)と判定した場合、ステップS60として新規作成オブジェクトの情報を抽出し、ステップS62として、新規作成オブジェクトの画像(具体的にはアイコンの画像)を作成する。なお、ステップS60とステップS62の処理は、ステップS44で操作を検出した際に予め実行しておいてもよい。主制御部10は、ステップS62の処理を行った場合、ステップS64として、第1タッチパネル2の第1表示部2Bに更新したオブジェクトを表示させる。つまり、ステップS62で新たに作成したオブジェクトを加えたオブジェクトを第1表示部2Bに表示させる。なお、主制御部10は、オブジェクトを削除する処理が入力されている場合は、前回表示させたオブジェクトから削除されたオブジェクトを除いたオブジェクトを第1表示部2Bに表示させる。なお、主制御部10は、第2タッチパネル3にオブジェクトを表示させている場合、上述の図3および図4での処理と同様に、第2タッチパネル3に表示させているオブジェクトを第1タッチパネル2の第1表示部2Bに表示形式を変更して表示させる。主制御部10は、ステップS64でオブジェクトを表示させた後、本処理を終了する。
【0058】
上述してきたように、本実施形態では、第2の形態から第1の形態に切り換える操作が行われた場合に、第2タッチパネル3に表示させているオブジェクトの表示を切り替えることとしたので、利用者は、簡単な操作によって、オブジェクトの表示状態を切り換え、オブジェクトを小さく表示させることができる。
【0059】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、画面制御プログラム9Cは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、第1の筐体1Aが第2の筐体1Bに対して相対的にスライドすることによって携帯電話端末1が第1の形態から第2の形態へ変化することとしたが、第1の形態から第2の形態への変化はこのようなスライド動作以外によって実現されてもよい。例えば、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを2軸回転式ヒンジで結合した折り畳み式の端末であってもよく、この場合、ヒンジの2つの軸を回転軸として第1の筐体1Aと第2の筐体1Bを相対的に回転させることによって形態の変化が実現される。また、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを1軸回転式のヒンジで結合した通常の折り畳み式の端末であってもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、2つの表示部を備える電子機器の例を示したが、本発明は、3つ以上の表示部を備える電子機器にも適用することができる。なお、表示部が3つ以上ある電子機器において画面を複数の表示部にまたがって表示する場合、すべての表示部にまたがって画面を表示することとしてもよいし、予め選択された表示部にまたがって画面を表示することとしてもよい。
【0062】
なお、携帯電話端末1は、図8に示す処理と図9に示す処理の両方を実行することが好ましいが、いずれか一方の処理のみを実行してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
2 第1タッチパネル
2A 第1タッチセンサ
2B 第1表示部
3 第2タッチパネル
3A 第2タッチセンサ
3B 第2表示部
4 姿勢検出部
5 電源部
6 通信部
7 スピーカ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 画面制御プログラム
9D 表示部データ
9E 表示領域データ
10 主制御部
11 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、
実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、
前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、
前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示した状態で、所定操作が行われると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消す制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2表示部が隠れている状態から露出する状態へ移行する操作を前記所定操作として検出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1表示部が配置された第1筐体と、
前記第2表示部が配置された第2筐体と、をさらに有し、
前記第2筐体は、前記第1筐体によって前記第2表示部が隠される位置から、前記第2表示部が露出される位置まで移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出部は、前記第1表示部および前記第2表示部への接触を検出する接触検出部であり、
前記制御部は、前記接触検出部で検出する前記オブジェクトを前記第1表示部から前記第2表示部に移動させる移動操作を前記所定操作として検出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、ドラッグ操作、フリック操作、スイープ操作のいずれかを、前記移動操作として検出することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記接触検出部で前記第1表示部に対する接触および当該接触の移動を検出した後、前記第2表示部の前記第1表示部と隣接している所定領域への接触を検出しなかった場合、前記所定操作以外の操作が入力されたと判定し、前記第1表示部に対してのみ入力された操作として処理を実行することを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1表示部に前記オブジェクトとしてアイコンを表示させ、前記第2表示部に前記オブジェクトに関連する情報としてテキスト情報を含む画像を表示させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、を備える電子機器によって実行される画面制御方法であって、
前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示させる状態で、入力される操作を検出するステップと、
所定操作を検出すると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消すステップと、
を含むことを特徴とする画面制御方法。
【請求項9】
実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第1表示部と、実行可能な機能に対応するオブジェクトが表示される第2表示部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、を備える電子機器に、
前記第1表示部の画面において所定の機能に連携するオブジェクトを表示させる状態で、入力される操作を検出するステップと、
所定操作を検出すると、前記第2表示部の画面に前記オブジェクトに関する情報を表示しつつ前記第1表示部の画面上から前記オブジェクトを消すステップと、
を実行させることを特徴とする画面制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−230551(P2012−230551A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98489(P2011−98489)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】