説明

電子機器、表示制御方法およびプログラム

【課題】パノラマ画像に関する方位を適切に用いる。
【解決手段】電子機器は、画像変換部および表示制御部を具備する。画像変換部は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換する。表示制御部は、複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と、パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、略扇形のパノラマ画像が地図上に表示されるよう表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、パノラマ画像を扱う電子機器および表示制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、風景等の被写体を撮像して撮像画像を生成し、生成された撮像画像を画像ファイルとして記録するデジタルスチルカメラ等の撮像装置が普及している。また、これらの撮像装置により連続して生成される複数の撮像画像を繋ぎ合わせ、比較的広い範囲の被写体を含むパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成方法が提案されている。パノラマ画像生成方法として、例えば、連続して生成された撮像画像間の動きベクトルを検出し、この検出された動きベクトルに基づいて各撮像画像を合成することにより、各撮像画像を繋ぎ合わせるパノラマ画像生成方法が提案されている。
【0003】
また、このように生成されるパノラマ画像の方位を取得し、この方位を用いてパノラマ画像の表示制御等を行う撮像装置が提案されている。例えば、装置本体の向きを変更しながら複数の撮像画像を生成し、これらの撮像時における方位を、対応する各撮像画像に付加して記録する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−26859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術によれば、パノラマ画像を構成する各撮像画像について取得された方位を用いて各撮像画像の表示制御を行うことができる。
【0006】
ここで、パノラマ画像は、比較的広い範囲の被写体を含むものであるため、パノラマ画像に含まれる被写体の方位は比較的広い範囲となることが想定される。このため、パノラマ画像を表示させる場合に、例えば、パノラマ画像における方位を考慮して表示させることにより、パノラマ画像の特性を活かした表示を行うことができると考えられる。このように、パノラマ画像を使用する際には、その使用に応じて適切に方位を用いることが重要となる。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パノラマ画像に関する方位を適切に用いることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換する画像変換部と、上記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と上記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、上記略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、上記略扇形のパノラマ画像が上記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部とを具備する電子機器および表示制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換し、その複数の撮像画像の撮像時における撮像位置とパノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、略扇形のパノラマ画像が地図上に表示されるよう表示制御するという作用をもたらす。
【0009】
また、本発明の第2の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されて略扇形に変形されたパノラマ画像が、上記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と上記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、当該方位と地図上における方位とを略一致させた状態で、上記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部を具備する電子機器および表示制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、複数の撮像画像を合成することにより生成されて略扇形に変形されたパノラマ画像が、その複数の撮像画像の撮像時における撮像位置とパノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、その方位と地図上における方位とを略一致させた状態で、地図上に表示されるよう表示制御するという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記画像変換部は、上記複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角に応じて上記略扇形のパノラマ画像の中心角が異なるように上記略扇形への変換を行うようにしてもよい。これにより、複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角に応じて略扇形のパノラマ画像の中心角が異なるように略扇形への変換を行うという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1または第2の側面において、上記表示制御部は、上記複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角と、上記略扇形のパノラマ画像の中心角とが略一致するように上記表示制御を行うようにしてもよい。これにより、複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角と、略扇形のパノラマ画像の中心角とが略一致するように表示制御を行うという作用をもたらす。
【0012】
また、本発明の第3の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を垂直方向を境界として所定数に分割して複数の分割画像を生成する分割画像生成部と、上記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と上記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、上記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、上記各分割画像が上記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部とを具備する電子機器および表示制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を垂直方向を境界として所定数に分割して複数の分割画像を生成し、その複数の撮像画像の撮像時における撮像位置とパノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、各分割画像が地図上に表示されるよう表示制御するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第3の側面において、上記分割画像生成部は、上記パノラマ画像に分割すべきでない特定対象物が含まれている場合には、上記特定対象物が分割されないように上記複数の分割画像を生成するようにしてもよい。これにより、パノラマ画像に分割すべきでない特定対象物が含まれている場合には、特定対象物が分割されないように複数の分割画像を生成するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第3の側面において、上記分割画像生成部は、上記パノラマ画像に上記特定対象物が含まれている場合には、上記所定数を変更することにより、上記特定対象物が分割されないように上記複数の分割画像を生成するようにしてもよい。これにより、パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には、所定数を変更することにより、特定対象物が分割されないように複数の分割画像を生成するという作用をもたらす。
【0015】
また、本発明の第4の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像が垂直方向を境界として所定数に分割された複数の分割画像が、上記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と上記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、上記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、上記各分割画像が上記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部を具備する電子機器および表示制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像が垂直方向を境界として所定数に分割された複数の分割画像が、その複数の撮像画像の撮像時における撮像位置とパノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、各分割画像が地図上に表示されるよう表示制御するという作用をもたらす。
【0016】
また、本発明の第5の側面は、被写体を撮像して複数の撮像画像を生成する撮像部と、上記生成された複数の撮像画像のうちの1つの撮像画像の撮像時における撮像位置を基準として当該撮像画像に関する方位を取得する方位取得部と、上記生成された複数の撮像画像を合成することによりパノラマ画像を生成する画像合成部と、上記生成されたパノラマ画像における水平方向の代表位置を算出する代表位置算出部と、上記撮像部の特性情報と上記算出された代表位置と上記取得された方位とに基づいて上記算出された代表位置の方位を算出する方位算出部と、上記算出された方位を上記生成されたパノラマ画像に関連付けて記録させる記録制御部とを具備する撮像装置およびパノラマ画像記録方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生成された複数の撮像画像のうちの1つの撮像画像について方位を取得し、その複数の撮像画像を合成することによりパノラマ画像を生成し、この生成されたパノラマ画像における水平方向の代表位置を算出し、撮像部の特性情報とその算出された代表位置とその取得された方位とに基づいてパノラマ画像における代表位置の方位を算出し、この算出された方位をパノラマ画像に関連付けて記録させるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第の側面において、上記方位取得部は、上記生成された複数の撮像画像のうち時間軸における最初の撮像画像における中心位置の方位を当該撮像画像に関する方位として取得し、上記代表位置算出部は、上記生成されたパノラマ画像における中心位置を当該パノラマ画像における代表位置として算出するようにしてもよい。これにより、生成された複数の撮像画像のうち時間軸における最初の撮像画像における中心位置の方位を取得し、生成されたパノラマ画像における中心位置をそのパノラマ画像における代表位置として算出するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第の側面において、上記特性情報は、上記撮像部により生成される撮像画像の焦点面の幅および焦点距離を含むようにしてもよい。これにより、撮像部により生成される撮像画像の焦点面の幅および焦点距離を含む特性情報を用いてパノラマ画像における代表位置の方位を算出するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第の側面において、上記複数の撮像画像の生成時における撮像動作状態を判定する撮像動作判定部をさらに具備し、上記方位算出部は、上記撮像動作状態として特定の撮像動作状態が判定された場合には上記取得された方位を上記代表位置の方位とするようにしてもよい。これにより、特定の撮像動作状態が判定された場合には、複数の撮像画像のうちの1つの撮像画像について取得された方位を、パノラマ画像における代表位置の方位とするという作用をもたらす。
【0020】
また、本発明の第の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像における一部の範囲を指定する指定操作を受け付ける操作受付部と、上記指定された範囲に含まれる画像を上記パノラマ画像から抽出する画像抽出部と、上記複数の撮像画像が生成された撮像部の特性情報と上記パノラマ画像における代表位置と当該代表位置に関連付けられている方位と上記抽出された画像における代表位置とに基づいて上記抽出された画像における代表位置に対応する方位を算出する方位算出部と、上記算出された方位を上記抽出された画像に関連付けて記録させる記録制御部とを具備する電子機器およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、指定された範囲に含まれる画像をパノラマ画像から抽出し、撮像部の特性情報とパノラマ画像における代表位置とこの代表位置に関連付けられている方位とその抽出された画像における代表位置とに基づいてその抽出された画像における代表位置に対応する方位を算出し、この算出された方位をその抽出された画像に関連付けて記録させるという作用をもたらす。
【0021】
また、本発明の第の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像における一部の範囲を指定する指定操作を受け付ける操作受付部と、上記指定された範囲に含まれる画像を上記パノラマ画像から抽出する画像抽出部と、上記パノラマ画像における水平方向のサイズと上記パノラマ画像の撮像範囲に対応する角度と上記パノラマ画像における代表位置と当該代表位置に関連付けられている方位と上記抽出された画像における代表位置とに基づいて上記抽出された画像における代表位置の方位を算出する方位算出部と、上記算出された方位を上記抽出された画像に関連付けて記録させる記録制御部とを具備する電子機器およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、指定された範囲に含まれる画像をパノラマ画像から抽出し、パノラマ画像における水平方向のサイズとパノラマ画像の撮像範囲に対応する角度とパノラマ画像における代表位置とこの代表位置に関連付けられている方位とその抽出された画像における代表位置とに基づいてその抽出された画像における代表位置の方位を算出し、この算出された方位をその抽出された画像に関連付けて記録させるという作用をもたらす。
【0022】
また、本発明の第の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像における水平方向のサイズと上記パノラマ画像における代表位置と当該代表位置に関連付けられている方位と上記複数の撮像画像が生成された撮像部の特性情報とに基づいて上記パノラマ画像における特定方位と当該特定方位に対応する上記パノラマ画像における位置とを算出する特定方位位置算出部と、上記パノラマ画像における上記算出された位置を含む所定範囲に含まれる画像を上記パノラマ画像から抽出する画像抽出部と、上記抽出された画像を上記特定方位に関連付けて表示させる表示制御部とを具備する電子機およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、パノラマ画像における水平方向のサイズとパノラマ画像における代表位置とこの代表位置に関連付けられている方位と撮像部の特性情報とに基づいて、パノラマ画像における特定方位と、この特定方位に対応するパノラマ画像における位置とを算出し、パノラマ画像におけるその算出された位置を含む所定範囲に含まれる画像をパノラマ画像から抽出し、この抽出された画像を特定方位に関連付けて表示させるという作用をもたらす。
【0023】
また、この第の側面において、上記特定方位位置算出部は、上記パノラマ画像において複数の特定方位が存在する場合には当該複数の特定方位を算出し、上記表示制御部は、上記算出された各特定方位を表示させ、上記表示されている特定方位のうちから所望の特定方位を選択する選択操作を受け付ける操作受付部をさらに具備し、上記画像抽出部は、上記選択された特定方位に対応する位置を含む所定範囲に含まれる画像を上記パノラマ画像から抽出し、上記表示制御部は、上記抽出された画像を上記選択された特定方位に関連付けて表示させるようにしてもよい。これにより、算出された各特定方位を表示させ、表示されている特定方位のうちから所望の特定方位を選択する選択操作を受け付けると、この選択された特定方位に対応する位置を含む所定範囲に含まれる画像をパノラマ画像から抽出し、この抽出された画像をその選択された特定方位に関連付けて表示させるという作用をもたらす。
【0024】
また、本発明の第の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像に含まれる特定対象物を検出する特定対象物検出部と、上記検出された特定対象物の上記パノラマ画像における位置と上記複数の撮像画像が生成された撮像部の特性情報と上記パノラマ画像における代表位置と当該代表位置に関連付けられている方位とに基づいて上記検出された特定対象物の位置に対応する方位を算出する特定対象物方位算出部と、上記検出された特定対象物を含む所定範囲に含まれる画像を上記パノラマ画像から抽出する画像抽出部と、上記抽出された画像を上記算出された方位に関連付けて表示させる表示制御部とを具備する電子機器およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、パノラマ画像に含まれる特定対象物を検出し、この検出された特定対象物のパノラマ画像における位置と撮像部の特性情報とパノラマ画像における代表位置とこの代表位置に関連付けられている方位とに基づいて、その検出された特定対象物の位置に対応する方位を算出し、その検出された特定対象物を含む所定範囲に含まれる画像をパノラマ画像から抽出し、この抽出された画像をその算出された方位に関連付けて表示させるという作用をもたらす。
【0025】
また、本発明の第10の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像における水平方向のサイズと上記パノラマ画像の撮像範囲に対応する角度と上記パノラマ画像における代表位置に関連付けられている方位とに基づいて上記パノラマ画像を変換する画像変換部と、上記パノラマ画像の生成時における撮像位置に基づいて上記変換されたパノラマ画像を地図上に配置して表示させる表示制御部とを具備する電子機器およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、パノラマ画像における水平方向のサイズとパノラマ画像の撮像範囲に対応する角度とパノラマ画像における代表位置に関連付けられている方位とに基づいてパノラマ画像を変換し、パノラマ画像の生成時における撮像位置に基づいてその変換されたパノラマ画像を地図上に配置して表示させるという作用をもたらす。
【0026】
また、この第10の側面において、上記画像変換部は、上記変換されたパノラマ画像に含まれる被写体の方位と上記地図における方位とが略一致するように上記パノラマ画像を略扇形に変換するようにしてもよい。これにより、変換されたパノラマ画像に含まれる被写体の方位と地図における方位とが略一致するように、パノラマ画像を略扇形に変換するという作用をもたらす。
【0027】
また、この第10の側面において、上記表示制御部は、上記変換されたパノラマ画像の中心角の位置と上記地図における上記撮像位置とが略一致するように上記変換されたパノラマ画像を上記地図上に配置して表示させるようにしてもよい。これにより、変換されたパノラマ画像の中心角の位置と地図における撮像位置とが略一致するように、その変換されたパノラマ画像を地図上に配置して表示させるという作用をもたらす。
【0028】
また、この第10の側面において、上記画像変換部は、上記パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には当該特定対象物を含む特定対象物画像を抽出して上記抽出された特定対象物画像を上記変換されたパノラマ画像に重ねて合成するようにしてもよい。これにより、パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には、その特定対象物を含む特定対象物画像を抽出し、この抽出された特定対象物画像を、変換されたパノラマ画像に重ねて合成するという作用をもたらす。
【0029】
また、本発明の第11の側面は、複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像における垂直方向を境界として上記パノラマ画像を所定数に分割することにより複数の画像とし、上記複数の撮像画像が生成された撮像部の特性情報と上記パノラマ画像における代表位置と当該代表位置に関連付けられている方位と上記分割後の各画像における代表位置とに基づいて上記分割後の各画像における代表位置に対応する方位を算出して当該算出された方位に基づいて上記分割後の各画像を回転させる画像変換部と、上記パノラマ画像の生成時における撮像位置に基づいて上記分割後の各画像を地図上に配置して表示させる表示制御部とを具備する電子機器およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、パノラマ画像における垂直方向を境界としてパノラマ画像を所定数に分割することにより複数の画像とし、撮像部の特性情報とパノラマ画像における代表位置とこの代表位置に関連付けられている方位と分割後の各画像における代表位置とに基づいて、分割後の各画像における代表位置に対応する方位を算出し、この算出された方位に基づいて分割後の各画像を回転させ、パノラマ画像の生成時における撮像位置に基づいて分割後の各画像を地図上に配置して表示させるという作用をもたらす。
【0030】
また、この第11の側面において、上記画像変換部は、上記分割後の各画像における代表位置の方位と上記地図における方位とが略一致するように上記分割後の各画像を回転させるようにしてもよい。これにより、分割後の各画像における代表位置の方位と地図における方位とが略一致するように、分割後の各画像を回転させるという作用をもたらす。
【0031】
また、この第11の側面において、上記画像変換部は、上記パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には当該特定対象物が上記境界にかからないように上記境界の位置を変更して上記パノラマ画像を分割するようにしてもよい。これにより、パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には、その特定対象物が境界にかからないように境界の位置を変更してパノラマ画像を分割するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、パノラマ画像に関する方位を適切に用いることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態における撮像装置100の内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像記憶部200に記憶される画像ファイルのファイル構造の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像記憶部200に記憶される画像ファイルを模式的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像合成部240により生成されるパノラマ画像を構成する複数の撮像画像と、これらの撮像画像を生成する際における撮像装置100の撮像動作状態との関係を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像合成部240によるパノラマ画像の生成方法を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における撮像部211のデバイス特性と、撮像部211により生成される撮像画像との関係を上面から見た場合を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるパノラマ情報算出部280によるパノラマ画像における代表位置の方位算出方法を概略的に示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によりパノラマ画像を生成する際における撮像動作を模式的に示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における方位算出部560によるトリミング画像における代表位置の方位算出方法を概略的に示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における画像抽出部550により生成されるトリミング画像と、画像記憶部200に記憶されるトリミング画像の画像ファイルとの関係を模式的に示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における特定方位位置算出部530により各特定方位およびその位置を検出する特定方位および位置の検出方法を概略的に示す図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における特定方位位置算出部530により各特定方位およびその位置を検出する特定方位および位置の検出方法を概略的に示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における特定対象物方位算出部540により各特定対象物の方位を検出する特定対象物の方位検出方法を概略的に示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像の画像抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第3の実施の形態における撮像装置700の機能構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態における画像変換部760によるパノラマ画像の変換方法を概略的に示す図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地域における撮像動作と、この撮像動作により生成されたパノラマ画像との関係を概略的に示す図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地図上に、この地図に対応する地域で生成されたパノラマ画像を重ねて表示する場合における表示例を示す図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地図上に、この地図に対応する地域で生成されたパノラマ画像を重ねて表示する場合における表示例を示す図である。
【図30】本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地図上に、この地図に対応する地域で生成されたパノラマ画像を重ねて表示する場合における表示例を示す図である。
【図31】本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地図上に、この地図に対応する地域で生成されたパノラマ画像を重ねて表示する場合における表示例を示す図である。
【図32】本発明の第3の実施の形態における撮像装置700による画像表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第3の実施の形態における画像変換部760によるパノラマ画像の変換方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(パノラマ画像における代表位置の方位算出制御:1つの撮像画像の方位を用いて、パノラマ画像の方位を算出する例)
2.第2の実施の形態(パノラマ画像における方位算出および方位を用いた画像抽出制御:パノラマ画像から一部の画像を抽出する際における方位算出、方位を用いたパノラマ画像からの画像抽出の例)
3.第3の実施の形態(パノラマ画像の変換制御:方位を用いてパノラマ画像の変換および地図上の配置をする例
【0035】
1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100の内部構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、撮像部111と、方位センサ112と、GPS(Global Positioning System)ユニット113と、ネットワークコントローラ114と、解像度変換部120と、画像圧縮伸張部130とを備える。また、撮像装置100は、ROM(Read Only Memory)140と、RAM(Random Access Memory)150と、CPU(Central Processing Unit)160とを備える。また、撮像装置100は、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ171と、LCD172と、入力制御部181と、操作部182と、リムーバブルメディアコントローラ191と、リムーバブルメディア192とを備える。なお、撮像装置100を構成する各部の間で行われるやりとりは、バス101を介して行われる。撮像装置100は、例えば、被写体を撮像して複数の撮像画像を生成し、これらの複数の画像を合成することによりパノラマ画像を生成することが可能なデジタルスチルカメラにより実現することができる。
【0036】
撮像部111は、CPU160の制御に基づいて、被写体からの入射光を変換して画像データ(撮像画像)を生成するものであり、生成された画像データをRAM150に供給する。具体的には、撮像部111は、光学ユニット、撮像素子および信号処理部を備える。光学ユニットは、被写体からの光を集光する複数のレンズ(ズームレンズ、フォーカスレンズ等)から構成され、これらのレンズおよびアイリスを介して入射された被写体からの光が撮像素子に供給される。また、光学ユニットを介して入射された被写体の光学像が撮像素子の撮像面に結像され、この状態で撮像素子が撮像動作を行い、撮像信号を信号処理部に出力する。そして、その撮像信号に対して信号処理部が信号処理を行うことにより画像データが生成され、この生成された画像データがRAM150に順次供給されて一時的に保持される。なお、撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を用いることができる。
【0037】
方位センサ112は、地磁気を利用して地球上における方位を計測するセンサであり、計測された方位をCPU160に出力する。例えば、方位センサ112は、互いに直交する2軸(例えば、x軸およびy軸)のコイルと、その中心部に配置されたMR素子(磁気抵抗素子)とにより構成される磁界センサである。このMR素子は、地磁気を感知し、その磁気の強さによって抵抗値が変化する素子であり、MR素子の抵抗変化が、2軸のコイルによって2方向の成分(例えば、x軸およびy軸の成分)に分けられ、その2方向の成分の地磁気の比に基づいて方位が算出される。ここで、本発明の第1の実施の形態では、方位センサ112は、撮像装置100の撮像方向の方位を計測する。この撮像方向は、撮像位置(例えば、撮像装置100が存在する位置)から、撮像部111により生成された撮像画像に含まれる被写体が存在する位置までの方向であり、例えば、被写体側の光軸方向とすることができる。また、例えば、撮像方向は、撮像位置を基準として、撮像画像における中心位置に存在する被写体の方向を撮像方向とすることができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、方位センサ112を用いて撮像方向を取得する例を示すが、他の撮像方向の取得方法により取得された撮像方向を用いるようにしてもよい。例えば、GPS信号に基づいて測定された方位を用いるようにしてもよい。
【0038】
GPSユニット113は、GPS信号受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて撮像位置情報を算出するものであり、算出された撮像位置情報をCPU160に出力する。この算出された撮像位置情報には、緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。なお、本発明の第1の実施の形態では、GPS信号に基づいて算出された撮像位置情報を用いる例を示すが、他の撮像位置情報の取得方法により取得された撮像位置情報を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて撮像位置情報を導き出し、この撮像位置情報を取得して用いるようにしてもよい。
【0039】
ネットワークコントローラ114は、ネットワーク115と接続され、CPU160からの指示に基づいて、ネットワーク115を介して行われる通信制御を行うものである。ネットワーク115は、例えば、無線LAN等のネットワークである。ネットワークコントローラ114は、例えば、リムーバブルメディア192に記憶されている画像ファイル(画像コンテンツ)を、ネットワーク115を介して他の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)に供給する。また、ネットワークコントローラ114は、例えば、ネットワーク115を介して画像ファイル等のコンテンツを取得する。そして、この取得されたコンテンツがリムーバブルメディア192に供給されて記憶される。
【0040】
解像度変換部120は、CPU160からの制御信号に基づいて、入力された各種画像データを各画像処理に適した解像度に変換するものである。
【0041】
画像圧縮伸張部130は、CPU160からの制御信号に基づいて、入力された各種画像データを各画像処理に応じて圧縮または伸張するものである。画像圧縮伸張部130は、例えば、入力された各種画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像データに圧縮または伸張する。
【0042】
ROM140は、読み出し専用のメモリであり、各種制御プログラム等を記憶するものである。
【0043】
RAM150は、CPU160のメインメモリ(主記憶装置)に用いられるメモリであり、CPU160において実行されるプログラムの作業領域等を備え、CPU160が各種の処理を行う上で必要なプログラムやデータが一時的に保持される。また、RAM150は、各種の画像処理のための画像保存領域を備える。
【0044】
CPU160は、ROM140に記憶されている各種制御プログラムに基づいて、撮像装置100の各部を制御するものである。また、CPU160は、操作部182により受け付けられた操作入力等に基づいて撮像装置100の各部を制御する。
【0045】
LCDコントローラ171は、CPU160からの制御信号に基づいて、各種画像データをLCD172に表示させるものである。
【0046】
LCD172は、LCDコントローラ171から供給された各種画像データに対応する画像を表示する表示部である。LCD172は、例えば、撮像部111により生成された画像データに対応する撮像画像を順次表示する。また、LCD172は、例えば、リムーバブルメディア192に記憶されている画像ファイルに対応する画像を表示する。なお、LCD172の代わりに、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルを用いるようにしてもよい。また、LCD172の代わりに、例えば、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いるようにしてもよい。
【0047】
入力制御部181は、CPU160からの指示に基づいて、操作部182により受け付けられる操作入力に関する制御を行うものである。
【0048】
操作部182は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号をCPU160に出力する。例えば、パノラマ画像を記録するためのパノラマ画像撮像モードにおいて、パノラマ画像撮像動作開始およびパノラマ画像撮像動作終了を指示するためのシャッターボタン等の操作部材が撮像装置100に備えられている。また、操作部182およびLCD172については、タッチパネルにより一体で構成するようにしてもよい。
【0049】
リムーバブルメディアコントローラ191は、リムーバブルメディア192と接続され、CPU160からの制御信号に基づいて、リムーバブルメディア192へのデータの読出しおよび書込みを行うものである。例えば、リムーバブルメディアコントローラ191は、撮像部111により生成された画像データ等の各種画像データを画像ファイル(画像コンテンツ)としてリムーバブルメディア192に記録させる。また、リムーバブルメディアコントローラ191は、リムーバブルメディア192から画像ファイル等のコンテンツを読み出してバス101を介してRAM150等に出力する。
【0050】
リムーバブルメディア192は、リムーバブルメディアコントローラ191から供給された画像データを記録する記録デバイスである。リムーバブルメディア192には、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像データ等の各種データが記録される。リムーバブルメディア192として、例えば、テープ(例えば、磁気テープ)、光ディスク(例えば、記録可能なDVD(Digital Versatile Disc))を用いることができる。また、リムーバブルメディア192として、例えば、磁気ディスク(例えば、ハードディスク)、半導体メモリ(例えば、メモリカード)、光磁気ディスク(例えば、MD(MiniDisc))を用いるようにしてもよい。
【0051】
図2は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、画像記憶部200と、操作受付部210と、撮像部211と、方位取得部212と、撮像位置取得部213と、撮像画像保持部220と、移動量検出部230とを備える。また、撮像装置100は、画像合成部240と、顔検出部250と、中心位置算出部260と、撮像動作判定部270と、パノラマ情報算出部280と、記録制御部290とを備える。ここで、本発明の各実施の形態では、「画像」と記載した場合には、画像そのものと、その画像を表示するための画像データとの少なくとも何れかの意味を含むものとする。
【0052】
画像記憶部200は、記録制御部290の制御に基づいて、画像合成部240から出力されたパノラマ画像と、これに関する各情報とを画像ファイルとして記録するものである。なお、画像記憶部200は、図1に示すリムーバブルメディア192に対応する。
【0053】
操作受付部210は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた操作内容を撮像部211および撮像動作判定部270に出力する。例えば、操作受付部210は、パノラマ画像撮像モードが設定されている場合において、パノラマ画像撮像動作開始を指示する開始指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を撮像部211および撮像動作判定部270に出力する。また、操作受付部210は、パノラマ画像の撮像動作が行われている間に、パノラマ画像撮像動作終了を指示する終了指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を撮像部211および撮像動作判定部270に出力する。これらの開始指示操作および終了指示操作は、例えば、シャッター操作により行われる。また、操作受付部210は、パノラマ画像撮像モードが設定されている場合において、撮像動作状態に応じて方位の決定方法を変更するか否かを設定する操作入力が受け付けられた場合には、その操作内容を撮像動作判定部270に出力する。なお、操作受付部210は、図1に示す入力制御部181および操作部182に対応する。
【0054】
撮像部211は、被写体を撮像して撮像画像を生成するものであり、生成された撮像画像を撮像画像保持部220に順次供給する。例えば、パノラマ画像撮像モードが設定されている場合において、パノラマ画像撮像動作開始を指示する開始指示操作が操作受付部210により受け付けられた場合には、撮像部211は撮像画像の生成を開始する。また、パノラマ画像撮像動作終了を指示する終了指示操作が操作受付部210により受け付けられた場合には、撮像部211は撮像画像の生成を終了する。なお、撮像部211は、図1に示す撮像部111に対応する。
【0055】
方位取得部212は、撮像方向に関する方位を取得するものであり、取得された方位を撮像動作判定部270およびパノラマ情報算出部280に出力する。なお、方位取得部212は、図1に示す方位センサ112に対応する。
【0056】
撮像位置取得部213は、撮像位置に関する撮像位置情報を取得するものであり、取得された撮像位置情報を撮像動作判定部270および記録制御部290に出力する。なお、撮像位置取得部213は、図1に示すGPSユニット113に対応する。
【0057】
撮像画像保持部220は、撮像部211から出力された各撮像画像を保持するものであり、保持されている各撮像画像を移動量検出部230および画像合成部240に供給する。なお、撮像画像保持部220は、図1に示すRAM150に対応する。
【0058】
移動量検出部230は、撮像画像保持部220から供給される各撮像画像について、隣接する撮像画像間の移動量および移動方向を検出するものであり、検出された移動量および移動方向を画像合成部240に出力する。なお、移動量検出部230は、図1に示すCPU160に対応する。
【0059】
画像合成部240は、移動量検出部230から出力された移動量および移動方向に基づいて、撮像画像保持部220に保持されている各撮像画像を合成することによりパノラマ画像を生成するものである。そして、画像合成部240は、生成されたパノラマ画像を顔検出部250、中心位置算出部260および記録制御部290に出力する。なお、パノラマ画像の生成については、図5および図6を参照して詳細に説明する。また、画像合成部240は、図1に示すCPU160に対応する。
【0060】
顔検出部250は、画像合成部240から出力されたパノラマ画像に含まれる人物の顔を検出するものであり、検出された顔に関する顔情報を記録制御部290に出力する。この顔検出方法として、例えば、顔の輝度分布情報が記録されているテンプレートと撮像画像とのマッチングによる顔検出方法(例えば、特開2004−133637参照。)、撮像画像に含まれる肌色の部分や人間の顔の特徴量に基づいた顔検出方法を用いることができる。また、顔情報には、検出された顔の位置およびサイズが含まれる。ここで、検出された顔の位置は、例えば、検出された顔の少なくとも一部を含む矩形の位置(例えば、その矩形の左上端の座標)である。また、検出された顔のサイズは、例えば、その矩形のサイズ(例えば、その矩形の水平方向および垂直方向の各画素数)である。なお、検出対象として、人物の顔以外の物体を対象とするようにしてもよい。また、顔検出部250は、図1に示すCPU160に対応する。
【0061】
中心位置算出部260は、画像合成部240から出力されたパノラマ画像における水平方向の長さに基づいて、パノラマ画像における中心位置を算出するものである。そして、中心位置算出部260は、算出された中心位置および算出対象となったパノラマ画像の水平方向の長さをパノラマ情報算出部280に出力する。なお、中心位置算出部260は、図1に示すCPU160に対応する。また、中心位置算出部260は、特許請求の範囲に記載の代表位置算出部の一例である。
【0062】
撮像動作判定部270は、方位取得部212から出力された方位と、撮像位置取得部213から出力された撮像位置情報とに基づいて、撮像装置100の撮像動作状態を判定するものである。そして、撮像動作判定部270は、判定結果をパノラマ情報算出部280に出力する。例えば、撮像動作判定部270は、パノラマ画像撮像モードが設定されている場合において、撮像動作状態に応じて方位の決定方法を変更する旨の操作入力が操作受付部210により受け付けられた場合には、撮像装置100の撮像動作状態を判定する。一方、撮像動作判定部270は、撮像動作状態に応じて方位の決定方法を変更しない旨の操作入力が操作受付部210により受け付けられた場合には、撮像装置100の撮像動作状態を判定しない。例えば、パノラマ画像撮像モードが設定されている場合において、開始指示操作および終了指示操作が操作受付部210により受け付けられた際における方位および撮像位置情報に基づいて撮像装置100の撮像動作状態が判定される。また、撮像動作判定部270は、その開始指示操作および終了指示操作が受け付けられた旨をパノラマ情報算出部280に出力する。なお、撮像動作状態の判定については、図10を参照して詳細に説明する。また、撮像動作判定部270は、図1に示す撮像部111に対応する。
【0063】
パノラマ情報算出部280は、画像合成部240により生成されたパノラマ画像に関する方位およびパノラマ画像の撮像範囲に対応する角度(パノラマ角)を算出するものであり、算出された方位およびパノラマ角を記録制御部290に出力する。例えば、パノラマ情報算出部280は、方位取得部212から出力された方位と、中心位置算出部260から出力されたパノラマ画像における中心位置と、撮像部211の特性情報とに基づいて、そのパノラマ画像における中心位置の方位を算出する。また、パノラマ情報算出部280は、中心位置算出部260から出力されたパノラマ画像の水平方向の長さと、撮像部211の特性情報とに基づいて、パノラマ角を算出する。なお、撮像部211の特性情報は、パノラマ情報算出部280が保持するようにしてもよく、撮像部211から順次供給されるようにしてもよい。なお、パノラマ画像における中心位置の方位の算出方法と、パノラマ角の算出方法とについては、図7および図8を参照して詳細に説明する。なお、パノラマ情報算出部280は、図1に示すCPU160に対応する。また、パノラマ情報算出部280は、特許請求の範囲に記載の方位算出部の一例である。
【0064】
記録制御部290は、画像合成部240から出力されたパノラマ画像と、これに関する各情報とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させるものである。パノラマ画像に関する各情報として、例えば、記録制御部290は、パノラマ情報算出部280から出力された方位およびパノラマ角を、対応する画像ファイルに関連付けて画像記憶部200に記録させる。また、画像ファイルは、例えば、解像度変換が行われJPEG形式で圧縮されて記録される。なお、記録制御部290は、図1に示す解像度変換部120、画像圧縮伸張部130、CPU160およびリムーバブルメディアコントローラ191に対応する。
【0065】
[パノラマ画像の画像ファイルの構成例]
図3は、本発明の第1の実施の形態における画像記憶部200に記憶される画像ファイルのファイル構造の一例を示す図である。図3に示す例では、DCF(Design rule for Camera File system)規格により記録される静止画ファイルのファイル構造を概略的に示す。DCFは、デジタルスチルカメラやプリンタ等の機器間で、記録媒体を介して画像の相互利用を実現するためのファイルシステム規格である。また、DCFでは、Exif(Exchangeable image file format)をベースにして記録媒体に記録する場合におけるファイル名の付け方やフォルダの構成が規定されている。Exifは、画像ファイルの中に画像データおよびカメラ情報を付加するための規格であり、画像ファイルを記録するための形式(ファイルフォーマット)を規定するものである。図3(a)には画像ファイル300の構成例を示し、図3(b)には付属情報310の構成例を示し、図3(c)にはメーカーノート312の構成例を示す。
【0066】
画像ファイル300は、DCF規格により記録される静止画ファイルであり、図3(a)に示すように、付属情報310および画像情報320から構成されている。画像情報320は、例えば、撮像部111により生成され、解像度変換部120により解像度変換され、画像圧縮伸張部130によりJPEG形式で圧縮された画像データである。
【0067】
付属情報310は、図3(b)に示すように、属性情報311およびメーカーノート(maker note)312から構成されている。属性情報311は、画像ファイル300に関する属性情報等であり、例えば、GPS情報、方位情報、撮像部の特性情報(例えば、デバイス特性)、撮影更新日時、画サイズ、色空間情報、メーカー名等が含まれる。GPS情報として、例えば、緯度、経度等の撮像位置情報(例えば、TAGID=1000001乃至1000004)が含まれる。また、方位情報として、撮像画像の方位を示す方位情報(例えば、TAGID=1000016および1000017)が含まれる。ここで、撮像画像の方位の単位(例えば、TAGID=1000016)として、例えば、0.01度が記録される。また、撮像画像の方向(例えば、TAGID=1000017)として、例えば、北を0度(または、360度)とし、東を90度とし、南を180度とし、西を270度として、方位センサ112により取得された方位に対応する数値が記録される。なお、この角度を示す数値は、方位角と称されることもある。また、撮像部の特性情報として、例えば、レンズ焦点距離等の撮像部の特性情報(例えば、TAGID=37386)が含まれる。このレンズ焦点距離は、例えば、図7に示すレンズ焦点距離fである。
【0068】
メーカーノート312は、一般的にユーザ独自のデータが記録される領域であり、各メーカーが自由に情報を記録することができる拡張領域である(TAGID=37500、MakerNote)。図3(c)に示すように、メーカーノート312には、撮像部の特性情報として、例えば、焦点面の幅313が記録される。この焦点面の幅313は、例えば、図7に示す焦点面の幅wである。また、メーカーノート312には、パノラマ画像を構成する最初の画像の幅314と、パノラマ画像の撮像範囲に対応する角度315と、顔情報316とが記録される。なお、メーカーノート312に撮像位置情報や方位情報、パノラマ画像の有無等を記録するようにしてもよい。
【0069】
パノラマ画像を構成する最初の画像の幅314は、画像合成部240により生成されたパノラマ画像を構成する複数の撮像画像のうち、時間軸における最初の撮像画像の幅を示す値である。この値は、パノラマ画像の水平方向における画素数(すなわち、水平解像度)により表すことができ、例えば、図8等に示すHに対応する。
【0070】
パノラマ画像の撮像範囲に対応する角度(パノラマ角)315は、パノラマ画像の撮像時において、撮像装置100を基準位置とした場合における撮像範囲の水平方向における角度である。この角度は、例えば、撮像画像の水平方向における画角に相当する角度であり、例えば、図8等に示すθ0に対応する。
【0071】
顔情報316は、画像合成部240により生成されたパノラマ画像に含まれる顔の位置およびサイズを含む情報である。
【0072】
図4は、本発明の第1の実施の形態における画像記憶部200に記憶される画像ファイルを模式的に示す図である。画像ファイル330は、画像合成部240により生成されたパノラマ画像の静止画ファイルであり、付属情報331および画像情報332が記録される。付属情報331には、メタ情報として、図4に示す各情報が記録される。これらの各情報は、図3で説明したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0073】
このように、パノラマ画像の撮像動作が行われた場合には、画像合成部240により生成されたパノラマ画像が画像情報332に記録されるとともに、そのパノラマ画像に関する付属情報が付属情報331に記録される。なお、画像ファイル330を構成するパノラマ画像の生成方法については、図5および図6を参照して詳細に説明する。
【0074】
[パノラマ画像の生成例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における画像合成部240により生成されるパノラマ画像を構成する複数の撮像画像と、これらの撮像画像を生成する際における撮像装置100の撮像動作状態との関係を模式的に示す図である。図5(a)には、撮像部211により生成された撮像画像401乃至404を示す。図5(b)には、撮像画像401乃至404を生成する場合における撮像装置100の撮像動作状態の遷移を示す。
【0075】
図5(a)に示す撮像画像401乃至404は、山々やその手前の家等を被写体として撮像された画像である。撮像画像401乃至404は、例えば、図5(b)に示すように、撮像装置100の位置を基準として撮像装置100を水平方向(矢印405の方向)に移動させながら撮像動作(いわゆる、パンニング操作)を行うことにより生成される。例えば、撮影者がシャッターボタンを押下しながら、撮像装置100のパンニング操作を行うことにより、パノラマ画像の撮像動作が行われる(いわゆる、スイングパノラマ)。また、撮像画像401乃至404については、方位取得部212により方位を取得することができる。この例では、撮像画像401乃至404に含まれる被写体の中心位置421乃至424をバツ印で示す。また、撮像画像401には人物の顔411が含まれ、撮像画像403には人物の顔413が含まれているものとする。
【0076】
図5(b)では、図5(a)に示す撮像画像401乃至404を円上(点線406上)に仮想的に配置して、撮像画像401乃至404を上面から見た場合における位置関係を矩形401乃至404により模式的に示す。なお、図5(b)では、対応する撮像画像401乃至404と同一の符号を各矩形に付す。また、撮像画像401乃至404に含まれる被写体の中心位置(水平方向の位置)についても、図5(a)に示す中心位置421乃至424と同一の符号を付す。また、図5(b)に示す撮像動作状態で生成される撮像画像401乃至404の画角をθとして示す。なお、撮像画像401乃至404は、水平方向において少なくとも一部の領域に同一の被写体が含まれるように撮像動作が行われて生成された撮像画像であるものとする。
【0077】
図6は、本発明の第1の実施の形態における画像合成部240によるパノラマ画像の生成方法を模式的に示す図である。なお、図6(a)に示す撮像画像401乃至404は、図5(a)に示すものと同一である。
【0078】
図6(a)に示すように、撮像部211が撮像画像401乃至404を順次生成する。このように生成された撮像画像401乃至404が撮像画像保持部220に順次供給され、撮像画像保持部220には複数の撮像画像が保持される。そして、このように保持された撮像画像が移動量検出部230および画像合成部240に供給される。
【0079】
続いて、移動量検出部230が、撮像画像保持部220に保持されている撮像画像について、隣接する撮像画像間の移動量および移動方向(すなわち、隣接する撮像画像間の相対変位)を検出する。続いて、移動量検出部230が、検出された移動量および移動方向を画像合成部240に供給する。例えば、移動量検出部230は、時系列的に隣接するフレーム間の撮像画像を順次比較することにより、撮像画像保持部220における隣接する撮像画像間の移動量および移動方向を検出する。
【0080】
続いて、図6(b)に示すように、画像合成部240が、隣接する撮像画像間の移動量および移動方向に基づいて、撮像画像保持部220に保持されている撮像画像401乃至404について、互いの重複領域が互いに重なり合うように合成する。この合成により合成画像430が生成される。この場合に、例えば、撮像素子の撮像面に結合された撮像画像の一部から所定幅の読出範囲に存在する部分画像について、互いの重複範囲が互いに重なり合うように接合して合成画像を生成するようにしてもよい(例えば、特開2005−33396号参照。)。また、例えば、各撮像画像間の重複領域について互いに画素値が相関する相対変位を求め、この相対変位に基づいて合成処理を行うことにより、重ね合わせ時における位置合わせ処理の精度を向上させることができる。なお、この位置合わせ処理では、Lucas−Kanade法やブロックマッチング法等を用いて相対変位を求めることができる。
【0081】
続いて、図6(c)に示すように、画像合成部240が、撮像画像401乃至404により構成された合成画像430についてトリミング処理を行う。このトリミング処理は、パノラマ画像の一部分の画像領域(例えば、中央付近の画像領域)を切り出す画像処理である。画像合成部240は、例えば、隣接する撮像画像間の移動量および移動方向に基づいて、パノラマ画像撮像動作開始からパノラマ画像撮像動作終了までの撮像画像間の移動方向(例えば、水平方向)を検出する。そして、画像合成部240は、検出された移動方向に基づいて、合成画像430についてトリミング処理を行い、パノラマ画像431を生成する。図6(c)では、撮像画像401乃至404に対応する矩形を点線で示し、トリミング処理により生成されたパノラマ画像431を太線の矩形で示す。なお、画像合成部240は、パノラマ画像撮像動作開始からパノラマ画像撮像動作終了までの撮像画像間の移動方向に傾きがある場合には、例えば、その移動方向に応じて斜め方向にトリミング処理を施す。このように傾きが生じる場合は、例えば、撮影者が撮像装置100を水平に保たずに、撮像装置100を傾けて撮像動作を行った場合等が想定される。
【0082】
なお、本発明の第1の実施の形態では、撮像装置100の位置を基準として撮影者が撮像装置100を水平方向に移動させながら、パノラマ画像を生成する例を示した。しかしながら、例えば、撮像装置100を旋回させるための駆動部を撮像装置100に設け、この駆動部により撮像装置100を水平方向に移動させながら、パノラマ画像を生成するようにしてもよい。この駆動部の駆動源として、例えば、ステッピングモータ等を用いることができる。また、例えば、各撮像画像における特徴点を抽出し、この抽出された特徴点を重ね合わせることにより、各撮像画像を繋ぎ合わせるパノラマ画像生成方法を用いるようにしてもよい。
【0083】
また、この例では、パノラマ画像を生成するための撮像画像間の移動量および移動方向を画像解析により検出する例を示した。しかしながら、例えば、ジャイロセンサ等の角加速度センサを用いて、撮像装置100の姿勢の変化量を検出し、この検出された変化量に基づいて、撮像画像間の移動量および移動方向を検出し、この移動量および移動方向を用いるようにしてもよい。角加速度センサとして、例えば、手ぶれ防止機能を実現するためのセンサを用いることができる。このように角加速度センサを用いることにより、移動量検出部230が移動量および移動方向を正確に検出することができない場合でも、隣接する撮像画像間の相対的な位置を検出することができる。
【0084】
ここで、例えば、パノラマ画像431を1つの画像ファイルとして記録する場合を想定する。例えば、1つの画像ファイルをExifにより記録媒体に記録する場合には、基本的に1つの画像ファイルに1つの方位情報を記録することとなる。このため、例えば、パノラマ画像431の画像ファイルをExifにより記録媒体に記録する場合についても同様に、1つの画像ファイルに1つの方位情報を記録することとなる。このように画像ファイルに記録する方位情報として、例えば、その画像における中心位置について取得された方位とすることができる。例えば、画像における中心位置について取得された方位を方位情報としてその画像ファイルに記録することにより、その画像における水平方向の中心位置を基準として画像を表示させることができる。
【0085】
そこで、本発明の第1の実施の形態では、パノラマ画像における代表位置を、パノラマ画像に含まれる被写体の中心位置とし、この中心位置について取得された方位をその画像ファイルに記録する例を示す。
【0086】
ここで、例えば、パノラマ画像431を構成する撮像画像401乃至404における中心位置421乃至424について方位を取得し、この取得された方位の何れかを、パノラマ画像431の方位として画像ファイルに記録する場合を想定する。この場合には、図6(c)に示すように、これらの方位(中心位置421乃至424の方位)の何れについても、パノラマ画像431における中心位置432とは異なる位置で取得された方位となる。そこで、以下では、パノラマ画像における代表位置(例えば、中心位置)の方位を算出する例を示す。
【0087】
[パノラマ画像における代表位置の方位算出例]
図7は、本発明の第1の実施の形態における撮像部211のデバイス特性と、撮像部211により生成される撮像画像との関係を上面から見た場合を模式的に示す図である。図7では、撮像部211により生成される撮像画像の水平方向の撮像範囲を撮像範囲450として矩形で模式的に示す。また、撮像部211は、撮像素子441およびレンズ442を備える。なお、図7では、撮像素子441については矩形で模式的に示し、レンズ442については1つの楕円で模式的に示す。
【0088】
例えば、撮像範囲450に含まれる被写体からの入射光がレンズ442を介して撮像素子441に入射されると、撮像範囲450に含まれる被写体に対応する撮像画像が撮像素子441に結像される。このように被写体の撮像画像が撮像素子441に結像されている場合において、撮像素子441に結像された撮像画像の水平方向の長さを焦点面の幅wとし、焦点距離をレンズ焦点距離fとする。この場合に、焦点面の幅wと、レンズ焦点距離fと、撮像範囲の幅Dwと、被写体距離Dfと、画角θとは、図7に示す関係が成立する。また、この場合における画角θは、以下の式1を用いて求めることができる。
θ=(180/π)×2tan−1(w/2f)[deg] …式1
【0089】
ここで、焦点面の幅wと、レンズ焦点距離fとは、撮像部211のデバイス特性として求められる固有値であり、撮像装置の機種によって値が異なる。以下では、この撮像部のデバイス特性を用いて、パノラマ画像における代表位置の方位を算出する例を示す。
【0090】
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるパノラマ情報算出部280によるパノラマ画像における代表位置の方位算出方法を概略的に示す図である。図8(a)には、パノラマ画像431を示す。なお、パノラマ画像431は、図6(c)に示すパノラマ画像431と同様である。この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に生成された撮像画像401について取得された方位を用いて、パノラマ画像における代表位置の方位を算出する例を示す。例えば、図8(a)に示す例では、撮像画像401における中心位置421について取得された方位を用いて、パノラマ画像431における中心位置432の方位を算出する例を示す。
【0091】
ここで、パノラマ画像431を生成する際に最初に生成された撮像画像401の水平方向の長さをHとする。また、撮像画像401について方位が取得された位置(撮像画像401の中心位置421)から、パノラマ画像431における中心位置432までの距離を距離H1とする。また、パノラマ画像431の水平方向の長さをH0とする。これらの長さは、例えば、水平方向における画素数(すなわち、水平解像度)により表すことができる。
【0092】
図8(b)には、パノラマ画像431を構成する撮像画像401乃至404を生成する場合における撮像装置100の撮像動作状態の遷移を示す。なお、図8(b)に示す例は、図5(b)に示す例と略同一である。このため、共通する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
図8(b)において、図8(a)に示すH0、H1、Hに対応する部分には、それぞれ同一の符号を付す。ここで、撮像画像401における中心位置421について取得された方位と、パノラマ画像431における中心位置432の方位とのなす角度をθ1とすると、角度θ1は、次の式2を用いて求めることができる。
θ1=(θ/H)×H1 …式2
【0094】
ここで、画角θは、上述した式1を用いて求めることができる。また、Hは、撮像部211の特性情報により特定することができる。このように算出されたθ1を用いて、パノラマ画像431における中心位置432の方位を算出する。具体的には、撮像装置100の位置を基準として、撮像画像401における中心位置421について取得された方位をθ1だけ回転させた場合における値が、パノラマ画像431における中心位置432の方位として算出される。
【0095】
例えば、撮像時における撮像装置100の位置(撮像位置)を基準とした場合における方位(東西南北)として、北を0度(360度)とし、東を90度とし、南を180度とし、西を270度とする。この場合に、例えば、撮像画像401における中心位置421について取得された方位が270度であり、式2を用いて算出されたθ1が40度である場合には、パノラマ画像431における中心位置432の方位として、310度が算出される。
【0096】
また、パノラマ画像431の撮像範囲に対応する角度(パノラマ角)をθ0とすると、角度θ0は、次の式3を用いて求めることができる。
θ0=(θ/H)×H0 …式3
【0097】
このように算出されたパノラマ画像431における中心位置の方位および角度θ0が、パノラマ画像431の画像ファイルに記録される。
【0098】
以上で示したように、パノラマ画像を生成するための1つの撮像画像の方位を用いて、その代表位置の方位を算出することができる。このため、パノラマ画像の生成時において、撮像画像を撮り溜めている時(いわゆる、パンニング時)の処理負荷を軽減することができる。すなわち、パノラマ画像の生成時においては、各撮像画像を一時的に保持する必要があるため、この一時的に保持する撮像画像の数が多い場合には処理負荷が大きくなる。この場合に、パノラマ画像を生成するための各撮像画像の方位についても順次保持すると、処理負荷がさらに大きくなる。これに対して、本発明の第1の実施の形態では、パノラマ画像を生成するための最初の撮像画像以外の他の撮像画像の方位については、保持する必要がないため、パノラマ画像の生成時における処理負荷を軽減することができる。
【0099】
また、例えば、撮影者の手動によるパンニング操作によりパノラマ画像(スイングパノラマ)を生成する場合には、撮像動作開始から撮像動作終了までの間、生成されるパノラマ画像のサイズが決定されないことが多い。例えば、撮影者の撮像動作の停止タイミングや撮像装置100のぶれ等により、パノラマ画像の中心位置を撮像動作中に特定することができない。また、例えば、撮影者による撮像装置100の振り方が悪い場合には、パノラマ画像として合成される被写体領域が狭くなる場合もある。このため、生成されるパノラマ画像の中心位置がどこになるかを、撮像動作中に決定することができないことが多い。これに対して、本発明の第1の実施の形態では、そのパノラマ画像の生成時において、パノラマ画像の水平方向の長さが確定した後に、その中心位置(代表位置)を特定する。そして、その中心位置の方位を算出するため、中心位置の方位の誤差を低減させることができる。これにより、例えば、パノラマ画像を地図上に配置して表示するような場合には、その中心位置の方位と、地図上における方位とを略一致させて配置することができるため、パノラマ画像を適切な方向とした状態で配置することができる。
【0100】
なお、この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に撮像された撮像画像について取得された方位を用いて、パノラマ画像における代表位置の方位を算出する例を示した。しかしながら、例えば、2枚目以降の撮像画像について取得された方位を用いて、パノラマ画像における代表位置の方位を算出するようにしてもよい。また、この例では、パノラマ画像における代表位置として、パノラマ画像における水平方向の中心位置を例にして説明したが、例えば、他の位置を代表位置とする場合についても同様に適用することができる。例えば、パノラマ画像に人物の顔が含まれている場合には、その顔の位置を代表位置とすることができる。また、複数の顔が含まれている場合には、その複数の顔のうち一番の特徴量が高い顔の位置を代表位置とすることができる。
【0101】
[撮像装置の動作例]
図9は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、パノラマ画像撮像モードが設定され、画像記録待機状態である場合において、シャッター操作によりパノラマ画像の生成を開始する例を示す。
【0102】
最初に、シャッター操作(パノラマ画像撮像動作開始を指示する開始指示操作)が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS901)。シャッター操作が受け付けられていない場合には、シャッター操作が受け付けられるまで、監視を継続する。シャッター操作が受け付けられた場合には(ステップS901)、方位取得部212が、撮像方向に関する方位を取得し(ステップS902)、撮像位置取得部213が、撮像位置に関する撮像位置情報を取得する(ステップS903)。なお、ステップS902は、特許請求の範囲に記載の方位取得手順の一例である。
【0103】
続いて、撮像部211が、被写体を撮像して撮像画像を生成し(ステップS904)、生成された撮像画像を撮像画像保持部220に保持させる(ステップS905)。なお、ステップS904は、特許請求の範囲に記載の撮像手順の一例である。続いて、シャッター操作(パノラマ画像撮像動作終了を指示する終了指示操作)が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS906)。シャッター操作が受け付けられていない場合には、ステップS904に戻る。シャッター操作が受け付けられた場合には(ステップS906)、画像合成部240が、撮像画像保持部220に保持されている各撮像画像に関する移動量および移動方向に基づいて、各撮像画像を合成してパノラマ画像を生成する(ステップS907)。なお、ステップS907は、特許請求の範囲に記載の画像合成手順の一例である。
【0104】
続いて、中心位置算出部260が、画像合成部240により生成されたパノラマ画像における中心位置を算出する(ステップS908)。なお、ステップS908は、特許請求の範囲に記載の代表位置算出手順の一例である。続いて、パノラマ情報算出部280が、画像合成部240により生成されたパノラマ画像に関する方位およびパノラマ角を算出する(ステップS909)。なお、ステップS909は、特許請求の範囲に記載の方位算出手順の一例である。続いて、記録制御部290が、画像合成部240により生成されたパノラマ画像と、パノラマ情報算出部280により算出された方位およびパノラマ角とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させる(ステップS910)。この場合に、例えば、解像度変換が行われJPEG形式で圧縮されて画像ファイルが記録される。そして、パノラマ画像記録処理の動作を終了する。なお、ステップS910は、特許請求の範囲に記載の記録制御手順の一例である。
【0105】
[パノラマ画像方位算出の変形例]
以上では、撮像装置100の位置を基準として、撮影者が撮像装置100のパンニング操作を行うことによりパノラマ画像を生成する場合における方位算出例を示した。しかしながら、例えば、被写体に対して略並行する直線上において撮像装置100を移動させることによりパノラマ画像を生成することも想定される。このようにパノラマ画像を生成する場合には、パノラマ画像を生成するための各撮像画像の撮像位置において、撮像装置100の光軸方向の方位が略同一となる。このため、上述した方位算出を行うことなく、何れかの撮像画像について取得された方位をパノラマ画像における代表位置の方位として用いることができる。そこで、以下では、パノラマ画像の撮像動作に応じて、パノラマ画像における代表位置の方位の決定方法を変更する例について説明する。
【0106】
図10は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によりパノラマ画像を生成する際における撮像動作を模式的に示す図である。図10(a)には、撮像装置100の位置を回転中心として、撮像装置100を水平方向に回転させることによりパノラマ画像を生成する撮像動作について上側から見た状態を模式的に示す。なお、図10(a)に示す例は、図5(b)に示す例と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0107】
図10(b)には、被写体に対して略並行する直線460上において撮像装置100を移動させることによりパノラマ画像を生成する撮像動作について上側から見た状態を模式的に示す。図10(b)に示す撮像動作は、例えば、一定の速度で移動することが可能な車等の移動装置を用いて、進行方向465に対して直行する方向を撮像装置100の光軸方向として行われるパノラマ画像の撮像動作である。例えば、撮像装置100を手で持った人が乗っている車が進行方向465に一定の速度で移動していくものとする。この場合には、図10(b)に示すように、撮像装置100の位置が順次変更されるが、撮像装置100の光軸方向が一定の方位となる。このため、この撮像動作により生成された複数の撮像画像により構成されるパノラマ画像における代表位置の方位として、撮像画像461乃至464における中心位置471乃至474について取得された方位の何れについても用いることができる。
【0108】
ここで、チルチング操作が行われた場合を想定する。例えば、チルチング操作は、撮像装置100の位置を回転中心として、撮像装置100を垂直方向に回転させる操作である。このため、垂直方向に長いパノラマ画像を生成することができる。また、この場合において、垂直方向に90度未満の回転操作となる場合には、撮像装置100の姿勢が変更されるが、撮像装置100の光軸方向が一定の方位となる。そこで、チルチング操作により生成されるパノラマ画像における代表位置の方位としては、パノラマ画像を生成するための各撮像画像について取得された方位の何れについても用いることができる。そこで、この例では、パノラマ画像の撮像動作に応じて、パノラマ画像における代表位置の方位の決定方法を変更する。
【0109】
ここで、例えば、パンニング操作やチルチング操作が行われた場合には、その操作時において撮像位置は変更されず、撮像装置100の姿勢のみが変化する。このため、時間軸における最初の撮像画像について取得された撮像位置と、時間軸における最後の撮像画像について取得された撮像位置とが略同一となる。これに対して、例えば、図10(b)に示すように、直線460上において撮像装置100を移動させることによりパノラマ画像を生成する場合には、撮像装置100が移動する。このため、時間軸における最初の撮像画像について取得された撮像位置と、時間軸における最後の撮像画像について取得された撮像位置とが異なる。
【0110】
また、例えば、パンニング操作が行われた場合には、その操作時において方位が変化する。このため、時間軸における最初の撮像画像について取得された方位と、時間軸における最後の撮像画像について取得された方位とが異なる。これに対して、チルチング操作が行われた場合には、その操作時において方位は略変化しない。このため、時間軸における最初の撮像画像について取得された方位と、時間軸における最後の撮像画像について取得された方位とが略同一となる。
【0111】
また、例えば、図10(b)に示すように、撮像装置100を移動させることによりパノラマ画像を生成する場合には、撮像装置100の光軸方向が同一方向を向いた状態で移動するため、各撮像画像について取得される方位が略同一となる。このため、時間軸における最初の撮像画像について取得された方位と、時間軸における最後の撮像画像について取得された方位とが略同一となる。これに対して、撮像装置100を移動させることにより撮像画像を生成する場合でも、これらの撮像画像によりパノラマ画像を生成しない場合も想定される。例えば、撮像装置100を移動させながら、色々な方位を向けて撮像動作を行う場合が想定される。この場合には、時間軸における最初の撮像画像について取得された方位と、時間軸における最後の撮像画像について取得された方位とが異なると想定される。
【0112】
そこで、パノラマ画像を生成するための各撮像画像のうち、時間軸における最初の撮像画像および最後の撮像画像について取得された方位および撮像位置に基づいて、撮像動作判定部270が、撮像装置100の撮像動作状態を判定する。
【0113】
例えば、撮像動作判定部270が、時間軸における最初の撮像画像について取得された撮像位置(緯度、経度)と、時間軸における最後の撮像画像について取得された撮像位置とを比較する。この比較の結果、2つの撮像位置が略同一となる場合には、パンニング操作またはチルチング操作が行われた場合が想定される。このため、撮像動作判定部270が、時間軸における最初の撮像画像および最後の撮像画像について取得された2つの方位を比較し、2つの方位が異なる場合には、パンニング操作が行われたと判定する。一方、2つの方位が略同一となる場合には、チルチング操作が行われたと判定する。
【0114】
また、時間軸における最初の撮像画像および最後の撮像画像について取得された2つの撮像位置を比較した結果、2つの撮像位置が異なる場合には、撮像装置100を移動させることによりパノラマ画像が生成された場合が想定される。そこで、撮像動作判定部270が、時間軸における最初の撮像画像および最後の撮像画像について取得された2つの方位を比較し、2つの方位が略同一となる場合には、図10(b)に示す撮像動作が行われたと判定する。一方、2つの方位が異なる場合には、パノラマ画像を生成する撮像モード以外の撮像モードで撮像動作が行われたと判定する。
【0115】
これらの判定結果に基づいて、パノラマ情報算出部280が、パノラマ画像における代表位置の方位を決定する。例えば、パンニング操作が行われたと判定された場合には、パノラマ情報算出部280が、上述した方位算出方法により方位を算出し、この算出された方位を、パノラマ画像における代表位置の方位として決定する。また、例えば、チルチング操作または図10(b)の撮像動作が行われたと判定された場合には、パノラマ情報算出部280がそれらの撮像動作により生成された各撮像画像について取得された何れかの方位をパノラマ画像における代表位置の方位として決定する。
【0116】
このように、撮像動作判定部270が撮像装置100の撮像動作状態を判定し、この判定結果に基づいて、パノラマ画像における代表位置の方位を決定する。これにより、撮影者が多様なパノラマ画像の撮像動作を行うような場合でも、撮像動作に応じた適切な方位を決定し、動画ファイルに記録することができる。
【0117】
この例では、パノラマ画像を生成するための各撮像画像のうち、時間軸における最初の撮像画像および最後の撮像画像について取得された方位および撮像位置を用いて撮像装置100の撮像動作を判定する例を示した。しかしながら、例えば、ジャイロセンサ等の姿勢検出センサを用いて、撮像装置100の撮像動作状態を判定するようにしてもよい。
【0118】
[撮像装置の動作例]
図11は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。この例は、図9に示すパノラマ画像記録処理の変形例であり、撮像装置100の撮像動作状態に応じてパノラマ画像における代表位置の方位を決定する例である。このため、図9に示す処理手順と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0119】
シャッター操作が受け付けられた場合には(ステップS901)、方位取得部212が、撮像方向に関する方位(SD)を取得し(ステップS902)、撮像位置取得部213が、撮像位置(SG)に関する撮像位置情報を取得する(ステップS903)。
【0120】
続いて、シャッター操作が受け付けられた場合には(ステップS906)、方位取得部212が、撮像方向に関する方位(ED)を取得し(ステップS911)、撮像位置取得部213が、撮像位置(EG)に関する撮像位置情報を取得する(ステップS912)。そして、画像合成部240がパノラマ画像を生成した後に(ステップS907)、撮像動作判定部270が撮像位置(SG)および撮像位置(EG)を比較する(ステップS913)。
【0121】
撮像位置(SG)および撮像位置(EG)が略同一である場合には(ステップS913)、撮像動作判定部270が方位(SD)および方位(ED)を比較する(ステップS914)。方位(SD)および方位(ED)が全く異なる場合には(ステップS914)、撮像動作判定部270が、パンニング操作が行われたと判定し、ステップS908に進む。一方、方位(SD)および方位(ED)が略同一である場合には(ステップS914)、撮像動作判定部270が、チルチング操作が行われたと判定し、ステップS916に進む。
【0122】
また、撮像位置(SG)および撮像位置(EG)が全く異なる場合には(ステップS913)、撮像動作判定部270が方位(SD)および方位(ED)を比較する(ステップS915)。方位(SD)および方位(ED)が全く異なる場合には(ステップS914)、撮像動作判定部270が、パノラマ画像を生成する撮像モード以外の撮像モードで撮像動作が行われたと判定し、ステップS910に進む。一方、方位(SD)および方位(ED)が略同一である場合には(ステップS915)、撮像動作判定部270が、図10(b)に示す撮像動作が行われたと判定する。そして、パノラマ情報算出部280が、パノラマ画像を構成する各撮像画像について取得された何れかの方位を、そのパノラマ画像における代表位置の方位として決定する(ステップS916)。
【0123】
続いて、記録制御部290が、画像合成部240により生成されたパノラマ画像と、パノラマ情報算出部280により出力されたメタ情報とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させ(ステップS910)、パノラマ画像記録処理の動作を終了する。
【0124】
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、パノラマ画像を生成する際にそのパノラマ画像における代表位置の方位を算出する例を示した。ここで、パノラマ画像は、水平方向または垂直方向に長い画像となることが多いため、特定の用途(例えば、印刷等)に不向きとなることが想定される。このため、撮像装置により記録されたパノラマ画像を特定の用途に用いる場合には、例えば、パノラマ画像の一部を抽出し、この抽出された一部の画像を画像ファイルとするトリミング処理を行うことがある。例えば、水平方向に長いパノラマ画像についてトリミング処理を行う場合を想定する。例えば、水平方向に長いパノラマ画像における水平方向の端部付近の画像を抽出する場合には、この抽出された画像に含まれる被写体に関する方位は、そのパノラマ画像における中心位置の方位と大きく異なることが想定される。すなわち、パノラマ画像から抽出される画像の位置が中心位置からずれるほど、被写体の方位に誤差が生じることが想定される。
【0125】
そこで、本発明の第2の実施の形態では、このように方位に誤差が生じることを回避するため、トリミング処理により抽出された画像(トリミング画像)の中心位置と、パノラマ画像の中心位置との差に基づいて、トリミング画像の方位を算出する例を示す。
【0126】
また、このようにパノラマ画像における任意の位置における方位を計算により求めることができるため、例えば、中心位置の方位が特定方位となる画像を、パノラマ画像から抽出することができる。特定方位は、例えば、東西南北のように、90度単位の方位や、南西、北東等のように、45度単位の方位とすることができる。
【0127】
また、例えば、特定の対象物(例えば、人物の顔)が存在する位置の周辺画像を、方位を基準として指定してパノラマ画像から抽出することができる。
【0128】
なお、本発明の第2の実施の形態における内部構成については、本発明の第1の実施の形態における撮像装置100と略同一であるため、ここでの説明を省略する。また、以下では、撮像装置100と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、撮像装置100と異なる点を中心に説明する。
【0129】
[撮像装置の機能構成例]
図12は、本発明の第2の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置500は、画像記憶部200と、操作受付部210と、画像ファイル取得部510と、メタ情報取得部520と、特定方位位置算出部530と、特定対象物方位算出部540とを備える。また、撮像装置500は、画像抽出部550と、方位算出部560と、表示制御部570と、表示部580と、記録制御部590とを備える。
【0130】
画像記憶部200は、画像ファイルを記憶するものであり、記憶されている画像ファイルを画像ファイル取得部510に供給する。また、画像記憶部200は、記録制御部590の制御に基づいて、画像抽出部550から出力された画像と、これに関する各情報とを画像ファイルとして記憶する。なお、画像記憶部200は、図2に示す画像記憶部200に対応する。
【0131】
操作受付部210は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた操作内容を各部に出力する。例えば、操作受付部210は、パノラマ画像表示モードが設定されている場合において、パノラマ画像を表示させる表示指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を画像ファイル取得部510に出力する。また、例えば、操作受付部210は、パノラマ画像等の画像が表示されている場合において、表示されている画像について拡大縮小等の表示変更を指示する指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を表示制御部570に出力する。また、例えば、操作受付部210は、パノラマ画像が表示されている場合において、方位指定表示の指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を特定方位位置算出部530または特定対象物方位算出部540に出力する。また、例えば、操作受付部210は、特定方位が表示されている場合において、何れかの特定方位を選択する選択操作が受け付けられた場合には、その操作内容を画像抽出部550に出力する。また、例えば、操作受付部210は、パノラマ画像から抽出された画像が表示されている場合において、その画像を新たな画像ファイルとして記録する記録指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を記録制御部590に出力する。例えば、操作受付部210は、パノラマ画像から抽出された画像が表示されている場合において、トリミング処理の指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を画像抽出部550に出力する。なお、操作受付部210は、図2に示す操作受付部210に対応する。
【0132】
画像ファイル取得部510は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、画像記憶部200に記憶されている画像ファイルを取得し、取得された画像ファイルの内容を各部に供給するものである。例えば、画像ファイル取得部510は、取得された画像ファイルのパノラマ画像を画像抽出部550および表示制御部570に出力する。このパノラマ画像は、デコードされ解像度変換が行われて出力される。また、画像ファイル取得部510は、取得された画像ファイルのメタ情報をメタ情報取得部520に出力する。なお、画像ファイル取得部510は、図1に示す解像度変換部120、画像圧縮伸張部130、CPU160およびリムーバブルメディアコントローラ191に対応する。
【0133】
メタ情報取得部520は、画像ファイル取得部510から出力されたメタ情報を取得するものであり、取得されたメタ情報の内容を各部に出力する。例えば、メタ情報取得部520は、取得されたメタ情報の内容を、特定方位位置算出部530、特定対象物方位算出部540、方位算出部560および記録制御部590に出力する。なお、メタ情報取得部520は、図1に示すCPU160に対応する。
【0134】
特定方位位置算出部530は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、メタ情報取得部520から出力されたメタ情報に基づいて、パノラマ画像における特定方位と、この特定方位のパノラマ画像における位置とを検出するものである。そして、特定方位位置算出部530は、検出されたパノラマ画像における特定方位を表示制御部570に出力する。また、特定方位位置算出部530は、検出されたパノラマ画像における特定方位およびその位置を画像抽出部550に出力する。このパノラマ画像における特定方位およびその位置の検出方法については、図17および図18を参照して詳細に説明する。なお、特定方位位置算出部530は、図1に示すCPU160に対応する。
【0135】
特定対象物方位算出部540は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、メタ情報取得部520から出力されたメタ情報に基づいて、パノラマ画像に含まれる特定対象物の位置および方位を検出するものである。そして、特定対象物方位算出部540は、検出された特定対象物の方位を表示制御部570に出力する。また、特定対象物方位算出部540は、パノラマ画像に含まれる特定対象物の位置および方位を画像抽出部550に出力する。なお、この例では、パノラマ画像の生成時に記録されたメタ情報に基づいて、特定対象物を検出する例を示すが、例えば、画像解析(例えば、図2に示す顔検出部250による顔検出処理)によりパノラマ画像から特定対象物を検出するようにしてもよい。なお、特定対象物方位算出部540は、図1に示すCPU160に対応する。また、特定対象物方位算出部540は、特許請求の範囲に記載の特定対象物検出部の一例である。
【0136】
画像抽出部550は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、画像ファイル取得部510から出力されたパノラマ画像における一部の画像を抽出するものであり、抽出された画像を表示制御部570および記録制御部590に出力する。また、例えば、画像抽出部550は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、抽出された画像のパノラマ画像における位置を方位算出部560に出力する。また、画像抽出部550は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、特定方位位置算出部530から出力されたパノラマ画像における特定方位の位置の周辺画像を抽出し、この周辺画像および特定方位を記録制御部590に出力する。また、画像抽出部550は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、特定対象物方位算出部540から出力されたパノラマ画像に含まれる特定対象物の位置の周辺画像を抽出し、この周辺画像およびその方位を記録制御部590に出力する。これらの画像抽出方法については、図13乃至図20等を参照して詳細に説明する。なお、画像抽出部550は、図1に示すCPU160に対応する。
【0137】
方位算出部560は、メタ情報取得部520から出力されたメタ情報と、画像抽出部550により抽出された画像のパノラマ画像における位置とに基づいて、その抽出された画像における代表位置の方位を算出するものである。そして、方位算出部560は、算出された方位を記録制御部590に出力する。なお、抽出された画像における代表位置の方位の算出方法については、図14等を参照して詳細に説明する。なお、方位算出部560は、図1に示すCPU160に対応する。
【0138】
表示制御部570は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、各種画像を表示部580に表示させるものである。例えば、表示制御部570は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、画像ファイル取得部510から出力されたパノラマ画像を表示部580に表示させる。また、表示制御部570は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、画像抽出部550から出力された画像を表示部580に表示させる。また、表示制御部570は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、特定方位位置算出部530から出力されたパノラマ画像における特定方位、または、特定対象物方位算出部540から出力された特定対象物の方位を表示部580に表示させる。これらの表示例については、図13、図16、図19等を参照して詳細に説明する。なお、表示制御部570は、図1に示すCPU160およびLCDコントローラ171に対応する。
【0139】
表示部580は、表示制御部570の制御に基づいて、各種画像を表示する表示部である。表示部580は、図1に示すLCD172に対応する。
【0140】
記録制御部590は、操作受付部210により受け付けられた操作入力に応じて、画像抽出部550から出力された画像と、方位算出部560から出力されたその画像における代表位置の方位とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させるものである。なお、この画像ファイルには、メタ情報取得部520から出力されたメタ情報の一部(抽出された画像に関するメタ情報)についても記録される。また、画像ファイルは、例えば、解像度変換が行われJPEG形式で圧縮されて記録される。なお、記録制御部590は、図1に示す解像度変換部120、画像圧縮伸張部130、CPU160およびリムーバブルメディアコントローラ191に対応する。
【0141】
[トリミング処理による画像の抽出例]
図13は、本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。
【0142】
図13(a)には、パノラマ画像431について各処理を行うためのメニュー画面600を示す。メニュー画面600には、例えば、パノラマ画像のインデックス画面(図示せず)において、ユーザ操作により選択されたパノラマ画像431が表示されているものとする。なお、パノラマ画像431は、図6(c)等に示すパノラマ画像431と同一である。また、メニュー画面600には、パノラマ画像431とともに、メニューボタン601と、トリミングボタン602と、方位指定表示ボタン603と、インデックス表示ボタン604とが表示される。なお、各図に示すボタンについては、内部に斜線が付されたボタンが選択状態であることを示す。また、以下では、各ボタンを選択する操作を、押下と称して説明する。
【0143】
メニューボタン601は、パノラマ画像431について各処理を行うための各項目を表示させる際に押下されるボタンである。例えば、メニュー画面600において、メニューボタン601が押下されると、メニューボタン601の右側にトリミングボタン602、方位指定表示ボタン603およびインデックス表示ボタン604が表示される。
【0144】
トリミングボタン602は、パノラマ画像431についてトリミング処理を行う際に押下されるボタンである。このトリミング処理については、図14および図15を参照して詳細に説明する。
【0145】
方位指定表示ボタン603は、パノラマ画像431について方位を指定することにより、指定された方位の位置に対応する被写体を表示させる際に押下されるボタンである。この方位指定表示については、図16乃至図20を参照して詳細に説明する。
【0146】
インデックス表示ボタン604は、メニュー画面600に表示させるパノラマ画像を選択するためのインデックス画面を表示させる際に押下されるボタンである。
【0147】
例えば、表示部580にメニュー画面600が表示されている状態で、ユーザが、メニューボタン601を押下し、トリミングボタン602を押下すると、図13(b)に示すトリミング処理画面610が表示される。このトリミング処理画面610は、図13(a)に示すメニュー画面600に表示されているパノラマ画像431についてトリミング処理の行うための画面である。トリミング処理画面610には、パノラマ画像431とともに、決定ボタン605および戻るボタン606が表示される。
【0148】
決定ボタン605は、トリミング処理により抽出する画像の範囲を決定する際に押下されるボタンである。戻るボタン606は、図13(a)に示すメニュー画面600に戻る際に押下されるボタンである。
【0149】
ここで、図13(b)に示すトリミング処理画面610において、トリミング処理により抽出する画像の範囲を指定する指定操作について説明する。例えば、図13(b)に示すように、トリミング処理により抽出する画像として、矩形611内の画像を指定する場合について説明する。例えば、表示部580としてタッチパネルを採用している場合には、矩形611に相当する範囲をユーザが指でなぞることにより、矩形611を指定することができる。また、矩形611内の領域の中心位置をユーザが指で押下し、この押下の回数に応じて矩形の範囲を順次拡大させていくことにより、矩形611を指定することができる。また、矩形611の対角となる2点をユーザが指で押下し、この2点により矩形611を指定することができる。
【0150】
このように、抽出対象となる画像の範囲が指定され、この指定された画像についてトリミング処理を行う場合には、ユーザが決定ボタン605を押下し、抽出対象となる画像の範囲を決定する。このように抽出対象となる画像の範囲を決定する操作入力がされると、画像抽出部550が、決定された範囲内に含まれる画像を抽出する。そして、記録制御部590が、抽出された画像(トリミング画像)を新たな画像ファイルとして画像記憶部200に記録させる。ここで、新たな画像ファイルとして記録されるトリミング画像に関する方位は、パノラマ画像における中心位置の方位とは異なることが多い。そこで、以下では、このように抽出されたトリミング画像の画像ファイルに記録する方位の算出方法について説明する。
【0151】
[トリミング画像の方位算出例]
図14は、本発明の第2の実施の形態における方位算出部560によるトリミング画像における代表位置の方位算出方法を概略的に示す図である。図14(a)には、パノラマ画像431を示す。なお、パノラマ画像431は、図8(a)に示すパノラマ画像431と同一のパノラマ画像であり、共通する部分には同一の符号を付す。この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の幅を用いて、トリミング画像における代表位置の方位を算出する例を示す。例えば、図16(a)に示す例では、撮像画像401における中心位置421について取得された方位を用いて、矩形611内の画像における中心位置433の方位を算出する例を示す。ここで、パノラマ画像431における中心位置432から、矩形611内の画像における中心位置433までの距離を距離H2とする。
【0152】
図14(b)には、パノラマ画像431を構成する撮像画像401乃至404を生成する場合における撮像装置100の撮像動作状態の遷移を示す。なお、図14(b)に示す例は、図8(b)に示す例と略同一である。このため、共通する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0153】
図14(b)において、図14(a)に示すH、H0、H1、H2に対応する部分には、それぞれ同一の符号を付す。ここで、パノラマ画像431における中心位置432と、矩形611内の画像における中心位置433とのなす角度をθ2とすると、角度θ2は、次の式4を用いて求めることができる。
θ2=(θ/H)×H2 …式4
【0154】
ここで、画角θは、上述した式1を用いて求めることができる。このように算出されたθ2を用いて、矩形611内の画像における中心位置433の方位を算出する。具体的には、撮像装置500の位置を基準として、パノラマ画像431における中心位置432の方位をθ2だけ回転させた場合における値が、矩形611内の画像における中心位置433の方位として算出される。なお、方位を特定するための数値の算出方法については、図8に示す例と同様であるため、ここでの説明を省略する。このように、撮像部の特性情報と、パノラマ画像における代表位置と、代表位置の方位と、トリミング画像における代表位置とに基づいて、トリミング画像における代表位置の方位を算出することができる。
【0155】
図15は、本発明の第2の実施の形態における画像抽出部550により生成されるトリミング画像と、画像記憶部200に記憶されるトリミング画像の画像ファイルとの関係を模式的に示す図である。図15(a)には、トリミング処理の対象となるパノラマ画像431を示し、図15(b)には、パノラマ画像431から抽出されたトリミング画像620を示す。
【0156】
図15(c)には、トリミング画像620の画像ファイル630を模式的に示す。画像ファイル630は、画像抽出部550により生成されたトリミング画像の画像ファイルであり、付属情報631および画像情報632が記録される。なお、画像ファイル630の構成は、図4に示す画像ファイル330と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。例えば、付属情報331に記録されるメタ情報として、方位算出部560により算出されたトリミング画像における中心位置の方位が記録される。なお、付属情報331に記録されるメタ情報として、図3で説明したものと同様のものを記録することができる。
【0157】
以上で示したように、パノラマ画像における代表位置の方位を用いて、トリミング画像における代表位置の方位を算出することができる。これにより、トリミング画像の代表位置の方位の誤差を低減させることができる。
【0158】
なお、この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の幅を用いて、トリミング画像における代表位置の方位を算出する例を示したが、パノラマ角を用いてその方位を算出するようにしてもよい。例えば、図14(b)に示すように、パノラマ画像431の水平方向の長さをH0とし、パノラマ画像431のパノラマ角をθ0とする。また、パノラマ画像431における中心位置432と、矩形611内の画像における中心位置433とのなす角度をθ2とすると、角度θ2は、次の式5を用いて求めることができる。
θ2=(θ0/H0)×H2 …式5
【0159】
ここで、パノラマ角θ0は、上述した式3により求めることができ、図4に示すように、パノラマ画像431の画像ファイルに記録されている。このように、パノラマ画像における水平方向のサイズと、パノラマ角と、パノラマ画像における代表位置と、代表位置の方位と、トリミング画像における代表位置とに基づいて、トリミング画像における代表位置の方位を算出することができる。
【0160】
[方位指定による画像の抽出例]
以上では、トリミング処理により抽出される画像の範囲をユーザによる手動操作により指定する例を示した。ここで、パノラマ画像の画像ファイルには、パノラマ画像における中心位置の方位が記録されているため、パノラマ画像における特定方位(例えば、東西南北)についても計算により求めることができる。このため、例えば、パノラマ画像における抽出対象範囲を特定方位により指定することができる。そこで、以下では、パノラマ画像に含まれる被写体のうち、特定方位に位置する被写体を含む画像を抽出する例について説明する。
【0161】
図16は、本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。図16(a)には、特定方位を指定するためのメニュー画面600を示す。なお、メニュー画面600におけるメニューボタン601、トリミングボタン602、方位指定表示ボタン603およびインデックス表示ボタン604については、図13(a)に示す例と同様であるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。また、この例では、東、西、南、北、南西、北東等のように、45度単位の方位を特定方位とする例を示す。
【0162】
例えば、表示部580にメニュー画面600が表示されている状態で、ユーザが、メニューボタン601を押下し、方位指定表示ボタン603を押下する。この方位指定表示ボタン603の押下により、メニュー画面600に表示されているパノラマ画像431に含まれる被写体の特定方位が検出され、検出された特定方位が特定方位表示領域607に表示される。図16(a)に示す例では、例えば、パノラマ画像431の特定方位として、「北」「北西」が検出された場合を示す。また、図16(a)に示す表示例では、パノラマ画像431の特定方位として検出された「北西」を中心位置とする画像の範囲を点線の矩形641でパノラマ画像431上に示し、「北」を中心位置とする画像の範囲を点線の矩形642でパノラマ画像431上に示す。この特定方位の検出方法については、図17および図18を参照して詳細に説明する。
【0163】
例えば、メニュー画面600において方位指定表示ボタン603を押下した後に表示される特定方位表示領域607における特定方位「北」「北西」のうち、ユーザが「北西」の部分を押下したものとする。このように特定方位表示領域607における特定方位「北西」の部分が押下されると、図16(b)に示すように、押下された特定方位「北西」に対応する画像651が、指定方位画像表示画面650に表示される。すなわち、図16(a)に示すパノラマ画像431における点線の矩形641に含まれる画像が、指定方位画像表示画面650に表示される。この場合に、例えば、押下された特定方位「北西」に対応する画像651とともに、特定方位「北西」に関連するメッセージ(例えば、北西方向の被写体です)が指定方位画像表示画面650に表示される。また、指定方位画像表示画面650には、画像651とともに、トリミングボタン652および戻るボタン653が表示される。
【0164】
トリミングボタン652は、指定方位画像表示画面650に表示されている画像651についてトリミング処理を行う際に押下されるボタンである。すなわち、トリミングボタン652を押下することにより、この押下の際に指定方位画像表示画面650に表示されている画像についてトリミング処理が行われ、その画像の画像ファイルが記録される。この場合には、その画像の方位として、その画像に対応する特定方位が記録される。なお、トリミング処理については、上述した処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。戻るボタン653は、図16(a)に示すメニュー画面600に戻る際に押下されるボタンである。
【0165】
図17は、本発明の第2の実施の形態における特定方位位置算出部530により各特定方位およびその位置を検出する特定方位および位置の検出方法を概略的に示す図である。この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の幅を用いて、特定方位の位置を検出する例を示す。
【0166】
図17(a)には、撮像時における撮像位置660を基準とした場合における方位(東西南北)を円661上に示す。図17に示す例では、北を0度(360度)とし、東を90度とし、南を180度とし、西を270度とした場合において、東、西、南、北、南西、北東等のように、45度単位の方位を特定方位として検出する例を示す。これらの特定方位を円661上に白丸(特定方位662乃至669)で示す。
【0167】
図17(b)には、パノラマ画像670と、特定方位662乃至669との関係を模式的に示す。パノラマ画像670は、例えば、中心位置の方位が、北662と北西669との間の方位となるパノラマ画像である。図17(b)に示す例では、パノラマ画像670を円661上に仮想的に配置して、パノラマ画像670を上面から見た場合における位置関係を模式的に示す。なお、図17(b)に示す円661上において、パノラマ画像670に対応する範囲を太線で示す。また、パノラマ画像670に対応する太線上における中心位置671および特定方位を白抜きの太丸で示す。ここで、パノラマ画像670に含まれる特定方位は、図17(b)に示すように、4つ(特定方位662、663、668、669)となる。上述したように、パノラマ画像670における中心位置671の方位に基づいて任意の方位を算出することができるため、例えば、パノラマ画像670における両端部672および673の方位を算出することが可能である。そこで、例えば、パノラマ画像670における両端部672および673の方位を算出し、この両端部672および673の方位の間に存在する特定方位を検出することができる。そして、このように検出された特定方位のパノラマ画像670における位置を算出する。例えば、パノラマ画像670の水平方向の長さをH0とし、パノラマ画像670における中心位置671および特定方位(北)の位置662の水平方向の距離をH3とする。また、撮像位置660を基準とした場合における中心位置671の方位と、北とのなす角を角θ3とする。また、パノラマ画像670を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の長さをHとする。そして、以下の式6を用いて、中心位置671および北の位置622の水平方向の距離H3が算出される。
H3=θ3/(θ/H) …式6
【0168】
ここで、画角θは、上述した式1を用いて求めることができる。このように算出された距離H3と、パノラマ画像670における中心位置671とに基づいて、パノラマ画像670における特定方位(北)の位置662が検出される。このように検出された特定方位(北)の位置662を用いて、パノラマ画像670に含まれる被写体のうち、撮像装置500が北方向を向いた状態で撮像された被写体を表示させることができる。例えば、撮像装置500が北方向を向いた状態で撮像された被写体を表示させる場合には、パノラマ画像670における特定方位(北)の位置662を含む一定の範囲に含まれる画像が画像抽出部550により抽出される。そして、この抽出された画像が表示部580に表示される。また、パノラマ画像670上に存在する他の特定方位についても同様に検出することができる。
【0169】
なお、この例では、パノラマ画像670における両端部672および673の間に存在する特定方位を検出し、この検出された特定方位に対応する位置を検出する例を示した。しかしながら、例えば、全ての特定方位の位置を検出し、この検出された位置のうち、パノラマ画像に含まれる位置のみを特定方向の位置として検出するようにしてもよい。また、この例では、45度単位の方位を特定方位として検出する例を示したが、例えば、東西南北のように、90度単位の方位を特定方位として検出するようにしてもよい。また、45度単位の方位よりも、さらに細かい単位を特定方位として検出するようにしてもよい。
【0170】
図18は、本発明の第2の実施の形態における特定方位位置算出部530により各特定方位およびその位置を検出する特定方位および位置の検出方法を概略的に示す図である。この例は、図16(a)に示すパノラマ画像431について、特定方位およびその位置を検出する例である。なお、特定方位およびその位置の検出方法については、図17に示す例と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。なお、図18(b)に示す地図記号680は、東西南北を表す地図記号である。
【0171】
図18(a)には、パノラマ画像431を示す。なお、パノラマ画像431は、図8(a)に示すパノラマ画像431と同一のパノラマ画像であり、共通する部分には同一の符号を付す。ここで、パノラマ画像431に含まれる特定方位は、図18(b)に示すように、2つ(特定方位(北西)681および特定方位(北)682)であるものとする。例えば、パノラマ画像431の水平方向の長さをH0とし、パノラマ画像431における中心位置432および特定方位(北西)の位置681の水平方向の距離をH4とする。また、撮像装置500の撮像位置を基準とした場合における中心位置432の方位と、北西とのなす角を角θ4とする。また、パノラマ画像431を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の長さをHとする。この場合には、上述の式6を用いて、中心位置432および北西の位置681の水平方向の距離H4が算出される。同様に、パノラマ画像431における中心位置432および特定方位(北)の位置682の水平方向の距離H5についても算出することができる。このように算出された距離H4およびH5と、パノラマ画像431における中心位置432とに基づいて、パノラマ画像431における特定方位(北および北西)の位置681および682が検出される。
【0172】
また、このように検出された特定方位(北および北西)が、図16(a)に示す特定方位表示領域607に表示される。ここで、例えば、図16(a)に示すように、特定方位表示領域607に表示されている特定方位(北および北西)のうち、特定方位(北西)が指定された場合を想定する。この場合には、パノラマ画像431における特定方位(北西)の位置682を含む一定の範囲(矩形642)に含まれる画像が画像抽出部550により抽出される。そして、図16(b)に示すように、その抽出された画像651が指定方位画像表示画面650に表示される。
【0173】
以上で示したように、パノラマ画像における代表位置の方位を用いて、特定方位の位置を検出することができる。これにより、ユーザの好みの画像を特定方位に基づいて指定することができる。
【0174】
なお、この例では、パノラマ画像を生成する際に最初に生成された撮像画像の水平方向の幅を用いて、特定方位の位置を検出する例を示したが、パノラマ角を用いてその位置を算出するようにしてもよい。例えば、図18(b)に示すように、パノラマ画像431の水平方向の長さをH0とし、パノラマ画像431のパノラマ角をθ0とする。また、パノラマ画像431における中心位置432および特定方位(北西)の位置681の水平方向の距離をH4とする。また、撮像装置500の撮像位置を基準とした場合における中心位置432の方位と、北西とのなす角を角θ4とすると、角度H4は、次の式7を用いて求めることができる。
H4=θ4/(θ0/H0) …式7
【0175】
ここで、パノラマ角θ0は、上述した式3により求めることができ、図4に示すように、パノラマ画像431の画像ファイルに記録されている。
【0176】
[特定対象物を含む方位の指定による画像の抽出例]
以上では、パノラマ画像における特定方位を指定することにより、その指定された特定方位に対応する被写体を含む画像を抽出する例を示した。ここで、パノラマ画像に含まれる一部の画像を抽出する場合に、パノラマ画像における方位を基準とするよりも、パノラマ画像に含まれる被写体の種類を基準とする方が、ユーザの好みを反映させることができることも想定される。例えば、人物の顔等の特定対象物を指定して、この特定対象物を含む被写体を抽出することができると考えられる。そこで、以下では、パノラマ画像に含まれる被写体のうち、特定対象物を含む被写体に対応する方位を検出する例について説明する。
【0177】
図19は、本発明の第2の実施の形態における表示部580における表示画面の表示例を示す図である。図19(a)には、特定対象物を含む被写体に対応する方位を指定するためのメニュー画面600を示す。なお、メニュー画面600におけるメニューボタン601、トリミングボタン602およびインデックス表示ボタン604については、図16(a)に示す例と同様であるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
【0178】
例えば、表示部580にメニュー画面600が表示されている状態で、ユーザが、メニューボタン601を押下し、方位指定表示ボタン603を押下する。この方位指定表示ボタン603の押下により、メニュー画面600に表示されているパノラマ画像431に含まれる被写体のうち特定対象物(例えば、人物の顔)が検出され、検出された特定対象物を含む被写体の方位が特定対象物方位表示領域609に表示される。
【0179】
図19(a)に示す例では、例えば、パノラマ画像431に含まれる人物の顔411および413が検出された場合を示す。また、図19(a)に示す表示例では、人物の顔411を含む画像の範囲を点線の矩形643でパノラマ画像431上に示し、人物の顔413を含む画像の範囲を点線の矩形644でパノラマ画像431上に示す。
【0180】
例えば、メニュー画面600において方位指定表示ボタン603を押下した後に表示される特定対象物方位表示領域609における特定対象物を含む方位「北北西」「西北西」のうち、ユーザが「北北西」の部分を押下したものとする。このように特定対象物方位表示領域609における特定対象物を含む方位「北北西」の部分が押下されると、図19(b)に示すように、押下された方位「北北西」に対応する画像655が、特定対象物画像表示画面654に表示される。すなわち、図19(a)に示すパノラマ画像431における点線の矩形644に含まれる画像が、特定対象物画像表示画面654に表示される。この場合に、例えば、押下された方位「北北西」に対応する画像655とともに、方位「北北西」および特定対象物に関連するメッセージ(例えば、北北西方向の人物です。)が特定対象物画像表示画面654に表示される。また、特定対象物画像表示画面654には、画像655とともに、トリミングボタン652および戻るボタン653が表示される。なお、トリミングボタン652および戻るボタン653については、図16(b)に示すものと同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0181】
図20は、本発明の第2の実施の形態における特定対象物方位算出部540により各特定対象物の方位を検出する特定対象物の方位検出方法を概略的に示す図である。この例は、図19(a)に示すパノラマ画像431について、特定対象物を含む位置の方位を検出する例である。なお、パノラマ画像における位置の方位算出方法については、上述した方位算出方法と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0182】
図20(a)には、パノラマ画像431を示す。なお、パノラマ画像431は、図8(a)に示すパノラマ画像431と同一のパノラマ画像であり、共通する部分には同一の符号を付す。ここで、パノラマ画像431に含まれる特定対象物は、図20(a)に示すように、2つ(人物の顔411および413)となる。特定対象物方位算出部540は、例えば、パノラマ画像431の画像ファイルに記録されている顔情報に基づいて、パノラマ画像431に含まれる人物の顔411および413を検出し、これらの位置およびサイズを特定する。このように特定された人物の顔411の位置683に基づいて、特定対象物方位算出部540は、パノラマ画像431における中心位置432から人物の顔411の位置683までの距離H6を算出する。同様に、特定対象物方位算出部540は、パノラマ画像431における中心位置432から人物の顔413の位置684までの距離H7を算出する。このように算出された距離H6に基づいて、特定対象物方位算出部540は、式4または式5を用いて、パノラマ画像431における人物の顔411の位置683の方位を算出する。同様に、特定対象物方位算出部540は、式4または式5を用いて、パノラマ画像431における人物の顔413の位置684の方位を算出する。ここで、このように算出された特定対象物の位置の方位として、例えば、東西南北のように、90度単位の方位や、南西、北東等のように、45度単位の方位に分類することができる。この例では、南南西、北北東等のように、30度単位の方位に分類する例を示す。例えば、人物の顔411の位置683の方位が「西北西」に分類され、人物の顔413の位置684の方位が「北北西」に分類される。
【0183】
このように分類された方位(北北西および西北西)が、図19(a)に示す特定対象物方位表示領域609に表示される。ここで、例えば、図19(a)に示すように、特定対象物方位表示領域609に表示されている方位(北北西および西北西)のうち、方位(北北西)が指定された場合を想定する。この場合には、パノラマ画像431における方位(北北西)の位置684を含む一定の範囲(矩形644)に含まれる画像が画像抽出部550により抽出される。そして、図19(b)に示すように、その抽出された画像655が指定対象物画像表示画面652に表示される。
【0184】
以上で示したように、パノラマ画像における代表位置の方位を用いて、特定対象物の位置の方位を検出することができる。これにより、ユーザの好みの特定対象物を含む画像を方位に基づいて指定することができる。なお、方位指定表示として、特定方位を指定するか、特定対象物を含む画像を方位に基づいて指定するかを、ユーザによる手動操作により設定するようにしてもよい。また、複数の特定対象物(例えば、人物の通常の顔、人物の笑顔、ペット(犬や猫))をユーザによる手動操作により選択可能とし、選択された特定対象物の位置の方位を検出するようにしてもよい。
【0185】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、パノラマ画像における代表位置の方位を用いて、抽出された画像における代表位置の方位を算出し、この算出された方位と抽出された画像とを画像ファイルに記録することができる。このため、例えば、パノラマ画像の一部分が抽出された画像についても正確な方位を記録することができる。これにより、例えば、その抽出された画像の画像ファイルを用いて、その画像を地図上に重ねて表示する際に、その画像に含まれる被写体の撮像時における撮像方向に基づいて、その画像を地図上に配置することができる。この場合に、撮像方向の誤差を低減させることができる。
【0186】
[撮像装置の動作例]
図21は、本発明の第2の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像の画像抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、パノラマ画像表示モードが設定されている場合において、インデックス画面において指定されたパノラマ画像について画像抽出処理を行う例を示す。また、方位指定表示として、特定方位を表示する例を示す。
【0187】
最初に、パノラマ画像を表示させる表示指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS921)。例えば、パノラマ画像のインデックス画面において、ユーザにより所望のパノラマ画像が選択されることにより表示指示操作が行われる。その表示指示操作が受け付けられていない場合には、その表示指示操作が受け付けられるまで、監視を継続する。その表示指示操作が受け付けられた場合には(ステップS921)、画像ファイル取得部510が、その表示指示操作に応じて、画像記憶部200に記憶されている画像ファイルを取得する(ステップS922)。この場合に、画像ファイル取得部510が、取得された画像ファイルのパノラマ画像をデコードして解像度変換を行い、表示制御部570に出力する。続いて、表示制御部570が、その取得された画像ファイルのパノラマ画像を表示部580に表示させる(ステップS923)。
【0188】
続いて、表示部580に表示されているパノラマ画像以外の他のパノラマ画像を表示させる表示指示操作(いわゆる、ファイル送り操作)が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS924)。その表示指示操作が受け付けられていない場合には、ステップS925に進み、その表示指示操作が受け付けられた場合には、ステップS922に戻る。
【0189】
続いて、表示部580に表示されている画像について、拡大縮小(いわゆる、ズーム倍率の変更)や表示位置を変更する指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS925)。その指示操作が受け付けられた場合には(ステップS925)、表示制御部570が、その指示操作に応じて、表示部580に表示されている画像について表示変更処理を行い(ステップS926)、ステップS940に進む。
【0190】
その指示操作が受け付けられていない場合には(ステップS925)、方位指定表示の指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS927)。例えば、図13に示す方位指定表示ボタン603が押下されることにより、方位指定表示の指示操作が行われる。方位指定表示の指示操作が受け付けられた場合には(ステップS927)、特定方位位置算出部530が、表示部580に表示されているパノラマ画像における特定方位を検出する(ステップS928)。続いて、特定方位位置算出部530が、その検出された特定方位のパノラマ画像における位置を検出する(ステップS929)。続いて、表示制御部570が、検出された特定方位を表示部580に表示される(ステップS930)。例えば、図16(a)に示す特定方位表示領域607に、検出された特定方位が表示される。
【0191】
続いて、表示部580に表示されている特定方位を選択する選択操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS931)。その選択操作が受け付けられた場合には(ステップS931)、画像抽出部550が、選択された特定方位のパノラマ画像における位置を含む一定の範囲に含まれる画像を抽出する。そして、表示制御部570が、抽出された画像を表示部580に表示させる(ステップS932)。続いて、表示部580に表示されている画像を、新たな画像ファイルとして記録する記録指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS933)。例えば、図16(b)に示すトリミングボタン652が押下されることにより、指定方位画像表示画面650に表示されている画像651を記録する記録指示操作が行われる。その記録指示操作が受け付けられた場合には(ステップS933)、記録制御部590が、画像抽出部550により抽出された画像と、この画像における代表位置の方位(特定方位)とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させる(ステップS934)。この場合に、例えば、解像度変換が行われJPEG形式で圧縮されて画像ファイルが記録される。そして、ステップS940に進む。なお、選択操作が受け付けられない場合(ステップS931)、または、記録指示操作が受け付けられない場合にも(ステップS933)、ステップS940に進む。
【0192】
また、方位指定表示の指示操作が受け付けられない場合には(ステップS927)、表示部580に特定方位が表示されているか否かが判断される(ステップS935)。表示部580に特定方位が表示されている場合には、ステップS931に進む。一方、表示部580に特定方位が表示されていない場合には(ステップS935)、パノラマ画像から抽出された画像(特定方位の画像)が表示部580に表示されているか否かが判断される(ステップS936)。その抽出された画像が表示されている場合には(ステップS936)、ステップS933に進む。一方、その抽出された画像が表示されていない場合には(ステップS936)、トリミング処理の指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS937)。例えば、図13(b)に示すトリミング処理画面610において、画像の範囲が指定され、決定ボタン605が押下されることにより、トリミング処理の指示操作が行われる。トリミング処理の指示操作が受け付けられた場合には(ステップS937)、画像抽出部550が、指定された範囲に含まれる画像を抽出し、表示制御部570が、抽出された画像を表示部580に表示させる(ステップS938)。続いて、方位算出部560が、その抽出された画像における代表位置の方位を算出し(ステップS939)、ステップS933に進む。そして、その記録指示操作が受け付けられた場合には(ステップS933)、記録制御部590が、画像抽出部550により抽出された画像と、この画像における代表位置の方位とを画像ファイルとして画像記憶部200に記録させる(ステップS934)。
【0193】
また、トリミング処理の指示操作が受け付けられていない場合には(ステップS937)、パノラマ画像の表示終了指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS937)。パノラマ画像の表示終了指示操作が受け付けられていない場合には、ステップS924に戻り、パノラマ画像の表示終了指示操作が受け付けられた場合には、パノラマ画像の画像抽出処理の動作を終了する。
【0194】
<3.第3の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態では、パノラマ画像に含まれる一部の画像を抽出して表示またはトリミング処理等を行う例を示した。ここで、上述したように、パノラマ画像は、比較的広い範囲の被写体を含む画像であり、撮像位置を基準として比較的広い範囲の方位を含むものが想定される。このため、パノラマ画像を表示させる場合に、例えば、パノラマ画像における方位を考慮して表示させることにより、パノラマ画像の特性を活かした表示を行うことができると考えられる。また、例えば、パノラマ画像を地図上に表示させる場合には、撮像時における撮像位置を基準として、パノラマ画像の上側を撮像方向に向けた状態に配置することが考えられる。この場合においても、例えば、パノラマ画像における方位を考慮して表示させることにより、パノラマ画像の特性を活かした表示を行うことができると考えられる。
【0195】
そこで、以下では、パノラマ画像を表示する場合に、パノラマ画像における各方位に基づいてパノラマ画像の特性を活かした表示を行う例を示す。
【0196】
[撮像装置の構成例]
図22は、本発明の第3の実施の形態における撮像装置700の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置700は、画像記憶部200と、地図データ記憶部710と、画像ファイル取得部720と、撮像位置取得部730と、特定対象物検出部740と、方位取得部750とを備える。また、撮像装置700は、画像変換部760と、地図データ取得部770と、表示制御部780と、表示部790とを備える。
【0197】
画像記憶部200は、画像ファイルを記憶するものであり、記憶されている画像ファイルを画像ファイル取得部720に供給する。なお、画像記憶部200は、図2に示す画像記憶部200に対応する。
【0198】
操作受付部210は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた操作内容を画像ファイル取得部720、画像変換部760および表示制御部780に出力する。例えば、操作受付部210は、画像表示モードが設定されている場合において、画像表示を指示する表示指示操作が受け付けられた場合には、その操作内容を画像ファイル取得部720に出力する。また、操作受付部210は、画像表示モードが設定されている場合において、表示部790に表示されるパノラマ画像の変換方法を指定する指定操作が受け付けられた場合には、その操作内容を画像変換部760に出力する。また、操作受付部210は、画像表示モードが設定されている場合において、表示部790に表示されている画像の倍率を変更する操作入力等が受け付けられた場合には、その操作内容を表示制御部780に出力する。なお、操作受付部210は、図2に示す操作受付部210に対応する。
【0199】
地図データ記憶部710は、表示部790に地図を表示するための地図データを記憶するものであり、記憶されている地図データを地図データ取得部770に供給する。例えば、地図データ記憶部710に記憶されている地図データは、緯度および経度により特定されるデータであり、一定の緯度幅および経度幅を単位として、複数の領域に区切られている。なお、地図データ記憶部710は、図1に示すリムーバブルメディア192に対応する。
【0200】
画像ファイル取得部720は、操作受付部210により受け付けられた表示指示操作に応じて、画像記憶部200に記憶されている画像ファイルを取得するものである。そして、画像ファイル取得部720は、取得された画像ファイルの画像の種類に応じて、その画像を画像変換部760または表示制御部780に出力する。例えば、画像ファイル取得部720は、取得された画像ファイルの画像がパノラマ画像である場合には、そのパノラマ画像を画像変換部760に出力する。一方、取得された画像ファイルの画像がパノラマ画像以外の画像である場合には、その画像を表示制御部780に出力する。これらの画像ファイルの画像は、デコードされ解像度変換が行われて出力される。また、画像ファイル取得部720は、取得された画像ファイルのメタ情報を、撮像位置取得部730、特定対象物検出部740および方位取得部750に出力する。なお、画像ファイル取得部720は、図1に示す解像度変換部120、画像圧縮伸張部130、CPU160およびリムーバブルメディアコントローラ191に対応する。
【0201】
撮像位置取得部730は、画像ファイル取得部720から出力されたメタ情報に基づいて、そのメタ情報に対応する画像に関する撮像位置を取得するものであり、取得された撮像位置を地図データ取得部770に出力する。なお、撮像位置取得部730は、図1に示すCPU160に対応する。
【0202】
特定対象物検出部740は、画像ファイル取得部720から出力されたメタ情報に基づいて、そのメタ情報に対応する画像に含まれる特定対象物を検出するものであり、検出された特定対象物に関する特定対象物情報を画像変換部760に出力する。なお、この例では、パノラマ画像の生成時に記録されたメタ情報に基づいて、特定対象物を検出する例を示すが、例えば、画像解析によりパノラマ画像から特定対象物を検出するようにしてもよい。なお、特定対象物検出部740は、図1に示すCPU160に対応する。
【0203】
方位取得部750は、画像ファイル取得部720から出力されたメタ情報に基づいて、そのメタ情報に対応する画像における代表位置の方位を取得するものであり、取得された方位を画像変換部760に出力する。なお、方位取得部750は、図1に示すCPU160に対応する。
【0204】
画像変換部760は、操作受付部210により受け付けられた指定操作に応じて、画像ファイル取得部720から出力されたパノラマ画像を変換するものであり、変換後のパノラマ画像を表示制御部780に出力する。例えば、画像変換部760は、画像ファイル取得部720から出力されたパノラマ画像を略扇形または分割による複数の画像に変換する。この場合に、例えば、画像変換部760は、地図データ取得部770から出力された地図データに対応する地図における方位と、方位取得部750から出力されたパノラマ画像における代表位置の方位とが一致するようにパノラマ画像を変換する。また、例えば、画像変換部760は、特定対象物検出部740から出力された特定対象物情報に基づいて、方位取得部750から出力されたパノラマ画像に含まれる特定対象物が歪んだり、分離されたりしないようにパノラマ画像を変換する。なお、パノラマ画像の変換については、図23乃至図31等を参照して詳細に説明する。また、画像変換部760は、図1に示すCPU160に対応する。
【0205】
地図データ取得部770は、撮像位置取得部730から出力された撮像位置に基づいて、地図データ記憶部710から地図データを取得するものであり、取得された地図データを表示制御部780に出力する。なお、地図データ取得部770は、図1に示すCPU160およびリムーバブルメディアコントローラ191に対応する。また、例えば、無線LAN等のネットワークを介して他の装置に記憶されている地図データを取得して用いるようにしてもよい。
【0206】
表示制御部780は、画像ファイル取得部720または画像変換部760から出力された画像と、地図データ取得部770から出力された地図データに対応する地図とを表示部790に表示させるものである。表示制御部780は、例えば、画像変換部760から出力されたパノラマ画像に関連付けられている撮像位置に基づいて、地図データ取得部770から出力された地図データに対応する地図上に、そのパノラマ画像を配置する。また、表示制御部780は、操作受付部210からの操作入力に応じて、地図の大きさの変更等の表示制御を行う。これらの表示例については、図27乃至図31等を参照して詳細に説明する。なお、表示制御部780は、図1に示すCPU160およびLCDコントローラ171に対応する。
【0207】
表示部790は、表示制御部780の制御に基づいて、各種画像を表示する表示部である。表示部790は、図1に示すLCD172に対応する。
【0208】
[パノラマ画像の変換例]
図23は、本発明の第3の実施の形態における画像変換部760によるパノラマ画像の変換方法を概略的に示す図である。図23(a)には、変換前のパノラマ画像800を矩形で模式的に示す。図23(a)に示す例では、変換対象となるパノラマ画像800を矩形状とした場合におけるその左下隅を原点(0,0)とし、横軸をx軸とし、縦軸をy軸とするxy座標上において、パノラマ画像800を略扇形に変換する場合を例にして説明する。また、図23(a)に示すxy座標上において、矩形状のパノラマ画像800の各頂点を点801乃至804とし、点801および802を結ぶ線分の中点を点805とし、点803および804を結ぶ線分の中点を点806とする。なお、図23(a)に示すパノラマ画像800における各点については、それぞれ異なる態様(白塗りまたは黒塗りの丸、三角、四角)で示す。また、パノラマ画像800の撮像範囲に対応する角度(パノラマ角)をαとし、パノラマ画像800の水平方向の長さをUとし、パノラマ画像800の垂直方向の長さをVとする。
【0209】
パノラマ画像800は、例えば、水平方向の広範囲の被写体を含む画像となる。そこで、この例では、パノラマ画像800の撮像動作時において撮影者が見た被写体の位置関係を考慮して、パノラマ画像800を略扇形に変換する。ここで、略扇形は、例えば、扇形、または、扇形についてその中心角の付近を扇形に欠いた形状(すなわち、2つの弧と2つの直線により形成される形状)とする。
【0210】
図23(b)には、略扇形に変換後のパノラマ画像810を示す。なお、図23(b)に示すxy座標において、図23(a)に示す点801乃至806に対応する各点の位置には、図23(a)に示す態様と同一のものを付す。
【0211】
例えば、図23(b)に示すように、パノラマ画像800を略扇形に変換してパノラマ画像810を生成する場合には、次の式8および式9を用いて、パノラマ画像800に含まれる座標P1(x,y)を座標P1´(x´,y´)に変換する。
x´=(U/2)+m・(y+a)・cos([90+α{(U/2−x)/U}](π/180))… 式8
y´=m・(y+a)・sin([90+α{(U/2−x)/U}](π/180))… 式9
【0212】
ここで、mは、中心点818を基準として、パノラマ画像810を放射状に拡大する場合の倍率を示す値であり、aは、中心点818を基準として、パノラマ画像810を垂直方向に拡大する場合の距離を示す値である。また、αは、変換後のパノラマ画像810の中心角となる。上述した式8および式9を用いることにより、図23(b)に示すように、略扇形のパノラマ画像810を生成することができる。なお、図23(a)および(b)に示すxy座標上において、パノラマ画像800および810の枠を太線で示す。また、上述した式8および式9を用いた変換方法は、パノラマ画像における水平方向のサイズおよびパノラマ角に基づいて、変換後のパノラマ画像に含まれる被写体の方位と、地図における方位とが略一致するように略扇形に変換する変換方法の一例である。
【0213】
図24は、本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。図24(a)には、変換前のパノラマ画像820を示す。このパノラマ画像820は、図6(c)等に示すパノラマ画像と同様である。
【0214】
図24(b)には、式8および式9を用いて、パノラマ画像820が略扇形に変換された後のパノラマ画像821を示す。例えば、式8および式9を用いて変換されたパノラマ画像821は、パノラマ角に応じて中心角が異なるように変換される。このため、例えば、水平方向の長さが同一のパノラマ画像が変換された場合において、パノラマ角が大きいパノラマ画像は、変換後の略扇形を構成する2つの弧が比較的深い曲線となる。これに対して、パノラマ角が小さいパノラマ画像は、変換後の略扇形を構成する2つの弧が比較的浅い曲線となる。このように、パノラマ画像を略扇形に変換することにより、撮影者が見た撮像動作時における被写体の状態を直感的に把握し易いパノラマ画像を表示させることができる。また、図24(a)に示すパノラマ画像820を表示させる代わりに、図24(b)に示す略扇形に変形させたパノラマ画像821を表示させることにより、ユーザに新たな態様のパノラマ画像を提供することができる。これにより、パノラマ画像820に対するユーザの興味を高めることができる。また、倍率m、距離a、全体角αをユーザが変更可能とし、これらの値をユーザが手動操作により変更することにより、さらに多様な略扇形のパノラマ画像を表示させることができる。
【0215】
なお、例えば、表示対象となるパノラマ画像に歪ませたくない特定対象物(例えば、人物の顔)が含まれている場合には、その特定対象物については略扇形に変換せずに表示するようにしてもよい。例えば、図25に示すように、特定対象物が境界にかからないようにパノラマ画像を分割し、この分割されたパノラマ画像を表示させることができる。また、例えば、その特定対象物が歪まないように、図26に示すように、特定対象物を抽出し、略扇形に変換されたパノラマ画像上の対応する位置に重ねて合成させることができる。
【0216】
[パノラマ画像の他の変換例]
以上では、パノラマ画像を略扇形に変換する例を示した。しかしながら、例えば、人の顔等のように、歪ませることにより違和感を覚える被写体が含まれている場合には、これらの被写体が歪ませずに、パノラマ画像の特性を活かした表示を行うことが重要である。そこで、以下では、パノラマ画像を略扇形に変換せずに、パノラマ画像を分割し、分割後の各画像を方位に基づいて表示させる例を示す。
【0217】
図25は、本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。図25(a)には、変換前のパノラマ画像830を示す。このパノラマ画像830は、図24(a)に示すパノラマ画像と同様である。
【0218】
図25(b)には、画像変換部760によりパノラマ画像830が5分割された後の画像831乃至835をパノラマ画像836として配置して表示する例を示す。ここで、パノラマ画像の分割数については、ユーザの手動操作により設定するようにしてもよく、一定の規則に従って設定するようにしてもよい。図25(b)に示すように分割された画像831乃至835については、本発明の第2の実施の形態で示したように、各画像の方位を算出することができる。そこで、画像変換部760が、例えば、真中に配置される画像833の方位を基準として、他の画像831、832、834、835の方位の差分を算出する。そして、算出された差分値だけ各画像の回転処理を行い、回転処理後の画像831、832、834、835を配置する。この場合に、例えば、図25(b)に示すように、画像831乃至835の下隅が接するように配置して、パノラマ画像836とするようにしてもよい。また、図25(c)に示すように、画像831乃至835の真中部分が接するよう配置して、パノラマ画像837とするようにしてもよい。ここで、画像の回転方法として、例えば、2次元座標上において、3×3の行列(アフィン行列)を用いて、2点の位置を変換するアフィン変換を用いることができる。例えば、画像変換部760が、各画像の中心位置を回転基準とし、各画像の各値をアフィン変換する。そして、このアフィン変換が行われた後に各画像を所定の位置に配置することができる。
【0219】
ここで、例えば、パノラマ画像に分割すべきでない特定対象物(例えば、人物の顔)が含まれている場合には、その特定対象物が分離されないように、パノラマ画像の分割を行うようにしてもよい。例えば、特定対象物を人物の顔とする場合には、パノラマ画像の画像ファイルに記録されている顔情報に基づいて、パノラマ画像における水平方向の顔の位置を特定することができる。そこで、例えば、分割処理を行う際に、この分割の際の境界に顔が存在するか否かを判断し、分割の際の境界に顔が存在している場合には、その境界が顔にかからないように左側または右側に移動させる。例えば、その境界が顔にかからないように移動する場合に、左側または右側のうち短い距離となる方向に移動させることができる。
【0220】
また、分割の際の境界に顔が存在している場合には、その境界が顔にかからないように、分割される画像の数を変更するようにしてもよい。例えば、パノラマ画像を5分割する設定がされている場合において、5分割の際の何れかの境界に顔が存在している場合には、4分割または6分割とすることができる。また、このように分割される画像の数を変更した後に、分割の際の何れかの境界に顔が存在している場合には、さらに分割される画像の数を変更するようにしてもよい。
【0221】
図26は、本発明の第3の実施の形態における画像変換部760により変換されるパノラマ画像の遷移の一例を示す図である。この変換例は、図24の変形例であり、特定対象物が歪まないように変換させる例である。図26(a)には、変換前のパノラマ画像840を示す。このパノラマ画像840は、図24(a)に示すパノラマ画像と同様である。なお、この例では、特定対象物を人物の顔とし、パノラマ画像840に含まれる人物の顔841、842を含む顔画像843、844を抽出し、抽出された顔画像843、844をパノラマ画像840に重ねて合成する例を示す。なお、パノラマ画像840の変換方法については、図24に示す例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0222】
例えば、特定対象物検出部740が、パノラマ画像840の画像ファイルに記録されている顔情報に基づいて、パノラマ画像840に含まれる人物の顔841、842を検出する。続いて、図26(b)に示すように、検出された人物の顔841、842に関する検出情報に基づいて、画像変換部760が、パノラマ画像840から、人物の顔841、842を含む顔画像843、844を抽出する。この抽出の際に、画像変換部760が、上述した方位算出方法により、顔画像843、844の方位を算出する。そして、図26(c)に示すように、画像変換部760が、パノラマ画像840を変換して略扇形のパノラマ画像845を生成し、抽出された顔画像843、844をパノラマ画像845に重ねて合成する。この場合に、例えば、画像変換部760が、顔画像843、844について算出された方位に基づいて、顔画像843、844の中心を回転中心として、顔画像843、844を回転させる。そして、回転後の顔画像843、844を、抽出された位置に合成する。なお、図26(c)では、回転後の顔画像843、844に対応する矩形を点線で示す。なお、図24乃至図26に示す変換後のパノラマ画像については、例えば、各パノラマ画像における上下方向と、表示部790における上下方向とを合わせて表示させることができる。
【0223】
[パノラマ画像の地図上への配置例]
以上では、画像変換部760により変換されるパノラマ画像を表示する例を示した。以下では、撮像位置を含む地図上にパノラマ画像を配置して表示させる例について説明する。
【0224】
図27は、本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地域における撮像動作と、この撮像動作により生成されたパノラマ画像との関係を概略的に示す図である。
【0225】
図27(a)に示す地域850は、地図データ記憶部710に記憶されている地図データの一部に対応する地域である。なお、図27(a)では、上側の方位を北とする。また、地域850には、例えば、Aビル851、Bビル852およびCビル853が存在し、これらのビルを背景にして人物854が立っているものとする。この状態で、例えば、撮像装置700によりパノラマ画像の撮像動作が行われ、この撮像動作によるパノラマ画像の角度をα1とし、パノラマ画像における中心位置に対応する撮像方向を矢印855で示す。なお、本発明の第3の実施の形態では、機能構成例としてパノラマ画像の生成に関する構成を省略しているが、本発明の第1の実施の形態と同様の機能構成を備えているものとする。また、この例では、撮像装置700による撮像動作によりパノラマ画像を生成する例を示すが、例えば、他の撮像装置による撮像動作により生成されたパノラマ画像を画像記憶部200に記憶させ、このパノラマ画像を用いて表示を行うようにしてもよい。
【0226】
図27(b)には、図27(a)に示すように、地域850において生成されたパノラマ画像860を示す。このように、パノラマ画像860には、Aビル851と、Bビル852と、Cビル853と、これらのビルを背景にして立つ人物854とが含まれる。また、パノラマ画像860における中心位置861をバツ印で示す。
【0227】
図28乃至図31は、本発明の第3の実施の形態における地図データ記憶部710に記憶されている地図データに対応する地図上に、この地図に対応する地域で生成されたパノラマ画像を重ねて表示する場合における表示例を示す図である。なお、パノラマ画像に対応する撮像範囲および中心位置に対応する方向を点線で示す。なお、これらの点線は、図27(a)に示すものに対応する。
【0228】
図28(a)には、図27(a)に示す地域850に対応する地図857上にパノラマ画像860を重ねて表示させた表示例を示す。例えば、パノラマ画像860における中心位置861が、地図857における撮像位置となるようにパノラマ画像860が配置される。
【0229】
図28(b)には、パノラマ画像860の上下方向と、パノラマ画像860における中心位置861の方位とが一致するように、地図857上にパノラマ画像860を重ねて表示させた表示例を示す。この場合には、例えば、パノラマ画像860における中心位置861が、地図857における撮像位置となるようにパノラマ画像860が配置される。このように配置する場合には、例えば、中心位置861を回転中心として、パノラマ画像860を回転させる。この回転変換方法として、例えば、上述したアフィン変換を用いることができる。具体的には、画像変換部760が、中心位置861を回転基準とし、パノラマ画像860の各値をアフィン変換する。例えば、パノラマ画像860における中心位置861の方位と、地図857上の北の方位とのなす角α2を算出する。そして、パノラマ画像860をα2度だけ回転させるようにアフィン変換を行う。このように、パノラマ画像860における中心位置861の方位と、地図857における方位とを一致させることにより、パノラマ画像860と、地図857との対応関係を直感的に把握し易くすることができる。
【0230】
ここで、上述したように、パノラマ画像を表示させる場合には、パノラマ画像の撮像動作状態を直感的に把握することができるように、略扇形に変換して表示させることができる。また、上述したように、パノラマ画像を分割して表示させることもできる。以下では、これらの表示例について説明する。
【0231】
図29には、式8および式9を用いてパノラマ画像860を変換し、変換後のパノラマ画像862における各方位と、地図857における方位とが一致するように、地図857上にパノラマ画像862を重ねて表示させた表示例を示す。この場合には、例えば、変換後のパノラマ画像862の中心点の位置と、地図857における撮像位置858とが一致するようにパノラマ画像862が配置される。ここで、例えば、地図857における撮像位置858を、例えば、図29に示すように、白塗りの丸として表示することができる。なお、パノラマ画像の変換方法および回転方法については、上述した例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0232】
このようにパノラマ画像862および撮像位置858を表示させることにより、地図857に対応する地域850における撮像動作状態を直感的に容易に把握することができる。また、このように表示させることにより、パノラマ画像の面白みを高めることができる。これにより、パノラマ画像の表示の際におけるユーザの興味を高めることができる。
【0233】
図30には、図25(b)の変形例を示す。例えば、パノラマ画像860を3分割し、分割後のパノラマ画像863を構成する真中の画像867の方位と、地図857における方位とが一致するように、地図857上にパノラマ画像863を重ねて表示させた表示例を示す。この場合には、例えば、分割後のパノラマ画像863により特定される中心点の位置と、地図857における撮像位置858とが一致するようにパノラマ画像863が配置される。ここで、分割後のパノラマ画像863により特定される中心点の位置は、例えば、分割後のパノラマ画像863を構成する3つの画像867乃至869における中心位置の各方位が交わる位置とすることができる。また、地図857における撮像位置858を、例えば、図29と同様に、白塗りの丸として表示することができる。また、この例では、分割する際における特定対象物を、人物の顔およびビルとして、これらが分割されないように、分割の数および境界が設定されているものとする。これらの特定対象物は、上述したように、パノラマ画像の生成時に記録されたメタ情報に基づいて検出するようにしてもよく、表示する際に画像解析により検出するようにしてもよい。なお、パノラマ画像の分割方法および回転方法については、上述した例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0234】
このようにパノラマ画像863および撮像位置858を表示させることにより、地図857に対応する地域850における撮像動作状態を直感的に容易に把握することができる。また、特定対象物についても歪ませずに表示させることができる。このように表示させることにより、略扇形とは異なる表示形態によりパノラマ画像を表示することができるため、面白みを高めることができる。これにより、パノラマ画像の表示の際におけるユーザの興味を高めることができる。
【0235】
図31には、図26に示す例と同様に、特定対象物を人物の顔とし、パノラマ画像860に含まれる人物854の顔を含む顔画像864を抽出し、抽出された顔画像864をパノラマ画像865に重ねて合成する表示例を示す。図31(a)には、パノラマ画像860と、人物854の顔を含む顔画像864との関係を示し、図31(b)には、パノラマ画像860を変換して生成された略扇形のパノラマ画像865に、抽出された顔画像866を重ねて合成する例を示す。なお、図31(b)では、抽出された顔画像866に対応する矩形を点線で示す。また、パノラマ画像の変換方法および回転方法については、上述した例と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、顔画像の合成方法についても、合成対象となるパノラマ画像の回転に応じて、回転させてから合成する点以外は、上述した合成方法と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0236】
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、パノラマ画像に含まれる被写体に対応する方位に応じて、パノラマ画像を変換して表示させることができる。これにより、パノラマ画像に含まれる被写体に対応する方位を反映させたパノラマ画像の表示をすることができる。これにより、パノラマ画像と被写体との関係を直感的に容易に把握することができる。また、例えば、パノラマ画像に含まれる被写体に対応する方位に応じて、パノラマ画像を略扇形や分割画像に変換して表示することにより、パノラマ画像と被写体との関連性を直感的に容易に把握することができる。また、変換後のパノラマ画像を地図上に重ねて表示させる場合には、パノラマ画像に含まれる被写体に対応する方位に応じて、パノラマ画像を配置することにより、パノラマ画像に含まれる被写体と、撮像方向との関係を容易に把握することができる。このように、パノラマ画像を表示することにより、面白みを高めることができ、ユーザの興味を高めることができる。なお、以上では、変換後のパノラマ画像により特定される中心点の位置と、地図における撮像位置とが一致するようにパノラマ画像を配置する例を示したが、例えば、ユーザの好みに応じて配置位置を変更するようにしてもよい。例えば、変換後のパノラマ画像における中心位置と、地図における撮像位置とが一致するようにパノラマ画像を配置するようにしてもよい。
【0237】
[撮像装置の動作例]
図32は、本発明の第3の実施の形態における撮像装置700による画像表示処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、パノラマ画像を地図上に重ねて表示させる例を示す。また、パノラマ画像に特定対象物が含まれていない場合には、図29に示すように略扇形の変換処理を行い、パノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には、図30に示すように分割の変換処理を行う例を示す。
【0238】
最初に、画像を地図上に重ねて表示させる表示指示操作が操作受付部210により受け付けられたか否かが判断される(ステップS941)。その表示指示操作が受け付けられていない場合には、その表示指示操作が受け付けられるまで、監視を継続する。その表示指示操作が受け付けられた場合には(ステップS941)、画像ファイル取得部720が、その表示指示操作に応じて、画像記憶部200に記憶されている画像ファイルを取得する(ステップS942)。この場合に、画像ファイル取得部720が、取得された画像ファイルのメタ情報を解析し、取得された画像ファイルの画像の種類(パノラマ画像の有無)を判定する。この判定は、例えば、メタ情報に含まれる画サイズ等に基づいて行われる。また、例えば、メーカーノートにパノラマ画像の有無を記録しておき、これに基づいて行うようにしてもよい。
【0239】
続いて、取得された画像ファイルの画像が、パノラマ画像であるか否かが判断される(ステップS943)。取得された画像ファイルの画像がパノラマ画像でない場合には(ステップS943)、表示制御部780が、取得された画像ファイルの画像を地図上の撮像位置を基準として配置し、表示部790に表示させる(ステップS944)。一方、取得された画像ファイルの画像がパノラマ画像である場合には(ステップS943)、そのパノラマ画像に特定対象物が含まれているか否かが判断される(ステップS945)。
【0240】
そのパノラマ画像に特定対象物が含まれていない場合には(ステップS945)、画像変換部760が、そのパノラマ画像を略扇形に変換する(ステップS946)。続いて、画像変換部760が、変換後のパノラマ画像における方位と、地図における方位とが一致するようにパノラマ画像について回転処理を行う(ステップS947)。続いて、表示制御部780が、変換後のパノラマ画像の中心点の位置と、地図における撮像位置とが一致するようにパノラマ画像を地図上に配置して表示部790に表示させる(ステップS948)。
【0241】
また、そのパノラマ画像に特定対象物が含まれている場合には(ステップS945)、画像変換部760が、その特定対象物が分割の際の境界にかからないように、そのパノラマ画像を分割する(ステップS949)。続いて、画像変換部760が、変換後の各画像における方位と、地図における方位とが一致するように各画像について回転処理を行う(ステップS950)。続いて、表示制御部780が、変換後の各画像により特定される中心点の位置と、地図における撮像位置とが一致するようにパノラマ画像を地図上に配置して表示部790に表示させる(ステップS951)。
【0242】
[パノラマ画像の他の変換例]
以上では、パノラマ画像を略扇形に変換した後に、パノラマ画像における中心位置の方位に基づいて、変換後のパノラマ画像を回転させて地図上に配置する例を示した。ここで、例えば、パノラマ画像を略扇形に変換する際に、パノラマ画像における中心位置の方位に応じた回転処理を行えば、変換処理を迅速に行うことができると想定される。そこで、以下では、式8および式9を変形した式を用いて、パノラマ画像を変換する例を示す。
【0243】
図33は、本発明の第3の実施の形態における画像変換部760によるパノラマ画像の変換方法を概略的に示す図である。ここで、図33に示す変換方法は、図23に示す変換方法の変形例であり、地図上の方位とパノラマ画像における代表位置の方位とのなす角ωだけ回転処理させる点以外の点は同一である。このため、以下では、図23に示す変換方法と異なる点を中心に説明し、共通する部分については、同一の符号を付して、説明を省略する。図33(a)には、図23(a)と同様に、変換前のパノラマ画像800を矩形で模式的に示す。
【0244】
図33(b)には、略扇形に変換後のパノラマ画像870を示す。なお、図33(b)に示すxy座標において、図33(a)に示す点801乃至806に対応する各点の位置には、図23(a)に示す態様と同一のものを付す。
【0245】
例えば、図33(b)に示すように、パノラマ画像800を略扇形に変換してパノラマ画像870を生成する場合には、次の式10および式11を用いて、パノラマ画像800に含まれる座標P1(x,y)を座標P1´(x´,y´)に変換する。
x´=(U/2)+m・(y+a)・cos([90+α{(U/2−x)/U}+ω](π/180))… 式10
y´=m・(y+a)・sin([90+α{(U/2−x)/U}+ω](π/180))… 式11
【0246】
ここで、ωは、回転角度を示す値であり、地図上の方位と、パノラマ画像における代表位置の方位とのなす角を示す。上述した式10および式11を用いることにより、式8および式9を用いて略扇形を生成した後に、方位に応じた回転処理を行う2段階の変換処理を行う必要がない。すなわち、地図上の方位と、パノラマ画像における代表位置の方位とを一致させる変換処理を1段階の変換処理により行うことができ、方位を考慮した略扇形のパノラマ画像を迅速に生成することができる。
【0247】
このように、本発明の実施の形態によれば、パノラマ画像の記録時には、パノラマ画像における代表位置の方位を記録することができる。また、パノラマ画像から一部の画像を抽出する場合には、抽出された画像における代表位置の方位を算出し、この方位をその抽出された画像について用いることができる。また、パノラマ画像に含まれる被写体の方位を用いて、パノラマ画像から所望の画像を抽出することができる。さらに、パノラマ画像を表示する際に、パノラマ画像に含まれる被写体の方位を用いて、パノラマ画像を変換して表示することができる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、パノラマ画像に関する方位を適切に用いることができる。
【0248】
なお、本発明の実施の形態では、撮像装置を例にして説明したが、撮像機能付き携帯電話機、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム等のパノラマ画像を扱うことが可能な画像処理装置等の電子機器に本発明の実施の形態を適用することができる。また、パノラマ画像から抽出された画像や、変換後のパノラマ画像を他の表示装置に出力し、その表示装置にそれらの画像を表示させることが可能な画像処理装置等の電子機器に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0249】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0250】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【符号の説明】
【0251】
100、500、700 撮像装置
101 バス
111 撮像部
112 方位センサ
113 GPSユニット
114 ネットワークコントローラ
115 ネットワーク
120 解像度変換部
130 画像圧縮伸張部
140 ROM
150 RAM
160 CPU
171 LCDコントローラ
172 LCD
181 入力制御部
182 操作部
191 リムーバブルメディアコントローラ
192 リムーバブルメディア
200 画像記憶部
210 操作受付部
211 撮像部
212 方位取得部
213 撮像位置取得部
220 撮像画像保持部
230 移動量検出部
240 画像合成部
250 顔検出部
260 中心位置算出部
270 撮像動作判定部
280 パノラマ情報算出部
290、590 記録制御部
441 撮像素子
442 レンズ
510、720 画像ファイル取得部
520 メタ情報取得部
530 特定方位位置算出部
540 特定対象物方位算出部
550 画像抽出部
560 方位算出部
570、780 表示制御部
580、790 表示部
710 地図データ記憶部
730 撮像位置取得部
740 特定対象物検出部
750 方位取得部
760 画像変換部
770 地図データ取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換する画像変換部と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記略扇形のパノラマ画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部と
を具備する電子機器。
【請求項2】
複数の撮像画像を合成することにより生成されて略扇形に変形されたパノラマ画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、当該方位と地図上における方位とを略一致させた状態で、前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御部を具備する電子機器。
【請求項3】
前記画像変換部は、前記複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角に応じて前記略扇形のパノラマ画像の中心角が異なるように前記略扇形への変換を行う請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記複数の撮像画像の撮像時におけるパノラマ角と、前記略扇形のパノラマ画像の中心角とが略一致するように前記表示制御を行う請求項1または2記載の電子機器。
【請求項5】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像垂直方向を境界として所定数に分割して複数の分割画像を生成する分割画像生成部と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表されるよう表示制御する表示制御部と
を具備する電子機器。
【請求項6】
前記分割画像生成部は、前記パノラマ画像に分割すべきでない特定対象物が含まれている場合には、前記特定対象物が分割されないように前記複数の分割画像を生成する請求項記載の電子機器。
【請求項7】
前記分割画像生成部は、前記パノラマ画像に前記特定対象物が含まれている場合には、前記所定数を変更することにより、前記特定対象物が分割されないように前記複数の分割画像を生成する請求項記載の電子機器。
【請求項8】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像垂直方向を境界として所定数に分割された複数の分割画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表されるよう表示制御する表示制御部を具備する電子機器。
【請求項9】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換する画像変換手順と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記略扇形のパノラマ画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順と
を具備する表示制御方法。
【請求項10】
複数の撮像画像を合成することにより生成されて略扇形に変形されたパノラマ画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、当該方位と地図上における方位とを略一致させた状態で、前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順を具備する表示制御方法。
【請求項11】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を垂直方向を境界として所定数に分割して複数の分割画像を生成する分割画像生成手順と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順と
を具備する表示制御方法。
【請求項12】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像が垂直方向を境界として所定数に分割された複数の分割画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順を具備する表示制御方法。
【請求項13】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を略扇形に変換する画像変換手順と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記略扇形のパノラマ画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記略扇形のパノラマ画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
複数の撮像画像を合成することにより生成されて略扇形に変形されたパノラマ画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、当該方位と地図上における方位とを略一致させた状態で、前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像を垂直方向を境界として所定数に分割して複数の分割画像を生成する分割画像生成手順と、
前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
複数の撮像画像を合成することにより生成されたパノラマ画像が垂直方向を境界として所定数に分割された複数の分割画像が、前記複数の撮像画像の撮像時における撮像位置と前記パノラマ画像に関連付けられている方位とに基づいて、前記各分割画像の方位と地図上における方位とが略一致した状態で、前記各分割画像が前記地図上に表示されるよう表示制御する表示制御手順をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−170088(P2012−170088A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51942(P2012−51942)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2009−127127(P2009−127127)の分割
【原出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】