説明

電子機器、通信システム、データ通信方法、表示制御方法、およびプログラム

【課題】電子機器において地図画面が表示された状態にて入力された手書入力データを、他の電子機器において表示可能とする。
【解決手段】電子機器100は、液晶パネル240と、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信する受信部11と、位置情報に基づき、地図データを記憶したサーバ装置から、現在位置を含んだ地図データを取得する取得部17と、取得した地図データに基づく第1地図画像を液晶パネル240に表示させる表示制御部12と、第1地図画像が表示された状態で、液晶表示パネル240を介して手書入力データを受け付ける第1受付部13と、受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成する画像生成部14と、生成した画像データを他の電子機器に送信する送信部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルを備えた電子機器、電子機器を含む通信システム、電子機器におけるデータ通信方法、電子機器における表示制御方法、当該方法を実行するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光センサを内蔵した液晶パネルが知られている。
特許文献1〜3には、2つの表示装置を備えた情報処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献4には、表示部と着脱可能なPC(Personal Computer)カードとを備える情報処理装置が開示されている。表示部およびPCカードは、LCD(Liquid Crystal Display)を備える。また、PCカードのLCDは、タッチパッドの背面に設けれている。
【0004】
非特許文献1には、タッチパッドが液晶ディスプレイになった、ノート型のパーソナルコンピュータが開示されている。
【特許文献1】特開2004−005105号公報
【特許文献2】特開2004−005212号公報
【特許文献3】特開2004−234504号公報
【特許文献4】特開2000−339097号公報
【非特許文献1】東芝 ノートPC dynabook(登録商標) G8シリーズ 製品カタログ インターネット<URL:http://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/030512g8/index_j.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの特許文献および非特許文献の電子機器は、当該電子機器において地図画面が表示された状態にて入力された手書入力データを他の電子機器において表示可能することはできないといった問題点がある。
【0006】
本願発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、電子機器において地図画面が表示された状態にて入力された手書入力データを、他方の電子機器において表示可能とする電子機器、通信システム、データ通信方法、表示制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にある局面に従うと、電子機器は、第1表示パネルと、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信する受信手段と、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得する取得手段と、取得された地図データに基づく第1地図画像を第1表示パネルに表示させる表示制御手段と、第1地図画像が表示された状態で、第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成する生成手段と、生成された画像データを他の電子機器に送信する送信手段とを備える。
【0008】
また、受信手段は、他の電子機器で表示されている現在位置を含んだ第2地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、他の電子機器において第2地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、他の電子機器からさらに受信し、表示制御手段は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、第2地図画像として示された地図領域を含む地図画像を、第1地図画像として表示させることが好ましい。
【0009】
また、表示制御手段は、位置情報に基づいて、現在位置を第1地図画像に表示することが好ましい。
【0010】
また、生成手段は、サイズ情報で示される表示領域のサイズに対する、第1表示パネルにおいて第1地図画像を表示するために用いた表示領域のサイズの比率を算出する比率算出手段を備え、算出された比率に基づき手書入力データのデータ量を変更することにより、画像データを生成することが好ましい。
【0011】
また、第1地図画像が表示された状態で、第1表示パネルを介して表示される地図画像の表示対象領域を変更する指示を表示制御手段が受け付けた場合、送信手段は、変更後の表示対象領域を特定する領域特定情報を他の電子機器に送信することが好ましい。
【0012】
また、第1地図画像で示される地図領域と、第2地図画像で示される地図領域とは同じ領域であることが好ましい。
【0013】
また、第1表示パネルよりも表示領域が広い第2表示パネルをさらに備え、表示制御手段は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、第2表示パネルに、第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像をさらに表示させることが好ましい。
【0014】
また、第3地図画像として示された地図領域における一部領域の指定を受け付ける第2受付手段をさらに備え、第2受付手段が指定を受け付けた場合、表示制御手段は、指定された一部領域を第1表示パネルを介して表示させることが好ましい。
【0015】
また、第1表示パネルは、入射光に応じて電気信号を生成する複数の光センサ回路と、電気信号に応じて光を発する複数の画素回路とを含み、受付手段は、複数の光センサ回路からの電気信号に基づいて、手書入力データを受け付け、表示制御手段は、複数の画素回路に第1地図画像および手書入力データに基づく手書画像とを表示させることが好ましい。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、電子機器は、第1表示パネルと、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信する受信手段と、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得する取得手段と、取得された地図データに基づく第1地図画像を第1表示パネルに表示させる表示制御手段と、第1地図画像が表示された状態で、第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成する生成手段と、生成されたストロークデータを他の電子機器に送信する送信手段とを備える。
【0017】
また、受信手段は、他の電子機器で表示されている現在位置を含んだ第2地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、他の電子機器において第2地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、他の電子機器からさらに受信し、表示制御手段は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、第2地図画像として示された地図領域を含む地図画像を、第1地図画像として表示させることが好ましい。
【0018】
また、電子機器は、第1表示パネルよりも表示領域が広い第2表示パネルをさらに備え、表示制御手段は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、第2表示パネルに、第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像をさらに表示させることが好ましい。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、電子機器は、表示パネルと、外部機器から受信した信号に基づき、電子機器の現在位置を示した位置情報を取得する第1取得手段と、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得する第2取得手段と、取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させる表示制御手段と、位置情報を、他の電子機器に送信する送信手段と、他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信する受信手段とを備え、表示制御手段は、地図画像の画像データと、受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を表示パネルを介して表示させる。
【0020】
また、送信手段は、表示されている地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、さらに他の電子機器に送信することが好ましい。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、通信システムは、第1電子機器と第2電子機器とを含み、第1電子機器は、第1表示パネルと、第2電子機器の現在位置を示した位置情報を、第2電子機器から受信する第1受信手段と、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ第1地図データを取得する第1取得手段と、取得された第1地図データに基づく第1地図画像を第1表示パネルに表示させる第1表示制御手段と、第1地図画像が表示された状態で、第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成する生成手段と、生成された画像データを第2電子機器に送信する第1送信手段とを備え、第2電子機器は、第2表示パネルと、外部機器から受信した信号に基づき、位置情報を取得する第2取得手段と、位置情報に基づき、記憶装置から、現在位置を含んだ第2地図データを取得する第3取得手段と、取得された第2地図データに基づく第2地図画像を第2表示パネルに表示させる第2表示制御手段と、位置情報を、第1電子機器に送信する第2送信手段と、生成された画像データを第1電子機器から受信する第2受信手段とを備え、第2表示制御手段は、第2地図データと、受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を第2表示パネルに表示させる。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従うと、データ通信方法は、電子機器におけるデータ通信方法であって、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、地図画像が表示された状態で、表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成するステップと、生成された画像データを他の電子機器に送信するステップとを含む。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従うと、データ通信方法は、電子機器におけるデータ通信方法であって、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、地図画像が表示された状態で、表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成するステップと、生成されたストロークデータを他の電子機器に送信するステップとを含む。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示制御方法は、電子機器における表示制御方法であって、外部機器から受信した信号に基づき、電子機器の現在位置を示した位置情報を取得するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づき地図画像を表示パネルに表示させるステップと、位置情報を、他の電子機器に送信するステップと、他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信するステップと、地図画像の画像データと、受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を表示パネルに表示させるステップとを含む。
【0025】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、電子機器にデータ通信を実行させるためのプログラムであって、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、地図画像が表示された状態で、表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成するステップと、生成された画像データを他の電子機器に送信するステップとを実行させる。
【0026】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、電子機器にデータ通信を実行させるためのプログラムであって、他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、他の電子機器から受信するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、地図画像が表示された状態で、表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成するステップと、生成されたストロークデータを他の電子機器に送信するステップとを実行させる。
【0027】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、電子機器に表示制御を実行させるためのプログラムであって、外部機器から受信した信号に基づき、電子機器の現在位置を示した位置情報を取得するステップと、位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、取得された地図データに基づき地図画像を表示パネルに表示させるステップと、位置情報を、他の電子機器に送信するステップと、他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信するステップと、地図画像の画像データと、受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を表示パネルに表示させるステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0028】
電子機器において地図画面が表示された状態にて入力された手書入力データを、他の電子機器において表示可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る電子機器の一実施態様について、図1から図32を参照して説明すると以下のとおりである。
【0030】
<電子機器の外観>
図1は、本実施の形態に係る電子機器100の外観を示した図である。図1を参照して、電子機器100は、第1の筐体100Aと第2の筐体100Bとを含む。
【0031】
第1の筐体100Aと第2の筐体100Bとは、ヒンジ100Cにより折畳み可能に接続されている。第1の筐体100Aは、光センサ内蔵液晶パネル140を備える。第2の筐体100Bは、光センサ内蔵液晶パネル240を備える。このように、電子機器100は、光センサ内蔵液晶パネルを2つ備える。
【0032】
なお、電子機器100は、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯型電話機、電子辞書などの表示機能を有する携帯型デバイスとして構成される。
【0033】
<ハードウェア構成について>
次に、図2を参照して、電子機器100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子機器100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0034】
電子機器100は、第1ユニット1001と、第2ユニット1002とを含む。第2ユニット1002は、電子機器100から着脱可能に第1ユニット1001に接続されている。第1ユニット1001は、本体装置101と、表示装置102とを含む。第2ユニット1002は、表示装置103と、本体装置104とを含む。
【0035】
第1の筐体100Aは、表示装置102を含む。第2の筐体100Bは、本体装置101を含む。また、第2の筐体100Bは、第2ユニット1002を含む。
【0036】
(第1ユニットについて)
本体装置101は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)171と、ROM(Read-Only Memory)172と、メモリカードリーダライタ173と、外部通信部174と、マイク175と、スピーカ176と、操作キー177と、電源スイッチ191と、電源回路192と、電源検出部193と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ194と、アンテナ195と、LAN(Local Area Network)コネクタ196とを含む。各構成要素(110,171〜177,193)は、相互にデータバスDB1によって接続されている。メモリカードリーダライタ173には、メモリカード1731が装着される。
【0037】
CPU110は、プログラムを実行する。操作キー177は、電子機器100の使用者による指示の入力を受ける。RAM171は、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー177を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM172は、データを不揮発的に格納する。また、ROM172は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどのデータの書込みおよび消去が可能なROMである。
【0038】
外部通信部174は、他の電子機器と通信を行なう。具体的には、外部通信部174は、USBコネクタ194を介して、たとえば第2ユニット1002と通信を行なう。また、外部通信部174は、アンテナ195を介して、たとえば第2ユニット1002と無線通信を行なう。さらに、外部通信部174は、LANコネクタ196を介して、他の電子機器との間で有線通信を行なう。
【0039】
なお、本体装置101は、Bluetooth(登録商標)以外の無線通信により、他の電子機器と通信を行なってもよい。たとえば、外部通信部174は、図示しない無線LANアンテナを介して、LANに接続された他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。あるいは、図示しない赤外線ポートを介して、他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。
【0040】
電源スイッチ191は、電子機器100を起動させるためのスイッチである。
電源スイッチ191がオンすると、電源回路192は、電源検出部193を介して、データバスDB1に接続されている各構成要素と表示装置102とに電力を供給する。また、電源スイッチ191がオンすると、電源回路192は、電源検出部193を介することなく、外部通信部174に電力を供給する。
【0041】
電源検出部193は、電源回路192からの出力を検出する。また、電源検出部193は、当該検出した出力に関する情報(たとえば、電圧値や電流値)を、CPU110に送る。
【0042】
USBコネクタ194は、第1ユニット1001を第2ユニット1002に接続するために用いられる。なお、本体装置101は、USBコネクタ194に加えて他のUSBコネクタを備えていてもよい。
【0043】
第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002にデータを送信する。また、第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002からデータを受信する。さらに、第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002に電力を供給する。
【0044】
アンテナ195は、第1ユニット1001と、他の通信装置(たとえば第2ユニット1002)との間における、Bluetooth(登録商標)の規格に沿った通信に用いられる。LANコネクタ196は、電子機器100をLANに接続するために用いられる。
【0045】
表示装置102は、ドライバ130と、光センサ内蔵液晶パネル140(以下、液晶パネル140と称する)と、内部IF178と、バックライト179と、画像処理エンジン180とを含む。
【0046】
ドライバ130は、液晶パネル140およびバックライト179を駆動するための駆動回路である。ドライバ130に含まれる各種の駆動回路については、後述する。
【0047】
液晶パネル140は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル140は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。液晶パネル140の詳細については、後述する。
【0048】
内部IF(Interface)178は、本体装置101と表示装置102との間で、データの遣り取りを仲介する。
【0049】
バックライト179は、液晶パネル140の裏面に配置された光源である。バックライト179は、当該裏面に対して均一な光を照射する。
【0050】
画像処理エンジン180は、ドライバ130を介して液晶パネル140の動作を制御する。ここで、当該制御は、内部IF178を介して本体装置101から送られてくる各種データに基づいて行われる。なお、当該各種データは、後述するコマンドを含む。また、画像処理エンジン180は、液晶パネル140から出力されるデータを処理し、処理したデータを内部IF178を介して本体装置101に送る。さらに、画像処理エンジン180は、ドライバ制御部181と、タイマ182と、信号処理部183とを含む。
【0051】
ドライバ制御部181は、ドライバ130に対して制御信号を送ることによりドライバ130の動作を制御する。また、ドライバ制御部181は、本体装置101から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部181は、当該解析の結果に基づいた制御信号をドライバ130に送る。ドライバ130の動作の詳細については、後述する。
【0052】
タイマ182は、時刻情報を生成し、信号処理部183に対して時刻情報を送る。
信号処理部183は、上記光センサから出力されるデータを受け取る。ここで、上記光センサから出力されるデータはアナログデータであるため、信号処理部183は、まず当該アナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部183は、当該デジタルデータに対して、本体装置101から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。そして、信号処理部183は、上記データ処理を行った後のデータと、タイマ182から取得した時刻情報とを含んだデータ(以下、応答データと称する)を本体装置101に送る。また、信号処理部183は、後述するスキャンデータを連続して複数格納できるRAM(図示せず)を備えている。
【0053】
上記コマンドは、上記光センサによりセンシングを指示するセンシングコマンドを含む。当該センシングコマンドの詳細および上記応答データの詳細については、後述する(図7,図8,および図14)。
【0054】
なお、タイマ182は、必ずしも画像処理エンジン180に備えられている必要はない。たとえば、タイマ182は、表示装置102内における、画像処理エンジン180の外部に備えられていてもよい。あるいは、タイマ182は、本体装置101に備えられていてもよい。また、マイク175およびスピーカ176は、電子機器100が常に備える構成ではなく、電子機器100の実施例によっては、マイク175およびスピーカ176のいずれかあるいは両方を有さない構成であってもよい。
【0055】
ここで、表示装置102は、システム液晶を含んでいる。なお、システム液晶とは、液晶パネル140の周辺機器を当該液晶パネル140のガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。本実施の形態では、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、液晶パネル140のガラス基板上に一体形成されている。なお、表示装置102が、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、上記ガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
【0056】
(第2ユニットについて)
第2ユニット1002は、第1ユニット1001から電力の供給を受ける。具体的には、後述するUSBコネクタ294と第1ユニット1001のUSBコネクタ194とを接続することにより、第2ユニット1002は、第1ユニット1001の電源回路192から電力の供給を受ける。
【0057】
本体装置104は、CPU210と、RAM271と、ROM272と、外部通信部274と、電源検出部293と、USBコネクタ294と、アンテナ295と、信号強度検出部297とを含む。各構成要素(210,271,272,274,293)は、相互にデータバスDB2によって接続されている。
【0058】
CPU210は、プログラムを実行する。RAM271は、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータを揮発的に格納する。ROM272は、データを不揮発的に格納する。また、ROM272は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどのデータの書込みおよび消去が可能なROMである。
【0059】
外部通信部274は、他の電子機器との間で通信を行なう。具体的には、外部通信部274は、USBコネクタ294を介して、たとえば第1ユニット1001と通信を行なう。また、外部通信部274は、アンテナ295を介して、たとえば第1ユニット1001と通信を行なう。
【0060】
なお、本体装置104は、Bluetooth(登録商標)以外の無線通信により、他の電子機器(たとえば、第1ユニット1001)と通信を行なってもよい。たとえば、外部通信部274は、図示しない赤外線ポートを介して、他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。
【0061】
信号強度検出部297は、アンテナ295を介して受信した信号についての強度を検出する。そして、信号強度検出部297は、検出した強度を外部通信部274に送る。
【0062】
USBコネクタ294は、第2ユニット1002を第1ユニット1001に接続するために用いられる。
【0063】
第2ユニット1002は、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001にデータを送信する。また、第2ユニット1002は、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001からデータを受信する。さらに、第2ユニット1002は、上述したように、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001から電力の供給を受ける。なお、第2ユニット1002は、第1ユニット1001から供給された電力を、図示しないバッテリに蓄電する。
【0064】
アンテナ295は、第2ユニット1002と、たとえば第1ユニット1001との間における、Bluetooth(登録商標)の規格に沿った通信に用いられる。
【0065】
電源検出部293は、USBコネクタ294を介して給電された電力を検出する。また、電源検出部293は、当該検出した電力についての情報を、CPU210に送る。
【0066】
また、本体装置104は、赤外線通信を行なう機能を備えていてもよい。
表示装置103は、ドライバ230と、光センサ内蔵液晶パネル240(以下、「液晶パネル240」と称する)と、内部IF278と、バックライト279と、画像処理エンジン280とを含む。画像処理エンジン280は、ドライバ制御部281と、タイマ282と、信号処理部283とを含む。
【0067】
表示装置103は、表示装置102と同様な構成を有する。つまり、ドライバ230、液晶パネル240、内部IF278、バックライト279、および画像処理エンジン280は、表示装置102における、ドライバ130、液晶パネル140、内部IF178、バックライト179、画像処理エンジン180と同じ構成をそれぞれ有する。ドライバ制御部281、タイマ282、および信号処理部283は、表示装置102における、ドライバ制御部181、タイマ182、信号処理部183と同じ構成をそれぞれ有する。したがって、表示装置103に含まれる各機能ブロックについての説明は、繰り返さない。
【0068】
ところで、電子機器100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ROM172に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ173その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、外部通信部174または通信IF(図示せず)を介してダウンロードされた後、ROM172に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってROM172から読み出され、RAM171に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
【0069】
図2に示される電子機器100の本体装置101を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM171、ROM172、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器100の本体装置101のハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0070】
なお、記憶媒体としては、メモリカードに限られず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/Blu−ray(登録商標)ディスク/HDDVD(登録商標)(High Definition Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0071】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、プラットフォームに依存しない中間コード、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0072】
<光センサ内蔵液晶パネルの構成および駆動について>
次に、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路の構成とについて説明する。図3は、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路とを示した図である。
【0073】
図3を参照して、液晶パネル140は、画素回路141と、光センサ回路144と、走査信号線Giと、データ信号線SRjと、データ信号線SGjと、データ信号線SBjと、センサ信号線SSjと、センサ信号線SDjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとを含む。なお、iは、1≦i≦mを満たす自然数であり、jは1≦j≦nを満たす自然数である。
【0074】
また、図2に示した表示装置102のドライバ130は、液晶パネル140の周辺回路として、走査信号線駆動回路131と、データ信号線駆動回路132と、光センサ駆動回路133と、スイッチ134と、アンプ135とを含む。
【0075】
走査信号線駆動回路131は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路131は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線(G1〜Gm)に対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。より詳しくは、走査信号線駆動回路131は、単位時間毎に走査信号線(G1〜Gm)の中から1つの走査信号線を順次選択し、当該選択した走査信号線に対して後述するTFT(Thin Film Transistor)142のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
【0076】
データ信号線駆動回路132は、図2に示すドライバ制御部181から画像データ(DR,DG,DB)を受ける。そして、データ信号線駆動回路132は、3n個のデータ信号線(SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBn)に対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
【0077】
なお、ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
【0078】
画素回路141は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素回路141は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素回路141は、図3の縦方向にm個、横方向にn個配されている。
【0079】
画素回路141は、Rサブピクセル回路141rと、Gサブピクセル回路141gと、Bサブピクセル回路141bとからなる。これら3つの回路(141r,141g,141b)は、それぞれ、TFT142と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対143と、図示しないコンデンサとを含む。
【0080】
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示装置102では、TFT142として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p-Si TFT)が用いられる。なお、TFT142は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT142がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0081】
Rサブピクセル回路141r内のTFT142のソースはデータ信号線SRjに接続されている。また、当該TFT142のゲートは走査信号線Giに接続されている。さらに、当該TFT142のドレインは、電極対143の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。なお、Gサブピクセル回路141gおよびBサブピクセル回路141bについても、各TFT142のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、Rサブピクセル回路141rと同じ構成である。このため、これら2つの回路(141g,141b)についての説明は、繰り返さない。
【0082】
ここで、画素回路141における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giに上記ハイレベル電圧を印加する。当該ハイレベル電圧の印加により、TFT142のゲートがターンオンする。このようにTFT142のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線(SRj,SGj,SBj)に対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、当該指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、当該電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
【0083】
光センサ駆動回路133は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC2を受ける。
【0084】
そして、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線(RS1〜RSm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、電圧VDDRを0Vに、電圧VSSRを−5Vに設定すればよい。
【0085】
また、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線(RW1〜RWm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、VDDの値を8Vに設定すればよい。
【0086】
なお、電圧VDDRを印加するタイミング、および電圧VDDを印加するタイミングについては、後述する。
【0087】
光センサ回路144は、フォトダイオード145と、コンデンサ146と、TFT147とを含む。なお、以下では、TFT147がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT147がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0088】
フォトダイオード145のアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145のカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145とコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
【0089】
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSjに接続されている。光センサ回路144を用いたセンシングの詳細については、後述する。
【0090】
スイッチ134は、センサ信号線(SD1〜SDn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SD1〜SDn)に印加される電圧については、後述する。
【0091】
アンプ135は、各センサ信号線(SS1〜SSn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、図2に示した信号処理部183に送られる。
【0092】
なお、画素回路141を用いて画像を液晶パネル140に表示させるタイミングと、光センサ回路144を用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン180が制御する。
【0093】
図4は、液晶パネル140とバックライト179との断面図である。図4を参照して、液晶パネル140は、アクティブマトリクス基板151Aと、対向基板151Bと、液晶層152とを含む。対向基板151Bは、アクティブマトリクス基板151Aに対向して配されている。液晶層152は、アクティブマトリクス基板151Aと対向基板151Bとに挟まれている。バックライト179は、アクティブマトリクス基板151Aに関し液晶層152と反対側に配されている。
【0094】
アクティブマトリクス基板151Aは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、電極対143を構成する画素電極143aと、フォトダイオード145と、データ信号線157と、配向膜164とを含む。さらに、図4には示していないが、アクティブマトリクス基板151Aは、図3に示した、コンデンサ146と、TFT147と、TFT142と、走査信号線Giとを含む。
【0095】
また、アクティブマトリクス基板151Aにおいては、バックライト179側から、偏光フィルタ161、ガラス基板162、画素電極143a、および配向膜164が、この順に配されている。フォトダイオード145とデータ信号線157とは、ガラス基板162の液晶層152側に形成されている。
【0096】
対向基板151Bは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、遮光膜163と、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と、電極対143を構成する対向電極143bと、配向膜164とを含む。
【0097】
また、対向基板151Bにおいては、液晶層152側から、配向膜164、対向電極143b、カラーフィルタ(153r,153g,153b)、ガラス基板162、および偏光フィルタ161が、この順に配されている。遮光膜163は、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と同一の層に形成されている。
【0098】
カラーフィルタ153rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。ここで、フォトダイオード145は、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されている。
【0099】
液晶パネル140は、外光やバックライト179などの光源により発せられた光を遮ったり又は当該光を透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル140は、画素電極143aと対向電極143bとの間に電圧を印加することにより液晶層152の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させる。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ161を配置している。
【0100】
なお、フォトダイオード145の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、カラーフィルタ153rに対向する位置やカラーフィルタ153gに対向する位置に設けることも可能である。
【0101】
ここで、光センサ回路144の動作について説明する。図5は、光センサ回路144を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図5において、電圧VINTは、光センサ回路144内のノードNにおける電位を示している。また、電圧VPIXは、図3に示したセンサ信号線SSjからの出力電圧であって、アンプ135によって増幅される前の電圧を示している。
【0102】
以下では、光センサ回路144をリセットするためのリセット期間と、光センサ回路144を用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
【0103】
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDDR)へと瞬間的に切り換える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード145の順方向(アノード側からカソード側)に電流が流れ始める。その結果、ノードNの電位である電圧VINTは、以下の式(1)で示す値となる。なお、式(1)では、フォトダイオード145における順方向の電圧降下量をVfとしている。
【0104】
VINT=VSSR+|VDDR−VSSR|−Vf … (1)
それゆえ、ノードNの電位は、図5に示すとおり、電圧VDDRよりもVfだけ小さな値となる。
【0105】
ここで、電圧VINTは、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。また、コンデンサ146の電極間には、上記電圧VINT分の差が生じる。このため、コンデンサ146には、当該差に応じた電荷が蓄積される。
【0106】
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VDDR)からローレベル(電圧VSSR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。
【0107】
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード145においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高くなる。つまり、フォトダイオード145は、逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード145が受光すると、フォトダイオード145のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図5に示すとおり、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)は時間の経過とともに低くなる。
【0108】
なお、このように電圧VINTが低下し続けるため、TFT147のゲートはターンオンした状態にはならない。それゆえ、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。
【0109】
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VSSR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDD)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧VDDは、電圧VDDRよりも高い値である。
【0110】
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図5に示すとおり、コンデンサ146を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)が、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT147のゲートがターンオンする。
【0111】
この際、TFT147のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDj(図3参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT147のソース側に接続されたセンサ信号線SSjからは、図5のVPIXのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
【0112】
ここで、フォトダイオード145が受光する光の量(以下、受光量と称する)が少ないと、図5のVINTのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧VPIXは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、光センサ回路144は、フォトダイオード145の受光量に応じて、センサ信号線SSjに出力する電圧の値を変化させる。
【0113】
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの光センサ回路144に着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル140における各光センサ回路の動作について説明する。
【0114】
まず、光センサ駆動回路133は、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、他のリセット信号線(RS2〜RSm)および読出信号線(RW1〜RWm)については、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図3における1行目のn個の光センサ回路が、上述したリセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
【0115】
なお、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
【0116】
1行目のn個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。つまり、2行目のn個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
【0117】
以降は、上述した処理が、順に、3行目のn個の光センサ回路、4行目のn個の光センサ回路、…m行目のn個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線(SS1〜SSn)からは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
【0118】
なお、表示装置102においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果が液晶パネル140から出力される。このため、以下では、液晶パネル140から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部183が上述したデータ処理を行った後のデータを、「スキャンデータ」と称する。つまり、スキャンデータとは、スキャン対象物(たとえば、ユーザの指)をスキャンすることにより得られる画像データを指す。また、当該スキャンデータに基づいて表示された画像を、「スキャン画像」と称する。さらに、以下では、センシングを「スキャン」と称する。
【0119】
また、上記においては、m×n個の光センサ回路全てを用いてスキャンを行う構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。予め選択された光センサ回路を用いて、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行うことも構成としてもよい。
【0120】
以下では、電子機器100が、両構成のいずれの構成をも採れるものとする。さらに、当該構成間の切り換えは、操作キー177を介した入力などに基づく本体装置101から送られてくるコマンドにより行われるものとする。なお、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合、画像処理エンジン180が、スキャン対象領域の設定を行う。なお、当該領域の設定を、操作キー177を介してユーザが指定できる構成としてもよい。
【0121】
このように、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合には、画像の表示に関し、以下のような利用の態様がある。1つ目は、上記一部の領域(以下、スキャン領域と称する)以外の表面の領域において、画像を表示させる態様である。2つ目は、上記スキャン領域以外の表面の領域において、画像を表示させない態様である。いずれの態様とするかは、本体装置101から画像処理エンジン180に送られてくるコマンドに基づく。
【0122】
図6は、液晶パネル140とバックライト179との断面図であって、スキャンの際にフォトダイオード145がバックライト179からの光を受光する構成を示した図である。
【0123】
図6を参照して、ユーザの指900が液晶パネル140の表面に接触している場合、バックライト179から発せられた光の一部は、当該接触している領域ではユーザの指900(略平面)にて反射される。そして、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。
【0124】
また、指900が接触していない領域においても、バックライト179から発せられた光の一部は、ユーザの指900にて反射される。この場合においても、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。ただし、当該領域においては液晶パネル140の表面に指900が接触していないため、指900が接触している領域よりも、フォトダイオード145の受光量は少なくなる。なお、バックライト179から発せられた光のうち、ユーザの指900に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード145は受光できない。
【0125】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路144は、ユーザの指900により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179の点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
【0126】
以上により、表示装置102は、指900によって光が反射されることにより得られる像(以下、反射像とも称する)をスキャンすることができる。
【0127】
なお、指900以外のスキャン対象物としては、スタイラスなどが挙げられる。
ところで、本実施の形態においては、電子機器100の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。
【0128】
<データについて>
次に、第1ユニット1001と第2ユニット1002との間でやり取りされるコマンド、および第1ユニット1001内の本体装置101と表示装置102との間でやり取りされるコマンドについて説明する。
【0129】
図7は、コマンドの概略構成を示した図である。図7を参照して、コマンドは、ヘッダDA01と、第1フィールドDA02と、第2フィールドDA03と、第3フィールドDA04と、第4フィールドDA05と、第5フィールドDA06と、予備のデータ領域DA07とを含む。
【0130】
図8は、種別「000」のコマンド(つまり、センシングコマンド)を説明するための図である。CPU110は、種別「000」のコマンド(以下、「第1コマンド」と称する)を、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU110は、第1コマンドを、本体装置101から表示装置102に送る。なお、以下においては、CPU110が第1コマンドを第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る場合を例に挙げて説明する。
【0131】
CPU110は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「000」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110は、第1フィールドDA02に、番号が「1」のタイミングの値を書き込む。CPU110は、第2フィールドDA03に、番号が「2」のデータ種別の値を書き込む。CPU110は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の読取方式の値を書き込む。CPU110は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の画像階調の値を書き込む。CPU110は、第5フィールドDA06に、番号が「5」の解像度の値を書き込む。
【0132】
第1フィールドDA02に「00」が設定された第1コマンドは、画像処理エンジン280に対して、そのときのスキャンデータの送信を要求する。つまり、センシング第1コマンドは、当該第1コマンドを画像処理エンジン280が受信した後に、液晶パネル240の光センサ回路を用いてスキャンすることにより得られるスキャンデータの送信を要求する。また、第1フィールドDA02に「01」が設定された第1コマンドは、スキャン結果に変化があったときのスキャンデータの送信を要求する。さらに、第1フィールドDA02に「10」が設定された第1コマンドは、一定周期毎にスキャンデータの送信を要求する。
【0133】
第2フィールドDA03に「001」が設定された第1コマンドは、部分画像における中心座標の座標値の送信を要求する。また、第2フィールドDA03に「010」が設定された第1コマンドは、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する。なお、スキャン結果が変化したとは、前回のスキャン結果と今回のスキャン結果が異なっていることを指す。さらに、第2フィールドDA03に「100」が設定された第1コマンドは、全体画像の送信を要求する。
【0134】
ここで、「全体画像」とは、m×n個の光センサ回路を用いてスキャンした際に、各光センサ回路から出力される電圧に基づいて、画像処理エンジン280により生成された画像である。また、「部分画像」とは、全体画像の一部である。部分画像に関して、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由については後述する。
【0135】
なお、上記座標値と上記部分画像または上記全体画像とを同時に要求する構成としてもよい。また、液晶パネル240の表面の一部の領域に関してスキャンを行う構成の場合には、上記全体画像はスキャンが行われる領域に対応した画像となる。
【0136】
第3フィールドDA04に「00」が設定されたセンシング第1コマンドは、バックライト279を点灯してスキャンすることを要求する。また、第3フィールドDA04に「01」が設定された第1コマンドは、バックライト279を消灯してスキャンすることを要求する。なお、バックライト279を消灯してスキャンする構成については後述する(図17)。さらに、第3フィールドDA04に「10」が設定された第1コマンドは、反射と透過とを併用してスキャンすることを要求する。なお、反射と透過とを併用するとは、バックライト279を点灯してスキャンする方式と、バックライトを消灯してスキャンする方式とを切り換えて、スキャン対象物のスキャンを行うことを指す。
【0137】
第4フィールドDA05に「00」が設定された第1コマンドは、白黒の2値の画像データを要求する。また、第4フィールドDA05に「01」が設定された第1コマンドは、多階調の画像データを要求する。さらに、第4フィールドDA05に「10」が設定された第1コマンドは、RGBのカラーの画像データを要求する。
【0138】
第5フィールドDA06に「0」が設定された第1コマンドは、解像度の高い画像データを要求する。また、第5フィールドDA06に「1」が設定された第1コマンドは、解像度の低い画像データを要求する。
【0139】
また、上記第1コマンドには、図8に示したデータ以外に、スキャンを行う領域(光センサ回路144を駆動する画素の領域)の指定、スキャンを行うタイミング、バックライト179の点灯のタイミングなどが記述されている。
【0140】
なお、画像処理エンジン280は、第1コマンドの内容を解析し、当該解析の結果に従ったデータ(つまり、応答データ)を本体装置101に送り返す。
【0141】
図9は、種別「001」のコマンド(以下、「第2コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第2コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。
【0142】
CPU110は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「001」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の表示要求の値を書き込む。CPU110は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の個数/種類に関する情報を書き込む。CPU110は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の表示範囲の値を書き込む。CPU110は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の画像データに関する情報を書き込む。
【0143】
第1フィールドDA02に「001」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240(サブ画面)に画像を表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。また、第1フィールドDA02に「010」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240にアイコンを表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。さらに、第1フィールドDA02に「011」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240に手書領域を表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。
【0144】
第2フィールドDA03には、液晶パネル240に表示させる画像の個数、および手書言語の種類を指定する番号が格納される。画像処理エンジン280は、当該画像の個数、または言語の種類に応じた処理を行う。
【0145】
第3フィールドDA04に「01」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240における表示範囲を座標にて指定することを、画像処理エンジン280に対して要求する。また、第3フィールドDA04に「10」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240における表示範囲を表示領域の全体にすることを、画像処理エンジン280に対して要求する。
【0146】
第4フィールドDA05には、液晶パネル240に表示させる画像データと、当該画像データを表示する位置情報とが格納される。画像処理エンジン280は、当該位置情報で特定される位置に当該画像データを表示する処理を行う。
【0147】
図10は、種別「010」のコマンド(以下、「第3コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第3コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU210は、第3コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0148】
CPU110,210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「010」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110,210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」のOS(Operating System)処理要求の値を書き込む。CPU110,210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」のOS情報の値を書き込む。
【0149】
第1フィールドDA02に「01」または「10」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002から第1ユニット1001に送信される。
【0150】
第1フィールドDA02に「01」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001に対して、当該第1ユニット1001(メイン装置)のOSの種類を示した情報の送信を要求する。また、第1フィールドDA02に「10」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001に対して、OS情報にて指定されたOSの起動を要求する。
【0151】
第2フィールドDA03に「000」、「001」、または「010」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002から第1ユニット1001に送信される。
【0152】
第2フィールドDA03に「000」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001におけるOSの起動を要求しない。また、第2フィールドDA03に「001」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002が第1OSの起動を選択したことを示す。さらに、第2フィールドDA03に「010」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002が第2OSの起動を選択したことを示す。
【0153】
図11は、種別「011」のコマンド(以下、「第4コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU210は、第4コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0154】
CPU210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「011」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の起動アプリに関する情報を書き込む。CPU210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の起動時情報を書き込む。
【0155】
第1フィールドDA02には、第1ユニット1001において起動させるアプリを指定する情報が格納される。第2フィールドDA03には、起動設定時に用いる情報、および起動後に用いる情報が格納される。
【0156】
図12は、種別「100」のコマンド(以下、「第5コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU210は、第5コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0157】
CPU210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「100」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の受信要求に関する情報を書き込む。CPU210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の個数に関する情報を書き込む。CPU210は、第3フィールドDA04に、番号が「3」のファイルに関する情報を書き込む。
【0158】
第1フィールドDA02に「01」が設定された第5コマンドは、第1ユニット1001に対してファイルの受信を要求する。また、第2フィールドDA03には、第2ユニット1002が第1ユニット1001に送信するファイルの個数が格納される。さらに、第3フィールドDA04には、第2ユニット1002が第1ユニット1001に送信するファイルが格納される。
【0159】
図13は、種別「101」のコマンド(以下、「第6コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第6コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU210は、第6コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0160】
CPU110,210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「101」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110,210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の通信種別の値を書き込む。CPU110,210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の接続先の値を書き込む。CPU110,210は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の転送先の値を書き込む。CPU110,210は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の信号強度の取得タイミングの値を書き込む。
【0161】
第1フィールドDA02に「001」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対して赤外線通信を行なうことを要求する。また、第1フィールドDA02に「010」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対してBluetooth(登録商標)による無線通信を行なうことを要求する。さらに、第1フィールドDA02に「011」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対してLAN通信を行なうことを要求する。
【0162】
第2フィールドDA03に「000」が設定された第6コマンドは、通信の接続先を指定する情報を有していないことを示す。
【0163】
また、第2フィールドDA03に「001」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、当該第1ユニット1001の接続先の装置に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001が接続する装置に関する情報の送信を要求する。
【0164】
さらに、第2フィールドDA03に「010」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、当該第2ユニット1002の接続先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002が接続する第1ユニット1001に関する情報の送信を要求する。
【0165】
また、第2フィールドDA03に「011」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、当該第2ユニット1002の接続先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002に関する情報を接続先の機器情報として設定することを要求する。
【0166】
さらに、第2フィールドDA03に「100」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、当該第1ユニット1001の接続先の装置(たとえば、第2ユニット1002)に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001に関する情報を接続先の機器情報として設定することを要求する。
【0167】
第3フィールドDA04に「000」が設定された第6コマンドは、データ(たとえば、ファイル)の転送先を指定する情報を有していないことを示す。
【0168】
また、第3フィールドDA04に「001」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、データ転送先の装置に送信される。そのような第6コマンドは、データ転送先の装置に関する情報の送信を要求する。
【0169】
さらに、第3フィールドDA04に「010」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、データ転送先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、データ転送先の第1ユニット1001に関する情報の送信を要求する。
【0170】
また、第3フィールドDA04に「011」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、データ転送先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002に関する情報をデータ転送元の機器情報として設定することを要求する。
【0171】
さらに、第3フィールドDA04に「100」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、データ転送先の装置(たとえば、第2ユニット1002)に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001に関する情報をデータ転送元の機器情報として設定することを要求する。
【0172】
第4フィールドDA05に「00」、「01」、「10」、または「11」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、第2ユニット1002に送信される。
【0173】
第4フィールドDA05に「00」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002に対して、信号強度を示したデータの送信を要求しない。また、第4フィールドDA05に「01」が設定された第6コマンドは、信号強度検出部297に対して、そのときの信号強度を示したデータの送信を要求する。さらに、第4フィールドDA05に「10」が設定された第6コマンドは、信号強度に変化があったときの信号強度を示したデータの送信を要求する。また、第4フィールドDA05に「11」が設定された第6コマンドは、一定周期毎に信号強度を示したデータの送信を要求する。
【0174】
図14は、応答データの概略構成を示した図である。応答データは、第1コマンド(センシングコマンド)の内容に応じたデータである。
【0175】
第1コマンドが本体装置101から第2ユニット1002に送信された場合、CPU210は、応答データを、表示装置103から第1ユニット1001に送信する。また、第1コマンドが本体装置101から第1ユニット1001の表示装置102に送信された場合、画像処理エンジン180は、応答データを、画像処理エンジン180から本体装置101に送信する。なお、以下では、第1コマンドが本体装置101から第2ユニット1002に送信された場合を例に挙げて説明する。
【0176】
図14を参照して、応答データは、ヘッダのデータ領域DA11と、座標を示すデータ領域DA12と、時刻を示すデータ領域DA13と、画像を示すデータ領域DA14とを含む。ここで、座標を示すデータ領域DA12には、部分画像の中心座標の値が書き込まれる。また、時刻を示すデータ領域には、画像処理エンジン280のタイマ282から取得した時刻情報が書き込まれる。さらに、画像を示すデータ領域には、画像処理エンジン280により処理がされた後の画像データ(つまり、スキャンデータ)が書き込まれる。
【0177】
図15は、指900をスキャンすることにより得られた画像(つまり、スキャン画像)を示した図である。図15を参照して、太実線で囲まれた領域W1の画像が全体画像であり、破線で囲まれた領域P1の画像が部分画像である。また、太線で示した十字の中心点C1が、中心座標となる。
【0178】
本実施の形態では、矩形の領域であって、かつセンサ信号線SSjからの出力電圧が予め定められた値以上となった光センサ回路が備えられた画素(つまり、予め定められた階調または予め定められた輝度以上の画素)全てを含む領域を、部分画像の領域としている。
【0179】
また、中心座標は、部分画像の領域における各画素の階調を考慮して決定される座標である。具体的には、中心座標は、部分画像内の各画素に関し、画素の階調と、当該画素と上記矩形の中心点(つまり図心)との距離とに基づき、重み付け処理を行うことにより決定される。つまり、中心座標は、部分画像の図心とは必ずしも一致しない。
【0180】
ただし、必ずしも中心座標の位置は上記に限定されるものではなく、中心座標を上記図心の座標あるいは図心の近傍の座標としてもよい。
【0181】
第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に上記中心座標の値を書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、画像を示すデータ領域DA14には画像データを書き込まない。画像処理エンジン280は、上記中心座標の値の書き込みを行なった後、当該中心座標の値を含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値を含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、第1コマンドは、画像データの出力を要求せずに、中心座標の値の出力を要求する。
【0182】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、画像を示すデータ領域DA14に、スキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン280は、上記スキャン結果が変化した部分画像の画像データの書き込みを行なった後、当該部分画像の画像データを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該部分画像の画像データを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力を要求する。
【0183】
なお、上記のように、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由は、スキャンデータのうち部分画像の領域のスキャンデータが、当該領域以外のスキャンデータよりも重要度の高いデータであること、および、指900などのスキャン対象物との接触状態により、スキャンデータのうち部分画像の領域に相当する領域のスキャンデータが変化しやすいことによる。
【0184】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14にスキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン280は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力と、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力とを要求する。
【0185】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、図14に示した応答データの画像を示すデータ領域DA14に、全体画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン280は、上記全体画像の画像データの書き込みを行なった後、当該全体画像の画像データを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該全体画像の画像データを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、全体画像の画像データの出力を要求する。
【0186】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14に全体画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン280は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力と、全体画像の画像データの出力とを要求する。
【0187】
<構成の第1の変形例について>
ところで、液晶パネル140の構成は、図3に示した構成に限定されるものではない。以下では、図3とは異なる態様の液晶パネルについて説明する。
【0188】
図16は、上記異なる態様である光センサ内蔵液晶パネル140Aの回路図である。図16を参照して、光センサ内蔵液晶パネル140A(以下、液晶パネル140Aと称する)は、1画素内に3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を含んでいる。このように液晶パネル140Aが1画素内に3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を備える点において、液晶パネル140Aは、1画素内に1つの光センサ回路を備える液晶パネル140と異なる。なお、光センサ回路144の構成と、3つの各光センサ回路(144r,144g,144b)との構成は同じである。
【0189】
また、1画素内における3つのフォトダイオード(145r,145g,145b)は、それぞれ、カラーフィルタ153r、カラーフィルタ153g、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されている。それゆえ、フォトダイオード145rは赤色の光を受光し、フォトダイオード145gは緑色の光を受光し、フォトダイオード145bは青色の光を受光する。
【0190】
また、液晶パネル140は1画素内において1つの光センサ回路144しか含まないため、1画素内に配設されるTFT147用のデータ信号線は、センサ信号線SSjとセンサ信号線SDjとの2本であった。しかしながら、液晶パネル140Aは1画素内において3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を含むため、1画素内に配設されるTFT(147r,147g,147b)用のデータ信号線は6本となる。
【0191】
具体的には、カラーフィルタ153rに対向する位置に配されたフォトダイオード145rのカソードに接続されたTFT147rに対応して、センサ信号線SSRjとセンサ信号線SDRjとが配設される。また、カラーフィルタ153gに対向する位置に配されたフォトダイオード145gのカソードに接続されたTFT147gに対応して、センサ信号線SSGjとセンサ信号線SDGjとが配設される。さらに、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されたフォトダイオード145bのカソードに接続されたTFT147bに対応して、センサ信号線SSBjとセンサ信号線SDBjとが配設される。
【0192】
このような液晶パネル140Aにおいては、バックライト179から照射された白色光は、3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)を透過し、液晶パネル140Aの表面では、赤、緑、および青とが混ざり白色光となる。ここで、スキャン対象物により白色光が反射されると、スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収され、また一部が反射される。そして、反射された光は、再度、3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)を透過する。
【0193】
この際、カラーフィルタ153rは赤色の波長の光を透過し、フォトダイオード145rは、当該赤色の波長の光を受光する。また、カラーフィルタ153gは緑色の波長の光を透過し、フォトダイオード145gは、当該緑色の波長の光を受光する。また、カラーフィルタ153bは青色の波長の光を透過し、フォトダイオード145bは、当該青色の波長の光を受光する。つまり、スキャン対象物によって反射された光は3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)によって3原色(R,G,B)に色分解され、各フォトダイオード(145r,145g,145b)は、それぞれに対応した色の光を受光する。
【0194】
スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収されると、各フォトダイオード(145r,145g,145b)の受光量が各フォトダイオード(145r,145g,145b)で異なることになる。このため、センサ信号線SSRjとセンサ信号線SSGjとセンサ信号線SSBjとの出力電圧は互いに異なる。
【0195】
それゆえ、各出力電圧に応じて、Rの階調とGの階調とBの階調とを画像処理エンジン180が決定することにより、画像処理エンジン180はRGBのカラー画像を本体装置101へ送ることができる。
【0196】
以上述べたように、電子機器100が液晶パネル140Aを備えた構成とすることにより、スキャン対象物をカラーでスキャンできることになる。
【0197】
次に、図17を参照して、前述のスキャンの方法(つまり、図6における反射像をスキャンする方法)とは異なるスキャンの方法について説明する。
【0198】
図17は、スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。同図に示すとおり、外光の一部は、指900によって遮られる。それゆえ、指900と接触している液晶パネル140の表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ほとんど外光を受光できない。また、指900の影が形成された表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ある程度の外光を受光できるものの、影が形成されていない表面領域に比べると外光の受光量が少ない。
【0199】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては消灯させておくことにより、光センサ回路144は、液晶パネル140の表面に対する指900の位置に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179を点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
【0200】
以上により、表示装置102は、指900によって外光が遮られることにより得られる像(以下、影像とも称する)をスキャンすることができる。
【0201】
さらに、表示装置102を、バックライト179を点灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を消灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。あるいは、表示装置102を、バックライト179を消灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を点灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。
【0202】
この場合には、2つのスキャン方式を併用することになるため、2つのスキャンデータを得ることができる。それゆえ、一方のスキャン方式のみを用いてスキャンする場合に比べて、精度の高い結果を得ることができる。
【0203】
<表示装置について>
表示装置103の動作は、表示装置102の動作と同様、本体装置101からのコマンド(たとえば、第1コマンド)に応じて制御される。表示装置103は表示装置102と同様な構成を有する。それゆえ、表示装置103が表示装置102と同じコマンドを本体装置101から受け付けた場合、表示装置103は表示装置102と同様の動作を行う。このため、表示装置103の構成や動作についての説明は繰り返さない。
【0204】
なお、本体装置101は、表示装置102と表示装置103とに対して、命令が異なるコマンドを送ることができる。この場合、表示装置102と表示装置103とは別々の動作を行う。また、本体装置101は、表示装置102および表示装置103のいずれかに対して、コマンドを送ってもよい。この場合、一方の表示装置のみがコマンドに応じた動作を行う。また、本体装置101が、表示装置102と表示装置103とに命令が同じコマンドを送ってもよい。この場合、表示装置102と表示装置103とは、同じ動作を行う。
【0205】
なお、表示装置102の液晶パネル140のサイズと表示装置103の液晶パネル240のサイズとは、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。また、液晶パネル140の解像度と液晶パネル240の解像度とは、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。
【0206】
<構成の第2の変形例について>
本実施の形態では、電子機器100が、液晶パネル140と液晶パネル240といったそれぞれに光センサを内蔵した液晶パネルを備える構成について説明するが、一方の液晶パネルのみが光センサを内蔵している構成であってもよい。
【0207】
図18は、電子機器1300のハードウェア構成を表すブロック図である。電子機器1300は、電子機器100と同様、第1の筐体100Aと、第2の筐体100Bとを含む。また、図18を参照して、電子機器1300は、第1ユニット1001Aと、第2ユニット1002とを含む。第1ユニット1001Aは、本体装置101と、表示装置102Aとを含む。第2ユニット1002は、本体装置104と、表示装置103とを含む。
【0208】
表示装置102Aは、光センサを内蔵しない液晶パネル(つまり、表示機能のみを有する液晶パネル)を含む。電子機器1300は、第1ユニット1001Aが光センサを内蔵しない液晶パネルを含む点で、第1ユニット1001が光センサを内蔵した液晶パネル240を含む電子機器100と異なる。このような電子機器1300は、第2ユニット1002の表示装置103を用いて上述したセンシングを行なう。
【0209】
また、第1ユニット1001は、光センサを内蔵した液晶パネル140の代わりに、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルを備えてもよい。
【0210】
また、本実施の形態では、表示装置102がタイマ182を備え、表示装置103がタイマ282を備える構成として説明するが、表示装置102と表示装置103とが1つのタイマを共有する構成としてもよい。
【0211】
また、本実施の形態では、電子機器100を折畳型の機器として説明するが、電子機器100は必ずしも折畳型に限定されるものではない。たとえば、電子機器100は、第1の筐体100Aが第2の筐体100Bに対してスライドする構成のスライド式の機器であってもよい。
【0212】
本実施の形態に係る電子機器100は、上記のように構成されているため、第2ユニット1002が、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001に着脱自在になっている。
【0213】
そして、本実施の形態に係る電子機器100は、たとえば電源投入時において、以下のような機能を発揮することができる。まず、ユーザが第1ユニット1001の電源スイッチ191を押下すると、第1ユニット1001は電源回路192からの電力を利用することによってBIOS(Basic Input/Output System)を起動させる。
【0214】
第2ユニット1002は、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001から電力を取得する。第2ユニット1002は、当該電力を利用することによって、第1ユニット1001との間でデータを送受信することができる。このとき、第2ユニット1002のCPU210は、USBコネクタ194,294からの電力を使用することによって、液晶パネル240にOS(Operation System)の種類を選択可能に表示させることができる。
【0215】
ユーザは、液晶パネル240を介して、起動したいOSを選択する。CPU210は、ユーザの選択に応じ、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001へと、起動すべきOSを指定するコマンド(たとえば、図10に示す「第1のOS」コマンド)を送信する。第1ユニット1001は、当該コマンドに応じて、OSを起動する。
【0216】
また、たとえば、第2ユニット1002は、アンテナ295を介して外部の携帯電話などとの間でデータの送受信を行なう。第2ユニット1002のCPU210は、アンテナ295を介して、外部の携帯電話から写真画像データや対応するサムネイルデータを取得して、当該写真画像データや対応するサムネイルデータをRAM271などに格納する。CPU210は、RAM271からサムネイルデータを読み出して、液晶パネル240に写真のサムネイル画像を選択可能に表示させる。
【0217】
そして、外部からの選択命令に応じて、CPU210は、液晶パネル240に写真画像を表示させる。あるいは、CPU210は、USBコネクタ294を介して、写真画像を液晶パネル140あるいは表示装置102Aに表示させる。
【0218】
<通信システムの概略について>
図19は、通信システム1の概略構成を示した図である。図19を参照して、通信システム1は、電子機器100と、電子機器2000と、GPS(Global Positioninng System)衛星8000と、サーバ装置9000とを含む。電子機器2000は、携帯型電話機、PDA、ノート型のパーソナルコンピュータなどの通信機能と表示機能とを有する携帯型デバイスとして構成される。なお、以下では、電子機器100がノート型のパーソナルコンピュータであり、かつ電子機器2000が携帯電話機である場合を例に挙げて説明する。
【0219】
電子機器100および電子機器2000は、自身に割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスを利用することにより、直接的に相互にネットワークを介してデータ送受信を行う。すなわち、通信システム1に含まれる電子機器100,2000は、いわゆるP2P(Pear to Pear)型のネットワークを構成する。
【0220】
なお、以下では、電子機器100と電子機器2000との間の通信において、相手機器への画像データの送信は、電子機器100の操作キー177や電子機器2000の操作キー(図20参照)のうち予め定められたキーの押下により行なわれるものとする。
【0221】
GPS衛星8000は、時刻情報や軌道情報等を含む各種信号を地上に送信する。サーバ装置9000は、地図データを記憶している。サーバ装置9000は、地図データの送信指示を受付けると、指示を出した電子機器に対して指示に関連した地図データを送信する。なお、電子機器2000は、測位衛星からの各種信号を受信する構成であればよい。つまり、通信システム1に用いられる測位衛星はGPS衛星に限定されるものではない。
【0222】
<電子機器2000の外観>
図20は、電子機器2000の外観を示した図である。図20を参照して、電子機器2000は、マイクロフォン2105と、操作キー2107と、液晶パネル2108と、イヤホン2109と、カメラ(図示せず)とを含む。
【0223】
電子機器2000は、第1の筐体2000Aと第2の筐体2000Bとを含む。第1の筐体2000Aと第2の筐体2000Bとは、ヒンジ2000Cにより折畳み可能に接続されている。第1の筐体2000Aは、液晶パネル2108と、イヤホン2109とを備える。第2の筐体2000Bは、操作キー2107と、マイクロフォン2105と、カメラとを備える。
【0224】
なお、電子機器2000は必ずしも折畳型の機器に限定されるものではない。たとえば、電子機器2000は、ストレート型の機器でもよい。あるいは、電子機器2000は、スライド型の機器であってもよい。
【0225】
<電子機器2000のハードウェア構成について>
図21は、電子機器2000のハードウェア構成を示した図である。図21を参照して、電子機器2000は、CPU2100と、RAM2101と、ROM2102と、通信部2103と、カメラ2104と、マイクロフォン2105と、スピーカ2106と、操作キー2107と、液晶パネル2108と、イヤホン2109とを含む。各構成要素は、相互にデータバスDB3によって接続されている。
【0226】
CPU2100は、プログラムを実行する。操作キー2107は、電子機器2000の使用者による指示の入力を受ける。RAM2101は、CPU2100によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー2107を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM2102は、データを不揮発的に格納する。また、ROM2102は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。通信部2103は、他の電子機器(図示せず)との間で無線通信を行う。なお、図21には示していないが、電子機器2000が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
【0227】
カメラ2104は、ユーザの操作キーの操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM2102や外部メモリ(たとえば、メモリカード)に格納される。
【0228】
マイクロフォン2105は、ユーザの音声の入力を受け付ける。電子機器2000は、当該入力された音声(アナログデータ)をデジタル化する。そして、電子機器2000は、通信相手(たとえば、他の携帯電話機)にデジタル化した音声を送る。
【0229】
スピーカ2106は、たとえば、RAM2101に記憶された音楽データなどを出力する。イヤホン2109は、通信相手から送られてきた音声を出力する。
【0230】
液晶パネル2108は、ROM2102やRAM2101に記憶されている画像を表示する。液晶パネル2108は、たとえば、カメラ2104で撮影した画像を表示する。さらに、液晶パネル2108は、電子機器100から送信された画像を表示する。液晶パネル2108に表示される内容については、後述する。
【0231】
また、液晶パネル2108は、ペンタブレットに液晶ディスプレイを統合させた液晶ペンタブレットである。したがって、電子機器2000は、液晶パネル2108を介して線画像の手書入力データを受け付けることができる。電子機器2000は、液晶パネル2108に手書入力データを表示する。
【0232】
なお、電子機器2000は、液晶パネル2108の代わりに、液晶パネル以外の表示パネル(たとえば、有機EL)とタブレットとが統合された装置を備える構成としてもよい。あるいは、電子機器2000は、液晶パネル2108の代わりに、光センサ液晶パネルを備える構成であってもよい。
【0233】
ところで、電子機器2000における処理は、各ハードウェアおよびCPU2100により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ROM2102に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、上記記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信部2103または通信IF(図示せず)を介してダウンロードされた後、ROM2102に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU2100によってROM2102から読み出され、RAM2101に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU2100は、そのプログラムを実行する。
【0234】
図21に示される電子機器2000を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM2101、ROM2102、上記記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器2000のハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0235】
なお、記憶媒体としては、メモリカードに限られず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/Blu−ray(登録商標)ディスク/HDDVD(登録商標)(High Definition Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0236】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、プラットフォームに依存しない中間コード、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0237】
<電子機器100の機能ブロックについて>
図22は、電子機器100の機能ブロック図である。図22を参照して、電子機器100は、制御部10と、液晶パネル140,240と、記憶装置90とを含む。
【0238】
記憶装置90は、電子機器100に内蔵されている。また、記憶装置90は、VRAM91を含む。記憶装置90は、たとえば、RAM171,271により構成される。なお、記憶装置90は、電子機器100に必ずしも内蔵されている必要はない。記憶装置90は、電子機器100に外部接続される装置であってもよい。
【0239】
制御部10は、受信部11と、表示制御部12と、第1受付部13と、画像生成部14と、送信部15と、第2受付部16と、取得部17とを含む。また、画像生成部14は、比率算出部41を含む。
【0240】
受信部11は、電子機器2000から送信された各種データを受信する。
受信部11は、たとえば、電子機器2000の現在位置を示した位置情報を電子機器2000から受信する。また、受信部11は、電子機器2000で表示されている上記現在位置を含んだ地図画像(以下、「第2地図画像」と称する)の縮尺を示した縮尺情報を電子機器2000から受信する。さらに、受信部11は、電子機器2000にて上記第2地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報を電子機器2000から受信する。
【0241】
受信部11は、位置情報、縮尺情報、およびサイズ情報を受信した場合、これらの情報を表示制御部12に送る。また、受信部11は、上記位置情報を取得部17に送る。さらに、受信部11は、電子機器2000から手書入力データを受信する。受信部11は、手書入力データを受信した場合、当該手書入力データを表示制御部12に送る。
【0242】
取得部17は、上記位置情報に基づき、電子機器2000の現在位置を含んだ地図データをサーバ装置9000から取得する。取得部17は、取得した地図データを表示制御部12に送る。
【0243】
表示制御部12は、液晶パネル140および液晶パネル240の少なくともいずれかに、画像を表示させる。表示制御部12は、たとえば、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、第2地図画像として示された地図領域を含む地図画像(以下、「第1地図画像」と称する)を液晶パネル240に表示させる。また、表示制御部12は、上記位置情報に基づいて、電子機器2000の現在位置を第1地図画像に表示させる。さらに、表示制御部12は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とに基づいて、上記第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像を液晶パネル140にさらに表示させる。
【0244】
第1受付部13は、上記第1地図画像が表示された状態で、液晶パネル240を介して線画像データ等の手書入力データの入力を受け付ける。第1受付部13は、当該受け付けた手書入力データを、表示制御部12と画像生成部14とに送る。
【0245】
表示制御部12は、第1受付部13から手書入力データを受け付けた場合、入力を受け付けた液晶パネル240に表示されている画像の画像データ(VRAM91に格納されている画像データ)と、当該手書入力データとを合成して、合成画像データを生成する。表示制御部12は、当該合成画像データに基づく合成画像を液晶パネル240に表示させる。
【0246】
なお、以下では、第1地図画像のデータを、「第1地図データ」と称する。また、第2地図画像のデータを、「第2地図データ」と称する。さらに、液晶パネル140,240,2108に表示されている画像を、「表示画像」と称する。また、表示画像のデータを、「表示データ」と称する。
【0247】
表示制御部12は、表示画像をスクロールする指示を操作キー177を介して受付けた場合、当該指示に応じたスクロールを行なう。なお、スクロールの方向や量を示すスクロール情報は、送信部15により電子機器2000に送信される。
【0248】
画像生成部14は、手書入力データに基づき、電子機器2000に送信するための画像データを生成する。以下、当該画像データの生成について説明する。
【0249】
比率算出部41は、上記サイズ情報で示される表示領域のサイズに対する、液晶パネル240において第1地図画像を表示するために用いた表示領域のサイズの比率を算出する。たとえば、電子機器2000の液晶パネル2108の表示領域のサイズが、横240ドット×縦400ドットとする。また、上記サイズ情報で示される表示領域のサイズが、横240ドット×縦320ドットとする。一方、液晶パネル240において第1地図画像を表示するために用いた表示領域のサイズを、横180ドット×縦240ドットとする。この場合、比率算出部41は、横方向の比率をおよび縦方向の比率を、それぞれ3/4と算出する。
【0250】
画像生成部14は、比率算出部41により求めた横方向の比率および縦方向の比率に基づいて、手書入力データのデータ量を変更する。画像生成部14は、当該データ量の変更により、画像データを生成する。手書入力データがビットマップ形式などの画像データである場合には、画像生成部14は、手書入力データのデータ量を変更することにより、画像サイズを変更する。
【0251】
たとえば、上記のように横方向の比率および縦方向の比率が3/4の場合、画像生成部14は、手書入力データの縦方向のデータ量および横方向のデータ量をそれぞれ、4/3倍することにより、画像データを生成する。なお、データ量を大きくする場合には、公知のデータ補間技術を用いる。
【0252】
そして、画像生成部14は、生成した画像データを送信部15に送る。
送信部15は、画像生成部14が生成した画像データを電子機器2000に送信する。また、上記第1地図画像が表示された状態で、ユーザの操作キー177などの操作により、液晶パネル240に表示される地図画像の表示対象領域を変更する指示を表示制御部12が受け付けた場合、送信部15は、変更後の表示対象領域を特定する領域特定情報を電子機器2000に送信する。
【0253】
第2受付部16は、操作キー177や液晶パネル140などの入力装置を介して、上記第3地図画像として示された地図領域における一部領域の指定を受け付ける。第2受付部16が当該指定を受け付けた場合、表示制御部12は、上記指定された一部領域を液晶パネル240に表示させる。
【0254】
<電子機器2000の機能ブロックについて>
図23は、電子機器2000の機能ブロック図である。図23を参照して、電子機器2000は、制御部2010と、液晶パネル2108と、記憶装置2090とを含む。記憶装置2090は、VRAM2091を含む。なお、記憶装置2090は、RAM2101により構成される。
【0255】
制御部2010は、第1取得部2011と、第2取得部2012と、表示制御部2013と、送信部2014と、受信部2015とを含む。
【0256】
第1取得部2011は、GPS衛星8000から受信した各種信号に基づき、電子機器2000の現在位置を示した位置情報を取得する。具体的には、第1取得部2011は、複数のGPS衛星8000から受信した各種信号に基づき、電子機器2000の現在位置を算出する。
【0257】
第1取得部2011は、取得した位置情報を、第2取得部2012および送信部2014に送る。
【0258】
なお、第1取得部2011は、GPS衛星8000からの信号に基づき現在位置を取得するかわりに、携帯電話機の基地局から現在位置を取得してもよい。
【0259】
第2取得部2012は、上記位置情報に基づき、地図データを記憶したサーバ装置9000から、上記現在位置を含んだ第2地図データを取得する。第2取得部2012は、取得した第2地図データを表示制御部2013に送る。
【0260】
表示制御部2013は、液晶パネル2108に画像を表示させる。表示制御部2013は、第2地図データを第2取得部2012から受付けた場合、第2地図データに基づき第2地図画像を液晶パネル2108に表示させる。
【0261】
また、表示制御部2013は、液晶パネル2108に表示されている第2地図画像の縮尺を示した縮尺情報を送信部2014に送る。さらに、表示制御部2013は、第2地図画像を表示している表示領域のサイズ(たとえば、横240ドット×縦320ドット)を示したサイズ情報を、送信部2014に送る。
【0262】
送信部2014は、位置情報、縮尺情報、およびサイズ情報を互いに関連付けて、電子機器100に送信する。なお、以下では、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とをまとめて、「地図表示情報」と称する。
【0263】
受信部2015は、電子機器100の画像生成部14で生成された画像データを受信する。受信部2015は、当該画像データを表示制御部2013に送る。表示制御部2013は、第2地図画像の画像データと受信した画像データとを合成し、当該合成した画像データに基づく画像を液晶パネル2108に表示させる。
【0264】
また、受信部2015は、電子機器100から上記スクロール情報を受信する。受信部2015がスクロール情報を受信した場合、表示制御部2013は、当該スクローク情報に応じて、液晶パネル2108に表示する地図画像をスクロールする。なお、スクロールの結果、電子機器2000がサーバ装置9000から地図データを新たに取得する必要があると判断した場合、電子機器2000はサーバ装置9000から、スクロール方向の地図を示した地図データを取得する。
【0265】
なお、以下においては、上記第2地図画像で示される地図領域と、上記第1地図画像で示される地図領域とは同じ領域であるとして説明する。すなわち、以下では、電子機器100の液晶パネル240に表示された地図画像と、電子機器2000の液晶パネル2108に表示された地図画像とが、地図上の同じ領域を示しているとする。
【0266】
<画面遷移について>
次に、電子機器100と電子機器2000との間で通信を行なう際の、電子機器100の液晶パネル140,240に表示される内容と、電子機器2000の液晶パネル2108に表示される内容とについて、説明する。
【0267】
図24は、電子機器2000が上記第2地図画像を液晶パネル2108に表示させた場合を示した図である。図24を参照して、液晶パネル2108には、第2地図画像と、ソフトキーの内容を示す情報とが別領域に表示される。なお、第2地図画像中の図形C10は、電子機器2000の現在位置を示している。
【0268】
図25は、電子機器2000が上記地図表示情報を電子機器100に送信した後の、電子機器2000と電子機器100とに表示される画像を示した図である。図25を参照して、電子機器100は、液晶パネル240に上記第1地図画像を表示させる。これにより、電子機器100の液晶パネル240と、電子機器2000の液晶パネル2108とには、同じ内容の画像が表示される。
【0269】
また、電子機器100は、液晶パネル140に第1地図画像を含んだ第3地図画像を表示させる。
【0270】
図26は、図25の状態において、電子機器100のユーザが液晶パネル240を介して手書入力を行なった場合における、電子機器100に表示される画像を示した図である。なお、手書入力として経路を示す図形C11が、電子機器100に入力されたとする。
【0271】
図26を参照して、電子機器100は、上記入力された図形C11を、図形C10が重畳された第1地図画像(つまり、表示画像)にさらに重畳して表示する。電子機器100は、図形C11に基づき画像生成部14にて生成した画像データを電子機器2000に送る。
【0272】
図27は、図形C11に基づき生成された画像データを電子機器2000が受信し、さらに表示制御部2013が上述した合成画像データを生成した場合において、電子機器2000の液晶パネル2108に表示される画像を示した図である。
【0273】
図26および図27を参照して、電子機器100の液晶パネル240と、電子機器2000の液晶パネル2108とには、同じ内容の画像が表示される。これにより、電子機器100のユーザと、電子機器2000のユーザとは、同じ内容の画像を互いの液晶パネルにて確認することができる。
【0274】
図28は、図26の状態において、電子機器100のユーザが液晶パネル240を介して手書入力をさらに行なった場合における、電子機器100に表示される画像を示した図である。なお、手書入力として、目標地点を示す図形C12および文字C13が、電子機器100に入力されたとする。
【0275】
図28を参照して、電子機器100は、上記入力された図形C12および文字C13を、図形C10および図形C11が重畳された第1地図画像にさらに重畳して表示する。電子機器100は、図形C12および文字C13に基づき画像生成部14にて生成した画像データを電子機器2000に送る。
【0276】
図29は、図形C12および文字C13に基づき生成された画像データを電子機器2000が受信し、さらに表示制御部2013が上述した合成画像データを生成した場合において、電子機器2000の液晶パネル2108に表示される画像を示した図である。
【0277】
図28および図29を参照して、電子機器100の液晶パネル240と、電子機器2000の液晶パネル2108とには、同じ内容の画像が表示される。これにより、電子機器100のユーザと、電子機器2000のユーザとは、同じ内容の画像を互いの液晶パネルにて確認することができる。
【0278】
<通信システム1におけるシーケンスについて>
図30は、電子機器100と電子機器2000とGPS衛星8000とサーバ装置9000との間のシーケンスを示した図である。具体的には、図30は、図24から図29に基づき説明した処理に関するシーケンスを示した図である。
【0279】
ステップS1において、電子機器2000はGPS衛星8000から、時刻情報、軌道情報などのデータを受信する。ステップS2において、電子機器2000は、取得した位置情報に基づき、サーバ装置9000に地図データの送信を要求する。ステップS3においては、サーバ装置9000は、上記要求にしたがって、第2地図データを電子機器2000に送信する。
【0280】
ステップS4においては、電子機器2000は、上述した地図表示情報を電子機器100に送信する。ステップS5においては、電子機器100は、地図表示情報に含まれる位置情報に基づき、サーバ装置9000に地図データの送信を要求する。ステップS6においては、サーバ装置9000は、上記要求にしたがって、第1地図データを電子機器100に送信する。
【0281】
ステップS7においては、電子機器100は、手書入力データ(図26の図形C11)に基づき生成された画像データを電子機器2000に送信する。ステップS8においては、電子機器100は、手書入力データ(図28の図形C12および文字C13)に基づき生成された画像データを電子機器2000に送信する。
【0282】
以上の処理により、電子機器100および電子機器2000は、図28および図29に示したとおり、同一内容の画像を互いの液晶パネル240,2108に表示させることができる。
【0283】
<電子機器100における処理フローについて>
図31は、電子機器100におけるデータ処理のフローを示したフローチャートである。
【0284】
図31を参照して、ステップS11において、電子機器100は、電子機器2000から、第2地図画像に関する地図表示情報を受信する。電子機器100が地図表示情報を受信すると、電子機器100は、当該地図表示情報に含まれる位置情報に基づきサーバ装置9000から第1地図データを受信する。ステップS12において、電子機器100は、第1地図データに基づき、液晶パネル240に第1地図画像を表示させる。ステップS13においては、電子機器100は、第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像を液晶パネル140に表示させる。
【0285】
ステップS14において、電子機器100は、液晶パネル240を介して手書入力データを受付けたか否かを判断する。電子機器100が手書入力データを受付けたと判断した場合(ステップS14においてYES)、ステップS15において、電子機器100は、液晶パネル240に表示されている画像に関する表示データと、当該手書入力データとを合成する。一方、電子機器100が手書入力データを受付けていないと判断した場合(ステップS14においてNO)、CPU110は処理をステップS19に進める。
【0286】
ステップS16において、電子機器100は、合成した画像を液晶パネル240に表示させる。ステップS17において、電子機器100は、上記手書入力データに基づき、電子機器2000に送信する画像データを生成する。ステップS18において、電子機器100は、生成した画像データを電子機器2000に送信する。
【0287】
ステップS19において、電子機器100は、電子機器2000との通信が終了したか否かを判断する。電子機器100が終了したと判断した場合(ステップS19においてYES)、CPU110は一連の処理を終了する。一方、電子機器100が終了していないと判断した場合(ステップS19においてNO)、CPU110は処理をステップS14に戻す。
【0288】
<電子機器2000における処理フローについて>
図32は、電子機器2000におけるデータ処理のフローを示したフローチャートである。
【0289】
図32を参照して、ステップS21において、電子機器2000は、GPS衛星8000から受信した各種信号に基づいて、電子機器2000の位置情報を取得する。ステップS22において、電子機器2000は、上記位置情報に基づいて、サーバ装置9000から第2地図データを取得する。ステップS23において、電子機器2000は、取得した第2地図データに基づいて第2地図画像を液晶パネル2108に表示させる。ステップS24において、電子機器2000は、地図表示情報を電子機器100に送信する。
【0290】
ステップS25において、電子機器2000は、電子機器100から画像データを受信したか否かを判断する。電子機器2000が画像データを受信したと判断した場合(ステップS25においてYES)、ステップS26において、電子機器2000は、液晶パネル2108に表示されている画像に関する表示データと、当該受信した画像データとを合成する。一方、電子機器2000が画像データを受信していないと判断した場合(ステップS26においてNO)、CPU2100は処理をステップS28に進める。
【0291】
ステップS27においては、電子機器2000は、合成した画像を液晶パネル2108に表示させる。ステップS28において、電子機器2000は、電子機器100との通信が終了したか否かを判断する。電子機器2000が終了したと判断した場合(ステップS28においてYES)、CPU2100は一連の処理を終了する。一方、電子機器2000が終了していないと判断した場合(ステップS28においてNO)、CPU2100は処理をステップS25に戻す。
【0292】
<まとめ>
以上のように、電子機器100は、手書入力データに基づき画像生成部14で生成した画像データを電子機器2000に送る。したがって、電子機器2000において当該画像データを液晶パネル2108に重畳して表示させることにより、電子機器100,2000は、互いの液晶パネル240,2108に同じ内容の画像を表示することが可能となる。このため、電子機器100のユーザと、2000のユーザとは、同じ情報を共有することができる。その結果、たとえば、電子機器2000のユーザは、上述した目標地点への経路を知ることができる。
【0293】
また、電子機器100は、位置情報と縮尺情報とサイズ情報とを受信し、これらの情報に基づいて第1地図画像を表示する。したがって、電子機器2000で表示される地図画像と、電子機器100で表示させる地図画像とを、概ね一致させることができる。
【0294】
また、電子機器100は、位置情報に基づいて、第1地図画像に電子機器2000の現在位置を表示する。このため、電子機器100のユーザは、電子機器2000の現在位置に即した手書入力が可能となる。
【0295】
また、電子機器100は、比率算出手段41により算出された比率に基づき、電子機器2000へ送信する画像を生成し、当該生成した画像を電子機器2000に送信する。したがって、図28および図29に示したとおり、電子機器100および電子機器2000は、互いに手書画像を地図画像の同じ地点に重畳させることができる。このため、電子機器100が、地図画像の道路等に沿った経路を示す図形を手書入力データとして入力する場合であっても、電子機器2000は、手書画像を当該道路等に沿って重畳させることができる。
【0296】
また、電子機器100が、地図画像の表示対象領域を変更する場合、変更後の表示対象領域を特定する領域特定情報を、電子機器2000に送信する。したがって、電子機器2000は、当該領域特定情報に基づき地図画像の表示対象領域を変更することにより、電子機器100に表示されている内容と同じ内容の画像を液晶パネル2108に表示することができる。
【0297】
また、第1地図画像で示される地図領域と、第2地図画像で示される地図領域とは、同じ領域であることが好ましい。このように、電子機器100の液晶パネル240と電子機器2000の液晶パネル2108とにおいて同じ領域が表示される構成とすることにより、電子機器100のユーザと電子機器2000のユーザとは、同一内容の地図画像を互いに所持する電子機器100,2000にて視認することができる。
【0298】
また、電子機器100は、第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像を、液晶パネル140に表示する。したがって、電子機器100のユーザは、液晶パネル240に表示される地図画像の周辺の地図画像についても、液晶パネル140にて確認することができる。
【0299】
また、第2受付部16が第3地図画像として表示された地図領域における一部領域の指定を受付けた場合、電子機器100は、当該指定された領域を液晶パネル240に表示する。したがって、電子機器100のユーザは、液晶パネル140に表示された上記周辺の地図画像に基づき、液晶パネル240に表示させる地図領域を指定することができる。
【0300】
電子機器2000は、上述したように、地図画像の画像データと、電子機器100から受信した画像データをと合成し、当該合成した画像データに基づく画像を液晶パネル2108に表示する。したがって、電子機器100,2000は、互いの液晶パネル240,2108に同じ内容の画像を表示することが可能となる。
【0301】
<補足>
(1)上記においては、電子機器100が、電子機器2000から受信した位置情報に基づき、サーバ装置9000から地図データを取得する構成について説明した。しかしながら、地図データの取得の方法はこれに限定されるものではない。たとえば、電子機器100は、サーバ装置9000から地図データを取得する代わりに、電子機器2000から地図データを取得してもよい。
【0302】
また、電子機器2000から受信した位置情報に基づき、電子機器100がサーバ装置9000から取得した地図データを、電子機器2000に送信してもよい。この場合、電子機器2000は、地図データをサーバ装置9000から取得する必要がなくなる。
(2)地図データを記憶する記憶装置として機能するサーバ装置9000は、必ずしも必要ではない。たとえば、電子機器100および電子機器2000とが、各電子機器100,2000に内蔵あるいは外付けされた記憶装置に上記地図データを格納しておく構成であってもよい。
(3)電子機器100が手書入力データを受付けている際、液晶パネル240に表示されている地図画像がスクロールされた場合、表示制御部12は、手書入力データ手書画像の全体と上記現在位置とが液晶パネル240において表示されるように、液晶パネル240における表示画像の縮尺を小さくしてもよい。
(4)上記においては、画像生成部14が手書入力データに基づき生成した画像データを、送信部15が電子機器2000に送信する構成を例に挙げて説明した。電子機器100の構成はこのような構成に限定されず、以下のような構成としてもよい。
【0303】
画像生成部14の代わりに、ストロークデータ生成部を設ける。そして、ストロークデータ生成部は、受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成する。送信部15は、当該生成されたストロークデータを電子機器2000に送信する。このような構成とすることにより、画像データを電子機器2000に送信する構成に比べ、送信するデータ量を低減することが可能となる。
【0304】
なお、ストロークデータ生成部は、比率算出部41が算出した比率を利用して、手書入力データから上記ストロークデータを生成すればよい。つまり、ストロークデータ生成部は、上記比率を用いて座標変換を行い、ストロークデータを構成する座標値を決定すればよい。
【0305】
一方、電子機器2000は、電子機器100から上記ストロークデータを受信し、当該受信したストロークデータに基づく画像を表示パネル2108に表示すればよい。
【0306】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0307】
【図1】本実施の形態に係る通信システムに含まれる電子機器の外観を示した図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】電子機器の液晶パネルの構成と、当該液晶パネルの周辺回路とを示した図である。
【図4】液晶パネルとバックライトとの断面図である。
【図5】光センサ回路を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。
【図6】液晶パネルとバックライトとの断面図であって、スキャンの際にフォトダイオードがバックライトからの光を受光する構成を示した図である。
【図7】コマンドの概略構成を示した図である。
【図8】種別「000」のコマンドを説明するための図である。
【図9】種別「001」のコマンドを説明するための図である。
【図10】種別「010」のコマンドを説明するための図である。
【図11】種別「011」のコマンドを説明するための図である。
【図12】種別「100」のコマンドを説明するための図である。
【図13】種別「101」のコマンドを説明するための図である。
【図14】応答データの概略構成を示した図である。
【図15】指をスキャンすることにより得られた画像を示した図である。
【図16】他の光センサ内蔵液晶パネルの回路図である。
【図17】スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。
【図18】電子機器の変形例のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図19】通信システムの概略構成を示した図である。
【図20】他の電子機器の外観を示した図である。
【図21】他の電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図22】電子機器の機能ブロック図である。
【図23】他の電子機器の機能ブロック図である。
【図24】他の電子機器が第2地図画像を液晶パネルに表示させた場合を示した図である。
【図25】他の電子機器が地図表示情報を電子機器に送信した後の、他の電子機器と電子機器とに表示される画像を示した図である。
【図26】図25の状態において、電子機器のユーザが液晶パネルを介して手書入力を行なった場合における、電子機器に表示される画像を示した図である。
【図27】図形に基づき生成された画像データを他の電子機器が受信し、さらに上述した合成画像データを生成した場合において、他の電子機器の液晶パネルに表示される画像を示した図である。
【図28】図26の状態において、電子機器のユーザが液晶パネルを介して手書入力をさらに行なった場合における、電子機器に表示される画像を示した図である。
【図29】図形および文字に基づき生成された画像データを他の電子機器が受信し、さらに上述した合成画像データを生成した場合において、他の電子機器の液晶パネルに表示される画像を示した図である。
【図30】電子機器と他の電子機器とGPS衛星とサーバ装置との間のシーケンスを示した図である。
【図31】電子機器におけるデータ処理のフローを示したフローチャートである。
【図32】電子機器におけるデータ処理のフローを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0308】
10 制御部、11 受信部、12 表示制御部、13 第1受付部、14 画像生成部、15 送信部、16 第2受付部、17 取得部、41 比率算出部、90 記憶装置、100 電子機器、100A 第1の筐体、100B 第2の筐体、101 本体装置、102,102A 表示装置、103 表示装置、104 本体装置、140,140A 光センサ内蔵液晶パネル、174 外部通信部、177 操作キー、240 光センサ内蔵液晶パネル、274 外部通信部、1001,1001A 第1ユニット、1002 第2ユニット、1300 電子機器、2000 電子機器、2010 制御部、2011 第1取得部、2012 第2取得部、2013 表示制御部、2014 送信部、2015 受信部、2090 記憶装置、2103 通信部、2107 操作キー、2108 液晶パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
第1表示パネルと、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信する受信手段と、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得する取得手段と、
前記取得された地図データに基づく第1地図画像を前記第1表示パネルに表示させる表示制御手段と、
前記第1地図画像が表示された状態で、前記第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、
前記受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成する生成手段と、
前記生成された画像データを前記他の電子機器に送信する送信手段とを備える、電子機器。
【請求項2】
前記受信手段は、前記他の電子機器で表示されている前記現在位置を含んだ第2地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、前記他の電子機器において前記第2地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、前記他の電子機器からさらに受信し、
前記表示制御手段は、前記位置情報と前記縮尺情報と前記サイズ情報とに基づいて、前記第2地図画像として示された地図領域を含む地図画像を、前記第1地図画像として表示させる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記位置情報に基づいて、前記現在位置を前記第1地図画像に表示する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記生成手段は、
前記サイズ情報で示される表示領域のサイズに対する、前記第1表示パネルにおいて前記第1地図画像を表示するために用いた表示領域のサイズの比率を算出する比率算出手段を備え、
前記算出された比率に基づき前記手書入力データのデータ量を変更することにより、前記画像データを生成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1地図画像が表示された状態で、前記第1表示パネルを介して表示される地図画像の表示対象領域を変更する指示を前記表示制御手段が受け付けた場合、前記送信手段は、前記変更後の表示対象領域を特定する領域特定情報を前記他の電子機器に送信する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1地図画像で示される地図領域と、前記第2地図画像で示される地図領域とは同じ領域である、請求項2から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1表示パネルよりも表示領域が広い第2表示パネルをさらに備え、
前記表示制御手段は、前記位置情報と前記縮尺情報と前記サイズ情報とに基づいて、前記第2表示パネルに、前記第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像をさらに表示させる、請求項2から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第3地図画像として示された地図領域における一部領域の指定を受け付ける第2受付手段をさらに備え、
前記第2受付手段が前記指定を受け付けた場合、前記表示制御手段は、前記指定された一部領域を前記第1表示パネルを介して表示させる、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1表示パネルは、
入射光に応じて電気信号を生成する複数の光センサ回路と、
電気信号に応じて光を発する複数の画素回路とを含み、
前記受付手段は、前記複数の光センサ回路からの前記電気信号に基づいて、前記手書入力データを受け付け、
前記表示制御手段は、前記複数の画素回路に前記第1地図画像および前記手書入力データに基づく手書画像とを表示させる、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
電子機器であって、
第1表示パネルと、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信する受信手段と、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得する取得手段と、
前記取得された地図データに基づく第1地図画像を前記第1表示パネルに表示させる表示制御手段と、
前記第1地図画像が表示された状態で、前記第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、
前記受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成する生成手段と、
前記生成されたストロークデータを前記他の電子機器に送信する送信手段とを備える、電子機器。
【請求項11】
前記受信手段は、前記他の電子機器で表示されている前記現在位置を含んだ第2地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、前記他の電子機器において前記第2地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、前記他の電子機器からさらに受信し、
前記表示制御手段は、前記位置情報と前記縮尺情報と前記サイズ情報とに基づいて、前記第2地図画像として示された地図領域を含む地図画像を、前記第1地図画像として表示させる、請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1表示パネルよりも表示領域が広い第2表示パネルをさらに備え、
前記表示制御手段は、前記位置情報と前記縮尺情報と前記サイズ情報とに基づいて、前記第2表示パネルに、前記第1地図画像として示された地図領域を含む第3地図画像をさらに表示させる、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
電子機器であって、
表示パネルと、
外部機器から受信した信号に基づき、前記電子機器の現在位置を示した位置情報を取得する第1取得手段と、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得する第2取得手段と、
前記表示パネルを介して、前記取得した地図データに基づく地図画像を表示させる表示制御手段と、
前記位置情報を、他の電子機器に送信する送信手段と、
前記他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信する受信手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記地図画像の画像データと、前記受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を前記表示パネルに表示させる、電子機器。
【請求項14】
前記送信手段は、前記表示されている地図画像の縮尺を示した縮尺情報と、前記地図画像を表示している表示領域のサイズを示したサイズ情報とを、さらに前記他の電子機器に送信する、請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
第1電子機器と第2電子機器とを含む通信システムであって、
第1電子機器は、
第1表示パネルと、
前記第2電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記第2電子機器から受信する第1受信手段と、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ第1地図データを取得する第1取得手段と、
前記取得された第1地図データに基づく第1地図画像を前記第1表示パネルに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1地図画像が表示された状態で、前記第1表示パネルを介して手書入力データを受け付ける第1受付手段と、
前記受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成する生成手段と、
前記生成された画像データを前記第2電子機器に送信する第1送信手段とを備え、
前記第2電子機器は、
第2表示パネルと、
外部機器から受信した信号に基づき、前記位置情報を取得する第2取得手段と、
前記位置情報に基づき、前記記憶装置から、前記現在位置を含んだ第2地図データを取得する第3取得手段と、
前記取得された第2地図データに基づく第2地図画像を前記第2表示パネルに表示させる第2表示制御手段と、
前記位置情報を、前記第1電子機器に送信する第2送信手段と、
前記生成された画像データを前記第1電子機器から受信する第2受信手段とを備え、
前記第2表示制御手段は、前記第2地図データと、前記受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を前記第2表示パネルに表示させる、通信システム。
【請求項16】
電子機器におけるデータ通信方法であって、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記地図画像が表示された状態で、前記表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、
前記受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成するステップと、
前記生成された画像データを前記他の電子機器に送信するステップとを含む、データ通信方法。
【請求項17】
電子機器におけるデータ通信方法であって、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記地図画像が表示された状態で、前記表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、
前記受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成するステップと、
前記生成されたストロークデータを前記他の電子機器に送信するステップとを含む、データ通信方法。
【請求項18】
電子機器における表示制御方法であって、
外部機器から受信した信号に基づき、前記電子機器の現在位置を示した位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づき地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記位置情報を、他の電子機器に送信するステップと、
前記他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信するステップと、
前記地図画像の画像データと、前記受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を前記表示パネルに表示させるステップとを含む、表示制御方法。
【請求項19】
電子機器にデータ通信を実行させるためのプログラムであって、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記地図画像が表示された状態で、前記表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、
前記受け付けた手書入力データに基づき画像データを生成するステップと、
前記生成された画像データを前記他の電子機器に送信するステップとを実行させるためのプログラム。
【請求項20】
電子機器にデータ通信を実行させるためのプログラムであって、
他の電子機器の現在位置を示した位置情報を、前記他の電子機器から受信するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づく地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記地図画像が表示された状態で、前記表示パネルを介して手書入力データを受け付けるステップと、
前記受け付けた手書入力データに基づきストロークデータを生成するステップと、
前記生成されたストロークデータを前記他の電子機器に送信するステップとを実行させるためのプログラム。
【請求項21】
電子機器に表示制御を実行させるためのプログラムであって、
外部機器から受信した信号に基づき、前記電子機器の現在位置を示した位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づき、地図データを記憶した記憶装置から、前記現在位置を含んだ地図データを取得するステップと、
前記取得された地図データに基づき地図画像を表示パネルに表示させるステップと、
前記位置情報を、他の電子機器に送信するステップと、
前記他の電子機器から送信された、手書入力データに基づく画像データを受信するステップと、
前記地図画像の画像データと、前記受信した画像データとを合成して、当該合成した画像データに基づく画像を前記表示パネルに表示させるステップとを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−108289(P2010−108289A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280193(P2008−280193)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】