説明

電子機器、電子機器のファイル処理プログラム、電子機器のファイル処理方法、及び電子機器システム

【課題】どのようなOSを用いるホスト装置からでも操作可能とし、システムの汎用性及び信頼性を高める。
【解決手段】外部端末400と、USBポート、及び、USBポートに接続された外部端末400がリムーバブルドライブとして認識可能なディスク領域を有するFLASH ROMを有するプリンタ1と、を有する印刷処理システムLSであって、外部端末400は、プリンタ1が印刷動作を実行可能な、当該プリンタ1固有の形式のコマンドファイルを生成し、生成された少なくとも1つのコマンドファイルを、上記リムーバブルファイルドライブとして認識したディスク領域に書き込み、プリンタ1は、ディスク領域に書き込まれた少なくとも1つのコマンドファイルを検出し、検出された少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する上記印刷動作を実行するために解析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBポートに接続されたホスト装置での操作に基づき動作する電子機器、その電子機器において実行される電子機器のファイル処理プログラム、電子機器のファイル処理方法、及び電子機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
USBポートに接続されたホスト装置での操作に基づき動作する電子機器として、例えば特許文献1に記載のプリンタが知られている。この従来技術の電子機器(プリンタ)では、USBポートに接続されたホスト装置に対し、メモリの所定の記憶領域を、USBマス・ストレージ・クラスのデバイスであるリムーバブルドライブとして認識させる。これにより、当該所定の記憶領域に記憶されたアプリケーションプログラムは、ホスト装置からの通常のアクセス操作で読み出し可能となる。印刷時には、当該所定の記憶領域のアプリケーションプログラムをホスト装置が起動し、印刷データを印刷バッファ領域へ展開する。そして、プリンタに備えられた印刷手段が、上記印刷バッファ領域に展開された印刷データに基づき、印刷を実行する。これにより、アプリケーションプログラム及びデバイスドライバがホスト装置にインストールされなくても、ホスト装置から上記アプリケーションプログラムを使用した印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−223874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術には、以下のような点で改善の余地があった。
【0005】
すなわち、前述したように、上記従来技術では、各電子機器(プリンタ)の記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラムをホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う。このアプリケーションプログラムは、当該ホスト装置で使用される特定のOSに依存するものである。したがって、ある特定のOSを用いるホスト装置からの操作に限定したシステムしか構築することができず、システムの汎用性及び信頼性を高めることができなかった。
【0006】
本発明の目的は、どのようなOSを用いるホスト装置からでも操作可能であり、システムの汎用性及び信頼性を高めることができる電子機器、電子機器のファイル処理プログラム、電子機器のファイル処理方法、及び電子機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、USBポートを備えた電子機器であって、前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手段と、前記コマンドファイル検出手段で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明の電子機器においては、USBポートと、メモリと、を備えている。USBポートにはホスト装置が接続されている。メモリは、上記ホスト装置がリムーバルドライブとして認識可能な記憶領域を有している。ホスト装置が、電子機器が所定の動作を実行可能なコマンドファイルを当該電子機器に固有の形式で生成し、メモリの上記記憶領域に書き込むことで、コマンドファイル検出手段によって当該書き込まれたコマンドファイルが検出される。そして、所定の条件が満たされると、上記のようにして検出されたコマンドファイルに対し、コマンドファイル解析手段によって解析が行われる。この結果、その解析されたコマンドファイルを用いて、電子機器において、例えば印刷データに基づく所望の印刷や所望のユーティリティ設定等の所定の動作が実行される。
【0009】
以上のようにして、本願第1発明においては、電子機器に合致させた固有の形式により予め生成されたコマンドファイルが、リムーバブルドライブとして認識されたメモリの記憶領域に書き込まれ、所定の契機により当該コマンドファイルが解析されることで、所定の動作が実行される。これにより、例えば各プリンタの記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラム(特定のOSに基づく)をホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う場合とは異なり、特定のOSに依存することのない自由なシステム構成が可能となる。すなわち、どのようなOSを用いたホスト装置であっても、各電子機器に合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルを各電子機器の記憶領域に書き込むだけで、確実に上記印刷等の所定の動作を実行することができる。したがって、当該電子機器を含む電子機器システムの汎用性及び信頼性を高めることができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記コマンドファイル解析手段は、前記所定の条件として、前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に1つの前記コマンドファイルが検出されたときに、当該1つのコマンドファイルについて前記解析を行うことを特徴とする。
【0011】
これにより、ホスト装置によってメモリの記憶領域に新たにコマンドファイルが書き込まれるたびに、自動的にコマンドファイルの解析を実行することができる。
【0012】
第3発明は、上記第1発明において、前記コマンドファイル解析手段は、前記所定の条件として、前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に前記少なくとも1つのコマンドファイルが検出された状態で、操作手段を用いて所定の操作が行われたときに、前記解析を行うことを特徴とする。
【0013】
これにより、ホスト装置によってメモリの記憶領域に新たにコマンドファイルが書き込まれた後、操作者の意図に対応した所定の操作によって、確実にコマンドファイルの解析を実行することができる。
【0014】
第4発明は、上記第3発明において、前記コマンドファイル解析手段は、前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に複数の前記コマンドファイルが検出された状態で前記所定の操作が行われた場合には、各コマンドファイルの作成日時順、若しくは、各コマンドファイルの前記記憶領域への格納日時順、若しくは、各コマンドファイルのファイル名称順、に沿って、前記複数のコマンドファイルを順次解析することを特徴とする。
【0015】
これにより、メモリの記憶領域に複数のコマンドファイルが書き込まれた状態となった後に、操作者が所定の操作を行ったとき、コマンドファイルの作成日時順、格納日時順、ファイル名称順、に沿って円滑かつ確実に順次解析を実行することができる。
【0016】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記所定の動作の実行が完了した後、前記ホスト装置に対し、対応する前記コマンドファイルの消去処理を依頼する消去処理依頼手段と、前記消去処理依頼手段からの前記消去処理の依頼に対応して前記ホスト装置から出力された前記コマンドファイルの消去指示信号に応じて、対応する前記コマンドファイルの消去を行う第1コマンドファイル消去手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
本願第5発明においては、電子機器側において所定の動作が完了した後、電子機器からホスト装置側へ消去処理を依頼してホスト装置がコマンドファイルの消去指示信号を出力し、その消去指示信号に応じて電子機器側でのコマンドファイルの消去を行う。これにより、所定の動作が完了した後に電子機器側で一方的にコマンドファイルの消去を行ったときに生じうる、ホスト装置のキャッシュメモリにおけるファイルの残存(消し残し)による記憶内容の非同期や、ホスト装置側からのコマンドファイルの再送信等の不具合発生を確実に回避することができる。
【0018】
第6発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記所定の動作の実行が完了した後、前記USBポートを介した前記ホスト装置との接続を切断するUSB切断手段と、前記接続切断手段による接続の切断後、前記所定の動作に対応する前記コマンドファイルの消去を行う第2コマンドファイル消去手段と、前記第2コマンドファイル消去手段による前記コマンドファイルの消去が完了した後、前記USBポートを介した前記ホスト装置との再接続を行うUSB再接続手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
本願第6発明においては、電子機器側において所定の動作が完了した後、USB切断手段が電子機器とホスト装置との接続を切断する。これにより、ホスト装置のキャッシュメモリのコマンドファイルが消去され、コマンドファイルの残存(消し残し)を防止することができる。そしてその後、第2コマンドファイル消去手段がコマンドファイルの消去を行う。これにより、上記同様、所定の動作が完了した後に電子機器側で一方的にコマンドファイルの消去を行ったときに生じうる、キャッシュメモリの上記コマンドファイルの残存(消し残し)による記憶内容の非同期やホスト装置側からのコマンドファイルの再送信等の不具合発生を確実に回避することができる。
【0020】
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、印刷データに基づき、前記所定の動作としての印刷を実行するプリンタであることを特徴とする。
【0021】
これにより、被印刷媒体に所望の印刷を実行するプリンタにおいて、どのようなOSを用いたホスト装置であっても、各プリンタに合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルを各プリンタの記憶領域に書き込むだけで、確実に印刷動作を実行することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、本願第8発明の電子機器のファイル処理プログラムは、USBポートと、前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、を有する電子機器に備えられた演算手段に対し、前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手順と、前記コマンドファイル検出手順で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手順と、を実行させる。
【0023】
本願第8発明の対象となる電子機器は、USBポートと、メモリと、を備えている。USBポートにはホスト装置が接続されている。メモリは、上記ホスト装置がリムーバルドライブとして認識可能な記憶領域を有している。ホスト装置は、電子機器が所定の動作を実行可能なコマンドファイルを当該電子機器に固有の形式で生成し、メモリの上記記憶領域に書き込む。本願第8発明の電子機器のファイル処理プログラムが演算手段で実行されると、コマンドファイル検出手順で、上記書き込まれたコマンドファイルが検出される。そして、所定の条件が満たされると、上記のようにして検出されたコマンドファイルに対し、コマンドファイル解析手順で解析が行われる。この結果、その解析されたコマンドファイルを用いて、電子機器において、例えば印刷データに基づく所望の印刷や所望のユーティリティ設定等の所定の動作が実行される。
【0024】
以上のようにして、本願第8発明においては、電子機器に合致させた固有の形式により予め生成されたコマンドファイルが、リムーバブルドライブとして認識されたメモリの記憶領域に書き込まれ、所定の契機により当該コマンドファイルが解析されることで、所定の動作が実行される。これにより、例えば各プリンタの記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラム(特定のOSに基づく)をホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う場合とは異なり、特定のOSに依存することのない自由なシステム構成が可能となる。すなわち、どのようなOSを用いたホスト装置であっても、各電子機器に合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルを各電子機器の記憶領域に書き込むだけで、確実に上記印刷等の所定の動作を実行することができる。したがって、当該電子機器を含む電子機器システムの汎用性及び信頼性を高めることができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0025】
上記目的を達成するために、本願第9発明は、USBポートと、前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、を有する電子機器が実行する電子機器のファイル処理方法であって、前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手順と、前記コマンドファイル検出手順で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手順と、を有することを特徴とする。
【0026】
本願第9発明の電子機器のファイル処理方法を実行する電子機器は、USBポートと、メモリと、を備えている。USBポートにはホスト装置が接続されている。メモリは、上記ホスト装置がリムーバルドライブとして認識可能な記憶領域を有している。ホスト装置は、電子機器が所定の動作を実行可能なコマンドファイルを当該電子機器に固有の形式で生成し、メモリの上記記憶領域に書き込む。すると、コマンドファイル検出手順で、上記書き込まれたコマンドファイルが検出される。そして、所定の条件が満たされると、上記のようにして検出されたコマンドファイルに対し、コマンドファイル解析手順で解析が行われる。この結果、その解析されたコマンドファイルを用いて、電子機器において、例えば印刷データに基づく所望の印刷や所望のユーティリティ設定等の所定の動作が実行される。
【0027】
以上のようにして、本願第9発明においては、電子機器に合致させた固有の形式により予め生成されたコマンドファイルが、リムーバブルドライブとして認識されたメモリの記憶領域に書き込まれ、所定の契機により当該コマンドファイルが解析されることで、所定の動作が実行される。これにより、例えば各プリンタの記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラム(特定のOSに基づく)をホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う場合とは異なり、特定のOSに依存することのない自由なシステム構成が可能となる。すなわち、どのようなOSを用いたホスト装置であっても、各電子機器に合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルを各電子機器の記憶領域に書き込むだけで、確実に上記印刷等の所定の動作を実行することができる。したがって、当該電子機器を含む電子機器システムの汎用性及び信頼性を高めることができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0028】
上記目的を達成するために、本願第10発明は、ホスト装置と、USBポート、及び、前記USBポートに接続された前記ホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリを有する電子機器と、を有する電子機器システムであって、前記ホスト装置は、前記電子機器が所定の動作を実行可能な、当該電子機器固有の形式のコマンドファイルを生成するコマンドファイル生成手段と、前記コマンドファイル生成手段により生成された少なくとも1つの前記コマンドファイルを、前記リムーバブルファイルドライブとして認識した前記記憶領域に書き込むコマンドファイル複写手段と、を有し、前記電子機器は、前記コマンドファイル複写手段により前記記憶領域に書き込まれた前記少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手段と、前記コマンドファイル検出手段で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手段と、を有することを特徴とする。
【0029】
本願第10発明の電子機器システムは、ホスト装置と、このホスト装置にUSBポートを介し接続される電子機器と、を有している。ホスト装置に備えられたコマンドファイル生成手段は、電子機器が所定の動作を実行可能なコマンドファイルを、当該電子機器に固有の形式で生成する。このとき、電子機器に備えられたメモリは、ホスト装置がリムーバルドライブとして認識可能な記憶領域を有している。そして、上述のようにして生成されたコマンドファイルは、ホスト装置のコマンドファイル複写手段によって、電子機器の上記記憶領域に書き込まれる。すると、電子機器に備えられたコマンドファイル検出手段により、上記記憶領域に書き込まれたコマンドファイルが検出される。そして、所定の条件が満たされると、上記のようにして検出されたコマンドファイルに対し、電子機器のコマンドファイル解析手段によって解析が行われる。この結果、その解析されたコマンドファイルを用いて、電子機器によって、例えば印刷データに基づく所望の印刷や所望のユーティリティ設定等の所定の動作が実行される。
【0030】
以上のようにして、本願第10発明においては、各電子機器に合致させた固有の形式により予め生成されたコマンドファイルがリムーバブルドライブとして認識された各電子機器の記憶領域に書き込まれ、所定の契機により当該コマンドファイルが各電子機器で解析されることで、所定の動作が実行される。これにより、例えば各プリンタの記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラム(特定のOSに基づく)をホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う場合とは異なり、特定のOSに依存することのない自由なシステム構成が可能となる。すなわち、どのようなOSを用いたホスト装置であっても、各電子機器に合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルを各電子機器の記憶領域に書き込むだけで、確実に上記印刷等の所定の動作を実行することができる。したがって、当該電子機器システムの汎用性及び信頼性を高めることができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0031】
第11発明は、上記第10発明において、前記電子機器は、前記所定の動作の実行が完了した後、前記ホスト装置に対し、対応する前記コマンドファイルの消去処理を依頼する消去処理依頼手段を有し、前記ホスト装置は、前記消去処理依頼手段からの前記消去処理の依頼に対応した前記コマンドファイルの消去指示信号を前記電子機器に出力すると共に、キャッシュメモリ中における当該コマンドファイルに対応するファイルの消去を行う消去処理実行手段を有し、前記電子機器は、さらに、前記消去処理実行手段からの前記消去指示信号に応じて、対応する前記コマンドファイルの消去を行う第1コマンドファイル消去手段を有することを特徴とする。
【0032】
本願第11発明においては、電子機器側において所定の動作が完了した後、電子機器の消去処理依頼手段からホスト装置側へ消去処理を依頼する。これに応じてホスト装置の消去処理実行手段がキャッシュメモリの当該コマンドファイルに対応するファイルを消去するとともに、電子機器に対しコマンドファイルの消去指示信号を出力する。そして、その消去指示信号に応じて電子機器の第1コマンドファイル消去手段がコマンドファイルの消去を行う。これにより、所定の動作が完了した後に電子機器側で一方的にコマンドファイルの消去を行ったときに生じうる、ホスト装置のキャッシュメモリにおけるファイルの残存(消し残し)による記憶内容の非同期や、ホスト装置側からのコマンドファイルの再送信等の不具合発生を確実に回避することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、どのようなOSを用いるホスト装置からでも操作可能であり、システムの汎用性及び信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態によるプリンタを備えた印刷処理システムを表すシステム構成図である。
【図2】プリンタの概略構成を表す斜視図である。
【図3】図2に示すプリンタにおいて、筐体のトップカバーを外した状態を前方側斜め上方向から見た斜視図である。
【図4】図2中F−F断面による断面図、及び、G−G断面による断面図である。
【図5】外部端末及びプリンタの制御系を表す機能ブロック図である。
【図6】FLASH ROMの記憶領域を示す模式図である。
【図7】SRAMの記憶領域を示す模式図である。
【図8】プリンタと外部端末との間のデータの流れを示す機能ブロック図である。
【図9】実施形態において実行する手法を説明するための説明図である。
【図10】プリンタと外部端末とで実行される制御手順を表すシーケンス図である。
【図11】プリンタから外部端末にコマンドファイル削除を依頼する変形例において、プリンタと外部端末とで実行される制御手順を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を、電子機器の一例としてのプリンタに適用した場合を例にとって説明する。
【0036】
<印刷処理システム>
本実施形態の電子機器を備えた電子機器システムとしての印刷処理システムを、図1により説明する。
【0037】
図1において、この印刷処理システムLSでは、プリンタ1を操作するための外部端末400Aと、上記外部端末400Aより受信した印刷データに対応した印刷を実行するプリンタ1とが、USB(Universal Serial Bus)ケーブル9によって接続されている。
【0038】
外部端末400Aは、例えば、一般に市販されている汎用パーソナルコンピュータであり、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402とを有している。また、外部端末400Aの適宜の箇所(例えば背面部)には、上記USBケーブル9の端部の第1コネクタ9Hを着脱可能に装着するホスト用ソケット419(後述の図5参照)が設けられている。
【0039】
プリンタ1の側面には、上記USBケーブル9の上記第1コネクタ9Hとは反対側の端部の第2コネクタ9Tを着脱可能に装着するターゲット用ソケット109(後述の図3参照)が設けられている。
【0040】
USBケーブル9は、接続機器をホストとして機能させる上記第1コネクタ9H(例えばいわゆるシリーズAプラグであるUSBコネクタ)と、接続機器をターゲットとして機能させる上記第2コネクタ9T(例えばいわゆるシリーズBプラグであるUSBコネクタ)とを、それぞれ備えている(図2中の各拡大図を参照)。USBケーブル9は、この例では、上記プリンタ1のターゲット用ソケット109(内部にUSBポートを備える)に対し第2コネクタ9Tが装着(接続)され、上記外部端末400Aのホスト用ソケット419に対し第1コネクタ9Hが装着されている。したがって、プリンタ1と外部端末400Aとの間の機能的関係では、プリンタ1がターゲット機器として機能し、外部端末400Aがホスト機器として機能する。
【0041】
なお、プリンタ1は、上記外部端末400Aとは別の外部端末400B(機能的構成は例えば外部端末400Aとほぼ同等)が、上記外部端末400Aと同様、ラベル作成装置1に対するホスト機器としてUSBケーブル9により選択的に接続可能である。但し、上記外部端末400A,400B以外の別の外部端末についても、上記同様、ホスト機器として接続可能である。そして、これら外部端末400A,400B等は、互いに異なるOSにより動作する複数種類の外部端末が含まれてもよい。以下適宜、これら複数の外部端末を特に区別する必要がない場合には、それら外部端末400A,400B等を総称して単に「外部端末400」と称する。
【0042】
<プリンタの構成>
次に、プリンタ1の構成について図2乃至図4に基づき説明する。なお、これら図2乃至図4では、図2中の右下方向を右方、左上方向を左方、右上方向を後方、左下方向を前方、上方向を上方、下方向を下方、と定義する(各図の矢印の図示参照)。
【0043】
図2乃至図4に示すように、プリンタ1は、装置外郭を構成する略箱形形状の筐体100を備えている。この筐体100は、装置外郭上部を構成するトップカバー101と、装置外郭下部を構成するアンダーカバー102とを備えている。トップカバー101は、固定部101Aと開閉蓋101Bとを備えている。
【0044】
トップカバー101の開閉蓋101Bの下方(筐体100の内部)には、ロール収納部161が設けられている(図3、図4参照)。このロール収納部161には、ロール紙Sが両端部を支持部材162(図3参照)によって回転可能に軸支されて収納されており、これによってロール収納部161から連続的にロール紙S(被印字媒体)を供給可能である。このとき、開閉蓋101Bはヒンジ部Hを介しアンダーカバー102の後端部に対して回転可能に連結されており、開閉蓋101Bを開き状態とすることで、ロール収納部161を装置外部に露出させ、ロール紙Sの装着や交換を容易に行うことができる。トップカバー101の前後方向略中央部には、印字後のロール紙Sを排出するための排出口107が設けられている。
【0045】
開閉蓋101Bの前方側端部には、プラテンローラ111(搬送手段;図4参照)が回転自在に支持されている。プラテンローラ111は、開閉蓋101Bが上記閉じ状態にあるときに、ロール紙Sを搬送する。
【0046】
上記のように搬送されるロール紙Sに対し、プラテンローラ111に所定の圧接力で接触するサーマルラインヘッド112(印字手段;図3、図4参照)によって、所望の印字が形成される。このとき、上記プラテンローラ111を回転駆動する駆動力を発生する駆動モータが筐体100の内部に設けられており、開閉蓋101Bの閉じ状態において、上記モータの駆動力が図示しないギア機構によってプラテンローラ111に伝達される。なお、上記駆動モータは、筐体100内部の後方にかけて配置された制御基板170(図4(a)参照)に設けたローラ駆動回路244(後述の図5参照)よって、その駆動が制御される。筐体100内の制御基板170の下方には、アンダーカバー102の下面側からバッテリ電源が挿入されて配置されるバッテリ電源収納部163(図4(a)参照)が備えられている。
【0047】
<プリンタの概略動作>
上記構成において、印刷時には、上記外部端末400より、アンダーカバー102に設けたターゲット用ソケット109(図3参照)に装着された上記USBケーブルを介し、プリンタ1に対し、印刷データが送信される。また、上記駆動モータの駆動力に基づくプラテンローラ111の回転によってロール収納部161からロール紙Sが繰り出される。繰り出されたロール紙Sは、サーマルラインヘッド112とプラテンローラ111との間に挿通され、そのロール紙Sに対しサーマルラインヘッド112が上記印刷データに基づいた所望の態様の印刷を行う。印刷後のロール紙Sは、排出口107から筐体100の外部へと排出される。このとき、筐体101内に設けたメインシャーシ部材150(図3参照)に、排出口107の内側において当該排出口107に沿うように固定歯160が取り付けられている。操作者は、上記のようにして印刷が完了し排出口107から排出されたロール紙Sの端部を、この固定歯160を用いて手動で切断することができる。
【0048】
<電気的構成>
次に、上記構成の外部端末400及びプリンタ1の電気的構成を、図5を用いて説明する。
【0049】
<プリンタの電気的構成>
図5に示すように、プリンタ1は、装置全体の制御を司るCPU231と、制御プログラム(後述の図10や図11に示すファイル処理プログラムを含む)等を記憶し、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性記憶素子であるFLASH ROM234と、CPU231が制御プログラムを実行する場合において発生する一時的なデータ等が記憶される揮発性記憶素子であるSRAM233と、プリンタ1のパラメータ情報や履歴情報等が記憶される不揮発性記憶素子であるEEPROM235とを備えている。そして、CPU231よりFLASH ROM234、SRAM233、及びEEPROM235に記憶されている情報を参照可能なように、双方間はバスを介して接続されている。
【0050】
またプリンタ1は、入出力インタフェース236を備えている。入出力インタフェース236は、CPU231と、CPU231に接続される各種デバイス(駆動回路243、駆動回路244、USBコントローラ242)との間に挿入される。そして、入出力信号間の電圧変換処理、インピーダンス変換処理、タイミング調整処理等を行うことにより、CPU231から上記各種デバイスに対して出力される信号を各種デバイスにて認識可能となると共に、各種デバイスよりCPU231に対して送信される信号をCPU231にて認識可能となる。
【0051】
またプリンタ1は、上記サーマルラインヘッド112を制御可能な駆動回路243を備えている。駆動回路243は、サーマルラインヘッド112を制御してロール紙Sに印刷データを印刷させることが可能なように、サーマルラインヘッド112と電気的に接続されている。また駆動回路243は、CPU231より制御可能なように、入出力インタフェース236と電気的に接続されている。
【0052】
またプリンタ1は、前述の駆動モータによる上記プラテンローラ111の駆動を制御可能な駆動回路244を備えている。駆動回路244は、サーマルラインヘッド112によるロール紙Sへの印刷データの印字時において、プラテンローラ111を制御してロール紙Sを送出させることが可能なように、上記駆動モータと電気的に接続されている。また駆動回路244は、CPU231より制御可能なように、入出力インタフェース236と電気的に接続されている。
【0053】
またプリンタ1は、USBコントローラ242を備えている。USBコントローラ242は、上記ターゲット用ソケット109に装着された上記USBケーブル9を介し外部端末400と通信を行うことが可能なように、電圧変換処理及びインピーダンス変換処理を行うためのコントローラデバイスである。そして、USBケーブル9を介して外部端末400より受信した信号をCPU231にて認識可能とするために、又はCPU231より送信された信号をUSBケーブル9を介して外部端末400に送信することが可能なように、USBコントローラ242と入出力インタフェース236とは電気的に接続されている。
【0054】
なお、上記CPU231、SRAM233、FLASH ROM234、EEPRPM235、駆動回路243,244、及びUSBコントローラ242等は、上記制御基板170に設けられている。
【0055】
<外部端末の電気的構成>
次に、外部端末400の電気的構成について説明する。外部端末400は、全体の制御を司るCPU410と、CPU410の起動時において読み出されるBIOSプログラム等が記憶されているROM403と、OSやアプリケーションの実行ファイル等を記憶するハードディスクドライブ(HDD)406と、CPU410によりOSやアプリケーションが実行されている場合において必要となる一時的なデータ等が記憶される揮発性記憶素子であるRAM404等を備えている。そして、CPU410よりROM403、RAM404、及びHDD406に記憶されている情報を参照可能なように、それぞれCPU410とバス409を介して接続した状態となっている。
【0056】
また外部端末400は、表示制御部407を備えている。表示制御部407は、表示データを記憶する表示用RAM(図示せず)を備えており、表示部401に制御信号を送信して表示データを表示させるために、表示部401とビデオケーブルを介して電気的に接続されている。また、表示制御部407は、CPU410からの表示制御が可能なように、バス409と電気的に接続している。
【0057】
また外部端末400は、USBコントローラ408を備えている。USBコントローラ408は、周辺機器がUSBインタフェースを介してCPU410と通信を行うことが可能なように、電圧変換処理及びインピーダンス変換処理を行うためのコントローラデバイスである。図5に示す例では、上記ホスト用ソケット419に装着されたUSBケーブル9を介しプリンタ1がUSBコントローラ408に接続されるとともに、操作部402もUSBコントローラ408に接続された状態となっている。そして、操作部402の操作内容をCPU410にて検出可能なように、また、プリンタ1とCPU410との間で通信が可能なように、USBコントローラ408とバス409とは電気的に接続されている。
【0058】
<プリンタの記憶領域>
次に、プリンタ1が備える記憶素子である上記FLASH ROM234及びSRAM233の記憶領域について、図6及び図7を参照して説明する。
【0059】
図6を参照し、FLASH ROM234の記憶領域について説明する。FLASH ROM234には、制御プログラム領域251が設けられている。制御プログラム領域251には、CPU231が各種デバイスを制御して処理を実行する場合の制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、CPU231が各種処理を実行する場合において、CPU231より読み出される。また、制御プログラム領域251には、アプリケーションプログラム領域252、USBデバイスドライバ領域253、及びその他の領域が設けられている。
【0060】
制御プログラム領域251のうちアプリケーションプログラム領域252には、CPU231が実行する制御プログラムのうち、上位レベルの制御プログラム(ファイル操作(書き込み、読み出し)、ファイルの内容に基づく判断、各種ドライバプログラムへの命令等)が記憶されている。
【0061】
制御プログラム領域251のうちUSBデバイスドライバ領域253には、USBケーブル9を介した通信のプロトコル制御を実行するUSBデバイスドライバが記憶されている。具体的には、USBデバイスドライバとして、マスストレージクラスドライバとプリンタクラスドライバとが記憶されている。これらは、プリンタ1がUSBケーブル9を介して外部端末400と通信を行う場合において、必要に応じていずれかのUSBデバイスドライバがCPU231より読み出され使用される。
【0062】
CPU231により、USBデバイスドライバとしてプリンタクラスドライバが選択され使用される場合には、プリンタ1はパソコンより印刷デバイスとして認識される。これにより、従来の一般的な印刷装置の使用方法と同様に、外部端末400からプリンタ1に対して印刷データを送信することによって、プリンタ1にてロール紙Sに印刷を行うことが可能となる。以下、印刷デバイスとして認識されるような駆動状態を「印刷デバイス状態」という。
【0063】
またCPU231により、USBデバイスドライバとしてマスストレージクラスドライバが選択され使用される場合には、プリンタ1は外部端末400より記憶デバイスとして認識される。これにより、プリンタ1内の特定の記憶領域(FLASH ROM234のディスク領域254、後述)が外部端末400の記憶領域として使用可能となる。以下、記憶デバイスとして認識されるような駆動状態を「記憶デバイス状態」という。なお、本実施形態では、通常、USBケーブル9を介し外部端末400に接続された場合には、プリンタ1は記憶デバイスとして外部端末400に認識され、上記記憶デバイス状態において使用される。
【0064】
またFLASH ROM234には、ディスク領域254(各請求項記載の「リムーバルドライブとして認識可能な記憶領域」に相当)が設けられている。ディスク領域254には、外部端末400よりプリンタ1が記憶デバイスとして認識されている状態において、外部端末400の記憶領域として使用可能なように設定されている。このディスク領域254には、印刷データを印刷するためのファイルであるコマンドファイル(詳細は後述)が少なくとも記憶される。
【0065】
また、FLASH ROM234には、ローカル領域255が設けられている。ローカル領域255は、ディスク領域254のように外部端末400より閲覧することはできないように設定されている。ローカル領域255には、プログラムのパラメータデータ等が記憶される。
【0066】
次に、図7を参照し、SRAM233の記憶領域について説明する。SRAM233には、ロール紙Sに印字を行う場合の印刷データが一時的に記憶される印刷バッファ領域261が設けられている。また、その他の記憶領域が設けられている。
【0067】
<外部端末の記憶領域>
次に、外部端末400が備えるHDD406及びRAM404の記憶領域について説明する。HDD406には、図示しないが、印刷データを編集するためのプログラム(エディタ)の実行ファイルであるエディタ実行ファイルが記憶される。また、RAM404には、図示しないが、エディタによる作成途中の印刷データである編集中データが記憶される。
【0068】
<エディタ>
次に、外部端末400のHDD406に記憶されるエディタ実行ファイルについて説明する。エディタは、プリンタ1が上記印刷デバイス状態にあるときに印刷処理を行う場合に必要な印刷データを作成するためのプログラムであり、外部端末400にて実行可能なプログラムの実行ファイルである。そして、外部端末400にてこのエディタを起動することにより、ユーザは、表示部401に表示されるエディタプログラムに基づいて印刷データを作成することが可能となる。そして、作成された印刷データに基づく印字が、プリンタ1のサーマルラインヘッド112によって形成される。
【0069】
エディタを使用して印刷データを作成する場合には、プリンタ1にて印刷可能なほぼすべての印刷条件を利用することが可能となっている。従って、エディタ実行ファイルは、大きな記憶容量を有する外部端末400のHDD406に記憶される。また、エディタを使用して作成した印刷データは、印刷デバイスとして認識した状態のプリンタ1に対して送信され、プリンタ1にて印刷処理が実行される。従って、プリンタ1に対して印刷データを送信するためには、あらかじめプリンタ1に対して印刷データを転送可能とするためのプリンタドライバがインストールされていなければならない。
【0070】
<データの流れ>
次に、プリンタ1のCPU231が外部端末400と通信を行う場合における、プリンタ1内のデータの流れについて、図8を参照して説明する。
【0071】
図8に示すように、FLASH ROM234は、制御プログラムとしてアプリケーションプログラム256とUSBデバイスドライバ257とを備えている。また、USBデバイスドライバ257として、前述のプリンタクラスドライバ258とマスストレージクラスドライバ259とを備えている。前述したように、USBデバイスドライバ257は、実際にUSBコントローラ242を制御して外部端末400とUSBケーブル9とを介した通信を実行する場合において、事前にCPU231により読み出されて使用される。
【0072】
CPU231は、USBデバイスドライバとしてプリンタクラスドライバ258とマスストレージクラスドライバ259とのいずれかを選択して読み出し、使用することによって、外部端末400とUSBケーブル9を介した通信を実行している。そして、前述したように、CPU231がUSBデバイスドライバ257としてマスストレージクラスドライバ259を選択した場合には、外部端末400はプリンタ1を記憶デバイスとして認識する。これにより、外部端末400がプリンタ1とUSBケーブル9を介して接続した状態で、FLASH ROM234のディスク領域254が外部端末400の記憶領域として使用可能となる(後述の図9参照)。
【0073】
また、CPU231がUSBデバイスドライバ257としてプリンタクラスドライバ258を選択した場合には、外部端末400はプリンタ1を印刷デバイスとして認識する。これにより、外部端末400がプリンタ1とUSBケーブル9を介して接続した状態で、外部端末400よりプリンタ1に対して印刷データを転送し印刷指示を行うことによって、プリンタ1に印刷処理を実行させることが可能な状態となる。
【0074】
そして、選択され読み出されたUSBデバイスドライバに基づいて、USBコントローラ242が制御されることにより、USBケーブル9を介して外部端末400と通信を行うことが可能となる。
【0075】
<本実施形態の特徴>
以上において、本実施形態の特徴は、プリンタ1に固有の形式で作成されたコマンドファイルが記憶デバイス状態にあるプリンタ1の上記ディスク領域254に複写されると、プリンタ1が自ら当該コマンドファイルを解析して印刷を実行することにある。すなわち、外部端末400でプリンタ1に固有の形式のコマンドファイルを作成しておき、記憶デバイスのプリンタ1に貼り付けるのみ、とすることで、どのようなOSを使用する外部端末400からであってもプリンタ1の印刷操作を可能とするのである。以下、その内容の詳細を、図9及び図10を用いて説明する。
【0076】
図9において、外部端末400は、プリンタ1を記憶デバイスとして認識した状態で、操作者により、プリンタ1に固有の形式で、プリンタ1が印刷動作を実行可能なコマンドファイルが作成される。
【0077】
前述のように、上記記憶デバイスとして認識されている場合には、プリンタ1のFLASH ROM234のディスク領域254は、外部端末400の記憶領域として使用可能である。すなわち、上述のようにして生成されたコマンドファイルを、当該ディスク領域254に複写し貼り付けることができる。なお、この例では、コマンドファイルとして、「プリントコマンドファイル1」「プリントコマンドファイル2」の2つが貼り付けられた状態を示している。
【0078】
上記のようにしてディスク領域254にコマンドファイルが貼り付けられると、プリンタ1は、その貼り付けられたコマンドファイルを検出する。その後、検出されたコマンドファイルに対し、プリンタ1が所定の解析を行い、印刷データを取得する。この例では、文字テキスト「ABC」の印刷データと、文字テキスト「CDE」の印刷データと、の2つが取得された状態を示している。
【0079】
その後、プリンタ1は、上記取得された印刷データに基づき、対応する印刷を実行する。この例では、上記2つの印刷データに対応し、ロール紙Sに対し、「ABC」「CDE」が印字形成される。
【0080】
上記のようにして印刷データによる印刷が終了したら、プリンタ1は、USBケーブル9を介したUSB接続を遮断(切断)する。これにより、外部端末400は、キャッシュメモリ内の記憶内容(上述の例では「プリントコマンドファイル1」「プリントコマンドファイル2」)が初期化される。
【0081】
その後、プリンタ1は、上記印刷が終了した印刷データ(この例では、文字テキスト「ABC」の印刷データと、文字テキスト「CDE」の印刷データ)を自ら消去する。
【0082】
<制御手順>
上記の内容を実現するための制御手順を、図10により説明する。 図10において、前述のように、USBケーブル9により外部端末400がプリンタ1に接続されると、外部端末400のCPU410は、プリンタ1を記憶デバイスとして認識する。この状態で、外部端末400を用いて、操作者により、プリンタ1に固有の形式で、プリンタ1が印刷動作を実行可能なコマンドファイルが作成される。具体的には、操作者が、プリンタ1の機種、型式、製造メーカ、等に応じ、適宜のコマンドリファレンスやファイルマネージャ等を参照して操作部402を適宜に操作することで、ステップSC10で、外部端末400のCPU410において上記コマンドファイルが生成される。なお、このステップSC10が、各請求項記載のコマンドファイル生成手段として機能する。
【0083】
その後、ステップSC20に移り、操作者が操作部402を適宜に操作することで、上述のようにしてステップSC10で生成されたコマンドファイルを、CPU410は、上記プリンタ1のFLASH ROM234のディスク領域254に複写し貼り付ける。なお、このステップSC10が、各請求項記載のコマンドファイル複写手段として機能する。
【0084】
一方、上記のようにしてディスク領域254にコマンドファイルが貼り付けられると、プリンタ1のCPU231は、その貼り付けられたコマンドファイルを検出する。これにより、ステップSP10の判定が満たされ、ステップSP20に移る。なお、ステップSP10が各請求項記載のコマンドファイル検出手順を構成するとともに、コマンドファイル検出手段として機能する。
【0085】
ステップSP20では、CPU231は、上記ステップSP10で検出されたコマンドファイルを図示しないオブジェクトバッファに展開して所定の順序に並べた後、その並んだコマンドファイルに対し、所定の解析を行い、印刷データを取得する。取得された印刷データは、上記印刷バッファ領域261に展開される。なお、このステップSP20が、各請求項記載のコマンドファイル解析手順に相当するとともに、コマンドファイル解析手段として機能する。なお、複数のコマンドファイルがある場合に、解析を行う順序は、当該コマンドファイルが貼り付けられた順でもよいし、コマンドファイルの作成日時順でもよいし、コマンドファイルの名称順等でもよい。
【0086】
その後、プリンタ1のCPU231は、上記ステップSP20で取得された印刷データに基づき、ステップSP30で、上述したようにして駆動回路243,244を介してサーマルラインヘッド112及びプラテンローラ111を連携して制御し、対応する印刷を実行する。これにより、上記印刷バッファ領域261に展開されていた当該印刷データに対応した印字がロール紙Sに対して形成される。このようにして印刷データによる印刷が終了したら、ステップSP40に移る。
【0087】
ステップSP40では、プリンタ1のCPU231は、対応するコマンドファイルを消去するにあたり、外部端末400のキャッシュメモリにおける当該コマンドファイルも確実に消去するために、USBケーブル9を介したUSB接続を遮断する。この遮断とは、機械的なものではなく、情報送受信可能な状態である電気的な接続を遮断することであり、例えばソフトウェア的に情報送受のための通信ポートを使用禁止状態とする、等である。なお、このステップSP40が、各請求項記載のUSB切断手段として機能する。このUSB接続の遮断により、ステップSC30において、外部端末400のCPU410は、それまでのディスク領域254におけるリムーバルドライブとしての認識が消失し、キャッシュメモリ内の記憶内容を初期化する。その後CPU410は前述のステップSC10に戻って同様の手順を繰り返す。
【0088】
プリンタ1のCPU231は、上記ステップSP40によるUSB接続の遮断(切断)が終了したら、ステップSP50に移り、上記ステップSP30において印刷処理を行ったコマンドファイルを上記印刷バッファ領域261から消去する。なお、このステップSP50が、各請求項記載の第2コマンドファイル消去手段として機能する。その後、ステップSP55に移る。
【0089】
ステップSP55では、プリンタ1のCPU231は、上記ステップSP40で遮断(切断)したUSBケーブル9を介した外部端末400とのUSB接続をもとの接続状態に戻す(再接続)させる。前述と同様、この再接続とは、機械的なものではなく、情報送受信可能な状態である電気的な接続を復旧することであり、例えばソフトウェア的に情報送受のための通信ポートを再び使用可能状態とする、等である。なお、このステップSP55が、各請求項記載のUSB再接続手段として機能する。このステップSP55が終了したら、前述のステップSP10に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0090】
以上説明したように、本実施形態においては、外部端末400が、プリンタ
1が印刷動作を実行可能なコマンドファイルを当該プリンタ1に固有の形式で生成する(ステップSC10)。そして、生成されたコマンドファイルは、外部端末400のCPU410によってFLASH ROM234の上記ディスク領域254に複写される(ステップSC20)。すると、プリンタ1のCPU231によって上記ディスク領域254のコマンドファイルが検出され、そのコマンドファイルの解析が行われる(ステップSP20)。そして、その解析されたコマンドファイルに対応した印刷データに基づく印刷が実行される。すなわち、プリンタ1に合致させた固有の形式により予め生成された(言い換えればプリンタ1用の言語に変換済みの)コマンドファイルがディスク領域254に書き込まれて解析され、印刷が実行される。これにより、例えばプリンタの記憶領域に記憶させたアプリケーションプログラム(特定のOSに基づく)をホスト装置が起動して印刷データの印刷を行う場合とは異なり、特定のOSに依存することのない自由なシステム構成が可能となる。すなわち、外部端末400がどのようなOSを用いている場合であっても、プリンタ1に合致させた固有の形式で生成した上記コマンドファイルをディスク領域254に書き込むだけで、確実に上記印刷を実行することができる。したがって、当該印刷処理システムLSの汎用性及び信頼性を高めることができるので、ユーザの利便性を向上することができる。また、上記のように、本実施形態では、外部端末400で、操作対象のプリンタ1に対応した形式のコマンドファイルが作成される。これにより、例えば1つの外部端末400が複数のプリンタ1を処理対象とする場合であっても、予め複数のプリンタ1それぞれに対応した形式のコマンドファイルを用意しておけば、それら複数のプリンタ1に対しコマンドファイルの一斉配布が可能となり、各プリンタ1で一斉に印刷することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態では特に、ディスク領域254に1つのコマンドファイルが検出されたときに、当該コマンドファイルについて解析が行われる(ステップSP10及びステップSP20)。これにより、外部端末400によってディスク領域254に新たにコマンドファイルが書き込まれるたびに、自動的にコマンドファイルの解析を実行することができる。
【0092】
また、本実施形態では特に、前述したように、ディスク領域254に複数のコマンドファイルが検出された場合(後述の変形例ではさらに所定の操作がなされた場合)には、各コマンドファイルの作成日時順、若しくは、各コマンドファイルのディスク領域への複写(格納)日時順、若しくは、各コマンドファイルのファイル名称順、に沿って、複数のコマンドファイルを順次解析する。
【0093】
これにより、ディスク領域254に複数のコマンドファイルが書き込まれた(記憶された)状態となったとき(あるいはその後に操作者が所定の操作を行ったとき)、コマンドファイルの作成日時順、格納日時順、ファイル名称順、に沿って円滑かつ確実に順次解析を実行することができる。
【0094】
また、本実施形態では特に、プリンタ1側において印刷動作が完了した後、プリンタ1が外部端末400との接続を切断する(ステップSP40)。これにより、外部端末400のキャッシュメモリが初期化されてコマンドファイルが消去されるので、コマンドファイルの残存(消し残し)を防止することができる(ステップSC30)。そしてその後、プリンタ1が自らの印刷バッファ領域261のコマンドファイルの消去を行う(ステップSP50)。この結果、もし印刷動作が完了した後にプリンタ1側で一方的にコマンドファイルの消去を行うようにした場合に生じうる、外部端末400側でのキャッシュメモリにおけるファイルの残存(消し残し)による記憶内容の非同期や、外部端末400側からのコマンドファイルの再送信等の不具合発生を確実に回避することができる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0096】
(1)プリンタから外部端末にコマンドファイル削除を依頼する場合
図11に、この変形例において、プリンタと外部端末とで実行される制御手順を示す。図11のシーケンスにおいて、図10と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0097】
図11のシーケンスでは、図10においてプリンタ1が実行するステップSP40に代えてステップSP45が設けられると共に、ステップSP55が省略され、また、外部端末400が実行するステップSC30に代えてステップSC40及びステップSC50が設けられている。
【0098】
すなわち、上記ステップSP30において、印刷データに対応した印字がロール紙Sに対して形成されたら、新たに設けたステップSP45に移る。ステップSP45では、プリンタ1のCPU231は、対応するコマンドファイルを消去するにあたり、外部端末400のキャッシュメモリにおける当該コマンドファイルも確実に消去するために、外部端末400のCPU410に対し、USBケーブル9を介して当該コマンドファイルの消去処理依頼(消去指示依頼)を出力する。なお、このステップSP45が、各請求項記載の消去処理依頼手段として機能する。
【0099】
上記消去処理依頼を受信した外部端末400のCPU410は、新たに設けたステップSC40で、当該消去処理依頼に対応したコマンドファイルの消去指示をUSBケーブル9を介してプリンタ1のCPU231へ出力する。
【0100】
上記消去指示を受信したプリンタ1のCPU231は、前述と同様のステップSP50で、上記ステップSP30において印刷処理を行ったコマンドファイルを上記印刷バッファ領域261から消去する。その後CPU231は前述のステップSP10に戻って同様の手順を繰り返す。なお、このステップSP50が、各請求項記載の第1コマンドファイル消去手段として機能する。
【0101】
一方、上記ステップSC40で消去指示を出力した後、外部端末400のCPU410は、新たに設けたステップSC50で、キャッシュメモリ内に記憶している当該コマンドファイルを自ら消去する。その後CPU410は前述のステップSC10に戻って同様の手順を繰り返す。なお、上記ステップSC40とステップSC50とが、各請求項記載の消去処理実行手段として機能する。
【0102】
上記以外の手順は、図10と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0103】
本変形例においては、上記実施形態と同様、仮に印刷動作が完了した後にプリンタ1側で一方的にコマンドファイルの消去を行ったときに生じうる、外部端末400のキャッシュメモリにおけるファイルの残存(消し残し)による記憶内容の非同期や、外部端末400側からのコマンドファイルの再送信等の不具合発生を確実に回避することができる。
【0104】
(2)解析開始のトリガーのバリエーション
以上においては、所定の条件として、プリンタ1のディスク領域254にコマンドファイルが貼り付けられたことを契機に、当該コマンドファイルの解析が開始されたが、これに限られない。すなわち、外部端末400の操作部402を介しての操作者の適宜の操作があったことによって上記解析を開始するようにしてもよい。
【0105】
この場合、外部端末400によってディスク領域254に新たにコマンドファイルが複写された後、操作者の意図に対応した上記操作部402での所定の操作によって、確実にコマンドファイルの解析を実行することができる。
【0106】
(3)ユーティリティ設定に適用する場合
以上においては、プリンタ1で実行する所定の動作として、印刷動作を例にとり印刷を行うためのコマンドファイルについて説明を行ったが、これに限られない。すなわち、プリンタ1が、所定の動作としてのユーティリティ設定を行う場合に適用し、当該ユーティリティ設定を行うためのコマンドファイルを外部端末400で作成し、ディスク領域254に貼り付けるようにしてもよい。この場合、プリンタ1は、上記コマンドファイルを解析することにより、自らの各種ユーティリティ設定を、当該解析されたコマンドファイルに含まれるユーティリティ設定で指定された値に変更する。この場合も、上記同様の効果を得る。また、前述と同様、例えば1つの外部端末400が複数のプリンタ1を処理対象とする場合であっても、予め複数のプリンタ1それぞれに対応した形式のコマンドファイルを用意しておくことで、それら複数のプリンタ1に対しコマンドファイルの一斉配布が可能となる。この結果、外部端末400において例えば管理者が複雑な設定を行うだけで、各プリンタ1の利用者は面倒なドライバやツールのインストールを行わなくても、各プリンタ1のユーティリティ設定(環境設定を含む)を一斉に変更し統一することが可能となる。
【0107】
(4)その他
また、以上においては、本発明の適用対象の電子機器として、バッテリ電源によりロール紙Sに対し所望の印字を行うプリンタ1において、印刷を行うためのコマンドファイル、及び、ユーティリティ設定を行うためのコマンドファイルを与える場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、プリンタとして、例えばA4、A3、B4、B5サイズ等の通常の被印刷用紙に画像を形成したり文字を印刷する通常のプリンタや、被印字テープに所望の印刷を行って印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置、に対し、本発明の手法を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。また、本発明の適用対象となる電子機器は上記のようなプリンタにも限られず、他の電子機器、例えば所定の読み取り対象に形成された画像対して光学的な読み取りを行う、読み取り装置(いわゆるスキャナ)に対し、ユーティリティ設定を行うためのコマンドファイルを与える場合に本発明を適用してもよい。この場合も、上記同様の効果を得る。
【0108】
なお、以上において、図5、図8に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0109】
また、図10、図11に示すシーケンスは本発明を当該シーケンスに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0110】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0111】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0112】
1 プリンタ(電子機器)
234 FLASH ROM(メモリ)
254 ディスク領域(記憶領域)
400 外部端末(ホスト装置)
LS 印刷処理システム(電子機器システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBポートを備えた電子機器であって、
前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、
前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手段と、
前記コマンドファイル検出手段で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手段と、
を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
前記コマンドファイル解析手段は、
前記所定の条件として、前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に1つの前記コマンドファイルが検出されたときに、当該1つのコマンドファイルについて前記解析を行う
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1記載の電子機器において、
前記コマンドファイル解析手段は、
前記所定の条件として、前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に前記少なくとも1つのコマンドファイルが検出された状態で、操作手段を用いて所定の操作が行われたときに、前記解析を行う
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3記載の電子機器において、
前記コマンドファイル解析手段は、
前記コマンドファイル検出手段により前記記憶領域に複数の前記コマンドファイルが検出された状態で前記所定の操作が行われた場合には、各コマンドファイルの作成日時順、若しくは、各コマンドファイルの前記記憶領域への格納日時順、若しくは、各コマンドファイルのファイル名称順、に沿って、前記複数のコマンドファイルを順次解析する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子機器において、
前記所定の動作の実行が完了した後、前記ホスト装置に対し、対応する前記コマンドファイルの消去処理を依頼する消去処理依頼手段と、
前記消去処理依頼手段からの前記消去処理の依頼に対応して前記ホスト装置から出力された前記コマンドファイルの消去指示信号に応じて、対応する前記コマンドファイルの消去を行う第1コマンドファイル消去手段と、
を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子機器において、
前記所定の動作の実行が完了した後、前記USBポートを介した前記ホスト装置との接続を切断するUSB切断手段と、
前記接続切断手段による接続の切断後、前記所定の動作に対応する前記コマンドファイルの消去を行う第2コマンドファイル消去手段と、
前記第2コマンドファイル消去手段による前記コマンドファイルの消去が完了した後、前記USBポートを介した前記ホスト装置との再接続を行うUSB再接続手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電子機器において、
印刷データに基づき、前記所定の動作としての印刷を実行するプリンタである
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
USBポートと、前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、を有する電子機器に備えられた演算手段に対し、
前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手順と、
前記コマンドファイル検出手順で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手順と、
を実行させるための、電子機器のファイル処理プログラム。
【請求項9】
USBポートと、前記USBポートに接続されたホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリと、を有する電子機器が実行する電子機器のファイル処理方法であって、
前記ホスト装置により前記電子機器に固有の形式で作成された後、当該ホスト装置により前記リムーバブルドライブとして認識された前記記憶領域に書き込まれた、当該電子機器が所定の動作を実行するための少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手順と、
前記コマンドファイル検出手順で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手順と、
を有することを特徴とする電子機器のファイル処理方法。
【請求項10】
ホスト装置と、
USBポート、及び、前記USBポートに接続された前記ホスト装置がリムーバブルドライブとして認識可能な記憶領域を有するメモリを有する電子機器と、
を有する電子機器システムであって、
前記ホスト装置は、
前記電子機器が所定の動作を実行可能な、当該電子機器固有の形式のコマンドファイルを生成するコマンドファイル生成手段と、
前記コマンドファイル生成手段により生成された少なくとも1つの前記コマンドファイルを、前記リムーバブルファイルドライブとして認識した前記記憶領域に書き込むコマンドファイル複写手段と、
を有し、
前記電子機器は、
前記コマンドファイル複写手段により前記記憶領域に書き込まれた前記少なくとも1つのコマンドファイルを検出するコマンドファイル検出手段と、
前記コマンドファイル検出手段で検出された前記少なくとも1つのコマンドファイルを、所定の条件が満たされたことを契機に、対応する前記所定の動作を実行するために解析する、コマンドファイル解析手段と、
を有する
ことを特徴とする電子機器システム。
【請求項11】
請求項10記載の電子機器システムにおいて、
前記電子機器は、
前記所定の動作の実行が完了した後、前記ホスト装置に対し、対応する前記コマンドファイルの消去処理を依頼する消去処理依頼手段を有し、
前記ホスト装置は、
前記消去処理依頼手段からの前記消去処理の依頼に対応した前記コマンドファイルの消去指示信号を前記電子機器に出力すると共に、キャッシュメモリ中における当該コマンドファイルに対応するファイルの消去を行う消去処理実行手段を有し、
前記電子機器は、さらに、
前記消去処理実行手段からの前記消去指示信号に応じて、対応する前記コマンドファイルの消去を行う第1コマンドファイル消去手段を有する
ことを特徴とする電子機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97499(P2013−97499A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238449(P2011−238449)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】