電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および記録媒体
【課題】異物の挟み込み等による破損を未然に防止する。
【解決手段】電子機器1は、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉判定部101と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向判定部104と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警告制御部107とを備えている。
【解決手段】電子機器1は、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉判定部101と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向判定部104と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警告制御部107とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の異常な状態を検知する技術に関し、より詳細には、折り畳み型電子機器に異物が挟み込まれるなどによって、破損をもたらす可能性がある状態を検知し、警報を発する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子辞書などの折り畳み型電子機器において、キャビネットやフレームの強度を増やし、蓋を閉じた状態で外圧から画面を保護するなどの工夫が行われていた。また、近年、折り畳み型電子機器は、開閉を容易にするために、開閉レバーなどのロック機構を設けていないことが多い。それは、物理的に開閉を抑制する手段を設けると、使用性を損なう要因となるためである。
【0003】
そのため、閉じ忘れなどによって、電子機器に異物が挟み込まれると、または、先端のとがったものによって突き刺されると、キャビネットやフレームの強度を増やしても、破損するおそれがある。例えば、通学中に、電子機器が開いたままで鞄の中に入れた場合、その電子機器が鉛筆などを挟み込んで、外圧により画面が破損されるおそれがある。よって、電子機器が破損される可能性がある状態を検知し、警報を発することで、ユーザに注意を促し、画面の破損を未然に防止する技術が望まれる。
【0004】
従来、異物の挟み込み、外圧、電源ON状態での折り畳み、置き忘れなどの不都合が生じるときに、警報を発する技術が、例えば、以下の特許文献1〜6に開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の折り畳み型端末装置は、異物の挟み込みによって生じる不都合を防止するために、自装置が折り畳まれようとしていることを検出しており、かつ、折り畳まれているときに操作されるべきでないキー操作部の操作キーが押下操作されていることを検出したときには、警告音などにより使用者に通知する。
【0006】
また、特許文献2〜4に記載の携帯電話機または携帯端末装置は、外圧による画面の破損を防止するために、外圧が加わったことを検出したとき、警報を出力させる。
【0007】
また、特許文献5に記載の電子機器は、表示部における表示がOFF状態になっているとき、誤って電源ON状態で機器本体を折り畳んでしまうことを防止するために、機器本体が開状態から閉状態に切り換わったと判断し、かつ、表示部における表示がOFF状態となっていると判断した場合には、警告音を発生させる。
【0008】
さらに、特許文献6に記載の2つの筐体を有する開閉自在に構成される携帯端末装置は、置き忘れを防止するために、通信を行っていない、かつ、キー入力部が操作されていない、かつ、上記2つの筐体の一方が物体を感知し、他方が物体を感知していない状態が所定時間以上継続したときに、警告を発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−37655号公報(2003年2月7公開)
【特許文献2】特開2001−54155号公報(2001年2月23日公開)
【特許文献3】特開2010−250468号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献4】特開2003−188962号公報(2003年7月4日公開)
【特許文献5】特開2002−171313号公報(2002年6月14日公開)
【特許文献6】特開2005−84767号公報(2005年3月31日公開)
【特許文献7】特開2010−171617号公報(2010年8月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示された端末装置は、異物の挟み込みを検出して、警報を発するものであって、異物が挟み込まれる前に、異物を挟み込む可能性があるときに、警報を発することができない。すなわち、端末装置の破損につながるような異物の挟み込みを未然に防止することができない。言い換えると、上記端末装置において、異物の挟み込みを検出したときには、異物の挟み込みにより端末装置が既に破損されている可能性があり、そのときに警報を発しても既に手遅れである場合があった。
【0011】
また、特許文献2〜4に開示された技術は、外圧が加わったことを検出したとき、警報を発するものである。よって、特に異物が挟み込まれている場合には、外圧が加わったときに、画面が既に破損されてしまう可能性があり、特許文献1と同様に、画面破損の可能性があるときに、警報を発することができない。すなわち、画面の破損につながるような外圧を未然に防止することができない。
【0012】
また、特許文献5および6に開示された技術は、誤って電源ON状態で機器本体を折り畳んでしまうことや、置き忘れを防止するために、警報を発するものであって、機器本体の破損の可能性があるときに、警報を発して、ユーザに注意を促すことができない。すなわち、機器本体の破損につながるような異物の挟み込みや外圧を未然に防止することができない。
【0013】
このように、従来技術では、警報を発するときに、既に破損が発生されるおそれがあるため、警報を発することが手遅れになっている問題があった。
【0014】
つまり、従来技術では、異物の挟み込みや、外圧を検出できるが、異物の挟み込みなどにより破損が発生されるおそれがある状態を検知し、異物が挟み込まれる前、および、外圧が加わる前に、警報を発し、ユーザに注意を促すことができない。すなわち、従来技術では、電子機器の破損を未然に防止することができない。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物の挟み込み等による破損を未然に防止することが可能な電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器の制御方法は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップとを含むことを特徴としている。
【0018】
ここで、正常範囲とは、ユーザが電子機器を通常に使用している際に電子機器が向き得る方向の範囲を示すものである。そして、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ姿勢が正常範囲内にないとき、異物の挟み込みや、先端のとがったものによって突き刺されることなどが発生しやすくなる。すなわち、そのような状況では、電子機器が破損するおそれがある。なお、以下では、電子機器の破損につながる状態を異常な状態と称する場合がある。
【0019】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ姿勢が正常範囲内にないとき、すなわち、電子機器が異常な状態にあるとき、警報を発することによりその旨をユーザに通知することができる。
【0020】
電子機器が異常な状態にあるとき、警報を発することにより、ユーザは、電子機器が異常な状態にあることを知ることができるので、当該電子機器が挟み込まれた異物や、先端のとがったものによって傷付いたり、破損したりするなどが生じる前に、適切な対応を取ることができる。
【0021】
つまり、上記の構成によれば、電子機器が異常な状態にあることを、警報を発することによって、ユーザに通知することができるという効果を奏する。よって、電子機器の破損を未然に防止することが可能という効果を奏する。
【0022】
また、上記電子機器は、自機器の周辺の照度を検出する照度検出手段をさらに備え、上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、上記照度検出手段によって検出された自機器の周辺の照度に応じて、異なる警報を発することが好ましい。
【0023】
電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、電子機器の周辺の環境が明るい場合には、電子機器は通常の姿勢ではないが、ユーザによって使用されている、すなわち、不安全な状態で使用されていると推測できる。一方、電子機器の周辺の環境が暗い場合には、電子機器が鞄の中などに入っており、使用されていないと推測できる。よって、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないときには、さらに、電子機器の周辺の明暗に応じた警報を発することが望まれる。
【0024】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、電子機器の周辺の照度を検出して、当該照度によって、電子機器の使用状況に応じた適切な警報を発することができるという効果を奏する。
【0025】
また、上記電子機器は、自機器が振動しているか否かを検出する振動検出手段をさらに備え、上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、自機器の周辺の照度が暗であり、かつ、自機器が振動しているとき、警報を発することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、電子機器の周辺の環境が暗く、かつ、電子機器が振動しているときに、警報を発することができる。ここで、電子機器が振動しているときは、移動中にあることが多いので、電子機器が折り畳まれた状態になく、電子機器の周辺の環境が暗く、かつ、電子機器が振動しているときは、電子機器の姿勢が正常範囲内にあっても、鞄の中などに入っており、例えば、電車中などによって移動中であると推測できる。よって、このような状態を検出することで、警報を発する精度を向上することができるという効果を奏する。
【0027】
また、上記電子機器は、上記正常範囲をユーザが設定するための設定手段を備えていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、上記正常範囲がユーザによって設定することができるので、ユーザは、電子機器を使用する際、自分なりの電子機器のさまざまな使用姿勢をそれぞれ設定することができる。よって、警報を発する精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0029】
また、上記警報手段は、電源がオンかオフかに応じて、異なる警報を発することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、電源がオンかオフかに応じて、適切な警報を発することができるという効果を奏する。例えば、図10に示すように、電源がオンかオフかに応じて、異なるメッセージを表示させるとともに、異なる警告音を発することができる。
【0031】
なお、上記電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器の各手段として動作させることにより、上記電子機器をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明に係る電子機器は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段とを備えている構成である。
【0033】
また、本発明に係る電子機器の制御方法は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップとを含む構成である。
【0034】
したがって、電子機器が異常な状態にあることを、警報を発することによって、ユーザに通知することができるという効果を奏する。よって、電子機器の破損を未然に防止することが可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、当該実施形態に係る電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、上記電子機器において、破損をもたらす原因の一例を示す図であり、(b)は、上記電子機器において、破損を未然に防止するための処理概要の一例を示す図である。
【図3】上記電子機器が、開閉検出部、照度検出部、振動検出部、および方向検出部を設けている例を示す図である。
【図4】上記実施形態に係る開閉検出部、方向検出部、照度検出部、および振動検出部のそれぞれの処理概要を示す図である。
【図5】上記電子機器が正常に使われる場合、考えられる方向をユーザに選択させる画面の一例を示す図である。
【図6】上記実施形態に係る機器状態判定テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】上記電子機器における不安全の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【図9】上記電子機器における危険の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【図10】上記電子機器が警報を発する例を示す図であり、(a)は、不安全の警報を発する例を示す図であり、(b)は、危険の警報を発する例を示す図である。
【図11】本発明の一変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明のさらに他の変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】(a)は3軸加速度センサーの一例を示す図であり、(b)は、上記実施形態および上記変形例に係る電子機器の一方の筐体に3軸加速度センサーが搭載される例を示す図である。
【図15】上記実施形態および上記変形例に係る電子機器において、方向状態を判定する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔実施形態〕
本発明の一実施形態に係る電子機器1について、図1から図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0037】
(1.電子機器の処理概要)
本実施形態に係る電子機器1は、破損を未然に防止することを目的としているので、ここではまず、上記破損をもたらす原因、および、上記破損を防止するための処理概要について、図2に基づいて説明する。図2の(a)は、電子機器1において、破損をもたらす原因の一例を示す図であり、図2の(b)は、電子機器1において、破損を未然に防止するための処理概要の一例を示す図である。
【0038】
図2の(a)に示す例は、電子機器1が、左図に示された正常な状態から、右図に示された異常な状態に変えて、鞄などに収納された場合を示す。すなわち、右図のように、電子機器1の折り畳み可能に連結された2つの筐体の間、具体的には、表示部100と操作部60との間に鉛筆等の異物が挟まった状態で外圧が加わると、表示部100が破損されるおそれがある。
【0039】
そして、上記表示部100の割れを未然に防止するために、図2の(b)に示すように、電子機器1は、表示部100の割れにつながる状態(「異常な状態」とも言う)を検出して、警告音を発するとともに、正常な状態での収納をユーザに促す(図10を参照、詳細は後述する)情報を表示部100に表示させる。よって、電子機器1の表示部100の割れを未然に防止することが可能になる。
【0040】
ここで、異常な状態とは、表示部100の割れにつながる、異物の挟み込みの可能性が高い状態を言う。すなわち、電子機器1が開いて、かつ方向が通常使用時の方向と異なる状態等である。一方、正常な状態とは、異物の挟み込みの可能性が低い状態を言う。機器の状態を検出することについては、詳細は後述する。
【0041】
(2.電子機器の構成)
以下では、電子機器1の要部構成について、図1に基づいて説明する。
【0042】
図1は、電子機器1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子機器1は、制御部10、開閉検出部20(開閉検出手段)、照度検出部30(照度検出手段)、振動検出部40(振動検出手段)、方向検出部50(方向検出手段)、操作部60、タイマ70、電源スイッチ80、音声出力部90、表示部100、記憶部200を備えている。
【0043】
(2.1.検出部)
開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50は、電子機器1に内蔵されており、これらの検出部(20、30、40、50)により電子機器1の開閉、照度、振動および方向を検出する。図3は、電子機器1が、開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50を設けている例を示す図である。
【0044】
これらの検出部(20、30、40、50)の詳細については、図4に基づいて説明する。図4の(a)〜(d)は、それぞれ、開閉検出部20、方向検出部50、照度検出部30、および振動検出部40の処理概要を示す図である。
【0045】
図4の(a)に示すように、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する。開閉検出部20の検出結果は後述の開閉検出部101に送信される。開閉検出部20は、例えば、スイッチ、MRセンサーなどによって実現されている。
【0046】
また、図4の(b)に示すように、方向検出部50は、電子機器1が使用される方向を検出する。方向検出部50の検出結果は後述の方向判定部104に送信される。方向検出部50は、例えば、3軸加速度センサー、6軸センサーなどによって実現されている。
【0047】
また、図4の(c)に示すように、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度(明るさ)を検出する。照度検出部30の検出結果は後述の照度判定部102に送信される。照度検出部30は、例えば、照度センサー、輝度センサーなどによって実現されている。
【0048】
次に、照度検出部30が照度を検出する方法について説明する。以下では、照度検出部30は、照度センサーによって実現された例について説明する。照度センサーはフォトダイオード、電流電圧変換回路、A/Dコンバータ、制御ロジック回路及びインタフェース回路などで構成されている。照度センサーは、フォトダイオードによって検出された光束の量(照度、単位:ルクス(lx))を、後述の照度判定部102に送信する。なお、照度検出部30が照度を検出する方法については、特に限定されず、例えば、特許文献7に記載の折り畳み式電子機器の照度検出方法を利用してもよい。
【0049】
また、図4の(d)に示すように、振動検出部40は、電子機器1に加わる振動を検出する。振動検出部40の検出結果は後述の振動判定部103に送信される。振動検出部40は、例えば、6軸センサーなどによって実現されている。
【0050】
(2.2.制御部)
制御部10は、電子機器1の機能を統括して制御するものであり、開閉判定部101(開閉検出手段)、照度判定部102(照度検出手段)、振動判定部103(振動検出手段)、方向判定部104(方向検出手段)、正常方向受付部105(設定手段)、機器状態判定部106、警告制御部107(警報手段)を含む。
【0051】
開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された電子機器1の開閉に基づいて、「開」または「閉」の開閉状態を判定する。例えば、開閉判定部101が「閉」と判定した場合、電子機器1は安全に収納された状態にあると推測できる。
【0052】
照度判定部102は、照度検出部30によって検出された電子機器1周囲の照度に基づいて、照度状態を判定する。具体的には、予め照度の閾値を設けており、照度判定部102は、照度検出部30によって検出された照度が上記閾値以上の場合には、「明」と判定し、一方、照度検出部30によって検出された照度が上記閾値未満の場合には、「暗」と判定する。例えば、照度判定部10が「暗」と判定した場合、電子機器1は鞄などに収納された状態または暗所で使用されている状態にあると推測できる。
【0053】
上記閾値については、本実施形態では、鞄の中等の暗所が異常な状態と想定しているため、暗所と判断する光束の量、すなわち照度(単位:ルクス(lx))を予め閾値として決めることが好ましい。例えば、一般家庭内の照明環境では50〜400(lx)であるため、数ルクス(0〜5)程度の場合には、「暗」と判定すればよい。
【0054】
振動判定部103は、振動検出部40によって電子機器1に加わった振動が検出されたか否かに基づいて、振動状態を判定する。具体的には、振動判定部103は、振動検出部40によって振動が検出された場合には、「振動あり」と判定し、一方、振動検出部40によって振動が検出されていない場合には、「振動なし」と判定する。例えば、振動判定部103が「振動あり」と判定した場合、電子機器1は移動中の状態にあること推測できる。
【0055】
方向判定部104は、方向検出部50が検出した電子機器1の方向と、記憶部200の正常方向格納部204(後述)に格納されている正常な方向とを比較して、方向状態を判定する。具体的には、方向判定部104は、方向検出部50によって検出された方向が正常な方向の許容範囲にある場合には、「正常方向」と判定し、一方、方向検出部50によって検出された方向が正常な方向の許容範囲にない場合には、「異常方向」と判定する。例えば、方向判定部104が「異常方向」と判定した場合、使用されていない状態(鞄などに収納されている状態)にあると推測できる。なお、方向の定義、具体的な検出方法、および正常な方向の許容範囲などについては、後述する。
【0056】
そして、必要に応じて、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果(開閉状態、照度状態、振動状態、方向状態)を記憶部200の判定結果格納部201(後述)に格納する。
【0057】
正常方向受付部105は、ユーザが操作部60(後述)によって入力された正常な方向を受け付ける。図5は、電子機器1が正常に使われる場合に考えられる電子機器1の方向をユーザに選択させる画面の一例を示す図である。正常方向受付部105は、表示部100において、図5に示すように、使用する可能性のある使用形態をユーザにチェックしてもらう。そして、正常方向受付部105は、ユーザによってチェックされた使用形態を示す方向の定義を、正常な方向として受け付ける。例えば、ユーザが、左図をチェックした場合には、左図に示す方向の定義を正常な方向として受け付ける。また、右図をチェックした場合には、右図に示す方向の定義を正常な方向として追加で受け付ける。なお、正常な方向は少なくとも1つ設定されていればよいため、図5のチェックは左図および右図のどちらか一方であってもよいし、両方であってもよい。さらに、方向の定義については、後述する。
【0058】
ここで、ユーザが使用する可能性のある使用形態を選択したとき、当該選択された使用形態に対応する正常な方向が正常方向受付部105に入力される。そして、正常方向受付部105は、上記受け付けた正常な方向を記憶部200の正常方向格納部204(後述)に格納する。
【0059】
機器状態判定部106は、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果に基づいて、後述の機器状態判定テーブル202(図6を参照)を参照して、機器状態(例えば、図6の「機器状態」欄に記載の「安全」、「使用中」、「使用中(不安全)」、「危険」など)を判定する。また、上記判定された機器状態を記憶部200の前回機器状態格納部203(後述)に格納する。
【0060】
警告制御部107は、後述の音声出力部90および表示部100を制御して、警報を発する。
【0061】
具体的には、警告制御部107は、電源状態判定部108、音声出力制御部109、表示制御部110を含む。電源状態判定部108は、電源スイッチ80(後述)により、電源ON/OFF状態を判定する。そして、上記判定された電源ON/OFF状態を記憶部200の電源初期状態格納部205(後述)に格納する。
【0062】
音声出力制御部109は、音声出力部90に音声を出力させるように制御する。また、表示制御部110は、表示部100に文字、映像などを表示させるように制御する。
【0063】
警告制御部107は、電源状態判定部108が判定された電源ON/OFF状態、および機器状態判定部106が判定された機器状態に応じて、警報をどのように発するかを示す警報パターン(図10を参照、詳細は後述する)を決める。そして、警告制御部107の音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、上記決められた警報パターンに基づいて、警報を発する。
【0064】
(2.3.記憶部)
記憶部200は、電子機器1で使用する各種データを格納するものであり、判定結果格納部201、前回機器状態格納部203、正常方向格納部204、電源初期状態格納部205を含み、機器状態判定テーブル202が格納されている。
【0065】
判定結果格納部201は、開閉判定部101、照度判定部102、振動判定部103、および方向判定部104の判定結果が格納されている。
【0066】
前回機器状態格納部203は、前回において、機器状態判定部106によって判定された機器状態が格納されている。
【0067】
正常方向格納部204は、正常方向受付部105によって受け付けられた正常な方向が格納されている。
【0068】
電源初期状態格納部205は、電源状態判定部108によって判定された電源ON/OFF状態が格納されている。
【0069】
また、機器状態判定テーブル202は、機器状態判定部106が機器状態を判定するために使われる。機器状態判定テーブル202の詳細については、図6に基づいて説明する。図6は、機器状態判定テーブル202の一例を示す図である。
【0070】
図6に示すように、機器状態判定テーブル202には、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果としての「振動」、「方向」、「照度」、「開閉」と、機器状態判定部106が判定する機器状態としての「機器状態」とが対応付けられて格納されている。具体的には、例えば、上記判定結果としては、「開閉」、「照度」、「方向」、「振動」のそれぞれが、「開、暗、正常、あり」である場合には、機器状態が「危険」と判断することができる。
【0071】
(2.4.その他)
操作部60は、ユーザの操作を受け付けるものである。例えば、キーボードなどによって実現されている。
【0072】
タイマ70は、時間を計測するものであり、警告制御部107が警告を制御する際、警告の時間を計測するために使われる。
【0073】
電源スイッチ80は、ユーザの操作によって、電源をON/OFFに切り換えるものであり、電源状態判定部108が電源ON/OFF状態を判定するために使われる。
【0074】
また、音声出力部90は、音声を出力するものであり、表示部100は映像を表示するものである。表示部100は、例えば、LCD、タッチパネルによって実現されている。
【0075】
(3.処理の流れ)
(3.1.メイン処理)
以下では、電子機器1において、異常な状態を検知し、警報を発する処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、電子機器1において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
ここで、異常な状態とは、電子機器1の破損につながる状態であり、警報を発することが望まれる状態である。上記異常な状態としては、例えば、機器状態判定テーブル202の「機器状態」欄に示された「使用中(不安全)」および「危険」の状態である。
【0077】
なお、以下の処理を行う前に、正常方向格納部204には、既に、正常な方向が格納されているものとする。上記正常な方向は、正常方向受付部105が操作部60を介してユーザから受け付けたものであってもよいし、工場出荷時に予め格納されたものであってもよい。
【0078】
図7に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S101)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S102)。
【0079】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S102でNO)、他の検出部(30、40、50)の処理を省略し、終了する。他の検出部(30、40、50)の処理を省略する理由は、以下のとおりである。すなわち、記憶部200の機器状態判定テーブル202を参照すると、「開閉」欄には「閉」と記載された場合に「機器状態」欄がすべて「安全」の状態である。すなわち、電子機器1の開閉状態が「閉」である場合には、警報を発する必要がないため、それ以降の処理が不要である。このように、他の検出部(30、40、50)の処理を省略することによって、消費電力を最小限に抑えることができるとともに、処理時間を減少することができるという効果を奏する。
【0080】
一方、開閉判定部101は、「開」状態と判定した場合には(S102でYES)、当該開閉状態(「開」状態)を判定結果格納部201に格納する(S103)。
【0081】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S104)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定する。具体的には、予め明暗の基準となる閾値が決められており、照度判定部102は、上記検出された照度が当該閾値以上であれば、「明」と判定し、当該閾値未満であれば、「暗」と判定する。そして、照度判定部102は、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S105)。
【0082】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S106)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、上記方向検出部50によって検出された方向が、上記読み取った正常な方向の許容範囲にあるか否かを判断して、方向状態を判定する。具体的には、方向判定部104は、上記検出された方向が上記読み取った正常な方向の許容範囲にあると判断した場合には、「正常方向」と判定し、正常な方向の許容範囲にないと判断した場合には、「異常方向」と判定する。また、上記正常な方向の許容範囲は、1個に限らず、複数でもよい。そして、方向判定部104は、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S107)。
【0083】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S108)。
【0084】
機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S108でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。なお、ここで、機器状態(使用中(不安全))が既に判定されたため、残りの振動検出部40の処理を省略する。振動検出部40の処理を省略することによって、消費電力を最小限に抑えることができるとともに、処理時間を減少することができるという効果を奏する。
【0085】
そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態(デフォルト値は「安全」)を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S109)。
【0086】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S109でYES)、不安全の警報を発する(S110)。なお、不安全の警報を発する処理の詳細については、後述する。
【0087】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S109でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0088】
なお、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S108でNO)、振動検出部40は、電子機器1に加わった振動があるか否かを検出する(S111)。そして、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出したか否かに基づいて、振動状態を判定する。具体的には、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出した場合には、「振動あり」と判定し、上記振動検出部40が振動を検出していない場合には、「振動なし」と判定する。そして、振動判定部103が判定された上記振動状態を判定結果格納部201に格納する(S112)。
【0089】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態、振動状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S113)。
【0090】
機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S113でYES)、機器状態として「危険」を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S114)。
【0091】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S114でYES)、危険の警報を発する(S115)。なお、危険の警報を発する処理の詳細については、後述する。
【0092】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S114でNO)、または、機器状態判定部106は機器状態が「危険」ではないと判断した場合には(S113でNO)、警報を発する必要がないため、処理を終了する。
【0093】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0094】
(3.2.不安全の警報を発する処理)
次に、図7のS110で説明した不安全の警報を発する処理について、図8に基づいて説明する。図8は、電子機器1における不安全の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【0095】
図8に示すように、まず、警告制御部107の電源状態判定部108は、電源スイッチ80によって、電源ON/OFF状態を判定し、当該電源ON/OFF状態を電源初期状態格納部205に格納する(S201)。
【0096】
そして、電源状態判定部108は、上記電源ON/OFF状態が電源ON状態であるか否かを判断する(S202)。電源状態判定部108が電源ON状態と判断した場合には(S202でYES)、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源ON時用の不安全の警報を発する(S203)。具体的には、音声出力制御部109は、音声出力部90を制御して、警告音を出力させるとともに、表示制御部110は、表示部100を制御して、警告の詳細(警告表示)を表示させる。
【0097】
ここでは、まず、図10に基づいて、電子機器1が警報を発する例(警報パターン)について説明する。図10は、電子機器1が警報を発する例を示す図である。図10の(a)は、不安全の警報を発する例を示す図であり、図10の(b)は、危険の警報を発する(後述)例を示す図である。
【0098】
電子機器1が不安全な状態にある場合には、電子機器1が使用中の可能性が高い。よって、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する際、小さな警告音を発するとともに、警告表示を短時間(ここでは、1秒程度)で表示する。
【0099】
ここで、電源ON時用の不安全の警報を発する際、例えば、図10の(a)の右図に示すように、「ピ」という短い警告音を発生するとともに、表示部100に「機器を正常な向きで使用してください」というメッセージを表示する。
【0100】
また、電源OFF時用の不安全の警報を発する際、例えば、図10の(a)の左図に示すように、「ピー」という電源ON時より少しだけ長い警告音を発生するとともに、表示部100に「使用しないときは蓋を閉じてください」というメッセージを表示する。
【0101】
また、電子機器1が危険な状態にある場合には、電子機器1が使用されていない可能性が高い。よって、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する際、大きな警告音を発するととも、警告表示を長期間(ここでは、10秒程度)で表示する。
【0102】
電源ON時用の危険の警報を発する際、例えば、図10の(b)の右図に示すように、「ピー、ピー、ピー」という断続の警告音を発生するとともに、表示部100に「機器を正常な向きで使用してください」というメッセージを表示する。
【0103】
また、電源OFF時用の危険の警報を発する際、例えば、図10の(b)の左図に示すように、「ピーーーーーー」という連続の警告音を発生するとともに、表示部100に「使用しないときは蓋を閉じてください」というメッセージを表示する。
【0104】
以上のように、電源のON/OFF状態および機器状態に応じて、4つの警報パターンで警報を発する。
【0105】
次に、図8の戻り、電源状態判定部108は、電源OFF状態と判断した場合には(S202でNO)、電源スイッチ80を制御して、電源をONにする(S206)。そして、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源OFF時用の不安全の警報を発する(S207)。
【0106】
そして、警告制御部107は、タイマ70によって計測された警告時間を取得して、所定時間(1秒)を経過したか否かを判断する(S204)。
【0107】
警告制御部107は、所定時間を経過していないと判断した場合には(S204でNO)、繰り返し規定時間を経過したか否かを判断する(S204)。一方、警告制御部107が所定時間を経過したと判断した場合には(S204でYES)、音声出力部制御部109は、音声出力部90を制御して、警告音の出力を停止させるとともに、表示制御部110は、表示部100を制御して、警告表示を終了させる(S205)。
【0108】
次に、警告制御部107は、電源初期状態格納部205から、初期の電源ON/OFF状態を取得して、電源「OFF」状態であるか否かを判断する(S208)。警告制御部107は、初期の電源ON/OFF状態が「OFF」状態であると判断した場合には(S208でYES)。電源を初期の状態(「OFF」状態)にさせ(S209)、不安全の警報を発する処理を終了する。一方、警告制御部107は、初期の電源ON/OFF状態が「ON」状態であると判断した場合には(S208でNO)、そのまま処理を終了する。
【0109】
(3.3.危険の警報を発する処理)
次に、図7のS115で説明した危険の警報を発する処理について、図9に基づいて説明する。図9は、電子機器1における危険の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、電子機器1における危険の警報を発する処理が、図8において説明した不安全の警報を発する処理との相違点を中心に説明する。特に説明していない構成については、不安全の警報を発する処理と共通である。
【0110】
図9に示すように、まず、警告制御部107の電源状態判定部108は、電源スイッチ80によって、電源ON/OFF状態を判定し、当該電源ON/OFF状態を電源初期状態格納部205に格納する(S301)。
【0111】
そして、電源状態判定部108は、上記電源ON/OFF状態が電源ON状態であるか否かを判断する(S302)。電源状態判定部108が電源ON状態と判断した場合には(S302でYES)、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源ON時用の危険の警報を発する(S303)。
【0112】
一方、電源状態判定部108は、電源OFF状態と判断した場合には(S302でNO)、電源スイッチ80を制御して、電源をONにする(S306)。そして、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源OFF時用の危険の警報を発する(S307)。
【0113】
そして、警告制御部107は、タイマ70によって計測された警告時間を取得して、所定時間(10秒)を経過したか否かを判断する(S304)。
【0114】
なお、それ以降の処理は、すべて図8で説明した不安全の警報を発する処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0115】
〔変形例1〕
上記実施形態では、開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50の4つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発する例について説明したが、それに限らず、開閉検出部20、照度検出部30、および方向検出部50の3つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発してもよい。その場合には、電子機器1は、図1に示された振動検出部40、振動判定部103を備えなくてもよい。また、図6に示す機器状態判定テーブル202を参照するとき、「振動」欄を無視する。さらに、機器状態判定テーブル202において、「方向」、「照度」、「開閉」欄にそれぞれ「正常、暗、開」が記載されている機器状態を「使用中(暗所)」として判断する。
【0116】
以下では、開閉検出部部20、照度検出部30、および方向検出部50を利用して、機器状態を判定して、警報を発する処理について、図11に基づいて詳細に説明する。
【0117】
図11は、電子機器1において、警報を発する処理の他の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S501)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S502)。
【0118】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S502でNO)、他の検出部(30、50)による処理を省略し、終了する。一方、開閉判定部101は、「開」状態と判定した場合には(S502でYES)、当該開閉状態(「開」状態)を判定結果格納部201に格納する(S503)。
【0119】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S504)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定し、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S505)。
【0120】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S506)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、上記方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定し、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S507)。
【0121】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。
【0122】
そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S508)。機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S508でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S509)。
【0123】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S509でYES)、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する(S510)。一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S509でNO)、警報を発する必要がないため、処理を終了する。
【0124】
なお、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S508でNO)、機器状態判定部106によって判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S511)。
【0125】
機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S511でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S512)。
【0126】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S512でYES)、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する(S513)。
【0127】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S512でNO)、または、機器状態判定部106は機器状態が「危険」ではないと判断した場合には(S511でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0128】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0129】
〔変形例2〕
上記変形例1では、開閉検出部20、照度検出部30、および方向検出部50の3つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発する例について説明したが、それに限らず、開閉検出部20および方向検出部50のみを利用して、機器状態を判定して、警報を発してもよい。その場合には、電子機器1は、図1に示された照度検出部30、振動検出部40、照度判定部102、振動判定部103、機器状態判定部106を備えなくてもよい。さらに、記憶部200の判定結果格納部201、機器状態判定テーブル202、前回機器状態格納部203を備えなくてもよい。また、本変形例では、機器状態判定テーブル202を参照することなく、開閉判定部101が「開」と判定して、さらに、方向判定部104が「異常方向」と判定した場合には、警告制御部107が音声出力部90および表示部100を制御して、警報を発する。
【0130】
以下では、開閉検出部20および方向検出部50を利用して、機器状態を判定して、警報を発する処理について、図12に基づいて詳細に説明する。
【0131】
図12は、電子機器1において、警報を発する処理のさらに他の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S401)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20が検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S402)。
【0132】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S402でNO)、処理を終了する。一方、開閉判定部101が「開」状態と判定した場合には(S402でYES)、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S403)。
【0133】
そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定する(S404)。
【0134】
方向判定部104が、「正常方向」と判定した場合には(S404でNO)、直接処理を終了する。一方、方向判定部104が、「異常方向」と判定した場合には(S404でYES)、その旨を警告制御部107に通知する。
【0135】
続いて、警告制御部107は、警報を発する(S405)。
【0136】
ここで、警報を発する処理は特に限定されず、例えば、図10の(a)、(b)のいずれかに示すように警報を発してもよい。また、同じ警報を何度も発することを防ぐために、S405で警報を発する前に、前回の機器状態と比較して、変化がある場合にのみ警報を発するようにしてもよい。
【0137】
〔変形例3〕
上記では、消費電力および処理時間を減少するために、できるだけ少ない検出部を利用して、機器状態を判定する例(例えば、開閉検出部20を利用して、「閉」と判定された場合には、他の検出部(30、40、50)を利用せず、終了する)について説明したが、それに限らず、例えば、電子機器1が破損される可能性の高い順で、機器状態を判定して、警報を発してもよい。ここで、まず「危険」を判定して、その次に「使用中(不安全)」を判定する例について説明する。その場合には、各検出部(20、30、40、50)の処理をすべて終わってから、機器状態を判定する。
【0138】
以下では、まず「危険」を判定して、その次に「使用中(不安全)」を判定して、警報を発する処理について、図13に基づいて説明する。
【0139】
図13は、電子機器1において、警報を発する処理のさらに他の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S601)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20が検出された結果によって、電子機器1の開閉状態を判定し、上記判定された開閉状態を判定結果格納部201に格納する(S602)。
【0140】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S603)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定し、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S604)。
【0141】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S605)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定し、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S606)。
【0142】
そして、振動検出部40は、電子機器1に加わった振動があるか否かを検出する(S607)。そして、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出したか否かに基づいて、振動状態を判定し、判定された上記振動状態を判定結果格納部201に格納する(S608)。
【0143】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態、振動状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。
【0144】
そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S609)。機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S609でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S610)。
【0145】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S610でYES)、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する(S510)。一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S610でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0146】
なお、機器状態判定部106が「危険」ではないと判断した場合には(S609でNO)、判断された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S612)。
【0147】
機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S612でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S613)。
【0148】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S613でYES)、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する(S614)。
【0149】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S613でNO)、または、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S612でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0150】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0151】
(方向の定義および検出方法)
以下では、上記実施形態に係る方向の定義および具体的な検出方法について、電子機器1に設けられる方向検出部50が3軸加速度センサーによって実現される場合を例として、図14および図15に基づいて説明する。なお、ここで説明した内容は、あくまでも一例であり、本発明に係る方向の定義および検出方法はこれに限定されるものではない。
【0152】
図14の(a)は3軸加速度センサーの一例を示す図である。図14の(b)は、電子機器1の一方の筐体(操作部60側)に3軸加速度センサーが搭載される例を示す図である。また、図15は、電子機器1において、方向状態(正常方向、異常方向)を判定する例を示す図である。
【0153】
図14に示すように、上記実施形態に係る方向は、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向に加わっている加速度によって定義される。具体的には、例えば、重力加速度が加わる方向を基準方向(所定の基準方向)とし、電子機器1の方向は、上記基準方向に対する自機器の姿勢(すなわち、電子機器1のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向に加わった重力加速度の値)で定義される。この場合には、例えば、図14の(b)に示す電子機器1の方向を定義する場合、「Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。
【0154】
以下では、図5に示す2つの使用形態を示す方向の定義を例として説明する。
【0155】
図5において、左図の使用形態を示す方向を、図14の(b)と同じように、「Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。これは、操作部60側の筐体が水平な状態を示している。また、右図の使用形態を示す方向を、「Z軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。これは、操作部60側の筐体が鉛直な状態を示している。なお、図14の(b)のように、操作部60側の筐体に3軸加速度センサーが搭載されている場合、操作部60側の筐体に対する表示部100側の筐体の角度は、電子機器1の正常な方向には無関係である。
【0156】
なお、この例では、3軸加速度センサーは、図14の(b)に示すように、電子機器1の一方の筐体(操作部60側)に搭載されている。よって、図14の(b)に示す方向を以上のように定義することができる。しかし、3軸加速度センサーの搭載方向が上記と異なる場合には、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの搭載方向に応じて方向を定義することが好ましい。
【0157】
また、方向を検出する際、まず、3軸加速度センサーによって、X軸、Y軸、Z軸の各方向の加速度を測定する。上記のように、図14の(b)に示すように、3軸加速度センサーは、Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていないことが検出された場合には、電子機器1が図14の(b)に示す方向(すなわち、重力加速度が電子機器1の下向きに働いているときの方向)で置かれたと判断する。
【0158】
なお、電子機器1が持ち運ばれている状態(移動時)において、電子機器1が上下左右に揺さぶられるため、上記重力加速度に加えて、X軸、Y軸、Z軸のすべての方向に、加速度が加わっている。よって、移動時において、重力加速度を超える加速度が印加されると、正確な方向を検出することができなくなる。そこで、複数回測定を行い、方向が安定していることを確認してから、再度方向を検出することが好ましい。
【0159】
さらに、方向状態(正常状態、異常状態)を判定する際、電子機器1が保持されている面の水平度や3軸加速度センサーの誤差などの影響を考慮すると、方向状態の判定には、許容範囲(例えば、±15度)を持たせることが好ましい。
【0160】
例えば、図15に示すように、重力加速度が電子機器1の下向きに働いているときの方向を「正常方向」とした場合には、「正常方向」の許容範囲内に重力加速度が印加された場合には、「正常方向」と判定し、それ以外の方向に重力加速度が印加された場合には、「異常方向」と判定する。
【0161】
〔補足〕
本発明の電子機器は、以下のように構成してもよい。
【0162】
本発明の電子機器は、その使用状態(電源ON状態、電源OFF状態)に応じて、警告音および警告表示内容を変更することが好ましい。上記構成によれば、電子機器の使用状態に応じて、適切な警報を発することができるという効果を奏する。
【0163】
また、本発明の電子機器は、正常な方向がユーザの使用シーン毎に変わる可能性があるため、正常な方向をユーザに設定させることが好ましい。上記構成によれば、あらゆる使用シーンに対応する正常な方向に基づいて、方向状態を判定することができ、方向状態の判定精度を向上することができるという効果を奏する。
【0164】
また、本発明に係る機器状態判定テーブル202は、電子機器の仕様または使用シーンに応じて設定することが好ましい。さらに、ユーザが自由に設定してもよい。よって、ユーザは警報を制御することができる。
【0165】
また、本発明の電子機器は、機器状態判定テーブル202を備えなくてもよい。すなわち、上記機器状態判定テーブル202を外部から受信してもよい。例えば、ユーザは、パソコンなどで機器状態判定テーブル202を編集して、電子機器に転送してもよい。
【0166】
また、本発明電子機器は、使用中の状態(電源OFF状態におけるスリープ、サスペンド状態も含む)において、所定の周期(例えば、5分間)で機器状態を判定することが好ましい。さらに、前回の機器状態との比較を行い、前回の機器状態と同じ機器状態が得られた場合には、警報を出さないようにすることが好ましい。よって、機器状態の判定はリアルタイムで行うことができるとともに、同じ警報を何度も発することを防止することができる。
【0167】
また、本発明の電子機器は、消費電力を最小限に抑えるために、機器状態のうち、警報を発することが望まれる状態(例えば、使用中(不安全)、危険)を的確に検出できる検出部を優先的に動作させることが好ましい。
【0168】
また、本発明の電子機器は、電源OFF時において、各検出部(20、30、40、50)が動作している瞬間のみを、動作している検出部の電源(または電子機器全体の電源)をONにしてもよい。
【0169】
また、本発明の電子機器は、電源OFF時において、警報を発する際、警報を発するために必要なデバイス(音声出力部90、表示部100)のみを、警報を発する期間のみにおいて、動作できる状態(電源をON)にしてもよい。
【0170】
また、本発明の電子機器は、機器状態に応じて警報を発することが好ましい。しかし、警報パターンは特に限定されず、電子機器の仕様や、使用状況に応じて適宜設定してもよい。また、ユーザによって設定されてもよい。
【0171】
また、本発明の電子機器は、表示部と操作部とを重ね合わせるように折り畳む形態の電子機器に限定されず、表示部と該表示部上に折り畳み可能なカバーとから構成される電子機器を含め、折り畳まれていない状態の際の正常な姿勢が特定されている電子機器であればよく、折り畳み型電子機器全般に適用できる。
【0172】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0173】
最後に、電子機器1の各ブロック、特に制御部10は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0174】
すなわち、電子機器1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子機器1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子機器1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0175】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0176】
また、電子機器1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、折り畳み型の電子機器に利用することができる。特に、電子辞書、携帯電話機、ノートパソコンなどのクラムシェル型電子機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0178】
1 電子機器
20 開閉検出部(開閉検出手段)
30 照度検出部(照度検出手段)
40 振動検出部(振動検出手段)
50 方向検出部(方向検出手段)
101 開閉判定部(開閉検出手段)
102 照度判定部(照度検出手段)
103 振動判定部(振動検出手段)
104 方向判定部(方向検出手段)
105 正常方向受付部(設定手段)
107 警告制御部(警報手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の異常な状態を検知する技術に関し、より詳細には、折り畳み型電子機器に異物が挟み込まれるなどによって、破損をもたらす可能性がある状態を検知し、警報を発する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子辞書などの折り畳み型電子機器において、キャビネットやフレームの強度を増やし、蓋を閉じた状態で外圧から画面を保護するなどの工夫が行われていた。また、近年、折り畳み型電子機器は、開閉を容易にするために、開閉レバーなどのロック機構を設けていないことが多い。それは、物理的に開閉を抑制する手段を設けると、使用性を損なう要因となるためである。
【0003】
そのため、閉じ忘れなどによって、電子機器に異物が挟み込まれると、または、先端のとがったものによって突き刺されると、キャビネットやフレームの強度を増やしても、破損するおそれがある。例えば、通学中に、電子機器が開いたままで鞄の中に入れた場合、その電子機器が鉛筆などを挟み込んで、外圧により画面が破損されるおそれがある。よって、電子機器が破損される可能性がある状態を検知し、警報を発することで、ユーザに注意を促し、画面の破損を未然に防止する技術が望まれる。
【0004】
従来、異物の挟み込み、外圧、電源ON状態での折り畳み、置き忘れなどの不都合が生じるときに、警報を発する技術が、例えば、以下の特許文献1〜6に開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の折り畳み型端末装置は、異物の挟み込みによって生じる不都合を防止するために、自装置が折り畳まれようとしていることを検出しており、かつ、折り畳まれているときに操作されるべきでないキー操作部の操作キーが押下操作されていることを検出したときには、警告音などにより使用者に通知する。
【0006】
また、特許文献2〜4に記載の携帯電話機または携帯端末装置は、外圧による画面の破損を防止するために、外圧が加わったことを検出したとき、警報を出力させる。
【0007】
また、特許文献5に記載の電子機器は、表示部における表示がOFF状態になっているとき、誤って電源ON状態で機器本体を折り畳んでしまうことを防止するために、機器本体が開状態から閉状態に切り換わったと判断し、かつ、表示部における表示がOFF状態となっていると判断した場合には、警告音を発生させる。
【0008】
さらに、特許文献6に記載の2つの筐体を有する開閉自在に構成される携帯端末装置は、置き忘れを防止するために、通信を行っていない、かつ、キー入力部が操作されていない、かつ、上記2つの筐体の一方が物体を感知し、他方が物体を感知していない状態が所定時間以上継続したときに、警告を発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−37655号公報(2003年2月7公開)
【特許文献2】特開2001−54155号公報(2001年2月23日公開)
【特許文献3】特開2010−250468号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献4】特開2003−188962号公報(2003年7月4日公開)
【特許文献5】特開2002−171313号公報(2002年6月14日公開)
【特許文献6】特開2005−84767号公報(2005年3月31日公開)
【特許文献7】特開2010−171617号公報(2010年8月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示された端末装置は、異物の挟み込みを検出して、警報を発するものであって、異物が挟み込まれる前に、異物を挟み込む可能性があるときに、警報を発することができない。すなわち、端末装置の破損につながるような異物の挟み込みを未然に防止することができない。言い換えると、上記端末装置において、異物の挟み込みを検出したときには、異物の挟み込みにより端末装置が既に破損されている可能性があり、そのときに警報を発しても既に手遅れである場合があった。
【0011】
また、特許文献2〜4に開示された技術は、外圧が加わったことを検出したとき、警報を発するものである。よって、特に異物が挟み込まれている場合には、外圧が加わったときに、画面が既に破損されてしまう可能性があり、特許文献1と同様に、画面破損の可能性があるときに、警報を発することができない。すなわち、画面の破損につながるような外圧を未然に防止することができない。
【0012】
また、特許文献5および6に開示された技術は、誤って電源ON状態で機器本体を折り畳んでしまうことや、置き忘れを防止するために、警報を発するものであって、機器本体の破損の可能性があるときに、警報を発して、ユーザに注意を促すことができない。すなわち、機器本体の破損につながるような異物の挟み込みや外圧を未然に防止することができない。
【0013】
このように、従来技術では、警報を発するときに、既に破損が発生されるおそれがあるため、警報を発することが手遅れになっている問題があった。
【0014】
つまり、従来技術では、異物の挟み込みや、外圧を検出できるが、異物の挟み込みなどにより破損が発生されるおそれがある状態を検知し、異物が挟み込まれる前、および、外圧が加わる前に、警報を発し、ユーザに注意を促すことができない。すなわち、従来技術では、電子機器の破損を未然に防止することができない。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物の挟み込み等による破損を未然に防止することが可能な電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器の制御方法は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップとを含むことを特徴としている。
【0018】
ここで、正常範囲とは、ユーザが電子機器を通常に使用している際に電子機器が向き得る方向の範囲を示すものである。そして、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ姿勢が正常範囲内にないとき、異物の挟み込みや、先端のとがったものによって突き刺されることなどが発生しやすくなる。すなわち、そのような状況では、電子機器が破損するおそれがある。なお、以下では、電子機器の破損につながる状態を異常な状態と称する場合がある。
【0019】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ姿勢が正常範囲内にないとき、すなわち、電子機器が異常な状態にあるとき、警報を発することによりその旨をユーザに通知することができる。
【0020】
電子機器が異常な状態にあるとき、警報を発することにより、ユーザは、電子機器が異常な状態にあることを知ることができるので、当該電子機器が挟み込まれた異物や、先端のとがったものによって傷付いたり、破損したりするなどが生じる前に、適切な対応を取ることができる。
【0021】
つまり、上記の構成によれば、電子機器が異常な状態にあることを、警報を発することによって、ユーザに通知することができるという効果を奏する。よって、電子機器の破損を未然に防止することが可能という効果を奏する。
【0022】
また、上記電子機器は、自機器の周辺の照度を検出する照度検出手段をさらに備え、上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、上記照度検出手段によって検出された自機器の周辺の照度に応じて、異なる警報を発することが好ましい。
【0023】
電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、電子機器の周辺の環境が明るい場合には、電子機器は通常の姿勢ではないが、ユーザによって使用されている、すなわち、不安全な状態で使用されていると推測できる。一方、電子機器の周辺の環境が暗い場合には、電子機器が鞄の中などに入っており、使用されていないと推測できる。よって、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないときには、さらに、電子機器の周辺の明暗に応じた警報を発することが望まれる。
【0024】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、電子機器の周辺の照度を検出して、当該照度によって、電子機器の使用状況に応じた適切な警報を発することができるという効果を奏する。
【0025】
また、上記電子機器は、自機器が振動しているか否かを検出する振動検出手段をさらに備え、上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、自機器の周辺の照度が暗であり、かつ、自機器が振動しているとき、警報を発することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、電子機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、電子機器の周辺の環境が暗く、かつ、電子機器が振動しているときに、警報を発することができる。ここで、電子機器が振動しているときは、移動中にあることが多いので、電子機器が折り畳まれた状態になく、電子機器の周辺の環境が暗く、かつ、電子機器が振動しているときは、電子機器の姿勢が正常範囲内にあっても、鞄の中などに入っており、例えば、電車中などによって移動中であると推測できる。よって、このような状態を検出することで、警報を発する精度を向上することができるという効果を奏する。
【0027】
また、上記電子機器は、上記正常範囲をユーザが設定するための設定手段を備えていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、上記正常範囲がユーザによって設定することができるので、ユーザは、電子機器を使用する際、自分なりの電子機器のさまざまな使用姿勢をそれぞれ設定することができる。よって、警報を発する精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0029】
また、上記警報手段は、電源がオンかオフかに応じて、異なる警報を発することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、電源がオンかオフかに応じて、適切な警報を発することができるという効果を奏する。例えば、図10に示すように、電源がオンかオフかに応じて、異なるメッセージを表示させるとともに、異なる警告音を発することができる。
【0031】
なお、上記電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器の各手段として動作させることにより、上記電子機器をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明に係る電子機器は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段とを備えている構成である。
【0033】
また、本発明に係る電子機器の制御方法は、折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップとを含む構成である。
【0034】
したがって、電子機器が異常な状態にあることを、警報を発することによって、ユーザに通知することができるという効果を奏する。よって、電子機器の破損を未然に防止することが可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、当該実施形態に係る電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、上記電子機器において、破損をもたらす原因の一例を示す図であり、(b)は、上記電子機器において、破損を未然に防止するための処理概要の一例を示す図である。
【図3】上記電子機器が、開閉検出部、照度検出部、振動検出部、および方向検出部を設けている例を示す図である。
【図4】上記実施形態に係る開閉検出部、方向検出部、照度検出部、および振動検出部のそれぞれの処理概要を示す図である。
【図5】上記電子機器が正常に使われる場合、考えられる方向をユーザに選択させる画面の一例を示す図である。
【図6】上記実施形態に係る機器状態判定テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】上記電子機器における不安全の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【図9】上記電子機器における危険の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【図10】上記電子機器が警報を発する例を示す図であり、(a)は、不安全の警報を発する例を示す図であり、(b)は、危険の警報を発する例を示す図である。
【図11】本発明の一変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明のさらに他の変形例を示すものであり、当該変形例に係る電子機器において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】(a)は3軸加速度センサーの一例を示す図であり、(b)は、上記実施形態および上記変形例に係る電子機器の一方の筐体に3軸加速度センサーが搭載される例を示す図である。
【図15】上記実施形態および上記変形例に係る電子機器において、方向状態を判定する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔実施形態〕
本発明の一実施形態に係る電子機器1について、図1から図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0037】
(1.電子機器の処理概要)
本実施形態に係る電子機器1は、破損を未然に防止することを目的としているので、ここではまず、上記破損をもたらす原因、および、上記破損を防止するための処理概要について、図2に基づいて説明する。図2の(a)は、電子機器1において、破損をもたらす原因の一例を示す図であり、図2の(b)は、電子機器1において、破損を未然に防止するための処理概要の一例を示す図である。
【0038】
図2の(a)に示す例は、電子機器1が、左図に示された正常な状態から、右図に示された異常な状態に変えて、鞄などに収納された場合を示す。すなわち、右図のように、電子機器1の折り畳み可能に連結された2つの筐体の間、具体的には、表示部100と操作部60との間に鉛筆等の異物が挟まった状態で外圧が加わると、表示部100が破損されるおそれがある。
【0039】
そして、上記表示部100の割れを未然に防止するために、図2の(b)に示すように、電子機器1は、表示部100の割れにつながる状態(「異常な状態」とも言う)を検出して、警告音を発するとともに、正常な状態での収納をユーザに促す(図10を参照、詳細は後述する)情報を表示部100に表示させる。よって、電子機器1の表示部100の割れを未然に防止することが可能になる。
【0040】
ここで、異常な状態とは、表示部100の割れにつながる、異物の挟み込みの可能性が高い状態を言う。すなわち、電子機器1が開いて、かつ方向が通常使用時の方向と異なる状態等である。一方、正常な状態とは、異物の挟み込みの可能性が低い状態を言う。機器の状態を検出することについては、詳細は後述する。
【0041】
(2.電子機器の構成)
以下では、電子機器1の要部構成について、図1に基づいて説明する。
【0042】
図1は、電子機器1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子機器1は、制御部10、開閉検出部20(開閉検出手段)、照度検出部30(照度検出手段)、振動検出部40(振動検出手段)、方向検出部50(方向検出手段)、操作部60、タイマ70、電源スイッチ80、音声出力部90、表示部100、記憶部200を備えている。
【0043】
(2.1.検出部)
開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50は、電子機器1に内蔵されており、これらの検出部(20、30、40、50)により電子機器1の開閉、照度、振動および方向を検出する。図3は、電子機器1が、開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50を設けている例を示す図である。
【0044】
これらの検出部(20、30、40、50)の詳細については、図4に基づいて説明する。図4の(a)〜(d)は、それぞれ、開閉検出部20、方向検出部50、照度検出部30、および振動検出部40の処理概要を示す図である。
【0045】
図4の(a)に示すように、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する。開閉検出部20の検出結果は後述の開閉検出部101に送信される。開閉検出部20は、例えば、スイッチ、MRセンサーなどによって実現されている。
【0046】
また、図4の(b)に示すように、方向検出部50は、電子機器1が使用される方向を検出する。方向検出部50の検出結果は後述の方向判定部104に送信される。方向検出部50は、例えば、3軸加速度センサー、6軸センサーなどによって実現されている。
【0047】
また、図4の(c)に示すように、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度(明るさ)を検出する。照度検出部30の検出結果は後述の照度判定部102に送信される。照度検出部30は、例えば、照度センサー、輝度センサーなどによって実現されている。
【0048】
次に、照度検出部30が照度を検出する方法について説明する。以下では、照度検出部30は、照度センサーによって実現された例について説明する。照度センサーはフォトダイオード、電流電圧変換回路、A/Dコンバータ、制御ロジック回路及びインタフェース回路などで構成されている。照度センサーは、フォトダイオードによって検出された光束の量(照度、単位:ルクス(lx))を、後述の照度判定部102に送信する。なお、照度検出部30が照度を検出する方法については、特に限定されず、例えば、特許文献7に記載の折り畳み式電子機器の照度検出方法を利用してもよい。
【0049】
また、図4の(d)に示すように、振動検出部40は、電子機器1に加わる振動を検出する。振動検出部40の検出結果は後述の振動判定部103に送信される。振動検出部40は、例えば、6軸センサーなどによって実現されている。
【0050】
(2.2.制御部)
制御部10は、電子機器1の機能を統括して制御するものであり、開閉判定部101(開閉検出手段)、照度判定部102(照度検出手段)、振動判定部103(振動検出手段)、方向判定部104(方向検出手段)、正常方向受付部105(設定手段)、機器状態判定部106、警告制御部107(警報手段)を含む。
【0051】
開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された電子機器1の開閉に基づいて、「開」または「閉」の開閉状態を判定する。例えば、開閉判定部101が「閉」と判定した場合、電子機器1は安全に収納された状態にあると推測できる。
【0052】
照度判定部102は、照度検出部30によって検出された電子機器1周囲の照度に基づいて、照度状態を判定する。具体的には、予め照度の閾値を設けており、照度判定部102は、照度検出部30によって検出された照度が上記閾値以上の場合には、「明」と判定し、一方、照度検出部30によって検出された照度が上記閾値未満の場合には、「暗」と判定する。例えば、照度判定部10が「暗」と判定した場合、電子機器1は鞄などに収納された状態または暗所で使用されている状態にあると推測できる。
【0053】
上記閾値については、本実施形態では、鞄の中等の暗所が異常な状態と想定しているため、暗所と判断する光束の量、すなわち照度(単位:ルクス(lx))を予め閾値として決めることが好ましい。例えば、一般家庭内の照明環境では50〜400(lx)であるため、数ルクス(0〜5)程度の場合には、「暗」と判定すればよい。
【0054】
振動判定部103は、振動検出部40によって電子機器1に加わった振動が検出されたか否かに基づいて、振動状態を判定する。具体的には、振動判定部103は、振動検出部40によって振動が検出された場合には、「振動あり」と判定し、一方、振動検出部40によって振動が検出されていない場合には、「振動なし」と判定する。例えば、振動判定部103が「振動あり」と判定した場合、電子機器1は移動中の状態にあること推測できる。
【0055】
方向判定部104は、方向検出部50が検出した電子機器1の方向と、記憶部200の正常方向格納部204(後述)に格納されている正常な方向とを比較して、方向状態を判定する。具体的には、方向判定部104は、方向検出部50によって検出された方向が正常な方向の許容範囲にある場合には、「正常方向」と判定し、一方、方向検出部50によって検出された方向が正常な方向の許容範囲にない場合には、「異常方向」と判定する。例えば、方向判定部104が「異常方向」と判定した場合、使用されていない状態(鞄などに収納されている状態)にあると推測できる。なお、方向の定義、具体的な検出方法、および正常な方向の許容範囲などについては、後述する。
【0056】
そして、必要に応じて、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果(開閉状態、照度状態、振動状態、方向状態)を記憶部200の判定結果格納部201(後述)に格納する。
【0057】
正常方向受付部105は、ユーザが操作部60(後述)によって入力された正常な方向を受け付ける。図5は、電子機器1が正常に使われる場合に考えられる電子機器1の方向をユーザに選択させる画面の一例を示す図である。正常方向受付部105は、表示部100において、図5に示すように、使用する可能性のある使用形態をユーザにチェックしてもらう。そして、正常方向受付部105は、ユーザによってチェックされた使用形態を示す方向の定義を、正常な方向として受け付ける。例えば、ユーザが、左図をチェックした場合には、左図に示す方向の定義を正常な方向として受け付ける。また、右図をチェックした場合には、右図に示す方向の定義を正常な方向として追加で受け付ける。なお、正常な方向は少なくとも1つ設定されていればよいため、図5のチェックは左図および右図のどちらか一方であってもよいし、両方であってもよい。さらに、方向の定義については、後述する。
【0058】
ここで、ユーザが使用する可能性のある使用形態を選択したとき、当該選択された使用形態に対応する正常な方向が正常方向受付部105に入力される。そして、正常方向受付部105は、上記受け付けた正常な方向を記憶部200の正常方向格納部204(後述)に格納する。
【0059】
機器状態判定部106は、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果に基づいて、後述の機器状態判定テーブル202(図6を参照)を参照して、機器状態(例えば、図6の「機器状態」欄に記載の「安全」、「使用中」、「使用中(不安全)」、「危険」など)を判定する。また、上記判定された機器状態を記憶部200の前回機器状態格納部203(後述)に格納する。
【0060】
警告制御部107は、後述の音声出力部90および表示部100を制御して、警報を発する。
【0061】
具体的には、警告制御部107は、電源状態判定部108、音声出力制御部109、表示制御部110を含む。電源状態判定部108は、電源スイッチ80(後述)により、電源ON/OFF状態を判定する。そして、上記判定された電源ON/OFF状態を記憶部200の電源初期状態格納部205(後述)に格納する。
【0062】
音声出力制御部109は、音声出力部90に音声を出力させるように制御する。また、表示制御部110は、表示部100に文字、映像などを表示させるように制御する。
【0063】
警告制御部107は、電源状態判定部108が判定された電源ON/OFF状態、および機器状態判定部106が判定された機器状態に応じて、警報をどのように発するかを示す警報パターン(図10を参照、詳細は後述する)を決める。そして、警告制御部107の音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、上記決められた警報パターンに基づいて、警報を発する。
【0064】
(2.3.記憶部)
記憶部200は、電子機器1で使用する各種データを格納するものであり、判定結果格納部201、前回機器状態格納部203、正常方向格納部204、電源初期状態格納部205を含み、機器状態判定テーブル202が格納されている。
【0065】
判定結果格納部201は、開閉判定部101、照度判定部102、振動判定部103、および方向判定部104の判定結果が格納されている。
【0066】
前回機器状態格納部203は、前回において、機器状態判定部106によって判定された機器状態が格納されている。
【0067】
正常方向格納部204は、正常方向受付部105によって受け付けられた正常な方向が格納されている。
【0068】
電源初期状態格納部205は、電源状態判定部108によって判定された電源ON/OFF状態が格納されている。
【0069】
また、機器状態判定テーブル202は、機器状態判定部106が機器状態を判定するために使われる。機器状態判定テーブル202の詳細については、図6に基づいて説明する。図6は、機器状態判定テーブル202の一例を示す図である。
【0070】
図6に示すように、機器状態判定テーブル202には、上記各判定部(101、102、103、104)の判定結果としての「振動」、「方向」、「照度」、「開閉」と、機器状態判定部106が判定する機器状態としての「機器状態」とが対応付けられて格納されている。具体的には、例えば、上記判定結果としては、「開閉」、「照度」、「方向」、「振動」のそれぞれが、「開、暗、正常、あり」である場合には、機器状態が「危険」と判断することができる。
【0071】
(2.4.その他)
操作部60は、ユーザの操作を受け付けるものである。例えば、キーボードなどによって実現されている。
【0072】
タイマ70は、時間を計測するものであり、警告制御部107が警告を制御する際、警告の時間を計測するために使われる。
【0073】
電源スイッチ80は、ユーザの操作によって、電源をON/OFFに切り換えるものであり、電源状態判定部108が電源ON/OFF状態を判定するために使われる。
【0074】
また、音声出力部90は、音声を出力するものであり、表示部100は映像を表示するものである。表示部100は、例えば、LCD、タッチパネルによって実現されている。
【0075】
(3.処理の流れ)
(3.1.メイン処理)
以下では、電子機器1において、異常な状態を検知し、警報を発する処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、電子機器1において、警報を発する処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
ここで、異常な状態とは、電子機器1の破損につながる状態であり、警報を発することが望まれる状態である。上記異常な状態としては、例えば、機器状態判定テーブル202の「機器状態」欄に示された「使用中(不安全)」および「危険」の状態である。
【0077】
なお、以下の処理を行う前に、正常方向格納部204には、既に、正常な方向が格納されているものとする。上記正常な方向は、正常方向受付部105が操作部60を介してユーザから受け付けたものであってもよいし、工場出荷時に予め格納されたものであってもよい。
【0078】
図7に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S101)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S102)。
【0079】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S102でNO)、他の検出部(30、40、50)の処理を省略し、終了する。他の検出部(30、40、50)の処理を省略する理由は、以下のとおりである。すなわち、記憶部200の機器状態判定テーブル202を参照すると、「開閉」欄には「閉」と記載された場合に「機器状態」欄がすべて「安全」の状態である。すなわち、電子機器1の開閉状態が「閉」である場合には、警報を発する必要がないため、それ以降の処理が不要である。このように、他の検出部(30、40、50)の処理を省略することによって、消費電力を最小限に抑えることができるとともに、処理時間を減少することができるという効果を奏する。
【0080】
一方、開閉判定部101は、「開」状態と判定した場合には(S102でYES)、当該開閉状態(「開」状態)を判定結果格納部201に格納する(S103)。
【0081】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S104)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定する。具体的には、予め明暗の基準となる閾値が決められており、照度判定部102は、上記検出された照度が当該閾値以上であれば、「明」と判定し、当該閾値未満であれば、「暗」と判定する。そして、照度判定部102は、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S105)。
【0082】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S106)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、上記方向検出部50によって検出された方向が、上記読み取った正常な方向の許容範囲にあるか否かを判断して、方向状態を判定する。具体的には、方向判定部104は、上記検出された方向が上記読み取った正常な方向の許容範囲にあると判断した場合には、「正常方向」と判定し、正常な方向の許容範囲にないと判断した場合には、「異常方向」と判定する。また、上記正常な方向の許容範囲は、1個に限らず、複数でもよい。そして、方向判定部104は、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S107)。
【0083】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S108)。
【0084】
機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S108でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。なお、ここで、機器状態(使用中(不安全))が既に判定されたため、残りの振動検出部40の処理を省略する。振動検出部40の処理を省略することによって、消費電力を最小限に抑えることができるとともに、処理時間を減少することができるという効果を奏する。
【0085】
そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態(デフォルト値は「安全」)を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S109)。
【0086】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S109でYES)、不安全の警報を発する(S110)。なお、不安全の警報を発する処理の詳細については、後述する。
【0087】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S109でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0088】
なお、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S108でNO)、振動検出部40は、電子機器1に加わった振動があるか否かを検出する(S111)。そして、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出したか否かに基づいて、振動状態を判定する。具体的には、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出した場合には、「振動あり」と判定し、上記振動検出部40が振動を検出していない場合には、「振動なし」と判定する。そして、振動判定部103が判定された上記振動状態を判定結果格納部201に格納する(S112)。
【0089】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態、振動状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S113)。
【0090】
機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S113でYES)、機器状態として「危険」を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S114)。
【0091】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S114でYES)、危険の警報を発する(S115)。なお、危険の警報を発する処理の詳細については、後述する。
【0092】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S114でNO)、または、機器状態判定部106は機器状態が「危険」ではないと判断した場合には(S113でNO)、警報を発する必要がないため、処理を終了する。
【0093】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0094】
(3.2.不安全の警報を発する処理)
次に、図7のS110で説明した不安全の警報を発する処理について、図8に基づいて説明する。図8は、電子機器1における不安全の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。
【0095】
図8に示すように、まず、警告制御部107の電源状態判定部108は、電源スイッチ80によって、電源ON/OFF状態を判定し、当該電源ON/OFF状態を電源初期状態格納部205に格納する(S201)。
【0096】
そして、電源状態判定部108は、上記電源ON/OFF状態が電源ON状態であるか否かを判断する(S202)。電源状態判定部108が電源ON状態と判断した場合には(S202でYES)、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源ON時用の不安全の警報を発する(S203)。具体的には、音声出力制御部109は、音声出力部90を制御して、警告音を出力させるとともに、表示制御部110は、表示部100を制御して、警告の詳細(警告表示)を表示させる。
【0097】
ここでは、まず、図10に基づいて、電子機器1が警報を発する例(警報パターン)について説明する。図10は、電子機器1が警報を発する例を示す図である。図10の(a)は、不安全の警報を発する例を示す図であり、図10の(b)は、危険の警報を発する(後述)例を示す図である。
【0098】
電子機器1が不安全な状態にある場合には、電子機器1が使用中の可能性が高い。よって、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する際、小さな警告音を発するとともに、警告表示を短時間(ここでは、1秒程度)で表示する。
【0099】
ここで、電源ON時用の不安全の警報を発する際、例えば、図10の(a)の右図に示すように、「ピ」という短い警告音を発生するとともに、表示部100に「機器を正常な向きで使用してください」というメッセージを表示する。
【0100】
また、電源OFF時用の不安全の警報を発する際、例えば、図10の(a)の左図に示すように、「ピー」という電源ON時より少しだけ長い警告音を発生するとともに、表示部100に「使用しないときは蓋を閉じてください」というメッセージを表示する。
【0101】
また、電子機器1が危険な状態にある場合には、電子機器1が使用されていない可能性が高い。よって、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する際、大きな警告音を発するととも、警告表示を長期間(ここでは、10秒程度)で表示する。
【0102】
電源ON時用の危険の警報を発する際、例えば、図10の(b)の右図に示すように、「ピー、ピー、ピー」という断続の警告音を発生するとともに、表示部100に「機器を正常な向きで使用してください」というメッセージを表示する。
【0103】
また、電源OFF時用の危険の警報を発する際、例えば、図10の(b)の左図に示すように、「ピーーーーーー」という連続の警告音を発生するとともに、表示部100に「使用しないときは蓋を閉じてください」というメッセージを表示する。
【0104】
以上のように、電源のON/OFF状態および機器状態に応じて、4つの警報パターンで警報を発する。
【0105】
次に、図8の戻り、電源状態判定部108は、電源OFF状態と判断した場合には(S202でNO)、電源スイッチ80を制御して、電源をONにする(S206)。そして、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源OFF時用の不安全の警報を発する(S207)。
【0106】
そして、警告制御部107は、タイマ70によって計測された警告時間を取得して、所定時間(1秒)を経過したか否かを判断する(S204)。
【0107】
警告制御部107は、所定時間を経過していないと判断した場合には(S204でNO)、繰り返し規定時間を経過したか否かを判断する(S204)。一方、警告制御部107が所定時間を経過したと判断した場合には(S204でYES)、音声出力部制御部109は、音声出力部90を制御して、警告音の出力を停止させるとともに、表示制御部110は、表示部100を制御して、警告表示を終了させる(S205)。
【0108】
次に、警告制御部107は、電源初期状態格納部205から、初期の電源ON/OFF状態を取得して、電源「OFF」状態であるか否かを判断する(S208)。警告制御部107は、初期の電源ON/OFF状態が「OFF」状態であると判断した場合には(S208でYES)。電源を初期の状態(「OFF」状態)にさせ(S209)、不安全の警報を発する処理を終了する。一方、警告制御部107は、初期の電源ON/OFF状態が「ON」状態であると判断した場合には(S208でNO)、そのまま処理を終了する。
【0109】
(3.3.危険の警報を発する処理)
次に、図7のS115で説明した危険の警報を発する処理について、図9に基づいて説明する。図9は、電子機器1における危険の警報を発する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、電子機器1における危険の警報を発する処理が、図8において説明した不安全の警報を発する処理との相違点を中心に説明する。特に説明していない構成については、不安全の警報を発する処理と共通である。
【0110】
図9に示すように、まず、警告制御部107の電源状態判定部108は、電源スイッチ80によって、電源ON/OFF状態を判定し、当該電源ON/OFF状態を電源初期状態格納部205に格納する(S301)。
【0111】
そして、電源状態判定部108は、上記電源ON/OFF状態が電源ON状態であるか否かを判断する(S302)。電源状態判定部108が電源ON状態と判断した場合には(S302でYES)、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源ON時用の危険の警報を発する(S303)。
【0112】
一方、電源状態判定部108は、電源OFF状態と判断した場合には(S302でNO)、電源スイッチ80を制御して、電源をONにする(S306)。そして、音声出力制御部109および表示制御部110は、音声出力部90および表示部100を制御して、電源OFF時用の危険の警報を発する(S307)。
【0113】
そして、警告制御部107は、タイマ70によって計測された警告時間を取得して、所定時間(10秒)を経過したか否かを判断する(S304)。
【0114】
なお、それ以降の処理は、すべて図8で説明した不安全の警報を発する処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0115】
〔変形例1〕
上記実施形態では、開閉検出部20、照度検出部30、振動検出部40、および方向検出部50の4つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発する例について説明したが、それに限らず、開閉検出部20、照度検出部30、および方向検出部50の3つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発してもよい。その場合には、電子機器1は、図1に示された振動検出部40、振動判定部103を備えなくてもよい。また、図6に示す機器状態判定テーブル202を参照するとき、「振動」欄を無視する。さらに、機器状態判定テーブル202において、「方向」、「照度」、「開閉」欄にそれぞれ「正常、暗、開」が記載されている機器状態を「使用中(暗所)」として判断する。
【0116】
以下では、開閉検出部部20、照度検出部30、および方向検出部50を利用して、機器状態を判定して、警報を発する処理について、図11に基づいて詳細に説明する。
【0117】
図11は、電子機器1において、警報を発する処理の他の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S501)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20によって検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S502)。
【0118】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S502でNO)、他の検出部(30、50)による処理を省略し、終了する。一方、開閉判定部101は、「開」状態と判定した場合には(S502でYES)、当該開閉状態(「開」状態)を判定結果格納部201に格納する(S503)。
【0119】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S504)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定し、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S505)。
【0120】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S506)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、上記方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定し、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S507)。
【0121】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。
【0122】
そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S508)。機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S508でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S509)。
【0123】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S509でYES)、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する(S510)。一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同じであると判断した場合には(S509でNO)、警報を発する必要がないため、処理を終了する。
【0124】
なお、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S508でNO)、機器状態判定部106によって判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S511)。
【0125】
機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S511でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S512)。
【0126】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S512でYES)、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する(S513)。
【0127】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S512でNO)、または、機器状態判定部106は機器状態が「危険」ではないと判断した場合には(S511でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0128】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0129】
〔変形例2〕
上記変形例1では、開閉検出部20、照度検出部30、および方向検出部50の3つの検出部を利用して、機器状態を判定して、警報を発する例について説明したが、それに限らず、開閉検出部20および方向検出部50のみを利用して、機器状態を判定して、警報を発してもよい。その場合には、電子機器1は、図1に示された照度検出部30、振動検出部40、照度判定部102、振動判定部103、機器状態判定部106を備えなくてもよい。さらに、記憶部200の判定結果格納部201、機器状態判定テーブル202、前回機器状態格納部203を備えなくてもよい。また、本変形例では、機器状態判定テーブル202を参照することなく、開閉判定部101が「開」と判定して、さらに、方向判定部104が「異常方向」と判定した場合には、警告制御部107が音声出力部90および表示部100を制御して、警報を発する。
【0130】
以下では、開閉検出部20および方向検出部50を利用して、機器状態を判定して、警報を発する処理について、図12に基づいて詳細に説明する。
【0131】
図12は、電子機器1において、警報を発する処理のさらに他の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S401)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20が検出された結果が「開」状態であるか否かを判定する(S402)。
【0132】
そして、開閉判定部101は、「閉」状態と判定した場合には(S402でNO)、処理を終了する。一方、開閉判定部101が「開」状態と判定した場合には(S402でYES)、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S403)。
【0133】
そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定する(S404)。
【0134】
方向判定部104が、「正常方向」と判定した場合には(S404でNO)、直接処理を終了する。一方、方向判定部104が、「異常方向」と判定した場合には(S404でYES)、その旨を警告制御部107に通知する。
【0135】
続いて、警告制御部107は、警報を発する(S405)。
【0136】
ここで、警報を発する処理は特に限定されず、例えば、図10の(a)、(b)のいずれかに示すように警報を発してもよい。また、同じ警報を何度も発することを防ぐために、S405で警報を発する前に、前回の機器状態と比較して、変化がある場合にのみ警報を発するようにしてもよい。
【0137】
〔変形例3〕
上記では、消費電力および処理時間を減少するために、できるだけ少ない検出部を利用して、機器状態を判定する例(例えば、開閉検出部20を利用して、「閉」と判定された場合には、他の検出部(30、40、50)を利用せず、終了する)について説明したが、それに限らず、例えば、電子機器1が破損される可能性の高い順で、機器状態を判定して、警報を発してもよい。ここで、まず「危険」を判定して、その次に「使用中(不安全)」を判定する例について説明する。その場合には、各検出部(20、30、40、50)の処理をすべて終わってから、機器状態を判定する。
【0138】
以下では、まず「危険」を判定して、その次に「使用中(不安全)」を判定して、警報を発する処理について、図13に基づいて説明する。
【0139】
図13は、電子機器1において、警報を発する処理のさらに他の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、まず、開閉検出部20は、電子機器1の開閉を検出する(S601)。そして、開閉判定部101は、開閉検出部20が検出された結果によって、電子機器1の開閉状態を判定し、上記判定された開閉状態を判定結果格納部201に格納する(S602)。
【0140】
続いて、照度検出部30は、電子機器1の周囲の照度を検出する(S603)。そして、照度判定部102は、上記照度検出部30が検出した照度の照度状態を判定し、判定された上記照度状態を、判定結果格納部201に格納する(S604)。
【0141】
次に、方向検出部50は、電子機器1の方向を検出する(S605)。そして、方向判定部104は、正常方向格納部204から、正常な方向を読み取り、方向検出部50によって検出された方向と比較して、方向状態を判定し、判定された上記方向状態を、判定結果格納部201に格納する(S606)。
【0142】
そして、振動検出部40は、電子機器1に加わった振動があるか否かを検出する(S607)。そして、振動判定部103は、上記振動検出部40が振動を検出したか否かに基づいて、振動状態を判定し、判定された上記振動状態を判定結果格納部201に格納する(S608)。
【0143】
続いて、機器状態判定部106は、判定結果格納部201から、上記判定された判定結果(開閉状態、照度状態、方向状態、振動状態)を読み取り、機器状態判定テーブル202を参照して、機器状態を判定する。
【0144】
そして、機器状態判定部106は、判定された機器状態が「危険」であるか否かを判断する(S609)。機器状態判定部106は、「危険」であると判断した場合には(S609でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S610)。
【0145】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S610でYES)、図10の(b)に示すように、危険の警報を発する(S510)。一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S610でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0146】
なお、機器状態判定部106が「危険」ではないと判断した場合には(S609でNO)、判断された機器状態が「使用中(不安全)」であるか否かを判断する(S612)。
【0147】
機器状態判定部106は、「使用中(不安全)」であると判断した場合には(S612でYES)、上記機器状態を警告制御部107に通知する。そして、警告制御部107は、前回機器状態格納部203から、前回の機器状態を取得して、上記通知された機器状態とは異なるか否かを判断する(S613)。
【0148】
警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは異なると判断した場合には(S613でYES)、図10の(a)に示すように、不安全の警報を発する(S614)。
【0149】
一方、警告制御部107は、前回の機器状態と上記通知された機器状態とは同様であると判断した場合には(S613でNO)、または、機器状態判定部106が「使用中(不安全)」ではないと判断した場合には(S612でNO)、警報を発する必要がないため、直接処理を終了する。
【0150】
なお、上記処理を終了する前に、機器状態判定部106は、判定された機器状態が、前回機器状態格納部203に格納されている前回機器状態と比較して、一致しない場合には、上記判定された機器状態を前回機器状態格納部203に格納する。
【0151】
(方向の定義および検出方法)
以下では、上記実施形態に係る方向の定義および具体的な検出方法について、電子機器1に設けられる方向検出部50が3軸加速度センサーによって実現される場合を例として、図14および図15に基づいて説明する。なお、ここで説明した内容は、あくまでも一例であり、本発明に係る方向の定義および検出方法はこれに限定されるものではない。
【0152】
図14の(a)は3軸加速度センサーの一例を示す図である。図14の(b)は、電子機器1の一方の筐体(操作部60側)に3軸加速度センサーが搭載される例を示す図である。また、図15は、電子機器1において、方向状態(正常方向、異常方向)を判定する例を示す図である。
【0153】
図14に示すように、上記実施形態に係る方向は、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向に加わっている加速度によって定義される。具体的には、例えば、重力加速度が加わる方向を基準方向(所定の基準方向)とし、電子機器1の方向は、上記基準方向に対する自機器の姿勢(すなわち、電子機器1のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向に加わった重力加速度の値)で定義される。この場合には、例えば、図14の(b)に示す電子機器1の方向を定義する場合、「Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。
【0154】
以下では、図5に示す2つの使用形態を示す方向の定義を例として説明する。
【0155】
図5において、左図の使用形態を示す方向を、図14の(b)と同じように、「Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。これは、操作部60側の筐体が水平な状態を示している。また、右図の使用形態を示す方向を、「Z軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていない」と定義すればよい。これは、操作部60側の筐体が鉛直な状態を示している。なお、図14の(b)のように、操作部60側の筐体に3軸加速度センサーが搭載されている場合、操作部60側の筐体に対する表示部100側の筐体の角度は、電子機器1の正常な方向には無関係である。
【0156】
なお、この例では、3軸加速度センサーは、図14の(b)に示すように、電子機器1の一方の筐体(操作部60側)に搭載されている。よって、図14の(b)に示す方向を以上のように定義することができる。しかし、3軸加速度センサーの搭載方向が上記と異なる場合には、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの搭載方向に応じて方向を定義することが好ましい。
【0157】
また、方向を検出する際、まず、3軸加速度センサーによって、X軸、Y軸、Z軸の各方向の加速度を測定する。上記のように、図14の(b)に示すように、3軸加速度センサーは、Y軸に重力加速度が加わり、X軸、Z軸には、重力加速度が加わっていないことが検出された場合には、電子機器1が図14の(b)に示す方向(すなわち、重力加速度が電子機器1の下向きに働いているときの方向)で置かれたと判断する。
【0158】
なお、電子機器1が持ち運ばれている状態(移動時)において、電子機器1が上下左右に揺さぶられるため、上記重力加速度に加えて、X軸、Y軸、Z軸のすべての方向に、加速度が加わっている。よって、移動時において、重力加速度を超える加速度が印加されると、正確な方向を検出することができなくなる。そこで、複数回測定を行い、方向が安定していることを確認してから、再度方向を検出することが好ましい。
【0159】
さらに、方向状態(正常状態、異常状態)を判定する際、電子機器1が保持されている面の水平度や3軸加速度センサーの誤差などの影響を考慮すると、方向状態の判定には、許容範囲(例えば、±15度)を持たせることが好ましい。
【0160】
例えば、図15に示すように、重力加速度が電子機器1の下向きに働いているときの方向を「正常方向」とした場合には、「正常方向」の許容範囲内に重力加速度が印加された場合には、「正常方向」と判定し、それ以外の方向に重力加速度が印加された場合には、「異常方向」と判定する。
【0161】
〔補足〕
本発明の電子機器は、以下のように構成してもよい。
【0162】
本発明の電子機器は、その使用状態(電源ON状態、電源OFF状態)に応じて、警告音および警告表示内容を変更することが好ましい。上記構成によれば、電子機器の使用状態に応じて、適切な警報を発することができるという効果を奏する。
【0163】
また、本発明の電子機器は、正常な方向がユーザの使用シーン毎に変わる可能性があるため、正常な方向をユーザに設定させることが好ましい。上記構成によれば、あらゆる使用シーンに対応する正常な方向に基づいて、方向状態を判定することができ、方向状態の判定精度を向上することができるという効果を奏する。
【0164】
また、本発明に係る機器状態判定テーブル202は、電子機器の仕様または使用シーンに応じて設定することが好ましい。さらに、ユーザが自由に設定してもよい。よって、ユーザは警報を制御することができる。
【0165】
また、本発明の電子機器は、機器状態判定テーブル202を備えなくてもよい。すなわち、上記機器状態判定テーブル202を外部から受信してもよい。例えば、ユーザは、パソコンなどで機器状態判定テーブル202を編集して、電子機器に転送してもよい。
【0166】
また、本発明電子機器は、使用中の状態(電源OFF状態におけるスリープ、サスペンド状態も含む)において、所定の周期(例えば、5分間)で機器状態を判定することが好ましい。さらに、前回の機器状態との比較を行い、前回の機器状態と同じ機器状態が得られた場合には、警報を出さないようにすることが好ましい。よって、機器状態の判定はリアルタイムで行うことができるとともに、同じ警報を何度も発することを防止することができる。
【0167】
また、本発明の電子機器は、消費電力を最小限に抑えるために、機器状態のうち、警報を発することが望まれる状態(例えば、使用中(不安全)、危険)を的確に検出できる検出部を優先的に動作させることが好ましい。
【0168】
また、本発明の電子機器は、電源OFF時において、各検出部(20、30、40、50)が動作している瞬間のみを、動作している検出部の電源(または電子機器全体の電源)をONにしてもよい。
【0169】
また、本発明の電子機器は、電源OFF時において、警報を発する際、警報を発するために必要なデバイス(音声出力部90、表示部100)のみを、警報を発する期間のみにおいて、動作できる状態(電源をON)にしてもよい。
【0170】
また、本発明の電子機器は、機器状態に応じて警報を発することが好ましい。しかし、警報パターンは特に限定されず、電子機器の仕様や、使用状況に応じて適宜設定してもよい。また、ユーザによって設定されてもよい。
【0171】
また、本発明の電子機器は、表示部と操作部とを重ね合わせるように折り畳む形態の電子機器に限定されず、表示部と該表示部上に折り畳み可能なカバーとから構成される電子機器を含め、折り畳まれていない状態の際の正常な姿勢が特定されている電子機器であればよく、折り畳み型電子機器全般に適用できる。
【0172】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0173】
最後に、電子機器1の各ブロック、特に制御部10は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0174】
すなわち、電子機器1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子機器1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子機器1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0175】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0176】
また、電子機器1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、折り畳み型の電子機器に利用することができる。特に、電子辞書、携帯電話機、ノートパソコンなどのクラムシェル型電子機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0178】
1 電子機器
20 開閉検出部(開閉検出手段)
30 照度検出部(照度検出手段)
40 振動検出部(振動検出手段)
50 方向検出部(方向検出手段)
101 開閉判定部(開閉検出手段)
102 照度判定部(照度検出手段)
103 振動判定部(振動検出手段)
104 方向判定部(方向検出手段)
105 正常方向受付部(設定手段)
107 警告制御部(警報手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、
自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、
自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、
自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段と、を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
自機器の周辺の照度を検出する照度検出手段をさらに備え、
上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、上記照度検出手段によって検出された自機器の周辺の照度に応じて、異なる警報を発することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
自機器が振動しているか否かを検出する振動検出手段をさらに備え、
上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、自機器の周辺の照度が暗であり、かつ、自機器が振動しているとき、警報を発することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記正常範囲をユーザが設定するための設定手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
上記警報手段は、電源がオンかオフかに応じて、異なる警報を発することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、
自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、
自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、
自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップと、を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項1】
折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器であって、
自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出手段と、
自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出手段と、
自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報手段と、を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
自機器の周辺の照度を検出する照度検出手段をさらに備え、
上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、上記照度検出手段によって検出された自機器の周辺の照度に応じて、異なる警報を発することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
自機器が振動しているか否かを検出する振動検出手段をさらに備え、
上記警報手段は、自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にあるときに、自機器の周辺の照度が暗であり、かつ、自機器が振動しているとき、警報を発することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記正常範囲をユーザが設定するための設定手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
上記警報手段は、電源がオンかオフかに応じて、異なる警報を発することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
折り畳み可能に連結された2つの筐体を有する電子機器の制御方法であって、
自機器が折り畳まれた状態にあるか否かを検出する開閉検出ステップと、
自機器が折り畳まれた状態にないとき、所定の基準方向に対する自機器の姿勢が正常範囲内であるか否かを検出する方向検出ステップと、
自機器が折り畳まれた状態になく、かつ、自機器の姿勢が正常範囲内にないとき、警報を発する警報ステップと、を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−101502(P2013−101502A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244889(P2011−244889)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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