説明

電子機器およびその制御方法、並びにプログラム

【課題】複数のユーザそれぞれが撮影した撮影画像を、お互いが即座に見ることができるようにする。
【解決手段】携帯端末11Aは、ローカルエリアネットワーク内の1以上の携帯端末11B乃至11Dと同一のグループを構成する。携帯端末11Aは、同一のグループの他の携帯端末11B乃至11Dで撮影された撮影画像のデータを受信し、受信した撮影画像を表示する。この開示の技術は、例えば、携帯電話機等の電子機器に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子機器およびその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、複数のユーザそれぞれが撮影した撮影画像を、お互いが即座に見ることができるようにする電子機器およびその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影して得られた撮影画像を複数のユーザで共有するためには、例えば、デジタルカメラ内の記憶部に記憶された撮影画像のデータを、パーソナルコンピュータ(以下、PCという。)に転送してから、他のユーザに電子メール等で送信することが行われていた。また、撮影画像のデータをPCから写真共有サービスのサイトにアップロードし、他のユーザにアップロード先のアドレス(URL)を伝える方法などもある。
【0003】
しかし、撮影画像のデータをPCに転送するため、デジタルカメラとPCをUSB接続したり、撮影画像のデータが記憶されたメモリカードをPCに移して、コピーするなどの手間が煩わしいかった。
【0004】
そこで、無線LAN機能を備えたメモリカードにより、デジタルカメラで撮影されて、メモリカードに記録された撮影画像のデータを、無線通信で、PCや写真共有サービスのサイトに転送できるようにしたものがある(例えば、非特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Eye-Fi社、インターネット<URL: http://www.eyefi.co.jp/>、[平成23年4月5日検索]
【非特許文献2】インターネット<URL: http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1101/05/news072.html>、[平成23年4月5日検索]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の撮影画像の共有方法は、いずれも、撮影画像のデータを、撮影時からある程度時間が経過した後で、ユーザ間で共有するための方法である。従って、例えば、結婚式などのイベント会場で、複数のユーザそれぞれが撮影した撮影画像を、お互いがその場で即座に見たりすることはできなかった。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数のユーザそれぞれが撮影した撮影画像を、お互いが即座に見ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の電子機器は、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成するグループ構成部と、前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信する通信部と、受信した前記撮影画像を表示する表示部とを備える。
【0009】
本技術の一側面の電子機器の制御方法は、グループ構成部と、通信部と、表示部とを備える電子機器の、前記グループ構成部が、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、前記通信部が、前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、前記表示部が、受信した前記撮影画像を表示するステップを含む。
【0010】
本技術の一側面のプログラムは、コンピュータに、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、受信した前記撮影画像を表示部に表示させる処理を実行させるためのものである。
【0011】
本技術の一側面においては、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループが構成され、同一のグループの通信端末で撮影された撮影画像のデータが受信され、受信された撮影画像が表示部に表示される。
【0012】
なお、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【0013】
電子機器は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本技術の一側面によれば、複数のユーザそれぞれが撮影した撮影画像を、お互いが即座に見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本技術が適用された通信システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】写真共有アプリケーションの機能を簡単に説明する図である。
【図3】携帯端末の構成例を示すブロック図である。
【図4】写真共有アプリケーションの機能的構成例を示すブロック図である。
【図5】写真共有アプリケーションの起動方法について説明する図である。
【図6】写真共有アプリケーションのメイン処理について説明するフローチャートである。
【図7】写真共有アプリケーション起動時に携帯端末に表示される画面例を示す図である。
【図8】ユーザ登録画面の例を示す図である。
【図9】コネクション処理について簡単に説明する図である。
【図10】Viewモードの画面例を示す図である。
【図11】Viewモードの画面例を示す図である。
【図12】Viewモードの画面例を示す図である。
【図13】Viewモードの画面例を示す図である。
【図14】Cameraモードの画面例を示す図である。
【図15】コネクション解除処理について説明する図である。
【図16】コネクション処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図17】撮影処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図18】撮影画像割込処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図19】トースト表示の画面例を示す図である。
【図20】Viewモードの画面例を示す図である。
【図21】ユーザリスト整合性維持処理について説明する図である。
【図22】ユーザリスト整合性維持処理について説明するフローチャートである。
【図23】撮影画像のその他の表示方法の例について説明する図である。
【図24】撮影画像のその他の表示方法の例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[通信システムの構成例]
図1は、本技術が適用された通信システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0017】
図1の通信システム1は、4台の携帯端末11A乃至11Dと、無線ルータ12とで構成される。携帯端末11A乃至11Dと無線ルータ12により、1つのネットワーク(ローカルエリアネットワーク)が構築されている。
【0018】
4台の携帯端末11A乃至11Dそれぞれは、異なるユーザA乃至Dが所有するものである。本実施の形態では、4人のユーザそれぞれが所有する携帯端末11が1つのネットワークに接続されるものとするが、ネットワークを構築する携帯端末11の台数はこれに限定されない。
【0019】
携帯端末11は、例えば、スマートフォンと呼ばれる、携帯電話と携帯情報端末を融合させた高機能の携帯電話機である。携帯端末11は、携帯電話としての通話機能以外に、無線ルータ12を介して他の携帯端末11と、WiFi(Wireless Fidelity)方式(IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11x)による無線通信を行う無線LAN通信機能を有する。
【0020】
また、携帯端末11は、被写体を撮影する撮影機能も有する。
【0021】
さらに、携帯端末11には、携帯端末11上で実行されるソフトウェアである「写真共有アプリケーション」がインストールされている。
【0022】
[写真共有アプリケーションの説明]
図2を参照して、携帯端末11上で実行される「写真共有アプリケーション」の機能を簡単に説明する。
【0023】
図2に示すように、例えば、ユーザAが、自分の携帯端末11Aを用いて、所定の被写体を撮影する。撮影により得られた撮影画像は、携帯端末11Aの内部に保存される。また、撮影画像を縮小した縮小画像の画像データが、同一ネットワーク内の携帯端末11B、11C、および11Dに、無線ルータ12を介して送信される。ここで、縮小画像は、撮影画像を、例えば、1/2などの所定の比率で縮小した画像である。これにより、他のユーザB、ユーザC、およびユーザDは、ユーザAが撮影した撮影画像を、それぞれの携帯端末11で即座に見ることができる。
【0024】
このように、「写真共有アプリケーション」が実行されることにより、複数の携帯端末11間で撮影画像を共有することができる。「写真共有アプリケーション」は、例えば、結婚式や誕生会などの多数が集まるイベント等で利用することができ、ユーザA乃至Dがイベントの参加者であって、無線ルータ12はイベント会場に設置されている。この場合、イベント会場において、ユーザA乃至Dがそれぞれの携帯端末11A乃至11Dで撮影した撮影画像を、お互いがその場で即座に確認して楽しむことができる。
【0025】
[携帯端末11の構成ブロック図]
図3は、携帯端末11の構成例を示すブロック図である。
【0026】
図3において、CPU(Central Processing Unit)21は、各種の処理を実行する演算処理部である。CPU21は、写真共有アプリケーション等のソフトウェアプログラムも実行する。CPU21は、バス25を介してROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、およびNVRAM(Non Volatile RAM)24と相互に接続される。このバス25にはまた、入出力インタフェース26も接続され、入出力インタフェース26には、記憶部27およびドライブ28が接続される。
【0027】
ROM22には予めソフトウェアプログラムやデータが格納される。RAM23およびNVRAM24には、ROM22や記憶部27に格納されているソフトウェアプログラムやデータがロードされる。RAM23およびNVRAM24にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。記憶部27は、フラッシュメモリやハードディスクなどにより構成され、写真共有アプリケーションを少なくとも記憶する。
【0028】
ドライブ28は、必要に応じて装着される、半導体メモリなどのリムーバブルメディア29からのデータを読み出し、入出力インタフェース26等を介してCPU21に供給したり、CPU21から供給されるデータをリムーバブルメディア29に書き込む。読み書きされるデータには、撮影画像のデータの他、インストールされるプログラム(アプリケーション)のデータなども含まれる。
【0029】
入出力インタフェース26には、入力部30、音声入出力部21、表示部32、無線通信部33、電話回線網通信部34、および撮影部35が接続される。
【0030】
入力部30は、キーボード、操作ボタン、タッチパネル等により構成され、ユーザの操作による入力を受け付けて、CPU21等に供給する。音声入出力部31は、スピーカ、マイクロホン等により構成され、通話のための音声を入出力する。表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにより構成され、所定の画像(画面)を表示する。
【0031】
無線通信部33は、WiFi方式による無線通信を行う。電話回線網通信部34は、移動体電話通信網を介して他の装置と音声通信、または、パケット通信を行う。撮影部35は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)センサ等の撮影素子などにより構成される。撮影部35は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを、入出力インタフェース26を介してCPU21等に供給する。
【0032】
携帯端末11は以上のように構成される。なお、携帯端末11には、数cm程度の近接距離で電磁誘導を利用した非接触通信を行う非接触通信部、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))方式による無線通信部、赤外線による通信を行う赤外線通信部、等のその他の構成をさらに備えるようにしてもよい。
【0033】
[写真共有アプリケーションの機能構成ブロック図]
図4は、写真共有アプリケーションをCPU21が実行することで実現される、写真共有アプリケーションの機能的構成例を示すブロック図である。
【0034】
写真共有アプリケーション51は、Cameraモード(撮影モード)とViewモード(閲覧モード)の2つの動作モードを有している。Cameraモードは、ユーザ自身が被写体の撮影を行い、撮影により得られた撮影画像(写真)を記憶部27に保存するとともに、他のユーザに撮影画像を無線通信で送信する動作モードである。Viewモードは、記憶部27に記憶されている撮影済みの撮影画像を閲覧したり、他のユーザが撮影して即座に無線通信で送信されてきた撮影画像を閲覧する動作モードである。
【0035】
写真共有アプリケーション51は、Cameraモードを制御するCameraモード制御部61、および、Viewモードを制御するViewモード制御部62と、全体制御部63とを有する。
【0036】
全体制御部63は、CameraモードとViewモードの切り替え制御など、写真共有アプリケーション51全体を制御する。また、全体制御部63は、ユーザ管理部71と2次元コード取得部72を有する。ユーザ管理部71は、他の携帯端末11のネットワークの接続及び切断に伴うユーザの管理を行う。2次元コード取得部72は、撮影部35により撮影された2次元コード(QR(Quick Response)(登録商標)コード)から読み出された情報を取得する。
【0037】
[写真共有アプリケーション51の起動]
写真共有アプリケーション51の起動方法について説明する。
【0038】
例えば、結婚披露パーティなどのイベントの参加者であるユーザに対して、図5に示される招待状81が事前に配られる。
【0039】
招待状81には、図5に示されるように、イベントの名称、日時、場所等の説明と、2次元コード82が印刷されている。
【0040】
2次元コード82には、イベントごとに割り当てられ、イベントの参加者全員が同一の識別情報となるグループID(グループ識別情報)と、写真共有アプリケーション51の起動を実行させる命令が少なくとも重畳されている。
【0041】
招待状81には、「会場に着いたら、2次元コードを携帯端末で読み込んでください。」との説明文も記載されており、ユーザは、イベント会場において、招待状81に印刷されている2次元コード82を、携帯端末11の撮影部35で撮影する。
【0042】
携帯端末11のCPU21は、撮影部35で撮影された2次元コード82に基づいて、写真共有アプリケーション51を起動し、2次元コード82から読み出したグループIDを写真共有アプリケーション51に供給する。
【0043】
なお、2次元コード82には、ユーザの携帯端末11に写真共有アプリケーション51がインストールされていない場合に、写真共有アプリケーション51をインストールさせる画面を表示させる命令を重畳させるようにしてもよい。より具体的には、携帯端末11で2次元コード82を読み込んだ場合に、写真共有アプリケーション51をダウンロード可能なアプリケーション提供サイト(アプリマーケット)へ誘導する画面を表示させるようにしてもよい。
【0044】
また、2次元コード82には、グループIDの他、イベント参加者であるユーザのニックネームなどを、ユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザ名)として予め重畳させておくことができる。これにより、ユーザは、写真共有アプリケーション51の起動とともに、与えられたユーザ名で自動的にグループに参加することができ、ユーザ名を入力する手間が省略され、簡単にイベントに参加することができる。その他、イベント名なども重畳させてもよい。
【0045】
図5では、写真共有アプリケーション51の自動起動やグループIDをユーザに提供する方法として2次元コード82の例を示したが、その他、例えば、写真共有アプリケーション51の自動起動やグループIDの情報を含むURLとすることもできる。この場合、URLにアクセスすると、グループIDが取得されるとともに、写真共有アプリケーション51が起動される。
【0046】
また、招待状81は、紙媒体でユーザに配られるもののほか、電子メールによる配信や、HTMLで作成された文書を所定のWEBサイトで閲覧可能とするものでもよい。
【0047】
[写真共有アプリケーション51のメイン処理フロー]
招待状81の2次元コード82を読み込んだことにより実行される、写真共有アプリケーション51のメイン処理について説明する。
【0048】
初めに、ステップS11において、全体制御部63は、2次元コード82から読み出された情報を取得する。例えば、全体制御部63は、2次元コード82から読み出された情報として、イベント名、グループID、およびユーザ名を取得する。
【0049】
ステップS12において、全体制御部63は、ユーザ登録済みかを判定する。ステップS12で、ユーザ登録済みではないと判定された場合、ステップS13において、全体制御部63は、ユーザを登録するユーザ登録処理を実行する。
【0050】
一方、ステップS12で、ユーザ登録済みであると判定された場合、または、ステップS13の処理が終了すると、処理はステップS14に進む。2次元コード82から読み出された情報にユーザ名が含まれる場合には、ステップS12では、ユーザ登録済みであると判定される。
【0051】
[起動画面の例]
図7は、ユーザ登録済みで、写真共有アプリケーション51が起動されたときに、携帯端末11に表示される画面例を示している。
【0052】
携帯端末11の表示部32には、写真共有アプリケーション51の起動画面91が表示されている。
【0053】
起動画面91には、写真共有アプリケーション51のタイトル「写真共有アプリケーション」と、2次元コード82から読み出された情報の一つであるイベント名’STEF’を含む「Welcome to STEF!」が表示されている。また、起動画面91の右上には、2次元コード82から読み出されたユーザ名である’yuki’がイベント名’STEF’のグループに参加したことを示す「’yuki’entered」が表示されている。なお、イベント名’STEF’のグループに既に参加している他のユーザの携帯端末11の画面の右上にも、同様に、「’yuki’entered」が表示される。
【0054】
携帯端末11の表示部32が設けられている面には、表示部32の右側に、入力部30に属する操作ボタンである拡大ボタン92、戻るボタン93、メニューボタン94、およびホームボタン95が設けられている。また、撮影部35に属する撮影素子96も設けられている。なお、撮影部35は、いわゆる自分撮りと呼ばれる自分撮影用と他人撮影用の2つの撮影素子を有し、撮影素子96は自分を撮影するためのものである。他人を撮影するための撮影素子は、表示部32が設けられている面と反対側の面に設けられている。また、表示部32の左側には、音声入出力部31に属するスピーカ97が設けられている。
【0055】
[ユーザ登録画面の例]
2次元コード82にユーザ名が重畳されていない場合、起動画面91の右上の「’yuki’entered」の表示は省略され、ステップS13のユーザ登録処理として、図8に示されるユーザ登録画面101が、携帯端末11の表示部32に表示される。ユーザは、図8のユーザ登録画面101に表示されたソフトウェアキーボードを用いて、ユーザ名を入力し、確定ボタンとして割り当てられた、戻るボタン93により入力を確定する。
【0056】
なお、携帯端末11において写真共有アプリケーション51が過去に起動されたことがあり、そのときに使用したユーザ名を写真共有アプリケーション51が保有している場合には、そのユーザ名をデフォルトとして利用してもよい。また、2次元コード82にユーザ名が重畳されていたり、ユーザ名が登録されていても、設定により、図8のユーザ登録画面101を必ず表示させるようにしてもよい。
【0057】
ユーザ登録済みであるか、または、ユーザ登録処理が終了すると、ステップS14において、全体制御部63は、コネクション処理を実行する。
【0058】
[コネクション処理の説明]
図9を参照して、ステップS14で実行されるコネクション処理について簡単に説明する。コネクション処理の詳細については図16を参照して後述する。
【0059】
写真共有アプリケーション51を起動した携帯端末11がユーザAの携帯端末11Aであるとすると、携帯端末11Aは、写真共有アプリケーション51を識別するアプリ識別情報を、UDP通信によりブロードキャスト送信する。
【0060】
写真共有アプリケーション51を実行中の他の携帯端末11は、ブロードキャスト送信されてきたアプリ識別情報を受信すると、自分のユーザ名とグループIDを返信する。この返信は、TCP通信により送信される。
【0061】
図9の例では、携帯端末11Bと携帯端末11Cでは写真共有アプリケーション51が実行(起動)されており、携帯端末11Dでは写真共有アプリケーション51が実行(起動)されていないとする。この場合、携帯端末11Bと携帯端末11Cは、自分のユーザ名とグループIDを返信し、携帯端末11Dは受信したアプリ識別情報に対して応答しない。
【0062】
他の携帯端末11から、ユーザ名とグループIDを受信した携帯端末11Aは、送信されてきたグループIDが自分のグループIDと一致する場合、同一グループのユーザとして端末内のユーザリストに、受信したユーザ名を追加する。さらに、携帯端末11Aは、自分のユーザ名を、ユーザリストに追加した同一グループのユーザの携帯端末11に送信する。図9の例では、携帯端末11Aは、携帯端末11Bと携帯端末11Cに、ユーザ名を送信する。この送信は、TCP通信により送信される。即ち、最初のブロードキャスト送信はUDP通信であり、確実に届く保証がないため、返信があった同一グループのユーザの携帯端末11に対して、TCP通信によりユーザ名が送信される。
【0063】
図6に戻り、ステップS14のコネクション処理が終了すると、ステップS15において、全体制御部63は、動作モードがViewモードであるか、または、Cameraモードであるかを判定する。起動直後は、ViewモードまたはCameraモードのうちの予め定めた一方が選択される。
【0064】
ステップS15で、動作モードがViewモードであると判定された場合、処理はステップS16に進み、Viewモード制御部62は、過去に撮影されて記憶部27に保存されている撮影画像を、時系列の4枚単位(所定枚数単位)で表示部32に表示する。
【0065】
図10は、ステップS16において、Viewモード制御部62が表示部32に表示させる画像であって、記憶部27に保存されている4枚の撮影画像を時系列の順に配置したViewモード画像102の例を示している。Viewモード画像102には、4枚の撮影画像が含まれ、撮影画像それぞれには、写真枠の部分に、その撮影画像を撮影したユーザの名前(写真共有アプリケーション51上のユーザ名)が表示される。これにより、その撮影画像を誰が撮影したものであるかが一目でわかるようになっている。
【0066】
そして、ユーザが、図11に示すように、タッチパネルが重畳されている表示部32の上面をタッチして右または左方向にスクロール操作すると、現在表示している4枚の撮影画像より、時系列の順で、過去または未来の次の4枚の撮影画像が表示部32に表示される。なお、図11の表示部32上に示される右または左方向の矢印は、図11におけるスクロールの方向を示すものであって、実際の表示部32には表示されない。また、スクロール操作の代わりに、フリック操作としてもよい。
【0067】
従って、図6のステップS16に続くステップS17では、Viewモード制御部62は、スクロール操作がされたかを判定する。ステップS17で、スクロール操作がされたと判定された場合、処理がステップS16に戻る。これにより、再度のステップS16では、スクロール操作の方向に応じた過去または未来の次の4枚の撮影画像が表示部32に表示される。
【0068】
一方、ステップS17で、スクロール操作がされていないと判定された場合、処理はステップS18に進み、Viewモード制御部62は、写真共有アプリケーション51を終了する終了操作がされたかを判定する。例えば、ホームボタン95が、終了を指示する操作ボタンとして割り当てられており、Viewモード制御部62は、ホームボタン95が操作されたかを判定する。
【0069】
ステップS18で、終了操作がされたと判定された場合、処理は後述するステップS31に進む。
【0070】
一方、ステップS18で、終了操作がされていないと判定された場合、処理はステップS19に進み、Viewモード制御部62は、メニュー表示操作がされたかを判定する。例えば、メニューボタン94がメニューを表示する操作ボタンとして割り当てられており、Viewモード制御部62は、メニューボタン94が操作されたかを判定する。また、携帯端末11の表示部32をタップすることにより、図12に示されるように、ソフトウェアによるメニューボタン103がViewモード制御部62により表示され、Viewモード制御部62は、メニューボタン103が操作されたかを判定する。
【0071】
ステップS19で、メニュー表示操作がされていないと判定された場合、処理はステップS16に戻る。一方、ステップS19で、メニュー表示操作がされたと判定された場合、処理はステップS20に進み、Viewモード制御部62は、メニューを表示する。
【0072】
[メニュー表示の例]
図13は、ステップS20においてViewモード制御部62が表示するメニューの例を示している。
【0073】
メニュー表示操作がされた場合、Viewモード制御部62は、動作モードをCameraモードに変更するためのCameraモード変更ボタン107と、最新の撮影画像を表示する最新画像表示ボタン108の画像を表示部32に表示させる。
【0074】
ステップS21において、Viewモード制御部62は、Cameraモードが選択されたか、即ち、Cameraモード変更ボタン107がタッチされたかを判定する。ステップS21で、Cameraモードが選択されたと判定された場合、処理は後述するステップS25に進む。
【0075】
一方、ステップS21で、Cameraモードが選択されていないと判定された場合、処理はステップS22に進み、Viewモード制御部62は、最新画像へジャンプが選択されたか、即ち、最新画像表示ボタン108がタッチされたかを判定する。
【0076】
ステップS22で、最新画像へジャンプが選択されたと判定された場合、処理はステップS23に進み、Viewモード制御部62は、記憶部27に保存されている撮影画像のなかで、撮影時刻が最新の4枚の撮影画像を選択して、処理をステップS16に戻す。
【0077】
一方、ステップS22で、最新画像へジャンプが選択されていないと判定された場合、処理はステップS24に進み、Viewモード制御部62は、表示したメニューを消去して、処理をステップS16に戻す。
【0078】
また、上述したステップS15で、動作モードがCameraモードであると判定された場合には、処理はステップS25に進む。ステップS25では、Cameraモード制御部61は、被写体を撮像して表示部32に表示する。即ち、Cameraモード制御部61は、撮影部35で得られた被写体の画像を表示部32に表示する。
【0079】
[Cameraモード画面の例]
図14は、ステップS25において表示部32に表示される画面(画像)の例を示している。
【0080】
Cameraモードの表示部32には、撮影部35で得られた被写体の画像を表示するビューファインダ111と、シャッタボタン112、Viewモードに変更するためのViewモード変更ボタン113、および最新の撮影画像を表示する最新画像表示ボタン114が表示される。
【0081】
そして、図6のステップS26において、Cameraモード制御部61は、シャッタボタン112が操作されたかを判定する。
【0082】
ステップS26で、シャッタボタン112が操作されたと判定された場合、処理はステップS27に進み、Cameraモード制御部61は、図17を参照して後述する撮影処理を実行する。その後、処理はステップS25に戻る。
【0083】
一方、ステップS26で、シャッタボタン112が操作されていないと判定された場合、処理はステップS28に進み、Cameraモード制御部61は、Viewモードが選択されたか、即ち、Viewモード変更ボタン113が操作されたかを判定する。
【0084】
ステップS28で、Viewモードが選択されたと判定された場合、処理は上述したステップS16に進む。
【0085】
ステップS28で、Viewモードが選択されていないと判定された場合、処理はステップS29に進み、Cameraモード制御部61は、最新画像へジャンプが選択されたか、即ち、最新画像表示ボタン114が操作されたかを判定する。
【0086】
ステップS29で、最新画像へジャンプが選択されたと判定された場合、処理はステップS23に進む。
【0087】
一方、ステップS29で、最新画像へジャンプが選択されていないと判定された場合、処理はステップS30に進み、Cameraモード制御部61は、終了操作がされたかを判定する。
【0088】
ステップS30で、終了操作がされていないと判定された場合、処理はステップS25に戻る。これにより、表示部32に被写体を撮影して表示する状態が継続される。
【0089】
一方、ステップS30で、終了操作がされたと判定された場合、即ち、ホームボタン95が操作された場合、処理はステップS31に進み、全体制御部63は、コネクション解除処理を実行して、メイン処理を終了する。
【0090】
[コネクション解除処理の説明]
図15を参照して、ステップS31で実行されるコネクション解除処理について説明する。図15の例では、写真共有アプリケーション51を終了する操作を行った携帯端末11は、ユーザBの携帯端末11Bであるとする。
【0091】
携帯端末11Bは、現在コネクション中の、ユーザリストに登録されている全てのユーザに対して、コネクション解除要求をTCP通信により送信する。コネクション解除要求は、自分(ユーザB)がグループIDで識別されるグループ(ネットワーク)から抜けるため、ユーザリストからの削除を要求するメッセージである。
【0092】
コネクション解除要求を受信した携帯端末11A等は、携帯端末11BのユーザBを、ユーザリストから削除する。コネクション解除要求を受信した携帯端末11A等は、特に応答メッセージは返信しない。
【0093】
以上のように、写真共有アプリケーション51が終了される場合には、同一のグループの他の携帯端末11に写真共有アプリケーション51の終了が通知され、受信側の携帯端末11でユーザリストの削除を行うことができるようになっている。
【0094】
[コネクション処理の詳細フロー]
次に、図6のステップS14で実行されるコネクション処理の詳細について、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
初めに、ステップS51において、全体制御部63は、写真共有アプリケーション51を識別するアプリ識別情報を、UDP通信によりブロードキャスト送信する。
【0096】
そして、ステップS52において、全体制御部63は、他のユーザ(の携帯端末11)から応答があったかを判定する。他のユーザから応答がないと判定された場合、処理は図6に戻る。
【0097】
一方、ステップS52で、他のユーザから応答があったと判定された場合、即ち、他の携帯端末11から、ユーザ名とグループIDを受信した場合、全体制御部63は、ステップS53において、受信したグループIDが自分のグループIDと一致するかを判定する。
【0098】
ステップS53で、受信したグループIDが自分のグループIDと一致しないと判定された場合、処理はステップS54に進み、全体制御部63は、その携帯端末11に、拒否の応答をTCP通信により送信する。
【0099】
一方、ステップS53で、受信したグループIDが自分のグループIDと一致すると判定された場合、処理はステップS55に進み、全体制御部63は、ユーザの参加を知らせる表示を行う。具体的には、全体制御部63は、図7の起動画面91の右上に表示したような、「’****’entered」を表示させる。ここで、’****’には、自分のグループIDと一致したユーザのユーザ名が表示される。なお、図15を参照して説明した同一グループのユーザのコネクション解除により、ユーザがグループからいなくなる場合には、全体制御部63は、「’****’left」を画面右上に表示させる。
【0100】
ステップS56において、全体制御部63は、自分のグループIDと一致したユーザのユーザ名を、ネットワーク上の携帯端末11の識別情報であるIPアドレスと対応付けて、ユーザリストに追加する。
【0101】
さらに、ステップS57において、全体制御部63は、自分のグループIDと一致したユーザに、自分のユーザ名を、TCP通信により送信して、コネクション処理を終了し、図6に戻る。ステップS55乃至S57の処理は並行して実行することができる。
【0102】
ステップS57の処理により送信されたユーザ名を受信した携帯端末11側でも、同様に、受信したユーザ名をIPアドレスと対応付けて自身のユーザリストに追加する処理が行われる。
【0103】
以上のように、全体制御部63は、自身のグループIDと一致する他の携帯端末11と同一のグループを構成することにより、ローカルエリアネットワーク内の1以上の他の携帯端末11と一つのグループを構成する。
【0104】
[撮影処理の詳細フロー]
次に、図17のフローチャートを参照して、図6のステップS27で実行される撮影処理について説明する。
【0105】
撮影処理では、初めに、ステップS71において、Cameraモード制御部61は、撮影部35により得られた撮影画像のデータを取得し、記憶部27に保存する。
【0106】
ステップS72において、Cameraモード制御部61は、ステップS71で取得した撮影画像を、1/2等の所定の比率で縮小した縮小画像を生成する。
【0107】
ステップS73において、Cameraモード制御部61は、ステップS72で生成した縮小画像を、ユーザリストに登録されている、同一グループの他のユーザにTCP通信により送信して、図6に戻る。
【0108】
[撮影画像割込処理フロー]
図18は、図17の撮影処理によって他の携帯端末11から送信された縮小画像を受信するための処理である、携帯端末11の撮影画像割込処理のフローチャートである。この処理は、図6のメイン処理とは別に並行して、定期的に実行される。
【0109】
初めに、ステップS91において、全体制御部63は、グループ内の他のユーザ(の携帯端末11)から縮小画像を受信したかを判定し、縮小画像を受信したと判定されるまで待機する。
【0110】
ステップS91で、グループ内の他のユーザから縮小画像を受信したと判定された場合、処理はステップS92に進み、全体制御部63は、他のユーザから受信した縮小画像を記憶部27に記憶する。記憶部27には、受信した縮小画像のデータと、縮小画像を送信してきたユーザ名が対応付けて記憶される。
【0111】
そして、ステップS93において、全体制御部63は、他のユーザから縮小画像を受信したことを示すトースト表示を行う。
【0112】
[トースト表示の例]
図19は、他のユーザから縮小画像を受信したときのトースト表示の例を示している。なお、図19は、動作モードがViewモードである場合の例であるが、Cameraモードでも同様である。
【0113】
Viewモードにおいては、表示部32では、4枚の撮影画像を時系列に配置したViewモード画像102が表示されている。この状態において、他のユーザから縮小画像を受信すると、全体制御部63は、「写真が届きました」のメッセージとともに、受信した縮小画像のサムネイルを表示させた新着通知121をトースト表示させる。即ち、表示部32では、Viewモード画像102の上に、新着通知121が、1秒でフェードインされ、3秒間表示された後、1秒でフェードアウトされる。
【0114】
Viewモード画像102の上に表示された新着通知121を、ユーザがタップして選択すると、全体制御部63は、いま受信した縮小画像を含む、撮影時刻が最新の4枚の撮影画像を表示させる。
【0115】
図20は、ユーザが新着通知121をタップして選択することにより、表示部32に表示されたViewモード画像131の例を示している。
【0116】
図20に示されるViewモード画像131を構成する4枚の撮影画像のうち、右下に配置されている撮影画像が、直近に受信され、図19においてトースト表示されたサムネイルに対応している。また、Viewモード画像131を構成する各撮影画像の表示サイズは、他のユーザから受信される縮小画像のサイズと一致する。
【0117】
図18に戻り、ステップS93として、受信した縮小画像のトースト表示が行われた後、ステップS94において、全体制御部63は、受信した縮小画像を表示させる操作がされたかを判定する。即ち、全体制御部63は、新着通知121をタップする操作がされたかを判定する。
【0118】
ステップS94で、受信した縮小画像を表示させる操作がされたと判定された場合、処理は図6のメイン処理のステップS23に進み、メイン処理に合流する。従って、上述したように、直近に受信された縮小画像を含む最新の撮影画像(縮小画像)が表示部32に表示される。
【0119】
一方、ステップS94で、受信した縮小画像を表示させる操作がされていないと判定された場合、処理は図6のメイン処理のステップS15に進み、メイン処理に合流する。即ち、トースト表示が終了し、それまでの処理が続行される。
【0120】
以上のように、携帯端末11は、撮影部35で撮影された撮影画像を縮小した縮小画像を同一のグループの他の携帯端末11に送信するとともに、同一のグループの他の携帯端末11で撮影して得られた撮影画像の縮小画像を受信する。そして、縮小画像を受信した携帯端末11は、受信したことを示すトースト表示を行い、受信した縮小画像の表示が指示された場合、受信した縮小画像を含む所定枚数(4枚)の最新の縮小画像(撮影画像)を表示部32に表示する。
【0121】
従って、同一のグループに属する複数のユーザは、他のユーザが撮影した撮影画像をその場で即座に見ることができる。また、撮影画像を縮小した縮小画像を送信するので、撮影画像そのまま送信するよりもデータ容量は少なくなり、送受信が短くなるので、他のユーザが撮影した撮影画像を即座に見ることができる。
【0122】
[ユーザリスト整合性維持処理の説明]
次に、写真共有アプリケーション51が実行する、ユーザリスト整合性維持処理について説明する。
【0123】
例えば、所定のグループに属するユーザがトイレに行くなどして、無線ルータ12の通信範囲から外れた場合、そのユーザへの送信は送信エラー(送信未到達)となることが考えられる。なぜなら、コネクション解除処理が行われていないため、ユーザリストにはそのユーザが登録されたままであり、メッセージ(データ)が送信されるからである。ユーザリスト整合性維持処理は、そのような送信エラーを解決するための処理である。
【0124】
ユーザリスト整合性維持処理では、図21に示すように、写真共有アプリケーション51を実行している携帯端末11が、自身が保有するユーザリストに登録された各ユーザ宛てに存在チェックメッセージを定期的に送信する。
【0125】
存在チェックメッセージを受信した他の携帯端末11は、存在することを示す応答(存在応答)を返信する。存在チェックメッセージを送信した携帯端末11は、他のユーザから、存在応答を受信したか否かに応じて、ユーザリストを更新する。
【0126】
このような処理を、写真共有アプリケーション51を実行している携帯端末11それぞれが実行することで、自身が保有するユーザリストの整合性を維持する。
【0127】
[ユーザリスト整合性維持処理フロー]
図22は、ユーザリスト整合性維持処理のフローチャートを示している。この処理は、図6のメイン処理や図18の撮影画像割込処理とは別に並行して、定期的に実行される。
【0128】
初めに、ステップS101において、全体制御部63のユーザ管理部71は、存在チェックメッセージを、自身が保有するユーザリストに登録された各ユーザ宛てに送信する。
【0129】
ステップS102において、ユーザ管理部71は、送信エラーが発生したユーザがいるかを判定する。
【0130】
ステップS102で、送信エラーが発生したユーザがいると判定された場合、処理はステップS103に進み、ユーザ管理部71は、送信エラーとなったユーザをユーザリストから一時不在リストに移動する。一時不在リストは、コネクション解除処理が行われず、送信エラーとなったユーザのユーザ名とIPアドレスを記憶させるリストである。ステップS103の後、処理はステップS101に戻る。
【0131】
一方、ステップS102で、送信エラーが発生したユーザがいないと判定された場合、処理はステップS104に進み、ユーザ管理部71は、送信したユーザのなかに、一時不在リストのユーザがいるかを判定する。
【0132】
ステップS104で、一時不在リストのユーザがいると判定された場合、即ち、送信エラーから復活したユーザがいる場合、処理はステップS105に進み、ユーザ管理部71は、送信エラーから復活したユーザを、一時不在リストからユーザリストに移動する。
【0133】
ステップS105の後、または、ステップS104で一時不在リストのユーザがいないと判定された場合、処理はステップS101に戻る。そして、ステップS101乃至S105の処理は繰り返し実行される。
【0134】
以上のユーザリスト整合性維持処理によれば、存在チェックメッセージを送信し、送信エラーとなったユーザについては一時不在リストに移動するが削除はされない。一時不在リストのユーザには、撮影により得られた撮影画像の送信を一時停止したり、復活してから再送信したりすることができる。これにより、ユーザが無線ルータ12の通信範囲から外れた場合であっても、適切にユーザを管理することができる。
【0135】
[撮影画像のその他の表示方法の例]
Viewモードにおける撮影画像(縮小画像)のその他の表示方法の例について説明する。
【0136】
上述した実施の形態では、図11を参照して説明したように、表示部32の上面を、右または左方向にスクロール操作(またはフリック操作)することにより、表示されている撮影画像より過去または未来の方向の撮影画像を表示させるようにした。
【0137】
しかし、例えば、図23Aに示すように、4枚の撮影画像を表示するViewモード画像の上に、スライドバー141を重畳表示させ、ユーザがスライドバー141のスライダ141aを移動させた位置に応じた撮影時刻の4枚の撮影画像を表示させるようにしてもよい。
【0138】
図23Bの例では、スライダ141aが、図23Aの位置より左方向の所定の位置に移動されており、図23Bの4枚の撮影画像は、図23Aの4枚の撮影画像よりも、時系列で過去の画像となっている。図23において、撮影画像上に示されている、n−4,n−3,n−2,n−1,n,n+1,n+2,n+3,n+4のそれぞれは、n(>4)を中心として、数値が大きいほど撮影時刻が新しい撮影画像であることを示している。次の図24についても同様である。
【0139】
図24は、撮影画像のその他の表示方法の例であり、時系列の4枚の撮影画像が、ランダムに重なって表示される例を示している。
【0140】
図24Aでは、n,n+1,n+2,n+3の4枚の撮影画像が表示されている。図24Bでは、図24Aに示した4枚の撮影画像の上に、次に撮影時刻の新しいn+4,n+5,n+6,n+7の撮影画像が表示されている。
【0141】
図24Bでは、図24Aに示した1つ前の4枚の組の撮影画像の上に、撮影時刻の新しい4枚の撮影画像がランダムに重なっているため、ユーザは、その下に配置された撮影時刻の古い撮影画像を少しだけ見ることができる。しかし、ユーザが撮影画像全体を見ることができるのは、最上位に配置された4枚の撮影画像だけである。
【0142】
図24Bに示したn+4,n+5,n+6,n+7の4枚の撮影画像が表示されている状態において、例えば、ユーザが、n+6の撮影画像をタッチして、図24Cの矢印で示す方向(画面外側方向)にフリック操作を行うとする。この場合、Viewモード制御部62は、n+6の撮影画像と、それより新しい撮影時刻の撮影画像を消去する表示制御処理を行う。図24Cの例で言えば、n+6の撮影画像とn+7の撮影画像が消去され、図24Dに示されるように、n+6の撮影画像の次に撮影時刻の古いn+5の撮影画像から数えて、撮影時刻の古い4枚の撮影画像である、n+5,n+4,n+3,n+2の4枚の撮影画像が表示される。
【0143】
このように、Viewモード制御部62は、時系列を上下方向(画面に垂直な方向)に対応させて4枚単位で撮影画像を重ねて表示し、最上部に表示されている1つの撮影画像を取り除く操作が行われると、最上部に表示されている4枚の撮影画像のうち、取り除く操作がされた撮影画像と、それよりも上方向に相当する時系列の(図24Bでは、新しい時刻の)撮影画像を消去させる表示制御を行う。図24の例は、上にあるほど撮影時刻が新しくなるように撮影画像を上下方向に重ねる例であるが、時系列と上下方向の関係は逆でも良い。
【0144】
このような表示制御によれば、ユーザが上下方向に重ねて配置した撮影画像を指でかき分けるイメージの操作を行うことで、撮影画像を時系列に簡単に閲覧することができる。
【0145】
上述した例は、4枚単位で撮影画像を表示する例であるが、同時に表示させる撮影画像の枚数はこれに限定されず、所定の枚数に設定することができる。
【0146】
[変形例]
上述した実施の形態では、携帯端末11は、スマートフォンと呼ばれる、携帯電話と携帯情報端末を融合させた高機能の携帯電話機であるとした。しかし、携帯端末11は、ネットワーク接続機能を有するものであれば、その他、例えば、タブレット端末、PDA (Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機などでもよい。さらに、携帯端末11以外の、ネットワーク接続機能を有する、携帯型テレビジョン受像機、ノート型(携帯型)のパーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機やプロジェクタなどの映像表示装置などの電子機器でもよい。換言すれば、携帯端末11は、図1の通信システム1のネットワークを構築する電子機器の一つの例に過ぎず、タブレット端末、携帯型ゲーム機などの電子機器が、通信システム1のネットワークに接続されて、写真共有アプリケーション51を実行してもよい。
【0147】
例えば、イベント会場に設置された大画面の映像表示装置を、通信システム1の構成として加えた場合、所定のユーザの携帯端末11で撮影して得られた撮影画像を、各ユーザの携帯端末11以外に、大画面の映像表示装置にも表示させることができる。なお、大画面の映像表示装置では、携帯端末11の表示部32に対して行うようなタッチ操作(スクロール操作やフリック操作)ができない場合が多い。そのような場合には、映像表示装置に付属のリモートコントローラの矢印キーで操作させるようにすることができる。
【0148】
また、通信システム1を構成する各電子機器間のネットワーク内の通信は、上述した無線通信の他、有線通信で行うものが含まれていてもよい。
【0149】
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる場合はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで実行されてもよい。
【0150】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0151】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0152】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成するグループ構成部と、
前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信する通信部と、
受信した前記撮影画像を表示する表示部と
を備える電子機器。
(2)
被写体を撮影する撮影部をさらに備え、
前記表示部は、前記撮影部で撮影された撮影画像も表示し、
前記通信部は、さらに、前記撮影部で撮影された撮影画像のデータを前記通信端末に送信する
前記(1)に記載の電子機器。
(3)
前記通信部は、前記撮影部で撮影された撮影画像を所定の比率で縮小した縮小画像のデータを、前記同一のグループの前記通信端末に送信するとともに、前記通信端末で撮影された撮影画像を前記所定の比率で縮小した縮小画像のデータを受信する
前記(1)または(2)に記載の電子機器。
(4)
前記通信部は、前記グループを識別するグループ識別情報を前記通信端末から受信し、
前記グループ構成部は、自身の前記グループ識別情報と一致する前記通信端末と同一のグループを構成する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の電子機器。
(5)
前記グループ識別情報を取得するグループ識別情報取得部をさらに備える
前記(4)に記載の電子機器。
(6)
前記グループ識別情報取得部は、2次元コードまたはURLから読み出された前記グループ識別情報を取得する
前記(5)に記載の電子機器。
(7)
前記表示部は、時系列の前記撮影画像を所定枚数単位で表示する
前記(1)から(6)のいずれかに記載の電子機器。
(8)
前記表示部は、時系列を上下方向に対応させて前記所定枚数単位で前記撮影画像を重ねて表示し、最上部に表示されている1つの前記撮影画像を取り除く操作が行われると、前記最上部に表示されている前記所定枚数の前記撮影画像のうち、取り除く操作がされた前記撮影画像と、それよりも上方向に相当する時系列の前記撮影画像を消去する
前記(7)に記載の電子機器。
(9)
前記表示部は、前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信したとき、受信したことを示す表示を行い、受信した前記撮影画像の表示が指示された場合、受信した前記撮影画像を含む前記所定枚数の最新の前記撮影画像を表示する
前記(7)または(8)に記載の電子機器。
(10)
グループ構成部と、通信部と、表示部とを備える電子機器の、
前記グループ構成部が、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、
前記通信部が、前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、
前記表示部が、受信した前記撮影画像を表示する
ステップを含む電子機器の制御方法。
(11)
コンピュータに、
ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、
前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、
受信した前記撮影画像を表示部に表示させる
処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0153】
1 通信システム, 11 携帯端末, 12 無線ルータ, 21 CPU, 27 記憶部, 30 入力部, 32 表示部, 33 無線通信部, 35 撮影部, 51 写真共有アプリケーション, 61 Cameraモード制御部, 62 Viewモード制御部, 63 全体制御部, 71 ユーザ管理部, 72 2次元コード取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成するグループ構成部と、
前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信する通信部と、
受信した前記撮影画像を表示する表示部と
を備える電子機器。
【請求項2】
被写体を撮影する撮影部をさらに備え、
前記表示部は、前記撮影部で撮影された撮影画像も表示し、
前記通信部は、さらに、前記撮影部で撮影された撮影画像のデータを前記通信端末に送信する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記通信部は、前記撮影部で撮影された撮影画像を所定の比率で縮小した縮小画像のデータを、前記同一のグループの前記通信端末に送信するとともに、前記通信端末で撮影された撮影画像を前記所定の比率で縮小した縮小画像のデータを受信する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通信部は、前記グループを識別するグループ識別情報を前記通信端末から受信し、
前記グループ構成部は、自身の前記グループ識別情報と一致する前記通信端末と同一のグループを構成する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記グループ識別情報を取得するグループ識別情報取得部をさらに備える
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記グループ識別情報取得部は、2次元コードまたはURLから読み出された前記グループ識別情報を取得する
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示部は、時系列の前記撮影画像を所定枚数単位で表示する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記表示部は、時系列を上下方向に対応させて前記所定枚数単位で前記撮影画像を重ねて表示し、最上部に表示されている1つの前記撮影画像を取り除く操作が行われると、前記最上部に表示されている前記所定枚数の前記撮影画像のうち、取り除く操作がされた前記撮影画像と、それよりも上方向に相当する時系列の前記撮影画像を消去する
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記表示部は、前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信したとき、受信したことを示す表示を行い、受信した前記撮影画像の表示が指示された場合、受信した前記撮影画像を含む前記所定枚数の最新の前記撮影画像を表示する
請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
グループ構成部と、通信部と、表示部とを備える電子機器の、
前記グループ構成部が、ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、
前記通信部が、前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、
前記表示部が、受信した前記撮影画像を表示する
ステップを含む電子機器の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
ローカルエリアネットワーク内の1以上の通信端末と同一のグループを構成し、
前記同一のグループの前記通信端末で撮影された撮影画像のデータを受信し、
受信した前記撮影画像を表示部に表示させる
処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−227814(P2012−227814A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95017(P2011−95017)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】