説明

電子機器および通信制御方法

【課題】近接無線通信方式による電子機器間の接続を確実に行い、且つ電子機器の電源状態に応じた接続の制御を行うことができる電子機器を実現する。
【解決手段】接続モード切替部201は、電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104において、InitiatorモードとResponderモードのいずれかが設定される接続モードを自動的に切り替える。接続モード切替部201は、乱数発生部204により生成される乱数と、電源状態管理部205から得られる電子機器10の外部電源接続の有無、およびバッテリ107の残量の情報に基づいて、接続モードの切替タイミングを決定する。これにより、他の電子機器との接続を確実に行うと共に、電源状態に応じて接続を制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接無線通信方式で通信を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近接無線通信方式では、ユーザがデバイス同士を近づけることで、デバイス間における通信を行うことができる。この操作は、ユーザにとって直感的で簡単であるため、近接無線通信は今後、携帯端末機器等において広く普及することが見込まれる。
【0003】
近接無線通信方式では、デバイスに他のデバイスが接近したことを検出して、通信を開始するため、他のデバイスの接近を監視しなければならない。このため、近接無線通信方式のデバイスは、常に電力を消費する。近接無線通信方式のデバイスは携帯端末機器等に用いられ、長時間連続しての利用が想定されるため、消費電力はできるだけ抑えられることが望ましい。
【0004】
特許文献1には、複数の通信装置間における無線通信において、通信装置の一つを主局、他を従局として、送信側である主局から受信側である従局に対する通信を行い、主局となり得る通信装置が複数存在する場合には、所定の条件の下で自動的に主局と従局を切り替える手段を備える通信装置が開示されている。
【0005】
ところで、近接無線通信方式により、2つのデバイス間で接続を確立するためには、あるデバイスが接続要求を送信し、他のデバイスがこの接続要求を受信して、応答する必要がある。このため、デバイス間の接続の確立には、2つのデバイスにおける接続要求の送信、および受信のタイミングが重要といえる。
【特許文献1】特開2005−142854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、デバイス間の接続を確実に確立するため、各デバイスにおける送信、および受信の切替のタイミングを制御する新たな手段の実現が必要である。
【0007】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、近接無線通信方式による電子機器間の接続を容易に確立することができる電子機器および通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明の電子機器は、近接無線通信を実行する近接無線通信デバイスと、前記近接無線通信デバイスが別の近接無線通信デバイスと未接続の状態である場合に、前記近接無線通信デバイスの接続モードを、前記別の近接無線通信デバイスに対して接続を要求する第1モードと前記別の近接無線通信デバイスからの接続要求を検出する第2モードとの間で交互に切り替える接続モード切替手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、近接無線通信方式による電子機器間の接続を容易に確立することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器10の構成を説明する。この電子機器10は、例えば、携帯電話機やPDAといった携帯端末機器、パーソナルコンピュータ、またはTV、オーディオプレーヤのようなコンシューマ機器として実現される。この電子機器10は、システム制御部101、ROM102、RAM103、近接無線通信デバイス104、電源制御部105、ACアダプタ106、およびバッテリ107により構成される。
【0012】
システム制御部101は、電子機器10内の各部の動作を制御する。システム制御部101は、CPU101aを備え、ROM102、RAM103、近接無線通信デバイス104、および電源制御部105に接続される。
【0013】
CPU101aは、ROM102に格納された命令群およびデータをRAM103へロードし、必要な処理を実行する。RAM103には、近接無線通信を行うための近接無線通信制御プログラム103aがロードされている。CPU101aは、RAM103にロードされた近接無線通信制御プログラム103aを実行して、近接無線通信デバイス104を制御する。
【0014】
近接無線通信デバイス104は、近接無線通信を実行する。近接無線通信は、NFC(Near Field Communication)の一種である。近接無線通信デバイス104と別の近接無線通信デバイスとの間の近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は例えば3cmである。近接無線通信デバイス104と別の近接無線通信デバイスとの間の無線接続は、近接無線通信デバイス104と別の近接無線通信デバイスとの間の距離が所定距離(例えば3cm)以内に接近した場合にのみ可能となる。近接無線通信においては、誘導電界が用いられる。近接無線通信方式としては、例えばTransfer JETを使用し得る。Transfer JETは、UWBを利用した近接無線通信方式であり、高速データ転送を実現することができる。
【0015】
近接無線通信デバイス104は、PHY/MAC部104aとアンテナ部104bとを備える。PHY/MAC部104aは、CPU101aにより実行された近接無線通信制御プログラム103aの制御を受けて、動作する。PHY/MAC部104aは、アンテナ部104bを介して、近接無線通信機能を有する別の電子機器との通信を行う。アンテナ部104bは、誘導電界を用いた信号により、別の電子機器に対するデータの送受信を行う。
【0016】
電源制御部105は、ACアダプタ106を介して外部から供給される電力、またはバッテリ107から供給される電力を用いて、電子機器10内の各部に電力を供給する。換言すれば、電子機器10は、AC商用電源のような外部電源、またはバッテリ107によって駆動される。ACアダプタ106は電子機器10内に設けることも出来る。また、電源制御部105は、ACアダプタ106を介して電子機器10に外部電源が供給されているか否かを判別する機能を有している。電子機器10に外部電源が供給されている場合、電源制御部105は、外部電源を用いて電子機器10内の各部に電力を供給する。一方、電子機器10に外部電源が供給されていない場合、電源制御部105は、バッテリ107の電力を用いて、電子機器10内の各部に電力を供給する。さらに、電源制御部105は、バッテリ107の残量に関する情報を保持する。
【0017】
図2は、近接無線通信制御プログラム103aの構成を示している。近接無線通信制御プログラム103aは、接続モード切替部201、接続要求部202、接続応答部203、乱数発生部204、および電源状態管理部205を備える。これら接続モード切替部201、接続要求部202、接続応答部203、乱数発生部204、および電源状態管理部205の各々は、ソフトウェアモジュールとして実現されている。
【0018】
接続モード切替部201は、接続要求部202と接続応答部203のいずれを動作させるかを決定し、接続要求部202と接続応答部203の一方を選択する。接続要求部202と接続応答部203のうち、接続モード切替部201により選択された側が、近接無線通信デバイス104を制御する。
【0019】
近接無線通信方式の接続モードには、InitiatorモードとResponderモードがある。Initiatorモードに設定されたデバイス、つまりInitiatorは、マスタデバイスとして機能して、別のデバイスに対して接続要求を送信する。Responderモードに設定されたデバイス、つまりResponderは、スレーブデバイスとして機能して、Initiatorから送信される接続要求を検出する。近接無線通信方式においては、InitiatorとResponderとが近接されることによって、それらInitiatorとResponderとの間の接続が確立される。たとえResponder同士あるいはIntiator同士が近接されたとしても、通信を確立することはできない。このため、あるデバイス間のデータ転送を近接無線通信を用いて実行するためには、ユーザはそれらデバイスの接続モードを設定するための操作を行う必要がある。しかし、このような操作は、ユーザにとっては煩わしい操作であると云える。
【0020】
接続モード切替部201は、ユーザが接続モードの変更に関する操作を何等行わずとも、近接無線通信デバイス104と別のデバイスとの間の接続を確立できるように、InitiatorモードとResponderモードを自動で切り替えるための制御を行う。上述したように、Initiatorモードでは、近接無線通信デバイス104は、接続する別の近接無線通信デバイスに対して接続要求を行う。一方、Responderモードでは、近接無線通信デバイス104は、接続する別の近接無線通信デバイスからの接続要求を検出する。したがって、接続要求部202は、Initiatorモードに対応する処理を行う。また、接続応答部203は、Responderモードに対応する処理を行う。
【0021】
接続要求部202は、近接無線通信デバイス104を介し、接続する別の近接無線通信デバイスに対して接続要求信号Connectを送信する。
【0022】
接続応答部203のResponderモードはさらに、SearchモードとSleepモードの2つのモードに分けられる。Searchモードでは、接続応答部203は、Initiatorモードである別の近接無線通信デバイスから、Connect信号が届いていないかを調べる。Sleepモードでは、接続応答部203は、通信を抑制することで消費電力を削減する。すなわち、Sleepモードでは、Connect信号を検出するためのSearch処理は実行されない。
【0023】
接続モード切替部201は、上述したように、近接無線通信デバイス104の接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。この接続モード切替処理により、電子機器10と他の電子機器との間の接続が確立される可能性を高めることができる。これは、以下の理由による。
【0024】
接続モードの切り替えは、ボタン操作のようなユーザからの明示的な指示に応答して行うことも出来る。例えば、2つのデバイスA,Bが存在する場合を想定する。これらデバイスA,Bの各々のデフォルトの接続モードはResponderモードに設定されている。Responderモードにおいては、各デバイスは、一定時間間隔でSearch処理を実行する。ユーザがデバイスAを操作した時、デバイスAの接続モードはResponderモードからInitiatorモードに切り替わる。ResponderモードであるデバイスBは一定時間間隔でSearch処理を実行している。したがって、ユーザによってデバイスAがデバイスBに接近されたならば、デバイスBはデバイスAから送信される接続要求信号Connectを検出することができる。
【0025】
しかし、接続モード切替に要する操作は、前述のように、ユーザにとって煩わしい操作である。図3は、本実施形態の電子機器10を用いた近接無線通信の例を示したものである。ここで、2つのデバイスA,Bのうち、デバイスAが本実施形態の電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104、デバイスBがResponderモードに設定された別の近接無線通信デバイスである場合を想定する。この場合、デバイスAは、接続モード切替部201により、接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。デバイスBは、一定時間間隔でSearch処理を実行する。接続モード切替部201により、デバイスAの接続モードがInitiatorモードに切り替わった時、ResponderモードであるデバイスBは、一定時間間隔でSearch処理を実行している。したがって、ユーザが明示的にデバイスAの接続モードを切り替える操作をした場合と同様に、ユーザによってデバイスAがデバイスBに接近されたならば、デバイスBはデバイスAから送信される接続要求信号Connectを検出することができる。
【0026】
なお、図3ではデバイスAを携帯電話機として、デバイスBをパーソナルコンピュータとして図示したが、近接無線通信を行う電子機器の組み合わせはこれに限定されるものではない。したがって、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、および各種コンシューマ機器等の本実施形態を実現する装置のいずれを用いた組み合わせでもよい。
【0027】
接続モード切替部201は、InitiatorモードとResponderモードのいずれかである接続モードを近接無線通信デバイス104に設定する際、乱数発生部204と電源状態管理部205から得られる情報を用いて、当該接続モードに割り当てる期間(時間間隔)を決定する。乱数発生部204は、接続モード切替部201に対して、生成した乱数を出力する。電源状態管理部205は、電源制御部105から得られるACアダプタ106を介した外部電源供給の有無、およびバッテリ107の残量に関する情報を保持する。
【0028】
図4は、2つの電子機器間における通常の近接無線通信方式による接続処理を示したものである。ここで、デバイスAはResponderモードであり、Search処理が実行されている期間中、デバイスBからの接続要求に対して応答する。一方、デバイスBはInitiatorモードであり、デバイスAに対して接続要求を行う。
【0029】
図4において、デバイスBはデバイスAに対してConnect信号を送信している。これに対してデバイスAは、Sleepモードである期間中、通信を行わず、デバイスBからの接続要求に応答していない。デバイスAがSleepモードからSearchモードへ移行すると、デバイスAはSearch処理を実行し、デバイスBからのConnect信号を検出している。したがって、デバイスAがSearchモードである期間中に、デバイスAはデバイスBからのConnect信号を検出し、デバイスAとデバイスBとの間の接続が確立される。
【0030】
これに対して、図5および図6は、2つの電子機器間において、通常の近接無線通信方式による接続処理が失敗する例をそれぞれ示したものである。
【0031】
図5において、デバイスAおよびデバイスBはいずれもResponderモードで動作している。デバイスAおよびデバイスBのいずれもInitiatorモードではないため、Connect信号を送信しない。したがって、デバイスAおよびデバイスBは、Searchモード期間中に他の電子機器からのConnect信号を検出することがなく、接続を確立できない。
【0032】
図6では、デバイスAおよびデバイスBはいずれもInitiatorモードで動作し、Connect信号を送信している。しかし、デバイスAおよびデバイスBのいずれもResponderモードではないため、Searchモードにおける接続要求の検出は行われない。したがって、デバイスAおよびデバイスBは、Connect信号に応答する他の電子機器がないため、接続を確立できない。
【0033】
図7は、本実施形態において、2つの電子機器間で近接無線通信を行う場合の接続モード切替処理について示したものである。ここで、デバイスAはResponderモードである近接無線通信デバイスである。一方、デバイスBは、本実施形態の電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104である。デバイスBは、接続モード切替部201により、接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。この場合、デバイスAがResponderモードであるため、デバイスBを常にInitiatorモードとすれば、容易にデバイス間の接続を確立することができる。しかしながら、Initiatorモードであるデバイスの消費電力は大きく、実際の利用においてデバイスBを常にInitiatorモードとすることは困難である。また、携帯電話機等の携帯端末機器での利用を想定した場合、長時間連続して使用するために、消費電力はできるだけ抑えられることが望ましい。そこで本実施形態では、接続モードを、消費電力の小さいResponderモードと消費電力の大きいInitiatorモードとの間で交互に切り替える。図7では、デバイスBにおいて、Responderモードには期間A、Initiatorモードには期間Bである一定の時間が割り当てられる。一方、デバイスAは、一定時間間隔でSearch処理を実行する。
【0034】
このようにして、デバイスBの近接無線通信デバイス104に設定される接続モードを切り替えることで、ユーザが明示的に接続モードを切り替える操作を行うことなく、デバイスAとデバイスBとの間の接続を確立することができる。例えば、携帯電話機に保存されたデータと、パーソナルコンピュータに格納している当該データのバックアップとを同期させる場合、ユーザは、携帯電話機をパーソナルコンピュータに近づけるだけで済む。
【0035】
図7では、デバイスBがConnect信号を送信している期間中(Initiatorモードである期間中)に、ResponderモードであるデバイスAがSearch処理実行中であれば、接続が確立(OK)される。一方、デバイスBがResponderモードである期間中に、ResponderモードであるデバイスAがSearch処理を実行しても、図5に示した例と同様に接続は確立されない(NG)。
【0036】
ここで図7において、デバイスAのSearchモードが、図中のNGで示した期間のみであるようなSleepモードとSearchモードとの切替タイミング(以下、Sleep/Searchモード切替タイミングと云う)である場合を想定する。このSleep/Searchモード切替タイミングは、デバイスBのInitiator/Responderモード切替タイミング(Responderモードである期間AとInitiatorモードである期間Bの切替タイミング)と同期している。このような場合、デバイスAがSearch処理を実行するときに、デバイスBが常にResponderモードであるという状況が生じる。つまり、これら2つの切替タイミングが同期すると、デバイスAがSearch処理を実行する期間中に、デバイスBがConnect信号を送信することがなく、常に接続を確立できないということが起きる可能性がある。
【0037】
そこで本実施形態では、接続モード切替部201は、乱数を発生し、この乱数に応じて変化する時間間隔(期間)で、InitiatorモードとResponderモードとの間の切替を行う。図8は、本実施形態における、生成した乱数に基づく期間による接続モード切替処理について示したものである。ここで、デバイスAはResponderモードの近接無線通信デバイスである。一方、デバイスBは、本実施形態の電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104である。デバイスBは、接続モード切替部201により、接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。デバイスBにおいて、ResponderモードとInitiatorモードそれぞれに割り当てられる期間は、乱数発生部204において切替時毎に生成される乱数に基づいて決定される。したがって、切替時毎にResponderモード、およびInitiatorモードに割り当てられる期間がランダムに変更される。
【0038】
図8では、デバイスBのResponderモード、およびInitiatorモードの切替において、それぞれの接続モードに割り当てられる期間は、期間A,B,C,D,E,……のように、切替時毎にランダムに変更されている。これによりデバイスBのInitiator/Responderモード切替タイミングは、ResponderモードであるデバイスAのSleep/Searchモード切替タイミングと同期することなく、正常に接続を確立することができる。
【0039】
ところで、前述したように、携帯電話機等の携帯端末機器での利用を想定した場合、長時間連続して使用するために、消費電力はできるだけ抑えられることが望ましい。そこで本実施形態では、図9および図10に示すように、電源状態に基づく接続モード切替期間の調整を行うこともできる。
【0040】
この場合、電子機器10が外部電源によって駆動されている場合に近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間は、電子機器10が外部電源によって駆動されていない場合(電子機器10がバッテリ107によって駆動されている場合)に近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間よりも長く設定される。逆に、電子機器10が外部電源によって駆動されている場合に近接無線通信デバイス104がResponderモードに維持される各期間は、電子機器10が外部電源によって駆動されていない場合に近接無線通信デバイス104がResponderモードに維持される各期間よりも短く設定される。
【0041】
この結果、電子機器10が外部電源によって駆動されている場合には、近接無線通信デバイス104によって消費される電力は増えるものの、デバイス間の接続の確立が短期間に成功しやすくなる。一方、電子機器10が外部電源によって駆動されていない場合には、近接無線通信デバイス104によって消費される電力を低減することができる。
【0042】
なお、たとえ電子機器10がバッテリ107によって駆動されている場合であっても、バッテリ107の残容量がしきい値以上であるならば、近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間を、電子機器10が外部電源によって駆動されている場合に近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間の長さと同様の長い期間に設定してもよい。しきい値としては、例えば、バッテリ107がほぼ満充電されている状態に対応するバッテリ107の残容量を示す値を使用し得る。電子機器10がバッテリ107によって駆動されており且つバッテリ107の残容量がしきい値未満であるならば、近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間は、電子機器10が外部電源によって駆動されている場合またはバッテリ107の残容量がしきい値以上である場合に近接無線通信デバイス104がInitiatorモードに維持される各期間よりも短く設定される。
【0043】
図9は、電子機器10がACアダプタ106を介して外部電源に接続された状態、もしくはバッテリ107が満充電状態であるなど電力容量が十分にある場合の接続モード切替処理を示している。ここで、デバイスAはResponderモードの近接無線通信デバイスである。デバイスAでは、一定の時間間隔でSearch処理が実行される。一方、デバイスBは、本実施形態の電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104である。デバイスBは、接続モード切替部201により、接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。なお、デバイスBにおけるResponderモードは、Searchモードのみが割り当てられ、Sleepモードへの切替は行われない。したがって、デバイスBでは、接続モード切替部201により、長時間のInitiatorモードと短時間のResponderモード(Searchモード)との切替が実施される。このような切替処理によって、デバイスAによるSearch処理の期間とデバイスBによるConnect信号送信の期間とが重なる可能性が高まる。すなわち、デバイス間の接続の確立が短期間に成功しやすいといえる。
【0044】
但し、デバイスBにおいてSleepモードが実施されないため、消費電力は大きい。したがって、この接続モード切替処理は、前述したように電子機器が外部電源に接続された状態、もしくはバッテリ満充電状態など電力容量が十分にある場合にのみ実施することができる。
【0045】
これに対して、図10は電子機器10のバッテリ107の残量が少ない場合の接続モード切替処理を示している。ここでも同様に、デバイスAはResponderモードの近接無線通信デバイスである。デバイスAでは、一定の時間間隔でSearch処理が実行される。一方、デバイスBは、本実施形態の電子機器10に設けられた近接無線通信デバイス104である。デバイスBは、接続モード切替部201により、接続モードを、InitiatorモードとResponderモードとの間で交互に切り替える。なお、デバイスBは、Responderモードの期間を長く、Initiatorモードの期間を短く設定する。このように、消費電力の小さいResponderモードの期間をInitiatorモードの期間よりも長く設定する切替処理により消費電力を抑えることができる。
【0046】
このように、図9に示す電子機器10が外部電源に接続されている、もしくはバッテリ107の残量がしきい値以上である場合のInitiatorモードの期間は、図10に示すバッテリ107の残量がしきい値未満である場合のInitiatorモードの期間よりも長く設定される。つまり、図9の電力容量が十分にある場合には、消費電力は大きいものの、デバイス間の接続の確立が短期間に成功しやすい接続モード切替処理を実行する。一方、図10の電力容量が十分でない場合には、消費電力を抑えることができる接続モード切替処理を実行する。
【0047】
次に、図11に示すフローチャートに従って、一定時間毎に接続モードを切り替える接続モード切替処理について説明する。以下では、接続モード切替部201が近接無線通信デバイス104をInitiatorモードに設定する期間をInitiator時間、Responderモードに設定する期間をResponder時間と云う。
【0048】
まず、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードを例えば、Initiatorモードに設定する(ステップS301)。
【0049】
次に、近接無線通信デバイス104は、設定されたモードに対して予め設定された一定の時間だけ待つ(ステップS302)。つまり、Initiatorモードに設定された場合、近接無線通信デバイス104は、Initiatorモードに対して予め設定されたInitiator時間だけ、別の近接無線通信デバイスに対して接続を要求する。また、Responderモードに設定された場合、近接無線通信デバイス104は、Responderモードに対して予め設定されたResponder時間の内のSearch処理時間だけ、別の近接無線通信デバイスからの接続要求に応答する。
【0050】
一定時間だけ待った後、接続モード切替部201は、接続モードがInitiatorモードかResponderモードかを判定する(ステップS303)。接続モードがInitiatorモードである場合(ステップS303のYes)、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードをResponderモードに切り替える(ステップS304)。接続モードがInitiatorモードでない場合、つまりResponderモードである場合(ステップS303のNo)、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードをInitiatorモードに切り替える(ステップS305)。
【0051】
ここで、電子機器10が通信を継続する場合(ステップS306のYes)、ステップS302以降の処理を繰り返す。電子機器10が通信を継続しない場合(ステップS306のNo)には、処理を終了する。
【0052】
以上の処理により、図7に示したような一定の時間間隔で接続モードを切り替える接続モード切替処理が実現される。
【0053】
これに対して図12は、切替時毎に生成する乱数に基づいて決定する期間(時間間隔)で、接続モードを切り替える接続モード切替処理のフローチャートを示したものである。
【0054】
まず、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードを例えば、Initiatorモードに設定する(ステップS401)。
【0055】
次に、接続モード切替部201は、乱数発生部204により生成される乱数を取得する(ステップS402)。接続モード切替部201は、取得した乱数の値を時間間隔とし、この乱数時間だけ切替を待つ(ステップS403)。つまり、Initiatorモードに設定された場合、近接無線通信デバイス104は、この乱数時間だけ別の電子機器に対して接続を要求する。また、Responderモードに設定された場合、近接無線通信デバイス104は、この乱数時間だけ別の電子機器からの接続要求に応答する。
【0056】
次に、接続モードがInitiatorモードである場合(ステップS404のYes)、接続モード切替部201は、接続モードをResponderモードに切り替える(ステップS405)。接続モードがReponderモードである場合(ステップS404のNo)、接続モード切替部201は、接続モードをInitiatorモードに切り替える(ステップS406)。
【0057】
ここで、電子機器10が通信を継続する場合(ステップS407のYes)、ステップS402以降の処理を繰り返す。電子機器10が通信を継続しない場合(ステップS407のNo)には、処理を終了する。
【0058】
以上の処理により、図8に示したような切替時毎に生成する乱数に基づく時間間隔で接続モードを切り替える接続モード切替処理が実現される。電子機器10の接続モード切替タイミングはランダムに変更され、Responderモードである別の電子機器のSleep/Searchモード切替タイミングと同期することなく、正常に接続を確立することができる。
【0059】
図13は、電子機器10の電源状態に応じて接続モード切替タイミングを調整する処理のフローチャートである。接続モード切替部201は、電源状態管理部205が保持する電子機器10の電源状態に関する情報に基づき、接続モード切替タイミングの調整を行う。
【0060】
まず、接続モード切替部201は、電子機器10がAC電源に接続されているか否かを判定する(ステップS501)。電子機器10がAC電源に接続している場合、つまり電子機器10が外部電源によって駆動されている場合(ステップS501のYes)、接続モード切替部201は、電子機器10の近接無線通信デバイス104がInitiatorモードとして動作する期間であるInitiator時間を長く設定する(ステップS502)。
【0061】
電子機器10がAC電源に接続していない場合、電子機器10がバッテリ107によって駆動されている場合(ステップS501のNo)には、バッテリ107の残量に応じた処理を行う。バッテリ107の残量がしきい値X以上である場合(ステップS503のYes)、接続モード切替部201は、Initiator時間を長く設定する(ステップS504)。バッテリ107の残量がしきい値X以上でなく(ステップS503のNo)、且つしきい値Y以下である場合(ステップS505のYes)、接続モード切替部201は、Initiator時間を短く設定する(ステップS506)。バッテリ107の残量がしきい値X以上でなく(ステップS503のNo)、且つしきい値Y以下でない場合(ステップS505のNo)、Initiator時間は変更されない。ただし、
しきい値X > しきい値Y
とする。
【0062】
したがって、接続モード切替部201はInitiator時間を、電子機器10の電源状態に基づいて、図14のように設定する。すなわち、電子機器10がAC電源に接続されている、もしくはバッテリ107の残量がしきい値X以上である場合、Initiator時間をResponder時間よりも長く設定する。バッテリ107の残量がしきい値Y以下である場合、Initiator時間をResponder時間よりも短く設定する。バッテリ107の残量がしきい値Yより大きく、且つしきい値X未満である場合、Initiator時間は変更されない。このように、電子機器10がAC電源によって駆動されている、もしくはバッテリ107によって駆動され且つバッテリ107の残量がしきい値X以上である場合のInitiator時間は、電子機器10がバッテリ107によって駆動され且つバッテリ107の残量がしきい値Y以下である場合のInitiator時間よりも長く時間に設定される。なお、ここではしきい値Xとしきい値Yの2つのしきい値を使用する例を説明したが、一つのしきい値のみを用いる構成であってもよい。
【0063】
以上の処理により、図9および図10に示したような電子機器10の電源状態に基づいて決定される期間で接続モードを切り替える接続モード切替処理が実現される。すなわち、電子機器10がAC電源に接続されている、もしくはバッテリ107の残量が十分にある場合には、電子機器10と別の電子機器の間で接続の可能性を高めるようにInitiator時間、およびResponder時間が変更される。一方、バッテリ107の残量が十分でない場合には、近接無線通信デバイス104の動作に要する消費電力を削減するようにInitiator時間、およびResponder時間が変更される。
【0064】
なお、図13および図14は、電源状態に基づく接続モード切替タイミング調整の一例であり、接続モード切替タイミング調整の方法をこれに限定するものではない。図13および図14では、Initiator時間を電源状態に基づいて三段階に分割して設定する方法を示しているが、分割数、および分割のためのしきい値は、電子機器10の利用形態等に応じて変更可能である。また、バッテリ残量に基づく計算式を設定して、Initiator時間を算出してもよい。
【0065】
図15および図16は、電子機器10の電源状態に基づくInitiator時間算出の例を示したものである。Initiator時間は、予め与えられる固定値と、乱数発生部204により生成される乱数による可変値とを加えた値により算出し得る。
【0066】
図15は、乱数発生部204により生成される乱数が取り得る値を電源状態に応じて変更し、可変値として設定することで、Initiator時間を調整している。固定値については、電源状態によらず一定である。
【0067】
具体的には、電子機器10がAC電源に接続している、もしくはバッテリ残量が多い場合、乱数発生部204により生成される乱数が取り得る最大値を大きくする。一方、電子機器10のバッテリ残量が少ない場合、乱数発生部204により生成される乱数が取り得る最大値を小さくする。これにより、Initiator時間は、電子機器10がAC電源に接続している、もしくはバッテリ残量が多い場合に長く、バッテリ残量が少ない場合に短くなる。
【0068】
図16は、固定値を電源状態に応じて変更することで、Initiator時間を調整している。可変値については、乱数発生部204により生成される乱数が取り得る値の範囲を電源状態によらず一定としている。
【0069】
具体的には、電子機器10がAC電源に接続している、もしくはバッテリ残量が多い場合、固定値を大きくする。一方、電子機器10のバッテリ残量が少ない場合、固定値を小さくする。これにより、Initiator時間は、電子機器10がAC電源に接続している、もしくはバッテリ残量が多い場合に長く、バッテリ残量が少ない場合に短くなる。
【0070】
図17は、切替時毎に生成する乱数、および電子機器10の電源状態に基づく期間で、接続モードを切り替える接続モード切替処理のフローチャートを示したものである。
【0071】
接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードがInitiatorモードである場合(ステップS601のYes)、Initiator時間を取得する(ステップS602)。Initiator時間には、図15および図16に示した例のように、接続モードおよび電源状態により決定される固定時間に、乱数発生部204により生成された乱数により決定される可変時間を加えた値が設定される。
【0072】
接続モード切替部201は、Initiator時間だけ切替を待つ(ステップS603)。つまり、近接無線通信デバイス104は、Initiator時間だけ、別の近接無線通信デバイスに対して接続要求を行う。次に、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードをResponderモードに切り替える(ステップS604)。
【0073】
接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードがInitiatorモードでない(Responderモードである)場合(ステップS601のNo)、Responder時間を取得する(ステップS605)。Responder時間には、図15および図16に示した例のように、接続モードおよび電源状態により決定される固定時間に、乱数発生部204により生成された乱数により決定される可変時間を加えた値が設定される。
【0074】
接続モード切替部201は、Responder時間だけ切替を待つ(ステップS606)。つまり、近接無線通信デバイス104は、Responder時間だけ、別の近接無線通信デバイスからの接続要求に応答する。次に、接続モード切替部201は、近接無線通信デバイス104の接続モードをInitiatorモードに切り替える(ステップS607)。
【0075】
ここで、電子機器10が通信を継続する場合(ステップS608のYes)、ステップS601以降の処理を繰り返す。電子機器10が通信を継続しない場合には(ステップS608のNo)、処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子機器に設けられた近接無線通信デバイスにおいて、InitiatorモードとResponderモードのいずれかが設定される接続モードを切り替えることで、電子機器間の接続を容易に確立することができる。また、接続モードをInitiatorモード、およびResponderモードとして割り当てる期間(時間間隔)を、切替時毎に生成する乱数と電子機器の電源状態に基づいて決定することで、他の電子機器との接続を確実に行うと共に、電源状態に応じて接続を制御して、近接無線通信にかかる消費電力を削減することができる。
【0077】
なお、本実施形態においてソフトウェアモジュールとして記載した図2の接続モード切替部、接続要求部、接続応答部、乱数発生部、および電源状態管理部は、ハードウェアモジュールとして実現することも可能である。
【0078】
また本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の電子機器に設けられる近接無線通信制御プログラムの構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子機器を用いた近接無線通信の例を説明する図。
【図4】2つの電子機器間における通常の近接無線通信方式による接続処理を説明する図。
【図5】2つの電子機器間における通常の近接無線通信方式による接続処理失敗の例を説明する図。
【図6】2つの電子機器間における通常の近接無線通信方式による接続処理失敗の別の例を説明する図。
【図7】同実施形態の2つの電子機器間の接続処理において一定の時間による接続モード切替を説明する図。
【図8】同実施形態の2つの電子機器間の接続処理において乱数に基づく接続モード切替を説明する図。
【図9】同実施形態の2つの電子機器間の接続処理において電源状態に応じた接続モード切替の例を説明する図。
【図10】同実施形態の2つの電子機器間の接続処理において電源状態に応じた接続モード切替の別の例を説明する図。
【図11】同実施形態の電子機器において一定の時間による接続モード切替処理の手順を示すフローチャート。
【図12】同実施形態の電子機器において乱数に基づく時間による接続モード切替処理の手順を示すフローチャート。
【図13】同実施形態の電子機器において電源状態に基づく接続モード切替の時間調整処理の手順を示すフローチャート。
【図14】同実施形態の電子機器において電源状態に基づく接続モード切替の時間調整の例を説明する図。
【図15】同実施形態のInitiatorモードの電子機器に割り当てられた時間を乱数による可変値で調整する例を説明する図。
【図16】同実施形態のInitiatorモードの電子機器に割り当てられた時間を固定値で調整する例を説明する図。
【図17】同実施形態の電子機器において、乱数および電源状態に基づく接続モード切替の時間調整の例を説明する図。
【符号の説明】
【0080】
10…電子機器、101…システム制御部、101a…CPU、102…ROM、103…RAM、103a…近接無線通信制御プログラム、104…近接無線通信デバイス、104a…PHY/MAC部、104b…アンテナ部、105…電源制御部、106…ACアダプタ、107…バッテリ、201…接続モード切替部、202…接続要求部、203…接続応答部、204…乱数発生部、205…電源状態管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接無線通信を実行する近接無線通信デバイスと、
前記近接無線通信デバイスが別の近接無線通信デバイスと未接続の状態である場合に、前記近接無線通信デバイスの接続モードを、前記別の近接無線通信デバイスに対して接続を要求する第1モードと前記別の近接無線通信デバイスからの接続要求を検出する第2モードとの間で交互に切り替える接続モード切替手段とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記接続モード切替手段は、乱数を発生し、前記接続モードを、前記乱数に応じて変化する時間間隔で、前記第1モードと前記第2モードとの間で切り替えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続モード切替手段は、前記電子機器が外部電源によって駆動されている場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が外部電源によって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも長い期間に設定することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記接続モード切替手段は、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されている場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも短い期間に設定することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続モード切替手段は、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されている場合、前記バッテリの残量がしきい値以上であるか否かを判定し、前記バッテリの残量がしきい値以上である場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記バッテリの残量がしきい値未満である場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも長い期間に設定し、前記バッテリの残量がしきい値未満である場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が前記バッテリの残量がしきい値以上である場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも短い期間に設定することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続モード切替手段は、前記電子機器が外部電源によって駆動されている場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が外部電源によって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも長い期間に設定することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記接続モード切替手段は、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されている場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも短い期間に設定することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器に設けられた近接無線通信デバイスによって近接無線通信を実行するステップと、
前記近接無線通信デバイスが別の近接無線通信デバイスと未接続の状態である場合に、前記近接無線通信デバイスの接続モードを、前記別の近接無線通信デバイスに対して接続を要求する第1モードと前記別の近接無線通信デバイスからの接続要求を検出する第2モードとの間で交互に切り替える接続モード切替ステップとを具備することを特徴とする通信制御方法。
【請求項9】
前記接続モード切替ステップは乱数を発生し、前記接続モードを、前記乱数に応じて変化する時間間隔で、前記第1モードと前記第2モードとの間で切り替えることを特徴とする請求項8記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記接続モード切替ステップは、前記電子機器が外部電源によって駆動されている場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が外部電源によって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも長い期間に設定し、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されている場合、前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間を、前記電子機器が前記電子機器内のバッテリによって駆動されていない場合に前記接続モードが前記第1モードに維持される各期間よりも短い期間に設定することを特徴とする請求項8記載の通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−28666(P2010−28666A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190023(P2008−190023)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【特許番号】特許第4405569号(P4405569)
【特許公報発行日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】