説明

電子機器の制御装置

【課題】バスバー組立体の収容凹部に対してリレー回路などの電子部品を、硬化した接着剤を利用して強固に保持してガタを抑制し得る電子機器の制御装置を提供する。
【解決手段】樹脂モールドのバスバー組立体4に、リレー回路10を収容する収容凹部11を形成すると共に、この収容凹部の内面対向位置に、一対の凹溝13a、13bを上下長手方向に沿って形成すると共に、該凹溝内面の収容凹部の開口端11c近傍に、リレー回路の抜け出し方向に対してほぼ直角方向へ延出した係止突起14a、14bを一体に設け、凹溝とリレー回路との間に充填された固化後の接着剤12を、前記係止突起に係止させてリレー回路を収容凹部内に強固に保持した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば樹脂モールドなどの支持体に電子部品を実装固定してなる電子機器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、例えば電動パワーステアリング装置などの電子機器の制御装置に用いられるリレー回路やコンデンサなどの電子部品を、樹脂モールドによって形成された支持体に固定する技術としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
概略を説明すると、前記支持体に形成された凹部内に、前記リレー回路などの電子部品を収容配置すると共に、前記凹部の内周面と前記リレー回路の外周面との間の隙間に熱可塑性の接着剤を充填して硬化させることによって、リレー回路などの各電子部品を支持体に固定させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−78690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の技術にあっては、前記凹部内面に、例えばモールド成形時に付着した油成分などが残存していると、経時的に接着剤と凹部内面との接着力が低下し、振動など凹部内で電子部品のガタが発生し易くなる。この結果、リレー回路などの電子部品の各端子にストレスが掛かってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、支持体の収容凹部内に充填されて硬化した接着剤を係止して、収容凹部に収容された電子部品を強固に保持することにより、ガタの発生を抑制し得る電子機器の制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願請求項1に係る発明は、とりわけ、支持体の収容凹部の内面に、前記硬化した接着剤が係止する係止部を設けたことを特徴としている。
【0008】
本願請求項2に係る発明は、収容凹部の内面に、前記電子部品に向かって延出した突起状の係止部を一体的に設け、前記硬化した後の接着剤を、前記係止部に係止させて前記電子部品を前記収容凹部内に固定したことを特徴としている。
【0009】
本願請求項3に係る発明は、前記係止部を、凹部の開口端付近の内面に段差状に設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記収容凹部の内面に、接着剤が充填される凹溝を形成すると共に、該凹溝の内面に前記係止部を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収容凹部と電子部品との間に充填されて経時的に硬化した接着剤は、電子部品の外面に強固に接着する一方、係止部に係止することによって収容凹部内面に沿った移動が確実に規制される。この結果、電子部品を、接着剤を介して収容凹部内に確実に保持することが可能になり、ガタの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る電子機器の制御装置を示す分解斜視図である。
【図2】前記電子機器制御装置に供されるバスバー組立体を示す底面図である。
【図3】同バスバー組立体の正面図である。
【図4】同バスバー組立体の収容凹部にリレー回路が収容保持された状態を示す拡大底面図である。
【図5】本実施形態の収容凹部を示す斜視図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図5のB−B線断面図である。
【図8】本実施形態の凹溝とリレー回路との間に接着剤が充填された状態を示す要部縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示す収容凹部を示す斜視図である。
【図10】図9のC−C線断面図である。
【図11】図9のD−D線断面図である。
【図12】本実施形態の凹溝に接着剤が充填された状態を示す図9のC−C線断面図である。
【図13】本実施形態の凹溝に接着剤が充填された状態の他例を示す図9のC−C線断面図である。
【図14】第3実施形態を示す断面図である。
【図15】第4実施形態を示す断面図である。
【図16】第5実施形態を示す断面図である。
【図17】第5実施形態の変形例を示す断面図である。
【図18】第6実施形態を示す要部斜視図である。
【図19】本実施形態の収容凹部を示す斜視図である。
【図20】本実施形態の収容凹部にコンデンサが収容された状態を示す半断面図である。
【図21】本実施形態の凹溝とコンデンサとの間に接着剤が充填された状態を示す図18のE−E線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る電子機器の制御装置を、例えば、自動車のブレーキ系の電子制御装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0014】
ブレーキ系の電子制御装置は、具体的に図示しないが、エンジンルームと車室とを仕切る隔壁に一端が固定されて、他端にタンデム型のシリンダであるマスターシリンダが設けられた駆動機構と、該駆動機構の上端部に一体的に設けられて、駆動機構に有する電動アクチュエータを制御する電子機器制御装置(ECU)1と、を備えている。
【0015】
前記ECU1は、図1に示すように、ECUケーシング01とカバー02との間に収容された電子回路2を備えている。
【0016】
前記ECUケーシング10は、アルミ合金材によって上端が開口した有底状のボックス状に形成され、外周部上端に上端開口を、シール部材03を介して閉塞する前記カバー02が複数のビス04によって固定されるようになっている。また、前記ECUケーシング01の一側部開口端には、一端部がバッテリー電源に接続される雌コネクタ9がシール部材18を介して取り付けられていると共に、他側部に形成された円形孔05には呼吸フィルタ06が嵌着固定されている。
【0017】
前記電子回路2は、電動モータのステータに電力を供給するためのパワー基板3と、通電ノイズを除去するためのフィルタ電子回路を有する支持体であるフィルタ組立体(バスバー組立体)4と、電動モータの駆動を制御するための回路基板である制御基板5と、を備えている。
【0018】
前記パワー基板3は、合成樹脂材によってほぼ長方形状の薄板状に形成され、電子部品である複数の半導体素子や複数の直流出力端子ピン、交流入力端子、3つのモータ三相端子6a〜6cの他に、上方に突設されたリードフレーム7などから構成されている。
【0019】
前記バスバー組立体4は、合成樹脂材によってモールディングによってほぼ板状一体に形成され、上面には複数の端子群8が設けられていると共に、レゾルバコネクタが底面から臨んでいる。
【0020】
また、バスバー組立体4には、図2〜図4に示すように、前記フィルタ電子回路の構成部品である複数のリレー回路10やシャント抵抗、コモンモールドコイル、ノーマルモードコイル、さらには後述する大小複数のコンデンサ19、23などが設けられている。
【0021】
前記2つのリレー回路10は、図4及び図5に示すように、一側端側から複数の端子10a〜10cが突出した立方体状に形成されて、前記バスバー組立体4の下面に形成された2つの収容凹部11に収容保持されている共に、該収容凹部11の内面11aに形成された後述する凹溝13a、13aと外面との間に充填された接着剤12によって固定されている。なお、前記リレー回路10は、外面が清掃されて油成分や埃などが殆ど付着していない状態になっている。
【0022】
前記収容凹部11は、各リレー回路10の外形に対応してほぼ角柱穴状に形成されて、長辺側の対向内面11a、11aに細長い長方形状の前記凹溝13a、13aが形成されている。この両凹溝13a、13aは、前記接着剤12が充填される部位であって、収容凹部11の上面11bよりも僅かに低い位置から下方の開口端11cまで上下長手方向に沿って形成されている。
【0023】
そして、前記両凹溝13a、13aの前記開口端11c付近の下端部には、係止部である各一対の係止突起14a、14b、14a、14bが対向して設けられている。
【0024】
すなわち、便宜上、一方側の凹溝13aの両係止突起14a、14bについて説明すると、該両係止突起14a、14bは、図5〜図7に示すように、横断面ほぼ矩形状に形成されて、リレー回路10の抜け出し方向に対してほぼ直角方向へ延出されていると共に、互いに突き合わせ状態に対峙した先端縁が前記凹溝13aの狭幅な開口部13bの長手方向中心方向に向かって突出している。また、各係止突起14a、14bは、各内端面が前記収容凹部11の内面11aと同一平面上に形成されている。
【0025】
そして、前記凹溝13aの前記狭幅な開口部13bから凹溝13aの内部、つまり凹溝13aの内面とこれに対向するリレー回路10の外面との間に、図8に示すように、前記接着剤12が充填されるようになっている。
【0026】
前記接着剤12は、熱硬化性の一般的なものであって、充填当初は流動性のある半固形状になっているが、時間が経過するにしたがって硬化して固形状に変化する材料を用いている。
【0027】
前記制御基板5は、図1に示すように、合成樹脂材によって平面ほぼL字形状の薄板状に形成され、隅部に形成された各ビス挿通孔に挿通する4本の固定用ビス15によって前記バスバー組立体4の上部に所定の隙間をもって固定されている。
【0028】
この制御基板5には、コンピュータを含む制御回路が取り付けられており、電動モータの駆動回路であるインバータ(半導体素子)の駆動を制御するための制御信号がこの基板で作られる。
【0029】
前記制御基板5の一側部に有する複数の小孔群16に、前記パワー基板3の前記リードフレーム7に設けられた複数の端子ピン7aが半田によって接続されていると共に、制御基板5の一側部に有する複数の小孔群17に、雄コネクタの接続端子ピンが半田によって接続されている。
【0030】
以下、本実施形態における前記収容凹部11に対するリレー回路10の固定方法について説明する。まず、前記各収容凹部11内に各リレー回路10を、各端子10a〜10cを外側に向けた状態で収容配置する。
【0031】
その後、図8に示すように、接着剤12を、前記各凹溝13aの開口部13bから内部、つまり凹溝13aの内面とリレー回路10の外面との間の隙間内に充填する。なお、接着剤12の充填範囲は、前記係止突起14a、14bの上面から凹溝13aの形成範囲になっているが、一部は凹溝13aの開口端13bから下方へ飛び出している。
【0032】
よって、前記接着剤12は、リレー回路10の外面に接着する共に、凹溝13aの内面にも接着し、その後、時間の経過に伴い硬化が進んで最終的に固化状態になる。
【0033】
この接着剤12が固化すると、図8に示すように、前記各係止突出14a、14bの上面に接着剤12の下端両肩部12aが係止した状態になる。この状態での接着剤12は、リレー回路10の外面との大きな接着力が維持されている。
【0034】
したがって、この状態で車両から伝達された振動や凹溝13a内面に付着した油成分などに起因して、経時的に前記接着剤12と凹溝13aの内面との接着力が低下して両者12,13a間に剥離現象が発生した場合でも、上端両肩部12aが前記各係止突起14a、14bの上面に係止して、該係止突起14a、14bが、固化した接着剤12に対するいわばストッパとして機能する。このため、リレー回路10は、収容凹部11の内面に沿った移動、すなわち、リレー回路10の抜き出し方向への移動が確実に規制されて該収容凹部11内に強固に保持された状態になる。
【0035】
これによって、各リレー回路10の収容凹部11内でのガタの発生を十分に抑制できる。この結果、車両からバスバー組立体8に伝達された振動によるリレー回路10の各端子10a〜10cにストレスが掛かるのを十分に回避できる。
【0036】
しかも、前記固化した接着剤12は、弾性ゴム状になって外部から伝達された前記振動に対する緩衝機能を発揮することから、各リレー回路10への振動伝達を効果的に遮断することが可能になる。これによって、前述の係止突起14a、14bによるリレー回路10の固定作用と相俟って振動低減効果が大きくなる。
【0037】
また、この実施形態では、前記凹溝13a、13aの内面に単に前記係止突起14a、14bを一体に設けるだけであるから、この製造作業が容易である。
【0038】
また、前記バスバー組立体4を樹脂モールディングによって成形した後の脱脂などの洗浄作業を簡略化させることができ、これらによって、製品コストの高騰も抑制できる。
【0039】
さらに、前記係止突起14a、14bを、収容凹部11の開口端11c付近に設けたことから、凹溝13a内への接着剤12の充填作業が行い易くなると共に、凹溝13aの内部全体に接着剤12を供給できる。この多くの供給量によって、前記リレー回路10の外面と接着剤12の接着面積を大きくすることができる。この結果、リレー回路10に対する保持力が大きくなると共に、固化した接着剤12による緩衝機能も向上する。
〔第2実施形態〕
図9〜図11は本発明の第2実施形態を示し、係止突起14a、14bの形成位置を変更したものである。
【0040】
すなわち、前記収容凹部11の対向内面に形成された各凹溝13a、13aの図中上下方向のほぼ中央位置に、前記係止突起14a、14bが一体に設けられている。この両係止突起14a、14bの各先端縁の互いに対向する突出量は、第1実施形態のものと同じである。
【0041】
前記接着剤12は、図12に示すように、前記各係止突起14a、14bを挟んだ上下の凹溝空間に充填されて、硬化後は上下方向のほぼ中央が前記両係止突起14a、14bに巾方向から係止されるようになっている。
【0042】
したがって、この実施形態も第1実施形態と同様な作用効果が得られるが、特に、接着剤12のほぼ上下方向のほぼ中央位置が前記両係止突起14a、14bに係止されて、いわば接着剤12のほぼ中央が両係止突起14a、14bによって挟持された状態になるため、係止力が大きくなると共に、接着剤12の弾性力が発揮し易くなって、リレー回路10に対する緩衝作用が大きくなる。
【0043】
また、接着剤12は、図13に示すように、前記凹溝13aの下側凹溝空間のみの充填することも可能であり、この場合も両係止突起14a、14bによる係止力が作用することは勿論であり、また、接着剤12の消費量が少なくなる。
【0044】
なお、前記各係止突起14a、14bを、第1実施形態の図6及び図7に示すように、下端部と中央位置の2箇所など、複数箇所に設けても良く、この場合には、係止位置が増えることにより、係止力が向上する。
〔第3実施形態〕
図14は第3実施形態を示し、基本構造は第2実施形態とほぼ同様であるが、異なるところは、前記凹溝13a、13aの下端部に凸部20を一体に設け、該凸部20の両側に凹溝13a、13aと連続する一対の抜け孔20a、20aが上下方向に貫通形成されている。
【0045】
これによって、バスバー組立体4を射出成形した際に、前記両抜け孔20a、20aを介して成形金型からの抜け性が容易になる。なお、この場合、接着剤12は粘度の高いものを選択すれば、充填時に前記抜け孔20a、20aから流出してしまうおそれはない。
〔第4実施形態〕
図15は第4実施形態を示し、収容凹部11の対向内面に上下方向に貫通した凹溝13a、13aが形成され、該凹溝13a、13aの長手方向のほぼ中央位置に両係止突起14a、14bがそれぞれ設けられている。したがって、前記両凹溝13a、13aによって収容凹部11の底部11dの両側に抜け孔20c、20dが形成される。このため、前記第3実施形態の抜け孔20a、20bと同様な作用効果が得られる
〔第5実施形態〕
図16は第5実施形態を示し、前記各凹溝13aの上下方向のほぼ中央位置に、一対の係止突起14a、14aを横方向に沿って一体に設けたもので、該係止突起14aの両側には接着剤12が流通可能な通路溝21a、21aが形成されている。
【0046】
また、この変形例としては、図17に示すように、凹溝13aの下端部に成形金型からの抜け性を確保する1つの抜け孔22を形成することも可能である。
【0047】
この実施形態も前記各実施形態と同様な作用効果が得られると共に、構造がさらに簡単になるので、製造作業性がより向上する。
〔第6実施形態〕
図18〜図21は第6実施形態を示し、電子部品として前記バスバー組立体4に取り付けられた前記小型のコンデンサ23を対象としたものである。
【0048】
すなわち、前記バスバー組立体4の端部下面に上下方向に形成された小径円柱状の収容凹部24内に、小径円柱状のコンデンサ23が収容配置されている。また、前記収容凹部24の内周面の円周方向の対向位置には、一対の凹溝25a、25aが切欠形成されている。
【0049】
この両凹溝25a、25aは、上下方向に沿った細長い長方形に切欠形成され、前記接着剤12が充填される部位であって、収容凹部24の上面24aよりも僅かに低い位置から下方の開口端24bまで上下方向に沿って延長形成されている。
【0050】
そして、前記両凹溝25a、25aの開口端25b付近の下端部には、係止部である各一対の係止突起26a、26b、26a、26bが対向して設けられている。
【0051】
すなわち、便宜上、一方側の凹溝25aの両係止突起26a、26bについて説明すると、該両係止突起26a、26bは、横断面ほぼ矩形状に形成されて、前記コンデンサ23の抜け方向に対して直角方向内方へ突設されていると共に、円周方向の各先端縁が互いに突き合わせ状態に対峙して前記凹溝25aの開口部25bの円周方向中心線方向へ突出していると共に、各内側面26c、26cが前記収容凹部24の内面24cとほぼ同一平面上に形成されている。前記両係止突起26a、26bの対向する先端縁の間に形成された前記開口部25bから凹溝25a内に接着剤12が充填されるようになっている。
【0052】
したがって、この実施形態も、前記接着剤12が固化すると、図21に示すように、前記各係止突起26a、26bの上面に接着剤12の下端両肩部12aが係止した状態になる。この状態での接着剤12は、コンデンサ23の外面との大きな接着力が維持されている。
【0053】
この状態で車両から伝達された振動や凹溝25a内面に付着した油成分などに起因して、経時的に前記接着剤12と凹溝25aの内面との接着力が低下し凹溝25a内面と接着剤12との間に剥離現象が発生した場合でも、上端両肩部12aが前記各係止突起26a、26bの上面に係止していることから、コンデンサ23は、収容凹部11の内面に沿った移動を確実に規制されて該収容凹部24内に強固に保持された状態になる。
【0054】
これによって、コンデンサ23の収容凹部24内でのガタの発生を十分に抑制できる。この結果、車両からバスバー組立体8に伝達された振動によるコンデンサ23の図外の各端子にストレスが掛かるのを十分に回避できる。
【0055】
また、前記各接着剤12が、弾性ゴム状になってコンデンサ23への振動伝達を吸収する緩衝機能を発揮することは前記各実施形態と同様である。
【0056】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例え支持体としては前記バスバー組立体4に限定されるものではなく、樹脂モールドの回路組立体であればいずれのものでもよい。
【0057】
また、係止部としては、前記各実施形態の係止突起に限定されるものではなく、たとえば収容凹部11の内面に横方向に細長い多段状の凹溝を形成して、該凹溝によって上下に形成される複数の細長い係止突起によって構成することも可能である。
【0058】
さらに、電子部品としては、前記リレー回路やコンデンサの他に、樹脂モールドの収容凹部に収容保持されるものであればどのようなものであってもよい。
【0059】
また、前記各実施形態では、収容凹部の内面に凹溝を形成し、ここに係止突起を設ける構成としたが、前記収容凹部の内面に直接係止突起を設けることも可能である。
【0060】
また本発明を前記ブレーキ系以外の電子機器の制御装置に適用することも可能である。
【0061】
前記実施形態から把握される前記請求項以外の発明の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕請求項4に記載の電子機器の制御装置であって、
前記凹溝の内面に設けられる係止部を、前記収容凹部の内方へ突出した係止突起によって形成したことを特徴とする電子機器の制御装置。
〔請求項b〕請求項aに記載の電子機器の制御装置であって、
前記係止突起を、凹溝の上下長手方向のほぼ中央位置に形成したことを特徴とする電子機器の制御装置。
【0062】
この発明によれば、係止突起を挟んだ一方の凹溝内に接着剤を充填すればよいので、該接着剤の消費量を少なくすることが可能になる。
〔請求項c〕請求項4に記載の電子機器の制御装置であって、
前記凹溝を収容凹部の長手方向に沿って貫通状態に形成したことを特徴とする電子機器の制御装置。
【0063】
この発明によれば、凹溝を貫通状態に形成したことにより、樹脂モールドの型成形時の成形体を凹溝に沿って抜き取ることができるので、かかる成形作業が容易になる。
【符号の説明】
【0064】
1…電子機器制御装置
2…電子回路
3…パワー基板
4…バスバー組立体(樹脂モールド)
5…制御基板
10…リレー回路(電子部品)
11…収容凹部
12…接着剤
13a…凹溝
14a・14b係止突起
23…コンデンサ(電子部品)
24…収容凹部
25a…凹溝
26a・26b…係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路を構成する支持体に収容凹部を形成し、該収容凹部に電子部品を接着剤によって固定してなる電子機器の制御装置であって、
前記収容凹部の内面に、前記硬化した接着剤が係止する係止部を設けたことを特徴とする電子機器の制御装置。
【請求項2】
電気回路を構成する樹脂モールドに電子部品を収容する収容凹部を形成すると共に、該収容凹部の内面と電子部品の外面との間に、接着剤を充填して前記電子部品を収容凹部内に固定してなる電子機器の制御装置であって、
前記収容凹部の内面に、前記電子部品に向かって延出した突起状の係止部を一体的に設け、前記硬化した後の接着剤を、前記係止部に係止させて前記電子部品を前記収容凹部内に固定したことを特徴とする電子機器の制御装置。
【請求項3】
前記係止部を、収容凹部の開口端付近の内面に段差突起状に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器の制御装置。
【請求項4】
前記収容凹部の内面に、接着剤が充填される凹溝を形成すると共に、該凹溝の内面に前記係止部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−67798(P2012−67798A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211076(P2010−211076)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】