説明

電子機器及び電子機器ユニットの排出方法

【課題】 第2の電子機器ユニットの表示部を収納ケース内で使用者側に向けるようにして視認し易い様にすると共に第2の電子機器ユニットを収納ケースの上部に突出させることなく収納可能でコンパクトに構成した電子機器及び電子機器ユニットの排出方法を得る。
【解決手段】 本発明は電子機器1の収納ケース3内に第1及び第2の電子機器ユニット23、24を収納可能とし、第1の電子機器ユニット23を収納ケース3から引き出す際に、第2の電子機器ユニット24に配設した表示部16aやディスク挿入口を利用者の視認し易い方向に自動的に向ける様にした電子機器及び電子機器ユニットの排出方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及び電子機器ユニットの排出方法に係わり、特に、キーボード等の操作部と、モニタ等の表示部に分離構成された、複数の電子機器ユニットを収納ケースに摺動可能に収納するように成した電子機器及び電子機器ユニットの排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図4に示すように、電子機器50としての収納ケース51の内部にはモニタ52が配設された第2の電子機器ユニット(以下、モニタユニット、MUと記す)53及びキーボード54が配設されたスライドテーブルからなる第1の電子機器ユニット(以下、キーボードユニット、KUと記す)55が収納され、MU53は収納ケース51の上部に形成されたモニタ収納部の内部にモニタ52の表示面57が斜め上方に向くように収納されており、又、キーボード54は収納ケース51の内部に水平のA−A'方向に摺動可能とされ、収納ケース51の前面に形成された開口部56より出し入れ可能なスライドテーブルからなるKU55に取り付けられている。
【0003】
従って、KU55は未使用時に、収納ケース51の内部に収納することができ、キーボード54の使用時のみKU55を収納ケース51の前面の開口部56より引き出すようにして、キーボード54の保護お及び収納ケース51自体の省スペース化を図っていた。
【0004】
然し、上記構成に於いては、モニタ52の視認性を向上させるために、MU53を収納ケース51の上面部51aに傾斜させて収納してあり、このMU53の最下部58は収納ケース51内部にまで深く突出することになる。従って、KU55を収納ケース51の内部に収納した際に、MU53の最下部58との干渉を防止するために、キーボード54の操作面をMU53の最下部58より下に所定の間隔をおいて、配設して水平移動させている。このため、KU55を収納ケース51の開口部56より引き出した時、KU55に取り付けたキーボード54の操作面と収納ケース51の上面51aとの距離Aが大きくなり、モニタ52の表示面57を視る操作者の視線が高くなり操作性を悪化させていた。
【0005】
そこで、収納ケース51の内部に効率良くKU55を収納し、KU55を使用状態にした時、モニタ52の操作面との距離Aを少なくした電子機器収納装置が特許文献1に開示されている。
【0006】
図5は、特許文献1に開示された電子機器収納装置の側面図であり、図5に於いて、電子機器50の収納ケース51は、収納ケース51の上面51aに一体に形成されたMU53と、収納ケース51の左右側板内部に摺動可能に取付けられた一対のスライド板59と、このスライド板59の間に摺動可能に取付けられた機器取り付テーブル60とから構成され、この機器取り付テーブル60を収納ケース51の前面の開口部56より出し入れ可能にしている。
【0007】
スライド板59には、夫々一対の第1の摺動手段61と第2の摺動手段62が形成されている。この内、スライド板摺動溝を構成する第1の摺動手段61は、スライド板59を斜め方向に斜行させる斜行溝61a、61bと、この斜行溝61a、61bに連続して形成され且つ、スライド板59を上方に移動させた状態で保持する保持溝61c、61dとから構成される。この保持溝61c及び61dにはそれぞれ、収納ケース51の内面に固着させた係合ピン63a及び63bを摺動可能に係合させている。
【0008】
又、第2の摺動手段62は、機器取り付テーブル60を斜め方向に移動させる斜行溝62aが形成されると共に、斜行溝62bと、当該斜行溝62bに連続し且つ機器取り付テーブル60を回動させ、水平状態で保持する回動保持溝62cとから形成されている。
【0009】
機器取り付テーブル60は、キーボード54を取付ける機器取り付部と、この機器取り付部の両端を屈曲させた側板部を備え、この側板部には係合ピン62d、62eが固着されている。これら係合ピン62d、62eをそれぞれ第2の摺動種手段62の斜行溝62a及び回動保持溝62cに摺動可能に係合させている。
【0010】
そして、MU53はモニタ52の表示面57の視認性を向上させるため、モニタ52の軸線イを収納ケース51の垂直方向に対し傾斜させて収納している。このため、MU53の最下部58は収納ケース51内に深く突出され、収納ケース51の高さを高くする要因となる。
【0011】
即ち、特許文献1に於いては、機器取り付けテーブル60を収納ケース51から手動により引き出す際に機器取り付けテーブル60を収納ケース51に対し斜めに摺動させるようにし、更に、引き出すとスライド板59が収納ケース51に対し斜めに摺動するようにし、収納ケース51の上面部51aの近傍にキーボード54の作業面を位置させるようにしている。
【0012】
又、スライド板59に形成した第1の摺動手段61及び第の摺動手段62に、機器取り付テーブル60に設けた係合ピン62d、62eをそれぞれ摺動可能に係合させ、使用時には、機器取り付テーブル60を傾斜させた状態で摺動させ、回動保持孔部62cに沿って機器取り付テーブル60を回動させて水平に保持させている。
【特許文献1】特開平8−139463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
然し、上述の図4及び図5で説明した、従来技術に開示された電子機器収納装置によると、
(1)電子機器50の収納ケース51に対し、モニタ52を収納したMU53が傾斜し、収納ケース51の上面部51aから上方に突出した状態で固定されているので、図4及び図5に示す電子機器50の全体の高さBが高くなり、電子機器が大型化する。
(2)図4に示す電子機器収納装置では、収納ケース51に傾斜して固定したMU53の最下部58と摺動自在に収納ケース51内に収納されたKU55のキーボード54の操作面間に所定の間隔をあけなくてはならず、収納ケース51の高さが高くなり、電子機器50のモニタ51の上方の先端までに必要な高さBは更に、高くなり電子機器が大型化する。
(3)図5に示す電子機器収納装置では、(2)で説明したキーボード54の操作面間に所定の間隔をあけなくてはならい課題は解消されるが、MU53が収納ケース51の上面から突出して、傾斜して固定されさているために携帯や運搬に不便となると共に電子機器の移動時にモニタ52が周囲の障害物に当たって、破損する等の課題を有していた。
【0014】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、収納ケース内に少なくとも操作部を有する第1の電子機器ユニット及び少なくとも表示部を有する第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器に於いて、第1の電子機器ユニットを収納ケースの開口部から摺動可能に排出する際に、第2の電子機器ユニットの表示部を収納ケース内で使用者側に向けるようにして視認し易い様にすると共に電子機器をコンパクトに構成した電子機器及び電子機器ユニットの排出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の課題を解決するための第1の本発明の電子機器は、収納ケース内に少なくとも操作部を有する第1の電子機器ユニット及び少なくとも表示部を有する第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器に於いて、前記第1の電子機器ユニットを前記収納ケースの開口部から摺動可能に排出する際に、前記第2の電子機器ユニットの前記表示部を該収納ケース内で使用者側に向けるようにしてなるものである。
【0016】
上述の課題を解決するための第2の本発明の電子機器は、収納ケース内に第1の電子機器ユニット及び第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器に於いて、前記収納ケースに固定され、断面を略コ字状に形成した左右側面の前部に第1の枢着部を有するメインシャーシと、前記メインシャーシに摺動可能に保持され断面を略コ字状に形成した左右側板の後部に第2の枢着部を設け少なくとも操作部を固定した前記第1の電子機器ユニットを固定する第1の摺動手段と、断面を略コ字状に形成した左右側板の前方に前記第1の枢着部と回動可能に枢着される第3の枢着部を形成すると共に該左右側板に前後方向に傾斜したガイド溝を形成し、該ガイド溝に前記第2の枢着部を摺動可能に保持し、少なくとも表示部或いは記録媒体の挿入口を有する前記第2の電子機器ユニットを固定する第2の摺動手段とを備えたものである。
【0017】
上述の課題を解決するための第3の本発明の電子機器ユニットの排出方法は、収納ケース内に少なくとも操作部を有する第1の電子機器ユニット及び少なくとも表示部を有する第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器ユニットの排出方法に於いて、前記第1の電子機器ユニットを前記収納ケースの開口部から摺動して排出する際に、前記第2の電子機器ユニットの前記表示部を該収納ケース内で使用者側に向けるようにしてなるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第2の電子機器ユニットの表示部を収納ケース内で使用者側に向けるようにして視認し易い様にすると共に第1の電子機器ユニットを収納ケースの上部に突出させることなく収納可能でコンパクトに構成した電子機器及び電子機器ユニットの排出方法を得ることが出来る効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の1形態例の電子機器及び電子機器ユニットの排出方法を、放送局で使用する編集作業用の第1の電子機器ユニット及び第2の電子機器を携帯用に収納ケースに収納した音響信号再生装置に適用した構成を図1乃至図3に示す。
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の1形態例を説明する。図1は、音響信号再生装置の1形態を示す分解斜視図、図2(A)(B)は、音響信号再生装置内に第2の電子機器ユニットを収納及び取り出した状態の斜視図、図3(A)乃至(C)は、音響信号再生装置の動作を説明するための側断面図である。
【0021】
図1に於いて、電子機器を構成する音響信号再生装置1は前面に開口部2を有する略箱型に形成した金属或いは合成樹脂の収納ケース3の左右側板に携帯に便なる様に1対の把手4を固定し、開口部2の左右端には、メインシャーシ7を固定するための雌ネジ6を形成した1対のL字状金具5を収納ケース3の左右側板内に固定する。
【0022】
メインシャーシ7は略長方形状の板金の左右を上方に折り返し、略コ字状に形成した、左右側板8L、8Rの前部を左右に90度に折り返した取り付け部
9L、9Rに透孔10を穿ち、取り付け用の雄ネジ11によりL字状金具5の雌ネジ6に螺合させて収納ケース3にメインシャーシ7を固定する様に成されている。
【0023】
メインシャーシ7の左右側板8L、8Rの前部上部には後述す第2の摺動手段14に形成した軸13L、13Rが嵌合される軸受12L、12Rが形成されている。
【0024】
第2の摺動手段を構成するチルトベース(以下、CBと記す)14は略長方形状の金属板を左右上方に折り返して略コ字状に形成した左右側板14L、14Rには、前方から後方に向かって下方向に傾斜する左右のガイド溝15L、15Rを形成する。この左右側板14L、14Rの前部には前記した外側に向かって1対の軸13L、13Rを立設する。左右側板14L、14Rの前方は左右に90度に折り曲げられた折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部に4つの雌ネジ6を形成する。
【0025】
CB14には少なくともLCD等の表示部16aを有するメインユニット16が固定される。メインユニット16のパネルには左右にスピーカ16b、16cが配され、中央部に表示部16aが配され、左右端には透孔10が穿たれ、4つの雄ネジ11によりCB14の左右側板14L,14Rの折り曲げ部に形成した4つの雌ネジ6に螺合させて、CB14にメインユニット16を固定することで第2の電子機器ユニット24を構成する。
【0026】
上述のメインユニット16の筐体内には図示しないが、HDD(Hard Disk Drive)や再生部及び制御部(CPU)を備えている。HDDには複数の楽曲等の音響信号が記録され、表示部16aにはHDDに記録されている楽曲の内容を表示する。メインユニット16を構成する筐体の背面坂には電源用ケーブル21や操作部18と接続されたコネクタケーブル22が配設されている。メインユニット16のCPUは、操作部18から出力された指示信号に応じてHDDに記録された楽曲を再生する様に再生部を制御する。再生部はCPUの制御に応じてHDDに記録された音響信号を再生し、スピーカ16b、16cに出力する。スピーカ16b、16cは再生部から出力された音響信号を再生する。
【0027】
第1の摺動手段を構成するスライドベース(以下、SBと記す)17は略長方形状の金属板を左右上方に折り返して略コ字状に形成した左右側板17L、17Rの上面前方には底面に略平行な折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部に4つの雌ネジ6を形成すると共に前方にはSB17を引き出すための把手部17aを形成し、左右側板17L、17Rの後部上方に内方向に突出したガイドピン19L、19Rを形成する。左右側板17L、17Rの外側面にはスライドレール20L、20Rが固定され、このスライドレール20L、20Rがメインシャーシ7の左右側板の内面に摺動可能に保持されることで、SB17はメインシャーシ7の前後方向にスライド可能に保持される。
【0028】
SB17には少なくともキーボード等の操作部18が固定される。操作部18の操作面18aには複数の操作用キー群が配され、操作面18aの左右端には透孔10が穿たれ、4つの雄ネジ11によりSB17の左右側板17L,17Rの折り曲げ部に形成した、4つの雌ネジ6に螺合させて、SB17に操作部18を固定して第1の電子機器ユニット23を構成する。
【0029】
以下、上記した音響信号再生装置1の組み立て方法を図1により説明する。メインユニット16をCB16の左右側板14L、14R間に挿入し、メインユニット16の透孔10に挿入した雄ネジ11をCB14の左右側板16L、16Rの前部折り曲げ部に形成した雌ネジ6に螺合させて、メインユニット16をCB14に固定する。
【0030】
CB14の軸13L、13Rは1点鎖線で示す様にメインシャーシ7の左右側板8L、8Rの前部上方に形成した軸受12L、12Rに左右側板8L、8Rの内側から挿入されてメインシャーシ7に回動可能に軸支される。メインシャーシ7は収納ケース3のL字状金具5に形成した雌ネジ6にメインシャーシ7の左右側板8L、8Rの折り曲げ部に形成した透孔10に挿入した雄ネジ11を螺合させることで収納ケース3に固定される。従って、CB14は収納ケース3の左右側板に回動可能に枢着されたものであっても良い。
【0031】
SB17の左右側板17L、17Rの前部上面に形成した折り曲げ部にはキーボード等の操作部18が固定される。即ち、操作部18の左右端に形成した透孔10に挿入した雄ネジ11をSB17の折り曲げ部に形成した雌ネジ6に螺合させると共にSB17の左右側板17L、17Rの外側下部にスライドレール20L、20Rを溶接等で固定する。このスライドレール20L、20Rはメインシャーシ7の左右側板12L、12Rに内側からスライド可能に保持することによってメインシャーシ7に対しスライド可能に保持される。
【0032】
上記した様に組み立てられた音響信号再生装置1の第1の電子機器ユニット23を収納ケース3内に収納した状態と、収納ケース3から引き出した場合の動作を図2及び図3により説明する。
【0033】
図2(A)は本実施例の音響信号再生装置1の第1の電子機器ユニット23を構成するキーボード等の操作部18が収納ケース3内に収納された状態を示す斜視図、図2(B)は第1の電子機器ユニット23の操作部18を収納ケース3から引き出した状態を示す斜視図、図3(A)は図2(A)の動作説明用の側断面図、図3(B)は図3(A)の状態からほぼ半分位置まで第1の電子機器ユニット23を引き出した動作状態を示す側断面図、図3(C)は図2(B)に対応する操作部18を完全に収納ケースから引き出した動作状態を示す側断面図である。
【0034】
本例の音響信号再生装置1に於いては、図2(A)及び図3(A)に示す様に、音響信号再生装置1の収納ケース3内に第1の電子機器ユニット23であるキーボード等の操作部18を収納する場合は、第1の摺動手段であるSB17を収納ケース3内に押し込むと、CB14のガイド溝15L、15Rに摺動可能に軸支された、SB17に固定されたガイドピン19L、19Rがガイド溝15L、15Rの後方位置に移動し、第1の電子機器ユニット23の操作部18は収納ケース3内に収納される。
【0035】
上述の押し込み動作時には、後方に水平移動するガイドピン19L、19Rは傾斜したガイド溝15L、15Rに摺接し、CB14に上方に向かう力が加わるため、CB14は軸13L、13Rが軸受け12L、12Rに挿入された支点25を中心に図3(A)の様に反時計方向CCWに回動するため上動するU方向の力が働きCB14は水平状態となるためメインユニット16の表示部16aも垂直状態となる。
【0036】
次に第1の電子機器ユニット23であるキーボード等の操作部18を収納ケース3から引き出し操作部18によってメインユニット16内のCPUに指示信号を出力する場合には、SB17の把手部17aを持って、収納ケース3からSB17と共に操作部18の固定された、第1の電子機器ユニット23を前方に引き出すと、図3(B)に示す様に、ガイドピン19L、19Rは傾斜したガイド溝15L、15Rに沿って開口部2側に前方向に移動し、更に、A方向に引き出すと図3(C)に示す様に、ガイドピン19L、19Rはガイド溝15L、15Rの前部に移動する。この際、CB14のガイド溝19L、19RはD方向の下向きに押される力が働き、CB14は支点25を中心に時計方向CWの回転力が働き傾斜状態となる。
【0037】
この時、第2の電子機器ユニット24のCB14の最下部58は収納ケース3の底板近傍まで下がることになるがSB17は収納ケース3の外部にあるので、SB17に当たることは無く第2の電子機器ユニット24の表示部は図2(B)及び図3(C)に示す様に上方に傾斜した状態に保持され、利用者の視線方向に表示面を合わせることが可能となる。
【0038】
従って、使用者がキーボード等からなる操作部18の操作面18aを操作することで、コネクタケーブル22を介してメインユニット16内のCPUに制御用の指示信号が出力され、HDDに記録された音響信号をスピーカ16b、16cから放音すると共にHDDに記録されている複数の楽曲の内容が表示された表示部16aの表示面を利用者の視線方向に図3(C)の様に上動させることが出来る。
【0039】
依って、本実施例の音響信号再生装置1によれば、使用者が第2の電子機器ユニット24の表示部16aに表示される楽曲等の表示内容が第1の電子機器ユニット23を収納ケース3から引き出す操作に連動して極めて視認しやすい状態にすることが出来る。
【0040】
又、本実施例の音響信号再生装置1によれば、収納ケース3内に第1の電子機器ユニット23を完全に収納した場合は、第1の電子機器ユニット23と第2の電子機器ユニット24が夫々水平状態に保持されるので、収納ケース3の全体の高さを小さく抑えることが出来る。
【0041】
更に、本実施例の音響信号再生装置1によれば、収納ケース3の外に第1の電子機器ユニット23を図3(C)の様に前方に引き出した場合は、第2の電子機器ユニット24のCB14の後部の最下部58が降下しても、第1の電子機器ユニット23は収納ケース3の開口部2から排出されているので、第1の電子機器ユニット23の奥行き方向を大きくすることが出来ると共に収納ケース3の高さを第1の電子機器ユニット23と第2の電子機器ユニット24を水平状態で収納した状態の高さと同じにすることが出来る。
【0042】
更に、又、本実施例の音響信号再生装置1によれば、第2の電子機器ユニット24の上動或いは降下の動作が第1の電子機器ユニット23の前後方向A−Aの摺動によって自動的に行なわれるので、第1の電子機器ユニット23を収納ケース3に収納時或いは操作時の切り替え動作をより確実に行うことが出来る。
【0043】
更に、又、本実施例の音響信号再生装置1によれば、収納ケース3内に第1の電子機器ユニット23を完全に収納した場合は、第1の電子機器ユニット23と第2の電子機器ユニット24が夫々収納ケース3内に保持されるので、図4や図5の様にMU53が収納ケース51の天板より斜めに突出していないので、携帯に便利であり、音響信号再生装置1の移動時に表示部16a等が周囲の障害物により破損することを防止することが出来る。
【0044】
上述の本実施例の構成では、収納ケース3内に第1の電子機器ユニット23及び第2の電子機器ユニット24を収納し、使用者が第1の電子機器ユニット23を収納ケース3から引き出す操作に連動して第2の電子機器ユニット24の表示部16aに表示される楽曲等の表示内容が視認しやすい様に第2の電子機器ユニット24の表示部16aを上側に向ける様に傾斜させたが、CB14に形成したガイド溝15L、15Rの傾斜方向を反対状態にして、表示部16aを下方に向けるように傾斜させても良い。更に、ガイド溝15L、15Rの途中に係止溝を設けてガイドピン19L、19Rをクリックモーション的に係止溝位置で係止させ、SB17のスライド位置に応じて所定の傾斜角度位置を選択可能にすることも出来る。
【0045】
又、上述の構成では、第2の電子機器ユニット24のメインユニット16のパネル面には表示部16aとスピーカ16b、16cを配設したが、DVDレコーダやCPUのディスク駆動部のディスク挿入口や各種操作スイッチ、キー群、表示灯、コネクタ等を配設した場合でも同様の効果が得られる。
【0046】
更に、第1の電子機器ユニット23を収納ケース3から引き出した時に音響信号再生装置1全体の電源が「オン」となり第1の電子機器ユニット23を収納ケース3から引き出した時に電源が「オフ」となるようにすることも出来る。この場合、メインシャーシ7とSB17との間にSB17が前方にあるか、収納ケース3内にあるかを検出するセンサを設けて電源を「オン」「オフ」させることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本実施例は、本発明の電子機器の一実施例として音響信号再生装置について説明したが、本発明に適用可能な電子機器の第1の電子機器ユニット23及び第2の電子機器ユニット24としては、DVDレコーダ、CDやMD等のディスク及び磁気テープ媒体の記録又は/及び再生装置、テレビジョン受像機、コンピュータ、各種電子機器制御部の入出力装置、コンピュータの操作キー群等の入出力装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の電子機器の1形態例の音響信号再生装置を示す組立斜視図。
【図2】音響信号再生装置内に第2の電子機器ユニットを収納及び取り出した状態の斜視図。
【図3】音響信号再生装置の動作を説明するための側断面図。
【図4】従来の電子機器の収納装置を説明するための側面図。
【図5】従来の他の電子機器の収納装置を説明するための側面図。
【符号の説明】
【0049】
1・・・・音響信号再生装置、2・・・・開口部、3、51・・・・収納ケース、4・・・・把手、5・・・・L字状金具、6・・・・雌ネジ、7・・・・メインシャーシ、8L、8R、14L、14R、19L、19R・・・・・左右側板、9L、9R・・・・取付部、10・・・・透孔、 11・・・・ネジ(雄ネジ)、12L、12R・・・・軸受、13L、13R・・・・軸、14・・・・第1の摺動手段(CB)、15L、15R・・・・ガイド溝、16・・・・メインユニット、16a・・・・表示部、17・・・・第1の摺動手段(SB)、17a・・・・把手部、18・・・・操作部、18a・・・・操作面、20L、20R・・・・スライドレール、21・・・・電源用ケーブル、 22・・・コネクタケーブル、23・・・・第1の電子機器ユニット、24・・・・第2の電子機器ユニット、50・・・・電子機器、53・・・・モニタユニット(MU)、55・・・・キーボードユニット(KU)、60・・・・機器取り付テーブル、58・・・・最下部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ケース内に少なくとも操作部を有する第1の電子機器ユニット及び少なくとも表示部を有する第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器に於いて、
前記第1の電子機器ユニットを前記収納ケースの開口部から摺動可能に排出する際に、前記第2の電子機器ユニットの前記表示部を該収納ケース内で使用者側に向けるようにしたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
収納ケース内に第1の電子機器ユニット及び第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器に於いて、
前記収納ケースに固定され、断面を略コ字状に形成した左右側面の前部に第1の枢着部を有するメインシャーシと、
前記メインシャーシに摺動可能に保持され断面を略コ字状に形成した左右側板の後部に第2の枢着部を設け少なくとも操作部を固定した前記第1の電子機器ユニットを固定する第1の摺動手段と、
断面を略コ字状に形成した左右側板の前方に前記第1の枢着部と回動可能に枢着される第3の枢着部を形成すると共に該左右側板に前後方向に傾斜したガイド溝を形成し、該ガイド溝に前記第2の枢着部を摺動可能に保持し、少なくとも表示部或いは記録媒体の挿入口を有する前記第2の電子機器ユニットを固定する第2の摺動手段とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2記載の電子機器において、
前記第1の電子機器ユニットを前記収納ケースより引き出した際に前記第2の電子機器ユニットの前記表示部或いは前記記録媒体の挿入口を前記収納ケース内で使用者側に向けるようにしてなることを特徴とする。
【請求項4】
請求項2記載の電子機器において、
前記第2の電子機器ユニットの引き出し状態或いは収納状態を検出する検出手段を有し、該検出手段の検出結果に応じて前記電子機器の電源を制御することを特徴とする。
【請求項5】
収納ケース内に少なくとも操作部を有する第1の電子機器ユニット及び少なくとも表示部を有する第2の電子機器ユニットを収納可能にした電子機器ユニットの排出方法に於いて、
前記第1の電子機器ユニットを前記収納ケースの開口部から摺動して排出する際に、前記第2の電子機器ユニットの前記表示部を該収納ケース内で使用者側に向けるようにしたことを特徴とする電子機器ユニットの排出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−242651(P2007−242651A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58818(P2006−58818)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】