説明

電子機器用スタンド及び映像表示システム

【課題】複数の電子機器の各々を別個のスタンドを用いて支持する場合に比べて、設置面においてスタンドの設置に必要なスペースを低減することができる電子機器用スタンド及び映像表示システムを提供する。
【解決手段】電子機器用スタンド1は、設置面Sに対して固定されるベース部2と、ベース部2に接続されて、ベース部2から延びて設けられるアーム部3(即ち、第1アーム部3a及び第2アーム部3b)と、アーム部3を介してベース部2に接続されるとともに、複数の電子機器(即ち、撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9)が取り付けられる機械的構造(おねじ4a、ホルダ4b)を有するヘッド部4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電子機器を支持する電子機器用スタンド及び映像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、設置面に対して所定の高さで電子機器を保持するために、電子機器を支持する支持装置としてのスタンドを用いることが知られている。電子機器である投写型映像表示装置を支持するスタンドとしては、液晶プロジェクタ部を自在に任意の角度で支持する自在腕部と、この自在腕部を机の端部に回動可能に固定する固定部材とを有する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、電子機器である撮像装置を支持するスタンドとしては、設置支持のための支持ベースと、この支持ベースに基端部を回動可能に接続され且つ伸縮可能とされた支持アームを備える装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−163476号公報
【特許文献2】特開平8−181893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、撮像装置で撮影した映像を投写型映像表示装置で表示する際に、撮像装置と投写型映像表示装置を別個のスタンドを用いて支持する場合には、スタンドの設置スペースが大きいという問題がある。即ち、複数の電子機器を支持するために、それぞれの電子機器に対応する別個のスタンドが必要な場合には、設置面においてスタンドの設置に必要なスペースが大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電子機器の各々を別個のスタンドを用いて支持する場合に比べて、設置面においてスタンドの設置に必要なスペースを低減することができる電子機器用スタンド及び映像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、設置面に対して固定される固定部材と、固定部材に接続されて、固定部材から延びて設けられる延出部材と、延出部材を介して固定部材に接続されるとともに、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造を有する被取付部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、延出部材を介して固定部材に接続される被取付部材を備え、被取付部材には、複数の電子機器(例えば、投写型映像表示装置と撮像装置)が取り付けられる。このため、複数の電子機器を本発明の電子機器用スタンドを用いて支持する場合には、複数の電子機器の各々を別個のスタンドを用いて支持する場合に比べて、設置面においてスタンドの設置に必要なスペースを低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器用スタンドであって、延出部材の延出する態様を変化させることにより、固定部材に対する被取付部材の位置が変更可能であることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、延出部材の延出する態様(例えば、延出する方向や長さ)を変化させることにより、固定部材に対する被取付部材の位置が変更可能である。このため、設置面に対する固定部材の位置を変更することなく、被取付部材に取り付けられた電子機器(例えば、投写型映像表示装置や撮像装置)の配置を変更することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子機器用スタンドであって、複数の電子機器に電力を供給する電源部をさらに備え、電源部が、複数の電子機器の各々に応じて電力を変換することにより、複数の電子機器の各々に互いに異なる電力が供給可能であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、複数の電子機器(例えば、投写型映像表示装置と撮像装置)の各々に応じて電力を変換する電源部を備え、複数の電子機器の各々に互いに異なる電力を供給可能である。従って、複数の電子機器の全てに同じ電力が供給されずに、複数の電子機器に応じた電力が供給できるため、複数の電子機器が適切に動作するために必要となる電力が異なる場合であっても、適切な電力を複数の電子機器に供給することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、映像信号が入力される映像信号入力端子と、映像信号入力端子に入力された映像信号に対して映像信号処理を施す映像信号処理部と、映像信号処理が施された映像信号を出力する映像信号出力端子とをさらに備えることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、映像信号が入力される映像信号入力端子と、映像信号入力端子に入力された映像信号に対して映像信号処理を施す映像信号処理部と、映像信号処理が施された映像信号を出力する映像信号出力端子とを備える。このため、例えば、被取付部材に設けられた電子機器(例えば、投写型映像表示装置)において映像信号に所定の映像信号処理が施されない場合であっても、電子機器用スタンドが備える映像信号処理部においてその映像信号処理を施すことが可能である。即ち、映像信号処理について、電子機器の代替手段として本発明の電子機器用スタンドを用いることができ、機能が大幅に制限された携帯型の電子機器の支持手段として、本発明の電子機器用スタンドを好適に用いることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、音声信号が入力される音声信号入力端子と、音声信号入力端子に入力された音声信号に対して音声信号処理を施す音声信号処理部と、音声信号処理が施された音声信号を出力する音声信号出力端子とをさらに備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、音声信号が入力される音声信号入力端子と、音声信号入力端子に入力された音声信号に対して音声信号処理を施す音声信号処理部と、音声信号処理が施された音声信号を出力する音声信号出力端子とを備える。このため、例えば、被取付部材に設けられた電子機器(例えば、音声出力装置)において音声信号に所定の音声信号処理が施されない場合であっても、電子機器用スタンドが備える音声信号処理部においてその音声信号処理を施すことが可能である。即ち、音声信号処理について、電子機器の代替手段として本発明の電子機器用スタンドを用いることができ、機能が大幅に制限された携帯型の電子機器の支持手段として、本発明の電子機器用スタンドを好適に用いることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、固定部材と延出部材とが分離可能であることを特徴とする。
上記構成によれば、固定部材と延出部材とが分離可能であるため、例えば、固定部材または延出部材を他の部品に交換したり、固定部材と延出部材との間に他の部品を追加したりすることが可能となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、延出部材と被取付部材とが分離可能であることを特徴とする。
上記構成によれば、延出部材と被取付部材とが分離可能であるため、例えば、延出部材または被取付部材を他の部品に交換したり、延出部材と被取付部材との間に他の部品を追加したりすることが可能となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、被取付部材に取り付けられた電子機器と被取付部材に取り付けられない外部機器とを通信可能に接続する通信部をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、被取付部材に取り付けられた電子機器と被取付部材に取り付けられない外部機器(例えば、コンピュータ)とを通信可能に接続する通信部を備える。このため、本発明の電子機器用スタンドを用いて、電子機器と外部機器との連携が可能である。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、所定の機能を制御する制御部と、ユーザーにより操作される操作部とをさらに備え、制御部は、操作部の操作内容に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御することを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、所定の機能(例えば、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)を制御する制御部は、ユーザーにより操作される制御部の操作内容に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御する。このため、所定の機能が発揮される態様を、ユーザーが手動により変更することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、所定の機能を制御する制御部と、外部からの信号を受信する信号受信部とを備え、制御部は、信号受信部で受信した信号に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御することを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、所定の機能(例えば、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)を制御する制御部は、信号受信部で受信した外部からの信号に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御する。このため、所定の機能が発揮される態様を、外部から信号を送信して変更することができる。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の電子機器用スタンドであって、所定の機能に係る情報を表示する表示部を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、電子機器用スタンドは、所定の機能(例えば、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)に係る情報を表示する表示部を備える。このため、例えば、電子機器への供給電圧、外部機器との通信状態等の設定情報や報知情報をユーザーに提示することができる。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドであって、機械的構造としておねじ及びホルダが被取付部材に設けられていることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造として、おねじ及びホルダが被取付部材に設けられている。このため、例えば、おねじに電子機器である撮像装置のめねじを螺合させるとともに、ホルダで電子機器である小型の投写型映像表示装置を保持することにより、被取付部材に撮像装置と投写型映像表示装置を取り付けることができる。
【0028】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドと、上記電子機器として投写型映像表示装置とを備え、電子機器用スタンドの被取付部材に取り付けられた投写型映像表示装置が、映像を投写して表示することを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、映像表示システムは、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドを備えるため、請求項1〜12にいずれか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、電子機器用スタンドの被取付部材に取り付けられた投写型映像表示装置が、映像を投写して表示するため、大きな映像を表示することが可能である。
【0030】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の映像表示システムであって、上記電子機器として撮像装置をさらに備え、電子機器用スタンドの被取付部材に取り付けられた撮像装置が、物体を撮影して、投写型映像表示装置が、撮像装置によって撮影した物体を映像として表示することを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、電子機器用スタンドの被取付部材に取り付けられた撮像装置が、物体を撮影して、投写型映像表示装置が、撮像装置によって撮影した物体を映像として表示する。このため、簡単な構成で、撮影した物体を大きな映像として表示することが可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複数の電子機器の各々を別個のスタンドを用いて支持する場合に比べて、設置面においてスタンドの設置に必要なスペースを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器用スタンドを示す斜視図であって、その使用態様を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る電子機器用スタンドに内蔵された構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子機器用スタンドを示す斜視図。
【図4】同実施形態に係る電子機器用スタンドに内蔵された構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図は、電子機器用スタンド及びこれを用いた映像表示システムを説明する上で必要な構成のみを図示した模式図であり、その他の構成については図示及び説明を省略している。
【0035】
図1に示すように、電子機器用スタンド1(以下、「スタンド1」)は、設置面Sに対して所定の高さで電子機器を支持する構成要素として、ベース部2とアーム部3とヘッド部4とを備えた支持装置である。
【0036】
ベース部2は、設置面Sに対して固定される固定部材である。本実施形態においては、ベース部2は、設置面Sを構成する板状部材S1を挟む構造を有しており、板状部材S1の外縁端部を挟むことによりベース部2が設置面Sに固定される。このようにしてベース部2が固定されることにより、スタンド1が設置面Sに固定される。また、ベース部2は、連結部材である関節部5aを介してアーム部3に接続されている。
【0037】
アーム部3は、ヘッド部4を所定の位置で支持するために、ベース部2から所定方向に延びて設けられる延出部材である。本実施形態においては、スタンド1は複数のアーム部3を備えている。具体的には、スタンド1は、アーム部3として、ベース部2に関節部5aを介して機械的に接続される第1アーム部3aと、この第1アーム部3aに連結部材である関節部5bを介して機械的に接続される第2アーム部3bとを備えている。また、アーム部3は、連結部材である関節部5cを介してヘッド部4に接続されており、本実施形態においては、第2アーム部3bが、関節部5cを介して機械的にヘッド部4に接続されている。即ち、第1アーム部3aの一端にベース部2が接続されるとともに、第1アーム部3aの他端に第2アーム部3bが接続されている。そして、第2アーム部3bの一端に第1アーム部3aが接続されるとともに、第2アーム部3bの他端にヘッド部4が接続されている。
【0038】
ヘッド部4は、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造を有する被取付部材であって、アーム部3を介してベース部2に接続されている。本実施形態においては、ヘッド部4には、電子機器として撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9が取り付けられ、ヘッド部4は、これらの電子機器を取り付けるための機械的構造として、おねじ4aやホルダ4b等を有している。即ち、撮像装置7には一般的にめねじが形成されており、おねじ4aは、撮像装置7に形成されためねじに螺合されるための機械的構造(1/4インチねじ)であって、ヘッド部4に突出して設けられている。また、ホルダ4bは、小型の投写型映像表示装置8を保持する部材であって、ヘッド部4に固定して設けられている。ヘッド部4に対するホルダ4bの固定手段としては、ねじを用いてもよく、ねじを用いずにホルダ4bとヘッド部4とが互いに係合し、ホルダ4bが固定されてもよい。また、音声出力装置9を取り付けるための機械的構造として、ヘッド部4にねじ穴(図示略)が設けられており、このねじ穴を利用して、音声出力装置9はねじ止めによりヘッド部4に取り付けられる。以上のように、ヘッド部4は、複数の電子機器が取り付けられるために、おねじ4aやホルダ4bやねじ穴等の複数の機械的構造を有している。
【0039】
以上のように、ベース部2、アーム部3、ヘッド部4の順に接続されたスタンド1は、アーム部3の延出する態様を変化させることにより、ベース部2に対するヘッド部4の位置が変更可能に構成されている。即ち、ベース部2と第1アーム部3aとを接続する連結部材である関節部5aが、所定量以上の力が関節部5aに作用しない状態においてはその形状を保ち、所定量以上の力が関節部5aに作用すると折れ曲がるように構成されている。このため、関節部5aを折り曲げることによって、ベース部2に対して第1アーム部3aが延びる方向(即ち、延出する方向)が変化する。このように、関節部5aはアーム部3の角度調節機構を有しており、ベース部2に対して第1アーム部3aの延出する方向を変化させることにより、第1アーム部3aの延出する態様を変化させることができ、ベース部2に対するヘッド部4の位置が変更可能である。
【0040】
また、本実施形態においては、第1アーム部3aと第2アーム部3bとを接続する連結部材である関節部5bも、関節部5aと同様に構成されているため、関節部5bを折り曲げることによって、第1アーム部3aに対して第2アーム部3bが延びる方向が変化する。このように、関節部5bもアーム部3の角度調節機構を有しており、第2アーム部3bの延出する方向を変化させることにより、第2アーム部3bの延出する態様を変化させることができ、ヘッド部4の位置がより自由に変更可能である。
【0041】
なお、本実施形態においては、さらに、第2アーム部3bとヘッド部4とを接続する連結部材である関節部5cも、関節部5a,5bと同様に構成されているため、関節部5cを折り曲げることによって、第2アーム部3bに対してヘッド部4が延びる方向が変化する。このようにしてヘッド部4の延出する方向を変化させることにより、ヘッド部4の延出する態様を変化させることができ、ヘッド部4の位置がより一層自由に変更可能である。
【0042】
また、本実施形態においては、関節部5aは、ベース部2及び第1アーム部3aから取り外すことができ、関節部5cも、第2アーム部3b及びヘッド部4から取り外すことができる。即ち、ベース部2と第1アーム部3aとが分離可能であって、また、第2アーム部3bとヘッド部4とが分離可能である。さらに、関節部5bも、第1アーム部3a及び第2アーム部3bから取り外すことができ、第1アーム部3aと第2アーム部3bとが分離可能である。
【0043】
以上のような機械的構成を有するスタンド1によれば、角度調節機構を有する関節部5a,5b,5cによりヘッド部4の配置を最適な配置とするための調節が可能であり、また、アーム部3やヘッド部4等の部品交換が可能である。
【0044】
次に、図2を参照しながらスタンド1に内蔵される構成要素について説明する。
図2に示すように、スタンド1は、ベース部2やアーム部3に内蔵される構成要素として、主電源部61、副電源部62、映像信号処理部63、音声信号処理部64、通信部65、制御部66、記憶部67、操作部68、及び表示部69を備えている。
【0045】
主電源部61は、コンセント(不図示)に差し込まれるプラグ61a(図1参照)を介して、商用交流電源ACから交流電力を得て、スタンド1に内蔵された各部に所定の電力を供給する電源ユニットである。即ち、主電源部61は、副電源部62及び映像信号処理部63及び音声信号処理部64及び制御部66等の各部に、給電線P1を介して、それらの各部に応じた直流電力を供給する。本実施形態においては、主電源部61はベース部2に内蔵されている。
【0046】
副電源部62は、主電源部61から得られる電力を、ヘッド部4に取り付けられる各電子機器に応じた電力に変換して、その変換後の電力を複数の電子機器の各々に供給する電源ユニットである。即ち、スタンド1の例えば第2アーム部3bには、給電線P2を介して副電源部62に接続された複数の電源出力端子35,36,37(図2参照)が設けられており、操作部68での操作内容に基づき、電源出力端子35,36,37の各々から互いに異なる電力が出力できるように、副電源部62が電力を変換する。このように副電源部62が出力する電力が可変であるため、撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9の各々に互いに異なる電力を供給できる。従って、スタンド1は、ヘッド部4に取り付けられる電子機器へ電力を供給する電力供給機能を有している。本実施形態においては、副電源部62は第1アーム部3aに内蔵されている。
【0047】
映像信号処理部63は、スタンド1に入力された映像信号に対して、映像信号の増幅、分岐、A/D変換、D/A変換、走査変換等の各種映像信号処理を必要に応じて施す集積回路である。即ち、スタンド1の例えば第2アーム部3bには、映像信号が入力される映像信号入力端子31と、映像信号が出力される映像信号出力端子32とが設けられており、これらの端子31,32は、信号線L1を介して映像信号処理部63に接続されている。そして、映像信号処理部63は、スタンド1の映像信号入力端子31に入力された映像信号に対して映像信号処理を施すとともに、映像信号処理が施された映像信号を映像信号出力端子32から出力させる。従って、スタンド1は、スタンド1に入力された映像信号に対して映像信号処理を施す映像信号処理機能を有している。また、本実施形態においては、映像信号処理部63は、映像信号を通信部65から外部機器に出力できるように、信号線L3を介して通信部65に接続されている。本実施形態においては、映像信号処理部63は第1アーム部3aに内蔵されている。
【0048】
音声信号処理部64は、スタンド1に入力された音声信号に対して、音声信号の増幅、分岐、A/D変換、D/A変換等の各種音声信号処理を必要に応じて施す集積回路である。即ち、スタンド1の例えば第2アーム部3bには、音声信号が入力される音声信号入力端子33と、音声信号が出力される音声信号出力端子34とが設けられており、これらの端子33,34は、信号線L2を介して音声信号処理部64に接続されている。そして、音声信号処理部64は、スタンド1の音声信号入力端子33に入力された音声信号に対して音声信号処理を施すとともに、音声信号処理が施された音声信号を音声信号出力端子34から出力させる。従って、スタンド1は、スタンド1に入力された音声信号に対して音声信号処理を施す音声信号処理機能を有している。また、本実施形態においては、音声信号処理部64は、音声信号を通信部65から外部機器に出力できるように、信号線L4を介して通信部65に接続されている。本実施形態においては、音声信号処理部64は第1アーム部3aに内蔵されている。
【0049】
通信部65は、スタンド1のヘッド部4に取り付けられない外部機器に通信可能に接続される通信手段である。例えば、通信部65は、有線通信手段として、RS−232Cの規格に準拠したコネクタ、LAN(Local Area Network)の接続に使用されるLAN端子、USB(Universal Serial Bus)の規格に準拠したコネクタや、無線通信手段としての無線LANモジュール等により構成される。通信部65は、信号線L3,L4を介して映像信号処理部63及び音声信号処理部64に接続されており、映像信号処理部63及び音声信号処理部64から外部機器に映像信号及び音声信号を出力できるように構成されている。従って、スタンド1は、ヘッド部4に取り付けられない外部機器と通信する通信機能を有している。また、本実施形態においては、外部機器から映像信号処理部63及び音声信号処理部64を制御できるように構成されている。なお、本実施形態においては、通信部65は有線通信手段であって、通信部65と外部機器であるコンピュータ10とがケーブルC1を介して接続されるように構成されている。本実施形態においては、通信部65は第1アーム部3aに内蔵されている。
【0050】
制御部66は、スタンド1に内蔵された副電源部62及び映像信号処理部63及び音声信号処理部64及び通信部65等の各部を制御する集積回路である。制御部66は、記憶部67に記憶されているプログラムと、ユーザーによる操作部68の操作内容とに基づいて各部を制御する。具体的には、制御部66は、信号線L5を介して副電源部62及び映像信号処理部63及び音声信号処理部64及び通信部65に接続されており、これらの各部を制御することにより、電子機器への電力供給機能、信号処理機能、外部機器との通信機能について、これらの機能が発揮される態様を制御する。また、制御部66は、信号線L6を介して表示部69に接続されており、表示部69を制御することにより、表示部69で表示させる情報を変化させる。本実施形態においては、制御部66は第2アーム部3bに内蔵されている。
【0051】
記憶部67は、不揮発性メモリ等の読み書き可能な記憶媒体である。記憶部67には、スタンド1が有する機能を発揮するためのプログラムが予め記憶されている。また、記憶部67には、ユーザーが操作部68を操作することによって設定された内容に係る設定情報が記憶される。本実施形態においては、記憶部67は制御部66とともに第2アーム部3bに内蔵されている。
【0052】
操作部68は、ユーザーがスタンド1を操作するための操作入力手段であって、指で押される各種のキーにより構成されている。例えば、操作部68は、スタンド1が有する機能を発揮するか否かを切り替えるスイッチや、表示部69に表示されるメニュー画面を操作するボタン等により構成されている。操作部68がユーザーによって操作されることにより、操作部68からその操作内容に係る情報が制御部66に伝達される。本実施形態においては、操作部68は第2アーム部3bに内蔵されている。
【0053】
表示部69は、例えばLED(発光ダイオード)やLCD(液晶パネル)等により構成されている。表示部69は、スタンド1が有する機能を発揮するために必要な設定情報や、ユーザーに報知すべき情報等の各種情報を表示する。即ち、上記のような情報が、LEDが発光したり、LCDが文字や記号を形成したりすることにより表示される。本実施形態においては、表示部69は第2アーム部3bに内蔵されている。
【0054】
以上のような構成要素をスタンド1は有しているため、スタンド1は、ヘッド部4に取り付けられる電子機器への電力供給機能、スタンド1に入力された信号に対する信号処理機能、ヘッド部4に取り付けられない外部機器との通信機能を有している。そして、表示部69に表示される情報を参照可能なユーザーにより操作部68が操作されることによって、ユーザーの操作部68の操作内容に基づき、上記機能が発揮される態様を制御部66が制御する。
【0055】
なお、本実施形態においては、上述のごとく、副電源部62や制御部66等がアーム部3に内蔵されるのに対して、主電源部61がベース部2に内蔵されているため、関節部5a等の保持力を確保し易い。即ち、スタンド1の各部に電源を供給する電源ユニットである主電源部61は、副電源部62等の各部に比べて比較的質量が大きく、主電源部61が第1アーム部3aに内蔵されている場合には、主電源部61に作用する重力により関節部5aが折れ曲がる可能性がある。このように、関節部5aにより第1アーム部3a等を保持する保持力の不足が生じ、第1アーム部3aを適切に支持固定できない不都合が生じる可能性がある。このような不都合を解消するためには関節部5aを堅牢なものにするとコストが増加してしまうが、本実施形態においては、主電源部61がベース部2に内蔵されているため、主電源部61が第1アーム部3a等に内蔵される場合に比べて、関節部5aが折れ曲がりにくい。従って、関節部5aにより第1アーム部3a等を保持する保持力が確保し易く、コスト増加を抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、主電源部61のみをベース部2に内蔵し、副電源部62や制御部66等はアーム部3に内蔵しているため、各部を分散させてスタンド1に内蔵させることによって、ベース部2に副電源部62等の全てが内蔵される場合に比べて、ベース部2の大型化を抑制している。特に、本実施形態においては、第1アーム部3aに内蔵された映像信号処理部63及び音声信号処理部64に接続されている端子31〜34が、第2アーム部3bに設けられている。このため、ベース部2にこれらの端子31〜34が設けられている場合に比べて、短いケーブルC2を用いて、ヘッド部4に取り付けられる電子機器を端子31〜34に接続することができる。即ち、スタンド1と電子機器とを接続するケーブルC2の着脱が容易であり便利である。
【0057】
同様に、第1アーム部3aに内蔵された副電源部62に接続されている電源出力端子35〜37が、第2アーム部3bに設けられている。このため、ベース部2にこれらの電源出力端子35〜37が設けられている場合に比べて、短い電源ケーブルC3(図2参照)を用いて、ヘッド部4に取り付けられる電子機器を電源出力端子35〜37に接続することができる。即ち、スタンド1と電子機器とを接続する電源ケーブルC3の着脱が容易であり便利である。
【0058】
また、本実施形態においては、第2アーム部3bに、まとまった機能部である制御部66及び記憶部67及び操作部68及び表示部69が設けられているため、スタンド1をシステム化し、最適な分解及び組み立て性を実現している。なお、本実施形態においては、第1アーム部3aに副電源部62及び映像信号処理部63及び音声信号処理部64及び通信部65が内蔵されているが、第2アーム部3bに副電源部62及び映像信号処理部63及び音声信号処理部64及び通信部65が内蔵されていてもよい。
【0059】
なお、本実施形態においては、ベース部2と第1アーム部3aとが分離可能であるため、給電線P1を構成するケーブルC4(図1参照)が、コネクタ(不図示)を用いて着脱可能にベース部2と第1アーム部3aに接続される構成である。また、同様に、第1アーム部3aと第2アーム部3bとが分離可能であるため、給電線P1,P2及び信号線L1,L2,L3を構成するケーブルC5(図1参照)が、コネクタ(不図示)を用いて着脱可能に第1アーム部3aと第2アーム部3bに接続される構成である。なお、図1においては、電源ケーブルC3の図示は省略されている。なお、スタンド1とヘッド部4に取り付けられる電子機器とを接続するケーブルC2,C3を見映え良くまとめ、電子機器の取り付けを円滑に行えるように、スタンド1にクランプ部(図示略)が設けられていることが好ましい。
【0060】
次に、本実施形態においてスタンド1のヘッド部4に取り付けられる電子機器である、撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9について説明する。これらの電子機器は、軽量のものが好ましく、例えば、近年急速に普及している200gを下回る重さの携帯型のプロジェクタやデジタルムービーカメラを好適に用いることができる。
【0061】
撮像装置7は、小型のデジタルカメラである。本実施形態においては、撮像装置7は、動画が撮影可能であって音声を拾うことができるビデオカメラ(ムービーカメラ)である。撮像装置7は、ケーブルC2を介して映像信号入力端子31及び音声信号入力端子33に接続されるとともに、ケーブルC3を介して電源出力端子35に接続される。そして、撮像装置7で撮影した映像が電気信号として映像信号入力端子31に入力されるとともに、撮像装置7で拾った音声が電気信号として音声信号入力端子33に入力される構成となっている。
【0062】
投写型映像表示装置8は、携帯型(小型)のプロジェクタであり、投写型映像表示装置8は、ケーブルC2を介して映像信号出力端子32に接続されるとともに、ケーブルC3を介して電源出力端子36に接続される。従って、投写型映像表示装置8には映像信号出力端子32から出力された映像信号が入力され、投写型映像表示装置8は、映像信号出力端子32から出力された映像信号に基づいて、映像を投写して表示する構成となっている。
【0063】
音声出力装置9は、小型のスピーカーであり、音声出力装置9は、ケーブルC2を介して音声信号出力端子34に接続されるとともに、ケーブルC3を介して電源出力端子37に接続される。従って、音声出力装置9には音声信号出力端子34から出力された音声信号が入力され、音声出力装置9は、音声信号出力端子34から出力された音声信号に基づいて、音声を出力する構成となっている。
【0064】
従って、本実施形態の映像表示システムによれば、機能が大幅に制限された小型の電子機器(即ち、撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9)を用いて映像表示システムを構成する場合であっても、スタンド1が信号処理機能を有しているため、別の映像信号処理機器及び音声信号処理機器(不図示)を不要とすることができる。従って、複数種類の電子機器をスタンド1に取り付けて支持することができ、スタンド1の内蔵機能により、電子機器の利便性の向上と、高度な省スペース設置を実現できる。
【0065】
以上のように、本実施形態においては、スタンド1と、これに取り付けられた電子機器である撮像装置7及び投写型映像表示装置8及び音声出力装置9とによって映像表示システムが構成されている。
【0066】
即ち、本実施形態における映像表示システムは、スタンド1と撮像装置7と投写型映像表示装置8とを備え、スタンド1のヘッド部4に取り付けられた撮像装置7が、撮影対象を撮影して、同様にスタンド1のヘッド部4に取り付けられた投写型映像表示装置8が、撮像装置7によって撮影した物体(撮影対象)を映像として表示する。なお、撮影対象が動物であれば、動物の活動範囲を制限する箱B等を用いて動物を四方から囲うことが好ましい。このように箱Bで撮影対象が四方から囲われる場合であっても、本実施形態に係るスタンド1の関節部5a等は、上述のごとくアーム部3の角度調節機構を有しているため撮影対象を上方から撮影できるようにヘッド部4の位置を変更することができる。
【0067】
また、本実施形態における映像表示システムにおいては、音声出力装置9をさらに備え、スタンド1のヘッド部4に取り付けられた撮像装置7が、音声を拾って、同様にスタンド1のヘッド部4に取り付けられた音声出力装置9が、撮像装置7によって拾った音声を出力する構成となっている。
【0068】
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)スタンド1は、設置面Sに対して固定されるベース部2と、ベース部2に接続されて、ベース部2から延びて設けられるアーム部3(即ち、第1アーム部3a及び第2アーム部3b)と、アーム部3を介してベース部2に接続されるとともに、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造を有するヘッド部4とを備えている。従って、スタンド1は、アーム部3を介してベース部2に接続されるヘッド部4を備え、ヘッド部4には、複数の電子機器(即ち、投写型映像表示装置8と撮像装置7と音声出力装置9)が取り付けられる。このため、投写型映像表示装置8と撮像装置7と音声出力装置9を本発明のスタンド1を用いて支持する場合には、これらの電子機器の各々を別個のスタンド(不図示)を用いて支持する場合に比べて、設置面Sにおいてスタンドの設置に必要なスペースを低減することができる。
【0069】
(2)アーム部3が延出する態様(即ち、延出する方向)を変化させることにより、ベース部2に対するヘッド部4の位置が変更可能である。このため、設置面Sに対するベース部2の位置を変更することなく、ヘッド部4に取り付けられた電子機器(即ち、投写型映像表示装置8や撮像装置7)の配置を変更することができる。
【0070】
(3)スタンド1は、複数の電子機器(即ち、投写型映像表示装置8と撮像装置7と音声出力装置9)に電力を供給する副電源部62を備え、副電源部62が、複数の電子機器の各々に応じて電力を変換することにより、複数の電子機器の各々に互いに異なる電力が供給可能である。従って、投写型映像表示装置8と撮像装置7と音声出力装置9の全てに同じ電力が供給されずに、これらの電子機器に応じた電力が供給できるため、投写型映像表示装置8と撮像装置7と音声出力装置9が適切に動作するために必要となる電力が異なる場合であっても、適切な電力をこれらの電子機器に供給することができる。
【0071】
(4)スタンド1は、映像信号が入力される映像信号入力端子31と、映像信号入力端子31に入力された映像信号に対して映像信号処理を施す映像信号処理部63と、映像信号処理が施された映像信号を出力する映像信号出力端子32とを備えている。このため、ヘッド部4に設けられた投写型映像表示装置8において映像信号に所定の映像信号処理が施されない場合であっても、スタンド1が備える映像信号処理部63においてその映像信号処理を施すことが可能である。即ち、映像信号処理について、投写型映像表示装置8の代替手段として本発明のスタンド1を用いることができ、機能が大幅に制限された携帯型の投写型映像表示装置8の支持手段として、本発明のスタンド1を好適に用いることができる。
【0072】
(5)スタンド1は、音声信号が入力される音声信号入力端子33と、音声信号入力端子33に入力された音声信号に対して音声信号処理を施す音声信号処理部64と、音声信号処理が施された音声信号を出力する音声信号出力端子34とを備えている。このため、ヘッド部4に設けられた音声出力装置9において音声信号に所定の音声信号処理が施されない場合であっても、スタンド1が備える音声信号処理部64においてその音声信号処理を施すことが可能である。即ち、音声信号処理について、音声出力装置9の代替手段として本発明のスタンド1を用いることができ、機能が大幅に制限された携帯型の音声出力装置9の支持手段として、本発明のスタンド1を好適に用いることができる。
【0073】
(6)ベース部2と第1アーム部3aとが分離可能である。このため、ベース部2または第1アーム部3aを他の部品に交換したり、ベース部2と第1アーム部3aとの間に他の部品(例えば、同じように構成されたアーム部)を追加したりすることが可能となる。
【0074】
(7)第2アーム部3bとヘッド部4とが分離可能である。このため、第2アーム部3bまたはヘッド部4を他の部品に交換したり、第2アーム部3bとヘッド部4との間に他の部品(例えば、同じように構成されたアーム部)を追加したりすることが可能となる。
【0075】
(8)スタンド1は、ヘッド部4に取り付けられた電子機器(即ち、撮像装置7)とヘッド部4に取り付けられない外部機器(即ち、コンピュータ10)とを通信可能に接続する通信部を備えている。このため、スタンド1を用いて撮像装置7とコンピュータ10との連携が可能である。
【0076】
(9)スタンド1は、所定の機能(即ち、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)を制御する制御部66と、ユーザーにより操作される操作部68とを備えており、制御部66は、操作部68の操作内容に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御する。このため、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、及び外部機器との通信機能が発揮される態様を、ユーザーが手動により変更することができる。
【0077】
(10)スタンド1は、所定の機能(即ち、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)に係る情報を表示する表示部69を備えている。このため、電子機器への供給電圧、外部機器との通信状態等の設定情報や報知情報をユーザーに提示することができる。
【0078】
(11)スタンド1は、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造として、おねじ4a及びホルダ4bがヘッド部4に設けられている。このため、おねじ4aに電子機器である撮像装置7のめねじを螺合させるとともに、ホルダ4bで電子機器である小型の投写型映像表示装置8を保持することにより、ヘッド部4に撮像装置7と投写型映像表示装置8を取り付けることができる。
【0079】
(12)本発明に係る映像表示システムは、スタンド1と、電子機器として投写型映像表示装置8とを備え、スタンド1のヘッド部4に取り付けられた投写型映像表示装置8が、映像を投写して表示する。このため、スタンド1のヘッド部4に取り付けられた投写型映像表示装置8が、映像を投写して表示するため、大きな映像を表示することが可能である。
【0080】
(13)本発明に係る映像表示システムは、電子機器として撮像装置7を備え、スタンド1のヘッド部4に取り付けられた撮像装置7が、物体を撮影して、投写型映像表示装置8が、撮像装置7によって撮影した物体を映像として表示する。このため、簡単な構成で、撮影した物体を大きな映像として表示することが可能である。
【0081】
(第2の実施形態)
次に、上記第1の実施形態に係るスタンド1の構成を変更し、操作部68及び表示部69を一つにユニット化して、スタンド1本体と別個に設けた第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
【0082】
図3に示すように、本実施形態においては、スタンド1は遠隔操作機器1aを備えている。遠隔操作機器1aは、操作部68と表示部69とを備えており、遠隔操作機器1aとスタンド1は例えば赤外線を用いたリモコン信号によって通信可能な構成となっている。
【0083】
即ち、表示部69に表示される情報を参照可能なユーザーにより操作部68が操作されることによって、ユーザーの操作部68の操作内容に基づき、操作部68の操作内容に係る情報が遠隔操作機器1aから赤外線のリモコン信号として送信される。
【0084】
そして、図3及び図4に示すように、本実施形態に係るスタンド1は、ベース部2やアーム部3に内蔵される構成要素として、主電源部61や映像信号処理部63等の他に、遠隔操作機器1aから送信されたリモコン信号を受信する信号受信部38を備えている。
【0085】
信号受信部38は、遠隔操作機器1aとの通信を可能とする通信手段であって、本実施形態においては、赤外線を受光する受光モジュールにより構成されている。信号受信部38は、遠隔操作機器1aから赤外線として送信されたリモコン信号を受光して受信し、受信したリモコン信号(即ち、操作部68の操作内容に係る情報)を、信号線L7を介して接続された制御部66に伝達する。本実施形態においては、信号受信部38は第2アーム部3bに内蔵されている。
【0086】
本実施形態によれば、上記(1)等の作用効果だけでなく、以下の作用効果を得ることができる。
(14)スタンド1は、所定の機能(即ち、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、外部機器との通信機能)を制御する制御部66と、外部からの信号を受信する信号受信部38とを備え、制御部66は、信号受信部38で受信した信号に基づいて、所定の機能が発揮される態様を制御する。このため、電子機器への電力供給機能、入力された信号に対する信号処理機能、及び外部機器との通信機能が発揮される態様を、外部から信号を送信して変更することができる。
【0087】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0088】
・上記第2の実施形態において、信号受信部38をコネクタ等の有線通信手段により構成して、遠隔操作機器1aと信号受信部38との通信を有線通信により行うように構成してもよい。このように構成すれば、遠隔操作機器1aと信号受信部38との通信が赤外線を用いた無線通信により行われる場合に比べて、遠隔操作機器1aから送信されるリモコン信号を信号受信部38で確実に受信することができる。
【0089】
・スタンド1が、内蔵する構成要素として、操作部68及び操作とともに信号受信部38を備える構成としてもよい。即ち、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせてもよく、このような構成によれば、上記(9)と(14)に記載の作用効果をともに得ることができる。
【0090】
・スタンド1に内蔵される映像信号処理部63や制御部66等の各部について、それらの各部が設けられる箇所を適宜変更してもよい。即ち、例えば、副電源部62をベース部2に内蔵させてもよく、映像信号処理部63や通信部65に第2アーム部3bに内蔵させてもよい。また、同様に、スタンド1に設けられる端子31〜37について、これらの端子31〜37が設けられる箇所を適宜変更してもよい。また、主電源部61と副電源部62を1つの電源部(図示略)により構成してもよい。
【0091】
・スタンド1が備えるアーム部3は2つに限られない。即ち、スタンド1が備えるアーム部3の個数は適宜変更してもよく、スタンド1が1つのアーム部3を備えるように構成しても、3つ以上のアーム部3を備えるように構成してもよい。
【0092】
・アーム部3を伸縮自在に構成してもよい。このように構成した場合には、アーム部3を伸縮させることにより、アーム部3が延出する態様を変化させることができ、このようにしても上記(2)に記載の作用効果を得ることができる。
【0093】
・通信部65に接続される外部機器は、コンピュータ10に限られず、外部機器はコンピュータでなくてもよい。映像信号や音声信号を記録するレコーダーや、録画機能付きプレーヤー等であってもよい。
【0094】
・設置面に対して固定されるベース部2は、板状部材S1を挟む構造を有するものに限られない。例えば、ベース部2が、スタンド1が自立するための複数の支持脚を備える構造を有していてもよい。
【0095】
・電子機器が取り付けられるためにヘッド部4が有する機械的構造は、おねじ4aやホルダ4bに限られない。即ち、撮像装置7や投写型映像表示装置8等の電子機器を取り付けることができる機械的構造であれば、どのような構造がヘッド部4に設けられていてもよい。
【0096】
・スタンド1のヘッド部4に取り付けられる電子機器は、撮像装置7、投写型映像表示装置8、音声出力装置9に限られない。即ち、上記電子機器以外のものをヘッド部4に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…電子機器用スタンド、1a…遠隔操作機器、2…ベース部(固定部材)、3…アーム部(延出部材)、3a…第1アーム部、3b…第2アーム部、4…ヘッド部(被取付部材)、5a,5b,5c…関節部、7…撮像装置、8…投写型映像表示装置、9…音声出力装置、10…コンピュータ(外部機器)、31…映像信号入力端子、32…映像信号出力端子、33…音声信号入力端子、34…音声信号出力端子、35,36,37…電源出力端子、38…信号受信部、61…主電源部、62…副電源部、63…映像信号処理部、64…音声信号処理部、65…通信部、66…制御部、67…記憶部、68…操作部、69…表示部、C1,C2,C3,C4,C5…ケーブル、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7…信号線、P1,P2…給電線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対して固定される固定部材と、
前記固定部材に接続されて、前記固定部材から延びて設けられる延出部材と、
前記延出部材を介して前記固定部材に接続されるとともに、複数の電子機器が取り付けられる機械的構造を有する被取付部材とを備える
ことを特徴とする電子機器用スタンド。
【請求項2】
前記延出部材の延出する態様を変化させることにより、前記固定部材に対する前記被取付部材の位置が変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器用スタンド。
【請求項3】
前記複数の電子機器に電力を供給する電源部をさらに備え、
前記電源部が、前記複数の電子機器の各々に応じて電力を変換することにより、前記複数の電子機器の各々に互いに異なる電力が供給可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用スタンド。
【請求項4】
映像信号が入力される映像信号入力端子と、
前記映像信号入力端子に入力された映像信号に対して映像信号処理を施す映像信号処理部と、
前記映像信号処理が施された映像信号を出力する映像信号出力端子とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項5】
音声信号が入力される音声信号入力端子と、
前記音声信号入力端子に入力された音声信号に対して音声信号処理を施す音声信号処理部と、
前記音声信号処理が施された音声信号を出力する音声信号出力端子とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項6】
前記固定部材と前記延出部材とが分離可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項7】
前記延出部材と前記被取付部材とが分離可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項8】
前記被取付部材に取り付けられた前記電子機器と前記被取付部材に取り付けられない外部機器とを通信可能に接続する通信部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項9】
所定の機能を制御する制御部と、
ユーザーにより操作される操作部とをさらに備え、
前記制御部は、前記操作部の操作内容に基づいて、前記所定の機能が発揮される態様を制御する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項10】
所定の機能を制御する制御部と、
外部からの信号を受信する信号受信部とを備え、
前記制御部は、前記信号受信部で受信した前記信号に基づいて、前記所定の機能が発揮される態様を制御する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項11】
前記所定の機能に係る情報を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の電子機器用スタンド。
【請求項12】
前記機械的構造としておねじ及びホルダが前記被取付部材に設けられていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子機器用スタンド。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子機器用スタンドと、
前記電子機器として投写型映像表示装置とを備え、
前記電子機器用スタンドの前記被取付部材に取り付けられた前記投写型映像表示装置が、映像を投写して表示する
ことを特徴とする映像表示システム。
【請求項14】
前記電子機器として撮像装置をさらに備え、
前記電子機器用スタンドの前記被取付部材に取り付けられた前記撮像装置が、物体を撮影して、前記投写型映像表示装置が、前記撮像装置によって撮影した物体を映像として表示する
ことを特徴とする請求項13に記載の映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−107611(P2011−107611A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265192(P2009−265192)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】