説明

電子機器

【課題】 本発明は上記のような点に鑑みてなされたもので、例えばBGAタイプのような加重制限が設けられているCPUであっても、加重制限内で安定した熱接続が可能であり、効率的にCPU冷却ができる電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】 CPU23上に伝熱シート26を介して第1のヒートシンク25を搭載する。第1のヒートシンク25上には複数の伝熱部25aが形成されている。第1のヒートシンク25上には第2のヒートシンク27を配置する。第2のヒートシンク27には伝熱部25aが間隙を有して挿入可能な開口部29が形成されており、伝熱部25aと開口部29との間には熱伝導性のグリースが充填されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、CPU等の発熱部品の冷却モジュールを有する電子機器に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】ポータブルコンピュータ等の電子機器は、近年ますます小型・薄型化になり、持運びに便利なものとなっている。
【0005】ところで、近年電子機器に搭載されるCPUは、動作クロック周波数が向上し、ますます高速、高性能になっている。そこで、ヒートシンクをCPU上面に接続することで、CPUからの熱を放熱する方法が取られている。図1に従来の冷却モジュールの断面図を示す。1は、例えば、電子機器の筐体であり、例えばマグネシウム合金等の放熱性/伝熱性の良好な金属から形成されている。筐体1には回路基板2が内蔵されており、上面にBGAタイプのCPU3が実装されている。CPU3の底面にはボール上の電極4が形成されており、回路基板2とは電極4を介して電気的に接続接続されている。CPU5の上方にはCPU3により発熱される熱を放熱する為のヒートシンク5が伝熱性の良好な伝熱シート6を介して実装されている。ヒートシンク5は一体形成されている支持部5aにより基板上に支持され、ネジ7により回路基板2と共に、筐体1のボス1aにネジ止される。
【0006】上述したような従来の冷却モジュールにおいては、ヒートシンクはネジにより筐体、あるいは回路基板等にネジ止され、そのネジ止に係る力がそのままCPUに加わるような構造となっている。また、CPUの寸法誤差、CPUの実装高さのバラツキ、ヒートシンクの製造公差等のさまざまな寸法誤差を押えながら、さらに、CPUとヒートシンクの確実な熱接続を確保するために、CPUには非常に大きな加重が加わっている。また、BGAタイプのCPU(電子部品)においては、電極を保護する為に、CPUにかかる加重を制限するようになってきている。
【0007】このようにCPUに許容量以上の加重が加わわると、電極の亀裂、破損、回路破壊等回路モジュールに悪影響を及ぼすという問題を誘発してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明は上記のような点に鑑みてなされたもので、例えばBGAタイプのような加重制限が設けられているCPUであっても、加重制限内で安定した熱接続が可能であり、効率的にCPU冷却ができる電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の電子機器は、電子部品が実装された回路基板と、電子部品の上面に熱的に接続され、上面に凸部を有する放熱部材と、放熱部材を覆うように設けられ、凸部が間隙を有して挿入される開口部を有する金属製の保持部材と、少なくとも凸部と開口部との間隙に充填されるペースト状または柔軟性を有する熱伝導性部材と、を具備することを特徴とする。
【0012】さらに請求項5に係る本発明の電子機器は、電子部品が実装された回路基板と、上記電子部品の上面に熱的に接続される放熱部材と、上記放熱部材を間隙を有して覆うように設けられる保持部材と、上記放熱部材と上記保持部材との間に設けられ、上記放熱部材を上記電子部品の方向に付勢する弾性部材と、を具備することを特徴とする。
【0013】このような構成にすることで、例えばBGAタイプのような加重制限が設けられているCPUであっても、加重制限内で安定した熱接続が可能であり、効率的にCPU冷却ができる電子機器を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
【0015】以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0016】図2は電子機器の斜視図である。電子機器10の本体16にはヒンジ部13を介して表示部14が回動可能に接続されている。本体16上面にはキーボード15が設けられている。
【0017】図3、および図4は第1の実施の形態である。図3は、第1の実施の形態の冷却構造を示した断面図である。図4は、第1の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図である。電子機器10の本体16には基板22が内蔵されている。基板22上にはCPU23が実装されている。CPU23の底面には半田ボールにより形成される複数の電極24が格子状に配列されており、この電極24を介してCPU23は基板22に電気的に接続される。
【0018】CPU23の上面には、略CPU23と同じ大きさの金属製の第1のヒートシンク25が搭載されている。ヒートシンク25とCPU23との間には、略CPU23と同じ大きさの弾性を有する伝熱シート26が介在されている。伝熱シート26はCPU23により発せられる熱をヒートシンク25に伝える為のものである。ヒートシンク25の上面からは、複数の円柱状の伝熱部25aが格子状に突出しており、ヒートシンク25と一体形成されている。
【0019】さらに金属製の第2のヒートシンク27がCPU23および第1のヒートシンク25を覆うように実装されている。第2のヒートシンク27の4つの端部には、基板22上に実装される支持部28が一体形成されている。支持部28にはヒートシンク27を基板上および下ケース11に固定する為のネジ穴27bが形成されており、ネジ31により基板22に形成されているネジ穴22aを介して、基板22と共に下ケース11に一体形成されているボス11aに共締めされている。
【0020】ヒートシンク27には、第1のヒートシンク25上に実装したとき、複数の伝熱部25aと対応する複数の開口部29が格子状に形成されている。第2のヒートシンク27が第1のヒートシンク25上に実装されるとき、伝熱部25aは第2のヒートシンク27の開口部29と互いに間隙を有して挿入される。この場合、開口部29の直径は伝熱部25aの直径よりも大きく形成されている。さらに、第1のヒートシンク25の上面と第2のヒートシンク27の下面との間にも隙間が形成される。
【0021】第1のヒートシンク25と第2のヒートシンク27との間および伝熱部25aと開口部29との間隙には伝熱性のグリース30が充填される。従って、CPU23にて発せられる熱は伝熱シート26、第1のヒートシンク25および伝熱グリース30を介して第2のヒートシンク27まで伝達されることとなり、2つのヒートシンクにより放熱性を向上することが可能となる。
【0022】また、第1のヒートシンク25と第2のヒートシンク27との間には間隙が存在し、さらにその間にグリース30が存在するため、ネジ31を強く締付けたとしても、第2のヒートシンク27に加わる加重は第1のヒートシンク25に伝わらないため、CPU23は常に一定の(CPU23の電極24の許容範囲の)加重(ほぼ第1のヒートシンク25の重さ)しか加わらない為、電極24が破損したり、CPU23が破損するすることなく、安定した熱接続が可能となる。
【0023】図5、6は本発明の第2の実施の形態を示したものである。図5は、第2の実施の形態の冷却構造を示した断面図である。図6は、第2の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図である。
【0024】基板22上にはCPU23が実装されている。CPU23の底面には半田ボールにより形成される複数の電極24が格子状に配列されており、この電極24を介してCPU23は基板22に電気的に接続される。
【0025】CPU23の上面には、略CPU23と同じ大きさの金属製の第1のヒートシンク25が搭載されている。ヒートシンク25とCPU23との間には、略CPU23と同じ大きさの弾性を有する伝熱シート26が介在されている。伝熱シート26はCPU23により発せられる熱をヒートシンク25に伝える為のものである。ヒートシンク25の上面からは、複数の円柱状の伝熱部25aが格子状に突出しており、ヒートシンク25と一体形成されている。
【0026】さらに金属製の第2のヒートシンク40がCPU23および第1のヒートシンク25を覆うように実装されている。第2のヒートシンク40の4つの端部には、基板22上に実装される支持部41が一体形成されている。支持部41にはヒートシンク27を基板上および下ケース11に固定する為のネジ穴41aが形成されている。第2のヒートシンク40は、ネジ43により基板22の下面からネジ穴22aを介して、基板22に固定されている。
【0027】ヒートシンク40には、第1のヒートシンク25上に実装したとき、複数の伝熱部25aと対応する複数の開口部42が格子状に形成されている。第2のヒートシンク40が第1のヒートシンク25上に実装されるとき、伝熱部25aは第2のヒートシンク27の開口部42と互いに間隙を有して挿入される。この場合、開口部42の直径は伝熱部25aの直径よりも大きく形成されている。さらに、第1のヒートシンク25の上面と第2のヒートシンク40の下面との間にも隙間が形成される。
【0028】第1のヒートシンク25と第2のヒートシンク40との間および伝熱部25aと開口部42との間隙には伝熱性のグリース44が充填される。従って、CPU23にて発せられる熱は伝熱シート26、第1のヒートシンク25および伝熱グリース44を介して第2のヒートシンク40まで伝達されることとなり、2つのヒートシンクにより放熱性を向上することが可能となる。
【0029】また、第1のヒートシンク25と第2のヒートシンク40との間には間隙が存在し、さらにその間にグリース44が存在するため、ネジを強く締付けたとしても、第2のヒートシンク40に加わる加重は第1のヒートシンク25に伝わらないため、CPU23は常に一定(CPU23の電極24の許容範囲の)の加重(ほぼ第1のヒートシンク25の重さ)しか加わらない為、電極24が破損したり、CPU23が破損するすることなく、安定した熱接続が可能となる。
【0030】また第2の実施の形態においては、基板に第2のヒートシンクを固定する構造である為、冷却モジュールとして、電子機器本体内の任意の位置に配置することが可能となる。
【0031】図7および8には本発明の第3の実施の形態を示す。図7は、第3の実施の形態の冷却構造を示した断面図である。図8は、第3の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図である。電子機器10の本体16には基板22が内蔵されている。基板22上にはCPU23が実装されている。CPU23の底面には半田ボールにより形成される複数の電極24が格子状に配列されており、この電極24を介してCPU23は基板22に電気的に接続される。
【0032】CPU23の上面には、略CPU23と同じ大きさの金属製の第1のヒートシンク50が搭載されている。ヒートシンク50とCPU23との間には、略CPU23と同じ大きさの弾性を有する伝熱シート26が介在されている。伝熱シート26はCPU23により発せられる熱をヒートシンク50に伝える為のものである。ヒートシンク50の上面からは、複数の円柱状の伝熱部51が格子状に突出しており、ヒートシンク25と一体形成されている。また、ヒートシンク50の上面の4隅には、先端が外側に折れ曲った保持突起51aがヒートシンク50と一体形成されている。
【0033】さらに金属製の第2のヒートシンク52がCPU23および第1のヒートシンク50を覆うように実装されている。第2のヒートシンク52の4つの端部には、基板22上に実装される支持部53が一体形成されている。支持部53には第2のヒートシンク52を基板22および下ケース11に固定する為のネジ穴53aが形成されており、ネジ56により基板22に形成されているネジ穴22aを介して、基板22と共に下ケース11に一体形成されているボス11aに共締めされている。
【0034】ヒートシンク52には、第1のヒートシンク50上に実装したとき、複数の伝熱部51および4つの保持突起51aと対応するように複数の開口部54および4つの係合口54aが形成されている。第2のヒートシンク52が第1のヒートシンク50上に実装されるとき、伝熱部51は第2のヒートシンク52の開口部54と互いに間隙を有して挿入される。この場合、開口部54の直径は伝熱部51の直径よりも大きく形成されている。また、第1のヒートシンク50の保持突起51aは係合口54aに係合される。本実施の形態では保持突起51aはヒートシンク50と一体形成しているが、ヒートシンク50とは別ピースでかつ弾性を持つ部材にて形成してもよい。別ピースで形成した場合、第1のヒートシンク50と第2のヒートシンク52とを組み合せる際、保持突起51aが撓むことで係合口54aに容易に係合できるという効果が発生する。第1のヒートシンク25の上面と第2のヒートシンク27の下面との間にも隙間が形成される。このような構造によって、第1のヒートシンク50と第2のヒートシンク52とは1つのヒートシンクモジュールとして機能する。
【0035】第1のヒートシンク50の上面と第2のヒートシンク52の下面と間には弾性部材55が介在される。弾性部材55は常に第1のヒートシンク50を第2のヒートシンク52から遠ざける方向に付勢している。弾性部材55が第1のヒートシンク50を第2のヒートシンク52から遠ざけられる方向に付勢していたとしても、4つの保持突起51aが第2のヒートシンク52の係合口54aに係合していることで第2のヒートシンク52から第1のヒートシンク50が脱落することはない。
【0036】第1のヒートシンク50と第2のヒートシンク52との間および伝熱部51と開口部54との間隙には熱伝導性を有するグリース57が充填される。従って、CPU23にて発せられる熱は伝熱シート26、第1のヒートシンク50および伝熱グリース57を介して第2のヒートシンク52まで伝達されることとなり、2つのヒートシンクにより放熱性を向上することが可能となる。
【0037】また、第1のヒートシンク50と第2のヒートシンク52との間には弾性部材55が設けられているため、ネジ56を強く締付けたとしても、第2のヒートシンク52に加わる加重は弾性部材55が吸収し、第1のヒートシンク50はCPU23によって第2のヒートシンク方向(弾性部材55が縮む方向)に移動される為、CPU23は常に一定の(CPU23の電極24の許容範囲の)加重(ほぼ第1のヒートシンク25の重さ)しか加わらない。従って、電極24が破損したり、CPU23が破損するすることなく、安定した熱接続が可能となる。
【0038】図9および10は第4の実施の形態を示している。図9は、第4の実施の形態の冷却構造を示した断面図である。図10は、第4の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図である。電子機器10の本体16には基板22が内蔵されている。基板22上にはCPU23が実装されている。CPU23の底面には半田ボールにより形成される複数の電極24が格子状に配列されており、この電極24を介してCPU23は基板22に電気的に接続される。
【0039】CPU23の上面には、略CPU23と同じ大きさの金属製の第1のヒートシンク60が搭載されている。ヒートシンク60とCPU23との間には、略CPU23と同じ大きさの弾性を有する伝熱シート26が介在されている。伝熱シート26はCPU23により発せられる熱をヒートシンク60に伝える為のものである。ヒートシンク60の上面からは、複数の円柱状の伝熱部61が格子状に突出しており、ヒートシンク25と一体形成されている。
【0040】さらに金属製の第2のヒートシンク62がCPU23および第1のヒートシンク60を覆うように実装されている。第2のヒートシンク62の4つの端部には、基板22上に実装される支持部63が一体形成されている。支持部63には第2のヒートシンク62を基板22および下ケース11に固定する為のネジ穴63aが形成されており、ネジ66により基板22に形成されているネジ穴22aを介して、基板22と共に下ケース11に一体形成されているボス11aに共締めされている。
【0041】第2のヒートシンク62には、カバー部64が一体形成されており、第2のヒートシンク62を第1のヒートシンク60上に実装したとき、複数の伝熱部61を上方から覆うように位置する。
【0042】第1のヒートシンク60の上面と第2のヒートシンク62のカバー部64との間には弾性部材65が介在される。弾性部材65は常に第1のヒートシンク60を第2のヒートシンク62から遠ざける方向に付勢している。また、第1のヒートシンク60が第2のヒートシンク62の方向に押される場合でも、第1のヒートシンク60の伝熱部61は第2のヒートシンク62のかバー部64には当接しないよう設計する必要がある。
【0043】第1のヒートシンク60と第2のヒートシンク62との間および伝熱部61と開口部54との間隙には熱伝導性を有するグリース67が充填される。従って、CPU23にて発せられる熱は伝熱シート26、第1のヒートシンク60および伝熱グリース67を介して第2のヒートシンク62まで伝達されることとなり、2つのヒートシンクにより放熱性を向上することが可能となる。
【0044】また、第1のヒートシンク60と第2のヒートシンク62との間には弾性部材65が設けられているため、ネジ66を強く締付けたとしても、第2のヒートシンク62に加わる加重は弾性部材65が吸収し、第1のヒートシンク60はCPU23によって第2のヒートシンク方向(弾性部材65が縮む方向)に移動される為、CPU23は常に一定の(CPU23の電極24の許容範囲の)加重(ほぼ第1のヒートシンク60の重さ)しか加わらない。従って、電極24が破損したり、CPU23が破損するすることなく、安定した熱接続が可能となる。
【0045】第4の実施の形態の場合、第1のヒートシンクは単に板状に形成し、伝熱部を持たない形状としてもよい。
【0046】図11および12は第5の実施の形態である。図11は、第5の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図である。図12は、第5の実施の形態の冷却構造を示した断面図である。第5の実施の形態は、第1のヒートシンク70および第2のヒートシンク80以外の構成は第2の実施の形態と同様である為詳細説明は省略する。
【0047】第1のヒートシンク70上面には円柱状の伝熱部に変り、長細い板状の伝熱部71が複数一体形成されている。また第2のヒートシンク80には、第1のヒートシンク70の伝熱部71に対応するよう、長方形状の開口部81が複数形成されている。第2の実施例同様、第2のヒートシンク80はその支持部82が基板22上に実装されており、ネジ83により基板上に固定されている。伝熱部71と開口部81との間には熱伝導性のグリース84が充填されている。従って、CPU23にて発せられる熱は伝熱シート26、第1のヒートシンク70および伝熱グリース84を介して第2のヒートシンク80まで伝達されることとなり、2つのヒートシンクにより放熱性を向上することが可能となる。
【0048】また、第1のヒートシンク70と第2のヒートシンク80との間には間隙が存在し、さらにその間にグリース84が存在するため、ネジを強く締付けたとしても、第2のヒートシンク80に加わる加重は第1のヒートシンク70に伝わらないため、CPU23は常に一定(CPU23の電極24の許容範囲の)の加重(ほぼ第1のヒートシンク25の重さ)しか加わらない為、電極24が破損したり、CPU23が破損するすることなく、安定した熱接続が可能となる。
【0049】本発明において、第1乃至第5の実施の形態における第2のヒートシンクは、単なる第1のヒートシンクを保持する為の保持部材としてもよい。保持部材を合成樹脂荷より形成すれば、冷却モジュール自体の重さを第2のヒートシンクの分軽量にすることが可能である。
【0050】また、第1乃至第5の実施の形態における第1のヒートシンクに形成される伝熱部は、円柱状、板状でなくてもその他の形状であってもよい。
【0051】さらに、第3および第4の実施の形態において、弾性部材はスプリングでもよいし、弾性を有するゴム状のものであってもよい。またゴム製の弾性部材を使用する際は、第1のヒートシンクの複数の伝熱部を取囲むような枠上に形成することで、組立性を向上することが可能である。さらに、他の実施の形態においても第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとの間に第3、4の実施の形態のような弾性部材を介在させてもよい。
【0052】また、第1乃至第5の実施の形態における熱伝導性を有するグリースは熱伝導性を有していればペースト状のものであってもよい。
【0053】第2のヒートシンクは回路基板に固定される変りに、キーボードユニットの底面に設けられている金属板等の他のユニットに固定してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した発明によれば、例えばBGAタイプのような加重制限が設けられているCPUであっても、加重制限内で安定した熱接続が可能であり、効率的にCPU冷却ができる電子機器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の冷却モジュールの断面図。
【図2】本発明の電子機器の斜視図。
【図3】第1の実施の形態の冷却構造を示した断面図。
【図4】第1の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図。
【図5】第2の実施の形態の冷却構造を示した断面図。
【図6】第2の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図。
【図7】第3の実施の形態の冷却構造を示した断面図。
【図8】第3の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図。
【図9】第4の実施の形態の冷却構造を示した断面図。
【図10】第4の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図。
【図11】第5の実施の形態の冷却構造を示した組立斜視図。
【図12】第5の実施の形態の冷却構造を示した断面図。
【符号の説明】
1…筐体ケース
1a…ボス
2…回路基板
3…CPU
4…電極
5…ヒートシンク
5a…支持部
6…伝熱シート
7…ネジ
10…電子機器
11…下ケース
11a…ボス
12…上ケース
13…ヒンジ部
14…表示部
15…キーボード
16…本体
22…基板
22a…ネジ穴
23…CPU
24…電極
25、50、60、70…第1のヒートシンク
25a、51、61、71…伝熱部
26…伝熱シート
27、40、52、62、80…第2のヒートシンク(支持部材)
27a、41a、53a、63a…ネジ穴
28、41、53、63、82…支持部
29、42、54、81…開口部
30、44、57、67、84…伝熱性グリース
31、43、56…ネジ
51a…保持突起
54a…係合口
55、65…弾性体
64…カバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品が実装された回路基板と、上記電子部品の上面に熱的に接続され、上面に凸部を有する放熱部材と、上記放熱部材を覆うように設けられ、上記凸部が間隙を有して挿入される開口部を有する金属製の保持部材と、少なくとも上記凸部と上記開口部との間隙に充填されるペースト状または柔軟性を有する熱伝導性部材と、を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】 上記凸部および上記開口部はそれぞれ複数設けられることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】 上記放熱部材は上記回路基板に固定されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】 上記放熱部材は上記回路基板と共に、上記電子機器の筐体に共締めされることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】 電子部品が実装された回路基板と、上記電子部品の上面に熱的に接続される放熱部材と、上記放熱部材を保持する保持部材と、上記放熱部材と上記保持部材との間に設けられ、上記放熱部材を上記電子部品の方向に付勢する弾性部材と、を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項6】 上記保持部材は金属により形成され、上記保持部材と上記放熱部材との間には熱伝導性樹脂が充填されることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】 上記保持部材は上記回路基板に固定されていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項8】 上記保持部材は上記回路基板以外の部品に固定されることを特徴とする請求項5記載の電子機器。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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