説明

電子機器

【課題】電子機器誤動作の原因となるクロストークノイズを大幅に低減する。
【解決手段】3本以上の伝送線路からなる信号配線において、信号を伝送する際に駆動回路の出力電位が変動しない1本の固定信号配線の送端側インピーダンスと、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスの積が、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互インダクタンスに対する、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互容量の比となるような、前記複数変動信号配線の各受端側インピーダンス値をもつ。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の信号配線を有する信号伝送回路やそれらを有する電子機器において、信号伝送時に生じるクロストークノイズを抑制するための信号伝送回路およびこれを搭載した電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデバイスである中央演算ユニット(CPU:Central Processing
Unit)等のLSI(Large Scale Integrated circuit)とメモリ素子(またはメモリ領域)との間などは、多量の信号を送受信するために、例えば、32本や64本の複数本の信号配線で接続される。これらデジタルデバイスにおける信号伝送時において、信号配線間の誘導性結合や容量性結合によりクロストークノイズが発生する。信号伝送速度の高速化や、信号配線ピッチの高密度化により、信号伝送時に生じるクロストークノイズのレベルは増加傾向にある。クロストークノイズはLSI−メモリ素子を有する電子機器(電子デバイスともいう。)において、データ書き込みや読み込みのエラーを引き起こし、誤動作の原因となる。
【0003】
信号配線において発生するクロストークノイズを抑制する方法として、平行2本線路において最適化した送受端インピーダンス値を3本以上の複数本の信号配線に使用するものがある(例えば、特開2000−13333号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、3本以上の信号配線に対しても、平行2本線路で最適化した送受端インピーダンス値を用いる。従って、3本以上の信号配線に対する最適なインピーダンスとはなっておらず、クロストークノイズ低減効果が低かった。
【0005】
本発明の一つの目的は、電子機器誤動作の原因となるクロストークノイズを大幅に低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴は、3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路において、信号を伝送する際に駆動回路の出力電位が変動しない1本の固定信号配線の送端側インピーダンスと、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスの積が、略前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互インダクタンスに対する、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互容量の比に略なるような、前記複数変動信号配線の各受端側インピーダンス値をもつことである。
【0007】
また、本発明は、3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路において、信号を伝送する際に駆動回路の出力電位が変動しない、1本の固定信号配線の送端側インピーダンスと、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスの積が、前記1本の固定信号配線とこの固定信号配線に隣接する前記変動信号配線との間の相互インダクタンスに対する、前記1本の固定信号配線と固定信号配線に隣接した前記変動信号配線との間の相互容量の比に略なるよう、前記変動信号配線の各受端側インピーダンスを設定したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路において、前述の送受端インピーダンスとなるよう、信号の伝送状態に応じて信号配線受端側インピーダンスを動的に変化させることができる回路を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号伝送回路を有する電子機器であることを特徴とする。
【0010】
本発明の上記特徴及びその他の特徴は、以下の記載により更に説明される。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の原理の一例を説明する。なお、以下の記載の参考文献としては、「伝送回路」(著者:佐藤利三郎,コロナ社)の第344ページ乃至第351ページの記載が挙げられる。まず、図10に示すような、完全導体A01上に平行に架設された二本の線路A02,A03を考える。すなわち分布結合線路である。この平行二本線路A02,A03の任意点における電圧(以下単位は全てボルト,V)・電流(以下単位は全てアンペア,A)をV,V,I,Iとすれば、電圧・電流の間には数9に示す関係がある。
【0012】
【数9】



【0013】
ただし、z11,z12,z21,z22は単位長さ当たりのインピーダンス(単位:V/Im)、y11,y12,y21,y22は単位長さ当たりのアドミタンス(単位:Im/V,インピーダンスの逆数)であり、単位長さ当たりの抵抗R(単位:V/Im),インダクタンスL(単位:H/m),キャパシタンスC(単位:F/m),コンダクタンスG(単位Im/V)により数10に表される。
【0014】
【数10】



【0015】
損失のある場合には複雑となるので無損失の場合を取扱う。数9は数11となる。
【0016】
【数11】



【0017】
ここで、数12が成立する。
【0018】
【数12】



【0019】
図11のように、往路・復路の電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送は、ケーブルの伝送でよく用いられる実回路線路のような伝送で、この伝送を平衡伝送と称する。すなわち、数13の関係がある。
【0020】
【数13】



【0021】
この数13の関係を数11に代入すれば、数14となる。
【0022】
【数14】



【0023】
数14において、
【0024】
【数15】



【0025】
とし、δは常に正であってV−V=V を用いると数16となる。
【0026】
【数16】



【0027】
また、電圧V および電流I の位置に関する微分は数17となる。
【0028】
【数17】



【0029】
数17は1本の電信方程式と等しいから、容易にその解は得られ、位置x=0における電圧・電流をVb0,Ib0とすれば、x=lなる点の電圧・電流をVbl,Iblは数18で与えられる。
【0030】
【数18】



【0031】
ここで、数18中のW およびβ は平衡伝送に対する特性インピーダンスおよび位相定数であり数19で与えられる。
【0032】
【数19】



【0033】
次に、図12に示すように、両線の電位が等しく、完全導体A01を帰路とする伝送を不平衡伝送と称する。このとき、伝送線路の各点における電位・電流は数20の関係がある。
【0034】
【数20】



【0035】
数20を数11に代入することで、伝送線路の電圧の位置に関する微分として数21を得る。
【0036】
【数21】



【0037】
数21から、
【0038】
【数22】



【0039】
となり、各線路の電流比は平衡伝送のときの電圧費δの逆数となる。このとき、I に対するI,Iの比は数23となる。
【0040】
【数23】



【0041】
これより、V,Iの位置に対する微分は数24となる。
【0042】
【数24】



【0043】
これも、平衡伝送の時と同様に、1本線路の電信方程式と等しく、x=0における電圧・電流をVu0,Iu0とすれば、x=l点での電圧・電流Vul,Iulは数25で与えられる。
【0044】
【数25】



【0045】
ここで、数25中のW およびβ は平衡伝送に対する特性インピーダンスおよび位相定数であり数26で与えられる。
【0046】
【数26】



【0047】
以上、二つの伝送を述べたが、実際の平行二本線路の伝送は、この二つの伝送の重ね合わせで与えられる。いま、任意点xにおける各線の電圧・電流が平行および不平衡電圧・電流の重ね合わせとして、数27で与えられると仮定する。
【0048】
【数27】



【0049】
数27の逆行列を求めると数28となる。
【0050】
【数28】



【0051】
数28の関係を数11に代入すると数29を得る。
【0052】
【数29】



【0053】
数29より、平衡伝送と不平衡伝送は全く独立に伝送されることがわかる。図13に示すような8端子回路に成立する基本式は、数27,数28,数12,数19,数26の関係式を用いて数30となる。
【0054】
【数30】



【0055】
数30は平衡二本線路の基本八端子行列である。次に、n本の平行伝送線路の基本式を求める。図1に、n本の伝送線路からなる信号配線を示す。図1に示すように、各信号配線での送端側における電圧(以下、単位は全てV)をV1b,V2b,…,Vnb、受端側における電圧をV1f,V2f,…,Vnfとする。同様に各信号配線での送端側における電流(以下、全て単位はA)をI1b,I2b,…,Inbとし、受端側における電流をI1f,I2f,…,Infとする。また、単位長さ当りの各配線自己インダクタンスをL11,L22,…,Lnnとし、同様に単位長さ当りの各配線自己容量をC11,C22,…,Cnnとする。さらに、配線<i>と配線<j>との相互インダクタンスおよび相互容量はそれぞれLij(=Lji),Cij(=Cji)とする。信号線が無損失線路と近似できる場合平行二本線路の場合と同様に、送端側電圧V1b,V2b,…,Vnbと受端側電圧V1f,V2f,…,Vnfとの間には、数1に示す関係がある。ここで、jは虚数単位、εは誘電率、μは透磁率、ωは角周波数を表す。
【0056】
【数1】



【0057】
同様に、送端側電流I1b,I2b,…,Inbと受端側電流I1f,I2f,…,Iとの間にも数2に示す関係がある。
【0058】
【数2】



【0059】
また、Lij(i=1,2,…,n=1,2,…,n)とCij(i=1,2,…,n=1,2,…,n)には数3に示す関係がある。
【0060】
【数3】



【0061】
(以上は、参考文献:「伝送回路」,佐藤利三郎,コロナ社の第344ページ−第351ページからの引用)ここで、数式簡単化のため、数4の関係を用いる。
【0062】
【数4】



【0063】
これにより、数1および数2は、数5に変形される。
【0064】
【数5】



【0065】
ここで、図2に示すような伝送路を考える。図2では、<j>番目の信号配線は駆動回路203と接続していない固定配線201であり、その送端側インピーダンスをZjb、受端側インピーダンスをZjfである。また、<j>番目以外の配線202では駆動回路203の出力電位が変化し、その受端側インピーダンスをZif(i=1,2,…,n,i≠j)とする。このとき、各信号配線の送受端において、電圧および電流とインピーダンスの関係は数6となる。
【0066】
【数6】



【0067】
この数6の関係を用いて固定配線受端側電圧Vifについてまとめると数7となる。
【0068】
【数7】



【0069】
数7において、固定配線の受端側電圧Vifが常に0となる条件で解くと、数8を得る。
【0070】
【数8】



【0071】
数8より、駆動回路の出力電位が変動しない固定配線の送端側インピーダンスZjbに対して、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスZifの積が、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互インダクタンスL(Lij)に対する、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互容量Cji(Cij)の比となるよう、前記複数変動信号配線の各受端側インピーダンスZを分布させることにより、駆動回路203の出力電位がどのように変化しても固定配線201の受端側電位Vifは常に0となることがわかる。これにより、固定配線201では、フォワードクロストークノイズは発生しないことがわかる。
【0072】
図3及び図4に基づいて、本発明の実施例1を説明する。図3において、信号配線は301〜309の9本からなり、そのうち真中にある5番面の配線305は駆動回路の出力電位が変化しない固定配線となっている。この信号配線の断面図を図4に示す。図4に示す通り、信号配線幅は0.1mm であり信号配線ピッチは0.2mm 、グランド層との距離は0.1mm となっている。また、信号配線長は200mmとなっている。この9本の信号配線における長さ1mmあたりの自己インダクタンスおよび相互インダクタンスを表1に、同じく1mmあたりの自己容量と相互容量を表2に示す。
【0073】
【表1】



【0074】
【表2】



【0075】
送端側のインピーダンスZ1b〜Z9bを全て50Ωとした場合、表1および表2の値を数8にあてはめることにより、信号配線の各受端側インピーダンス値Z1f〜Z9fは、表3に示す値となる。
【0076】
【表3】



【0077】
比較のため、平行2本線路で最適化した送受端インピーダンス値を用いる従来技術における受端側インピーダンスZ1f〜Z9fの値を、比較例1として表4に示す。
【0078】
【表4】



【0079】
なお、本比較例1において送端側インピーダンスZ1b〜Z9bは全て50Ωとした。そして、駆動回路の出力電圧が変動しない固定信号配線を除く全ての信号配線の送端側電圧を3.3V から0Vへと切り替えたときの固定信号配線受端におけるクロストークノイズ電圧を解析により評価した。解析に用いたソフトウエアはいずれも節点解析型のシミュレータSPICE(参考文献:L. W. Negel,SPICE2,‘A Computer Program to Simulate Semiconductor Circuit’,Memorandum,no.ERL−M520, College of Engineering, Univ. of California, 1975−5)を用いた。また、伝送線路モデルは1mm当りのイ自己および相互インダクタンス、自己および相互キャパシタンスによりラダー回路網を構成した。
【0080】
本解析結果を図5に示す。図5に示す通り、比較例1に比べ、実施例1の方がクロストークノイズのピーク電圧を0.023Vから0.013Vへ、43%低減できるのがわかる。
【0081】
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2では、実施例1同様に、図3の信号配線の構成を用いる。実施例2では、駆動回路の出力電位が変動しない固定信号配線305と、その隣接配線304もしくは306との間でのインピーダンスマッチングを取った抵抗値を用いる。これは、固定信号配線における送端側インピーダンスと、この固定信号配線に隣接する配線の受端側インピーダンスとの積が、これら2つの配線間の相互インダクタンスに対する相互容量の比になるよう、固定信号配線以外の配線の受端側インピーダンスを設定したものである。図3に示す9本の信号配線に対して求めた受端側インピーダンスZ1f〜Z9fの値を表5に示す。
【0082】
【表5】



【0083】
このとき、送端側インピーダンスZ1b〜Z9bは全て50Ωとした。駆動回路の出力電圧が変動しない固定信号配線を除く全ての信号配線の送端側電圧を3.3Vから0Vへと切り替えたときの固定信号配線受端におけるクロストークノイズ電圧を解析により評価した。この結果を図6に示す。なお、比較例1では、表4に示す抵抗値を用いた。図6に示す通り、比較例1に比べ、実施例2の方がクロストークノイズのピーク電圧を0.023Vから0.018Vへ、22%低減できるのがわかる。
【0084】
図7に基づき、実施例3を説明する。図7に示すとおり、受端側インピーダンスを調節する回路として、MOS(Metal Oxide Semiconductor)801を用いる。
【0085】
MOS801はGate電圧によりSource−Drain 間抵抗を様々な値に変化させることができ、MOSFETとも表記されるスイッチング素子である。図7の回路では、電圧源と、可変抵抗802により、MOS801のGate電圧を変化させる構成になっている。MOS801のGateドレイン端子は、入力バッファと信号配線の間に配置される。これにより信号配線の受端側インピーダンス値を動的に変化することができ、様々な信号伝送状態に対応できる。つまり、LSI−I/Oドライバの出力状態をモニタし、その活性化レベルに合わせて制御回路803により可変抵抗803の抵抗値を変化させることによりMOS801のGate電位を変化させ、MOS801のSource−Drain間抵抗を最適値にする方法がある。
【0086】
次に、本発明の実施例4を説明する。本実施例は、実施例1の図3と同様に信号配線は301〜309の9本からなり、そのうち真中にある5番面の配線305は駆動回路の出力電位が変化しない固定配線となっている。この信号配線の断面図を図8に示す。本実施例4では、MCM(Multi Chip Module)への実装を考慮して、信号配線幅は0.1mm および信号配線ピッチは0.2mm 、グランド層との距離は0.15mm 、また信号配線長は25mmとなっている。この9本の信号配線における長さ1mmあたりの自己インダクタンスおよび相互インダクタンスを表6に、同じく1mmあたりの自己容量と相互容量を表7に示す。
【0087】
【表6】



【0088】
【表7】



【0089】
送端側のインピーダンスZ1b〜Z9bを全て50Ωとした場合、表6および表7の値を数8にあてはめることにより、信号配線の各受端側インピーダンス値Z1f〜Z9fは表8に示す値となる。比較例2として、平行2本線路で最適化した送受端インピーダンス値を用いる従来技術における受端側インピーダンス値Z1f〜Z9fを表9に示す。
【0090】
【表8】



【0091】
【表9】



【0092】
なお、比較例2において送端側インピーダンスは全て50Ωとした。駆動回路の出力電圧が変動しない固定信号配線を除く全ての信号配線の送端側電圧を3.3Vから0Vへと切り替えたときの固定信号配線受端におけるクロストークノイズ電圧を解析により評価した。その結果を図9に示す。図9に示す通り、比較例2に比べ、実施例4の方がクロストークノイズのピーク電圧を0.070Vから0.053Vへ、24%低減できるのがわかる。
【0093】
本発明の電子機器としては、例えば、デジタルデバイスである中央演算ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のLSI(Large Scale Integrated circuit)とメモリ素子(またはメモリ領域)とを有するものが考えられるが、これに限定されること無く、3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路を有するものであれば良い。特に、3本以上の伝送線路が、近接し、更に並行配置されているものにおいて効果が大きい。
【0094】
また、本明細書で使用した「略」の意味は、厳密にその値にならなくとも、従来の実装法に比べクロストークの低減の効果があることを示しており、実用上は+10%から−10%の許容量がある。この根拠は、従来の実装法における値(表4)に比べ、最適値である本発明(表5)では10%程差があり、本発明に近づくほどノイズ低減効果が大きくなるためである。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、電子機器誤動作の原因となるクロストークノイズを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の一例を説明するための説明図。
【図2】本発明の原理の一例を説明するための説明図。
【図3】本発明の実施例1を示す図。
【図4】図3の信号配線の断面図。
【図5】実施例1と比較例1の解析結果を示す図。
【図6】実施例2と比較例1の解析結果を示す図。
【図7】本発明の実施例3を示す図。
【図8】本発明の実施例4を示す図。
【図9】実施例4と比較例2の解析結果を示す図。
【図10】本発明の原理の一例の説明図。
【図11】本発明の原理の一例の説明図。
【図12】本発明の原理の一例の説明図。
【図13】本発明の原理の一例の説明図。
【符号の説明】
1b…信号配線1での送端側における電圧、V2b…信号配線2での送端側における電圧、Vnb…信号配線nでの送端側における電圧、V1f…信号配線1での受端側における電圧、V2f…信号配線2での受端側における電圧、Vnf…信号配線nでの受端側における電圧、I1b…信号配線1での送端側における電流、I2b…信号配線2での送端側における電流、Inb…信号配線nでの送端側における電流、I1f…信号配線1での受端側における電流、I2f…信号配線2での受端側における電流、Inf…信号配線nでの受端側における電流、201…固定配線、203…駆動回路、301〜309…信号配線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路において、信号を伝送する際に駆動回路の出力電位が変動しない1本の固定信号配線の送端側インピーダンスと、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスの積が、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互インダクタンスに対する、前記1本の固定信号配線と前記各変動信号配線との間の相互容量の比に略なるような、前記複数変動信号配線の各受端側インピーダンス値をもつことを特徴とした信号伝送回路。
【請求項2】
3本以上の伝送線路を有する信号伝送回路において、信号を伝送する際に駆動回路の出力電位が変動しない、1本の固定信号配線の送端側インピーダンスと、駆動回路の出力電位が変動する複数変動信号配線の各受端側インピーダンスの積が、略前記1本の固定信号配線とこの固定信号配線に隣接する前記変動信号配線との間の相互インダクタンスに対する、前記1本の固定信号配線と固定信号配線に隣接した前記変動信号配線との間の相互容量の比に略なるよう、前記変動信号配線の各受端側インピーダンスを設定したことを特徴とする信号伝送回路。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の信号伝送回路において、信号の伝送状態に応じて信号配線受端側インピーダンスを動的に変化させることができる回路を備えることを特徴とする信号伝送回路。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号伝送回路を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2004−32578(P2004−32578A)
【公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−188956(P2002−188956)
【出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】