説明

電子機器

【課題】接続部材と電気スイッチ或いは操作部材のガタつきを低減させることで、スイッチ操作時の音の発生を抑制し、かつ、接続部材の抜けの発生を抑制する。
【解決手段】端部7aは、穴2bの内壁のうち端部7aが挿入される挿入方向(C)上流側の上面位置Xaに接触する第1接触部7a1と、第1接触部7a1よりも先端側に設けられた第2接触部7a2であって、穴2bの内壁のうち上面位置Xaに対して穴2bの内部空間を介して対向し、かつ、上面位置Xaよりも挿入方向下流側に設けられた下面位置Yaに接触する第2接触部7a2と、を有し、弾性変形した状態で穴2bに挿入されており、端部7aの自然状態に戻ろうとする力が、上面位置Xa及び下面位置Yaに作用することで端部7aが穴2bに係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するもので、特に、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置外装より内部で本体の電源を切る電気スイッチは、電源コードを接続するインレット近傍の画像形成装置後方に配置されている。また、画像形成装置外装と略同一面に存在するユーザ操作部(以下、操作部材という)は、操作性を考慮して画像形成装置側面或いは前面に配置される。
【0003】
図8は、従来の画像形成装置101に設けられた、電気スイッチ102と操作部材105を説明するための図であって、画像形成装置の上方から電気スイッチ102と操作部材105を見た状態を示している。図9は、図8に示す操作部材105に、電気スイッチ102と操作部材105とを接続するための接続部材107が接続した状態を示す概略断面図である。
【0004】
図8に示すように、電気スイッチ102と操作部材105は、隔たった位置に存在するため、接続部材107が電気スイッチ102と操作部材105とを機械的に接続している。電気スイッチ102と操作部材105との間を機械的に接続する接続部材107には、ステンレス棒等が使用される。電気スイッチ102と操作部材105の位置関係には公差によるバラつきがあるため、接続部材107の線径は接続部材107の長さを考慮して、電気スイッチ102及び操作部材105の穴径より小さくしている。そのため、接続部材107と電気スイッチ102或いは操作部材105の間にはガタつきがあり、ユーザが操作部材105を操作すると、操作部材105のON位置及びOFF位置において、操作部材105にガタつきが生じる。
【0005】
そこで、このような操作部材のガタつきを防止する手段が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、操作部材に画像形成装置本体或いは本体に固定した部材を押圧する押圧部材について記載されている。
【特許文献1】特開平5−109347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のような構成は、操作部材に押圧部材を設けているため、ユーザが操作部材を操作する時のクリック感はあるが、接続部材と電気スイッチ或いは操作部材との間のガタは残る。このため、ユーザが操作部材を操作する時に、接続部材が電気スイッチ或いは操作部材の取付穴内面に衝突することによる衝突音や振動音が発生する可能性があった。また、接続部材と電気スイッチ或いは操作部材との間のガタつきにより、操作時の応答性に遅れが生じる可能性があった。
【0007】
また、接続部材は組立性を考慮して電気スイッチ及び操作部材の穴に平行に挿入されている。このため、製品の物流過程で接続部材が抜ける可能性があった。
【0008】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、接続部材と電気スイッチ或いは操作部材のガタつきを低減させることで、スイッチ操作時の音の発生を抑制し、かつ、接続部材の抜けの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
電気回路の開閉を行う電気スイッチと、
前記電気スイッチとは離れた位置に設けられ、前記電気スイッチにより前記電気回路の開閉動作を行わせるために操作者により操作される操作部材と、
弾性を有し、前記電気スイッチと前記操作部材とを機械的に接続する接続部材と、
を有する電子機器において、
前記電気スイッチと前記操作部材とのうち少なくともいずれか一方には、前記接続部材の端部が挿入される係合穴が設けられ、
前記端部は、
前記係合穴の内壁のうち前記端部が挿入される挿入方向上流側の第1端部に接触する第1接触部と、
前記第1接触部よりも先端側に設けられた第2接触部であって、前記係合穴の内壁のうち前記第1端部に対して前記係合穴の内部空間を介して対向し、かつ、前記第1端部よりも前記挿入方向下流側に設けられた対向部に接触する第2接触部と、
を有し、弾性変形した状態で前記係合穴に挿入されており、
前記端部の自然状態に戻ろうとする力が、前記第1端部及び前記対向部に作用することで前記端部が前記係合穴に係合していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、接続部材と電気スイッチ或いは操作部材のガタつきを低減させることで、スイッチ操作時の音の発生を抑制し、かつ、接続部材の抜けの発生を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例】
【0012】
以下に、図1〜図7を用いて、本発明を適用可能な実施例について説明する。本実施例では、電子機器として画像形成装置について説明する。まず、本実施例の画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、プリンタ)1の概略構成について図7を用いて説明する。図7は、プリンタ1の概略構成を示す断面図である。
【0013】
図7において、52はプリンタ1本体に設けられ、電子写真方式により画像形成を行う画像形成部である。この画像形成部52はトナー像を形成する感光体ドラム53、感光体ドラム53に形成されたトナー像を記録材Pに転写する転写ローラ54などを備えている。
【0014】
このような構成の画像形成部52において、画像形成動作が開始されると、まずレーザスキャナにより画像信号に応じた光57が感光体ドラム53に照射される。すると、このような光57が照射されることで、感光体ドラム53上に潜像が形成される。
【0015】
次に、感光体ドラム53上に形成された潜像が、トナーカートリッジ55に収納された現像剤としてのトナーで現像されることにより、感光体ドラム53上にトナー画像(可視像)が形成される。また、このようなトナー画像形成動作に並行して記録材収納カセットから記録材Pが給送される。すると、この記録材Pは、搬送ローラ及びレジストローラによって感光体ドラム53に形成されたトナー画像と同期をとって感光体ドラム53と転写
ローラ54とにより構成される転写部に搬送される。そして、この転写部において、転写ローラ54にバイアスが印加されることによってトナー画像が記録材Pへ転写される。
【0016】
このようなトナー画像が転写された記録材Pは、この後、像加熱手段としての定着装置56へ搬送され、この定着装置56において加熱されることによりトナー画像が記録材Pに定着される。
【0017】
次に、本実施例の特徴的な構成について説明する。図1は、プリンタ1において、電源ON状態にあるプリンタの要部を上方から見た場合について示す図(透視図)である。図2は、プリンタ1を示す概略斜視図である。図3は、プリンタ1の要部の概略構成を示す分解斜視図である。
【0018】
1aはプリンタ1を構成する本体フレーム、2は電気回路の開閉を行う電気スイッチ、5は電気スイッチ2により電気回路の開閉動作を行わせるためにユーザ(操作者)により操作される操作部材、6はプリンタ1の外装の一部(外装部、以下、本体外装)である。図1に示すように、電気スイッチ2は本体外装6の内側のプリンタ内部に設けられている。
【0019】
電気スイッチ2は、本体外装6より内部に設けられ、プリンタ本体の電源をON又はOFFに切替えるスイッチである。また、電気スイッチ2は、板金3とインレット4にビスにより固定される基板に取り付けられている。電気スイッチ2はシーソ型スイッチと基本的に同じであるが、ハンドル部2aに円筒形状の穴(係合穴、貫通穴)2bが設けられ、図1の矢印Aの向きに回転可能に設けられている。
【0020】
操作部材5には、軸5aと円筒形状の穴(係合穴、貫通穴)5bが設けられている。そして、操作部材5は、軸5aが本体外装6の穴6aに取り付けられ、軸5aを中心に図1に示す矢印Bの方向に回転可能に設けられている。また、図2に示すように、操作部材5は、ユーザが操作することを考慮して、本体外装6の外装面(表面)と略同一面に存在する。ここで、本実施例では、軸5aは、操作部材5本体を挟むように2ヶ所(回転軸方向両側に2ヶ所)に設けられている。操作部材5と電気スイッチ2とは、離れた(隔たった)位置にて配置されており、接続部材7によって機械的に接続されている。
【0021】
接続部材7は、金属材料で形成された棒状部材からなり、電気スイッチ2の穴2bと、操作部材5の穴5bとに係合して設けられることで、離れて配置されている電気スイッチ2と操作部材5とを機械的に接続する。より詳しくは、接続部材7の一端側の端部7aが電気スイッチ2の穴2bに嵌め込まれ(挿入され)、接続部材7の他端側の端部7bが操作部材5の穴5bに嵌め込まれることでリンク機構が構成され、電気スイッチ2と操作部材5とが接続される。そして、本体外装6に取り付けられた操作部材5が、ON位置又はOFF位置に位置するように操作されることで、接続部材7が操作部材5に連動して移動することとなる。接続部材7の移動動作に伴って電気スイッチ2が操作され、プリンタ1本体の電源が切替えられる。
【0022】
以下に、接続部材7の端部7aと電気スイッチ2の穴2bとの装着状態(接続状態)、及び、接続部材7の端部7bと操作部材5の穴5bとの装着状態について説明する。図4は、非装着状態にある電気スイッチ2と接続部材7とを示す概略図であり、電気スイッチ2においては断面図を示している。図5は、接続部材7の端部7aが挿入された装着状態の電気スイッチ2を示す概略断面図である。図6は、接続部材7の端部7bが挿入された状態の操作部材5を示す概略断面図である。
【0023】
図4において、接続部材7の中央部7cは、電気スイッチ2に装着された場合と同様の
状態(姿勢)を示している。図4に示すように、接続部材7の電気スイッチ2側の端部7aは、曲げ部(第1曲げ部)7dが設けられることで、電気スイッチ2の穴2bの貫通方向(端部7aの挿入方向)Cに対して傾きを持っている。そして、非装着状態では、電気スイッチ2の穴2bの上面位置と下面位置に対する傾きの幅Lが電気スイッチの穴径Dより大きくなっている。
【0024】
したがって、図5に示すように装着状態では、接続部材7の端部7aは撓んだ状態にあり、端部7aは、穴2bに挿入された状態では、穴2bの対向する2箇所の位置、すなわち上面位置Xa(第1端部)と下面位置Ya(第2端部、対向部)とに接触している。接続部材7の端部7aは、第1接触部7a1で穴2bの上面位置Xaに接触し、第1接触部7a1よりも先端側に設けられた第2接触部7a2で穴2bの下面位置Yaに接触している。ここで、上面位置Xaは、穴2bの内壁のうち端部7aが挿入される挿入方向上流側の端部である。また、下面位置Yaは、穴2bの内壁のうち上面位置Xaに対して穴2bの内部空間を介して対向し、かつ、上面位置Xaよりも挿入方向下流側に設けられている。
【0025】
本実施例では、接続部材7の有する弾性を利用するものである。すなわち、端部7aが弾性変形された状態で穴2bに挿入されていることにより、端部7aの自然状態に戻ろうとする力(弾性力)が上面位置Xa及び下面位置Yaに作用する(穴2bを付勢する)ことで端部7aが穴2bに係合することとなる。これにより、接続部材7と電気スイッチ2とのガタつきを低減(抑制)することができる。ここで、本実施例では、曲げ部7dが、曲げ部7dの曲げ方向に弾性変形された状態で穴2bに挿入されることで、端部7aが自然状態に戻ろうとする方向に発生する弾性力を利用している。これに対して、端部7aが、上面位置Xaと下面位置Yaとに接触することで、第1接触部7a1を支点として第1接触部7a1より先端側が撓むことによる弾性力を利用するものであってもよい。
【0026】
また、接続部材7は金属製の棒状部材で形成され、電気スイッチ2の穴2bの上面位置Xと下面位置Yの2点で点接触することとなる。このため、接触部が線で接触する構成よりも摩擦抵抗を抑えることができる。
【0027】
図6に示すように、接続部材7の操作部材5側の端部7bにおいても端部7a同様に傾きが設けられることで、端部7bが操作部材5の穴5bに装着される場合には、端部7bが弾性変形された状態で穴5bに装着されることとなる。したがって、端部7bが穴5bに装着された場合には、端部7bは穴5bを付勢することとなり、これにより、接続部材7は操作部材5の穴5bに係合することとなる。ここで、端部7bにおける第1接触部7b1,第2接触部7b2は、端部7aにおける第1接触部7a1,第2接触部7a2に相当する。また、操作部材5の穴5bにおける上面位置Xb,下面位置Ybは、電気スイッチ2の穴2bにおける上面位置Xa,下面位置Yaに相当する。
【0028】
接続部材7の撓みは、接続部材両端部(端部7a,7b)における、電気スイッチ2及び操作部材5の穴の上面位置と下面位置との間の部分、及び、接続部材7のうち電気スイッチ2と操作部材5との間の部分(中央部7c)で生じる。
【0029】
このように接続部材7が構成されることで、操作部材5が図1に示すONの状態からOFFの状態に操作される場合、接続部材7の両端部(端部7a,7b)はそれぞれ電気スイッチ2、操作部材5を付勢した状態を保持しながら移動(回転)することができる。また、操作部材5がOFFの状態からONの状態に操作される場合においても、接続部材7は操作部材5及び電気スイッチ2を付勢した状態を保持しながら移動することができる。ここで、接続部材7は、付勢状態を保持しながら移動するため、付勢力によりクリープする可能性があるが、本実施例では金属材料で形成した接続部材を用いているため、クリー
プを抑制することができる。また、接続部材7を棒状形状の金属材とすることで、接続部材の成形性が良好となり、また、上述のように接続部材7は電気スイッチ2や操作部材5と点接触した状態を保持しながら回転可能となる。
【0030】
以上説明したように、本実施例においては、弾性を有する接続部材7は電気スイッチ2と操作部材5との間を接続しており、端部(端部7a,7b)は電気スイッチ2の筒形状穴と操作部材5の筒形状穴とに対してそれぞれ傾きを持って設けられている。そして、接続部材7は、非装着状態で電気スイッチ2及び操作部材5の筒形状穴の上面位置と下面位置における傾き量が筒形状穴の径より大きくなっている。
【0031】
これにより、接続部材7の端部は撓んだ状態で筒形状穴の上面位置と下面位置の対向する位置で接触し、接触した状態を保持しながら、電気スイッチ2及び操作部材5を接続部材7の弾性により付勢している。このため、接続部材7と電気スイッチ2との間のガタつき、及び、接続部材7と操作部材5との間のガタつきを部品点数を増やすことなく低減(抑制)させることができる。したがって、ユーザが操作部材5を操作する時に、接続部材7が電気スイッチ2或いは操作部材5の取付穴内面に衝突することにより発生する衝突音や振動音を抑制することができる。さらに、本実施例では、接続部材7は弾性力を利用して電気スイッチ2及び操作部材5を付勢しているので、接続部材7が電気スイッチ2及び操作部材5から抜けてしまうことを抑制することができる。
【0032】
ここで、本実施例においては、穴2b,5bは貫通穴として説明したが、これに限るものではなく、貫通していない凹状の穴であってもよい。接続部材7の端部が撓んだ状態で凹状の穴の上面位置と下面位置の対向する位置に接触するように設けられることで、上述の効果が得られる。また、本実施例では、接続部材7の両端部(端部7a,7b)が、それぞれ電気スイッチ2の穴2b及び操作部材5の穴5bに対して付勢することで係合するものであったが、これに限るものではない。すなわち、両端部(端部7a,7b)のうちいずれか一方のみが、電気スイッチ2の穴2b又は操作部材5の穴5bに対して付勢することで係合するものであってもよい。この場合には、前記一方側のみで、電気スイッチ2と操作部材5の間の寸法の公差によるバラつきを吸収することとなる。
【0033】
以下に、上述した接続部材7の端部において、さらなる抜け抑制手段として曲げ部を設けた場合について説明する。図6に示すように、接続部材7の操作部材側の端部7bにおいては、操作部材5の穴5bに対する接触部よりも先端7f側に曲げ部(第2曲げ部)7eが設けられている。曲げ部7eが設けられることで、端部7bの先端7fは、穴5bの貫通方向から見た場合に、穴5bの外側(外周側)に位置することとなる。
【0034】
ここで、曲げ部7eより第1接触部側を第1部分7gとし、曲げ部7eより先端7f側を第2部分7hとした場合に第1部分7gと第2部分7hとを含む仮想面(図6に示す断面)をとる。このような場合に、第1部分7gと第2部分7hのなす角のうち第2接触部7b2が位置する側が曲げ部の内側となるように、曲げ部7eが設けられている。このように曲げ部7eが設けられることで、接続部材7が操作部材5の穴5bから抜けてしまうことをより効果的に抑制することができる。なお、端部7bにおいて、曲げ部7eが設けられていない場合であっても、先端7fが、穴5bの貫通方向から見た場合に、穴5bの外側に位置するように設けられるものであれば、接続部材7の抜け抑制効果は得られる。
【0035】
接続部材7の操作部材側の端部7bに曲げ部が設けられた形状の場合においては、接続部材7を操作部材5の穴5bと電気スイッチ2の穴2bに平行に挿入することは困難となることが懸念される。そこで、本実施例では、操作部材5が設けられた本体外装6を本体フレーム1a(プリンタ1本体(機器本体))に対して着脱可能に設けることで、次に示すような方法により組み付けを行うこととしている。
【0036】
以下に、操作部材5が取り付けられた本体外装6と接続部材7の本体フレーム1aへの組み付けについて説明する。
【0037】
まず、本体外装6に取り付けられた操作部材5の穴5bに、接続部材7の端部7bを嵌め込む。このとき、穴5bに沿わせて(穴の円筒形状(周面、内壁)に沿わせて)、曲げ部7eをかわしながら接続部材7の端部7bを嵌め込む(挿入する)。この状態では、接続部材7の端部7aは非装着状態であるため、接続部材7は操作部材5の穴5bを中心に回転することが可能である。
【0038】
次に、端部7aを本体フレーム1aに予め取り付けられた電気スイッチ2の穴2bに斜めに嵌め込む。この時、本体外装6は本体フレーム1aに対して取り付けられていない状態とする。このようにすることで、端部7aを穴2bに嵌め込む際、本体外装6が、電気スイッチ2の穴2b及び操作部材5の穴5bを回転軸として回転することが可能となる。したがって、端部7aを容易に穴2bに嵌め込むことができる。
【0039】
次に、本体外装6を、電気スイッチ2の穴2b及び操作部の穴5bを回転軸として回転させることで、本体フレーム1aに取り付ける。このように組み付けることにより、接続部材7の端部7bに曲げ部を追加しても、接続部材7を容易に組み付けることが可能となる。
【0040】
このような方法で組み付けを行うことにより、従来の組立性を損なうことなく、接続部材に抜け抑制手段を設けることが可能となる。ここで、本実施例では、抜け抑制手段として曲げ部7eが、接続部材7の操作部材側の端部7bに設けられた場合について説明したがこれに限るものではなく、端部7a側に設けられるものであってもよく、端部7a側及び端部7b側に設けられるものであってもよい。
【0041】
なお、本実施例においては、電子機器として画像形成装置について説明したが、これに限るものではない。本発明は、電気スイッチと操作部材とが、離れた位置にて配置され、接続部材によって機械的に接続されるような電子機器であれば、好適に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例の画像形成装置の要部を電源ON状態で上方から見た場合を示す概略図である。
【図2】実施例の画像形成装置を示す概略斜視図である。
【図3】実施例の画像形成装置の要部の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】実施例における非装着状態の電気スイッチと接続部材を示す概略図である。
【図5】実施例における装着状態の電気スイッチを示す概略断面図である。
【図6】実施例における装着状態の操作部材を示す概略断面図である。
【図7】実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図8】従来例の画像形成装置における電気スイッチと操作部を説明するための図である。
【図9】従来例の画像形成装置における装着状態の操作部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 プリンタ
2 電気スイッチ
2b 穴
5 操作部材
5b 穴
7 接続部材
7a 端部(接続部材7の電気スイッチ側端部)
7a1 第1接触部
7a2 第2接触部
7b 端部(接続部材7の操作部材側端部)
7b1 第1接触部
7b2 第2接触部
Xa 上面位置(電気スイッチ2の穴2b)
Xb 上面位置(操作部材5の穴5b)
Ya 下面位置(電気スイッチ2の穴2b)
Yb 下面位置(操作部材5の穴5b)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路の開閉を行う電気スイッチと、
前記電気スイッチとは離れた位置に設けられ、前記電気スイッチにより前記電気回路の開閉動作を行わせるために操作者により操作される操作部材と、
弾性を有し、前記電気スイッチと前記操作部材とを機械的に接続する接続部材と、
を有する電子機器において、
前記電気スイッチと前記操作部材とのうち少なくともいずれか一方には、前記接続部材の端部が挿入される係合穴が設けられ、
前記端部は、
前記係合穴の内壁のうち前記端部が挿入される挿入方向上流側の第1端部に接触する第1接触部と、
前記第1接触部よりも先端側に設けられた第2接触部であって、前記係合穴の内壁のうち前記第1端部に対して前記係合穴の内部空間を介して対向し、かつ、前記第1端部よりも前記挿入方向下流側に設けられた対向部に接触する第2接触部と、
を有し、弾性変形した状態で前記係合穴に挿入されており、
前記端部の自然状態に戻ろうとする力が、前記第1端部及び前記対向部に作用することで前記端部が前記係合穴に係合していることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記端部は、前記接続部材の中央部から第1曲げ部を介して設けられており、
前記第1曲げ部が曲げ方向に弾性変形された状態で前記係合穴に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記係合穴は貫通穴であって、前記端部は前記係合穴を貫通するように設けられ、
前記対向部は、前記係合穴の内壁のうち前記挿入方向下流側の第2端部であり、
前記端部の先端は、前記係合穴の貫通方向から見た場合に、前記係合穴の外側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記端部のうち前記第1接触部よりも先端側には第2曲げ部が設けられ、
前記第2曲げ部より前記第1接触部側の第1部分と、前記第2曲げ部より先端側の第2部分とを含む仮想面で、前記第1部分と前記第2部分とがなす角のうち前記第2接触部が位置する側が曲げ部の内側となるように、前記第2曲げ部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続部材は、金属材料で形成されており、
前記端部は、操作者により前記操作部材が操作されることで、前記係合穴に対して回転するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記操作部材は、機器本体に対して着脱可能に取り付けられた外装部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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