説明

電子機器

【課題】単独では時刻を手動で設定しなければならない電子機器の自動時刻設定を可能とする自動時刻設定システムを提供する。
【解決手段】デジタル放送信号に含まれる時刻情報に基づき自動で時刻設定を行うデジタルテレビ100からHDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200は時刻情報を取得して時刻設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の自動時刻設定に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタル家電が普及してきているが、デジタル家電の中には、デジタルテレビ等、デジタル放送波を受信することで時刻情報を自動的に取得できる機器(このような機器としては例えば特許文献1を参照)と、デジタルムービーカメラ等、時刻情報を自動的に取得できない機器がある。
【特許文献1】特開2007−27855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動で時刻情報が取得できない機器の場合、機器購入時の他、電池交換やソフトウェアのアップデートのタイミング等でユーザが手動で時刻設定を行わなければならず、また、一度設定しても、機器によっては時刻情報のずれが月差数秒に及ぶ場合もあり、時刻情報のずれが大きくなったとき、再度時刻を設定しなおす必要があった。また、サマータイム制度が今後もし導入された場合、時刻設定を頻繁に設定しなおさなければならなくなると予想される。
【0004】
そこで、本発明は、単独では時刻を手動で設定しなければならない電子機器の自動時刻設定を可能とする自動時刻設定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、時刻を計時する時計部を有し、外部から取得された時刻情報に基づき前記時計部の時刻が設定される機器において、前記時計部が計時する時刻の情報を有線を介して外部機器に通知する通知部を備えた構成としている。当該電子機器は、時刻の情報を提供する機器とその時刻の情報を受け取る機器とを含む自動時刻設定システムにおいて、時刻の情報を提供する機器として用いられる。
【0006】
このような構成によれば、後述する時刻の情報を受け取る機器として用いられる本発明の電子機器と協働して自動時刻設定システムを構築することができるので、単独では時刻を手動で設定しなければならない電子機器の自動時刻設定が可能となる。
【0007】
また、本発明の電子機器は上記構成において、前記有線は例えば、HDMI−CEC Lineとすればよい。
【0008】
また、本発明の電子機器は上記構成において、前記外部機器が情報再生動作を開始するとき、前記外部機器が表示部に時刻情報設定画面を表示したとき、前記外部機器がスタンバイ状態に移行するとき、前記時計部の時刻が設定されたときの少なくともいずれかのときに前記通知部は通知を行うようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の電子機器は上記構成において、前記通知部は、前記時計部が分の切替りを計時したときに通知を行うようにしてもよい。これにより、通知部が通知する情報に秒数を含めなくても正確な時刻を外部機器に設定できる。
【0010】
また、上記目的を達成するために本発明の電子機器は、時刻を計時する第一の時計部と、時刻を計時する第二の時計部を有し外部から取得された時刻情報に基づき前記第二の時計部の時刻が設定される外部機器から、前記第二の時計部が計時する時刻の情報を有線を介して取得する取得部と、を備え、前記取得部が取得した前記情報に基づき前記第一の時計部の時刻が設定される構成としている。当該電子機器は、時刻の情報を提供する機器とその時刻の情報を受け取る機器とを含む自動時刻設定システムにおいて、時刻の情報を受け取る機器として用いられる。
【0011】
このような構成によれば、上述した時刻の情報を提供する機器として用いられる本発明の電子機器と協働して自動時刻設定システムを構築することができるので、単独では時刻を手動で設定しなければならない電子機器の自動時刻設定が可能となる。
【0012】
また、本発明の電子機器は上記構成において、前記有線は例えば、HDMI−CEC Lineとすればよい。
【0013】
また、本発明の電子機器は上記構成において、当該機器が情報再生動作を開始するとき、当該機器が表示部に時刻情報設定画面を表示したとき、当該機器がスタンバイ状態に移行するとき、前記第二の時計部の時刻が設定されたときの少なくともいずれかのときに前記取得部は取得を行うようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の電子機器は上記構成において、前記第二の時計部が分の切替りを計時したときに取得を行うようにしてもよい。これにより、取得部が取得する情報に秒数を含めなくても正確な時刻を機器に設定できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、単独では時刻を手動で設定しなければならない電子機器の自動時刻設定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1に、本発明に係る自動時刻設定システムの全体概略図を示す。本発明に係る自動時刻設定システムは、デジタルテレビ100と、デジタルムービーカメラ200とから構成される。デジタルテレビ100は、アンテナ1が受信するデジタル放送波に含まれる時刻情報を自動的に取得し、時刻を自動設定できる。デジタルムービーカメラ200は、単独では時刻情報を自動的に取得できず、手動による時刻設定が必要である。そこで、デジタルテレビ100とデジタルムービーカメラ200とをHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルで接続し、双方向通信が可能なHDMI−CEC(Consumer Electronics Control) Lineを介してデジタルテレビ100側からデジタルムービーカメラ200側へ時刻情報を通知することで、デジタルムービーカメラ200での時刻自動設定を実現している。
【0018】
図2に、本発明に係るデジタルテレビの概略構成図を示す。本発明に係るデジタルテレビ100は、チューナ2と、HDMI入出力部3と、AV入力部4と、DEMUX(デマルチプレクサ)5と、AVデコーダ6と、リモコン受光部8と、スイッチ9と、映像処理部10と、OSD/スケーラ11と、映像出力部12と、音声処理部13と、音声出力部14と、スピーカ15と、CPU16と、時計部17と、CPU18と、メモリ19と、表示部20と、ホットプラグ制御部21とを備える。
【0019】
アンテナ1は、屋外において配置されており、デジタル放送波を受信し、高周波デジタル変調信号をチューナ2に出力する。
【0020】
チューナ2は、高周波デジタル変調信号から特定周波数の信号を取り出す。また、チューナ2は、選択されたデジタル変調信号を復調してトランスポートストリームをDEMUX5に出力する。
【0021】
DEMUX5は、トランスポートストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、およびPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離する。
【0022】
AVデコーダ6はビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダ、オーディオストリームに対してデコードを行うオーディオデコーダを備え、デコード後の映像音声情報をスイッチ9に出力する。
【0023】
HDMI入出力部3は、図示しない3つのHDMI端子を有しており、HDMI端子にはHDMIケーブルを接続可能である。そして、外部機器からHDMIケーブルが有する映像音声信号ラインを介してHDMI入出力部3に入力された映像音声情報はスイッチ9に入力される。また、外部機器からHDMIケーブルが有するHDMI−CEC Lineを介してHDMI入出力部3に入力されたCECコマンドはCPU16に入力される。また、CPU16からHDMI入出力部3へ出力されたCECコマンドはHDMI−CEC Lineを介して外部機器に入力される。また、外部機器からHDMIケーブルが有するDDC5Vライン、HDMI入出力部3を介して5V電源がホットプラグ制御部21に供給される。また、ホットプラグ制御部21は、HDMI入出力部3に制御信号を出力することでホットプラグラインのレベル(Low/High)を制御する。
【0024】
また、AV入力部4は図示しないS端子、D端子を有し、外部機器からS端子ケーブルまたはD端子ケーブルを介してAV入力部4に入力された映像音声情報はスイッチ9へ出力される。
【0025】
スイッチ9は、AVデコーダ6、HDMI入出力部3、AV入力部4の各映像音声入力を切替えるスイッチである。映像処理部10は、スイッチ9を介して入力される映像情報に対してデジタル映像処理を行う。OSD/スケーラ11は、CPU18から指示された文字情報や色情報に基づく映像データを生成したり、放送受信映像の縮小処理を行う回路である。このOSD/スケーラ11により、番組情報に基づくEPG(Electronic Program Guide)表示、データ放送表示、メニュー画面表示などが行える。映像出力部12は、ODS/スケーラ11から入力される映像情報を表示部20の入力信号形式に変換する。そして、表示部20は、映像出力部12から入力される映像信号に基づき映像を表示する。
【0026】
音声処理部13は、スイッチ9を介して音声情報を受信し、D/A変換によるアナログ音声信号を音声出力部14に出力する。音声出力部14は、音声処理部13から入力された音声信号を増幅等しスピーカ15に出力する。そして、スピーカ15は、音声出力部14から入力された音声信号に基づき音声を発する。
【0027】
リモコン送信機7は、デジタルテレビ100に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機7に設けられたキーが操作されると、そのキーに対応したリモコン信号がリモコン送信機7の発光部から送出される。リモコン受光器8は、リモコン信号を受光し、これを電気信号に変換してCPU16に与える。
【0028】
CPU16は、リモコン送信機7からのリモコン信号や図示しない操作部のキー操作による信号に対する処理、チューナ2などに対する制御を主に行う。そして、CPU16は、リモコン送信機7による電源OFFが行われたときでも、電力供給を受けて動作しており、リモコン信号を監視する等の処理を行う。一方、CPU18は、OSD/スケーラ11、映像処理部10、表示部20などに対する制御を主に行う。CPU16とCPU18とは、相互に通信ができる仕様となっており、CPU16の制御により、CPU18や映像・音声処理部22の各ブロックを停止/起動することが可能となっている。メモリ19には、制御プログラムや各種データが格納される。
【0029】
また、時計部17は、時刻を計時し現在時刻情報をCPU16に提供したり、CPU16から提供される時刻情報に基づき時刻設定を行う。
【0030】
図3に、本発明に係るデジタルムービーカメラ200の概略構成図を示す。本発明に係るデジタルムービーカメラ200は、カメラ部30と、マイク31と、スピーカ32と、画像音声処理部33と、制御部34と、外部メモリインタフェース35と、操作部36と、表示部37と、HDMI入出力部38と、時計部39とを備える。
【0031】
動画撮影時は、カメラ部30で撮影された映像情報は画像音声処理部33で圧縮処理され、外部メモリインタフェース35を介して外部メモリ40に記録される。また、音声録音時は、マイク31より入力された音声情報が画像音声処理部33で圧縮処理され外部メモリ40に記録される。
【0032】
動画再生時は、外部メモリ40から読み出された映像情報が画像音声処理部33で伸長処理され、表示部37に動画が表示される。また、音声再生時は、外部メモリ40から読み出された音声情報が画像音声処理部33で伸長処理され、スピーカ32から音声が再生される。
【0033】
また、デジタルムービーカメラ200とHDMIケーブルで接続された外部機器において動画再生・音声再生をする場合は、外部メモリ40から読み出された映像音声情報は画像音声処理部33で伸長処理され、HDMI入出力部38から外部機器へTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)形式で伝送される。また、制御部34は、HDMI入出力部38を介して外部機器とのCEC通信処理を行う。
【0034】
時計部39は、時刻を計時し現在時刻情報を制御部34に提供したり、制御部34から提供される時刻情報に基づき時刻設定を行う。操作部36は、デジタルムービーカメラ200に指示を与えるための各種キーを有する。
【0035】
次に、本発明に係る自動時刻設定動作について説明する。ここで、デジタルテレビ100とデジタルムービーカメラ200とはHDMIケーブルで接続されており、デジタルテレビ100においてはDEMUX5によりトランスポートストリームから分離されるPSI/SIに含まれる時刻情報をCPU16が定期的に時計部17へ提供し、時計部17はこの時刻情報に基づき時刻設定を行うものとする。
【0036】
(デジタルムービーカメラの再生開始時)
図4に、デジタルムービーカメラの再生開始時におけるCEC通信シーケンスを示す。まず、デジタルムービーカメラ200の操作部36において再生開始操作がされると、ステップS40で、制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100に、再生開始を伝える再生開始コマンド(Image View On)を送信する。すると、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介して再生開始コマンドを受信する。
【0037】
そして、ステップS41で、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100に入力切替コマンド(Active Source)を送信する。すると、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介して入力切替コマンドを受信し、スイッチ9をHDMI入出力部3からの映像音声入力に切替え、デジタルムービーカメラ200からHDMI入出力部3を介してスイッチ9に再生された映像音声情報が入力され、表示部20に映像が表示され、スピーカ15から音声が再生される。
【0038】
そして、ステップS42で、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100に、ベンダーIDを伝えるためのベンダーID通知コマンド(Device Vendor ID)を送信する。そして、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS43で、CPU16は、HDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200にベンダーID通知コマンドを送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認する。
【0039】
そして、ステップS44で、デジタルテレビ100のCPU16は、時計部17が計時する現在時刻の情報を含む時刻情報通知コマンド(Vendor Command)をHDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200に送信する。
【0040】
ここで、図8(a)に、時刻情報通知コマンドのフォーマットを示す。先頭に宛先のアドレス情報が並び、その次にコマンド種類を表す情報(OP_Code)が並ぶ。この情報は例えば0x89とし、Vendor Commandを表す。その次に、Vendor Commandのうち時刻情報通知コマンドであることを表す情報(例えば、0x10)が並ぶ。さらにその次に、現在時刻の年月日時分を表す各情報が並ぶ。
【0041】
上記のように時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報には秒数の情報がないため、時計部17が分の切替りを計時したときにCPU16は時刻情報通知コマンドをデジタルムービーカメラ200に送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介して時刻情報通知コマンドを受信し、受信した時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報を時計部39に提供し、時計部39は提供された現在時刻情報に基づき時刻設定を行う。このとき、時刻の秒数は0秒に設定される。
【0042】
なお、上記のように分の切替りのときに時刻情報通知コマンドを送信した後、さらに次の分の切替りのときに時刻情報通知コマンドを送信してデジタルムービーカメラ200の時刻設定を再度行ってもよい。また、時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報に秒数の情報も加える場合は、上記のように分の切替りのときにではなく、すぐに時刻情報通知コマンドを送信するようにすればよい。これらは以下の実施形態においても同様である。
【0043】
(デジタルムービーカメラの時刻設定画面表示時)
図5に、デジタルムービーカメラの時刻設定画面表示時におけるCEC通信シーケンスを示す。まず、デジタルムービーカメラ200の操作部36において時刻設定画面表示操作がされると、制御部34は、表示部37に時刻設定画面を表示させると共に、ステップS50で、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100にベンダーID通知コマンド(Device Vendor ID)を送信する。
【0044】
そして、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS51で、CPU16は、HDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200にベンダーID通知コマンドを送信する。そして、デジタルムービーカメラ200の制御部34が、HDMI入出力部38を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS52で、制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100に、時刻情報を問合せるための時刻情報問合せコマンド(Vendor Command)を送信する。
【0045】
ここで、図8(b)に、時刻情報問合せコマンドのフォーマットを示す。先頭に宛先のアドレス情報が並び、その次にコマンド種類を表す情報(OP_Code)が並ぶ。この情報は例えば0x89とし、Vendor Commandを表す。その次に、Vendor Commandのうち時刻情報問合せコマンドであることを表す情報(例えば、0x11)が並ぶ。
【0046】
そして、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介して時刻情報問合せコマンドを受信すると、ステップS53に進む。ステップS53で、CPU16は、時計部17が分の切替りを計時したときに、時計部17が計時する現在時刻の情報を含む時刻情報通知コマンド(Vendor Command)をHDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200に送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介して時刻情報通知コマンドを受信し、受信した時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報を時計部39に提供し、時計部39は提供された現在時刻情報に基づき時刻設定を行う。このとき、時刻の秒数は0秒に設定される。
【0047】
(デジタルムービーカメラのスタンバイ状態移行時)
図6に、デジタルムービーカメラのスタンバイ状態移行時におけるCEC通信シーケンスを示す。ここで、スタンバイ状態とは、必要な回路のみに通電しておく省電力状態をいう。まず、デジタルテレビ100側のリモコン送信機7においてデジタルムービーカメラ200をスタンバイ状態に移行させる操作がされると、ステップS60で、CPU16は、HDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200にベンダーID通知コマンド(Device Vendor ID)を送信する。
【0048】
そして、デジタルムービーカメラ200の制御部34が、HDMI入出力部38を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS61で、制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100にベンダーID通知コマンドを送信する。
【0049】
そして、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS62に進む。ステップS62で、CPU16は、時計部17が分の切替りを計時したときに、時計部17が計時する現在時刻の情報を含む時刻情報通知コマンド(Vendor Command)をHDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200に送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介して時刻情報通知コマンドを受信し、受信した時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報を時計部39に提供し、時計部39は提供された現在時刻情報に基づき時刻設定を行う。このとき、時刻の秒数は0秒に設定される。
【0050】
そして、ステップS63で、デジタルテレビ100のCPU16は、HDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200にスタンバイ通知コマンド(Standby)を送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介してスタンバイ通知コマンドを受信し、デジタルムービーカメラ200をスタンバイ状態へ移行させる。
【0051】
(デジタルテレビの自動時刻設定時)
図7に、デジタルテレビの自動時刻設定時におけるCEC通信シーケンスを示す。DEMUX5によりトランスポートストリームから分離されるPSI/SIに含まれる時刻情報をCPU16が時計部17に時刻設定のため提供する際、ステップS70で、CPU16は、HDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200にベンダーID通知コマンド(Device Vendor ID)を送信する。
【0052】
そして、デジタルムービーカメラ200の制御部34が、HDMI入出力部38を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS71で、制御部34は、HDMI入出力部38、HDMI−CEC Lineを介してデジタルテレビ100にベンダーID通知コマンドを送信する。
【0053】
そして、デジタルテレビ100のCPU16が、HDMI入出力部3を介してベンダーID通知コマンドを受信し、受信したベンダーID通知コマンドが所定のベンダーを表していることを確認すると、ステップS72に進む。ステップS72で、CPU16は、時計部17が分の切替りを計時したときに、時計部17が計時する現在時刻の情報を含む時刻情報通知コマンド(Vendor Command)をHDMI入出力部3、HDMI−CEC Lineを介してデジタルムービーカメラ200に送信する。すると、デジタルムービーカメラ200の制御部34は、HDMI入出力部38を介して時刻情報通知コマンドを受信し、受信した時刻情報通知コマンドに含まれる現在時刻情報を時計部39に提供し、時計部39は提供された現在時刻情報に基づき時刻設定を行う。このとき、時刻の秒数は0秒に設定される。
【0054】
以上のように、本発明によれば、単独では手動による時刻設定が必要なデジタルムービーカメラ200でも、HDMIケーブルで接続されたデジタルテレビ100から時刻情報を取得して自動的に時刻設定を行うことができ、時刻自動設定機能を持つデジタルテレビ100と同等の機能を持たせることができる。
【0055】
なお、以上で説明した実施形態はあくまで一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でのあらゆる変更が可能である。例えば、デジタルテレビ100と、デジタルムービーカメラ200が載置された電源クレードルとがHDMIケーブルで接続され、デジタルムービーカメラ200がHDMIケーブル、電源クレードルを介してデジタルテレビ100から時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0056】
また、例えば、サーバからインターネット経由で時刻情報を取得して自動的に時刻設定を行うようなPCと、デジタルムービーカメラ等の機器をUSB(Universal Serial Bus)接続し、本機器がPCから時刻情報を取得し自動的に時刻設定を行うような実施形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】は、本発明に係る自動時刻設定システムの全体概略図である。
【図2】は、本発明に係るデジタルテレビの概略構成図である。
【図3】は、本発明に係るデジタルムービーカメラの概略構成図である。
【図4】は、デジタルムービーカメラの再生開始時におけるCEC通信シーケンスを示す。
【図5】は、デジタルムービーカメラの時刻設定画面表示時におけるCEC通信シーケンスを示す。
【図6】は、デジタルムービーカメラのスタンバイ状態移行時におけるCEC通信シーケンスを示す。
【図7】は、デジタルテレビの自動時刻設定時におけるCEC通信シーケンスを示す。
【図8】は、(a)時刻情報通知コマンドのフォーマット、(b)時刻情報問合せコマンドのフォーマットを示す。
【符号の説明】
【0058】
100 デジタルテレビ
200 デジタルムービーカメラ
1 アンテナ
2 チューナ
3 HDMI入出力部
4 AV入力部
5 DEMUX(デマルチプレクサ)
6 AVデコーダ
7 リモコン送信機
8 リモコン受光部
9 スイッチ
10 映像処理部
11 OSD/スケーラ
12 映像出力部
13 音声処理部
14 音声出力部
15 スピーカ
16 CPU
17 時計部
18 CPU
19 メモリ
20 表示部
21 ホットプラグ制御部
22 映像・音声処理部
30 カメラ部
31 マイク
32 スピーカ
33 画像音声処理部
34 制御部
35 外部メモリインタフェース
36 操作部
37 表示部
38 HDMI入出力部
39 時計部
40 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を計時する時計部を有し、外部から取得された時刻情報に基づき前記時計部の時刻が設定される機器において、前記時計部が計時する時刻の情報を有線を介して外部機器に通知する通知部を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記有線は、HDMI−CEC Lineであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記外部機器が情報再生動作を開始するとき、前記外部機器が表示部に時刻情報設定画面を表示したとき、前記外部機器がスタンバイ状態に移行するとき、前記時計部の時刻が設定されたときの少なくともいずれかのときに前記通知部は通知を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通知部は、前記時計部が分の切替りを計時したときに通知を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
時刻を計時する第一の時計部と、
時刻を計時する第二の時計部を有し外部から取得された時刻情報に基づき前記第二の時計部の時刻が設定される外部機器から、前記第二の時計部が計時する時刻の情報を有線を介して取得する取得部と、を備え、
前記取得部が取得した前記情報に基づき前記第一の時計部の時刻が設定されることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記有線は、HDMI−CEC Lineであることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
当該機器が情報再生動作を開始するとき、当該機器が表示部に時刻情報設定画面を表示したとき、当該機器がスタンバイ状態に移行するとき、前記第二の時計部の時刻が設定されたときの少なくともいずれかのときに前記取得部は取得を行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記取得部は、前記第二の時計部が分の切替りを計時したときに取得を行うことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−2189(P2010−2189A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158712(P2008−158712)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】