電子機器
【課題】光源の光が入射する部分から伸びるように形成された導光部材を有し、光源の光を有効に利用できる電子機器を提供する。
【解決手段】導光部材、電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部82を有している。延伸部82は、電子機器の外面において露呈する発光面を有している。また、発光面とは反対側の面である延伸部82の背面82bは、傾斜面82cを含んでいる。傾斜面82cは、発光面と背面82bとが向き合う方向と、延伸部82の延伸方向の双方に対して垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成されている。
【解決手段】導光部材、電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部82を有している。延伸部82は、電子機器の外面において露呈する発光面を有している。また、発光面とは反対側の面である延伸部82の背面82bは、傾斜面82cを含んでいる。傾斜面82cは、発光面と背面82bとが向き合う方向と、延伸部82の延伸方向の双方に対して垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDなど光源の光が入射するよう配置された導光部材を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、その動作状態に応じて、LEDなどの光源を点灯させるものがある。このような電子機器には、光源がハウジング内に配置される一方で、導光部材によって光源の光をハウジング表面に導くものがある(例えば、特許文献1)。導光部材はハウジング表面において露呈するよう配置され、導光部材に入射した光は、導光部材内を反射しながら進み、ハウジング表面において露呈している面(以下、発光面)から放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−66884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の外観の向上や、電子機器の動作状態を示すインジケータの視認性の向上などを目的として、光源の光が入射する部分から伸びるように形成された長い導光部材の使用が望まれる場合がある。このような導光部材に入射する光は、導光部材内で反射しながら、導光部材の延伸方向に進む。例えば、入射した光は、発光面と、当該発光面とは反対側の面である背面との間を反射しながら進む。そして、その過程で発光面を透過した光が外部に放出され、電子機器の外観を向上させたり、電子機器の動作状態をユーザに通知する機能を果たす。
【0005】
しかしながら、発光面と背面とに垂直な面を反射しながら進むために発光面に達しない光は、そのような垂直な面を透過して外部に放出されるため、ユーザによって視認されず、電子機器の外観の向上やインジケータの視認性の向上などの目的に寄与しない。そのため、そのようにして放出される光が多いと、光源の利用効率が悪く、光源の数を増やすなどの対応が必要となる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、光源の光が入射する部分から伸びるように形成された導光部材を有し、光源の光を有効に利用できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、光源と、当該光源の光が入射するよう配置された導光部材とを備えている。前記導光部材は、前記電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部を有し、前記延伸部は、前記電子機器の前記外面において露呈する発光面を有している。また、前記発光面とは反対側の面である前記延伸部の背面は、前記発光面に対して傾いた傾斜面を含んでいる。そして、前記傾斜面は、前記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に対して垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成されている。
【0008】
本発明によれば、発光面に対して垂直な面の間を反射しながら進む光も、傾斜面に当って発光面側に反射する。その結果、光源の利用効率を向上できる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記傾斜面は、前記延伸部の延伸方向に沿って伸びるよう形成され、前記傾斜面の傾斜度は、前記延伸方向における位置に応じて変化してもよい。この態様によれば、発光面の位置に応じて、輝度を変えることができる。その結果、電子機器の外観を向上できる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記発光面の前方には、前記電子機器を操作するための操作部が配置されてもよい。この態様によれば、操作部を照らすことができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記電子機器の外面を構成するハウジングをさらに有し、前記ハウジングには、可搬型の記憶媒体を挿入するための開口が形成され、前記延伸部は前記開口に沿って伸びてもよい。この態様によれば、ユーザが可搬型の記憶媒体を挿入するための開口の位置を認識し易くなる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記導光部材は、前記光源の光が入射する入射部を有し、前記延伸部は入射部から伸びるように形成されてもよい。この態様によれば、少ない光源で延伸部の広い範囲から光を放出できる。また、この態様では、前記入射部は、記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向から前記光源の光が入射するように配置されてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記延伸部は前記電子機器の外面に沿って湾曲した湾曲部を有し、前記傾斜面は前記湾曲部に形成されてもよい。この態様によれば、湾曲部の発光面から放出される光を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の例である電子機器の斜視図である。
【図2】上記電子機器の要部の正面図である。
【図3】上記電子機器が有するフロントボードとハウジングの前部の斜視図である。
【図4】上記フロントボードの分解斜視図である。
【図5】図3に示すV−V線での断面図である。
【図6】上記電子機器が有する導光部材とフロントボードの背面図であり、同図では導光部材とフロントボードとが上下に分離して示されている。
【図7】図5の拡大図であり、同図では導光部材が示された部分が拡大されている。
【図8】上記導光部材の側面図である。
【図9】上記導光部材とフロントボードとを斜め後方から臨む斜視図である。
【図10】上記導光部材の端部の平面図である。
【図11】上記導光部材が有する延伸部の途中で切断された当該導光部材の斜視図である。
【図12】湾曲部における光の反射態様を説明する為の図である。同図(a−1)は上記導光部材の側面図であり、同図(a−2)は導光部材の平面図である。これらの図では上記導光部材が有する延伸部が拡大して示されている。また、同図(b−1)及び(b−2)は比較の対象とする導光部材を示し、同図(b−1)はその側面図であり、同図(b−2)はその平面図である。
【図13】導光部材が有する湾曲面での光の反射態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である電子機器1の斜視図である。図2は電子機器1の要部の正面図である。図3は電子機器1が有するフロントボード10とハウジング7の前部の斜視図であり、図4はフロントボード10の分解斜視図である。図5は図3に示すV−V線での断面図である。
【0016】
図1又は図2に示すように、電子機器1は、その外面を構成するハウジング7を有している。ハウジング7は、上方に開いた略箱状の下ハウジング70と、下方に開いた略箱状の上ハウジング71とを有している。上ハウジング71は、下ハウジング70に上方から被さるように配置され、下ハウジング70に組み付けられている。
【0017】
上ハウジング71は、その前部にフロントボード10を有している。また、上ハウジング71は、下ハウジング70に上方から被さるように配置され下ハウジング70を上方から閉じるハウジング本体72を有している。ハウジング本体72は、下ハウジング70と上下方向に向き合う上板部72aを有している。また、ハウジング本体72は、その前部に、上板部72aの縁から、下ハウジング70に向かって下がる左前壁部72bと右前壁部72cとを有している。右前壁部72cは、左前壁部72bの端部から後方(Y1方向)に伸びるとともに緩やかに湾曲し、左前壁部72bより後方に位置している。電子機器1は、例えば、ゲーム装置や、オーディオ・ビジュアル機器であり、右前壁部72cには可搬型の記憶媒体を挿入するためのメディア挿入口72dが形成されている。メディア挿入口72dが受け入れる記憶媒体は、円盤状の記憶媒体(例えば、光ディスク)であり、メディア挿入口72dは左右方向に長い開口となっている。なお、右前壁部72cには、メモリカードなど、カード型の記憶媒体を受け入れる複数のスロットが形成されてもよい。
【0018】
フロントボード10は右前壁部72cの前において、下ハウジング70と上下方向に向き合うように、すなわち概ね水平に配置されている。そして、フロントボード10は、ハウジング本体72とともに、上方に開いた形状を有する下ハウジング70を上方から閉じている。この例では、ハウジング本体72の右前壁部72cは左前壁部72bより後方に位置し、右前壁部72cと下ハウジング70の前縁との間には開口が設けられている。フロントボード10は、この開口を閉じている。フロントボード10は、左右方向(X1−X2方向)に長い略矩形の板状を呈している。特に、この例のフロントボード10は、4つの角のうち1つ(左後ろの角)が緩やかに湾曲した板状を呈している(図3参照)。なお、右前壁部72cはフロントボード10の縁の上に立つように設けられ、フロントボード10の縁に合わせて湾曲している。
【0019】
フロントボード10には、複数(この例では2つ)の操作ボタン(操作部)3が設けられている。また、図4に示すように、フロントボード10は、電子機器1の外面を構成する外面パネル2と、外面パネル2の裏面側に配置されるベースボード4とを有している。さらに、フロントボード10の裏面側には回路基板6が配置されている。
【0020】
外面パネル2は、薄い板状の部材であり、例えば樹脂によって形成されている。上述したように、フロントボード10は、1つの角が緩やかに湾曲した略矩形を呈しており、外面パネル2の左右方向の一方側(この例では左側)の縁(以下、側縁2c)は、その前端から緩やかに湾曲しながら後方に伸び、外面パネル2の後縁2bに繋がっている。
【0021】
操作ボタン3は、例えば、電子機器1の電源をオン/オフするための電源ボタンや、光ディスク等の記憶媒体をメディア挿入口72dから取り出すための取出ボタンである。外面パネル2には操作ボタン3に対応した形状の2つの孔2aが形成されている。操作ボタン3は、それぞれ孔2aに嵌められている(図5参照)。
【0022】
ベースボード4は外面パネル2と概ね同じ形状を有する板状の部材である。すなわち、ベースボード4は、1つの角が緩やかに湾曲した略矩形を呈しており、ベースボード4の左側の縁は、その前端から緩やかに湾曲しながら後方に伸び、当該ベースボード4の後縁に繋がっている。なお、ベースボード4の後縁と側縁とには、後述する導光部材8が配置される支持面41が形成されている。
【0023】
外面パネル2は、ベースボード4の表面に取り付けられている。例えば、外面パネル2はベースボード4の表面に接着剤によって取り付けられている。ベースボード4には孔4aが形成され、操作ボタン3は孔4aの内側に配置されている(図5参照)。なお、ベースボード4も、外面パネル2と同様に、樹脂によって形成されている。
【0024】
図4又は図5に示すように、回路基板6は、ベースボード4の裏面側において、ベースボード4と平行に配置されている。回路基板6の表面には、操作ボタン3によって押されてオン/オフする接点部材61が実装されている。接点部材61は、例えばタクトスイッチである。回路基板6の裏面には、コネクタ69が取り付けられており、接点部材61は、コネクタ69に接続される配線を介して、電子機器1が内蔵する別の回路基板に接続されている。
【0025】
回路基板6は、複数(この例では3つ)の螺子17によってベースボード4に取り付けられている。すなわち、回路基板6には、左右方向に並ぶ3つの孔6aが形成されている。一方、ベースボード4の裏面には螺子孔が形成されており、孔6aに下方から差し込まれた各螺子17は、ベースボード4の螺子孔に留められる。
【0026】
操作ボタン3と回路基板6との間には、操作ボタン3を外面パネル2側に押すゴム5が配置されている。ゴム5の裏面側に接点部材61が位置しており、操作ボタン3が押されたときには、このゴム5が接点部材61を押す。この例では、ゴム5の裏面には凸部51が形成されている。この凸部51は、接点部材61の上方に位置しており、操作ボタン3が押されたときには、この凸部51が接点部材61を下方に押す。ゴム5は、その外周縁に、略環状の基部52を有している。この基部52は、ベースボード4と回路基板6とによって挟まれている。
【0027】
図4に示すように、回路基板6には、電子機器1の動作状態に応じて点灯する光源として、複数のLED(Light Emitting Diode)67,66,68が実装されている。LED66,67,68は、例えば、電子機器1の電源がオン状態にある時に、点灯するよう制御される。
【0028】
LED67は、接点部材61に隣接して設けられ、操作ボタン3及びゴム5の下方に位置している。ゴム5には2つの孔5aが形成されている。操作ボタン3には、当該操作ボタン3が電源ボタンや、記憶媒体の取出ボタンであることを示すマーク(不図示)が形成されている。このマークは光を通す透光材料によって形成されており、LED67の光は、孔5aを通って操作ボタン3の透光材料に入射する。これによって、押しボタン3に形成されたマークが点灯する。
【0029】
LED66は、接点部材61の後方の位置に実装されている。ベースボード4には孔4cが形成され、この孔4cに光を通す透光部材19が嵌められている。透光部材19はLED66の上方に位置しており、LED66の光は透光部材19に入射し、透光部材19を点灯させる(図5参照)。なお、この例では、外面パネル2はハーフミラーによって構成されており、透光部材19と外面パネル2とを透過した光が電子機器1の外部に放出される。
【0030】
LED68は、回路基板6の端部に設けられている。フロントボード10には、LED68の光が入射するよう配置され、LED68の光を左右方向の一方側(この例では、右方向(X1方向))に導く導光部材8が設けられている。すなわち、導光部材8に入射した光は、導光部材8内を反射しながら当該導光部材8の延伸方向に進む。導光部材8は、例えば、光の透過率や濁度が調整されたアクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA))や、ポリカーボネート樹脂(PC)などの透光性を有する材料によって形成されている。
【0031】
図6は導光部材8とフロントボード10の背面図であり、同図では導光部材8とフロントボード10とが上下に分離して示されている。図7は図5の拡大図であり、同図では導光部材8が示された部分が拡大されている。図8は導光部材8の側面図である。図9は、導光部材8とフロントボード10とを斜め後方から臨む斜視図である。図10は導光部材8の端部の平面図であり、図11は、導光部材8が有する延伸部82の途中で切断された当該導光部材8の斜視図である。
【0032】
図3又は図4に示すように、導光部材8はその端部にLED68の光が入射する入射部81を有している。この例では、入射部81は、フロントボード10の左前の角に位置している。また、導光部材8は細長い棒状であり、入射部81から電子機器1の外面に沿った方向に伸びる延伸部82を有している。この例では、延伸部82は、電子機器1の外面を構成する上ハウジング71の右前壁部72cの下縁と、同じく電子機器1の外面を構成する外面パネル2の側縁2cと後縁2bとに沿って左右方向に伸びている。
【0033】
導光部材8はベースボード4の縁の上に配置されている。詳細には、図6又は図9に示すように、ベースボード4は、湾曲した左側の縁と、後縁とに支持面41を有している。支持面41は外面パネル2の後縁2b及び側縁2cからはみ出ており、この支持面41上に導光部材8が配置されている(図7参照)。
【0034】
図8に示すように、入射部81の下方にLED68が配置されており、入射部81は、その下面にLED68と向き合う入射面81aを有している。支持面41の端部41bには孔41aが形成され(図9参照)、入射面81aはこの孔41aの内側に配置されている。LED68の光は、下方から入射面81aに入射する。
【0035】
また、図9に示すように、入射部81は、入射面81aの上方に反射面81bを有している。この反射面81bは、入射面81aから入射した光が延伸部82側に反射するように、入射面81aに対して傾斜している。この例では、反射面81bは、導光部材8の先端寄りに位置する下縁81cから延伸部82に向かって高くなるように傾斜している。また、反射面81bは概ね平らに形成されている。
【0036】
図2に示すように、延伸部82は概ね左右方向に伸びている。また、後述するように、導光部材8内をその延伸方向に進む光は、延伸部82の発光面82aから前方に放出される。一方、入射部81にはLED68の光が下方から入射する。そのため、光が導光部材8に入射する方向は、導光部材8の延伸方向と、発光面82aが光を放つ方向とに対して垂直となっている。
【0037】
図3に示すように、延伸部82は、フロントボード10を囲むように設けられている。すなわち、延伸部82は、入射部81が位置するフロントボード10の左前の角から、当該角の対角線上に位置する角、すなわち右後の角まで伸びている。また、この例では、外面パネル2の側縁2cと、上ハウジング71の右前壁部72cの下縁は緩やかに湾曲しており、延伸部82は、入射部81から外面パネル2の側縁2cと右前壁部72cの下縁とに沿って湾曲している。
【0038】
すなわち、図4又は図10に示すように、延伸部82は、延伸部82の端部に位置し入射部81から斜め後方に伸びる湾曲部82eを有している。この湾曲部82eが、外面パネル2の側縁2cと右前壁部72cの下縁とに沿うように湾曲している。また、延伸部82は、外面パネル2の後縁2bに沿って、湾曲部82eから概ね直線的に伸びる直進部82fを有している。なお、導光部材8は、入射部81の内側に外面パネル2の側縁2cに沿って立つ壁部83を有している。この壁部83は、延伸部82から前方(Y2方向)に伸びている。
【0039】
図7に示すように、延伸部82は、電子機器1の前方に向いた発光面82aを有している。発光面82aは、延伸部82において入射部81側の端部から先端82kに亘って設けられ、電子機器1の外面において露呈している。すなわち、延伸部82の上面82gの高さは、外面パネル2の表面より高くなっている。また、ハウジング7の右前壁部72cは、延伸部82の上面82g上に配置されている。そのため、延伸部82は、外面パネル2の表面と右前壁部72cの下縁との間において露呈し、フロントボード10と右前壁部72cの境界を形成している(図2参照)。
【0040】
なお、上述したように、ベースボード4と外面パネル2とには操作ボタン3が設けられている。この操作ボタン3は発光面82aの前方に位置している。また、右前壁部72cには左右方向に長いメディア挿入口72dが形成されている。延伸部82は、メディア挿入口72dの下方において、当該メディア挿入口72dに沿った方向に伸びている(図2参照)。
【0041】
図7又は図11に示すように、延伸部82は発光面82aの他に、当該発光面82aとは反対側の面である背面82bと、発光面82aの上縁と背面82bの上縁との間の上面82gと、発光面82aの下縁と背面82bの下縁との間の下面82hとを有している。この例では、上面82gと下面82hは発光面82aに対して垂直に設けられている。なお、上述した湾曲部82eは、背面82bが湾曲部82eの外側の面になり、発光面82aが内側の面になるように湾曲している(図10参照)。
【0042】
背面82bは発光面82aに対して傾いた状態で当該発光面82aと向き合う傾斜面82cと、発光面82aと正対する正対面82dと含んでいる。この例では、正対面82dは発光面82aと平行となっている。傾斜面82cは、発光面82aと背面82bとが向き合う方向(発光面82aに垂直な方向(図7においてD1の示す方向)と、延伸部82の延伸方向(図11においてD2の示す方向)の双方に対して垂直な方向(図7においてD3の示す方向)に対して斜めに交差するよう形成されている。この例では、傾斜面82cは、背面82bの上部に位置し、正対面82dは背面82bの下部に位置している。そして、傾斜面82cの上縁82iが下縁82jに比べて発光面82aに近くなるように、傾斜面82cは傾斜している。すなわち、延伸部82の上部は、上方に行くにしたがって、当該延伸部82の厚さ(発光面82aと傾斜面82cとの距離)が徐々に小さくなるように形成されている。なお、図7に示すように、この例の傾斜面82cは、その上縁82iから下縁82jまで概ね直線的に伸びている。なお、傾斜面82cには表面粗さを増す加工が施されてもよい。こうすることによって、傾斜面82cで光が散乱し易くなる。
【0043】
図8又は図10に示すように、傾斜面82cは、延伸部82における入射部81寄りの位置に設けられた湾曲部82eから、直進部82fに亘って形成されている。図8に示すように、入射部81に下方から入射した光は、反射面81bで反射して延伸部82側に進む。反射面81bで反射する光は、反射面81bに対する入射角、あるいは反射する反射面81b上の位置に応じた角度で反射し、延伸部82の上面82gと下面82hとの間を反射しながら、延伸部82の延伸方向に進む。そして、その光は、傾斜面82cに当ることによって、発光面82aに向かって反射し、発光面82aを透過した光が電子機器1の前方に放たれる。
【0044】
図12は湾曲部82eの傾斜面82cにおける光の反射態様を説明する為の図である。同図(a−1)は導光部材8の側面図である。同図(a−2)は導光部材8の平面図であり、同図(a−2)では、湾曲部82eが拡大して示されている。これらの図において傾斜面82cには網掛けを施している。また、同図(b−1)及び(b−2)は比較の対象とする導光部材850を示し、同図(b−1)は導光部材850の側面図であり、同図(b−2)は導光部材850の平面図である。導光部材850は、湾曲部852eを有しているものの、当該湾曲部852eには傾斜面は形成されていない。また、同図(a−1)及び(a−2)に示す線Laと同図(b−1)及び(b−2)に示す線Lbは、LED68から導光部材8,850に入射した光の進行方向の例を示す線であり、これらの線で示す光は反射面81b,850bに対して同じ角度で入射している。
【0045】
同図(b−1)及び(b−2)の線Lbで示すように、導光部材850においても、導光部材8と同様に、入射部851に下方から入射し、反射面851bで反射した光は、延伸部852の上面852gと下面852hとの間を反射しながら湾曲部852e内を進む。そして、湾曲部852e内を進む光は、湾曲部852eの背面852bにおける位置Pbで発光面852a側に反射し、発光面852aを透過した光が当該発光面852aから放出される。一方、導光部材8では、同図(a−1)及び(a−2)の線Laで示すように、反射面81bで反射し、延伸部82の上面82gと下面82hとの間を反射しながら進む光は、傾斜面82cにおける位置Paで発光面82a側に反射される。その結果、線Laで示す光が到達する発光面82a上の位置は、線Lbで示す光が到達する発光面852a上の位置より入射部81に近くなっている。このように、導光部材8の湾曲部82eでは、傾斜面82cが形成されることによって、入射部81に近い発光面82a上の位置に到達する光が多くなり、湾曲部82eにおける発光面82aから放出される光の量を増すことができている。
【0046】
また、傾斜面82cは湾曲部82eから伸びる直進部82fにも形成されている。図7に示すように、直進部82fにおいて上面82gと下面82hとの間で反射する光も、傾斜面82cに当って、発光面82aに向かって反射される。
【0047】
このように、延伸部82の延伸方向に進む光が傾斜面82cに当ると、その光は発光面82a側に反射される。そして、発光面82aを透過した光が前方に放出される。図11に示すように、光を発光面82a側に反射する傾斜面82cは、延伸部82の延伸方向に沿った方向に伸びるように形成されている。特に、この例では、傾斜面82cは、延伸部82の一端から他端に亘って形成されている。そのため、発光面82aの全体から光が放出される。なお、発光面82aには、表面粗さを増す加工が施され、発光面82aにおける反射率が低減されている。これによって、傾斜面82cなど他の面から反射して発光面82aに達した光が、発光面82aを透過し易くなっている。特に、この例では、発光面82aの全面に亘って、すなわち、発光面82aの入射部81側の端部から先端82kに亘って、表面粗さを増す加工が施されている。
【0048】
傾斜面82cの傾斜度θ(D3方向に対する傾斜面82cの角度(図7参照))は、延伸方向における傾斜面82cの位置に応じて変化している。この例では、傾斜面82cの傾斜度θは、延伸部82の先端82kに近づくにしたがって小さくなっている。特に、先端82kでは、傾斜面82cは発光面82aと概ね平行となっている。このように、傾斜面82cの傾斜度θは、延伸方向における傾斜面82cの位置に応じて変化させることによって、発光面82aの輝度を位置に応じて調整できる。この例では、導光部材8の先端82kに近づくにしたがって、発光面82aの輝度を下げることができる。これによって、電子機器1の外観を向上できる。なお、図11に示すように、正対面82dの幅W2は、先端82kに近づくにしたがって漸次小さくなる一方で、傾斜面82cの幅W1は延伸部82の延伸方向において維持されている。
【0049】
延伸部82は、先端82kに近づくにしたがって漸次細くなっている。この例では、図6に示すように、延伸部82の上面82gが水平方向(外面パネル2と平行な方向)に伸びる一方で、下面82hは先端82kに向かって延伸するとともに上方に傾いている。そのため、延伸部82の高さ(上面82gと下面82hとの距離)は、先端82kに近づくにしたがって、漸次小さくなっている。
【0050】
なお、導光部材8が載せられる支持面41も、下面82hに合わせて傾いている。すなわち、支持面41の位置は、その端部に近づくにしたがって漸次高くなっている。そのため、発光面82aの外面パネル2から露呈している部分の幅W3(図7参照)は、延伸部82の延伸方向において維持されている。
【0051】
図10に示すように、背面82bは、湾曲部82eにおける入射部81寄りの位置に、傾斜面82cに加えて、発光面82a側に凹むように湾曲した湾曲面82Lを有している。この例では、湾曲面82Lは湾曲部82eの入射部81寄りの端部に位置し、湾曲面82Lは入射部81から伸びている。また、この例では、湾曲面82Lは、導光部材8の平面視において、発光面82a側に凹むように湾曲している。すなわち、湾曲面82Lは、入射部81から延伸部82の延伸方向に伸びるとともに発光面82aに近づく第1の部分R1と、延伸部82の延伸方向に伸びるとともに発光面82aから離れる第2の部分R2とを有している。
【0052】
この例では、湾曲部82eは、全体としては、入射部81から離れるにしたがって徐々に細くなる、すなわち、その厚さ(発光面82aと湾曲面82Lとの距離)W4が小さくなるように形成されている。そして、湾曲面82Lは、第1の部分R1では、湾曲部82eの厚さW4が小さくなる傾向を増し、第2の部分R2では、湾曲面82Lは、厚さW4が小さくなる傾向を低減している。そのため、第1の部分R1では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって小さくなっている。また、第2の部分R2では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって大きくなっている。そして、第2の部分R2を越えた部分(第2の部分R2より先端82k寄りの部分)では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって徐々に小さくなっている。
【0053】
また、湾曲部82eは、背面82bが湾曲部82eの外側の面になり、発光面82aが内側の面になるように湾曲している。この例では、湾曲面82Lは、湾曲部82eの背面82bに設けられ、湾曲部82eにおける発光面82aを円周とする円の中心O1と、湾曲面82Lを円周とする円の中心O2とは、導光部材8を挟んで反対側に位置している。
【0054】
入射部81において延伸部82側に反射し、湾曲部82eを進む光は、湾曲面82Lに当って、湾曲部82eの発光面82aに向かって反射し、発光面82aを透過した光が外部に放出される。
【0055】
図13は湾曲面82Lにおける光の反射態様を説明するための図である。同図(a)には、これまで説明した導光部材8が示され、同図(b)には比較の対象とする導光部材800が示されている。なお、同図(a)では、説明のために、図10に示す湾曲面82Lより大きく湾曲した湾曲面が示されている。
【0056】
導光部材800には、上述したような湾曲面82Lが形成されていない背面820bが設けられている。なお、導光部材800においても、導光部材8と同様に、反射面810bが形成された入射部810が設けられている。導光部材800では、反射面810bで反射した光は背面820bに当って、発光面820a側に反射する。同様に、導光部材8では、反射面81bで反射した光は、湾曲面82Lに当って発光面82a側に反射する。ここで、湾曲面82Lは発光面82a側に凹むように湾曲しているため、湾曲面82Lに対する光の入射角は、導光部材800の背面820bに対する光の入射角より大きくなっている。そのため、導光部材8では、導光部材800に比べて、発光面82aの端部に近い位置(入射部81寄りの位置)に向かって光が反射する。その結果、導光部材8では、導光部材800に比べて、発光面82aの端部に近い位置での輝度が増す。
【0057】
以上説明したように、電子機器1では、発光面82aとは反対側の面である延伸部82の背面82bは、発光面82aに対して傾いた傾斜面82cを含んでいる。この傾斜面82cは、発光面82aと背面82bとが向き合う方向D1と、延伸部82の延伸方向D2の双方に対して垂直な方向D3に対して斜めに交差するよう形成されている。
【0058】
このような電子機器1によれば、発光面82aに対して垂直な面の間(以上の説明では上面82gと下面82h)を反射しながら進む光も、傾斜面82cに当って発光面82a側に反射する。その結果、LED68から放出される光の利用効率を向上できる。
【0059】
なお、本発明は以上説明した電子機器1に限られず、種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、以上の説明では、傾斜面82cは延伸部82の一端から他端にまで形成されていた。しかしながら、傾斜面82cは、延伸部82の一部にのみ形成されてもよい。例えば、延伸部82においてより多くの輝度が要求される位置に傾斜面82cが形成されてもよい。
【0061】
また、以上の説明では、傾斜面82cはその上縁82iから下縁82jまで直線的に伸びていた。しかしながら、しかしながら、傾斜面82cは湾曲していてもよい。すなわち、傾斜面82cは、その上縁82iから湾曲しながら下方に伸び下縁82jに達してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器、2 外面パネル、2b 後縁、2c 側縁、3 操作ボタン(操作部)、4 ベースボード、5 ゴム、6 回路基板、7 ハウジング、8 導光部材、10 フロントボード、19 透光部材、41 支持面、61 接点部材、66,67,68 LED(光源)69 コネクタ、70 下ハウジング、71 上ハウジング、72 ハウジング本体、72a 上板部、72b 左前壁部、72c 右前壁部、72d メディア挿入口、81 入射部、82 延伸部、82L 湾曲面、82a 発光面、82b 背面、82c 傾斜面、82d 正対面、82e 湾曲部、82f 直進部、82g 上面、82h 下面、82i 上縁、82j 下縁、82k 先端、83 壁部、D1 発光面と背面とが向き合う方向、D2 延伸部の延伸方向、D3 D1とD2の双方に対して垂直な方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDなど光源の光が入射するよう配置された導光部材を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、その動作状態に応じて、LEDなどの光源を点灯させるものがある。このような電子機器には、光源がハウジング内に配置される一方で、導光部材によって光源の光をハウジング表面に導くものがある(例えば、特許文献1)。導光部材はハウジング表面において露呈するよう配置され、導光部材に入射した光は、導光部材内を反射しながら進み、ハウジング表面において露呈している面(以下、発光面)から放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−66884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の外観の向上や、電子機器の動作状態を示すインジケータの視認性の向上などを目的として、光源の光が入射する部分から伸びるように形成された長い導光部材の使用が望まれる場合がある。このような導光部材に入射する光は、導光部材内で反射しながら、導光部材の延伸方向に進む。例えば、入射した光は、発光面と、当該発光面とは反対側の面である背面との間を反射しながら進む。そして、その過程で発光面を透過した光が外部に放出され、電子機器の外観を向上させたり、電子機器の動作状態をユーザに通知する機能を果たす。
【0005】
しかしながら、発光面と背面とに垂直な面を反射しながら進むために発光面に達しない光は、そのような垂直な面を透過して外部に放出されるため、ユーザによって視認されず、電子機器の外観の向上やインジケータの視認性の向上などの目的に寄与しない。そのため、そのようにして放出される光が多いと、光源の利用効率が悪く、光源の数を増やすなどの対応が必要となる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、光源の光が入射する部分から伸びるように形成された導光部材を有し、光源の光を有効に利用できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、光源と、当該光源の光が入射するよう配置された導光部材とを備えている。前記導光部材は、前記電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部を有し、前記延伸部は、前記電子機器の前記外面において露呈する発光面を有している。また、前記発光面とは反対側の面である前記延伸部の背面は、前記発光面に対して傾いた傾斜面を含んでいる。そして、前記傾斜面は、前記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に対して垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成されている。
【0008】
本発明によれば、発光面に対して垂直な面の間を反射しながら進む光も、傾斜面に当って発光面側に反射する。その結果、光源の利用効率を向上できる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記傾斜面は、前記延伸部の延伸方向に沿って伸びるよう形成され、前記傾斜面の傾斜度は、前記延伸方向における位置に応じて変化してもよい。この態様によれば、発光面の位置に応じて、輝度を変えることができる。その結果、電子機器の外観を向上できる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記発光面の前方には、前記電子機器を操作するための操作部が配置されてもよい。この態様によれば、操作部を照らすことができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記電子機器の外面を構成するハウジングをさらに有し、前記ハウジングには、可搬型の記憶媒体を挿入するための開口が形成され、前記延伸部は前記開口に沿って伸びてもよい。この態様によれば、ユーザが可搬型の記憶媒体を挿入するための開口の位置を認識し易くなる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記導光部材は、前記光源の光が入射する入射部を有し、前記延伸部は入射部から伸びるように形成されてもよい。この態様によれば、少ない光源で延伸部の広い範囲から光を放出できる。また、この態様では、前記入射部は、記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向から前記光源の光が入射するように配置されてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記延伸部は前記電子機器の外面に沿って湾曲した湾曲部を有し、前記傾斜面は前記湾曲部に形成されてもよい。この態様によれば、湾曲部の発光面から放出される光を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の例である電子機器の斜視図である。
【図2】上記電子機器の要部の正面図である。
【図3】上記電子機器が有するフロントボードとハウジングの前部の斜視図である。
【図4】上記フロントボードの分解斜視図である。
【図5】図3に示すV−V線での断面図である。
【図6】上記電子機器が有する導光部材とフロントボードの背面図であり、同図では導光部材とフロントボードとが上下に分離して示されている。
【図7】図5の拡大図であり、同図では導光部材が示された部分が拡大されている。
【図8】上記導光部材の側面図である。
【図9】上記導光部材とフロントボードとを斜め後方から臨む斜視図である。
【図10】上記導光部材の端部の平面図である。
【図11】上記導光部材が有する延伸部の途中で切断された当該導光部材の斜視図である。
【図12】湾曲部における光の反射態様を説明する為の図である。同図(a−1)は上記導光部材の側面図であり、同図(a−2)は導光部材の平面図である。これらの図では上記導光部材が有する延伸部が拡大して示されている。また、同図(b−1)及び(b−2)は比較の対象とする導光部材を示し、同図(b−1)はその側面図であり、同図(b−2)はその平面図である。
【図13】導光部材が有する湾曲面での光の反射態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である電子機器1の斜視図である。図2は電子機器1の要部の正面図である。図3は電子機器1が有するフロントボード10とハウジング7の前部の斜視図であり、図4はフロントボード10の分解斜視図である。図5は図3に示すV−V線での断面図である。
【0016】
図1又は図2に示すように、電子機器1は、その外面を構成するハウジング7を有している。ハウジング7は、上方に開いた略箱状の下ハウジング70と、下方に開いた略箱状の上ハウジング71とを有している。上ハウジング71は、下ハウジング70に上方から被さるように配置され、下ハウジング70に組み付けられている。
【0017】
上ハウジング71は、その前部にフロントボード10を有している。また、上ハウジング71は、下ハウジング70に上方から被さるように配置され下ハウジング70を上方から閉じるハウジング本体72を有している。ハウジング本体72は、下ハウジング70と上下方向に向き合う上板部72aを有している。また、ハウジング本体72は、その前部に、上板部72aの縁から、下ハウジング70に向かって下がる左前壁部72bと右前壁部72cとを有している。右前壁部72cは、左前壁部72bの端部から後方(Y1方向)に伸びるとともに緩やかに湾曲し、左前壁部72bより後方に位置している。電子機器1は、例えば、ゲーム装置や、オーディオ・ビジュアル機器であり、右前壁部72cには可搬型の記憶媒体を挿入するためのメディア挿入口72dが形成されている。メディア挿入口72dが受け入れる記憶媒体は、円盤状の記憶媒体(例えば、光ディスク)であり、メディア挿入口72dは左右方向に長い開口となっている。なお、右前壁部72cには、メモリカードなど、カード型の記憶媒体を受け入れる複数のスロットが形成されてもよい。
【0018】
フロントボード10は右前壁部72cの前において、下ハウジング70と上下方向に向き合うように、すなわち概ね水平に配置されている。そして、フロントボード10は、ハウジング本体72とともに、上方に開いた形状を有する下ハウジング70を上方から閉じている。この例では、ハウジング本体72の右前壁部72cは左前壁部72bより後方に位置し、右前壁部72cと下ハウジング70の前縁との間には開口が設けられている。フロントボード10は、この開口を閉じている。フロントボード10は、左右方向(X1−X2方向)に長い略矩形の板状を呈している。特に、この例のフロントボード10は、4つの角のうち1つ(左後ろの角)が緩やかに湾曲した板状を呈している(図3参照)。なお、右前壁部72cはフロントボード10の縁の上に立つように設けられ、フロントボード10の縁に合わせて湾曲している。
【0019】
フロントボード10には、複数(この例では2つ)の操作ボタン(操作部)3が設けられている。また、図4に示すように、フロントボード10は、電子機器1の外面を構成する外面パネル2と、外面パネル2の裏面側に配置されるベースボード4とを有している。さらに、フロントボード10の裏面側には回路基板6が配置されている。
【0020】
外面パネル2は、薄い板状の部材であり、例えば樹脂によって形成されている。上述したように、フロントボード10は、1つの角が緩やかに湾曲した略矩形を呈しており、外面パネル2の左右方向の一方側(この例では左側)の縁(以下、側縁2c)は、その前端から緩やかに湾曲しながら後方に伸び、外面パネル2の後縁2bに繋がっている。
【0021】
操作ボタン3は、例えば、電子機器1の電源をオン/オフするための電源ボタンや、光ディスク等の記憶媒体をメディア挿入口72dから取り出すための取出ボタンである。外面パネル2には操作ボタン3に対応した形状の2つの孔2aが形成されている。操作ボタン3は、それぞれ孔2aに嵌められている(図5参照)。
【0022】
ベースボード4は外面パネル2と概ね同じ形状を有する板状の部材である。すなわち、ベースボード4は、1つの角が緩やかに湾曲した略矩形を呈しており、ベースボード4の左側の縁は、その前端から緩やかに湾曲しながら後方に伸び、当該ベースボード4の後縁に繋がっている。なお、ベースボード4の後縁と側縁とには、後述する導光部材8が配置される支持面41が形成されている。
【0023】
外面パネル2は、ベースボード4の表面に取り付けられている。例えば、外面パネル2はベースボード4の表面に接着剤によって取り付けられている。ベースボード4には孔4aが形成され、操作ボタン3は孔4aの内側に配置されている(図5参照)。なお、ベースボード4も、外面パネル2と同様に、樹脂によって形成されている。
【0024】
図4又は図5に示すように、回路基板6は、ベースボード4の裏面側において、ベースボード4と平行に配置されている。回路基板6の表面には、操作ボタン3によって押されてオン/オフする接点部材61が実装されている。接点部材61は、例えばタクトスイッチである。回路基板6の裏面には、コネクタ69が取り付けられており、接点部材61は、コネクタ69に接続される配線を介して、電子機器1が内蔵する別の回路基板に接続されている。
【0025】
回路基板6は、複数(この例では3つ)の螺子17によってベースボード4に取り付けられている。すなわち、回路基板6には、左右方向に並ぶ3つの孔6aが形成されている。一方、ベースボード4の裏面には螺子孔が形成されており、孔6aに下方から差し込まれた各螺子17は、ベースボード4の螺子孔に留められる。
【0026】
操作ボタン3と回路基板6との間には、操作ボタン3を外面パネル2側に押すゴム5が配置されている。ゴム5の裏面側に接点部材61が位置しており、操作ボタン3が押されたときには、このゴム5が接点部材61を押す。この例では、ゴム5の裏面には凸部51が形成されている。この凸部51は、接点部材61の上方に位置しており、操作ボタン3が押されたときには、この凸部51が接点部材61を下方に押す。ゴム5は、その外周縁に、略環状の基部52を有している。この基部52は、ベースボード4と回路基板6とによって挟まれている。
【0027】
図4に示すように、回路基板6には、電子機器1の動作状態に応じて点灯する光源として、複数のLED(Light Emitting Diode)67,66,68が実装されている。LED66,67,68は、例えば、電子機器1の電源がオン状態にある時に、点灯するよう制御される。
【0028】
LED67は、接点部材61に隣接して設けられ、操作ボタン3及びゴム5の下方に位置している。ゴム5には2つの孔5aが形成されている。操作ボタン3には、当該操作ボタン3が電源ボタンや、記憶媒体の取出ボタンであることを示すマーク(不図示)が形成されている。このマークは光を通す透光材料によって形成されており、LED67の光は、孔5aを通って操作ボタン3の透光材料に入射する。これによって、押しボタン3に形成されたマークが点灯する。
【0029】
LED66は、接点部材61の後方の位置に実装されている。ベースボード4には孔4cが形成され、この孔4cに光を通す透光部材19が嵌められている。透光部材19はLED66の上方に位置しており、LED66の光は透光部材19に入射し、透光部材19を点灯させる(図5参照)。なお、この例では、外面パネル2はハーフミラーによって構成されており、透光部材19と外面パネル2とを透過した光が電子機器1の外部に放出される。
【0030】
LED68は、回路基板6の端部に設けられている。フロントボード10には、LED68の光が入射するよう配置され、LED68の光を左右方向の一方側(この例では、右方向(X1方向))に導く導光部材8が設けられている。すなわち、導光部材8に入射した光は、導光部材8内を反射しながら当該導光部材8の延伸方向に進む。導光部材8は、例えば、光の透過率や濁度が調整されたアクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA))や、ポリカーボネート樹脂(PC)などの透光性を有する材料によって形成されている。
【0031】
図6は導光部材8とフロントボード10の背面図であり、同図では導光部材8とフロントボード10とが上下に分離して示されている。図7は図5の拡大図であり、同図では導光部材8が示された部分が拡大されている。図8は導光部材8の側面図である。図9は、導光部材8とフロントボード10とを斜め後方から臨む斜視図である。図10は導光部材8の端部の平面図であり、図11は、導光部材8が有する延伸部82の途中で切断された当該導光部材8の斜視図である。
【0032】
図3又は図4に示すように、導光部材8はその端部にLED68の光が入射する入射部81を有している。この例では、入射部81は、フロントボード10の左前の角に位置している。また、導光部材8は細長い棒状であり、入射部81から電子機器1の外面に沿った方向に伸びる延伸部82を有している。この例では、延伸部82は、電子機器1の外面を構成する上ハウジング71の右前壁部72cの下縁と、同じく電子機器1の外面を構成する外面パネル2の側縁2cと後縁2bとに沿って左右方向に伸びている。
【0033】
導光部材8はベースボード4の縁の上に配置されている。詳細には、図6又は図9に示すように、ベースボード4は、湾曲した左側の縁と、後縁とに支持面41を有している。支持面41は外面パネル2の後縁2b及び側縁2cからはみ出ており、この支持面41上に導光部材8が配置されている(図7参照)。
【0034】
図8に示すように、入射部81の下方にLED68が配置されており、入射部81は、その下面にLED68と向き合う入射面81aを有している。支持面41の端部41bには孔41aが形成され(図9参照)、入射面81aはこの孔41aの内側に配置されている。LED68の光は、下方から入射面81aに入射する。
【0035】
また、図9に示すように、入射部81は、入射面81aの上方に反射面81bを有している。この反射面81bは、入射面81aから入射した光が延伸部82側に反射するように、入射面81aに対して傾斜している。この例では、反射面81bは、導光部材8の先端寄りに位置する下縁81cから延伸部82に向かって高くなるように傾斜している。また、反射面81bは概ね平らに形成されている。
【0036】
図2に示すように、延伸部82は概ね左右方向に伸びている。また、後述するように、導光部材8内をその延伸方向に進む光は、延伸部82の発光面82aから前方に放出される。一方、入射部81にはLED68の光が下方から入射する。そのため、光が導光部材8に入射する方向は、導光部材8の延伸方向と、発光面82aが光を放つ方向とに対して垂直となっている。
【0037】
図3に示すように、延伸部82は、フロントボード10を囲むように設けられている。すなわち、延伸部82は、入射部81が位置するフロントボード10の左前の角から、当該角の対角線上に位置する角、すなわち右後の角まで伸びている。また、この例では、外面パネル2の側縁2cと、上ハウジング71の右前壁部72cの下縁は緩やかに湾曲しており、延伸部82は、入射部81から外面パネル2の側縁2cと右前壁部72cの下縁とに沿って湾曲している。
【0038】
すなわち、図4又は図10に示すように、延伸部82は、延伸部82の端部に位置し入射部81から斜め後方に伸びる湾曲部82eを有している。この湾曲部82eが、外面パネル2の側縁2cと右前壁部72cの下縁とに沿うように湾曲している。また、延伸部82は、外面パネル2の後縁2bに沿って、湾曲部82eから概ね直線的に伸びる直進部82fを有している。なお、導光部材8は、入射部81の内側に外面パネル2の側縁2cに沿って立つ壁部83を有している。この壁部83は、延伸部82から前方(Y2方向)に伸びている。
【0039】
図7に示すように、延伸部82は、電子機器1の前方に向いた発光面82aを有している。発光面82aは、延伸部82において入射部81側の端部から先端82kに亘って設けられ、電子機器1の外面において露呈している。すなわち、延伸部82の上面82gの高さは、外面パネル2の表面より高くなっている。また、ハウジング7の右前壁部72cは、延伸部82の上面82g上に配置されている。そのため、延伸部82は、外面パネル2の表面と右前壁部72cの下縁との間において露呈し、フロントボード10と右前壁部72cの境界を形成している(図2参照)。
【0040】
なお、上述したように、ベースボード4と外面パネル2とには操作ボタン3が設けられている。この操作ボタン3は発光面82aの前方に位置している。また、右前壁部72cには左右方向に長いメディア挿入口72dが形成されている。延伸部82は、メディア挿入口72dの下方において、当該メディア挿入口72dに沿った方向に伸びている(図2参照)。
【0041】
図7又は図11に示すように、延伸部82は発光面82aの他に、当該発光面82aとは反対側の面である背面82bと、発光面82aの上縁と背面82bの上縁との間の上面82gと、発光面82aの下縁と背面82bの下縁との間の下面82hとを有している。この例では、上面82gと下面82hは発光面82aに対して垂直に設けられている。なお、上述した湾曲部82eは、背面82bが湾曲部82eの外側の面になり、発光面82aが内側の面になるように湾曲している(図10参照)。
【0042】
背面82bは発光面82aに対して傾いた状態で当該発光面82aと向き合う傾斜面82cと、発光面82aと正対する正対面82dと含んでいる。この例では、正対面82dは発光面82aと平行となっている。傾斜面82cは、発光面82aと背面82bとが向き合う方向(発光面82aに垂直な方向(図7においてD1の示す方向)と、延伸部82の延伸方向(図11においてD2の示す方向)の双方に対して垂直な方向(図7においてD3の示す方向)に対して斜めに交差するよう形成されている。この例では、傾斜面82cは、背面82bの上部に位置し、正対面82dは背面82bの下部に位置している。そして、傾斜面82cの上縁82iが下縁82jに比べて発光面82aに近くなるように、傾斜面82cは傾斜している。すなわち、延伸部82の上部は、上方に行くにしたがって、当該延伸部82の厚さ(発光面82aと傾斜面82cとの距離)が徐々に小さくなるように形成されている。なお、図7に示すように、この例の傾斜面82cは、その上縁82iから下縁82jまで概ね直線的に伸びている。なお、傾斜面82cには表面粗さを増す加工が施されてもよい。こうすることによって、傾斜面82cで光が散乱し易くなる。
【0043】
図8又は図10に示すように、傾斜面82cは、延伸部82における入射部81寄りの位置に設けられた湾曲部82eから、直進部82fに亘って形成されている。図8に示すように、入射部81に下方から入射した光は、反射面81bで反射して延伸部82側に進む。反射面81bで反射する光は、反射面81bに対する入射角、あるいは反射する反射面81b上の位置に応じた角度で反射し、延伸部82の上面82gと下面82hとの間を反射しながら、延伸部82の延伸方向に進む。そして、その光は、傾斜面82cに当ることによって、発光面82aに向かって反射し、発光面82aを透過した光が電子機器1の前方に放たれる。
【0044】
図12は湾曲部82eの傾斜面82cにおける光の反射態様を説明する為の図である。同図(a−1)は導光部材8の側面図である。同図(a−2)は導光部材8の平面図であり、同図(a−2)では、湾曲部82eが拡大して示されている。これらの図において傾斜面82cには網掛けを施している。また、同図(b−1)及び(b−2)は比較の対象とする導光部材850を示し、同図(b−1)は導光部材850の側面図であり、同図(b−2)は導光部材850の平面図である。導光部材850は、湾曲部852eを有しているものの、当該湾曲部852eには傾斜面は形成されていない。また、同図(a−1)及び(a−2)に示す線Laと同図(b−1)及び(b−2)に示す線Lbは、LED68から導光部材8,850に入射した光の進行方向の例を示す線であり、これらの線で示す光は反射面81b,850bに対して同じ角度で入射している。
【0045】
同図(b−1)及び(b−2)の線Lbで示すように、導光部材850においても、導光部材8と同様に、入射部851に下方から入射し、反射面851bで反射した光は、延伸部852の上面852gと下面852hとの間を反射しながら湾曲部852e内を進む。そして、湾曲部852e内を進む光は、湾曲部852eの背面852bにおける位置Pbで発光面852a側に反射し、発光面852aを透過した光が当該発光面852aから放出される。一方、導光部材8では、同図(a−1)及び(a−2)の線Laで示すように、反射面81bで反射し、延伸部82の上面82gと下面82hとの間を反射しながら進む光は、傾斜面82cにおける位置Paで発光面82a側に反射される。その結果、線Laで示す光が到達する発光面82a上の位置は、線Lbで示す光が到達する発光面852a上の位置より入射部81に近くなっている。このように、導光部材8の湾曲部82eでは、傾斜面82cが形成されることによって、入射部81に近い発光面82a上の位置に到達する光が多くなり、湾曲部82eにおける発光面82aから放出される光の量を増すことができている。
【0046】
また、傾斜面82cは湾曲部82eから伸びる直進部82fにも形成されている。図7に示すように、直進部82fにおいて上面82gと下面82hとの間で反射する光も、傾斜面82cに当って、発光面82aに向かって反射される。
【0047】
このように、延伸部82の延伸方向に進む光が傾斜面82cに当ると、その光は発光面82a側に反射される。そして、発光面82aを透過した光が前方に放出される。図11に示すように、光を発光面82a側に反射する傾斜面82cは、延伸部82の延伸方向に沿った方向に伸びるように形成されている。特に、この例では、傾斜面82cは、延伸部82の一端から他端に亘って形成されている。そのため、発光面82aの全体から光が放出される。なお、発光面82aには、表面粗さを増す加工が施され、発光面82aにおける反射率が低減されている。これによって、傾斜面82cなど他の面から反射して発光面82aに達した光が、発光面82aを透過し易くなっている。特に、この例では、発光面82aの全面に亘って、すなわち、発光面82aの入射部81側の端部から先端82kに亘って、表面粗さを増す加工が施されている。
【0048】
傾斜面82cの傾斜度θ(D3方向に対する傾斜面82cの角度(図7参照))は、延伸方向における傾斜面82cの位置に応じて変化している。この例では、傾斜面82cの傾斜度θは、延伸部82の先端82kに近づくにしたがって小さくなっている。特に、先端82kでは、傾斜面82cは発光面82aと概ね平行となっている。このように、傾斜面82cの傾斜度θは、延伸方向における傾斜面82cの位置に応じて変化させることによって、発光面82aの輝度を位置に応じて調整できる。この例では、導光部材8の先端82kに近づくにしたがって、発光面82aの輝度を下げることができる。これによって、電子機器1の外観を向上できる。なお、図11に示すように、正対面82dの幅W2は、先端82kに近づくにしたがって漸次小さくなる一方で、傾斜面82cの幅W1は延伸部82の延伸方向において維持されている。
【0049】
延伸部82は、先端82kに近づくにしたがって漸次細くなっている。この例では、図6に示すように、延伸部82の上面82gが水平方向(外面パネル2と平行な方向)に伸びる一方で、下面82hは先端82kに向かって延伸するとともに上方に傾いている。そのため、延伸部82の高さ(上面82gと下面82hとの距離)は、先端82kに近づくにしたがって、漸次小さくなっている。
【0050】
なお、導光部材8が載せられる支持面41も、下面82hに合わせて傾いている。すなわち、支持面41の位置は、その端部に近づくにしたがって漸次高くなっている。そのため、発光面82aの外面パネル2から露呈している部分の幅W3(図7参照)は、延伸部82の延伸方向において維持されている。
【0051】
図10に示すように、背面82bは、湾曲部82eにおける入射部81寄りの位置に、傾斜面82cに加えて、発光面82a側に凹むように湾曲した湾曲面82Lを有している。この例では、湾曲面82Lは湾曲部82eの入射部81寄りの端部に位置し、湾曲面82Lは入射部81から伸びている。また、この例では、湾曲面82Lは、導光部材8の平面視において、発光面82a側に凹むように湾曲している。すなわち、湾曲面82Lは、入射部81から延伸部82の延伸方向に伸びるとともに発光面82aに近づく第1の部分R1と、延伸部82の延伸方向に伸びるとともに発光面82aから離れる第2の部分R2とを有している。
【0052】
この例では、湾曲部82eは、全体としては、入射部81から離れるにしたがって徐々に細くなる、すなわち、その厚さ(発光面82aと湾曲面82Lとの距離)W4が小さくなるように形成されている。そして、湾曲面82Lは、第1の部分R1では、湾曲部82eの厚さW4が小さくなる傾向を増し、第2の部分R2では、湾曲面82Lは、厚さW4が小さくなる傾向を低減している。そのため、第1の部分R1では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって小さくなっている。また、第2の部分R2では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって大きくなっている。そして、第2の部分R2を越えた部分(第2の部分R2より先端82k寄りの部分)では、湾曲部82eの厚さW4は入射部81から離れるにしたがって徐々に小さくなっている。
【0053】
また、湾曲部82eは、背面82bが湾曲部82eの外側の面になり、発光面82aが内側の面になるように湾曲している。この例では、湾曲面82Lは、湾曲部82eの背面82bに設けられ、湾曲部82eにおける発光面82aを円周とする円の中心O1と、湾曲面82Lを円周とする円の中心O2とは、導光部材8を挟んで反対側に位置している。
【0054】
入射部81において延伸部82側に反射し、湾曲部82eを進む光は、湾曲面82Lに当って、湾曲部82eの発光面82aに向かって反射し、発光面82aを透過した光が外部に放出される。
【0055】
図13は湾曲面82Lにおける光の反射態様を説明するための図である。同図(a)には、これまで説明した導光部材8が示され、同図(b)には比較の対象とする導光部材800が示されている。なお、同図(a)では、説明のために、図10に示す湾曲面82Lより大きく湾曲した湾曲面が示されている。
【0056】
導光部材800には、上述したような湾曲面82Lが形成されていない背面820bが設けられている。なお、導光部材800においても、導光部材8と同様に、反射面810bが形成された入射部810が設けられている。導光部材800では、反射面810bで反射した光は背面820bに当って、発光面820a側に反射する。同様に、導光部材8では、反射面81bで反射した光は、湾曲面82Lに当って発光面82a側に反射する。ここで、湾曲面82Lは発光面82a側に凹むように湾曲しているため、湾曲面82Lに対する光の入射角は、導光部材800の背面820bに対する光の入射角より大きくなっている。そのため、導光部材8では、導光部材800に比べて、発光面82aの端部に近い位置(入射部81寄りの位置)に向かって光が反射する。その結果、導光部材8では、導光部材800に比べて、発光面82aの端部に近い位置での輝度が増す。
【0057】
以上説明したように、電子機器1では、発光面82aとは反対側の面である延伸部82の背面82bは、発光面82aに対して傾いた傾斜面82cを含んでいる。この傾斜面82cは、発光面82aと背面82bとが向き合う方向D1と、延伸部82の延伸方向D2の双方に対して垂直な方向D3に対して斜めに交差するよう形成されている。
【0058】
このような電子機器1によれば、発光面82aに対して垂直な面の間(以上の説明では上面82gと下面82h)を反射しながら進む光も、傾斜面82cに当って発光面82a側に反射する。その結果、LED68から放出される光の利用効率を向上できる。
【0059】
なお、本発明は以上説明した電子機器1に限られず、種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、以上の説明では、傾斜面82cは延伸部82の一端から他端にまで形成されていた。しかしながら、傾斜面82cは、延伸部82の一部にのみ形成されてもよい。例えば、延伸部82においてより多くの輝度が要求される位置に傾斜面82cが形成されてもよい。
【0061】
また、以上の説明では、傾斜面82cはその上縁82iから下縁82jまで直線的に伸びていた。しかしながら、しかしながら、傾斜面82cは湾曲していてもよい。すなわち、傾斜面82cは、その上縁82iから湾曲しながら下方に伸び下縁82jに達してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器、2 外面パネル、2b 後縁、2c 側縁、3 操作ボタン(操作部)、4 ベースボード、5 ゴム、6 回路基板、7 ハウジング、8 導光部材、10 フロントボード、19 透光部材、41 支持面、61 接点部材、66,67,68 LED(光源)69 コネクタ、70 下ハウジング、71 上ハウジング、72 ハウジング本体、72a 上板部、72b 左前壁部、72c 右前壁部、72d メディア挿入口、81 入射部、82 延伸部、82L 湾曲面、82a 発光面、82b 背面、82c 傾斜面、82d 正対面、82e 湾曲部、82f 直進部、82g 上面、82h 下面、82i 上縁、82j 下縁、82k 先端、83 壁部、D1 発光面と背面とが向き合う方向、D2 延伸部の延伸方向、D3 D1とD2の双方に対して垂直な方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、当該光源の光が入射するよう配置された導光部材と、を備える電子機器であって、
前記導光部材は、前記電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部を有し、
前記延伸部は、前記電子機器の前記外面において露呈する発光面を有し、
前記発光面とは反対側の面である前記延伸部の背面は、前記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成された傾斜面を含む、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記傾斜面は、前記延伸部の延伸方向に沿って伸びるよう形成され、前記傾斜面の傾斜度は、前記延伸方向における位置に応じて変化している、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記発光面の前方には、前記電子機器を操作するための操作部が配置されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の電子機器において、
前記電子機器の外面を構成するハウジングをさらに有し、
前記ハウジングには、可搬型の記憶媒体を挿入するための開口が形成され、
前記延伸部は前記開口に沿って伸びている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記導光部材は、前記光源の光が入射する入射部を有し、
前記延伸部は前記入射部から伸びるように形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
前記入射部は、記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向から前記光源の光が入射するように配置されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記延伸部は前記電子機器の外面に沿って湾曲した湾曲部を有し、
前記傾斜面は前記湾曲部に形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
光源と、当該光源の光が入射するよう配置された導光部材と、を備える電子機器であって、
前記導光部材は、前記電子機器の外面に沿った方向に伸びる延伸部を有し、
前記延伸部は、前記電子機器の前記外面において露呈する発光面を有し、
前記発光面とは反対側の面である前記延伸部の背面は、前記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向に対して斜めに交差するよう形成された傾斜面を含む、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記傾斜面は、前記延伸部の延伸方向に沿って伸びるよう形成され、前記傾斜面の傾斜度は、前記延伸方向における位置に応じて変化している、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記発光面の前方には、前記電子機器を操作するための操作部が配置されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の電子機器において、
前記電子機器の外面を構成するハウジングをさらに有し、
前記ハウジングには、可搬型の記憶媒体を挿入するための開口が形成され、
前記延伸部は前記開口に沿って伸びている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記導光部材は、前記光源の光が入射する入射部を有し、
前記延伸部は前記入射部から伸びるように形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
前記入射部は、記発光面と当該背面とが向き合う方向と、前記延伸部の延伸方向の双方に垂直な方向から前記光源の光が入射するように配置されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記延伸部は前記電子機器の外面に沿って湾曲した湾曲部を有し、
前記傾斜面は前記湾曲部に形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−243676(P2010−243676A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90566(P2009−90566)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
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