説明

電子機器

【課題】本件は、第1ユニットと、第1ユニットに対し開閉する第2ユニットとを備えた電子機器に関し、第2ユニットを開くときの良好な操作性を実現する。
【解決手段】第2ユニットが、立設状態における上面の左右方向の少なくとも一部に、第2ユニットの背面から前面に向かって途中まで水平又は登り斜面からなる第1面を有するとともに、その第1面に続き下り斜面からなる第2面を有し、第2ユニットが、立設状態における前面側に位置する前面筐体と、立設状態にける背面側に位置する背面筐体とを有する筐体を備え、上記第2面が前面筐体に形成されて、閉じた状態における係止を解除するための係止解除突起が上記第2面から突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、第1ユニットと、第1ユニットに対し開閉する第2ユニットとを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばノート型パーソナルコンピュータ(以下、「ノートPC」と略記する)は、上面にキーボードを有する演算ユニットと、表示画面を有する表示ユニットとを有する。そして表示ユニットは、演算ユニット奥側を回動軸として演算ユニットに重ねられた閉状態と、その閉状態における前端が持ち上げられるようにして演算ユニットから開いた開状態との間で回動する構造が一般的である。その場合に、表示ユニットは、開状態においてどの角度でも停止するように、フリクションを伴って開閉する構造となっている。さらに、閉状態にある表示ユニットが不用意に開いてしまわないように、例えば表示ユニット側にフックを設けるとともに演算ユニット側にはそのフックが入り込んで係止される係止穴が設けられている。閉状態にある表示ユニットを開くには、例えば、その表示ユニットの、閉状態における前端面に突出した操作ボタンを備え、その操作ボタンを表示ユニット前端面に押し込むように押すことでフックが外れ、表示ユニットを開くことができる。しかしながら、表示ユニットはフリクションを伴って開閉するため操作ボタンを押してフックを外すだけでは表示ユニットを開くには不充分であり、表示ユニット前端を持ち上げるという操作が必要となる。この開操作をフック解除後に片手で操作性良く実現させることが好ましい。
【0003】
ここではノートPCを例に挙げて説明しているが、以上の事情は、ノートPCに限らず、コンバーチブルタイプのタブレットPCなど、第1ユニットと、その第1ユニットに対し開閉する第2ユニットとを備えた電子機器に共通の事情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−312876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件開示の電子機器の課題は、第1ユニットと、その第1ユニットに重ねられた閉状態とその第1ユニットに対し開いた開状態との間で開閉する第2ユニットとを備えた電子機器において、第2ユニットを開くときの良好な操作性を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件開示の電子機器は、第1ユニットと第2ユニットとを有する。第2ユニットは、第1ユニット奥側を回動軸として第1ユニットに重ねられた閉状態と、閉状態における前端が持ち上げられるようにして第1ユニットから開いた開状態との間で回動する。
【0007】
ここで、この第2ユニットは、係止突起と係止解除突起とを有し、第1ユニットは、係止凹部を有する。第2ユニットに備えられた係止突起は、閉状態において第1ユニットに係止する係止突起であって、第1ユニットを床に置き第2ユニットを第1ユニットに対し直角に開いた立設状態における前面上部に設けられている。
【0008】
また、第2ユニットに備えられている係止解除突起は、立設状態における上面から突出しその上面に向けた押下操作を受けて、係止突起を、閉状態における第1ユニットへの係止が解除される解除位置へ移動させる操作部材である。
【0009】
また、第1ユニットに備えられている係止凹部は、閉状態において上記係止突起を係止させる構造である。
【0010】
また、第2ユニットは、立設状態における上面の左右方向の少なくとも一部に、この第2ユニットの背面から前面に向かって途中まで水平又は登り斜面からなる第1面を有するとともにその第1面に続き下り斜面からなる第2面を有する。
【0011】
さらに、第2ユニットは、前面筐体と、背面筐体とを有する筐体を備えている。前面筐体は、立設状態における前面側に位置し、背面筐体は、立設状態における背面側に位置する。ここで、上記第2面は前面筐体に形成されて、上記係止解除突起は第2面から突出している。
【発明の効果】
【0012】
本件開示の電子機器によれば、上記の第2面に斜面が形成され、係止解除突起がその第2面から突出している。このため第2ユニットの厚み方向に広い斜面を形成することができ、その斜面を指がかりにして第2ユニットを容易に開くことができ、良好な操作性が確保できる。また、上記の広い斜面が形成されることから薄型を印象づけることができ、デザイン上も有利である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ノートPCの閉状態の斜視図である。
【図2】図1に閉状態を示すノートPCの開状態の斜視図である。
【図3】開状態のノートPCの右側面を示した斜視図である。
【図4】開状態のノートPCの左側面を示した斜視図である。
【図5】開状態のノートPCの底面を眺めたときの斜視図である。
【図6】開状態のノートPCの底面を別の角度から眺めたときの斜視図である。
【図7】演算ユニット底面の、バッテリ収容開口の部分を、バッテリを取り外して示した図である。
【図8】取り外されたバッテリを裏返して示した図である。
【図9】HDDユニットを覆う蓋体の延在部の周りを示した拡大斜視図である。
【図10】HDDユニット収容開口内に収容された状態のHDDユニットを示す図である。
【図11】HDDユニット収容開口から取り外した状態の蓋体を示す斜視図である。
【図12】蓋体の内面を示す斜視図である。
【図13】HDDユニットを取り外した後のHDDユニット収容開口の斜視図である。
【図14】HDDユニットを取り外した後のHDDユニット収容開口を別の視点から見て示した斜視図である。
【図15】HDDユニットの斜視図である。
【図16】HDDユニットを別の視点から見て示した斜視図である。
【図17】HDDユニットの底面を示した図である。
【図18】HDDユニットをHDD本体とカバー部材とに分けて示した斜視図である。
【図19】HDDユニットのカバー部材の斜視図である。
【図20】HDDユニットのカバー部材を別の視点から見たときの斜視図である。
【図21】HDDユニットのカバー部材をさらに別の視点から見たときの斜視図である。
【図22】演算ユニットの上面の奥側のカバー部材を取り外し、さらにスピーカも取り外した状態のノートPCを示す図である。
【図23】左側のスピーカ配置部を示した拡大斜視図である。
【図24】右側のスピーカ配置部を示した拡大斜視図である。
【図25】スピーカを背面側から見たときの斜視図である。
【図26】左側のスピーカ配置部にスピーカが配置された状態を示した拡大斜視図である。
【図27】右側のスピーカ配置部にスピーカが配置された状態を示した拡大斜視図である。
【図28】スピーカ等を覆うカバー部材とキーボードの双方を取り外した状態の演算ユニット上面側を示した図である。
【図29】図28に示す状態からさらにスピーカを取り外した状態の演算ユニット上面側を示した図である。
【図30】スピーカの支持を担う基板を兼ねた上面カバーの裏面側を示した図である。
【図31】上面カバー裏面の、支持金具の部分を示す拡大斜視図である。
【図32】支持金具を前面カバーから取り外して、その支持金具の上面側を示した拡大斜視図である。
【図33】回路基板付きの支持金具を取り外して指紋センサを間に挟む2つの操作ボタンの内面を示した斜視図である。
【図34】右側の操作スイッチの内面を示す拡大斜視図である。
【図35】左側の操作スイッチの内面を示す拡大斜視図である。
【図36】演算ユニットの、上面カバーを取り外した状態の斜視図である。
【図37】メイン基板を示す斜視図である。
【図38】メイン基板の、図37に示す側の面の、電源用のコネクタの部分の拡大斜視図である。
【図39】メイン基板の、図37に示す側の面を別の視点から見たときの、電源用のコネクタの部分の拡大斜視図である。
【図40】メイン基板の、図37に示す面に対する裏面の、電源用コネクタの部分の拡大斜視図である。
【図41】電源用コネクタ単独の斜視図である。
【図42】支持金具を示した斜視図である。
【図43】支持金具を別の視点から見て示した斜視図である。
【図44】電源用のコネクタに支持金具を組み合わせた状態の斜視図である。
【図45】放熱モジュールを取り外した状態のメイン基板の第1面を示す斜視図である。
【図46】メイン基板を取り外した状態の、底面カバーの内側を示した斜視図である。
【図47】放熱モジュールを示す斜視図である。
【図48】放熱モジュールを、メイン基板から取り外した状態のまま、底面カバー内の規定位置に置いた状態を示す斜視図である。
【図49】図48のX−X断面図である。
【図50】係止解除ボタンが、表示ユニットの上面(前端面)から突出した状態を示した図である。
【図51】係止解除ボタンが押下された状態を示した図である。
【図52】フックおよび係止解除ボタンの部分の断面図である。
【図53】比較例を示した、図52に対応する図である。
【図54】表示ユニットの前カバーの内面を示した斜視図である。
【図55】前カバー内面のフック等からなるフック構造の部分の拡大斜視図である。
【図56】フック構造の部分の分解斜視図である。
【図57】第2フック部材のフックホルダ側の面(A)と第1フック部材側の面(B)を示した平面図である。
【図58】第2フック部材のフックホルダ側の面(A)と第1フック部材側の面(B)を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本件の実施形態について説明する。
【0015】
(外観)
図1は、電子機器の一実施形態であるノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の閉状態の斜視図である。また、図2は、図1に閉状態を示すノートPCの開状態の斜視図である。また、図3,図4は、その開状態のノートPCの、それぞれ右側面、左側面を示した斜視図である。さらに、図5,図6は、開状態のノートPCの底面を、それぞれ別の角度から眺めたときの斜視図である。
【0016】
ここでは、これらの図1〜図6を参照して、一実施形態としてのノートPCの外観について説明する。
【0017】
このノートPC10は、演算ユニット20と表示ユニット30を有する。この表示ユニット30は、演算ユニット20の奥側に回動軸40を有し、その回動軸40を中心に、図1に示す、演算ユニットに重ねられた閉状態と、図2に示す、演算ユニット20から開いた開状態との間で回動する。表示ユニット30が閉状態から開状態に移行するには、表示ユニット30の、閉状態における前端面311側を持ち上げるようにして、表示ユニット30を回動軸40の回りに回動させる。この閉状態における表示ユニット30の前端面は、表示ユニット30を直角に開いた開状態(以下、特に断らずに単に開状態と表現することがある)における上面のことである。ここで、回動軸40は、表示ユニット30を、フリクションを伴って回動させる構造を有し、表示ユニット30は、演算ユニット20に対し任意の角度に開いた状態でその開き角を維持するように構成されている。図1から分かるように、演算ユニット20および表示ユニット30は、それぞれ概略直方体の外形をもつ。
【0018】
演算ユニット20は、内部にCPUチップ等が搭載された、演算処理機能を持つ回路基板や、情報を記憶しておくハードディスクドライブユニット(HDDユニット)などの多数の部品が搭載されている。また、CPUチップは、発熱を伴って動作する発熱電子部品であり、そのCPUチップを空冷するための、ファン等からなる放熱モジュールも搭載されている。
【0019】
また、この演算ユニット20の上面奥側には、電源ボタン22や各種のファンクションボタン23が設けられており、また、この演算ユニット20の筐体21には左右一対の放音口24が形成されている。これら左右一対の放音口24の内側には、それぞれスピーカが置かれており、それらのスピーカから発せられた音は、これら放音口24から外に放音される。
【0020】
また、演算ユニット20の上面中央には、このノートPC10に対し各種の情報や指示を入力するためのキーボード25が配置されている。
【0021】
さらにその手前には、トラックパッド26、トラックパッド用の左右の操作ボタン27、および左右の操作ボタン27の中央に指紋センサ28が設けられている。
【0022】
トラックパッド26は、その上に指を当てて動かす操作に応じて、後述する表示画面32上のカーソルを移動させるためのものである。また、左右の操作ボタン27は、マウス(図示せず)の左右のボタンに相当し、表示画面上の任意の位置に移動させたカーソルと重なったアイコン等を指定したり、表示画面32上にメニュー画面を表示させたりする役割りを有する。また、指紋センサ28は、登録されている指紋と一致する指紋が検出された場合にのみこのノートPCを起動させるなどの、セキュリティ用のものである。
【0023】
また、演算ユニット20の上面の手前側には、その演算ユニット20の筐体21に設けられたロック用の穴29を有する。このロック用の穴29には、開状態(図2参照)から閉状態(図1参照)に移行したときに、後述する表示ユニット30の開状態における前面上部に設けられたフック33が入り込んで係止する。この係止により、表示ユニット30は演算ユニット20上に重ねられた閉状態を維持して、不用意には開かないようになっている。表示ユニット30の閉状態における前端面(開状態における上面)311からは係止解除ボタン34が突出している。この係止解ボタン34が前端面(上面)311に向かって押されると、それに連動してフック33が係止解除位置(後述する)に移動してロック用の穴29との係止が外れる。そこで、この係止解除ボタン34を押したままその前端面(上面)311側を持ち上げることにより表示ユニット30を図2に示す状態に開くことができる。
【0024】
また、図3に示す演算ユニット20の右側面には、AC電力をDC電力に変換してこのノートPC10に供給するACアダプタ(図示せず)のコネクタが差し込まれる電源差込口211が形成されている。この電源差込口211の内部には、そのACアダプタのコネクタと組み合う電源用コネクタが配置されている。このノートPCは、ACアダプタのコネクタが電源差込口211に差し込まれて電源用コネクタと組み合って電力の供給を受け、その電力で動作する。また、このノートPC10には、ACアダプタからの供給電力を受けて充電されるバッテリが内蔵されている。このバッテリは後述するように演算ユニット20に対して着脱可能である。このノートPC10は、そのバッテリの電力だけで動作し続けることもできる。なお、ACアダプタは、一般的に、AC/DC変換部、AC/DC変換部と商用電源コンセント間を接続し先端にそのコンセントに差し込まれるプラグを有する第1ケーブル部、AC/DC変換部とノートPC10間を接続し先端に電源差込口211の電源用コネクタに差し込まれるコネクタを有する第2ケーブル部で構成される。
【0025】
また、この演算ユニット20の右端面には、電源差込口211以外の、USBコネクタやオーディオ用のマイクロホン/イヤホーン用のジャックなどの差込口も形成されている。
【0026】
また、図4に示す演算ユニット20の左側面には、CD/DVDドライブユニットの外面411やカードスロット412などが設けられている。
【0027】
さらに、図5,図6に示す、演算ユニット20の底面には、バッテリの蓋部422、内部にHDDユニットが収容された開口を塞ぐ蓋体439、および、内部にメモリ基板が差し込まれるコネクタが配置された開口を塞ぐ蓋体440が設けられている。さらに、演算ユニット20の筐体21の底面から背面にかけて内部のファンから送風を外部に放出する空気放出開口441(図6参照)が形成されている。演算ユニット20の背面には、いくつかのコネクタ等が配列されている。
【0028】
また、表示ユニット30の開状態の前面には演算ユニット20の指示に応じた画像を表示する表示パネルである表示画面32が広がっており、その表示画面32の周囲は、表示ユニット30の筐体31を形成する前面カバー311で覆われている。
【0029】
この表示ユニット30の筐体31は、その前面カバー311と、表示画面の背面側を覆う背面カバー312(図1参照)とで構成されている。表示パネルである表示画面32は、この前面カバー311と背面カバー312に挟まれて筐体31内に収納される。この前面カバー311は、表示ユニット30の筐体31のうち前面筐体を形成する。また、背面カバー312は、表示ユニット30の筐体31のうち背面筐体を形成する。
【0030】
この表示ユニット30の開状態における前面上部には、フック33が突出している。このフック33は、上述したとおり、閉状態において、演算ユニット20の筐体21に設けられたロック用の穴29に入り込んで係止される。また、この表示ユニット30の開状態における上面(閉状態における前端面)301(図1参照)からは係止解除ボタン34が突出している。その係止解除ボタン34を開状態における上面(閉状態における前端面)301に向けて押下すると、フック33がロック用穴29との係止が解除される位置に移動する。したがって、図1に示す閉状態にあるときに係止解除ボタン34を押しながら表示ユニット30の前端面301上に持ち上げるように表示ユニット30を回動させることにより、図2に示すように開くことができる。
【0031】
また、表示ユニット30の開状態の前面上部には、表示ユニット30を演算ユニット20上に重ねたときに演算ユニット20の上面に当たる複数のパッド35が配置されている。
【0032】
(HDDカバー取付構造)
図7は、演算ユニット底面(図5、図6参照)の、バッテリ収容開口の部分を、バッテリを取り外して示した図である。
【0033】
また図8は、その取り外されたバッテリを裏返して示した図である。
【0034】
図7には、演算ユニット20の筐体21の底面に形成されたバッテリ収容開口212があらわれている。バッテリ420は、本体部421と蓋部422とを有する。この本体部421にバッテリセルが収納されている。バッテリ420は、バッテリ収容開口212に対して着脱可能なユニットである。本体部421はバッテリ収容開口212に収容される。バッテリ収容開口412内にはコネクタ501が露出しており、このコネクタ501は図8に示すバッテリ420の本体部421に設けられたコネクタ423と結合する。バッテリ420はそれらのコネクタ501,423を経由して充電され、また、バッテリ420に蓄えられた電力がそれらのコネクタ501,423を経由してノートPC10の各部へと供給される。
【0035】
また蓋部422は本体部421に重なって広がり筐体の外面の一部を成す。この蓋部422は、本体部421からはみ出して本体部421の周面に沿って延在する鍔部422aを有する。一方、筐体21には、バッテリ収容開口212の周りに筐体21の底面から一段下がってバッテリ収容開口に沿って延在する支持縁213を有する。バッテリ420の鍔部422aは、バッテリ420の本体部421がバッテリ収容開口212に収容されたときに、そのバッテリ収容開口212の周りに形成された支持縁213に支持され、係止部422bによりバッテリ収容開口212に係止される。
【0036】
また、演算ユニット20の筐体21の底面には、バッテリ収容開口212aに隣接して、HDDユニットが収容されるHDDユニット収容開口414(図10参照)が形成されている。そのHDDユニット収容開口414にはHDDユニット430が収容され(図10参照)、そのHDDユニット430が蓋体439(図8参照)で覆われている。この蓋体439には、HDDユニット収容開口414に収容されたHDDユニット430を覆う覆い部439aとバッテリ収容開口側に延在する延在部439bとを有する。
【0037】
図9は、HDDユニットを覆う蓋体の延在部の周りを示した拡大斜視図である。この図9ではバッテリ420がバッテリ収容開口212から少しだけ浮かせた状態が示されている。
【0038】
蓋体439の延在部439bは、バッテリ収容開口212の周りに形成された、支持縁213に隣接してその支持縁213と同一面を形成している。バッテリ420は、バッテリ420の蓋部422の周縁部分である鍔部422aが、支持縁213と延在部439bとの双方に被さるようにして、バッテリ収容開口212内に収容される。
【0039】
このため、蓋体439は、バッテリ420がバッテリ収容開口412に収容されている限り、取外すことができない。したがってその蓋体439の内側の、HDDユニット収容開口431(図10参照)内に収容されているHDDユニット430もそのHDDユニット収容開口431から取り外すことはできない。したがって、バッテリ420とHDDユニット430の取外し順序は必ずバッテリ420の方が先である。これにより、HDDユニット430に通電したままHDDユニット430が取り外されることに起因する、HDDユニット430の破損やそのHDDユニット430に記憶された情報の棄損が防止される。
【0040】
図10は、HDDユニット収容開口内に収容された状態のHDDユニットを示す図である。また図11はHDDユニット収容開口から取り外した状態の蓋体を示す斜視図、図12はその蓋体の内面を示す斜視図である。
【0041】
HDDユニット収容開口431を覆う蓋体349(図5、図6参照)を取り外すと、図10に示すようにHDDユニット収容開口414内に収容されたHDDユニット430があらわれる。
【0042】
HDDユニット収容開口414は、演算ユニット20の筐体21の底面の、バッテリ420(図8参照)が収容されるバッテリ収容開口212に隣接した位置に形成されている。このHDDユニット収容開口414は、バッテリ収容開口212に隣接する側壁414aと、その側壁414aと角部414bを共有する前壁414cを含んで形成されている。また、このHDDユニット収容開口414の前壁414aには、蓋体439に形成された2つの爪部439c(図12参照)が入る込む2つの穴414dが形成されている。さらに蓋体439には、爪部439cが形成された側とは反対側に、HDDユニット収容開口414に形成された2つの窪み414eに入り込む突部439dが形成されている。さらにHDDユニット収容開口414には、2つの窪み414eにそれぞれ隣接する位置に2つのネジ穴414fが形成されている。これに対応して、蓋体419には、2つのネジ穴414fに対応する位置に2つの穴439eが形成されている。蓋体439は、爪部439cが穴414dに入り込み、突部439dが窪み414eに入り込んで位置決めされ、穴439eを貫いてネジ穴414fに螺入するネジにより、HDDユニット収容開口414を覆うように固定される。したがって、固定された状態の蓋体439を取り外すには、その蓋体439を固定しているネジを外した後、その蓋体439のネジを外した側を持ち上げるように回動させながら取り外すことになる。ここで、蓋体439の、前述した延在部439bは、HDDユニット収容開口414の、バッテリ収容開口212側の側壁414aと前壁414cとで共有する角部414bから離れた側の端部に対応する位置に形成されている。すなわち、この延在部439bは蓋体439を取り外す際に持ち上げられる側に形成されている。このため、バッテリ420の鍔部422aがその延在部439bに被さっていることによりバッテリ420を取り外すよりも先に蓋体439が取り外されることが確実に防止される。
【0043】
なお、本実施形態は上述のようにHDDユニットを対象にしているが、メモリ基板や通信モジュールなど他の種類の電子部品を対象にしても本技術は有効である。
【0044】
(HDDユニット取付構造)
図13、図14は、HDDユニットを取り外した後のHDDユニット収容開口をそれぞれ異なる視点から見て示した斜視図である。
【0045】
このHDD収容開口414は、前述したバッテリ収容開口212側の側壁414aおよび前壁414cに加え、さらに反対側の側壁414gおよび底面414iを有する。また前面414cにはコネクタ415が配置されている。さらに、バッテリ収容開口212から離れた側の側面414gにはHDDユニット収容開口414内に突起した突起部414hを有する。また底面414iの前面414cから離れた側の端部では接地用部材416が底面414iから突き出ている。
【0046】
図15、図16はHDDユニットを互いに異なる視点から見て示した斜視図である。また、図17は、HDDユニットの底面を示した図である。さらに、図18は、HDDユニットをHDD本体とカバー部材とに分けて示した斜視図である。さらに、図19、図20、図21はHDDユニットのカバー部材をそれぞれ異なる視点から見たときの斜視図である。
【0047】
HDDユニット430は、HDD本体431とカバー部材432とで構成されている。
【0048】
HDD本体431は、図18に示すようにカバー部材432に覆われる第1面431aと、第1面431aと平行に広がりHDDドライブ収容開口414の底面414i(図13、図14参照)に接する第2面431b(図17参照)とを有する。また、このHDD本体431はさらに、第1面431aと第2面431bを取り巻く、前端面431cと左右の側面431d,431eと、後端面431fとを有する。
【0049】
図17に示すように、第2面431bには剥き出しの回路基板431gが広がっており、その回路基板431gの前端には、コネクタ431hが設けられている。このコネクタ431hは、HDDユニット収容開口414の前面414c(図13、図14参照)に配置されてコネクタ415と組み合うコネクタである。また、HDD本体431の第2面431bに広がる回路基板431gは、幅方向の一部分はHDD本体431の長さいっぱいに広がっており、HDD本体431の底面の後端側の一部領域については、HDD本体431の樹脂製の基体431iが広がっている。
【0050】
また、HDDユニット430を構成するカバー部材432は、板金加工で形成された部材である。このカバー部材432はHDD本体431の第1面431a(図18参照)を覆う覆い部432aとHDD本体431の左右の側面432d,432eにそれぞれ沿って折れ曲がった左右の折曲部432b,432cを有する。さらにこのカバー部材432は、HDD本体431の後端面431fに沿って折れ曲がった接地部432dを有する。この接地部432dは、HDDユニット収容開口414の底面414iから突出した接地用部材416(図13、図14参照)に接する部分である。尚、接地用部材416は、HDDユニット430がHDDユニット収容開口414に収容された状態における、そのHDDユニット430を構成するHDD本体431の後端面431fの直ぐ外側に外れた位置にある。このため、HDDユニット430を構成するカバー部材432の接地部432dがその接地用部材416の上に乗り、その接地部432dと接地用部材416が導通する状態となる。
【0051】
このカバー部材412の右側の側面432bには、鉤形の切欠部432eが形成されている。この切欠部432eは、HDDユニット収容開口414の右側面414gからそのHDDユニット収容開口414内に突出している突起部414hを受け入れる切欠部である。この切欠部432eは第1の切欠部432fと第2の切欠部432gとからなる。第1の切欠部432fは、突起部414hを受け入れ易いように受入口が広がった形状を有している。この第1の切欠部432fは、HDD本体431の第2面431bをHDDユニット収容開口414の底面414iに対面させてHDDユニット430を底面414iに近づけていったときに、突起部414hを収容する切欠部である。HDD本体431の第2面431bがHDDユニット収容開口414の底面414iに接するまで移動させた後、今度はHDD本体431の前端面431cがHDDユニット収容開口414の前壁414cに近づく方向に移動させる。第2の切欠部432gは、第1の切欠部432fに連なる切欠部であって、この後半の移動の際に突起部414hを受け入れる切欠部である。HDD本体431の前端面431cを前壁414cに近づける方向にHDDユニット430を移動させると、コネクタ431h(図17参照)がHDDユニット収容開口414の前壁414cのコネクタ415と組み合う。これにより、このHDDユニット430に必要な電力供給が行なわれ、またこのHDDユニット430とノートPC10の本体との間で信号の送受信が行なわれる。
【0052】
このように、第2面431bをHDDユニット収容開口414の底面414iに向け、かつHDD本体431の前端面431cをHDDユニット収容開口414の前壁414cに向けて、HDDユニット431を底面414i側に移動させる。ここではこれを「第1の移動」と称する。この第1の移動の後、前端部431cが前壁414cに近ずく方向にHDDユニット430を移動させる。ここではこれを「第2の移動」と称する。HDDユニット430は、このような第1の移動と第2の移動との2段階の動きによりHDD収容開口414に収容される。ここで突起部414hおよび第1の切欠部432fは、上記の第1の移動により接地用部材416がHDD本体431の第2面431bの基体431iに接する位置に設けられている。したがって、その第1の移動に続く第2の移動でも、接地用部材416はHDD本体431の基体431iのみと擦れる。すなわち、このHDDユニット430をHDDユニット収容開口414に収容させる動き、およびその逆の取り出す動きにおいて、接地用部材416は、剥き出しに配置されている回路基板431gには接触しない。このように、回路基板431gは、接地用部材416との接触や擦れを免れ、破損が防止される。すなわち、突起部414hと切欠部432cを形成したことで、HDDユニット収容開口414の底面414iに接地用部材416という部材を安全に配置することを可能としている。このように、この突起部414hと切欠部432eとにより部品又は部材のレイアウトの自由度を向上させている。
【0053】
ここで、突起部414hはHDDユニット収容開口414の左右の両側面414a,414gのうちの右側の側面414gにのみ形成されており、バッテリ収容開口212に隣接した左側の側面414aには形成されていない。HDDユニット430は比較的振動に弱い部品であり、周囲の振動をできる限り受け難くすることが必要である。この突起部414hを左右の両側面414a,414gのうちの一方の側面414gのみに形成したのもこの振動を受けるのを抑えるための工夫の1つである。このように一方の側面414gのみがHDDユニット430と接触するようにすることで、HDDユニット430への振動伝達量を抑制している。また、突起部414hと切欠部432eとによるHDDユニット430の動きの規制は片側のみで十分だからである。
【0054】
また、図18に示すようにHDD本体431には、左右の両側面431d,431eそれぞれについて、前端面431c寄りの位置と後端面431f寄りの位置との2箇所にネジ穴431nが形成されている。これに対し、カバー部材432には、ネジ止め用の穴432hはその左右の折曲部432b,432cに1つずつしか形成されていない。しかもその穴432hは左右の折曲部432b,432cに形成された片持ち梁形状に延びたアーム432iに形成されている。カバー部材432は、左右に1つずつ形成されている穴432hと、HDD本体431の左右の前端面431c寄りのネジ穴431nを使い、左右1ヵ所ずつだけネジ止めによりHDD本体431に固定されている。これも振動をHDD本体に伝え難くするための1つの工夫である。
【0055】
さらに、図21に示すように、カバー部材432の覆い部432aの接地部432d側の内面および左右の折曲部432b,432cの接地部432d側の内面には、クッション材432kが貼着されている。これらのクッション材432kにより、HDD本体431の第1面431aの後端面431f寄りの部分および左右の側面431d,431dの後端面431f寄りの部分が支持される。これらのクッション材432kも、HDD本体431への振動の伝達を低減するための工夫の1つである。
【0056】
(スピーカ取付構造)
前述した図2、図3に示すように演算ユニット20の上面の奥側には左右一対の放音口24が形成されている。これに放音口24の直ぐ内側には各スピーカ(後述する)が配置されており、それらのスピーカから発せられる音は放音口24から外部に放音される。
【0057】
図22は、演算ユニット20の上面の奥側のカバー部材を取り外し、さらにスピーカも取り外した状態のノートPCを示す図である。図2、図3に示す電源ボタン22、ファンクションボタン23、放音口24は、そのカバー部材に設けられており、一緒に取り外されている。
【0058】
また、図23、図24は、それぞれ左側および右側のスピーカ配置部を示した拡大斜視図である。これらの図22、図23は、図22の状態からさらにキーボード25を取り外し、表示ユニット30も取り外すなどさらに分解を進めた状態の図である。
【0059】
基板440には、左右一対のスピーカ配置部441が形成されている。これら一対のスピーカ配置部441は、基板440に設けられた、図示の通りの異形の開口である。スピーカ配置部441を形成している開口の周囲には、両面粘着テープ442が貼着されている。この両面粘着テープ442は、クッション性の両面粘着テープであって、開口の周縁を取り巻いて継ぎ目なく一周する形状(環状)を有している。また、一対のスピーカ配置部441のそれぞれには、スピーカ(後述する)の位置決め用の2つの立設部443と2本の立設ピン444が設けられている。
【0060】
図25は、スピーカを背面側から見たときの斜視図である。
【0061】
このスピーカ450は、図25に示す背面451に対する裏面側に、振動により音を放出する放音面452(図26、図27参照)を有する。このスピーカ450は、その背面451又は放音面452に対し垂直方向から見たときに矩形形状を有し、その矩形の4隅には穴450aが設けられている。このスピーカ450の背面は、図25に示すように異形に突出しており、基板440にスピーカ配置部441に形成されている開口はそのスピーカ450の背面を受け入れる形状を有している。さらにその開口は、以下に説明するようにスピーカ450の周縁を部分的にのみ支持するための形状を有している。
【0062】
図26、図27は、それぞれ左側および右側のスピーカ配置部にスピーカが配置された状態を示した拡大斜視図である。
【0063】
スピーカ450は、背面451(図25参照)の突起が開口に入り込むとともにその背面側の周縁が両面粘着テープ442の上に乗るように配置される。また、このスピーカ450はその矩形の2つの角部が立設部443に突き当てられるともに4つの穴450aのうちの2つの穴に立設ピン444が入り込むことにより位置決めされている。
【0064】
ここで、スピーカ配置部441には異形の開口が形成されており、その異形の開口の縁をなぞるようにして両面粘着テープ442が置かれている。このため、このスピーカ配置部441に配置されたスピーカ450は、その背面の周縁が、両面粘着テープ442に、その両面粘着テープ442が一周する間に断続的に重なっている。具体的には、このスピーカ450の矩形の4隅は両面粘着テープ442に重なり、その矩形の4辺それぞれの中央部は両面粘着テープ442がスピーカ450から外に外れた経路で取り巻いているため重なっていない。このように、両面粘着テープ442としてクッション性の両面粘着テープ442を使うことによりスピーカ450の振動を基板440に伝わりにくくしているとともに、スピーカ450を断続的に支持することによってその振動を基板440に一層伝わりにくくしている。
【0065】
図28は、スピーカ等を覆うカバー部材とキーボードの双方を取り外した状態の演算ユニット上面側を示した図である。また図29は、図28に示す状態からさらにスピーカを取り外した状態の演算ユニット上面側を示した図である。
【0066】
スピーカ450を支持する基板440は、キーボード25の下にも広がってキーボード25を支持する支持部材としての役割りも兼ねている。この基板440はさらに、キーボード25よりも手前側では演算ユニット20の外面を形成している。このように、この基板440は、演算ユニット20の筐体21の上面側を担う上面カバーである。ここで、この基板440は、スピーカ配置部441(図22参照)とキーボードの下に広がる領域との間が細い腕部445で繋がれている。スピーカ450から見たときのキーボードのさらに先には、HDDユニット430が塔載されている。このHDDユニット430は比較的振動に弱い部品であり、基板440の腕部445は、スピーカ450の振動をキーボードやその先のHDDユニット430に伝わり難くするための一工夫である。
【0067】
(クリックボタン構造)
図30は、上述したスピーカの支持を担う基板を兼ねた上面カバーの裏面側を示した図である。また図31は、上面カバー裏面の、支持金具の部分を示す拡大斜視図である。
【0068】
この図30、図31には、指紋センサ28やその指紋センサ28の左右の操作ボタン27(例えば図2、図29参照)等の裏面側に置かれた支持金具451が、その底面を上にして示されている。
【0069】
図32は、その支持金具を前面カバーから取り外して、図30、図31に示す底面とは逆側の上面側を示した拡大斜視図である。
【0070】
この図32に示すように、支持金具451の上面には回路基板452が固定されている。その回路基板452には、その左右の中央に指紋センサ28が搭載され、左右両側にはそれぞれスイッチ453が塔載されている。指紋センサ28は上面カバーに形成された開口446(図33参照)から演算ユニット20の上面に露出している。また、左右両側の各スイッチ453は、各スイッチ453の中央部の押下点453aへの押下を受けて状態が切り替わるスイッチである。各スイッチ453は、演算ユニット20の上面の各操作ボタン27(図2、図29参照)の押下により、各押下点453aが各操作ボタン27で押される構造となっている。
【0071】
図33は、図31、図32に示す、回路基板付きの支持金具を取り外して、指紋センサを間に挟む2つの操作ボタンの内面を示した斜視図である。また図34、図35は、それぞれ、左右の各操作スイッチの内面を示す拡大斜視図である。
【0072】
図33〜図35に示すように、各操作ボタン27は、左右に長い略長方形形状を有している。各操作ボタン27は、長方形形状の中央よりも指紋センサ48を露出させる開口446側に寄った位置に、その内面から突出した作用ピン271を有する。この作用ピン271は、回路基板452(図32参照)上のスイッチ453の押下点453aに対面した位置に形成されている。すなわち、2つの操作ボタン27の中央どうしの距離は、回路基板452に塔載された2つのスイッチ453どうしの距離よりも大きくなっている。操作ボタン27が押下されると、その作用ピン271がスイッチ453の押下点453aを押下し、スイッチ453の状態を切り替える。また各操作スイッチ27は、その長方形形状の中央よりも、作用ピン271とは反対側に外れた位置に、その内側から突出したリブ272を有する。このリブ272は操作スイッチ27が強く押されたときに支持金具451(図32参照)の上面に突き当たり、操作ボタン27がそれ以上押されないようにするためのものである。
【0073】
また、各操作ボタン27からは、その周面から各操作ボタン27ごとに4本の弾性アーム433が延び、固定ピン434により上面カバーに固定されている。これらの弾性アーム433は、操作ボタン27を上面カバーに支持するとともに、操作ボタン27が押下を受けたときに弾性的に変形して操作ボタン27を変位させるアームである。ここで、各操作ボタン27につき4本の弾性アーム433のうち、開口446側に繋がっている2本の弾性アーム433aは相対的に細幅のアームであり、開口446から離れた側に繋がっている2本の弾性アーム433bは相対的に太幅のアームである。これは、各操作ボタン27の作用ピン271が開口446側に片寄った位置にあることに起因している。すなわち、操作ボタン27は指の幅に比べかなり左右方向に大きな寸法の操作ボタンである。このため、この操作ボタン27は開口446寄りが押されることがあれば開口446から離れた側が押されることもある。操作ボタン27のどの位置を押されても作用ピン271によりスイッチ453(図32参照)が確実に押されることが必要である。
【0074】
ここでは、操作ボタン27の開口446に近い側を支える弾性アーム433aを相対的に細径とすることにより開口446に近い側を相対的に小さな弾性係数で支えている。一方、開口446から離れた側は相対的に太径とすることにより開口446から離れた側を相対的に大きな弾性係数で支えている。これにより、スイッチ453の確実な押下を実現している。すなわち、操作ボタン27の開口446寄り、つまり、弾性アーム433bよりも弾性アーム433a寄りが押されたときは、そのままその押下の力により、特に開口446側の弾性アーム433aが撓んで作用ピン271によりスイッチ453が押される。また、操作ボタン27の開口446から離れた側、つまり、弾性アーム433aよりも弾性アーム433b寄りが押されたときも、操作ボタン27の開口446から離れた側は相対的に太径の弾性アーム433bで支持されているため変形しにくく、その操作ボタン273を押した力は操作ボタン27の開口446側を支える弾性アーム433aにも伝わって開口446側の弾性アーム433aを変形させる。したがって、操作ボタン27の開口446から離れた側が押下された場合も、作用ピン271によりスイッチ453が確実に押下される。
【0075】
ここで仮に、操作ボタン27の中央に作用ピン271を形成することを考えると、その作用ピン271に対面するようにスイッチ453(図32参照)を配置する必要がありそのスイッチ453を塔載する回路基板452の寸法が大きくなり、支持金具451も大寸法になる可能性がある。この場合、回路基板452等が部品を配置するのに必要なスペース以上に大寸法となり、小型化、高密度実装化の要請に反する結果となる。
【0076】
一方、図32に示すスイッチ453の位置はそのままにして、作用ピン271が操作ボタン27の中央に位置するように操作ボタン27の寸法を縮めることも考えられる。しかしながら、操作ボタン27の配置位置や寸法は操作性やデザインにも影響する。このためスイッチ453の上に操作ボタンの中央を重ねることができない場合もある。
【0077】
ここでは、弾性アーム433の太さを変えることにより、この点の解決が図られ、スイッチ453の配置位置に対する操作ボタン27の寸法や配置位置の自由度を上げている。
【0078】
尚、操作ボタン27の作用ピン271寄りを相対的に小さな弾性係数で支え作用ピン271から離れた側を相対的に大きな弾性係数で支えれば、スイッチ453の確実な押下を実現できる。ここでは、弾性アーム433の太さを調整することによってスイッチ453の確実な押下を実現している。しかしながら、弾性アーム433の幅の調整に寄らずに、あるいは弾性アーム433の幅の調整とともに、他の要素を調整してもよい。他の要素としては、弾性アームの長さ、本数、操作ボタン27との接続位置等がある。つまり、弾性アーム433は、その長さを長くするほど弾性係数を小さくすることができ、短くするほど弾性係数を大きくすることができる。また、弾性アーム433は、その本数を多くするほど弾性係数を大きくすることができる。また、弾性アーム433は、操作ボタン27との接続位置を操作ボタン27の作用ピン271に近くにするほど、操作ボタン27への押下操作に対する作用ピン271の押下に影響を及ぼすことができる。
【0079】
(コネクタ取付構造)
図36は、演算ユニットの、上面カバーを取り外した状態の斜視図である。
【0080】
この図36は、図29に示した状態から、さらに図30に示す上面カバー440を取り外した状態を示している。
【0081】
この図36には、演算ユニット20の筐体21(図2参照)の底面側を担う底面カバー219の内面が示されており、その底面カバー219上に大きく広がるメイン基板460が塔載されている。この図36に示すメイン基板460には、後述するファン471(図37参照)に空気を送り込むための開口461が形成されている。
【0082】
図37は、そのメイン基板の、図36に示す面に対する裏側の面を示す斜視図である。
【0083】
この図37に示すメイン基板460上には、多数の部品が密に配置されている。ここでは、これらの多数の部品のうちの、以下の説明に必要な部品のみについて説明する。この図37には、発熱電子部品であるCPUモジュール462(図45参照)を空冷するための放熱モジュール470が塔載されている。この放熱モジュール470は、ファン471と、放熱フィン472と、それらファン471および放熱フィン472を支持する基体473とを備えている。この放熱モジュール470の詳細は後述する。またこの図37に示すメイン基板460には、電源用のコネクタ481とそのコネクタ481を支持する支持金具482が塔載されている。以下では電源用のコネクタ481とそれを支持する支持金具482について先に説明する。
【0084】
図38、図39は、メイン基板の図37に示す側の面をそれぞれ別の視点から見たときの、電源用のコネクタの部分の拡大斜視図である。ただし、図38では、支持金具482をメイン基板460に固定するためのネジ490(図40参照)は取り外されメイン基板460上に形成された、ネジ490が貫通する穴463が示されている。また図40はメイン基板の、図37に示す面に対する裏面、すなわち図36に示す面の、電源用コネクタの部分の拡大斜視図である。さらに、図41は、電源用コネクタ単独の斜視図、図42、図43は支持金具をそれぞれ別の視点から見て示した斜視図である。さらに図44は、電源用のコネクタに支持金具を組み合わせた状態の斜視図である。
【0085】
ここに示す電源用のコネクタ481は、図3に示す演算ユニット20の右側面の電源差込口211の直ぐ内側に配置され、その電源差入口211に差し込まれたACアダプタ(図示せず)のコネクタと組み合うコネクタである。
【0086】
ここでは、メイン基板460の、電源用のコネクタ481が置かれた側の面(図37〜図39に示す面)を「第1面」と称し、その裏面(図36、図40に示す面)を「第2面」と称する。
【0087】
図41に示すように、電源用のコネクタ481はその前面481aに開口481bを有し、左右の側面481c,481dには縦に延びる突起481e,481fが形成されている。一方、支持金具482は、図42,図43に示すように、コネクタ481の上面481g(図41参照)に接する基部482aと、基部482aから折れ曲がり、コネクタ481の各側面481c,481dに接する折曲部482b,482cとを有する。また、この支持金具482には、コネクタ481の開口部481bを左右から挟む位置に形成されコネクタ481の前面481aの左右の縁を押える左右の押え部482d,482eを有する。また、この支持金具482は、左側の押え部482dの先端からメイン基板460の第2面側に折れ曲がりネジ穴483fが形成された固定部483gを有する。さらにこの支持金具482は、右側の押え部482eの先端からメイン基板460の第2面側に折れ曲がってメイン基板460に係止される鉤部482hを有する。
【0088】
この支持金具482は、図44に示すように、コネクタ481の前面481a(図41参照)と左右の側面の縦に延びる突起481e,481fを、左右の押え部482d,482eと左右の折曲部482b,482cとで挟んでコネクタ481を支持している。
【0089】
この支持金具482は、図38、図39に示すように、メイン基板460の第1面上の規定位置に置かれた状態のコネクタ481を支持する。この支持状態では支持金具482の固定部482gおよび鉤部482hは、コネクタ481を間に置く左右からメイン基板460の第2面側に回り込み、コネクタ481をメイン基板460の第1面上に固定する。メイン基板460には、支持金具481の固定部482gに設けられたネジ穴482fと連通する穴463(図38参照)が形成されている。この支持金具482は、メイン基板460上の穴463と支持金具482のネジ穴482fとを使って、メイン基板460の第1面側から、一本のネジ490でメイン基板460自体に固定されている(図40参照)。
【0090】
従来は、コネクタを支持する支持金具を固定するにあたっては、別の板金部材を用意しその板金部材と支持金具とでメイン基板460を挟んでネジ止めしたり、あるいは支持金具の直ぐ傍の部品ないし部材にその支持金具をネジ止めするのが通常である。
【0091】
これに対し、ここでは、支持金具482が別部品又は別部材なしでメイン基板460にネジ止めされている。ここでは、このように支持金具固定のための部品点数の増大や部品や部材のレイアウト上の制限を迎くことなく、支持金具482が固定される。
【0092】
(冷却用通風路構造)
ここでは、図37に示したメイン基板460上の放熱モジュール470について説明する。
【0093】
図45は、放熱モジュールを取り外した状態のメイン基板の、図37に示す第1面を示す斜視図である。
【0094】
この図45には、メイン基板460の第2面(図37、図45に示す第1面に対する裏面)側の空気をファン471(図37、図47参照)に取り込むための開口461が形成され、また、放熱フィン472が密着するCPUモジュール462が示されている。このCPUモジュール462は動作時に発熱し、放熱モジュール470で強制的に冷却する必要のある発熱電子部品である。
【0095】
図46は、メイン基板を取り外した状態の、底面カバーの内側を示した斜視図である。
【0096】
この底面カバー219は、演算ユニット20の筐体21(図2参照)を構成し、演算ユニット20の底面側を覆うカバーである。この底面カバー219には、ファン471(図37、図47参照)から吹き出され放熱フィン472を通過した空気を吹き出すための空気放出開口441(図6も合わせて参照)が形成されている。また、この底面カバー219にはHDDユニット430が配置されるHDDユニット収容開口414が形成されている(図10を合わせて参照)。また、この底面カバー219の内側にはメイン基板460上の電子部品が電磁ノイズを受けにくくするため、およびメイン基板460上の電子部品が発する電磁ノイズを外部に洩れにくくするためのシールド板480が広がっている。
【0097】
このシールド板480には、ファン471に対面(図45参照)する位置に開口480aが形成され、底面カバー219が剥き出しとなっている。この開口480aは、ファン471の空気吹込口の前面を少しでも広く開けて、ファン471により多くの空気を流入させるための措置である。
【0098】
また、このシールド板480の開口480aに近接した位置にそのシールド板480の一部が切り起こされた切起し片480bが形成されている。また、このシールド板480の切起し片480bよりも空気放出開口441寄りの位置に、複数の切起し切片480cが形成されている。これらの切起し切片480cは、放熱モジュール470を構成する放熱フィン472や基体473(図47参照)に接触してそれらを接地するためのものである。
【0099】
ここで、図45に示すメイン基板460は、さらに放熱モジュールが塔載された状態で(すなわち、図37に示す状態で)、図45に示す第1面をシールド板480に向け、シールド板480との間に間隔を置いて配置される。
【0100】
図47は、放熱モジュールを示す斜視図である。この図47には、図46に示すシールド板480に対面する側の面が示されている。
【0101】
また、図48は、放熱モジュールを、メイン基板から取り外した状態のまま、底面カバー内の規定位置に置いた状態を示す斜視図である。
【0102】
放熱モジュール470は、ファン471と放熱フィン472と、それらファン471や放熱フィン472を支持する基体473を備えている。基体473は、ダイキャスト製の重量のある厚い金属製の部材である。この基体473のファン471を支持する部分には、図48に示すように、ファン471に空気を流入させるための開口473aが形成されている。このファン471には基体473に設けられた開口473aおよびメイン基板460に設けられた開口461(図45参照)を通ってメイン基板の第2面(図45に示す第1面の裏側の面)側から空気が吸い込まれる。このファン471は、シールド板480(図46参照)との間に間隔を置いた位置に支持されており、このファン471には、シールド板480側からも空気が吸い込まれる。
【0103】
このファン471は、このように上下の空気吹入口から吸い込んだ空気を放熱フィン472に向けて吹き出す。また放熱フィン472はメイン基板462の第1面に塔載されたCPUモジュール462に密着するように、基体473に対しCPUモジュール462側(シールド板480から離れる側)にバネ付勢されている(バネは不図示)。放熱フィン472は、このバネ付勢によりCPUモジュール462に密着して動作時のCPUモジュール462から吸熱する。この放熱フィン472はCPUモジュール462に密着してCPUモジュール462に押され、その放熱フィン472の空気取入口472aがファン471からの送風を受け入れる位置まで変位する。その位置まで変位した放熱フィン472および基体473にシールド板480の切起し切片483が接触し、放熱フィン472や基体473が接地される。
【0104】
ここで、ファン471は、演算ユニット20内で上下両面から空気を吸い込む必要があり、放熱フィン472はメイン基板460上のCPUモジュール462に密着している必要がある。また、一方ではこの演算ユニット20はできる限り薄型に構成されている。ファン471や放熱フィン472を、このような必要な条件を満足する位置に配置すると、演算ユニット20の厚み方向について放熱フィン472の方がファン471よりも底面側(シールド板480側)に偏倚した位置に配置されることになる。このため、この放熱モジュール470の基体473には、ファン471と放熱フィン472との中間に斜面473bが形成されている。この斜面473bはファン471からの送風を放熱フィン472の空気取入口472aに向けてスムーズに流すためのものである。また、この基体473の、その斜面473bが形成されたファン471と放熱フィン472との間の両側には、ファン471からの送風が横に洩れるのを防止するための一対の立壁473cが設けられている。この放熱モジュール470は、メイン基板460に塔載された上で、図48に示すように、ファン471から送り出され放熱フィン472を経由した風が空気放出開口441(図6、図46参照)から外部に放出される位置に配置される。
【0105】
図49は、図48のX−X断面図である。
【0106】
放熱モジュール470の基体473には、上述したように、ファン471と放熱フィン472との間の空気通路に斜面473bと一対の立壁473cが形成されている(図47参照)。ただし、このままではファン471からの送風がシールド板480に洩れてしまい効率が低下する。そこで、ここでは、シールド板480に切起し片480b(図46、図48参照)が形成され、その切起し片480bがファン471と放熱フィン472との間の空気流路を塞いで、斜面473bに沿って流れる空気をその斜面473bに沿って斜めに導く形状となっている。すなわち、基体473の斜面473bや一対の立壁473cとシールド板480の切起し片480bとで、ファン471と放熱フィン472との間に、空気を導くためのダクト構造が形成されている。このように、ここでは本来必要なシールド板480に切起し片480bを形成するだけで、別部材を追加することなくダクト構造が形成され、放熱の効率向上が図られている。
【0107】
(表示部フック構造)
ここでは、例えば図2に示す、表示ユニット30の前面上部のフック33や、表示ユニット30の、開状態における上面(閉状態における前端面)301から突出した係止解除ボタン34等からなるフック構造について説明する。フック33は、表示ユニット30を演算ユニット20上に閉じたときに、演算ユニット20の上面に設けられたロック用の穴29に入り込んで表示ユニット30を閉状態にロックするための係止突起である。また係止解除ボタン34は、その係止解除ボタン34を押下することによりフック33を係止解除位置に移動させて、ロック用の穴29との係止を解除させるボタンである。
【0108】
図50、図51は、表示ユニット30(図2参照)に設けられたフックおよび係止解除ボタンの部分の拡大斜視図である。図50は、係止解除ボタン34が表示ユニット30の上面(前端面)301から突出した状態を示した図、図51は、係止解除ボタン34が押下された状態を示した図である。
【0109】
図50に示す、係止解除ボタン34が上面(前端面)301から突出した状態のまま表示ユニット30を演算ユニット20上に閉じると、フック33は、演算ユニット20のロック用の穴29に入る。その穴29に入るときに斜面33aで一旦横に押され、その後図50に示す位置に戻り、ロック用の穴29内で係止される。
【0110】
係止解除ボタン34が図51に示すように押されると、フック33が横に移動し、この表示ユニット30が閉状態にあるときにロック用の穴29との係合が外れ、表示ユニット30を開状態に持ち上げ得る状態になる。
【0111】
図52は、表示ユニットのフックおよび係止解除ボタンの部分の断面図である。
【0112】
表示ユニット30の開状態における上面301には、その表示ユニット30の背面から前面に向かって途中まで水平の第1面301aが形成され、その第1面301aに続き下り斜面301bが形成されている。尚、第1面301aは背面から前面に向かって上り斜面に形成されていてもよい。ここで第2面301bは、第1面301a側(背面側)ほど急斜面に形成された曲面である。
【0113】
表示ユニット30の筐体31は、表示ユニット30の前面の表示画面32の周囲を覆う前面カバー311(図2を合わせて参照)と、表示ユニット30の背面を覆う背面カバー312(図1を合わせて参照)とから構成されている。そして、開状態における上面301の第2面301bは前面カバー311に形成されている。係止解除ボタン34は、その前面カバー311から突出している。したがって閉状態にある表示ユニット30を開状態に開こうとするときは、係止解除ボタン34を押しそのまま第2面301bに指を掛けて表示ユニット30の前端面(開状態における上面)301を持ち上げればよく良好な操作性を有する。この第2面(斜面)301bは係止解除ボタン34の周囲のみでもよいが、前端面(開状態における上面)の左右全域に設けると、この斜面(第2面)301bにより表示ユニット30の厚さが薄く見え、デザイン上も有利である。
【0114】
図53は、比較例を示した、図52に対応する図である。
【0115】
この図53に示す比較例では、係止解除ボタン34は上面(前端面)301の、背面カバー312側から突出している。この場合、図52に示す第2面(斜面)301bが形成されないかあるいは形成しても厚み方向について僅かな領域しか形成できない。このため、係止解除ボタン34を押しても指を掛ける部分がなく、表示ユニット30を開状態に持ち上げにくく、操作性が悪い。また、表示ユニット30を薄く見せにくくデザイン上も不利である。
【0116】
図54は、表示ユニットの前カバーの内面を示した斜視図である。また図55は、前カバー内面の、フック等からなるフック構造の部分の拡大斜視図である。
【0117】
フック33や係止解除ボタン34等からなるフック構造は、図示のように前面カバー311の内面側に組み込まれている。
【0118】
図56は、このフック構造の部分の分解斜視図である。
【0119】
ここには、前面カバー311と、その前面カバー311に組み込まれる、フック33が形成された第1フック部材501、係止解除ボタン34が形成された第2フック部材502、フックホルダ503、およびコイルバネ504が示されている。
【0120】
第1フック部材501は、フック33が前面カバー311の開状態における前面の上部に形成された開口311aから突出し、前面カバー311に立設した2つのピン311cに第1フック部材501の2つの長穴501aが差し込まれた状態に配置される。また、このとき、第1フック部材501の横から延びるアーム501cにコイルバネ504が装着され、このアーム501cの先端は前面カバー311の開口311eから突出し、コイルバネ504は、その開口周囲の壁との間に挟まれた状態となる。また、第1フック部材501には、第2フック部材502が重ねられる側の面に斜めに延びた2つの案内突部501bが形成されている。
【0121】
図57は、第2フック部材のフックホルダ側の面(A)と第1フック部材側の面(B)を示した平面図である。また、図58は、第2フック部材のフックホルダ側の面(A)と第1フック部材側の面(B)を示した斜視図である。この第2フック部材502は、その両側に係止爪502aが形成されている。前面カバー311の開状態における上面には、図56に示すように、係止解除ボタン34が突出する開口311bが形成されている。この係止解除ボタン34を含む第2フック部材502は、前面カバー311の開口311bに外側から差し込まれる。するとその第2フック部材502の両側の係止爪502aがその開口311bの両側の縁に押されて一旦内側に撓み、係止爪502aが開口311bを通過する位置まで第2フック部材502が差し込まれると再び係止爪502aが開き、それらの係止爪502aが前面カバー311の内面に係止されて第2フック部材502が抜けない状態となる。ここではこのように第2フック部材502を外側から開口311bに差し込む構造としたことにより、このフック構造の組立てを容易にしている。またこの第2フック部材502の第1フック部材501側の面には、斜めに延びる2本の案内溝502bが形成されている。この斜めに延びる案内溝502bには、第1フック部材501の斜めに延びる案内突起501bが入り込む。したがって係止解除ボタン34が押されると第2フック部材502が前面カバー311の内側に移動し、第2フック部材502の斜めの案内溝502bにより第1フック部材501の斜めの案内突起501bが押される。すると、第1フック部材501がコイルバネ504のバネ付勢に抗して横に移動し、この移動によりフック33が係止解除位置に移動する(図51参照)。係止解除ボタン34から指を離すと、コイルバネ504の付勢力により第1フック部材501が押され元の位置に戻り、その動きに応じて第2のフック部材502が係止解除ボタン34を突出させる方向に移動する。
【0122】
前面カバー311には、第1フック部材501の2つの長穴501aに入り込んで第1フック部材501の動きをガイドする2本のピン311cのほか、さらに2本のピン311dが形成されており、それら4本のピン311c,311dはフックホルダ503の4つの穴503aにそれぞれ挿入されて固定される。
【0123】
ここでは、このようなフック構造により、閉状態において表示ユニット30を演算ユニット20に係止させ、および係止解除ボタン34の押下により係止解除させる構造を実現している。
【符号の説明】
【0124】
10 ノートPC
20 演算ユニット
21,31 筐体
22 電源ボタン
23 ファンクションボタン
24 放音口
25 キーボード
26 トラックパッド
27 操作ボタン
28 指紋センサ
29 ロック用の穴
30 表示ユニット
31 筐体
32 表示画面
33 フック
34 係止解除ボタン
35 パッド
40 回転軸
211 電源差入口
212 バッテリ収容開口
213 支持縁
414 HDDユニット収容開口
219 底面カバー
271 作用ピン
301 表示ユニットの開状態における上面(閉状態における前端面)
301a 第1面
301b 第2面
311 前面カバー
311b,311e 開口
311c,311d ピン
312 背面カバー
414 HDDユニット収容開口
414a,414g 側壁
414b 角部
414c 前壁
414d 穴
414e 窪み
414h 突起部
414i 底面
416 接地用部材
420 バッテリ
421 バッテリ本体部
422 バッテリ蓋部
422a 鉤部
430 HDDユニット
431 HDD本体
431a 第1面
431b 第2面
431c 前端面
431d,431e 左右の側面
431f 後端面
431g 回路基板
432 カバー部材
432a 覆い部
432b,432c 左右の折曲部
432e 鈎形の切欠部
432f 第1の切欠部
432g 第2の切欠部
432h ネジ止め用の穴
432i アーム
432k クッション材
433,433a,433b 弾性アーム
439 蓋体
439a 覆い部
439b 延在部
439c 爪部
439d 突部
440 基板(上面カバー)
441 スピーカ配置部
442 両面粘着テープ
443 立設部
444 立設ピン
450 スピーカ
451 スピーカの背面
452 放音面
453 スイッチ
453a 押下点
460 メイン基板
461 開口
462 CPUモジュール
463 穴
470 放熱モジュール
471 ファン
472 放熱フィン
473 基体
473b 斜面
473c 立壁
480 シールド板
480b 切起し片
481 電源用コネクタ
482 支持金具
482a 基部
482b,482c 折曲部
482d,482e 押え部
483f ネジ穴
483g 固定部
483h 鉤部
490 ネジ
501 第1フック部材
501a 長穴
501b 案内突起
501c アーム
501e 開口
502 第2フック部材
502a 係止爪
502b 案内溝
503 フックホルダ
503a 穴
504 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユニットと、
前記第1ユニット奥側を回動軸として該第1ユニットに重ねられた閉状態と、該閉状態における前端が持ち上げられるようにして該第1ユニットから開いた開状態との間で回動する第2ユニットとを備え、
前記第2ユニットが、前記第1ユニットを床に置き前記第2ユニットを該第1ユニットに対し直角に開いた立設状態における前面上部に、前記閉状態において前記第1ユニットに係止する係止突起を有するとともに、該立設状態における上面から突出し該上面に向けた押下操作を受けて、前記係止突起を、前記閉状態における前記第1ユニットへの係止が解除される解除位置へ移動させる係止解除突起を有し、
前記第1ユニットが、前記閉状態において前記係止突起を係止させる係止凹部を有し、
前記第2ユニットが、前記立設状態における上面の左右方向の少なくとも一部に、該第2ユニットの背面から前面に向かって途中まで水平又は登り斜面からなる第1面を有するとともに該第1面に続き下り斜面からなる第2面を有し、
前記第2ユニットが、前記立設状態における前面側に位置する前面筐体と、該立設状態にける背面側に位置する背面筐体とを有する筐体を備え、前記第2面が前記前面筐体に形成されて、前記係止解除突起が前記第2面から突出していることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第2面が、前記立設状態において、前記第1面側ほど急斜面に形成された曲面であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1ユニットが、上面にキーボードを有する演算ユニットであり、前記第2ユニットが、前記立設状態における前面に表示画面を有する表示ユニットであることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公開番号】特開2010−250513(P2010−250513A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98491(P2009−98491)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】