説明

電子機器

【課題】モジュールで生じた熱が筐体に伝わりにくい新規な構成の電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器は、筐体と、モジュールと、支持部と、を備えた。筐体は、操作面を含む第一の壁部と、この第一の壁部の反対側に位置された第二の壁部と、を有した。モジュールは、第一の壁部および第二の壁部の双方から離間された。支持部は、筐体とモジュールとの間に介在し、モジュールを第一の壁部および第二の壁部から離間させて支持し、筐体より熱伝導性が低く、可撓性を有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネジ止めに替えて、PC(Personal Computer)等の筐体に収容された基板を、筐体を構成する上カバーと基板との間および下カバーと基板との間に挟持された固定部によって、筐体に固定する技術が知られている。この技術によれば、筐体と基板とが直接接触することを防止することができるので、製造時の振動等により筐体と基板とが接触することによる発塵を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−64678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等が実装された基板等のモジュールから筐体に伝わる熱の対策が望まれている。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、モジュールで生じた熱が筐体に伝わりにくい新規な構成の電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる電子機器は、筐体と、モジュールと、支持部と、を備えた。筐体は、操作面を含む第一の壁部と、この第一の壁部の反対側に位置された第二の壁部と、を有した。モジュールは、第一の壁部および第二の壁部の双方から離間された。支持部は、筐体とモジュールとの間に介在し、モジュールを第一の壁部および第二の壁部から離間させて支持し、筐体より熱伝導性が低く、可撓性を有した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータを正面から見た状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータの本体カバーに実装された各種部品の実装状態を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータの本体のA−A断面図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータに実装された基板の角部の構造を示す図である。
【図5】図5は、筐体内における基板の実装構造を示す斜視図である。
【図6】図6は、基板に配設した断熱部材の四面図である。
【図7】図7は、基板に対する断熱部材の配設例を示す図である。
【図8】図8は、基板が実装された側の本体カバーの構造を示す平面図である。
【図9】図9は、基板が実装された側のパームレスト部の構造を示す斜視図である。
【図10】図10は、基板が実装された側のパームレスト部の他の構造を示す斜視図である。
【図11】図11は、基板が実装された側の本体ベースの構造を示す平面図である。
【図12】図12は、基板が実装された側の本体ベースの構造を示す斜視図である。
【図13】図13は、筐体内における基板の他の実装構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、この発明にかかる電子機器をノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ポータブルコンピュータとする)に適用した例について説明するが、携帯電話など筐体の薄型化が要求されている電子機器であれば、これに限定するものではない。
【0009】
まず、図1および図2を用いて、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータ1の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータを正面から見た状態を示す斜視図である。図2は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータの本体カバーに実装された各種部品の実装状態を示す図である。図3は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータの本体のA−A断面図である。
【0010】
本実施の形態にかかるポータブルコンピュータ1は、本体2と、表示ユニット3と、を備えている。
【0011】
表示ユニット3は、ディスプレイハウジング8(第1の筐体)と、このディスプレイハウジング8に収容されている液晶表示パネル9とを備える。液晶表示パネル9は、表示画面9aを有する。表示画面9aは、ディスプレイハウジング8の前面の開口部8aを通じてディスプレイハウジング8の外部に露出している。
【0012】
表示ユニット3は、本体2に取り付けられたヒンジ部13を介して支持されている。これにより、表示ユニット3は、本体カバー5を上方から覆うように倒される閉じ位置、即ち表示画面9aが覆われる位置と、本体カバー5を露出させるように起立する開き位置、即ち表示画面9aが露出される位置と、の間で回動可能である。
【0013】
本体2は、本体ベース4(構造体)および当該本体ベース4の上方から組み合わされる本体カバー5(構造体)から構成され、本体ベース4の上方から本体カバー5を組み合わせることにより箱状に形成した筐体6を備える。筐体6には、ポータブルコンピュータ1(本体2)の薄型化による強度の低下を防止するため、マグネシウム合金などの金属製の筐体を用いるものとする。なお、本実施の形態では、筐体6は、本体ベース4および本体カバー5の2つに分割された構造体で構成されているが、これに限定するものではなく、1の構造体により構成しても良いし、または2以上に分割された構造体により構成しても良い。
【0014】
筐体6(第2の筐体)は、上壁6a(壁部)と、上壁6aと対向する下壁6c(対向壁部)と、上壁6aおよび前記下壁6cの外縁に沿って設けられた周壁6bとを有する。周壁6bは、前周壁6ba、後周壁6bb、左周壁6bc、および右周壁6bdを有する。さらに、筐体6は、第1の端部15と、この第1の端部15とは反対側に位置する第2の端部14とを有する。
【0015】
上壁6aは、大きく分けると、キーボード7を収容したキーボード収容部6aaと、タッチパッド11やクリックボタン12等が設けられたパームレスト部6abと、表示ユニット3を支持するヒンジ部13が取り付けられる表示ユニット支持部6acと、に分けられる。キーボード収容部6aaは、キーボード7が載置されたキーボード載置部10を有する。ここで、キーボード載置部10は、上壁6aに設けられ、キーボード7を収容した開口部である。別の言い方をすれば、キーボード収容部6aaは、外壁に、その周囲の部分よりも一段窪んだ窪み部(キーボード載置部10)を有し、その窪み部にキーボード7が嵌め込まれる。パームレスト部6abは、キーボード載置部10と筐体6の第2の端部14との間に設けられている。表示ユニット支持部6acは、筐体6の第1の端部15側に位置し、表示ユニット3を支持するヒンジ部13が取り付けられる。ヒンジ部13は、筐体6の第1の端部15近傍に設けられ、ディスプレイハウジング8(表示ユニット3)と筐体6(本体2)とを回動可能に連結するものである。
【0016】
また、筐体6は、図2および図3に示すように、基板201、HDD(Hard Disk Drive)202、送風装置203、放熱部材204、およびヒートパイプ205を、本体カバー5が有するパームレスト部6abに対向して実装している。つまり、基板201(回路基板)は、キーボード載置部10と第2の端部14との間に位置する。より具体的には、基板201は、キーボード載置部10に沿った辺部201caを有する。そして、辺部201caは、下壁6c側に突出したキーボード載置部10の側壁部10aにより支持されている。これにより、キーボード7と基板201とが重なり合わずに筐体6内に実装されるため、ポータブルコンピュータ1の薄型化を図ることができる。
【0017】
従来は、ノート型のパーソナルコンピュータに対する薄型化への要求が低かったため、一般的に、基板等はキーボード7を載置するキーボード載置部10に対向して実装されていた。つまり、従来のノート型のパーソナルコンピュータは、基板等とキーボードが互いに重なり合うように実装されていた。そのため、ノート型のパーソナルコンピュータの筐体は、キーボードおよび基板等の厚みにより、薄型化が困難であった。しかし、本実施の形態では、図3に示すように、基板201やHDD202や送風装置203や放熱部材204やヒートパイプ205をパームレスト部6abに対向して実装することにより、基板201やHDD202や送風装置203や放熱部材204やヒートパイプ205とキーボード7とが互いに重なり合って実装されなくなるので、筐体6の薄型化を実現することができる。
【0018】
基板201は、絶縁板の上に銀箔などの導電体で描かれたプリント配線を設けた面であって、第1面201bおよび当該第1面201bの反対側の第2面201cを有する。第1面201bおよび第2面201cの少なくとも一方には、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどの発熱する電子部品201aが実装されている。そして、基板201は、電子部品201aがはんだ付け接続されることによりプリント回路基板(Printed Circuit Board)として機能するものである。なお、電子部品201aは、基板201との電気的接続にリードあるいはピンを用いることのない表面実装型電子部品である。
【0019】
図4は、本実施の形態にかかるポータブルコンピュータに実装された基板の角部の構造を示す図である。本実施の形態では、基板201は、図4に示すように、基板201の角部1100に、当該角部1100の一部を切り欠いた形状を有した切り欠き部1101を有する。これにより、基板201の軽量化を図ることができる。
【0020】
HDD202は、基板201に隣接して実装され、基板201上のコネクタに接続されたフレキシブル配線板(図示しない)を介して基板201に接続されている。なお、本実施の形態では、本体ベース4および本体カバー5(左周壁6bc)は、HDD202が実装された位置に対向して、筐体6内の気体を筐体6外に排気する排気口206を有する。
【0021】
ヒートパイプ205は、放熱部材204から延出して設けられ、基板201に実装された電子部品201aから発生した熱を放熱部材204に伝熱するものである。
【0022】
放熱部材204は、後述する送風装置203から送風された気体を利用してヒートパイプ205から伝熱された熱を放熱するものである。送風装置203は、放熱部材204および筐体6内に気体を送風するものである。
【0023】
具体的には、放熱部材204は、矩形状に形成された複数の板状部材を、当該板状部材の板面が送風装置203からの気体の流れに沿うように配置したものである。なお、本実施の形態では、本体ベース4および本体カバー5(前周壁6ba)は、放熱部材204が実装された位置に対向して、送風装置203から送風された気体を筐体6外に排気する排気口207を有する。また、送風装置203は、回転軸の軸線方向から気体を吸気するとともに、当該回転軸の軸線方向と略直交する方向に気体を送風する遠心ファンを有する。
【0024】
次に、図5〜13を用いて、筐体6内における基板201の実装構造について詳細に説明する。図5は、筐体内における基板の実装構造を示す斜視図である。図6は、基板に配設した断熱部材の四面図である。図7は、基板に対する断熱部材の配設例を示す図である。図8は、基板が実装された側の本体カバーの構造を示す平面図である。図9は、基板が実装された側のパームレスト部の構造を示す斜視図である。図10は、基板が実装された側のパームレスト部の他の構造を示す斜視図である。図11は、基板が実装された側の本体ベースの構造を示す平面図である。図12は、基板が実装された側の本体ベースの構造を示す斜視図である。図13は、筐体内における基板の他の実装構造を示す斜視図である。
【0025】
図5および図7に示すように、ポータブルコンピュータ1の筐体6は、基板201の四隅に第1面201bから第2面201cに至り連続して設けられた断熱部材801を有する。別の言い方をすれば、図6および図7に示すように、ポータブルコンピュータ1の筐体6は、基板201の四隅が嵌め込まれた溝801aを有するコの字型の断熱部材801を有する。
【0026】
なお、本実施の形態では、基板201は、上述したように、当該基板201の角部1100に切り欠き部1101(図4に示す)を有するが、角部1100を断熱部材801の溝801aに嵌め込むことにより、筐体6に基板201を実装した際の外観が変化することなく、基板201の軽量化を図ることができる。
【0027】
そして、図5に示すように、ポータブルコンピュータ1の筐体6(本体カバー5および本体ベース4)は、断熱部材801を介して、基板201の第1面201bおよび第2面201cの両側から基板201を挟持している。
【0028】
本実施の形態では、第1面201bから第2面201cに至り連続して設けられた一体化した断熱部材801を用いているが、図13に示すように、第1面201bおよび第2面201cに別々に第1断熱部材1301および第2断熱部材1302を設けても良い。別の言い方をすれば、第2断熱部材1302は、基板201を支持するとともに、上壁6aから基板201を離間させた第1の支持部である。これにより、基板201と上壁6aとが直接接触することを防止できるので、基板201に実装された電子部品201aから上壁6aへの熱伝導を低減することができる。
【0029】
なお、キーボード載置部10の側壁部10aは、基板201の辺部201caを支持するとともに、第2断熱部材1302よりも下壁6c側に突出しているものとする。これにより、キーボード載置部10に載置されたキーボード7のキーが上壁6aから突出する長さをより短くすることができるので、ポータブルコンピュータ1をより薄型化することができる。
【0030】
また、第1断熱部材1301は、基板201を支持するとともに、下壁6cから基板201を離間させた第2の支持部である。つまり、基板201は、第1断熱部材1301と第2断熱部材1302とに支持されて上壁6aと下壁6cとから其々離間されている。これにより、基板201と下壁6cとが直接接触することを防止できるので、基板201に実装された電子部品201aから下壁6cへの熱伝導も低減することができる。
【0031】
また、断熱部材801は、基板201の四隅に設けられているが、これに限定するものではなく、例えば、基板201の四隅に加えて、矩形状の基板201の長手の真ん中近傍に断熱部材801を設けても良い。
【0032】
また、断熱部材801には、筐体6よりも熱伝導率が低い部材を用いるものとする。これにより、電子部品201aからの熱が断熱部材801に触れる筐体6に伝わることを防止できるので、ユーザが筐体6に触れても熱く感じることを防止できる。
【0033】
また、断熱部材801には、ゴムなど、可撓性を有する部材を用いても良い。なお、断熱部材801に可撓性を有する部材と用いる場合、第1面201bおよび第2面201cの両側から筐体6により基板201を挟持した際に、断熱部材801が厚み方向に対して潰されるようにする。これにより、筐体6内における基板201のがたつきを抑えることができる。
【0034】
また、断熱部材801には、金属粉などの導電性材料を混ぜた材料やガスケットなど、導電性を有する部材を用いることが好ましい。これにより、断熱部材801が基板201のGNDを兼ねることができるので、基板201をGNDに接続するための配線等を新たに設ける必要がなくなる。
【0035】
さらに、基板201の第2面201cに設けられた断熱部材801の厚さl1が、基板201の第1面201bに設けられた断熱部材801の厚さl2よりも厚いものとする。これにより、本体カバー5と基板201との間の距離L1を本体ベース4と基板201との間の距離L2より長くすることができるので、電子部品201aから発せられた熱がユーザの手が触れることが多い本体カバー5に伝わることをより効果的に防止することができる。
【0036】
基板201が実装された側のパームレスト部6abには、図8および図9に示すように、リブ310、ネジ止め部303等が設けられている。
【0037】
リブ310は、本体カバー5の変形を防止するものであって、パームレスト部6abのキーボード収容部6aaに沿った辺部から第2の端部14に向って設けられた直線状の突起部309を、パームレスト部6abの全面に渡って設けたものである。
【0038】
また、リブ310は、基板201の四隅に設けられた断熱部材801に対向して、直線状の突起部309よりも基板201側に高く突き出した突起部301,302を有している。ここで、基板201の四隅に設けられた断熱部材801に対向して突起部301,302を設けたのは、基板201のがたつきを抑えるとともに、筐体6内を流れ方向(符号308で示す)に流れる気体の流路を確保するためである。本実施の形態では、リブ310の一部に突起部301,302を設けているが、本体カバー5がリブ310を設けなくても十分な強度を有する場合には、突起部301,302のみをパームレスト部6abに設けても良い。
【0039】
なお、本実施の形態では、窪み部10によりキーボード収容部6aaが基板201側に突き出ているため、基板201から延びる配線(図示しない)をキーボード収容部6aa側に敷設することが困難である。そこで、本実施の形態では、キーボード収容部6aa側に設けられた突起部302の断面を、突起部301の方向に向う辺が短い矩形状にしている。これにより、突起部302と突起部301との間の間隔を長くすることができるので、突起部301と突起部302との間に基板201から延びる配線(図示しない)を敷設するスペースを設けることができる。
【0040】
また、突起部301,302は、断熱部材801と対向する面301b,302bに四角形状の穴部301a,302aを有する。これにより、ポータブルコンピュータ1の軽量化を図ることができる。
【0041】
ここで、図10を用いて、突起部の他の形状について説明する。図9に示す例では、突起部301,302の断熱部材801と対向する面301b,302bに穴部301a,302aを設けているが、突起部501,502の断熱部材801と対向する面501b,502bに、筐体6内を流れる気体の流れ方向(符号308で示す)に沿った溝部501a,502aを設けても良い。これにより、ポータブルコンピュータ1の軽量化を図るとともに、突起部501,502内に筐体6内を流れる気体を導くことができるので、基板201から伝わる熱をより効果的に放熱することができる。
【0042】
さらに、リブ310は、図5,図8,および図9に示すように、突起部301,302の近傍(基板201の角部の外縁)に、直線状の突起部309よりも基板201側に高く突き出したガイドリブ304,305を有している。基板201は、突起部301,302の近傍に設けられたガイドリブ304,305の内側に嵌め込まれる。これにより、基板201が筐体6内でずれたり、基板201が誤った位置に実装されたりすることを防止することができる。なお、基板201の四隅に設けられた断熱部材801は第1面201bから第2面201cに至り連続して設けられており、基板201の側面がガイドリブ304,305に直接に接触することはないので、基板201に実装された電子部品201aからの熱がガイドリブ304,305を介して筐体6に伝熱することを防止することができる。
【0043】
また、本実施の形態のように、基板201とHDD202とが隣接して実装されている場合には、基板201とHDD202との間に配置されたガイドリブ305を、HDD202のガイドリブとして用いても良い。また、本実施の形態では、本体カバー5にガイドリブ304,305を設けているが、本体ベース4および本体カバー5の少なくともいずれか一方に設けられていれば良い。
【0044】
ネジ止め部303(固定部)は、ガイドリブ304,305近傍(断熱部材801の近傍)に配置され、本体ベース4のネジ止め部602(図11および図12参照)から挿入されたネジをねじ込むことにより、本体カバー5と本体ベース4とを固定する。本実施の形態にかかるポータブルコンピュータ1では、基板201が筐体6に直接ネジ止めされないため、基板201のがたつきや基板201と筐体6との間に介在する断熱部材801の撓み具合等により、本体カバー5が本体ベース4から浮いた状態になる可能性がある。そこで、ガイドリブ304,305近傍(断熱部材801を設けた位置近傍)にネジ止め部303を配置することにより、本体カバー5が本体ベース4から浮いた状態になることを防止している。
【0045】
基板201が実装された側の本体ベース4には、図11および図12に示すように、リブ604、ネジ止め部602等が設けられている。
【0046】
リブ604は、本体ベース4の変形を防止するものであって、表示ユニット3が支持された側の一端から、当該一端の反対側の他端に向って設けられた直線状の突起部605を、本体ベース4の全面に渡って設けたものである。また、リブ604は、基板201の四隅に設けられた断熱部材801に対向して、直線状の突起部605よりも高く基板201側に突き出した突起部601を有している。ここで、基板201の四隅に設けられた断熱部材801に対向して突起部601を設けたのは、基板201のがたつきを抑えるとともに、筐体6内を流れ方向(符号603)に流れる気体の流路を確保するためである。なお、リブ604の基板201側への高さh2が、図5に示すように、本体カバー5が有する突起部301,302の基板201側への高さh1よりも高いのは、第1面201bに実装された電子部品201aの第1面201bからの高さが、第2面201cに実装された電子部品201aの高さよりも高いからである。
【0047】
また、突起部601は、断熱部材801と対向する面601bに四角形状の穴部601aを有する。これにより、ポータブルコンピュータ1の軽量化を図ることができる。なお、突起部601も図10に示す突起部501,502と同様の形状にすることも可能である。
【0048】
ネジ止め部602(固定部)は、突起部601近傍(断熱部材801の近傍)に配置され、本体ベース4の基板201が実装された側と反対側からネジが挿入されて、本体カバー5側のネジ止め部303にねじ込まれることにより、本体ベース4を本体カバー5に固定する。本実施の形態にかかるポータブルコンピュータ1では、基板201が筐体6に直接ネジ止めされないため、基板201のがたつきや基板201と筐体6との間に介在する断熱部材801の撓み具合等により、本体カバー5が本体ベース4から浮いた状態になる可能性がある。そこで、突起部601近傍(断熱部材801の近傍)にネジ止め部303を配置することにより、本体カバー5が本体ベース4から浮いた状態になることを防止している。
【0049】
このように本実施の形態にかかるポータブルコンピュータ1によれば、第1面201bおよび当該第1面201bの反対側の第2面201cの少なくとも一方に発熱する電子部品201aを実装した基板201と、基板201の四隅に第1面201bから第2面201cに至り連続して設けられた断熱部材801と、断熱部材801を介して、第1面201bおよび第2面201cの両側から基板201を挟持する筐体6と、を備えることにより、基板201と筐体6とが直接接触せずに基板201を筐体6に固定することができ、かつ電子部品201aから筐体6への伝熱を遅らせることができるので、筐体6の表面温度の上昇を抑制することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…ポータブルコンピュータ(電子機器)、6…筐体、6a…上壁(第一の壁部)、6c…下壁(第二の壁部)、11…タッチパッド、14…第二の端部(端部)、201…基板(モジュール)、203…送風装置、301,302,309,501,502,601,605…突起部(突出部)、301a,302a,601a…穴部(凹部)、303,602…ネジ止め部(結合部)、304,305…ガイドリブ(ガイド部)、801,1301,1302…断熱部材(支持部)、801a…溝(第三部分)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面を含む第一の壁部と、この第一の壁部の反対側に位置された第二の壁部と、を有した筐体と、
前記筐体内に収容され、前記第一の壁部および前記第二の壁部の双方から離間されたモジュールと、
前記筐体と前記モジュールとの間に介在し、前記モジュールを前記第一の壁部および前記第二の壁部から離間させて支持し、前記筐体より熱伝導性が低く、可撓性を有した支持部と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記第一の壁部に、前記モジュールと間隔をあけて重なる状態で、タッチパッドが設けられた、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第一の壁部および前記第二の壁部のうち少なくとも一方に、前記支持部を支持した突出部が設けられた、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記突出部の前記支持部との接触部分に凹部が設けられた、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記支持部は、前記第一の壁部に接触する第一部分と、前記第二の壁部に接触する第二部分と、前記第一部分と前記第二部分との間で前記モジュールを支持する第三部分と、を有した、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記第一の壁部および前記第二の壁部のうち一方に、前記支持部の前記第三部分の反対側をガイドするガイド部が設けられた、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記筐体の端部に沿って、前記モジュールと、前記筐体内に位置されて前記モジュールと前記第一の壁部または前記第二の壁部との間の隙間に空気を流す送風装置と、が設けられた、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
前記支持部は、前記空気が当たる状態で設けられた、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第一の壁部および前記第二の壁部のうち少なくとも一方に、前記支持部を支持した複数の突出部が、当該複数の突出部の間で前記空気が流れる状態に設けられた、請求項7または8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記筐体は、前記第一の壁部を有した第一部品と、前記第二の壁部を有した第二部品と、を有し、
前記第一部品と前記第二部品とを結合する結合部が、前記支持部の近傍に設けられた、請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−124609(P2011−124609A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37114(P2011−37114)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2009−282106(P2009−282106)の分割
【原出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】