説明

電子機器

【課題】 ホストとしての機能を開始した直後に動作不能に陥ってしまうことを未然に防止する。
【解決手段】 電源制御部82は、撮像装置100に接続された電源が電源ユニット300であるか、大容量バッテリ400であるか、通常バッテリ500であるかを判別する。そして、撮像装置100に接続された電源が通常バッテリ500である場合、システム制御部50は、ホストとして動作する動作モードを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストとして機能する第1の動作モードと、周辺機器として機能する第2の動作モードとを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
マウス、キーボード、ディジタルカメラ、プリンタなどの周辺機器をパーソナルコンピュータなどのホストに接続するインターフェースの規格の一つにUSB(Universal Serial Bus)1.1規格がある。
【0003】
USB1.1規格によれば、ホストは、1つのUSBシステムに1台存在し、同システムに存在する1つ以上の周辺機器(即ち、USBデバイス)のデータ通信を管理することが規定されている。また、USB1.1規格によれば、ハイパワーハブポート(High−power Hub Port)を備えたホストは、1ポートあたり最大500mAの電流をUSBデバイスまたはUSBハブに供給することが規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−075682号公報
【特許文献2】特開2000−209238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カメラ一体型ディジタルビデオレコーダ、ディジタルカメラなどのバッテリで駆動する電子機器をUSBシステムのホストとして機能させる場合について考える。この場合、1ポートあたり最大500mAの電流を出力しなければならないため、消費電力の大きいUSBデバイスまたはUSBハブが接続された場合には、バッテリの消耗が非常に早くなり、正常に動作できる時間が非常に短い時間に限られてしまうという問題がある。特に、バッテリの残量によっては、USBシステムのホストとしての機能を開始した直後に、動作不能に陥ってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、ホストとしての機能と周辺機器としての機能を備えた電子機器がホストとしての機能を開始した直後に動作不能に陥ってしまうことを未然に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、本発明の電子機器は、ホストとして機能する第1の動作モードと、周辺機器として機能する第2の動作モードとを備えた電子機器であって、前記電子機器に接続された電源の種類を判別する判別手段を備え、前記第1の動作モードを前記電源の種類に応じて制限することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子機器は、ホストとして機能する第1の動作モードと、周辺機器として機能する第2の動作モードとを備えた電子機器であって、前記電子機器に接続されたバッテリの残量を検出する検出手段を備え、前記第1の動作モードを前記バッテリの残量に応じて制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、ホストとしての機能と周辺機器としての機能を備えた電子機器がホストとしての機能を開始した直後に動作不能に陥ってしまうことを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態における撮像装置100の構成を説明するブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における撮像装置100の主要な処理手順を説明するフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態における撮像装置100と電源ユニット300を説明する図である。
【図4】第2の実施の形態における撮像装置100と大容量バッテリ400を説明する図である。
【図5】第2の実施の形態における撮像装置100と通常バッテリ500を説明する図である。
【図6】第3の実施の形態における撮像装置100と電源ユニット300を説明する図である。
【図7】第3の実施の形態における撮像装置100と大容量バッテリ400を説明する図である。
【図8】第3の実施の形態における撮像装置100と通常バッテリ500を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の電子機器に好適な実施の形態を説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における撮像装置100の構成を示すブロック図である。尚、第1の実施の形態における撮像装置100は、カメラ一体型ディジタルビデオレコーダ、ディジタルカメラなどの撮像装置である。
【0013】
10は、レンズである。12は、絞り、シャッターなどを備えた露光部である。14は、光学像を電気信号に変換する撮像素子である。16は、撮像素子14から供給された電気信号を動画像データまたは静止画像データに変換するA/D変換器である。18は、撮像素子14、A/D変換器16及びD/A変換器26が動作するタイミングを制御するタイミング制御部である。20は、A/D変換器16または記録/再生部31から供給された動画像データまたは静止画像データに対して補間処理を行ったり、色変換処理を行ったりする画像処理部である。
【0014】
26は、データフロー制御部22から供給された動画像データまたは静止画像データをアナログ画像信号に変換するD/A変換器である。28は、動画像データ、静止画像データ、撮像装置100の動作モードを示す情報、撮像装置100に接続された電源の種類を示す情報、バッテリの残量(または、残りの使用可能時間)を示す情報などを表示する表示部である。30は、圧縮される前の動画像データまたは静止画像データを格納したり、圧縮された後の動画像データまたは静止画像データを格納したりするメモリである。31は、圧縮された動画像データを記録媒体33に記録したり、圧縮された動画像データを記録媒体33から再生したりする記録/再生部である。32は、動画像データまたは静止画像データを圧縮したり、圧縮された動画像データまたは静止画像データを伸長したりする圧縮/伸長部である。静止画像データを圧縮する場合、圧縮/伸長部32は、JPEG方式、JPEG2000方式などの静止画像圧縮方式の一つに従って圧縮する。また、動画像データを圧縮する場合、圧縮/伸長部32は、MPEG−1方式、MPEG−2方式、DV規格のSD方式、同規格のSDL方式などの動画像圧縮方式に従って動画像データを圧縮する。33は、磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク、ハードディスクなどの記録媒体である。
【0015】
40は、露光部12を制御する露光制御部である。42は、レンズ10のフォーカシングを制御する測距制御部である。44は、レンズ10のズーミングを制御するズーム制御部である。50は、撮像装置100を構成する各部を制御するシステム制御部である。52は、システム制御部50が扱う制御プラグラムや制御データを記憶するメモリである。54は、撮像装置100の動作モードを示す情報、撮像装置100に接続された電源の種類を示す情報、バッテリの残量(または、残りの使用可能時間)を示す情報などを表示する表示部である。56は、撮像装置100の様々な調整データなどを記憶する不揮発性メモリである。
【0016】
60は、撮像装置100が備える動作モードの一つを選択するモードダイヤルスイッチである。撮像装置100が備える動作モードには、電源オフモード、記録モード、再生モード、消去モード、ホストモード、周辺機器モードなどがある。電源オフモードが選択された場合、撮像装置100は、主電源をオフにする。記録モードが選択された場合、撮像装置100は、ユーザの指示に従って撮影された静止画像または動画像を記憶媒体200に記憶する。再生モードが選択された場合、撮像装置100は、記憶媒体200に記憶された静止画像または動画像をユーザの指示に従って再生する。消去モードが選択された場合、撮像装置100は、記憶媒体200に記憶された静止画像または動画像をユーザの指示に従って消去する。ホストモードが有効な場合、撮像装置100は、USB1.1規格に準拠したホストとして機能する。例えば、USBデバイスの一つであるプリンタが撮像装置100に接続されている場合、撮像装置100は、そのプリンタを制御し、撮像装置100の静止画像データをダイレクトプリントすることができる。周辺機器モードが有効な場合、撮像装置100は、USB1.1規格に準拠したUSBデバイス(即ち、ホストによって管理される周辺機器)として機能する。このとき、撮像装置100は、ホストからの指示に従って、ストレージクラスデバイスまたはイメージクラスデバイスとして動作する。
【0017】
62は、静止画像を記憶装置200に記録することを指示するトリガースイッチである。64は、動画像を記憶媒体33に記録することを指示するトリガースイッチである。70は、ズームスイッチ、メニューボタン、セットボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、画像選択+(プラス)ボタン、画像選択−(マイナス)ボタン、画質調整ボタン、露出補正ボタンなどを備えた操作部である。
【0018】
80は、電源ユニット300、大容量バッテリ400、通常バッテリ500などを接続するコネクタである。電源ユニット300は、AC電源を所定の電圧のDC電源に変換する電源ユニットである。大容量バッテリ400は、撮像装置100が所定時間以上ホストモードとして機能することができるだけの容量を備えたバッテリである。また、通常バッテリ500は、大容量バッテリ400よりも容量の少ないバッテリである。尚、大容量バッテリ400及び通常バッテリ500は、リチウムイオン電池などの充電可能なバッテリ(二次電池)であっても、それ以外の電池であってもよい。82は、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などを備えた電源制御部である。電源制御部82は、電源ユニット300が装着されているか否かを検出する機能、コネクタ80に接続された電源の種類を判別する機能、大容量バッテリ400の残量を判別する機能などを備える。
【0019】
110は、USB1.1規格に準拠したUSBデバイスとしての機能を備えたUSBインターフェースである。112は、ホストまたはUSBハブと接続可能なBタイプコネクタである。尚、第1の実施の形態では、Bタイプコネクタ112を撮像装置100の任意の位置(但し、電源ユニット300、大容量バッテリ400または通常バッテリ500によって覆い隠されない位置)に設置する。114は、ホストまたはUSBハブとBタイプコネクタ112とを接続するUSBケーブルである。撮像装置100が周辺機器モードになった場合、USBインターフェース110は、アクティブモードとなり、USBシステムのホストによってデータ通信が管理される状態になる。またこの場合、USBインターフェース110は、Bタイプコネクタ112に接続されたホストまたはUSBハブから供給された最大500mAの電流を入力可能な状態になる。一方、撮像装置100がホストモードになった場合、USBインターフェース110は、非アクティブモードとなり、USBシステムから切り離された状態になる。
【0020】
111は、USB1.1規格に準拠したホストとしての機能を備えたUSBインターフェースである。113は、USBデバイスまたはUSBハブと接続可能なAタイプコネクタであり、Bタイプコネクタ112とは異なる形状を備える。尚、第1の実施の形態では、Aタイプコネクタ113を撮像装置100の任意の位置(但し、電源ユニット300、大容量バッテリ400または通常バッテリ500によって覆い隠されない位置)に設置する。115は、USBデバイスまたはUSBハブとAタイプコネクタ113とを接続するUSBケーブルである。撮像装置100がホストモードになった場合、USBインターフェース111は、アクティブモードとなり、USBデバイスのデータ通信を管理可能な状態になる。またこの場合、USBインターフェース111は、Aタイプコネクタ113に接続されたUSBデバイスまたはUSBハブに最大500mAの電流を出力可能な状態になる。一方、撮像装置100が周辺機器モードになった場合、USBインターフェース111は、非アクティブモードとなり、USBシステムから切り離された状態になる。
【0021】
120は、メモリカードなどの取り外し可能な記憶装置(所謂、リムーバブルメディア)である。記憶装置120は、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの記憶媒体にデータを記録する記録部121と、撮像装置100のインターフェース125とデータ通信可能なインターフェース122と、撮像装置100のコネクタ124と接続可能なコネクタ123とを備える。124は、記憶媒体200のコネクタ123と接続可能なコネクタである。125は、記憶媒体200のインターフェース122とデータ通信可能なインターフェースである。126は、記憶媒体200がコネクタ92に装着されているか否かを検知する検知部である。127は、記憶媒体200の誤消去防止爪の状態を検知する検知部である。
【0022】
次に、図2を参照し、第2の実施の形態における電子機器の主要な処理手順を説明する。尚、図2に示すフローチャートは、ホストモードまたは周辺機器モードが選択された場合、ホストモードが所定時間以上継続された場合、ホストモードまたは周辺機器モードが選択された状態で、電源ユニット300、大容量バッテリ400または通常バッテリ500を撮像装置100に接続した場合に開始される。
【0023】
ステップS201:システム制御部50は、モードダイヤルスイッチ60がホストモードを選択しているか否かを判別する。モードダイヤルスイッチ60がホストモードを選択している場合、本フローチャートは、ステップS202に進む。そうでない場合、本フローチャートは、ステップS207に進む。
【0024】
ステップS202:電源制御部82は、撮像装置100に電源ユニット300が接続されているか否かを判別し、その結果をシステム制御部50に通知する。電源ユニット300が接続されていない場合、本フローチャートは、ステップS203に進む。一方、電源ユニット300が接続されている場合、本フローチャートは、ステップS205に進む。
【0025】
ステップS203:電源制御部82は、撮像装置100に大容量バッテリ400が接続されているか、それとも、通常バッテリ500が接続されているかを判別し、その結果をシステム制御部50に通知する。大容量バッテリ400が接続されている場合、本フローチャートは、ステップS204に進む。一方、通常バッテリ500が接続されている場合、本フローチャートは、ステップS206に進む。
【0026】
ステップS204:電源制御部82は、大容量バッテリ400の残量が所定のレベル(即ち、撮像装置100がホストとして所定時間以上動作するのに十分なレベル)以上あるか否かを判別し、その結果をシステム制御部50に通知する。大容量バッテリ400の残量が所定のレベル以上ない場合、本フローチャートは、ステップS206に進む。一方、大容量バッテリ400の残量が所定のレベル以上ある場合、本フローチャートは、ステップS205に進む。
【0027】
ステップS205:システム制御部50は、撮像装置100の動作モードをホストモードとし、USBインターフェース110を非アクティブモードとし、USBインターフェース111をアクティブモードとする。これにより、撮像装置100は、USBシステムのホストとして機能し、同システムのUSBデバイス(例えば、プリンタ)のデータ通信を管理することができるようになる。また、撮像装置100は、Aタイプコネクタ113に接続されたUSBデバイスまたはUSBハブに最大500mAの電流を出力することができるようになる。
【0028】
ステップS206:システム制御部50は、撮像装置100の動作モードがホストモードとなることを禁止する。また、システム制御部50は、ホストとして動作できないことを示す警告情報をユーザに通知するために、その警告情報を表示部28または表示部54に表示する。例えば、「バッテリの残量が不足しています。電源ユニット、または、十分に充電した大容量バッテリを装着して下さい。」というメッセージを表示部28または表示部54に表示する。
【0029】
ステップS207:システム制御部50は、モードダイヤルスイッチ60が周辺機器モードを選択しているか否かを判別する。モードダイヤルスイッチ60が周辺機器モードを選択している場合、本フローチャートは、ステップS208に進む。そうでない場合、本フローチャートは終了する。
【0030】
ステップS208:システム制御部50は、撮像装置100の動作モードを周辺機器モードとし、USBインターフェース110をアクティブモードとし、USBインターフェース111を非アクティブモードとする。これにより、撮像装置100は、USBデバイスとして機能し、同システムのホスト(例えば、パーソナルコンピュータ)によってデータ通信が管理される状態になる。また、撮像装置100は、Bタイプコネクタ112に接続されたホストまたはUSBハブから供給された最大500mAの電流を入力することができるようになる。
【0031】
以上説明したように、第1の実施の形態における撮像装置100によれば、電源ユニット300が接続されている場合には、ホストモードを禁止せず、通常バッテリ500が接続されている場合には、ホストモードを禁止することができる。つまり、電源の種類に応じてホストモードを制限することができるので、撮像装置100がホストとしての機能を開始した直後に動作不能になってしまうことを未然に防止することができる。
【0032】
また、第1の実施の形態における撮像装置100によれば、所定のレベル以上の残量がある大容量バッテリ400が接続されている場合には、ホストモードを禁止せず、所定のレベル以上の残量がない大容量バッテリ400が接続されている場合には、ホストモードを禁止することができる。つまり、大容量バッテリ400の残量に応じてホストモードを制限することができるので、撮像装置100がホストとしての機能を開始した直後に動作不能になってしまうことを未然に防止することができる。
【0033】
尚、第1の実施の形態は、Bタイプコネクタ112とAタイプコネクタ113とを別々に設けた構成について説明したが、第1の実施の形態は、Bタイプコネクタ112とAタイプコネクタ113とを兼用するコネクタを1つだけ設けた構成でも実現することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、Bタイプコネクタ112及びAタイプコネクタ113を撮像装置100の任意の位置(但し、電源ユニット300、大容量バッテリ400または通常バッテリ500によって覆い隠されない位置)に設置する例について説明した。これに対して、第2の実施の形態では、Aタイプコネクタ113を設置する位置に制限を加える例について説明する。
【0035】
図3、図4及び図5を参照し、第2の実施の形態における撮像装置100について説明する。尚、第2の実施の形態における撮像装置100は、Aタイプコネクタ113を設置する位置を除き、第1の実施の形態と同様の構成(即ち、図1に示す構成)を備える。また、第2の実施の形態における撮像装置100は、第1の実施の形態と同様の処理手順(即ち、図2に示す処理手順)を実行する。
【0036】
図3(a)は、電源ユニット300を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図3(b)は、電源ユニット300を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図3(a)及び(b)に示すように、Aタイプコネクタ113は、電源ユニット300によって覆い隠されることのない位置に配置されている。
【0037】
図4(a)は、大容量バッテリ400を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図4(b)は、大容量バッテリ400を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図4(a)及び(b)に示すように、Aタイプコネクタ113は、電源ユニット300によって覆い隠されることのない位置に配置されている。尚、図4(a)及び(b)に示すAタイプコネクタ113は、図3(a)及び(b)に示すAタイプコネクタ113と同じ位置に配置されている。また、大容量バッテリ400の形状及び装着位置は、電源ユニット300のそれと略同一である。
【0038】
図5(a)は、通常バッテリ500を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図5(b)は、通常バッテリ500を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図5(a)及び(b)に示すように、Aタイプコネクタ113は、通常バッテリ500により覆い隠される位置に設置されている。尚、図5(a)及び(b)に示すAタイプコネクタ113は、図3(a)及び(b)に示すAタイプコネクタ113と同じ位置に配置されている。
【0039】
図3、図4及び図5に示すように、第2の実施の形態では、通常バッテリ500には覆い隠されるが、電源ユニット300及び大容量バッテリ400には覆い隠されることのない位置にAタイプコネクタ113を設置する。このような構成を採用することにより、通常バッテリ500を撮像装置100に接続した場合には、USBデバイスまたはUSBハブを撮像装置100に物理的に接続できないようにすることができる。つまり、電源ユニット300または大容量バッテリ400を撮像装置100に接続した場合に限り、Aタイプコネクタ113を使用可能にすることができるので、撮像装置100がホストとしての機能を開始した直後に動作不能になってしまうことを未然に防止することができる。
【0040】
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態では、撮像装置100がAタイプコネクタ113を備える例について説明した。これに対して、第3の実施の形態では、電源ユニット300及び大容量バッテリ400がAタイプコネクタ113を備える場合について説明する。
【0041】
図6、図7及び図8を参照し、第3の実施の形態における撮像装置100について説明する。尚、第3の実施の形態における撮像装置100は、Aタイプコネクタ113の替わりにAタイプコネクタ113とは形状の異なる独自のコネクタ116を備えている点を除き、第1の実施の形態と同様の構成(即ち、図1に示す構成)を備える。また、第3の実施の形態における撮像装置100は、第1の実施の形態と同様の処理手順(即ち、図2に示す処理手順)を実行する。
【0042】
図6(a)は、電源ユニット300を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図6(b)は、電源ユニット300を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図6(a)及び(b)に示すように、電源ユニット300は、電源カプラ上にAタイプコネクタ113を備える。尚、電源ユニット300は、電力を撮像装置100に供給する電源ラインの他に、Aタイプコネクタ113とコネクタ116との間を中継する信号ラインを備える。このような構成を採用することにより、電源ユニット300を撮像装置100に装着しなければ、ホストまたはUSBハブを撮像装置100に接続することができないようになる。
【0043】
図7(a)は、大容量バッテリ400を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図7(b)は、大容量バッテリ400を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図7(a)及び(b)に示すように、大容量バッテリ400は、Aタイプコネクタ113を備えている。尚、大容量バッテリ400は、電力を撮像装置100に供給する電源ラインの他に、Aタイプコネクタ113とコネクタ116との間を中継する信号ラインを備えている。このような構成を採用することにより、大容量バッテリ400を撮像装置100に装着しなければ、ホストまたはUSBハブを撮像装置100に接続することができるようになる。
【0044】
図8(a)は、通常バッテリ500を装着した撮像装置100の側面の一例を示す図である。図8(b)は、通常バッテリ500を装着した撮像装置100の後面の一例を示す図である。図8(a)及び(b)に示すように、通常バッテリ500はAタイプコネクタ113を備えていない。このような構成を採用することにより、通常バッテリ500を撮像装置100に装着した場合には、ホストまたはUSBハブを撮像装置100に物理的に接続することができないようになる。
【0045】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、Aタイプコネクタ113を電源ユニット300及び大容量バッテリ400に設置したので、通常バッテリ500を撮像装置100に接続した場合にはUSBデバイスを撮像装置100に物理的に接続できないようにすることができる。つまり、電源ユニット300または大容量バッテリ400を撮像装置100に接続した場合に限り、Aタイプコネクタ113を使用可能にすることができるので、撮像装置100がホストとしての機能を開始した直後に動作不能になってしまうことを未然に防止することができる。
【0046】
尚、上述の各実施の形態では、カメラ一体型ディジタルビデオレコーダ、ディジタルカメラなどの撮像装置について説明したが、本発明はこれに限るものではない。本発明は、USB1.1規格に準拠したホストの機能とUSB1.1規格に準拠したUSBデバイスの機能とを備えた電子機器であれば適用することができる。
【0047】
また、上述の各実施の形態では、USB1.1規格に準拠したホストの機能とUSB1.1規格に準拠したUSBデバイスの機能とを備えた電子機器について説明したが、本発明はこれに限るものではない。本発明は、USB2.0規格またはその拡張規格に準拠したホストとUSB2.0規格またはその拡張規格に準拠したUSBデバイスの機能とを備えた電子機器にも適用することができる。また、本発明は、USB1.1規格のように、ホストから周辺機器に所定の電流(または、電力)を供給するシステムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 レンズ
12 露光部
14 撮像素子
16 A/D変換器
18 タイミング制御部
22 画像処理部
26 D/A変換器
28 表示部
30 メモリ
32 圧縮/伸長部
31 記録/再生部
33 記憶媒体
40 露光制御手段
42 測距制御手段
44 ズーム制御手段
50 システム制御部
52 メモリ
54 表示部
56 不揮発性メモリ
60 モードダイヤルスイッチ
62 トリガースイッチ(静止画像用)
64 トリガースイッチ(動画像用)
70 操作部
80 コネクタ
82 電源制御部
100 撮像装置
110 USBインターフェース(USBデバイス用)
111 USBインターフェース(ホスト用)
112 Bタイプコネクタ
113 Aタイプコネクタ
114、115 USBケーブル
120 記憶装置
121 記録部
122 インターフェース(記憶装置120側)
123 コネクタ(記憶装置120側)
124 コネクタ(撮像装置100側)
125 インターフェース(撮像装置100側)
126 検知手段(記憶装置120の着脱)
127 検知手段(誤消去防止爪の状態)
300 電源ユニット
400 大容量バッテリ
500 通常バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストとして機能する第1の動作モードと、周辺機器として機能する第2の動作モードとを備えた電子機器であって、
前記電子機器に接続された電源の種類を判別する判別手段を備え、
前記第1の動作モードを前記電源の種類に応じて制限することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器に接続された電源がAC電源をDC電源に変換する電源ユニットである場合、前記第1の動作モードを禁止しないことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器に接続された電源が第1のバッテリよりも容量の少ない第2のバッテリである場合、前記第1の動作モードを禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器に接続された電源が前記第1のバッテリである場合、前記第1の動作モードを前記第1のバッテリの残量に応じて禁止することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の動作モードは、USB1.1規格、USB2.0規格またはその拡張規格に準拠したホストとして機能する動作モードであり、前記第2の動作モードは、USB1.1規格、USB2.0規格またはその拡張規格に準拠したUSBデバイスとして機能する動作モードであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は、撮像装置であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
ホストとして機能する第1の動作モードと、周辺機器として機能する第2の動作モードとを備えた電子機器であって、
前記電子機器に接続されたバッテリの残量を検出する検出手段を備え、
前記第1の動作モードを前記バッテリの残量に応じて制限することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記第1の動作モードは、USB1.1規格、USB2.0規格またはその拡張規格に準拠したホストとして機能する動作モードであり、前記第2の動作モードは、USB1.1規格、USB2.0規格またはその拡張規格に準拠したUSBデバイスとして機能する動作モードであることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記電子機器は、撮像装置であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−155705(P2011−155705A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109447(P2011−109447)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2001−200731(P2001−200731)の分割
【原出願日】平成13年7月2日(2001.7.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】