説明

電子機器

【課題】モノクロ表示を行う表示パネルと当該表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、当該バックライトの発光色の切り替えに関する利便性が高い電子機器を提供する。
【解決手段】モノクロ表示を行う表示パネルと、前記表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、前記バックライトの発光色の切り替えが可能な電子機器であって、システム変数(前記電子機器の各種設定を定める内部アドレス)によって前記バックライトの発光色を制御する第1の制御動作と、画面データ(前記表示装置に表示される画面のデータ)に含まれる画面属性によって前記バックライトの発光色を制御する第2の制御動作とを行うが、前記第2の制御動作よりも前記第1の制御動作を優先する電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、モノクロ表示を行う表示パネルと当該表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、当該バックライトの発光色(以下、「バックライト色」ともいう)の切り替えが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モノクロ表示を行う表示パネルと当該表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備える電子機器の代表例として、プログラマブル表示器が挙げられる。
【0003】
プログラマブル表示器は、制御システムのHMI(Human Machine Interface)として用いられるものであり、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、温調器、インバータなどのコントローラとの通信インターフェースを備えており、当該コントローラと通信して、当該コントローラに接続されたデバイスの状態を表示するとともに、画面から受け付ける操作入力に応じてデバイスの状態を制御する。
【0004】
そして、プログラマブル表示器の中には、バックライト色の切り替えが可能なものがある(例えば特許文献1参照)。特許文献1において提案されているプログラマブル表示器は、パーソナルコンピュータから送られてくるバックライト色の選択実行コマンドにより、あるいは、ユーザのソフトスイッチ選択操作により、バックライト色を設定して、バックライト色の切り替えを可能にしている。なお、特許文献1には、バックライト色の設定をどのように実現するかについては明記されていないが、技術常識を参酌すると、プログラマブル表示器内のメモリが記憶しているシステム変数(内部アドレス)の一項目にバックライト色が含まれており、そのシステム変数のバックライト色に関する設定値によってバックライト色の設定を行っていると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−199559号公報(段落0025、0040、0041)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、バックライト色に関するシステム変数の値によってのみバックライト色の設定を行うプログラマブル表示器においては、各画面でバックライト色を切り替えたい場合、画面切り替え毎に毎回バックライト色に関するシステム変数の値を更新する必要があり、煩わしいという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、モノクロ表示を行う表示パネルと当該表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、当該バックライトの発光色の切り替えに関する利便性が高い電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、モノクロ表示を行う表示パネルと、前記表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、前記バックライトの発光色の切り替えが可能な電子機器であって、前記電子機器の各種設定を定めるシステム変数を記憶する第1の記憶部と、前記表示装置に表示される画面のデータである画面データを記憶する第2の記憶部と、前記システム変数によって前記バックライトの発光色を制御する第1の制御動作と、前記画面データに含まれる画面属性によって前記バックライトの発光色を制御する第2の制御動作とを行うが、前記第2の制御動作よりも前記第1の制御動作を優先するバックライト制御部とを備える構成とする。尚、前記第1の記憶部と前記第2の記憶部とは、物理的に同一のものであってもよく、あるいは、別々のものであってもよい。
【0009】
前記第2の制御動作よりも前記第1の制御動作を優先する方策として、例えば、前記システム変数の前記バックライトの発光色に関する設定値に、前記第2の制御動作を行う旨の設定値を含めるようにしてもよい。
【0010】
また、上記いずれかの構成の電子機器を、プログラマブル表示器としてもよい。この場合、さらに、前記画面データが、ベース画面のデータと、画像化された部品のデータと、前記部品それぞれに付与された処理指示語とを含み、前記画面属性の前記バックライトの発光色に関する設定値が、前記ベース画面のデータに含まれるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電子機器によると、システム変数によるバックライト色制御と画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御とを、後者よりも前者の優先度を上げることで両立させている。これにより、システム変数によるバックライト色制御により、表示中の画面を切り替えることなくバックライト色の切り替えを行うことができるだけでなく、画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御により、各画面でバックライト色を切り替えたい場合、画面切り替え毎に毎回システム変数の値を更新しなくても、各画面を表示したいバックライト色で表示することもできる。したがって、本発明に係る電子機器は、バックライト色に関するシステム変数の値によってのみバックライト色の設定を行う従来の電子機器に比べて、バックライトの発光色の切り替えに関する利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器を用いた制御システムの一構成例を示す図である。
【図2】バックライトに関連する設定例を示す図である。
【図3】バックライトに関連する他の設定例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器のバックライト色の切り替えに関連する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器1(以下、「プログラマブル表示器1」と略す)を用いた制御システムの一構成例を示す図である。図1に示す制御システムは、プログラマブル表示器1と、制御用ホストコンピュータ2と、通信ネットワーク3と、PLC4と、デバイス5とを備えている。
【0014】
プログラマブル表示器1は、通信ネットワーク3を介して制御用ホストコンピュータ2と接続されている。
【0015】
PLC4は、ユーザが作成した制御プログラム(ラダープログラム)を実行することにより、例えば、数十msなどの予め定められたスキャンタイム毎に、入力用のデバイス5の状態を取り込むとともに、出力用のデバイス5に制御指示を与える。
【0016】
入力用のデバイス5としては、例えば、スイッチ、センサなどがあり、出力用のデバイス5としては、例えば、ランプ、バルブなどがある。これら各種のデバイス5は、製造ラインなどの各種のターゲットシステムの所要各部に配置される。
【0017】
次に、プログラマブル表示器1の構成について説明する。プログラマブル表示器1は、CPU(Central Processing Unit)11と、インターフェース部12及び13と、SRAM(Static RAM)14と、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)15と、DRAM(Dynamic RAM)16と、液晶表示装置17と、タッチパネル18とを備えている。液晶表示装置17は、表示制御部17Aと、液晶表示パネル17Bと、バックライト17Cとを有している。
【0018】
後述の説明により明らかになるが、液晶表示装置17内の液晶表示パネル17Bが請求項中の「表示パネル」の一例として機能し、FEPROM15が請求項中の「第1の記憶部」及び「第2の記憶部」の一例として機能し、CPU11と液晶表示装置17内の表示制御部17Aとが請求項中の「バックライト制御部」の一例として機能する。
【0019】
インターフェース部12は、プログラマブル表示器1が制御用ホストコンピュータ2との間の通信を行うための通信制御部であり、通信ネットワーク3に接続されている。インターフェース部12は、制御用ホストコンピュータ2のIPアドレスに基づくネットワーク通信を行うことができるように構成されている。
【0020】
インターフェース部13は、プログラマブル表示器1がPLC4との間の通信を行うための通信制御部である。インターフェース部13は、PLC4がシリアル通信を行う機種である場合にはPLC4のメーカや機種に応じた通信プロトコルを用いてシリアル通信を行い、PLC4がネットワーク通信を行う機種である場合にはネットワーク通信を行うように構成されている。
【0021】
SRAM14は、PLC4から得たデータやプログラマブル表示器1で発生したデータを格納するデータメモリである。
【0022】
PLC4から得たデータとしては、サンプリングデータが挙げられる。サンプリングデータは、PLC4がデバイス5から得たデータであり、発生順にSRAM14に格納される。
【0023】
プログラマブル表示器1で発生したデータとしては、アラームデータ、折れ線グラフデータ、操作ログデータなどが挙げられる。
【0024】
アラームデータは、アラームに関する情報である。CPU11は、PLC4における所定のアラームビットがONしたことを受信すると、当該アラームビットに対して予め設定されているアラームについての内容(メッセージ)などを発報時刻(受信時刻)と併せて作成し、アラームデータとする。折れ線グラフデータは、折れ線グラフを表示するためのデータである。CPU11は、上記のサンプリングデータに基づいて折れ線グラフデータを作成する。操作ログデータは、プログラマブル表示器1に対するユーザの操作履歴に関するデータであり、ユーザがプログラマブル表示器1に対して行った操作内容(ログイン、ログアウト、画面における各タッチ操作など)や、操作者情報(氏名、所属など)や、その発生時刻などからなる。
【0025】
FEPROM15は、システム変数、画面データ、表示/制御プログラム、通信プロトコルデータ、通信プログラム、プロトコル変換プログラム、ラダープログラム、ラダー処理プログラムなどを格納している。これらの各種データ、プログラムは、FEPROM15に予め格納されていてもよいし、プログラム表示器1に記憶媒体再生部を設けるようにして当該記憶媒体再生部によってCD−ROMなどの記憶媒体から読み取られてFEPROM15に予め格納されてもよい。また、これらの各種データ、プログラムは、通信ネットワーク3、あるいは他の通信伝送路を介して、例えば制御用ホストコンピュータ2からプログラマブル表示器1に転送され、FEPROM15に格納されてもよい。
【0026】
システム変数は、プログラマブル表示器1の各種設定を定めるものであり、本実施形態においてはシステム変数の一項目にバックライト色が含まれている。
【0027】
画面データは、液晶表示装置17に表示される画面(ユーザ画面)のデータであり、ベース画面のデータと、スイッチ、ランプなどの画像化された部品のデータと、各部品に付与された処理指示語(タグ)とを含んでいる。
【0028】
上記のタグは、ベース画面上で実行されるべき事象ごとに作成されており、基本的には、表示制御動作を実行すべきベース画面のファイル番号と、このベース画面上で実行されるべき動作内容を特定する事象名と、実行事象毎に参照される1または複数のデータからなる参照情報とを一組として備えている。例えば、タグが所定のデバイスアドレスの内容に応じた部品図形を所定の画面領域(表示座標範囲)に表示する表示タグである場合、参照情報には、表示するための座標範囲(X,Y)と、表示対象を特定するファイル番号と、表示対象の所定の状態を示す所定のデバイスアドレスとが含まれる。また、タグが入力タグである場合、参照情報には、有効入力座標範囲(X,Y)と、入力結果が書き込まれるデバイスアドレスとが含まれる。
【0029】
ベース画面のデータには画面属性の設定値が含まれており、本実施形態においては画面属性の一項目にバックライト色が含まれている。
【0030】
DRAM16は、表示制御などの演算処理時の作業用に用いられる他、PLC4との間でやり取りされるデータの一時的な記憶などに用いられる作業メモリである。
【0031】
液晶表示装置17は、モノクロ表示を行う液晶表示パネル17Bと、液晶表示パネル17Bの背面に設けられるバックライト17Cと、液晶表示パネル17B及びバックライト17CをCPU11からの指示に従って制御する表示制御部17Aとを有している。バックライト17Cは、バックライト色の切り替えが可能であるバックライトであって、本実施形態においては、液晶表示パネル17Bの背面に固定された導光板と、当該導光板の背面に固定された反射板と、当該導光板の一側面側に設置された互いに発光色の異なる2つの発光ダイオードとを有する構成としている。
【0032】
例えば、上記の2つの発光ダイオードを、緑色発光ダイオードと赤色発光ダイオードにした場合、バックライト17Cのバックライト色は、緑色発光ダイオードのみの発光による緑色と、赤色発光ダイオードのみの発光による赤色と、緑色発光ダイオード及び赤色発光ダイオードの発光による橙色との三種類となる。この場合、ベース画面のデータに含まれる画面属性のバックライトに関連する項目及びその設定値と、システム変数に含まれる画面属性のバックライトに関連する項目及びその設定値とは、図2に示すようになる。
【0033】
また、例えば、上記の2つの発光ダイオードを、白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードにした場合、バックライト17Cのバックライト色は、白色発光ダイオードのみの発光による白色と、赤色発光ダイオードのみの発光による赤色と、白色発光ダイオード及び赤色発光ダイオードの発光による桃色との三種類となる。この場合、ベース画面のデータに含まれる画面属性のバックライトに関連する項目及びその設定値と、システム変数に含まれる画面属性のバックライトに関連する項目及びその設定値とは、図3に示すようになる。
【0034】
タッチパネル18は、液晶表示装置17の表示画面上でタッチ入力を行うために液晶表示装置17の表示画面上に配置されている入力装置である。
【0035】
次に、プログラマブル表示器1のバックライト色の切り替えに関連する動作について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0036】
プログラマブル表示器1に電源が投入されると、図4に示すフローチャートが開始される。まず、CPU11は、システム変数のバックライト色に関する設定値をFEPROM15から読み出し(ステップS10)、システム変数のバックライト色に関する設定値が00hであるか否かを判定する(ステップS20)。
【0037】
システム変数のバックライト色に関する設定値が00hであれば(ステップS20のYES)、CPU11は、液晶表示装置17に表示中の画面に対応する画面データに含まれるベース画面のデータの一部である画面属性のバックライト色に関する設定値及びバックライト点滅に関する設定値をFEPROM15から読み出す(ステップS30)。
【0038】
ステップS30に続くステップS40において、CPU11は、上記の画面属性のバックライト色に関する設定値及びバックライト点滅に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と異なるか否かを判定する。なお、ステップS40及び後述するステップS60の処理を実現するために、プログラマブル表示器1は、現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に関する情報をDRAM16に一時的に記憶させており、ステップS40及び後述するステップS60において、CPU11が、現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に関する情報をDRAM16から読み出すようにしている。
【0039】
上記の画面属性のバックライト色に関する設定値及びバックライト点滅に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と同一であれば(ステップS40のNO)、ステップS10に戻る。一方、上記の画面属性のバックライト色に関する設定値及びバックライト点滅に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と異なれば(ステップS40のYES)、CPU11は、現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)から上記の画面属性のバックライト色に関する設定値及びバックライト点滅に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に切り替わるように、表示制御部17Aに指示を出すとともに、DRAM16が一時的に記憶している現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に関する情報を更新し(ステップS50)、その後、ステップS10に戻る。
【0040】
また、上述したステップS20での判断において、システム変数のバックライト色に関する設定値が00hでなければ(ステップS20のNO)、CPU11は、システム変数のバックライト色に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と異なるか否かを判定する(ステップS60)。
【0041】
システム変数のバックライト色に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と同一であれば(ステップS60のNO)、ステップS10に戻る。一方、システム変数のバックライト色に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)が現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)と異なれば(ステップS60のYES)、CPU11は、現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)からシステム変数のバックライト色に関する設定値に対応するバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に切り替わるように、表示制御部17Aに指示を出すとともに、DRAM16が一時的に記憶している現在のバックライト色(ここでは点灯か点滅かの区別も含む)に関する情報を更新し(ステップS70)、その後、ステップS10に戻る。
【0042】
そして、プログラマブル表示器1に電源が供給されている限り、上述した一連の動作(バックライト色の制御動作)が繰り返される。
【0043】
上述したバックライト色の制御動作では、システム変数によるバックライト色制御と表示中の画面に対応する画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御とを、後者よりも前者の優先度を上げることで両立させている。これにより、システム変数によるバックライト色制御により、表示中の画面を切り替えることなくバックライト色の切り替えを行うことができるだけでなく、表示中の画面に対応する画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御により、各画面でバックライト色を切り替えたい場合、画面切り替え毎に毎回システム変数の値を更新しなくても、各画面を表示したいバックライト色で表示することもできる。したがって、プログラマブル表示器1は、バックライト色に関するシステム変数の値によってのみバックライト色の設定を行う従来のプログラマブル表示器に比べて、バックライトの発光色の切り替えに関する利便性が高い。
【0044】
システム変数によるバックライト色制御は、例えば、液晶表示パネル17Bでの表示内容は同一でバックライト色のみを変更をしてターゲットシステムが特定の状態になったことをユーザに知らせるような画面のデータを作成する場合に、一つの画面データを作成するだけで済むので、便利である。その反面、システム変数によるバックライト色制御は、各画面でバックライト色を切り替えたい場合、画面切り替え毎に毎回バックライト色に関するシステム変数の値を更新する必要があり、煩わしいという問題がある。
【0045】
プログラマブル表示器1では、表示中の画面に対応する画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御も可能であるため、上記の問題を解決することができる。すなわち、各画面でバックライト色を切り替えたい場合には、システム変数によるバックライト色制御ではなく、表示中の画面に対応する画面データに含まれる画面属性によるバックライト色制御が実行されるようにすることで、画面切り替え毎に毎回システム変数の値を更新しなくても、各画面を表示したいバックライト色で表示することができ、便利である。
【0046】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、バックライトの光源を発光ダイオードにしているが、発光ダイオード以外の発光素子をバックライトの光源として用いても構わない。また、上述した実施形態では、バックライト色を三種類としているが、バックライト色は二種類であってもよく四種類以上であってもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、プログラマブル表示器の記憶部を、SRAM、FEPROM、及びDRAMの三つのメモリで構成したが、これ以外のメモリの種類や個数であっても構わない。また、システム変数と画像データとが同一のメモリでなく、別々のメモリに格納されてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、本発明をプログラマブル表示器に適用したが、モノクロ表示を行う表示パネルと当該表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、当該バックライトの発光色の切り替えが可能な電子機器全般に適用可能であり、プログラマブル表示器以外に例えば携帯電話機やPOS(Point of sale)端末などに適用することが考えられる。
【符号の説明】
【0050】
1 本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器
2 制御用ホストコンピュータ
3 通信ネットワーク
4 PLC
5 デバイス
11 CPU
12、13 インターフェース部
14 SRAM
15 FEPROM
16 DRAM
17 液晶表示装置
17A 表示制御部
17B 液晶表示パネル
17C バックライト
18 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノクロ表示を行う表示パネルと、前記表示パネルの背面に設けられるバックライトとを有する表示装置を備え、前記バックライトの発光色の切り替えが可能な電子機器であって、
前記電子機器の各種設定を定めるシステム変数を記憶する第1の記憶部と、
前記表示装置に表示される画面のデータである画面データを記憶する第2の記憶部と、
前記システム変数によって前記バックライトの発光色を制御する第1の制御動作と、前記画面データに含まれる画面属性によって前記バックライトの発光色を制御する第2の制御動作とを行うが、前記第2の制御動作よりも前記第1の制御動作を優先するバックライト制御部とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記システム変数の前記バックライトの発光色に関する設定値に、前記第2の制御動作を行う旨の設定値が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
プログラマブル表示器であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記画面データが、ベース画面のデータと、画像化された部品のデータと、前記部品それぞれに付与された処理指示語とを含み、
前記画面属性の前記バックライトの発光色に関する設定値が、前記ベース画面のデータに含まれることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−39143(P2011−39143A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184265(P2009−184265)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】