説明

電子機器

【課題】
キーボードユニットを有する薄型化された電子機器を提供する。
【解決手段】
キーボードユニット9のプレート40が底面40Aから突出する複数のボス43を備える。複数のボス43の先端に第1の回路基板50A等が当接して設けられ、ボス43と第1の回路基板50Aとがネジ51により連結されている。つまり、キーボードユニット9のプレート40のボス43に第1の回路基板50Aを連結することができるので、従来のように第1の回路基板50Aを固定するための金属フレームをキーボードユニット9とは別に設ける必要がなく、電子機器1の薄型化を図ることができる。第1の回路基板50Aに電子部品54,55が片面実装されている。このため、第1の回路基板50Aの第1の表面52とプレート40の底面40Aとの間に、電子部品54,55が配置される。従って、電子機器1の厚さを薄くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式のノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の電子機器の外装部品内には、複数の電子部品等が実装された回路基板やキーボードユニットが内蔵されている。このような電子機器は、外部から衝撃等が付与されたときにこの衝撃からこれらのこの回路基板を保護するための構造を備えている。例えば電子機器の外装部品の内部に金属フレームが取り付けられ、この金属フレームに回路基板がネジ止めされる構造にすることで、耐衝撃性の向上が図られている。このような金属フレームには、回路基板に実装されている電子部品等のグランド端子がグランド線を介して電気的に接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−305041号公報(段落[0085]、[0086]、図16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、キーボードユニットとは別に、回路基板を取り付けるための金属フレームを外装部品の内部に備える必要がある。このため、キーボードユニットに金属フレーム及び回路基板が重なり、この結果、電子機器の厚さが厚くなる、という問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、キーボードユニットを有する薄型化された電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電子機器は、キーボードユニットと、第1の回路基板と、第1の電子部品とを有する。
【0006】
上記キーボードユニットは、互いに表裏反対の表面及び底面、上記底面から突出して設けられた第1の連結部を有するプレートと、上記プレートの上記表面側に設けられた複数のキーとを有する。
【0007】
上記第1の回路基板は、上記第1の連結部を介して上記底面に対向するように設けられ、上記第1の連結部に連結される第2の連結部と、上記底面に対向する側の面である第1の表面とを有する。上記第1の電子部品は、上記第1の回路基板の上記第1の表面に実装されている。
【0008】
本発明では、キーボードユニットがプレートの底面から突出して設けられた第1の連結部を備え、第1の回路基板が第2の連結部を備える。このため、第1の連結部を介してプレートの底面と第1の回路基板の第1の表面とが離間し対向した状態で、プレートの第1の連結部と第1の回路基板の第2の連結部とを連結することができる。つまり、第1の回路基板を連結するためにキーボードユニットのプレートを用いることができるので、従来のように第1の回路基板を固定するための金属フレームをキーボードユニットとは別に設ける必要がなく、電子機器の薄型化を図ることができる。また、第1の回路基板の第1の表面とプレートの底面との間に、第1の電子部品が配置されるので、第1の回路基板の第1の表面とは表裏反対の面に電子部品が配置されている場合に比べて、電子機器の厚さを薄くすることができる。
【0009】
上記プレートの上記底面は、上記第1の回路基板との対向領域に当たる第1の領域と、上記対向領域から外れた領域に当たる第2の領域とを有し、上記プレートは、上記第2の領域で上記底面から突出して設けられた第3の連結部を有し、当該電子機器は、上記第3の連結部を介して上記第2の領域に対向するように設けられ、上記第3の連結部に連結される第4の連結部と、上記第2の領域に対向する側の面である第2の表面とを有する第2の回路基板と、上記第2の回路基板の上記第2の表面に実装された第2の電子部品とを更に具備するにしてもよい。
【0010】
これにより、第1の回路基板と、第2の回路基板とがプレートの底面に直交する方向で重なる場合に比べて、第1の回路基板と、第2の回路基板とを備える電子機器の厚さを薄くすることができる。また、第2の回路基板の第2の表面に実装された第2の電子部品が、キーボードユニットのプレートの底面の第2の領域と、第2の表面との間に配置されるので、電子機器の厚さを薄くすることができる。
【0011】
上記底面は、上記第1の領域及び上記第2の領域から外れた領域であって上記第1の領域に近接して設けられた領域である第3の領域を有し、上記プレートは、上記第3の領域から突出して設けられた第5の連結部を有し、当該電子機器は、上記第5の連結部に連結された第6の連結部を有し上記第3の領域に設けられたパッケージングデバイスを更に具備するにしてもよい。
【0012】
これにより、第3の領域の第5の連結部にパッケージングデバイスの第6の連結部を連結することで、プレートに対してパッケージングデバイスを連結することができる。このとき、パッケージングデバイスが第3の領域に設けられている。従って、第1の回路基板の第1の表面にパッケージングデバイスを実装する場合に比べて、第1の回路基板とパッケージングデバイスとの底面に直交する方向での重なりを防止し電子機器の薄型化を図ることができる。また、キーボードユニットに対する第2の回路基板の組み付け作業とは別に、パッケージングデバイスをキーボードユニットに組み付けることができるので、パッケージングデバイスの組み付け、交換等の作業性を向上させることができる。ここで、パッケージングデバイスは、例えば無線通信モジュールである。
【0013】
上記パッケージングデバイスは、上記第6の連結部が設けられている連結用端部を有し、上記連結用端部は、上記第5の連結部に対向する第3の面と、上記第3の面と表裏反対の面である第4の面と、第4の面に配置され、外部の機器が接続可能な外部接続端子とを有するようにしてもよい。
これにより、連結用端部の第3の面を第5の連結部に対向させて第5の連結部と第6の連結部とを連結することができる。このとき、連結用端部の第3の面と表裏反対の面である第4の面が作業者に対面する側に露出するので、第4の面に配置された外部接続端子に外部の機器を容易に接続することができる。このように、外部の機器の組み付け及び交換の作業性を向上させることができる。ここで、外部の機器は、例えばアンテナである。
【0014】
上記プレート及び上記第1の連結部は金属製であり、上記第1の連結部が上記第1の回路基板のグランド線に電気的に接続されているようにしてもよい。
これにより、第1の電子部品のグランドとしてキーボードユニットの金属製のプレートを用いることができる。
【0015】
上記第1の回路基板の第1の表面及び第1の裏面のうち上記第1の表面にのみ電子部品が実装されているようにしてもよい。
これにより、第1の回路基板の第1の裏面に電子部品を実装せずに、第2の回路基板の第2の裏面に電子部品を実装せずに、第1の回路基板及び第2の回路基板を片面実装にすることで、電子機器の厚さを薄くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キーボードユニットを有する電子機器を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の開いた状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電子機器の閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す電子機器の左側面図である。
【図4】図1に示す電子機器の右側面図である。
【図5】図1に示す電子機器の底面図である。
【図6】図2に示す電子機器の背面図である。
【図7】図6に示す電子機器の連結部付近の部分側面図である。
【図8】図1に示す電子機器の連結部付近の構成を示す断面図である。
【図9】本体部に内蔵されているキーボードユニットを示す底面図である。
【図10】図9に示すキーボードユニットのA−A断面図である。
【図11】図9に示すキーボードユニットをパームレストに組み付けた状態を示す底面図である。
【図12】図11に示すキーボードユニットに各回路基板を組み付けた状態を示す底面図である。
【図13】図12に示す本体部の上面側部分のB−B断面図である。
【図14】図12に示す本体部の上面側部分のC−C断面図である。
【図15】図12に示す本体部の上面側部分のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<電子機器の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る電子機器の開いた状態を示す斜視図、図2は図1に示す電子機器の閉じた状態を示す斜視図である。
電子機器1は、表示部2と、本体部3と、これら表示部2と本体部3とを回動自在に連結する連結部4とを備えている。
【0019】
表示部2は、連結部4を介して本体部3に対して開閉可能である。表示部2は、表示部2の筐体5と、表示画面6と、筐体5内に設けられた表示処理を行う図示しないLCD(Liquid Crystal Display)表示パネルとを備えている。
【0020】
筐体5は、図示しないLCD表示パネルを収容する表示部2の外装部品である。表示画面6は、画像等の情報を表示するための画面であり、図2に示す閉じた状態で本体部3に対面する。
【0021】
本体部3は、本体部3の上面側の外装を構成するパームレスト7、本体部3の底面側の外装を構成するボトム8、キーボードユニット9、VGA(Video Graphics Array)コネクタ10、イーサーコネクタ11、図示しない中央処理装置、図1及び図2では図示しないSSD(Solid State Drive)等の部品を備える。
【0022】
パームレスト7と、ボトム8とは、本体部3の外装部品である。パームレスト7と、ボトム8とは共に略板形状を有し、互いに組み合わされて本体部3の外装面を形成する。キーボードユニット9は、例えば複数のキー等を備えており、電子機器1の入力部として機能する。VGAコネクタ10には、VGAコネクタケーブルが接続される。イーサーコネクタ11は、イーサーネットケーブルが接続される。中央処理装置は、ボトム8内の回路基板に実装されている。中央処理装置は、キーボードユニット9等からの入力信号を受けて、演算処理、制御処理、画像処理、表示部2への出力処理などの各種処理を行い、この電子機器1の実質的な機能上の本体として機能する。連結部4は、後述するように、表示部2と本体部3とを回動自在に連結する。図1に示す状態では、パームレスト7(の上面)に対する表示画面6の角度は、鈍角である。
【0023】
図3は図1に示す電子機器1の左側面図である。
本体部3の左側面3aには、複数のLAN(Local Area Network)ケーブル接続用のコネクタ13、ヘッドホンケーブル接続用のコネクタ14等が設けられている。LANケーブル接続用のコネクタ13には、LANケーブルが接続される。ヘッドホンケーブル用のコネクタ14には、イヤホン端子が接続される。
【0024】
図4は図1に示す電子機器1の右側面図である。
本体部3の右側面3bには、VGAコネクタ10と、イーサーコネクタ11とが設けられている。VGAコネクタ10は、イーサーコネクタ11より連結部4に近い位置で本体部3の右側面3bに設けられている。VGAコネクタ10は、ボトム8の底面8aから露出するVGAコネクタ下面10aを有している。本体部3の底面8aに直交する厚さ方向(図4に示すZ方向)でのVGAコネクタ下面10aの位置と底面8aの位置とが略等しい。イーサーコネクタ11は、本体部3の底面8a側を支点に回動自在に設けられたカバー11aを備えている。同様に、厚さ方向(図4に示すZ方向)でのイーサーコネクタ11のカバー11aの下面Kの位置と底面8aの位置とが略等しい。
【0025】
<ボトムチルトフットの構成>
図5は図1に示す電子機器1の底面図である。
本体部3の底面8aには、連結部4に近接して一対のボトムチルトフット20a,20bが設けられている。ボトムチルトフット20aは、幅方向(図5に示すY方向)で左側面3a側に設けられており、ボトムチルトフット20bは、幅方向(図5に示すY方向)で右側面3b側に設けられている。ボトムチルトフット20a,20bは、本体部3の底面8aに対して回動自在に設けられている。ボトムチルトフット20a,20bは、底面8aから突出した状態でそれらの先端面が机の上面等の載置面に載置される。
【0026】
図6は図2に示す電子機器1の背面図、図7は図2に示す電子機器1の連結部4付近の部分側面図、図8は図1に示す電子機器1の連結部4の構成を示す断面図である。
【0027】
表示部2は、図6に示すように連結部4の一部を構成する2個の連結軸部25を備えている。各連結軸部25は、表示部2の厚さ方向(図6に示すZ方向)に表示部2の本体部3に対面する側の面23から突出する。各連結軸部25は、図8に示すように連結部4の一部を構成する連結軸部35に回動軸X´の周りに回動自在に連結ヒンジにより連結されている。表示部2の背面24(連結軸部25の背面24)には、チルトクッション38が設けられている。各チルトクッション38は、図6に示すように略矩形の形状を有し、弾性を有する合成樹脂製である。
【0028】
図9は本体部3に内蔵されているキーボードユニット9を示す底面図、図10は図9に示すキーボードユニット9のA−A断面図である。
キーボードユニット9は、キーボードユニット9の底面側に設けられたプレート40、キーボードユニット9の上面側に設けられた複数のキー41、外装部品であるパームレスト7が載置されるフレーム42等を備えている。フレーム42は、複数の溶接箇所46でプレート40に固定されている。
【0029】
プレート40は、略矩形状の金属製板であり、プレート40の底面40Aには、連結部としての複数のボス43が底面40Aに直交する方向(図10に示すZ方向)に突出して設けられている。各ボス43も金属製である。プレート40の構成材料としては、例えばアルミニウムが用いられている。各ボス43は、底面40Aの全域に分散するように設けられている。各ボス43は、隣り合って設けられた各キー41の間に対応して配置されたり、底面40Aの端縁部等に配置されたりしている。各ボス43の底面40Aからの底面40Aに直交する方向(Z方向)の高さは、後述するように高さH1や高さH2(<高さH1)になっている。各高さH1や高さH2は適宜調整可能である。各ボス43の内周面側には、ネジ孔部44が形成されている。プレート40の外縁部には、キーボードユニット9をパームレスト7にネジ止めするための複数のネジ止め部45が設けられている。
【0030】
図11は図9に示すキーボードユニット9をパームレスト7に組み付けた状態を示す底面図である。
同図に示すように、パームレスト7の背面側(図11に示すX方向奥側)の略半分の領域に、キーボードユニット9が配置され各ネジ止め部45でパームレスト7側に組み付けられている。このとき、キーボードユニット9は、VGAコネクタ10、イーサーコネクタ11及び複数のコネクタ13にXY平面内で略異なる位置(領域)にかつZ方向に略重ならないように設けられている。
【0031】
この状態では、キーボードユニット9のプレート40の複数のボス43が、プレート40の底面40Aから底面40Aに直交するZ方向に突出した状態になっている。
【0032】
図12は図11に示すキーボードユニット9に各回路基板を組み付けた状態を示す底面図である。
キーボードユニット9のプレート40の各ボス43の先端に第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C及びSSDユニット50Dが当接して対向するように設けられ、それぞれが各ボス43でネジ止めされている。また、パッケージングデバイスとしての無線通信モジュール50Eがボス43の先端に当接して設けられボス43でネジ止めされている。
【0033】
第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等は、XY平面内で略異なる位置(領域)にかつZ方向に略重ならないように設けられている。また、第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等は、VGAコネクタ10、イーサーコネクタ11及びコネクタ13にXY平面内で略異なる位置(領域)にかつZ方向に略重ならないように設けられている。
【0034】
図13は図12に示す本体部3の上面側部分のB−B断面図である。なお、図13では、ボトム8をパームレスト7に組み合わせた状態の断面図を示す。
第1の回路基板50Aは、プレート40に対向する側の第1の表面52と、第1の表面52とは表裏反対の第1の裏面53と、ボス43に連結された連結部としてのネジ孔部56とを備える。ネジ孔部56は、プレート40に対して第1の回路基板50Aを連結して固定するための連結部として機能する。領域R1は、底面40Aのうちの第1の回路基板50Aと対向する領域である。
【0035】
具体的には、プレート40のボス43と第1の回路基板50Aのネジ孔部56とが位置合わせされ、ボス43の先端と第1の回路基板50Aの第1の表面52が当接して設けられて、ネジ51によりボス43に第1の回路基板50Aが連結されている。
【0036】
ネジ51の長さ(Z方向の長さ)は、ボス43の長さH1に応じて長くなっている。これにより、本体部3の厚さを厚くすることなく、ネジ51がボス43に掛かる長さを長くすることができる(有効掛かり量を長くすることができる)。この結果、本体部3の薄型化を図りつつ第1の回路基板50Aのプレート40に対する固定強度を向上させることができる。また、第1の回路基板50Aの第1の裏面53は、ボトム8に近接して設けられている。第1の回路基板50Aの第1の裏面53とボトム8と間には狭い隙間G´が形成されている。ネジ51の頭部51Aは、隙間G1´に収まる薄い厚さになっている。
【0037】
第1の回路基板50Aの第1の表面52は、プレート40の底面40Aからボス43の高さ方向の長さH1だけ離間して底面40Aに略平行に設けられている。第1の表面52と、底面40Aとの間には隙間G1が形成されている。
【0038】
第1の回路基板50Aの第1の表面52には、電子部品54,55等が実装されている。第1の回路基板50Aの第1の裏面53には、電子部品等は実装されていない(片面実装)。隙間G1に、電子部品54,55等が配置されている。電子部品54,55等の厚さに応じてボス43の長さH1が適宜調整されている。電子部品54,55のうち一方は、CPU(Central Processin Unit)である。電子部品54,55は、それぞれ図示しないグランド端子を備えている。これらのグランド端子は、第1の回路基板50Aに引き回された図示しないグランド線を介してボス43に電気的に接続されている。
【0039】
コネクタ13は、領域R1とは、XY平面内において異なる領域でありかつZ方向に重ならない領域である領域R4に設けられている。コネクタ13の厚さT1は、ボス43の長さH1より長い。
【0040】
図14は図12に示す本体部3の上面側部分のC−C断面図である。なお、図14では、ボトム8をパームレスト7に組み合わせた状態の断面図を示す。
第2の回路基板50Bは、プレート40に対向する側の第2の表面57と、第2の表面57とは表裏反対の第2の裏面58と、ネジ51によりボス43に連結される連結部としてのネジ孔部59とを備える。ネジ孔部59は、プレート40に対して第2の回路基板50Bを連結して固定するための連結部として機能する。領域R2は、底面40Aのうちの領域R1から外れた領域でありかつ第2の回路基板50Bとの対向領域である。
【0041】
具体的には、ボス43のネジ孔部44と第2の回路基板50Bのネジ孔部59とが位置合わせされ、第2の回路基板50Bの第2の表面57がボス43の先端に当接して設けられ、ネジ51によりボス43と第2の回路基板50Bとが連結されている。
【0042】
ネジ51の長さ(Z方向の長さ)は、ボス43の長さH1に応じて長くなっている。これにより、本体部3の厚さを厚くすることなく、ネジ51がボス43に掛かる長さを長くすることができる。この結果、本体部3の薄型化を図りつつ第2の回路基板50Bのプレート40に対する固定強度を向上させることができる。また、第2の回路基板50Bの第2の裏面58は、ボトム8に近接して設けられている。第2の回路基板50Bの第2の裏面58とボトム8と間には狭い隙間G´が形成されている。ネジ51の頭部51Aは、隙間G1´に収まる薄い厚さになっている。
【0043】
第2の回路基板50Bの第2の表面57は、プレート40の底面40Aからボス43の長さH1だけ離間して底面40Aに略平行に設けられている。第2の表面57と、底面40Aとの間には隙間G2が形成されている。
【0044】
第2の回路基板50Bの第2の表面57には、電子部品60,61等が実装されている。第2の回路基板50Bの第2の裏面58には、電子部品等は実装されていない(片面実装)。電子部品60,61等は隙間G1に配置されている。電子部品60,61等の厚さに応じてボス43の長さH1が適宜調整されている。電子部品54,55は、例えばVGAコネクタ10、イーサーコネクタ11等を介した情報通信を行うための処理を実行する。電子部品60,61は、それぞれ図示しないグランド端子を備えている。これらのグランド端子は、第2の回路基板50Bに引き回された図示しないグランド線を介してボス43に電気的に接続されている。
【0045】
図15は図12に示す本体部の上面側部分のD−D断面図である。
第1の回路基板50Aの第1の表面52には無線通信モジュールコネクタ70が実装されている。無線通信モジュールコネクタ70には、無線通信モジュール50Eが接続される。第1の回路基板50Aの第1の裏面53からの厚さ方向(図15に示すZ方向)の無線通信モジュールコネクタ70の高さは、高さH3になっている。
【0046】
無線通信モジュール50Eは、無線通信により外部機器との間で情報の伝達を実現するためのモジュールである。無線通信モジュール50Eは、底面40Aのうちの第1の回路基板50Aと対向する領域である領域R1に近接する領域R3に設けられている。領域R3は、領域R1及びR2から外れた領域である。無線通信モジュール50Eは、無線通信モジュール本体部80と、無線通信モジュールコネクタ70に接続される端子部81と、無線通信モジュール50Eをプレート40に連結するために用いられる連結用端部82とを備える。
【0047】
無線通信モジュール本体部80は、薄型のミニカードである無線LANカードを挿抜可能に構成されている。無線通信モジュール本体部80の厚さは厚さH4になっている。この厚さH4より高さH3は短くなっている。
【0048】
端子部81は、無線通信モジュールコネクタ70に接続されている。連結用端部82には、ネジ51が螺着される連結部としてのネジ孔部83が形成されている。連結用端部82は、ボス43の先端に当接する側の面である面S1と、面S1とは表裏反対の面である面S2とを有する。連結用端部82のネジ孔部83と、ボス43のネジ孔部44とは位置合わせされ、ボス43の先端と連結用端部82の面S1とが当接されて、ネジ51によりボス43に無線通信モジュール50Eが連結されている。図15に示すボス43の高さ方向の長さH2は、上述したボス43の長さH1より短い。ネジ51は、ネジ孔部83及びネジ孔部44を貫通可能な長さである。これにより、ネジ51がボス43に掛かる長さを長くすることができる。この結果、無線通信モジュール50Eのプレート40に対する固定強度を向上させることができる。
【0049】
連結用端部82の面S2には、アンテナ接続端子ANが設けられている。アンテナ接続端子ANには、図示しないケーブルを介して、表示部2内部に配置されたアンテナN(図1参照)が接続されている。この図示しないケーブルは、表示部2の内部、連結部4の内部、本体部3の内部を引き回されている。なお、アンテナNの内蔵されている位置は、表示部2の内部であれば特に限定されず適宜変更可能である。
【0050】
<作用等>
このように本実施形態によれば、キーボードユニット9のプレート40が底面40Aから突出する複数のボス43を備える。複数のボス43の先端に第1の回路基板50A等が当接して設けられ、ボス43と第1の回路基板50Aとがネジ51により連結されている。つまり、キーボードユニット9のプレート40のボス43に第1の回路基板50Aを連結することができるので、従来のように第1の回路基板50Aを固定するための金属フレームをキーボードユニット9とは別に設ける必要がなく、電子機器1の薄型化を図ることができる。また、キーボードユニット9とは別に金属フレームを用いる必要がないので、電子機器1の軽量化及び部品点数を削減することができる。
【0051】
このとき、キーボードユニット9のプレート40の底面40Aからボス43の長さH1だけ離間した状態で、第1の回路基板50Aを配置することができる。このため、第1の回路基板50Aの第1の表面52とプレート40の底面40Aとの間に、第1の回路基板50Aに実装された電子部品54,55が配置される。従って、電子機器1の厚さを薄くすることができる。
【0052】
また、図12に示すように第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等は、XY平面内で略異なる位置にかつZ方向に略重ならないように設けられている。このため、例えば第1の回路基板50Aと、SSDユニット50Dとが厚さ方向(図12に示すZ方向)に重なる場合に比べて、電子機器1の厚さを薄くすることができる。また、第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等がそれぞれほぼ独立に組み付け可能となる、つまり、各回路基板等の組み付けの自由度が増加するので、組み付けや交換等の作業性を向上させることができる。
【0053】
また、第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等は、VGAコネクタ10、イーサーコネクタ11及びコネクタ13にXY平面内で略異なる位置にかつZ方向に略重ならないように設けられている。このため、電子機器1の厚さが厚くなることを防止することができる。
【0054】
また、図14に示すように第2の回路基板50Bの第2の表面57に実装された電子部品60,61が、キーボードユニット9のプレート40の底面40Aと、第2の表面57との間に配置されるので、電子機器1の厚さを薄くすることができる。
【0055】
また、キーボードユニット9のプレート40は、図15に示すように領域R3に突出して設けられたボス43を備える。このボス43に無線通信モジュール50Eの連結用端部82がネジ51により連結されている。従って、第1の回路基板50Aの第1の表面52に無線通信モジュールを実装する場合に、第1の回路基板50Aの厚さに加えて無線通信モジュール50Eの厚さが最低必要となる。これに対して、本実施形態では、第1の回路基板50Aと無線通信モジュール50EとのZ方向での重なりを防止し電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0056】
また、第1の回路基板50Aの第1の裏面53からの厚さ方向(図15に示すZ方向)の無線通信モジュールコネクタ70の高さH3は、無線通信モジュール本体部80の厚さH4より小さくなっている。つまり、図15に示す領域R1に第1の回路基板50Aを組み付け、領域R3に無線通信モジュール50Eを組み付けたときに必要となる底面40Aからの高さを無線通信モジュール50Eの厚さH4以下にすることができる。
【0057】
また、キーボードユニット9に対する第2の回路基板50B等の組み付け作業とは別に、無線通信モジュール50Eをキーボードユニット9に組み付けることができるので、無線通信モジュール50Eの組み付け、交換等の作業性を向上させることができる。例えば第2の回路基板50B等をキーボードユニット9のプレート40に組み付けた後に、最後に、無線通信モジュール50Eをプレート40に組み付けることができる。従って、各種仕様の異なる電子機器の生産性を向上させることができる。
【0058】
また、連結用端部82の面S2には、図15に示すようにアンテナを接続可能なアンテナ接続端子ANが設けられている。つまり、連結用端部82の面S2が作業者に対面する側に露出するので、面S2のアンテナ接続端子ANにアンテナを容易に着脱することができる。このように、アンテナ接続端子ANへのアンテナの組み付け及び交換の作業性を向上させることができる。また、従来は、回路基板上のコネクタの配置から、アンテナ接続端子ANが設けられる面S2が回路基板に対向して組みつけられていたため、アンテナを端子に接続してから、無線モジュールに回路基板を組み付ける必要があった。アンテナを先に組み付けなければならないときには、CTO(Configure To Order 注文仕様生産)モデルの場合、後から無線モジュールを変更することが難しかった。このような場合でも、本実施形態では、アンテナ、無線モジュールを容易に取り外し変更することができる。
【0059】
また、電子部品54,55の図示しないグランド端子は、第1の回路基板50Aに引き回された図示しないグランド線を介して、ボス43に電気的に接続されている。また、電子部品60,61の図示しないグランド端子は、第2の回路基板50Bに引き回された図示しないグランド線を介して、ボス43に電気的に接続されている。これにより、電子部品54,55,60,61のグランドとしてキーボードユニット9の金属製のプレート40を用いることができる。
【0060】
また、第1の回路基板50Aの第1の裏面53に電子部品が実装される場合には、ボスの高さを長さH1より短くする必要がある。これに対して、本実施形態では、第1の回路基板50Aは、電子部品54,55が片面実装されているので、ボス43の長さH1を長くすることができる。これにより、本体部3の厚さを厚くすることなく、ネジ51がボス43に掛かる長さを長くすることができる(有効掛かり量を長くすることができる)。この結果、第1の回路基板50Aをより確実にキーボードユニット9のプレート40に連結することができる。
【0061】
また、本体部3のボトム8を取り外すことで、図12に示すように、第1の回路基板50A、第2の回路基板50B、第3の回路基板50C、SSDユニット50D及び無線通信モジュール50E等の各種の基板が露出した状態になる。このため、各回路基板等の組み付け作業や交換作業を効率よく行うことができる。
【符号の説明】
【0062】
N アンテナ
AN アンテナ接続端子
R1,R2,R3 領域
S1,S2 面
1 電子機器
7 パームレスト
8 ボトム
9 キーボードユニット
40 プレート
40A 底面
41 キー
43 ボス
44,56,59,83 ネジ孔部
50A 第1の回路基板
50B 第2の回路基板
50C 第3の回路基板
50D SSDユニット
50E 無線通信モジュール
51 ネジ
52 第1の表面
54,55,60,61 電子部品
57 第2の表面
70 無線通信モジュールコネクタ
82 連結用端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに表裏反対の表面及び底面、前記底面から突出して設けられた第1の連結部を有するプレートと、前記プレートの前記表面側に設けられた複数のキーとを有するキーボードユニットと、
前記第1の連結部を介して前記底面に対向するように設けられ、前記第1の連結部に連結される第2の連結部と、前記底面に対向する側の面である第1の表面とを有する第1の回路基板と、
前記第1の回路基板の前記第1の表面に実装された第1の電子部品と
を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記プレートの前記底面は、前記第1の回路基板との対向領域に当たる第1の領域と、前記対向領域から外れた領域に当たる第2の領域とを有し、
前記プレートは、前記第2の領域で前記底面から突出して設けられた第3の連結部を有し、
当該電子機器は、
前記第3の連結部を介して前記第2の領域に対向するように設けられ、前記第3の連結部に連結される第4の連結部と、前記第2の領域に対向する側の面である第2の表面とを有する第2の回路基板と、
前記第2の回路基板の前記第2の表面に実装された第2の電子部品と
を更に具備する電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記底面は、前記第1の領域及び前記第2の領域から外れた領域であって前記第1の領域に近接して設けられた領域である第3の領域を有し、
前記プレートは、前記第3の領域から突出して設けられた第5の連結部を有し、
当該電子機器は、
前記第5の連結部に連結された第6の連結部を有し前記第3の領域に設けられたパッケージングデバイス
を更に具備する電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記パッケージングデバイスは、前記第6の連結部が設けられている連結用端部を有し、
前記連結用端部は、前記第5の連結部に対向する第3の面と、前記第3の面と表裏反対の面である第4の面と、第4の面に配置され、外部の機器が接続可能な外部接続端子とを有する
電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記プレート及び前記第1の連結部は金属製であり、
前記第1の連結部が前記第1の回路基板のグランド線に電気的に接続されている
電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記第1の回路基板の第1の表面及び第1の裏面のうち前記第1の表面にのみ電子部品が実装されている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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