説明

電子機器

【課題】スイッチ同士の間にスイッチアース金具が配設される電子機器の小型化を図る。
【解決手段】電子機器は、スイッチケース35をそれぞれ有しスイッチケース35同士が相互に対向するように基板上に搭載される少なくとも2つのスイッチ30A,30Bと、スイッチケース35同士の間に嵌挿され2つのスイッチケース35にそれぞれ電気的に接続されるスイッチアース金具40と、収容ケースに取り付けられるカバー部材とを備え、スイッチアース金具40は、スイッチケース35同士の間に嵌挿される嵌挿部42と、嵌挿部42に連設される翼状部44とを含み、スイッチアース金具40がスイッチケース35同士の間に嵌挿され且つ上記カバー部材が上記収容ケースに取り付けられた状態においては、翼状部44が上記カバー部材に接触し、2つのスイッチケース35はスイッチアース金具40を通して上記カバー部材に電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器であって、特に、テレビ共同受信用ブースター等として利用されることができる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ共同受信システム等には、ブースター等の電子機器が用いられる。実開平3−101593号公報(特許文献1)には、このような電子機器の一例として、アース金具(弾力性金属板)を備えた電子機器が開示される。アース金具は、プリント基板のアースを確保するために、プリント基板の接地導体とケース前面パネルとの間に配設される。テレビ共同受信システム等において使用される周波数帯域によってはノイズが発生するおそれがあり、アース金具はそのノイズの発生を抑制するために設けられる。
【0003】
共同受信システム等に用いられるブースター等の電子機器が製造される際には、パターン設計段階において、電子回路および電子部品の各配置が決定される。設計事項に基づき電子機器が製造される。その後、アース金具が電子回路の周波数特性に応じて所定の箇所に選択的に配設される。設計段階での計算に基づいてアース金具の配置を適切に決定することは困難とされており、アース金具は、実際の電子機器が製造された後に、必要に応じて適所に配設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−101593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、テレビ共同受信システム等に用いられるブースター等の電子機器も小型化される傾向にある。電子機器の小型化に伴って、たとえばアッテネータ(減衰器)を構成するために基板上に配列されるスイッチ同士(スイッチケース同士)の間隔も、ますます狭くなる傾向にある。
【0006】
実開平3−101593号公報(特許文献1)に開示されるアース金具は、1つのスイッチケースを抱きかかえるように1つのアース金具が配設される。スイッチ同士の間に予め広い間隔を設けておく必要があり、電子機器の小型化を困難とする要因の一つとなっている。
【0007】
本発明は、上記のような実情に鑑みて為されたものであって、スイッチ同士の間にスイッチアース金具が配設される電子機器であって、小型化を図ることが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく電子機器は、開口部を有する収容ケースと、上記収容ケース内に収容される基板と、スイッチケースをそれぞれ有し、上記スイッチケース同士が相互に対向するように上記基板上に搭載される少なくとも2つのスイッチと、上記スイッチケース同士の間に嵌挿され、2つの上記スイッチケースにそれぞれ電気的に接続されるスイッチアース金具と、上記開口部を覆うように上記収容ケースに取り付けられるカバー部材と、を備え、上記スイッチアース金具は、上記スイッチケース同士の間に嵌挿されるとともに、上記スイッチケース同士の間に挟まれるように所定の方向に沿って延在する嵌挿部と、上記嵌挿部に連設され、上記スイッチアース金具が上記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては上記嵌挿部の上記基板とは反対側に位置する翼状部と、を含み、上記スイッチアース金具が上記スイッチケース同士の間に嵌挿され且つ上記カバー部材が上記収容ケースに取り付けられた状態においては、上記翼状部が上記カバー部材に接触し、2つの上記スイッチケースは上記スイッチアース金具を通して上記カバー部材に電気的に接続される。
【0009】
好ましくは、上記スイッチアース金具が上記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、上記スイッチアース金具と上記基板とは電気的に非接触状態である。
【0010】
好ましくは、上記スイッチアース金具には、上記嵌挿部の延在方向における端部に位置決め部が設けられ、上記スイッチアース金具が上記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、上記位置決め部が上記スイッチケースに対する上記スイッチアース金具の位置を規制する。
【0011】
好ましくは、上記位置決め部は、上記嵌挿部の延在方向における両端部にそれぞれ設けられ、上記スイッチアース金具が上記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、2つの上記位置決め部が上記スイッチケースに対する上記スイッチアース金具の位置をそれぞれ規制する。
【0012】
好ましくは、上記翼状部は、上記スイッチアース金具の上記嵌挿部の延在方向における両端部にそれぞれ連設される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スイッチ同士の間にスイッチアース金具が配設される電子機器であって、小型化を図ることが可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態における電子機器の分解した状態(組み立てられる前の状態)を示す斜視図である。
【図2】実施の形態における電子機器のスイッチおよびスイッチアース金具を拡大して示す斜視図である。
【図3】実施の形態における電子機器に備えられるスイッチアース金具を示す側面図である。
【図4】実施の形態における電子機器に備えられるスイッチアース金具を示す平面図である。
【図5】実施の形態における電子機器に備えられるスイッチアース金具を示す正面図である。
【図6】実施の形態における電子機器のスイッチ同士の間にスイッチアース金具が嵌挿され、さらにカバー部材が収容ケースに取り付けられた状態を示す断面図である。
【図7】実施の形態における電子機器の周波数対ノイズ特性を示す図である。
【図8】実施の形態における電子機器からスイッチアース金具を取り外したものの周波数対ノイズ特性を示す図である。
【図9】実施の形態における電子機器に備えられるスイッチアース金具の他の形態を示す正面図である。
【図10】実施の形態における電子機器に備えられるスイッチアース金具のさらに他の形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0016】
(電子機器100)
図1は、本実施の形態における電子機器100の分解した状態(組み立てられる前の状態)を示す斜視図である。電子機器100は、典型的にはテレビ共同受信用の双方向ブースター(周波数帯域は、たとえば上り信号が10〜60MHzであり、下り信号が70〜770MHzである)として用いられる。図1に示すように、電子機器100は、収容ケース10、基板20(プリント基板)、スイッチ30A,30Bを含む複数のスイッチ(アッテネータ、イコライザ、帯域切替)、スイッチアース金具40、およびカバー部材50を備える。
【0017】
電子機器100が組み立てられた状態においては、カバー部材50は、収容ケース10の開口部14を覆うように収容ケース10に取り付けられる。さらに、収容ケース10およびカバー部材50を覆うように、蓋部材(図示せず)が収容ケース10に取り付けられる。蓋部材の取り付けによって、カバー部材50が収容ケース10に対して固定される。
【0018】
収容ケース10は、周壁部12および開口部14を有する。基板20(プリント基板)は、周壁部12に囲まれるように収容ケース10内に収容される。基板20上には、たとえばアッテネータ(イコライザ、帯域切替)を構成するために、スイッチ30A,30Bなどの複数のスイッチが並んで搭載される。また、基板20には、入出力端子22、モニタ端子24、およびヒューズユニット26などがそれぞれ搭載される。詳細は後述されるが、スイッチ30A,30B同士の間にスイッチアース金具40が嵌挿される。
【0019】
カバー部材50には、複数の孔部52,54,56が設けられる。電子機器100が組み立てられた状態においては、スイッチ30A,30Bの操作部32(図2参照)が、孔部52からカバー部材50の上面側に露出する。モニタ端子24は、孔部54からカバー部材50の上面側に露出する。ヒューズユニット26は、孔部56からカバー部材50の上面側に露出する。これらのスイッチやモニタ端子は上記蓋部材の上面側にそれぞれ露出し、この蓋部材の上面側が電子機器100の操作面を構成する。
【0020】
図2は、スイッチ30A,30Bおよびスイッチアース金具40を拡大して示す斜視図である。スイッチ30A,30Bは、導電性の部材から中空の略直方体状に形成されるスイッチケース35をそれぞれ有する。スイッチケース35は、側面31,33および側面34(図5も参照)を含み、上面側に操作部32が設けられる。スイッチ30A,30Bは、スイッチケース35の側面34同士が相互に対向するように配置されている(図5も参照)。
【0021】
(スイッチアース金具40)
図3は、スイッチアース金具40を示す側面図である。図4は、スイッチアース金具40の平面図である。図5は、スイッチアース金具40(およびスイッチ30A,30B)を示す正面図である。図2〜図5を参照して、スイッチアース金具40について詳細に説明する。
【0022】
図2〜図5を参照して、スイッチアース金具40は、スイッチケース35(側面34)同士の間に嵌挿され、スイッチ30A,30Bのスイッチケース35に対してそれぞれ電気的に接続される。スイッチアース金具40は、1枚の薄平板状の銅製の部材がプレス成型などによって折り曲げられることによって構成されることができる。スイッチアース金具40は、嵌挿部42、翼状部44、および位置決め部46を備える。スイッチアース金具40は、左右対称に構成されるとよい。
【0023】
嵌挿部42は、2枚の薄平板状の部材が正面視(図5参照)略V字状に配置されることによって構成される。嵌挿部42の下端部43においては、この2枚の平板状の部材は相互に接触しているとよい(図5に示す態様)。嵌挿部42は、1枚の平板状の部材が正面視略V字状に折り曲げられることによって構成されてもよい。嵌挿部42は、所定の角度θ(図5参照)を保持するように予め成型されている。
【0024】
嵌挿部42は、スイッチケース35同士の間に嵌挿される(図4参照)。嵌挿部42は、嵌挿部42の全体がスイッチケース35の側面34同士の間に挟まれるように、側面34が延在する方向と平行な方向(矢印AR42方向)に沿って所定の長さで延在する。
【0025】
嵌挿部42の延在方向(矢印AR42方向)における嵌挿部42の両端の上方に、2つの翼状部44がそれぞれ設けられる。翼状部44は、折れ曲がり部45において嵌挿部42から連設される。翼状部44は、薄平板状の部材が折れ曲がり部45において外方に折り曲げられることによって構成される。翼状部44は、スイッチアース金具40(嵌挿部42)がスイッチケース35同士の間に嵌挿された状態においては、嵌挿部42の基板20とは反対側に位置する(図3参照)。
【0026】
嵌挿部42の延在方向(矢印AR42方向)における嵌挿部42の両端外側の下方に、位置決め部46がそれぞれ設けられる。位置決め部46は、薄平板状の部材がたとえば円形に湾曲変形されることによって、嵌挿部42の両端外側下方に垂れ下がるように構成される。位置決め部46において、嵌挿部42および翼状部44を構成する2枚の薄平板状の部材が左右対称となるように連設されている。
【0027】
図3に示すように、一方の位置決め部46(図3紙面左側)は、スイッチアース金具40(嵌挿部42)がスイッチケース35同士の間に嵌挿された状態においては、側面31に間隔L3の若干の隙間を空けて対向する。同様に、他方の位置決め部46(図3紙面右側)は、スイッチアース金具40(嵌挿部42)がスイッチケース35同士の間に嵌挿された状態においては、側面33に間隔L4の若干の隙間を空けて対向する。嵌挿部42の両端外側にそれぞれ設けられた位置決め部46がスイッチケース35の側面31,33に当接することによって、スイッチケース35に対するスイッチアース金具40の位置が規制される。また、位置決め部46がスイッチケース35の側面31,33に当接することによって、スイッチケース35に対するスイッチアース金具40の位置が規制される。
【0028】
スイッチアース金具40(嵌挿部42)がスイッチケース35同士の間に嵌挿された状態において、嵌挿部42の下端部43と基板20とは間隔L1を空けて離れて設けられているとよい。位置決め部46の下端部と基板20とも、間隔L2を空けて離れて設けられているとよい。当該構成によれば、スイッチアース金具40と基板20とは電気的に非接触な状態となる。
【0029】
図5を参照して、上述のとおり、スイッチアース金具40はスイッチ30A,30Bのスイッチケース35の側面34同士の間に嵌挿される(矢印AR1参照)。嵌挿部42が側面34同士の間に嵌挿されることによって、嵌挿部42は角度θが小さくなるように変形する。嵌挿部42が正面視略V字状に構成されることによって、嵌挿部42は側面34同士の間に容易に嵌挿されることができる。スイッチアース金具40のスイッチ30A,30Bの各スイッチケース35に対する(図5紙面上下方向の)位置は、折れ曲がり部45によって規制される。
【0030】
嵌挿部42の弾性から生じる復元力によって、嵌挿部42はスイッチ30Aのスイッチケース35およびスイッチ30Bのスイッチケース35をそれぞれ押圧する(矢印AR3参照)。当該押圧によって、スイッチアース金具40と各スイッチケース35との間に摩擦が生じ、スイッチアース金具40は各スイッチケース35に対して確実に固定される。
【0031】
嵌挿部42の変形によって、翼状部44は起立するように(スイッチケース35から遠ざかるように)変形する(矢印AR2参照)。翼状部44は、スイッチケース35の上方において板バネ状に固定される。
【0032】
図6を参照して、スイッチアース金具40がスイッチ30A,30Bの各スイッチケース35同士の間に嵌挿された後、カバー部材50が収容ケース10(図1参照)に対して取り付けられる(矢印AR4参照)。カバー部材50の孔部52内に、スイッチ30A,スイッチ30Bの各操作部32が配置される。カバー部材50の収容ケース10(図1参照)に対する取り付けによって、翼状部44はカバー部材50の裏面によって押圧される。当該押圧によって、翼状部44とカバー部材50とは強固に接触する。スイッチ30Aのスイッチケース35およびスイッチ30Bのスイッチケース35は、スイッチアース金具40を通してカバー部材50にそれぞれ電気的に接続される。当該構成によって、スイッチ30A,30Bのアースは確実に確保されることができる。
【0033】
(作用・効果)
本実施の形態の電子機器100においては、2つのスイッチ30A,30Bに対して1つのスイッチアース金具40がそれぞれ電気的に接続される。2つのスイッチ30A,30Bに対してアースを確保するために、1つのスイッチアース金具40のみを準備すればよい。
【0034】
冒頭に説明した実開平3−101593号公報(特許文献1)に開示されるアース金具は、1つのスイッチケースを抱きかかえるように1つのアース金具が配設される。隣り合う2つのスイッチに対してそれぞれアースを確保する必要が生じた場合に備えて、スイッチ同士の間に予め広い間隔を設けておく必要があり、電子機器の小型化を困難とする要因の一つとなっている。
【0035】
これに対して電子機器100においては、スイッチ30A,30Bのように並んで配置されるスイッチ同士の間隔を狭く設計した場合であっても、スイッチアース金具40を用いることによって、2つのスイッチ30A,30Bのアースを同時に確保することが可能となる。スイッチ30A,30Bのように並んで配置されるスイッチ同士の間隔を同一に設定した場合、スイッチアース金具40を用いることによって隣り合う2つのスイッチに対してアースを確実に確保することが可能となる。スイッチアース金具40を備えた電子機器100によれば、隣り合うスイッチ同士の間隔を狭く設計することができ、より一層の小型化を図ることが可能となる。
【0036】
また、本実施の形態における電子機器100に用いられるスイッチアース金具40は、スイッチアース金具40(嵌挿部42)がスイッチケース35同士の間に嵌挿された状態において、嵌挿部42の下端部43と基板20とは間隔L1(図6参照)を空けて離れている。位置決め部46の下端部と基板20とも、間隔L2(図6参照)を空けて離れている。
【0037】
冒頭に説明した実開平3−101593号公報(特許文献1)に開示されるアース金具は、1つのスイッチケースを抱きかかえるように1つのアース金具が配設される。アース金具のスイッチケースに対する(上下方向の)位置は、アース金具と基板との当接によって決められており、アース金具と基板とが直接接触するという構成が採用されている。
【0038】
したがって、従来においては、基板のスイッチケースの周りはアース金具が配設される可能性があるために電子回路のパターン形成のためには使用することができず、パターン設計段階から空き領域として確保しておく必要があった。なお、アース金具が取り付けられた状態において基板に対してアース金具を浮かせるという構成も採用されていたが、複雑であり、製造費用の増加を招いていた。
【0039】
これに対して本実施の形態における電子機器100は、スイッチアース金具40のスイッチ30A,30Bの各スイッチケース35に対する(図6紙面上下方向の)位置は、折れ曲がり部45によって容易に規制される。スイッチアース金具40が取り付けられた状態においても、スイッチアース金具40は基板20に直接接触することはない。基板20のスイッチケース35の周りも、電子回路のパターン形成のために有効に活用することができる。したがって、スイッチアース金具40を備えた電子機器100によれば、より一層の小型化を図ることが可能となる。
【0040】
図7は、スイッチアース金具40を備えた電子機器100の一例として上り帯域の一部における周波数対ノイズ特性を示す図である。図8は、この電子機器100からスイッチアース金具40を取り外したものの一例として上り帯域の一部における周波数対ノイズ特性を示す図である。図7と図8とを対比すると、周波数領域RA,RBにおいて、スイッチアース金具40を備えた電子機器100の方(図7参照)が、電子機器100からスイッチアース金具40を取り外したもの(図8参照)に比べて電気ノイズが低減されていることがわかる。したがって、電子機器100がスイッチアース金具40を備えることによって、確実にアースが確保され、良好な電気的特性を得られることがわかる。
【0041】
図2に示すように、本実施の形態における電子機器100に用いられるスイッチアース金具40は、嵌挿部42の延在方向(矢印AR42方向)の両端外側に位置決め部46が設けられる。位置決め部46は、必要に応じて設けられていればよく、たとえば嵌挿部42の延在方向(矢印AR42方向)における一端外側にのみ設けられていてもよい。なお、位置決め部46が設けられない場合は、嵌挿部42を2つの部材から構成せずに、1つの部材を略V字状に折り曲げて構成するとよい。
【0042】
また、本実施の形態における電子機器100に用いられるスイッチアース金具40は、嵌挿部42の延在方向(矢印AR42方向)の両端の上方に2つの翼状部44がそれぞれ設けられる。翼状部44は、必要に応じて、嵌挿部42の両端の上方に1つずつそれぞれ設けられていてもよい。また、嵌挿部42の一方の端部の上方にのみ2つの翼状部44が設けられていてもよく、嵌挿部42の一方の端部の上方にのみ1つの翼状部44が設けられていてもよい。
【0043】
また、図2に示すように、本実施の形態における電子機器100に用いられるスイッチアース金具40の位置決め部46は、薄平板状の部材がたとえば円形に湾曲変形されて構成される。図9に示すスイッチアース金具40Aのように、位置決め部46は正面視略菱形状に湾曲変形されていてもよく、図10に示すスイッチアース金具40Bのように、位置決め部46は正面視略三角形状に湾曲変形されていてもよい。また、本実施の形態においては双方向ブースターとしての電子機器100に基づき説明を行なったが、本発明は単方向ブースターとしての電子機器にも使用されることができる。
【0044】
以上、本発明に基づいた実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
10 収容ケース、12 周壁部、14 開口部、20 基板、22 入出力端子、24 モニタ端子、26 ヒューズユニット、30A,30B スイッチ、31,33,34 側面、32 操作部、35 スイッチケース、40,40A,40B スイッチアース金具、42 嵌挿部、43 下端部、44 翼状部、45 折れ曲がり部、46 位置決め部、50 カバー部材、52,54,56 孔部、100 電子機器、AR1,AR2,AR3,AR4,AR42 矢印、L1,L2,L3,L4 間隔、RA,RB 周波数領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する収容ケースと、
前記収容ケース内に収容される基板と、
スイッチケースをそれぞれ有し、前記スイッチケース同士が相互に対向するように前記基板上に搭載される少なくとも2つのスイッチと、
前記スイッチケース同士の間に嵌挿され、2つの前記スイッチケースにそれぞれ電気的に接続されるスイッチアース金具と、
前記開口部を覆うように前記収容ケースに取り付けられるカバー部材と、を備え、
前記スイッチアース金具は、
前記スイッチケース同士の間に嵌挿されるとともに、前記スイッチケース同士の間に挟まれるように所定の方向に沿って延在する嵌挿部と、
前記嵌挿部に連設され、前記スイッチアース金具が前記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては前記嵌挿部の前記基板とは反対側に位置する翼状部と、を含み、
前記スイッチアース金具が前記スイッチケース同士の間に嵌挿され且つ前記カバー部材が前記収容ケースに取り付けられた状態においては、前記翼状部が前記カバー部材に接触し、2つの前記スイッチケースは前記スイッチアース金具を通して前記カバー部材に電気的に接続される、
電子機器。
【請求項2】
前記スイッチアース金具が前記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、前記スイッチアース金具と前記基板とは電気的に非接触状態である、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記スイッチアース金具には、前記嵌挿部の延在方向における端部に位置決め部が設けられ、
前記スイッチアース金具が前記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、前記位置決め部が前記スイッチケースに対する前記スイッチアース金具の位置を規制する、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記嵌挿部の延在方向における両端部にそれぞれ設けられ、
前記スイッチアース金具が前記スイッチケース同士の間に嵌挿された状態においては、2つの前記位置決め部が前記スイッチケースに対する前記スイッチアース金具の位置をそれぞれ規制する、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記翼状部は、前記スイッチアース金具の前記嵌挿部の延在方向における両端部にそれぞれ連設される、
請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−164899(P2012−164899A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25518(P2011−25518)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】