説明

電子機器

【課題】電池蓋や電池パックが脱落する虞を少なくできる電子機器を提供する。
【解決手段】 電子機器10は、筐体11に設けられた電池収容部15と、電池収容部15に収容可能な電池パック16と、電池パック16を覆う電池蓋18とを備えている。さらに、電子機器10は、電池パック16の端面16Aに設けられた電池側接点部23と、電池側接点部23の近傍に設けられた電池側係合面25と、電池収容部15に設けられた筐体側接点部27と、電池収容部15に設けられた筐体側係合面28と、電池収容部15に設けられた爪部材31とを備えている。爪部材31は、電池側接点部23が設けられた収容端面16A以外の他の端面16Dの上縁16Bに対して解除可能に係合する部材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に電池収容部が設けられ、電池収容部に電池パックが収容され、電池収容部を覆うように電池蓋が取り付けられた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図19に示すように、従来の電子機器200は、筐体201の電池収容部202に電池パック203が収容され、電池収容部202が電池蓋204で塞がれることにより電池蓋204で電池パック203が覆われるように構成されている。
電池収容部202に電池パック203が収容された状態で電池パック203の接点203Aが電池収容部202の接点202Aに接触された状態に保たれる。
【0003】
ここで、電池パック203を電池収容部202に位置決めするために、電池パック203の端面に設けた突起203Bを電池収容部202の内面202Bに設けた凹部に係合させる構造が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−310420号公報(段落0002、段落0007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の電子機器は、筐体が薄型であるため、短手方向に沿った線を軸として曲げるような外力が筐体に加わったり、筐体を長手方向に沿った線を軸として捻るような外力が加わると、筐体よりも硬質の電池パックが電池収容部から浮き上がり、電池蓋を押し上げるという不都合がある。
特に、筐体が防水性を有する電子機器は、電池蓋にパッキンを備える関係上、電池蓋が筐体に対して筐体の厚み方向に沿って嵌め込まれる構造を採用しているため、電池パックが電池蓋を押し上げると、電池蓋が脱落したり、あるいは電池蓋とともに電池パックが脱落する可能性がある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電池蓋や電池パックが脱落する虞を少なくできる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、筐体と、前記筐体に設けられた電池収容部と、前記電池収容部に収容される電池パックと、前記電池収容部を覆うように前記筐体の厚み方向に沿って前記筐体に対して嵌め込まれる電池蓋と、前記電池蓋の周縁に設けられ、前記筐体との間に水密性を得るシール部材と、前記電池収容部に対する収容方向に沿った前記電池パックの端面に設けられた電池側接点部と、前記電池パックにおける前記電池側接点部の近傍に設けられ、前記電池蓋側を向く電池側係合面と、前記電池収容部に設けられ、前記電池側接点部に接触する筐体側接点部と、前記電池収容部に設けられ、前記電池側係合面に対面する筐体側係合面と、前記電池収容部に設けられ、前記電池側接点部が設けられた端面以外の他の端面の上縁に対して解除可能に係合する爪部材と、を備える。
【0008】
前記電池収容部の筐体側係合面に電池パックの電池側係合面を対面させ、かつ、電池収容部の爪部材を電池パックの上縁に係合させるようにした。
これにより、電池パックを爪部材により固定できるので、筐体に捻れが加わった場合で
も電池蓋や電池パックが外れて脱落する虞を少なくできる。
【0009】
また、本発明の電子機器は、前記爪部材が、前記上縁に対して係合する係合位置と、前記上縁に対して離れる解除位置との間を移動可能であるとともに、前記電池蓋の裏面に突設された案内突起と、前記案内突起および前記係合爪のうちの少なくとも一方に設けられ、前記爪部材を前記解除位置から前記係合位置に案内する第1案内面と、前記上縁および前記爪部材のうちの少なくとも一方に設けられ、前記爪部材を前記係合位置から前記解除位置に案内する第2案内面とを備える。
【0010】
電池蓋の裏面に案内突起を突設させた。そして、案内突起および係合爪のうちの少なくとも一方に第1案内面を設け、第1案内面で爪部材を係合位置に案内するようにした。
これにより、電池蓋を取り付けることにより、第1案内面で爪部材を係合位置に案内して爪部材を電池パックの上縁に自動的に係合させることができる。
【0011】
また、電池パックの上縁および爪部材のうちの少なくとも一方に第2案内面を設け、第2案内面で爪部材を解除位置に案内するようにした。
これにより、電池パックを所定の力で電池収容部から取り出す際に、電池パックの上縁で爪部材を自動的に解除位置に移動させて電池パックを取り出せる。
【0012】
さらに、本発明の電子機器は、前記爪部材が、前記上縁に対して係合する係合位置から前記上縁に対して離れる解除位置に向けて付勢する付勢部材と、前記電池蓋の裏面に設けられ、前記爪部材を前記解除位置から前記係合位置に案内する案内突起とを備える。
【0013】
電池蓋の裏面に案内突起を設け、案内突起で爪部材を係合位置に案内するようにした。
これにより、電池蓋を取り付けることにより、案内突起で爪部材を係合位置に案内して爪部材を電池パックの上縁に自動的に係合させることができる。
【0014】
また、爪部材を付勢する付勢部材を備え、付勢部材で爪部材を電池パックの上縁に対して離れる解除位置に向けて付勢するようにした。
これにより、電池パックを所定の力で電池収容部から取り出すことにより、付勢部材の付勢力で爪部材を自動的に解除位置に移動させて電池パックを取り出せる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器によれば、電池収容部の筐体側係合面に電池パックの電池側係合面を対面させ、爪部材を電池パックの上縁に係合させることにより、筐体に捻れが加わった場合でも電池蓋や電池パックが外れて脱落する虞を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1実施形態の電子機器を表面側から見た状態を示す斜視図
【図2】図1の電子機器を裏面側から見た状態を示す分解斜視図
【図3】第1実施形態の電池パックを示す斜視図
【図4】第1実施形態の電子機器を示す断面図
【図5】図4のI部拡大図
【図6】(A)は第1実施形態の爪部材を電池収容部に収容した状態を示す斜視図、(B)は第1実施形態の爪部材を電池収容部から分解した状態を示す斜視図
【図7】第1実施形態の筐体に電池パックを収容する手順を説明する断面図
【図8】第1実施形態の筐体に電池パックを収容した状態を示す断面図
【図9】第1実施形態の筐体から電池パックを取り出す手順を説明する断面図
【図10】第1実施形態の変形例1の電池パックを示す斜視図
【図11】第1実施形態の変形例2の電池パックを示す斜視図
【図12】(A)は第1実施形態の変形例3の電池パックを示す斜視図、(B)は第1実施形態の変形例3の電池パックを示す断面図
【図13】第1実施形態の変形例4の電子機器を示す斜視図
【図14】第1実施形態の変形例5の電子機器を示す断面図
【図15】第1実施形態の変形例6の電子機器を示す斜視図
【図16】第1実施形態の変形例7の電子機器を示す斜視図
【図17】本発明に係る第1実施形態の電子機器を示す断面図
【図18】第2実施形態の変形例1の電子機器を示す断面図
【図19】従来の電子機器を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器について図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する各実施形態においては、2つの筐体が相対的にスライドするスライド式の電子機器を例示するが、本発明は、1つの筐体を有するストレート式の電子機器や、ヒンジを介して2つの筐体が相対的に回動する折畳み式の電子機器等にも適用可能である。
【0018】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である電子機器10は、略矩形体状に形成された筐体11を備え、筐体11の表面11Aに表示部12および操作部13等を備えている。
【0019】
また、図2に示すように、電子機器10は、筐体11に設けられた電池収容部15と、電池収容部15に収容可能な電池パック16と、電池パック16を覆う電池蓋18と、電池蓋18の周縁18Bに設けられたシール部材21(図4参照)とを備えている。
【0020】
さらに、図3、図4に示すように、電子機器10は、電池パック16の収容端面(端面)16Aに設けられた電池側接点部23と、電池側接点部23の近傍に設けられた電池側係合面25とを備えている。
加えて、図2、図4に示すように、電子機器10は、電池収容部15に設けられた筐体側接点部27と、電池収容部15に設けられた筐体側係合面28と、電池収容部15に設けられた一対の爪部材31とを備えている。
【0021】
また、図5に示すように、電子機器10は、電池蓋18の裏面18Aに突設された案内突起34と、案内突起34に設けられた突起側第1案内面(第1案内面)34Aと、係合爪33に設けられた爪側第1案内面(第1案内面)33Aとを備えている。
さらに、電子機器10は、電池パック16の上縁16Bに設けられた上縁側第2案内面(第2案内面)16Cと、係合爪33に設けられた爪側第2案内面(第2案内面)33Bとを備えている。
【0022】
図2に示すように、電池収容部15は、筐体11の裏面11Bに略矩形状の凹形に形成されることにより収納空間38を備えている。
収納空間38に、収納空間38より一回り小さい電池パック16が収容されている。
【0023】
電池パック16は、略矩形体状に形成され、電池収容部15に対して収容方向に矢印の如く差し込まれることにより電池収容部15に収容可能に形成されている。
電池収容部15に収容された電池パック16は電池蓋18で覆われている(図4参照)。
【0024】
図4に示すように、電池蓋18は、電池収容部15を覆うように筐体11の厚み方向(
矢印方向)に沿って電池収容部15の周縁15Aに対して着脱自在に嵌め込まれたカバーである。
電池収容部15の周縁15Aは、筐体11の裏面11Bに形成されている。
電池収容部15を覆うように筐体11の裏面11Bに電池蓋18を取り付けることにより、電池蓋18で電池パック16が保護されている。
電池蓋18の周縁18Bにシール部材21が設けられている。
【0025】
図5に示すように、シール部材21は、電池蓋18の周縁18Bに設けられている。
電池蓋18が電池収容部15の周縁15Aに嵌め込まれることにより、シール部材21で周縁18Bおよび周縁15A間に水密性が得られる。
【0026】
図3に示すように、電池側接点部23は、電池収容部15に対する収容方向に沿った電池パック16の収容端面(端面)16Aに設けられた端子である。
電池側係合面25は、電池パック16の収容端面16Aのうち電池側接点部23の近傍に設けられている。
具体的には、電池パック16の収容端面16Aのうち電池側接点部23の近傍に凸部24が形成されることにより、凸部24の上面に電池側係合面25が電池蓋18側を向くように設けられている。
【0027】
図2に示すように、筐体側接点部27は、電池収容部15のうち収容端面16Aに対峙する面15B(図2参照)に設けられ、図3に示す電池側接点部23に接触可能な端子である。
筐体側係合面28は、電池収容部15のうち収容端面16Aに対峙する面15B(図3参照)に設けられ、図3に示す電池側係合面25に対面する部位である。
【0028】
図5に示すように、爪部材31は、電池収容部15の面15Bに対峙する面15C(図2参照)に設けられ、電池パック16の上縁16Bに対して解除可能に係合する部材である。
電池パック16の上縁16Bは、電池パック16のうち電池側接点部23が設けられた収容端面16A(図3参照)以外の他の端面16D側の上縁である。
【0029】
図6に示すように、爪部材31は、電池収容部15に収容された本体部32と、本体部32の上端部に設けられた係合爪33と、本体部32の下端部から突出された一対の支持軸35と、本体部32の上端部から突出された一対のストッパ36とを有する。
【0030】
本体部32およびストッパ36は、電池収容部15の爪収容部41に収容されている。
支持軸35は、電池収容部15の軸収容部42に収容された状態で、一対の位置決め突起43,44で軸収容部42に回転自在に保持されている。
よって、爪部材31は、電池パック16の上縁16Bに対して係合する係合位置P1と、上縁16Bに対して離れる解除位置P2との間を移動可能に支持されている。
【0031】
一対のストッパ36は、爪収容部41の壁面41Aに当接可能な部材である。
爪収容部41の壁面41Aに一対のストッパ36を当接させることにより、電池収容部15から電池パック16が除去された状態において爪部材31を爪収容部41に保持できる。
【0032】
図5に示すように、爪部材31(係合爪33)の近傍に案内突起34が設けられている。
案内突起34は、電池蓋18の裏面18Aから係合爪33に向けて突設されている。案内突起34に突起側第1案内面34Aが設けられている。
案内突起34にシール部材21が係止されている。
【0033】
突起側第1案内面34Aは、案内突起34に設けられ、電池蓋18を電池収容部15に取り付ける際に、爪部材31を解除位置P2から係合位置P1に案内する面である。
【0034】
爪側第1案内面33Aは、係合爪33に設けられ、電池蓋18を電池収容部15に取り付ける際に、爪部材31を解除位置P2から係合位置P1に案内する面である。
【0035】
上縁側第2案内面16Cは、上縁16Bに設けられ、電池パック16を電池収容部15から取り出す際に、爪部材31を係合位置P1から解除位置P2に案内する面である。
【0036】
爪側第2案内面33Bは、爪部材31に設けられ、電池パック16を電池収容部15から取り出す際に、爪部材31を係合位置P1から解除位置P2に案内する面である。
【0037】
次に、電池収容部15に電池パック16を取り付ける手順を図7〜図8に基づいて説明する。
なお、図7〜図8においては一対の爪部材31は同様に作動するので一方の爪部材31について説明して、他方の爪部材31の説明を省略する。
【0038】
図7(A)に示すように、電池収容部15の筐体側係合面28に電池パック16の電池側係合面25を対面させた状態で(図4参照)、筐体11の電池収容部15に電池パック16を矢印A方向に収容する。
電池パック16の下縁16Eが、係合爪33に設けられた爪側収納案内面33Cに当接する。下縁16Eが爪側収納案内面33Cに当接することにより、係合爪33(爪部材31)が一対の支持軸35を軸にして矢印B方向に案内される。
これにより、電池収容部15の収納空間38に電池パック16が収容される。
【0039】
図7(B)に示すように、電池収容部15の収納空間38に電池パック16を収容した状態で、電池蓋18を電池収容部15に向けて矢印C方向に取り付ける。
電池蓋18を電池収容部15に取り付けることにより、案内突起34の突起側第1案内面34Aが係合爪33の爪側第1案内面33Aに当接する。
突起側第1案内面34Aが爪側第1案内面33Aに当接することにより、爪部材31が解除位置P2側から係合位置P1に矢印D方向に案内される。
【0040】
図8に示すように、爪部材31が係合位置P1に案内されることにより、係合爪33が電池パック16の上縁16Bに係止される。
これにより、使用者は電池パック16を収容する際に、爪部材31の操作を意識しなくても、一対の爪部材31を電池パック16の上縁16Bに自動的に係合させることができる。
【0041】
このように、電池収容部15の筐体側係合面28に電池パック16の電池側係合面25を対面させ(図4参照)、かつ、一対の爪部材31を電池パック16の上縁16Bに係合させることにより、電池パック16を爪部材31により固定できる。
これにより、筐体11に捻れが加わった場合でも電池蓋18や電池パック16が外れて脱落する虞を少なくできる。
【0042】
また、一対の爪部材31を電池パック16の上縁16Bに係合させることにより、爪部材31の本体部32が案内突起34に接触する。
よって、案内突起34に係止されたシール部材21を電池収容部15の周縁15Aに当接させた際に、シール部材21の反力で案内突起34が本体部32側に弾性変形すること
を本体部32で防ぐことができる。
これにより、シール部材21を周縁15Aに好適に押圧させることができるので、シール部材21で周縁18Bおよび周縁15A間に水密性が得られる。
【0043】
次に、電池収容部15から電池パック16を取り外す手順を図9に基づいて説明する。
なお、図9においては一対の爪部材31は同様に作動するので一方の爪部材31について説明して、他方の爪部材31の説明を省略する。
【0044】
図9に示すように、電池収容部15の収納空間38に電池パック16を収容した状態で、電池蓋18(図8参照)を電池収容部15から取り外す。
電池蓋18を取り外した後、電池パック16を電池収容部15から矢印E方向に持ち上げる。電池収容部15から持ち上げることにより、電池パック16の上縁16Bが矢印E方向に持ち上げられる。
【0045】
上縁16Bが持ち上げられることにより、上縁16Bの上縁側第2案内面16Cが持ち上げられて係合爪33の爪側第2案内面33Bに当接する。
この状態で、上縁側第2案内面16Cが継続して持ち上げられることにより、係合爪33(爪部材31)が一対の支持軸35を軸にして係合位置P1から解除位置P2側に向けて矢印F方向に案内される。
【0046】
爪部材31が解除位置P2側に案内されることにより、係合爪33による電池パック16の上縁16Bの係止が解除される。
これにより、電池パック16を所定の力で電池収容部15から取り出す際に、電池パック16の上縁16Bで爪部材31を自動的に解除位置P2側に移動させて電池パック16を取り出せる。
【0047】
第1実施形態で示す電子機器10の変形例1〜変形例7を図10〜図16に基づいて説明する。
なお、電子機器10の変形例1〜変形例7において第1実施形態の電子機器10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0048】
(変形例1)
図10に示す第1実施形態の変形例1の電池パック50は、第1実施形態の電池パック16の電池側係合面25を電池側係合面52に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電池パック16と同様である。
【0049】
電池パック50は、収容端面(端面)50Aの縁部に段部51が形成されることにより、収容端面50Aのうち電池側接点部23の近傍に電池側係合面52が形成されている。
電池側係合面52は、第1実施形態の電池側係合面25と同様に、電池蓋18(図4参照)側を向くように設けられている。
変形例1の電池側係合面52によれば、第1実施形態の電池側係合面25と同様の効果が得られる。
【0050】
(変形例2)
図11に示す変形例2の電池パック55は、第1実施形態の電池パック16の電池側係合面25を電池側係合面57に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電池パック16と同様である。
【0051】
電池パック50は、収容端面(端面)55Aのうち電池側接点部23の近傍に段部56が形成されることにより、電池側接点部23の近傍に電池側係合面57が形成されている

電池側係合面57は、第1実施形態の電池側係合面25と同様に、電池蓋18(図4参照)側を向くように設けられている。
変形例2の電池側係合面57によれば、第1実施形態の電池側係合面25と同様の効果が得られる。
【0052】
(変形例3)
図12(A),(B)に示す変形例3の電池パック60は、第1実施形態の電池パック16から電池側係合面25を除去したもので、その他の構成は第1実施形態の電池パック16と同様である。
【0053】
電池収容部15のうち収容端面(端面)60Aに対峙する面15Bに凸部15Dが設けられ、凸部15Dに電池パック60の角部62(上面62A)が係合される。
この状態で、角部62の上面62Aが電池側係合面の役割を果たす。
電池側係合面としての上面62Aは、第1実施形態の電池側係合面25と同様に、電池蓋18(図4参照)側を向くように設けられている。
変形例3によれば、第1実施形態の電池側係合面25と同様の効果が得られる。
【0054】
(変形例4)
図13に示す変形例4の電子機器70は、第1実施形態の一対の爪部材31を爪部材71に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
【0055】
爪部材71は、電池収容部15に収容された本体部72と、本体部72の上両端部に設けられた一対の係合爪73と、本体部72の下端部から突出された一対の支持軸74と、本体部72の上端部から突出された一対のストッパ75とを有する。
【0056】
変形例4の電子機器70によれば、第1実施形態の電子機器10と同様の効果が得られる。
加えて、変形例4の電子機器70によれば、第1実施形態に備えた一対の爪部材31を一体にまとめることで部材を減らすことができる。
【0057】
(変形例5)
図14に示す変形例5の電子機器80は、第1実施形態の爪部材31を爪部材81に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
【0058】
爪部材81は、電池収容部15の爪収容部82に、筐体11の長手方向(矢印方向)に移動自在に収容されている。
爪部材81を矢印方向に移動させることにより、爪部材81を係合位置P1および解除位置P2間で移動させることができる。
これにより、変形例5の爪部材81によれば、第1実施形態の電子機器10と同様の効果が得られる。
【0059】
(変形例6)
図15に示す変形例6の電子機器85は、第1実施形態の爪部材31を爪部材86に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
【0060】
一対の爪部材86は、第1実施形態の爪部材31が電池収容部15の面15Cに設けられるに対して、電池収容部15の両側部15Eにそれぞれ設けられている。
変形例6の爪部材86によれば、第1実施形態の電子機器10と同様の効果が得られる。
【0061】
(変形例7)
図16に示す変形例7の電子機器90は、第1実施形態の一対の爪部材31を一つの爪部材31に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
【0062】
変形例7の電子機器90によれば、第1実施形態の一対の爪部材31を一つの爪部材31にすることにより部材を減らすことができる。
さらに、変形例7の電子機器90によれば、第1実施形態の電子機器10と同様の効果が得られる。
【0063】
次に、第2実施形態を図17に基づいて説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態の電子機器10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
(第2実施形態)
図17に示す第2実施形態の電子機器100は、爪部材101を解除位置P2に向けて付勢する付勢部材102と、爪部材101を係合位置P1に案内する案内突起103とを備えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
【0065】
爪部材101は、第1実施形態の爪部材31と同様に、電池収容部15に収容された本体部105と、本体部105の上端部に設けられた係合爪106と、本体部105の下端部から突出された一対の支持軸107とを有する。
【0066】
付勢部材102は、電池パック16の上縁16B(図5参照)に対して係合する係合位置P1から上縁16Bに対して離れる解除位置P2に向けて付勢する板ばねである。
【0067】
案内突起103は、電池蓋18の裏面18Aに設けられ、爪部材101を解除位置P2から係合位置P1に案内する部位である。
【0068】
第2実施形態の電子機器100によれば、電池蓋18の裏面18Aに案内突起103を設け、案内突起103で爪部材101を係合位置P1に案内するようにした。
よって、電池蓋18を取り付けることにより、案内突起103で爪部材101を係合位置P1に案内して爪部材101を電池パック16の上縁16B(図5参照)に係合させることができる。
これにより、使用者は電池パック16を収容する際に、爪部材31の操作を意識しなくても、爪部材101を上縁16Bに自動的に係合させることができる。
【0069】
また、爪部材101を電池パック16の上縁16Bに係合させることにより、爪部材101の本体部105が案内突起103に接触する。
よって、案内突起103に係止されたシール部材21を電池収容部15の周縁15Aに当接させた際に、シール部材21の反力で案内突起103が本体部105側に弾性変形することを本体部105で防ぐことができる。
これにより、シール部材21を電池収容部15の周縁15Aに好適に押圧させることができるので、電池蓋18の周縁18Bおよび電池収容部15の周縁15A間にシール部材21で水密性が得られる。
【0070】
また、第2実施形態の電子機器100によれば、爪部材101を付勢する付勢部材102を備え、付勢部材102で爪部材101を電池パック16の上縁16B(図5参照)に対して離れる解除位置P2に向けて付勢するようにした。
【0071】
これにより、電池パック16を所定の力で電池収容部15から取り出すことにより、付勢部材102の付勢力で爪部材101を自動的に解除位置に移動させて電池パック16を取り出せる。
このように、爪部材101を付勢部材102で付勢することにより、使用者は電池パック16を取り出す際に、爪部材31の操作を意識しなくても、電池パック16を一層好適に取り出せる。
【0072】
第2実施形態で示す電子機器100の変形例1を図18に基づいて説明する。
なお、電子機器100の変形例1において第2実施形態の電子機器100と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
(変形例1)
図18に示す第2実施形態の変形例1の電子機器110は、第2実施形態の付勢部材102を付勢部材112に代えたもので、その他の構成は第2実施形態の電子機器100と同様である。
【0074】
付勢部材112は、爪部材113の基部113Aに対して一体に、例えば爪部材の一部をばね性を有する形状としたり、例えばインサート成形等で一体に設けられた板ばねである。
爪部材113は、第2実施形態の爪部材101(図17参照)に付勢部材112が設けられているだけで、その他の構成は同じである。
【0075】
付勢部材112が電池収容部15のばね収容部15Fに収容されることにより、爪部材113を解除位置P2に保持されている。
【0076】
変形例1の電子機器110によれば、付勢部材112を爪部材113の基部113Aに一体に設けることにより部材を減らすことができる。
さらに、変形例1の電子機器110によれば、第2実施形態の電子機器100と同様の効果が得られる。
【0077】
なお、本発明に係る電子機器は、前述した各実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、第1実施形態、第2実施形態では、第1案内面として案内突起34に突起側第1案内面34Aを設け、係合爪33に爪側第1案内面33Aを設けた例について説明したが、これに限定する者ではない。
例えば、案内突起34および係合爪33のいずれか一方に第1案内面を設けることも可能である。
【0078】
また、第1実施形態、第2実施形態では、第2案内面として電池パック16の上縁16Bに上縁側第2案内面16Cを設け、係合爪33に爪側第2案内面33Bを設けた例について説明したが、これに限定する者ではない。
例えば、電池パック16および係合爪33のいずれか一方に第2案内面を設けることも可能である。
【0079】
さらに、第1実施形態、第2実施形態で使用した電子機器、筐体、電池収容部、電池パック、電池蓋、シール部材、爪部材、案内突起および付勢部材等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、筐体に設けられた電池収容部に電池パックが収容され、電池収容部を覆うように電池蓋が取り付けられた電子機器への適用に好適である。
【符号の説明】
【0081】
10,70,80,85,90,100,110 電子機器
11 筐体
15 電池収容部
16.50,55,60 電池パック
16A,50A,55A,60A 収容端面(端面)
16B 上縁
16C 上縁側第2案内面(第2案内面)
16D 他の端面
18 電池蓋
18A 電池蓋の裏面
18B 電池蓋の周縁
21 シール部材
23 電池側接点部
25,52,57,62A 電池側係合面
27 筐体側接点部
28 筐体側係合面
31,71,81,86,101,113 爪部材
33A 爪側第1案内面(第1案内面)
33B 爪側第2案内面(第2案内面)
34,103 案内突起
34A 突起側第1案内面(第1案内面)
102,112 付勢部材
P1 係合位置
P2 解除位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられた電池収容部と、
前記電池収容部に収容される電池パックと、
前記電池収容部を覆うように前記筐体の厚み方向に沿って前記筐体に対して嵌め込まれる電池蓋と、
前記電池蓋の周縁に設けられ、前記筐体との間に水密性を得るシール部材と、
前記電池収容部に対する収容方向に沿った前記電池パックの端面に設けられた電池側接点部と、
前記電池パックにおける前記電池側接点部の近傍に設けられ、前記電池蓋側を向く電池側係合面と、
前記電池収容部に設けられ、前記電池側接点部に接触する筐体側接点部と、
前記電池収容部に設けられ、前記電池側係合面に対面する筐体側係合面と、
前記電池収容部に設けられ、前記電池側接点部が設けられた端面以外の他の端面の上縁に対して解除可能に係合する爪部材と、を備える電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記爪部材が、前記上縁に対して係合する係合位置と、前記上縁に対して離れる解除位置との間を移動可能であるとともに、
前記電池蓋の裏面に突設された案内突起と、
前記案内突起および前記係合爪のうちの少なくとも一方に設けられ、前記爪部材を前記解除位置から前記係合位置に案内する第1案内面と、
前記上縁および前記爪部材のうちの少なくとも一方に設けられ、前記爪部材を前記係合位置から前記解除位置に案内する第2案内面とを備える電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記爪部材が、前記上縁に対して係合する係合位置から前記上縁に対して離れる解除位置に向けて付勢する付勢部材と、
前記電池蓋の裏面に設けられ、前記爪部材を前記解除位置から前記係合位置に案内する案内突起とを備える電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−186069(P2012−186069A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49210(P2011−49210)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】