電子機器
【課題】誤走操作防止用として利用可能なヒンジ機構を持たない撮像装置などの電子機器において、防水構造を持つ場合でも、前記防水構造を変更することなしに、誤操作防止機能を付与する。
【解決手段】磁気センサ20は、磁石18mの磁力を検出した場合に、サブCPU24に磁力検出信号を出力する。サブCPU24は、磁力検出信号を受けて、CPU14に操作を無効にする無効化信号を出力する。CPU14は、無効化信号を受けて、操作部16による一切の操作を無効化する。
【解決手段】磁気センサ20は、磁石18mの磁力を検出した場合に、サブCPU24に磁力検出信号を出力する。サブCPU24は、磁力検出信号を受けて、CPU14に操作を無効にする無効化信号を出力する。CPU14は、無効化信号を受けて、操作部16による一切の操作を無効化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやミュージックプレイヤー等の電子機器が広く普及している。この種の電子機器は機器の動作制御を行うための操作ボタンが多く、使用者が機器に触れたときに意図しない操作、即ち、誤操作を行ってしまい、その誤操作によって機器が動作してしまうことがある。そこで、誤操作を防ぐために誤作動防止機構を備えるものがある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−28481号公報)には、表示モニタとカメラ本体を接続するヒンジ部分の回動角が所定の角度未満である場合は、ボタン操作を無効とするカメラについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−28481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の様な誤操作防止機能は、例えば、デジタルスチルカメラなどの機器本体に対してヒンジ接続された部材を持たない電子機器に対して実現することはできない。また、表示モニタの開き状態を見ただけでは、回動角度を判別することは難しく、ボタン操作が無効な状態になっているか否かを判断できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明にかかる電子機器は、上記課題に鑑みて成されたものであり、機器本体の外面に設けられた第1状態と第2状態に遷移可能な可動部、前記可動部の状態遷移を検知する検知部、前記機器本体を操作するための操作部、前記検知部によって、前記可動部の状態が前記第1の状態に遷移したと検知された場合に前記操作部から受付けた操作を無効化する制御部を備え、前記可動部は、所定信号を発信する発信部材を備えており、前記第1状態に遷移したときは該発信部材が第1位置に移動し、前記第2状態に遷移したときは該発信部材が第2位置に移動するものであり、前記検知部は、前記第1位置付近に設けられており、前記発信部材の所定信号を検知したときに、前記可動部が前記第1状態に遷移したことを検知するものであり、前記制御部は、前記機器本体の電源がオン状態のときに、前記制御部によって前記操作部からの受付けを無効にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、機器の形状やデザインに関わらず、誤操作防止機能を採用することができる。また、機器本体を見るだけで、誤操作防止機能が有効であるか否かを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る撮像装置1の外観斜視図である。
【図3】本発明に係る撮像装置1の分解斜視図である。
【図4】本発明に係る撮像装置1のヒンジ部分の構成を示す図解図である。
【図5】本発明に係る撮像装置1のグリップ部の斜視図である。
【図6】本発明に係る撮像装置1のグリップ部の回動動作を示す図解図である。
【図7】操作ロック機能に係るサブCPU24の処理動作を示すフローチャートである。
【実施例】
【0009】
(撮像装置1の構成)
本発明の一実施形態である撮像装置1について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における撮像装置1の内部構成の概略を示したブロック図である。
【0010】
撮像装置1は、被写体の光学像をフレーム周期でデジタル画像信号(以下、フレーム画像信号、または、フレーム画像と記載する。)に変換する撮像部2、撮像部2から出力されるデジタル画像信号を一時記録するメモリ6、メモリ6に一時記録されたフレーム画像にホワイトバランス調整を施すホワイトバランス調整部、色補間処理を施すことにより色同時化処理(色分離処理ともいう。)を行う色同時化処理部などからなる信号処理部4、信号処理部4で処理されたフレーム画像が静止画を撮影したものである場合はJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、動画を撮影したものである場合はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式などにより該画像信号に圧縮符号化処理を施し、圧縮画像信号を生成する画像コーデック部8、フレーム画像を表示する表示部10、撮影された画像データなどを記録する記録媒体12、CPU(Central Processing Unit)14、撮影を行うためのシャッタボタン16sなど、撮像装置1の操作を行う操作部16、を備えている。
【0011】
また、撮像装置1は、操作無効機能のオン/オフを切り換えるためのグリップ部18、グリップ部18内に配置された磁石18m、グリップ部18が所定の角度まで回動された場合に磁石18mの磁力を検出する磁気センサ20、CPU14等に電源を供給する電源供給部22、サブCPU24をさらに備える。
【0012】
撮像部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。
【0013】
メモリ6は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、或いはSDRAM(Synchronous DRAM)などの一般的に用いられているメモリが使用される。
【0014】
記録媒体12は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの撮像装置1に内蔵される内部記録媒体、或いはSDメモリカードやメモリスティック(登録商標)などの撮像装置1への着脱が自在な外部記録媒体が使用される。
【0015】
表示部10は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどが使用される。
【0016】
電力供給部22は、主電源スイッチのオン/オフ操作に応答してCPU14に電力を供給する一方で、磁気センサ20及びサブCPU24には常時電力を供給する。従って、磁気センサ20及びサブCPU24は、装置の主電源のオン/オフ状態に関わらず常時起動している。
【0017】
図2は、撮像装置1の外観斜視図を示している。グリップ部18は撮像装置1のキャビネット1cの表面に重畳される態様で配置されている。尚、本実施例では、グリップ部18は撮像部2と同一面に配置されているが、キャビネット1c上であれば他の面に配置されていても構わない。
【0018】
尚、グリップ部18の形状は略台形状になっているが、回動状態が視覚的に判別できる形状であれば、他の形状でも構わない。
【0019】
図3は、キャビネット1cとグリップ部18の接続部分の分解斜視図を示している。キャビネット1cとグリップ部18は、キャビネット1cに対してグリップ部18を回動可能に取り付ける為のヒンジ軸26、ヒンジ軸26を固定するためのキャビネット1cの表面にネジ止めされた軸受部28によって接続されている。ヒンジ軸26には、グリップ部18を固定するためのネジ30a、30bが備えられている。
【0020】
ヒンジ軸26は図4に示すように軸受部28に嵌合される。ヒンジ軸26は軸Lを中心に回動可能な状態で軸受部28に保持される。グリップ部18の裏側は、図5に示すように軸受部28が嵌合可能な凹部18cが形成されており、この凹部18cと軸受部28が嵌合される。そして、ネジ30aをネジ穴18a及び26aに、ネジ30bをネジ穴18b及び26bにそれぞれ螺合することでグリップ部18とヒンジ軸26は接続される。このようにして、グリップ部18はキャビネット1cに対して回動可能に取り付けられる。
【0021】
尚、グリップ18の回動可能角度は、180°以下が望ましいが、180°以上であっても構わない。本実施例では、回動可能角度は180°であるものとして説明する。
【0022】
また、グリップ部18の内部には、磁石18m、キャビネット1cの内部には磁石18mの磁力を検知するための磁気センサ20が備えられている。磁石18mと磁気センサ20は、グリップ部18が図6(c)の位置まで回動された時に重なるように配置されている。磁気センサ20は、グリップ部18が回動され、磁石18mが重なった時に磁力を検出する。
【0023】
尚、磁石18mと磁気センサ20の配置は、図6に示す配置でなくても構わない。また、グリップ部18の内部に磁気センサ20を配置し、キャビネット1cの内部に磁石18mを配置するようにしても構わない。
【0024】
(操作ロック機能)
撮像装置1は、操作部16から受付けた一切の操作を無効とする操作ロック機能をそなえている。グリップ部18が図6(c)に示す位置まで回動され、磁気センサ20が磁石18mの磁力を検出すると、磁気センサ20はサブCPU24に磁気検出信号を出力する。この磁気検出信号は磁気センサ20が磁石18mの磁力を検出している間、出力され続ける。
【0025】
サブCPU24は、磁気検出信号を受付けると、現在CPU14に電源が供給されているか否かを検出する。CPU14に電源が供給されている場合、即ち、撮像装置1の電源がオンされている場合は、操作部16から受付ける操作を無効化する無効化信号をCPU14に出力する。
【0026】
この無効化信号は、磁気センサ20からサブCPU24へ磁気検出信号が出力されて、且つ、CPU14に電源が供給されている間、CPU14へ出力され続ける。CPU14は、無効化信号を受信している間、操作部16から受付けた全ての操作を無効化する。
【0027】
CPU14に電源が供給されていない場合、即ち、撮像装置1の電源がオフされている場合に、グリップ部18が図6(c)に示す位置まで回動された場合は、CPU14に電源が供給されていないため、電源オン操作以外の操作は無効化されている。従って、無効化信号を出力する必要はなく、無効化信号の出力を停止する。
【0028】
そして、このような状態で電源オン操作が行われた場合、電源オン操作によってCPU14に電源が供給されると共に、サブCPU24からCPU14に無効化信号が出力される。従って、撮像装置1は操作部16から受付ける操作が無効化される状態で起動する。
【0029】
この操作ロック機能によって、ユーザーが意図しない操作、即ち、誤操作によって撮像装置1が動作してしまうことを防ぐことができる。また、ユーザーは撮像装置1のグリップ部18の回動状態を見るだけで誤操作防止機能が有効であるか否かを判断することができる。
【0030】
図7は、操作ロック機能に係るサブCPU24の処理動作を示すフローチャートである。尚、このフローチャートでは、説明の便宜上、磁気センサ20が磁石18mの磁気を検出していない状態(換言すると、操作有効状態)からスタートする。
【0031】
ステップS1では、サブCPU24が磁気検出信号を受付け中であるか否かを判別する。磁気検出信号を受付け中である場合はステップS3に進み、そうでない場合はステップS7に進む。
【0032】
ステップS3では、CPU14に電源が供給されているか否かを判別する。CPU14に電源が供給されている場合はステップS5に進み、そうでない場合はステップS7に進む。
【0033】
ステップS5では、CPU14に無効化信号を出力する。ステップS7では、CPU14への無効化信号の出力を停止する。
【0034】
上記実施の形態では、サブCPU24が磁気検出信号を受付けた場合に、CPU14へ無効化信号を出力し、磁気検出信号の出力が停止した場合に無効化信号の出力を停止するようにしているが、磁気検出信号の出力が停止した場合に無効化信号を出力し、磁気検出信号の出力を受付けた場合に無効化信号の出力を停止するようにしても良い。
【0035】
また、グリップ部18の回動状態を検出するために磁石18mおよび磁気センサ20を使用しているが、他の部材を使用しても構わない。例えば、フォトリフレクターセンサーの発光部および受光部を、それぞれ磁石18mおよび磁気センサ20の代わりに使用することで、グリップ部18の回動状態を検出することができる。
【0036】
また、CPU14が無効化信号を受け付けている間は操作部16から受付けた全ての操作を無効化するようにしているが、電源オフ操作は受付け可能なようにしても良い。
【0037】
また、グリップ部18はヒンジ軸26を介して回動可能な部材になっているが、例えば、上下または左右にスライド可能な部材にしても構わない。
【0038】
また、軸受部28は、キャビネット1cの表面にネジ止めするのではなく、接着剤でキャビネット1cに接着させるようにしても良い。そうすることで、防水機構になっているキャビネットにも防水性能を低下させることなく適用することができる。防水機構は、例えば、特開2005−70109号公報に開示されている方法で実現できる。
【0039】
また、ユーザーがグリップ部18の回動状態を確認するだけで、操作ロック機能が有効であるか否かを判断できるようになっているが、例えば、表示部10に操作ロック機能が有効である旨を表示するようにしても良い。そうすることで、ユーザーはより一層、操作ロック機能が有効であるか否かを容易に確認できるようになる。
【0040】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
2 撮像部
4 信号処理部
6 メモリ
8 画像コーデック部
10 表示部
12 記録媒体
14 CPU
16 操作部
16s シャッタボタン
18 グリップ部
18m 磁石
20 磁気センサ
22 電力供給部
24 サブCPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやミュージックプレイヤー等の電子機器が広く普及している。この種の電子機器は機器の動作制御を行うための操作ボタンが多く、使用者が機器に触れたときに意図しない操作、即ち、誤操作を行ってしまい、その誤操作によって機器が動作してしまうことがある。そこで、誤操作を防ぐために誤作動防止機構を備えるものがある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−28481号公報)には、表示モニタとカメラ本体を接続するヒンジ部分の回動角が所定の角度未満である場合は、ボタン操作を無効とするカメラについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−28481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の様な誤操作防止機能は、例えば、デジタルスチルカメラなどの機器本体に対してヒンジ接続された部材を持たない電子機器に対して実現することはできない。また、表示モニタの開き状態を見ただけでは、回動角度を判別することは難しく、ボタン操作が無効な状態になっているか否かを判断できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明にかかる電子機器は、上記課題に鑑みて成されたものであり、機器本体の外面に設けられた第1状態と第2状態に遷移可能な可動部、前記可動部の状態遷移を検知する検知部、前記機器本体を操作するための操作部、前記検知部によって、前記可動部の状態が前記第1の状態に遷移したと検知された場合に前記操作部から受付けた操作を無効化する制御部を備え、前記可動部は、所定信号を発信する発信部材を備えており、前記第1状態に遷移したときは該発信部材が第1位置に移動し、前記第2状態に遷移したときは該発信部材が第2位置に移動するものであり、前記検知部は、前記第1位置付近に設けられており、前記発信部材の所定信号を検知したときに、前記可動部が前記第1状態に遷移したことを検知するものであり、前記制御部は、前記機器本体の電源がオン状態のときに、前記制御部によって前記操作部からの受付けを無効にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、機器の形状やデザインに関わらず、誤操作防止機能を採用することができる。また、機器本体を見るだけで、誤操作防止機能が有効であるか否かを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る撮像装置1の外観斜視図である。
【図3】本発明に係る撮像装置1の分解斜視図である。
【図4】本発明に係る撮像装置1のヒンジ部分の構成を示す図解図である。
【図5】本発明に係る撮像装置1のグリップ部の斜視図である。
【図6】本発明に係る撮像装置1のグリップ部の回動動作を示す図解図である。
【図7】操作ロック機能に係るサブCPU24の処理動作を示すフローチャートである。
【実施例】
【0009】
(撮像装置1の構成)
本発明の一実施形態である撮像装置1について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における撮像装置1の内部構成の概略を示したブロック図である。
【0010】
撮像装置1は、被写体の光学像をフレーム周期でデジタル画像信号(以下、フレーム画像信号、または、フレーム画像と記載する。)に変換する撮像部2、撮像部2から出力されるデジタル画像信号を一時記録するメモリ6、メモリ6に一時記録されたフレーム画像にホワイトバランス調整を施すホワイトバランス調整部、色補間処理を施すことにより色同時化処理(色分離処理ともいう。)を行う色同時化処理部などからなる信号処理部4、信号処理部4で処理されたフレーム画像が静止画を撮影したものである場合はJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、動画を撮影したものである場合はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式などにより該画像信号に圧縮符号化処理を施し、圧縮画像信号を生成する画像コーデック部8、フレーム画像を表示する表示部10、撮影された画像データなどを記録する記録媒体12、CPU(Central Processing Unit)14、撮影を行うためのシャッタボタン16sなど、撮像装置1の操作を行う操作部16、を備えている。
【0011】
また、撮像装置1は、操作無効機能のオン/オフを切り換えるためのグリップ部18、グリップ部18内に配置された磁石18m、グリップ部18が所定の角度まで回動された場合に磁石18mの磁力を検出する磁気センサ20、CPU14等に電源を供給する電源供給部22、サブCPU24をさらに備える。
【0012】
撮像部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。
【0013】
メモリ6は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、或いはSDRAM(Synchronous DRAM)などの一般的に用いられているメモリが使用される。
【0014】
記録媒体12は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの撮像装置1に内蔵される内部記録媒体、或いはSDメモリカードやメモリスティック(登録商標)などの撮像装置1への着脱が自在な外部記録媒体が使用される。
【0015】
表示部10は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどが使用される。
【0016】
電力供給部22は、主電源スイッチのオン/オフ操作に応答してCPU14に電力を供給する一方で、磁気センサ20及びサブCPU24には常時電力を供給する。従って、磁気センサ20及びサブCPU24は、装置の主電源のオン/オフ状態に関わらず常時起動している。
【0017】
図2は、撮像装置1の外観斜視図を示している。グリップ部18は撮像装置1のキャビネット1cの表面に重畳される態様で配置されている。尚、本実施例では、グリップ部18は撮像部2と同一面に配置されているが、キャビネット1c上であれば他の面に配置されていても構わない。
【0018】
尚、グリップ部18の形状は略台形状になっているが、回動状態が視覚的に判別できる形状であれば、他の形状でも構わない。
【0019】
図3は、キャビネット1cとグリップ部18の接続部分の分解斜視図を示している。キャビネット1cとグリップ部18は、キャビネット1cに対してグリップ部18を回動可能に取り付ける為のヒンジ軸26、ヒンジ軸26を固定するためのキャビネット1cの表面にネジ止めされた軸受部28によって接続されている。ヒンジ軸26には、グリップ部18を固定するためのネジ30a、30bが備えられている。
【0020】
ヒンジ軸26は図4に示すように軸受部28に嵌合される。ヒンジ軸26は軸Lを中心に回動可能な状態で軸受部28に保持される。グリップ部18の裏側は、図5に示すように軸受部28が嵌合可能な凹部18cが形成されており、この凹部18cと軸受部28が嵌合される。そして、ネジ30aをネジ穴18a及び26aに、ネジ30bをネジ穴18b及び26bにそれぞれ螺合することでグリップ部18とヒンジ軸26は接続される。このようにして、グリップ部18はキャビネット1cに対して回動可能に取り付けられる。
【0021】
尚、グリップ18の回動可能角度は、180°以下が望ましいが、180°以上であっても構わない。本実施例では、回動可能角度は180°であるものとして説明する。
【0022】
また、グリップ部18の内部には、磁石18m、キャビネット1cの内部には磁石18mの磁力を検知するための磁気センサ20が備えられている。磁石18mと磁気センサ20は、グリップ部18が図6(c)の位置まで回動された時に重なるように配置されている。磁気センサ20は、グリップ部18が回動され、磁石18mが重なった時に磁力を検出する。
【0023】
尚、磁石18mと磁気センサ20の配置は、図6に示す配置でなくても構わない。また、グリップ部18の内部に磁気センサ20を配置し、キャビネット1cの内部に磁石18mを配置するようにしても構わない。
【0024】
(操作ロック機能)
撮像装置1は、操作部16から受付けた一切の操作を無効とする操作ロック機能をそなえている。グリップ部18が図6(c)に示す位置まで回動され、磁気センサ20が磁石18mの磁力を検出すると、磁気センサ20はサブCPU24に磁気検出信号を出力する。この磁気検出信号は磁気センサ20が磁石18mの磁力を検出している間、出力され続ける。
【0025】
サブCPU24は、磁気検出信号を受付けると、現在CPU14に電源が供給されているか否かを検出する。CPU14に電源が供給されている場合、即ち、撮像装置1の電源がオンされている場合は、操作部16から受付ける操作を無効化する無効化信号をCPU14に出力する。
【0026】
この無効化信号は、磁気センサ20からサブCPU24へ磁気検出信号が出力されて、且つ、CPU14に電源が供給されている間、CPU14へ出力され続ける。CPU14は、無効化信号を受信している間、操作部16から受付けた全ての操作を無効化する。
【0027】
CPU14に電源が供給されていない場合、即ち、撮像装置1の電源がオフされている場合に、グリップ部18が図6(c)に示す位置まで回動された場合は、CPU14に電源が供給されていないため、電源オン操作以外の操作は無効化されている。従って、無効化信号を出力する必要はなく、無効化信号の出力を停止する。
【0028】
そして、このような状態で電源オン操作が行われた場合、電源オン操作によってCPU14に電源が供給されると共に、サブCPU24からCPU14に無効化信号が出力される。従って、撮像装置1は操作部16から受付ける操作が無効化される状態で起動する。
【0029】
この操作ロック機能によって、ユーザーが意図しない操作、即ち、誤操作によって撮像装置1が動作してしまうことを防ぐことができる。また、ユーザーは撮像装置1のグリップ部18の回動状態を見るだけで誤操作防止機能が有効であるか否かを判断することができる。
【0030】
図7は、操作ロック機能に係るサブCPU24の処理動作を示すフローチャートである。尚、このフローチャートでは、説明の便宜上、磁気センサ20が磁石18mの磁気を検出していない状態(換言すると、操作有効状態)からスタートする。
【0031】
ステップS1では、サブCPU24が磁気検出信号を受付け中であるか否かを判別する。磁気検出信号を受付け中である場合はステップS3に進み、そうでない場合はステップS7に進む。
【0032】
ステップS3では、CPU14に電源が供給されているか否かを判別する。CPU14に電源が供給されている場合はステップS5に進み、そうでない場合はステップS7に進む。
【0033】
ステップS5では、CPU14に無効化信号を出力する。ステップS7では、CPU14への無効化信号の出力を停止する。
【0034】
上記実施の形態では、サブCPU24が磁気検出信号を受付けた場合に、CPU14へ無効化信号を出力し、磁気検出信号の出力が停止した場合に無効化信号の出力を停止するようにしているが、磁気検出信号の出力が停止した場合に無効化信号を出力し、磁気検出信号の出力を受付けた場合に無効化信号の出力を停止するようにしても良い。
【0035】
また、グリップ部18の回動状態を検出するために磁石18mおよび磁気センサ20を使用しているが、他の部材を使用しても構わない。例えば、フォトリフレクターセンサーの発光部および受光部を、それぞれ磁石18mおよび磁気センサ20の代わりに使用することで、グリップ部18の回動状態を検出することができる。
【0036】
また、CPU14が無効化信号を受け付けている間は操作部16から受付けた全ての操作を無効化するようにしているが、電源オフ操作は受付け可能なようにしても良い。
【0037】
また、グリップ部18はヒンジ軸26を介して回動可能な部材になっているが、例えば、上下または左右にスライド可能な部材にしても構わない。
【0038】
また、軸受部28は、キャビネット1cの表面にネジ止めするのではなく、接着剤でキャビネット1cに接着させるようにしても良い。そうすることで、防水機構になっているキャビネットにも防水性能を低下させることなく適用することができる。防水機構は、例えば、特開2005−70109号公報に開示されている方法で実現できる。
【0039】
また、ユーザーがグリップ部18の回動状態を確認するだけで、操作ロック機能が有効であるか否かを判断できるようになっているが、例えば、表示部10に操作ロック機能が有効である旨を表示するようにしても良い。そうすることで、ユーザーはより一層、操作ロック機能が有効であるか否かを容易に確認できるようになる。
【0040】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
2 撮像部
4 信号処理部
6 メモリ
8 画像コーデック部
10 表示部
12 記録媒体
14 CPU
16 操作部
16s シャッタボタン
18 グリップ部
18m 磁石
20 磁気センサ
22 電力供給部
24 サブCPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体の外面に設けられた第1状態と第2状態に遷移可能な可動部、
前記可動部の状態遷移を検知する検知部、
前記機器本体を操作するための操作部、
前記検知部によって、前記可動部の状態が前記第1の状態に遷移したと検知された場合に前記操作部から受付けた操作を無効化する制御部を備え、
前記可動部は、所定信号を発信する発信部材を備えており、前記第1状態に遷移したときは該発信部材が第1位置に移動し、前記第2状態に遷移したときは該発信部材が第2位置に移動するものであり、
前記検知部は、前記第1位置付近に設けられており、前記発信部材の所定信号を検知したときに、前記可動部が前記第1状態に遷移したことを検知するものであり、
前記制御部は、前記機器本体の電源がオン状態のときに、前記制御部によって前記操作部からの受付けを無効にする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記発信部材は磁石であり、
前記検知部は前記磁石の磁気を検出する磁気センサであり、
前記磁気センサが前記磁石の磁気を検知することで、前記可動部が前記第1状態に遷移したか否かを検知する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記可動部は、前記機器本体の表面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至2記載の電子機器。
【請求項1】
機器本体の外面に設けられた第1状態と第2状態に遷移可能な可動部、
前記可動部の状態遷移を検知する検知部、
前記機器本体を操作するための操作部、
前記検知部によって、前記可動部の状態が前記第1の状態に遷移したと検知された場合に前記操作部から受付けた操作を無効化する制御部を備え、
前記可動部は、所定信号を発信する発信部材を備えており、前記第1状態に遷移したときは該発信部材が第1位置に移動し、前記第2状態に遷移したときは該発信部材が第2位置に移動するものであり、
前記検知部は、前記第1位置付近に設けられており、前記発信部材の所定信号を検知したときに、前記可動部が前記第1状態に遷移したことを検知するものであり、
前記制御部は、前記機器本体の電源がオン状態のときに、前記制御部によって前記操作部からの受付けを無効にする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記発信部材は磁石であり、
前記検知部は前記磁石の磁気を検出する磁気センサであり、
前記磁気センサが前記磁石の磁気を検知することで、前記可動部が前記第1状態に遷移したか否かを検知する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記可動部は、前記機器本体の表面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至2記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−216937(P2012−216937A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79766(P2011−79766)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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